JP2000282213A - 溶射基材支持装置 - Google Patents

溶射基材支持装置

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JP2000282213A
JP2000282213A JP11088002A JP8800299A JP2000282213A JP 2000282213 A JP2000282213 A JP 2000282213A JP 11088002 A JP11088002 A JP 11088002A JP 8800299 A JP8800299 A JP 8800299A JP 2000282213 A JP2000282213 A JP 2000282213A
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sprayed
thermal spray
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JP11088002A
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Hirofumi Sonoda
田 弘 文 園
Shigeru Kitahara
原 繁 北
Harumichi Ichimura
村 治 通 市
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さい基材,薄い基材,シ−ト状基材,軽量
な基材などの、高熱気流による飛び,位置ずれ,揺動,
振動等の防止。 【解決手段】 第1態様は、溶射基材Waを受けるとき
それが対向する開口を有し、弾力があり気密機能がある
弾力吸引部材14a;その開口に負圧と正圧を選択的に
与える圧印加手段11,13a〜13l,16〜18,
21〜24;および、溶射ヘッド1から見るとき溶射基
材Waの前面にあって溶射基材に当接するマスク部材2
0;を備える支持装置10(図1,図2)。マスク部材
20は、溶射流に溶射基材Waを曝すための開口20を
有し、溶射流から支持装置10は遮蔽する。第2態様
は、弁装置30を有する、立方筐体状の支持装置10
(図3,図4)。弁装置30を介して筐体内27を負圧
吸引し、弁装置30の閉にて負圧を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶射ヘッドから高
熱溶融あるいは半溶融した溶射材料を高熱気流と共に吹
き出し、この溶射材料流に加工対象材(溶射基材)を曝
して溶射皮膜を形成する高熱溶射加工に関し、特に、こ
の溶射時に溶射基材を支持する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物体表面に各種機能皮膜を、高熱溶射に
より形成する溶射法には、ガス溶射,ア−ク溶射,プラ
ズマ溶射,高速フレ−ム溶射等がある。安定した溶射皮
膜を形成するためには、いずれの溶射方法においても溶
射ガンの溶射ヘッドと基材の間隔を、一定距離に保つ必
要がある。また溶射ヘッドは基材に対し一定距離かつ基
材表面に対し直角に近い状態に保つ必要がある。基材は
鉄,非鉄,非金属等様々であるが、これの固定方法は通
常下記のように行われている: ・丸物で基材を回転させながら溶射する方法において
は、チャックによりくわえ回転軸に固定する, ・立方体等多面の物は、万力で固定する, ・基材形状に合致する専用固定治具により、固定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】小さい基材,薄い基
材,シ−ト状基材,軽量な基材などでは、高熱溶融ある
いは半溶融した溶射材料のキャリアである高熱気流によ
り吹き飛ばされるとか、位置ずれ,揺動,振動を生じ、
所望の皮膜形成ができないおそれがある。このような場
合には、鉄であれば磁石等により溶射面に障害物が現れ
ないような方法で固定している。しかし基板が非磁性体
(非鉄,非金属)では磁石を使用できないので、特に小
さい非磁性基材,薄い非磁性基材,シ−ト状非磁性基
材,軽量な非磁性基材などの静止支持が困難であった。
本発明はこれを改善することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】(1)溶射ヘッド(1)か
ら高熱溶融あるいは半溶融した溶射材料を高熱気流と共
に吹き出し、この溶射材料流に被溶射材すなわち溶射基
材(Wa〜Wl)を曝して溶射皮膜を形成するにおいて該溶射
基材(Wa〜Wl)を支持する溶射基材支持装置(10)であっ
て、前記溶射基材(Wa〜Wl)を受けるとき該溶射基材(Wa
〜Wl)が対向する開口を有し、弾力があり気密機能があ
る弾力吸引部材(14a〜14l);該弾力吸引部材(14a〜14l)
の開口に負圧と正圧を選択的に与える圧印加手段(11,13
a〜13l,16〜18,21〜24);および、前記溶射ヘッド(1)か
ら溶射基材支持装置(10)を見るとき前記溶射基材(Wa〜W
l)の前面にあって溶射基材に当接するものであって、前
記溶射材料流に溶射基材(Wa〜Wl)を曝すための開口(20a
〜20l)を有し、溶射材料流から溶射基材支持装置は遮蔽
するためのマスク部材(20);を備えることを特徴とする
溶射基材支持装置(図1,図2)。なお、理解を容易にする
ためにカッコ内には図面に示し後述する実施例の対応要
素又は対応事項の符号を、参考までに付記した。以下も
同様である。
【0005】これによれば、弾力吸引部材(14a〜14l)
に、その開口を閉じるように溶射基材(Wa〜Wl)を当接し
圧印加手段(11,13a〜13l,16〜18,21〜24)によって負圧
を与えることにより、弾力吸引部材(14a〜14l)が溶射基
材(Wa〜Wl)を吸着する。この溶射基材(Wa〜Wl)にマスク
部材(20)を当てて、溶射ヘッド(1)から吹き出す、高熱
溶融あるいは半溶融した溶射材料を担持した高熱気流に
曝すことにより、溶射基材(Wa〜Wl)に溶射材料皮膜が形
成される。
【0006】弾力吸引部材(14a〜14l)を当てての負圧吸
引によって溶射基材(Wa〜Wl)を支持するので、非磁性体
基材であっても確実に保持され、基材の数点又は実質上
全面の負圧吸引支持により、小さい基材,薄い基材,シ
−ト状基材,軽量な基材であっても、位置ずれなくまた
揺動や振動を実質上生ずることなく静止支持することが
できる。
【0007】マスク部材(20)が、溶射基材(Wa〜Wl)以外
の、基材支持装置への溶射材料の被着を防ぐので、基材
支持装置の、基材吸着部位周りの汚染が少く、溶射基材
支持装置の長期の繰返し使用が可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】(2)溶射ヘッド(1)から高熱溶
融あるいは半溶融した溶射材料を高熱気流と共に吹き出
し、この溶射材料流に被溶射材すなわち溶射基材(Wa〜W
l)を曝して溶射皮膜を形成するにおいて該溶射基材(Wa
〜Wl)を支持する溶射基材支持装置であって、前記溶射
基材(Wa〜Wl)を受けるとき該溶射基材(Wa〜Wl)が対向す
る開口を有し、弾力があり気密機能がある弾力吸引部材
(14a〜14l);該弾力吸引部材(14a〜14l)を支持し、その
開口に連通する気流路(13a〜13l)を有する支持体(11);
前記気流路(13a〜13l)が連通する空間(27)を、該気流路
(13a〜13l)以外は密閉する隔壁部材(28c,28d,29);およ
び、前記空間(27)と、隔壁部材(28c,28d,29)の外の空間
との間の連通を遮断する弁装置(30);を備えることを特
徴とする溶射基材支持装置(図3,図4)。
【0009】これによれば、弾力吸引部材(14a〜14l)
に、その開口を閉じるように溶射基材(Wa〜Wl)を当接
し、弁装置(30)を通して支持体(11)および隔壁部材(28
c,28d,29)で囲まれた空間(27)に負圧を与えて弁装置(3
0)を閉じると、弾力吸引部材(14a〜14l)が溶射基材(Wa
〜Wl)を吸着する。この溶射基材(Wa〜Wl)にマスク部材
(20)を当てて、溶射ヘッド(1)から吹き出す、高熱溶融
あるいは半溶融した溶射材料を担持した高熱気流に曝す
ことにより、溶射基材(Wa〜Wl)に溶射材料皮膜が形成さ
れる。
【0010】弾力吸引部材(14a〜14l)を当てての負圧吸
引によって溶射基材(Wa〜Wl)を支持するので、非磁性体
基材であっても確実に保持され、基材の数点又は実質上
全面の負圧吸引支持により、小さい基材,薄い基材,シ
−ト状基材,軽量な基材であっても、位置ずれなくまた
揺動や振動を実質上生ずることなく静止支持することが
できる。
【0011】支持体(11),隔壁部材(28c,28d,29)および
弁装置(30)が、負圧空間を密閉に維持するので、基材支
持装置の独立の可搬筐体とし、これをコンベアで搬送す
ることができる。例えば、溶射基材(Wa〜Wl)装着プラッ
トホ−ムで上述のように基材支持装置に溶射基材(Wa〜W
l)を装着して基材支持装置と一体とし、この基材支持装
置をコンベアで溶融ヘッド直下に搬送してそこで溶射を
行ない、そして溶射基材(Wa〜Wl)回収プラットホ−ム
で、弁装置(30)を開して空間(27)を正圧(大気圧)として
溶射基材(Wa〜Wl)を基材支持装置から取り出す。空間(2
7)内を負圧に維持するためのゴムホ−スが不要であるの
で、長い搬送路あるいは入りくんだ搬送路でも、溶射基
材(Wa〜Wl)を基材支持装置で負圧吸着したまま搬送する
ことができる。 (3)前記弁装置(30)は、前記隔壁部材(28c,28d)の外
の空間から、負圧印加を行なう口金(50)が差し込まれる
開口(40)、および、該開口(40)に差し込まれた口金(50)
によって隔壁部材(28c,28d)の内空間(27)を口金(50)の
通気路に連通とする位置に駆動される弁体(38)、を含
む。これは、車輪のゴムタイヤにエア−ポンプで高圧空
気を圧入するのと同様ではあるが、圧力を負圧にする
点、すなわちエア−ポンプの吸気負圧をアキュムレ−タ
で蓄圧かつ調圧して口金(50)を通して、自動空気注入と
逆に自動負圧供給する態様である。空間(27)への負圧供
給を極く簡易に行なうことができる。なお、大気連通の
口金を弁開口(40)に差し込むことにより、空間(27)が正
圧(大気圧)となり、溶射基材(Wa〜Wl)の取り外しが容易
である。 (4)前記溶射ヘッド(1)から溶射基材支持装置(10)を
見るとき前記支持体(11)の前面にあって溶射基材に当接
するものであって、前記溶射材料流に溶射基材(Wa〜Wl)
を曝すための開口(20a〜20l)を有し、溶射材料流から溶
射基材支持装置は遮蔽するためのマスク部材(20);を更
に備える上記(2)又は(3)の溶射基材支持装置(図
3,図4)。上記(1)の態様と同様に、マスク部材(20)
が、溶射基材(Wa〜Wl)以外の、基材支持装置への溶射材
料の被着を防ぐので、基材支持装置の、基材吸着部位周
りの汚染が少く、溶射基材支持装置の長期の繰返し使用
が可能である。
【0012】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0013】
【実施例】−第1実施例− 図1に、本発明の第1実施例の溶射基材支持装置10の
外観を、それに溶射基材Wa〜Wlを装着した、溶射準
備完了状態で示す。この実施例では、支持装置10は床
に固着されている。床の上方には、2本の水平y梁4
a,4bがあり、これらにy方向に移動自在に水平x梁
3が結合し、この水平x梁3に、x方向に移動自在にキ
ャリッジ2が結合し、このキャリッジ2で、プラズマ溶
射ト−チの溶射ヘッド1が支持されている。キャリッジ
2と水平x梁3には、キャリッジ2をx方向に駆動する
電動x駆動装置が装備されているが、その図示は省略し
た。また、水平x梁3と水平y梁4a,4bには、水平
x梁3をy方向に駆動する電動y駆動装置が装備されて
いるが、その図示も省略した。これらx,y駆動装置に
よってプラズマ溶射ヘッド1(の下向きのプラズマ噴射
ノズル)を、フ−ド5および支持装置10の水平面投影
領域のいずれの点(の上方)にも位置決めすることがで
きる。
【0014】なおフ−ド5は、ヘッド1から下向きに噴
射するプラズマ流を受入れる耐熱遮蔽板であり、それに
は太径のパイプが連続し、このパイプが床壁下を通っ
て、浄化排気ル−ムにつながっている。フ−ド5の中心
軸が、ヘッド1(のプラズマ噴射ノズル)の待機位置
(ホ−ムポジション)であり、そこにヘッド1を置い
て、プラズマの着火,溶射火焔(高熱溶融あるいは半溶
融した溶射材料を含む高熱プラズマ気流)の調整,弱火
にしての待機等が行なわれる。支持装置10が、溶射基
材Wa〜Wlの装着を終え溶射準備完了になると、ホ−
ムポジションで溶射火焔を溶射のものに調整してから、
ヘッド1が、x,y駆動装置によって、予めティ−チン
グ作業によって図示しないコンピュ−タに登録されてい
るスケジュ−ル(溶射軌跡)に従って、溶射基材Wa〜
Wlの上方に順次に駆動され、各溶射基材に対してティ
−チングで設定されたx,y走査軌跡にて移動し、全溶
射基材Wa〜Wlについてそれを完了すると、ホ−ムポ
ジションに戻されそこで溶射火焔が待機時の弱火に下げ
られる。
【0015】図2に、図1上のII−II線拡大断面を示
す。スタンド外側板19の上端には、底板17が固着さ
れている。底板17には、パッキング16を介して天板
11が気密に固着されている。天板11には、この実施
例では3×4個の平底浅穴12a〜12lが開いてお
り、各穴に各1個の、Oリング状の弾力性があるゴムパ
ッキング14a〜14lが挿入されている。各ゴムパッ
キングの厚みは、平底浅穴12a〜12lの深さより厚
く、各ゴムパッキングは、天板11の上面より上方(+
z方向)に突出している。
【0016】平底浅穴12a〜12lの中心には、天板
11を厚み方向に貫通する小径の通気孔13a〜13l
があり、各通気孔を通して、各平底浅穴が、天板11と
底板17の間の空間27に連通している。ゴムパッキン
グ14a〜14lのすべてに溶射対象材すなわち溶射基
材Wa〜Wlを載せて、空間27に負圧(吸引圧)を加
えると、溶射基材Wa〜Wlをゴムパッキング14a〜
14lを介して天板11が吸着する。正圧(大気圧)を
加えると、吸引がなくなるので、溶射基材Wa〜Wlは
単にゴムパッキング14a〜14lに載った状態であ
り、溶射基材Wa〜Wlを容易に取り外すことができ
る。
【0017】この負圧,正圧印加を行なうために、底板
17には口金18が固着されており、この口金18に、
ホ−スを介して電磁開閉弁21,電磁切換弁22,負圧
アキュムレ−タ23および電動エア−ポンプ24がシリ
アルに接続されている。エア−ポンプ24が駆動される
と負圧アキュムレ−タ23の空気がエア−ポンプ24に
吸引されて大気に吐出される。これにより負圧アキュム
レ−タ23の内空間が負圧となる。負圧アキュレム−タ
23には、その内圧が第1所定値に達するとスイッチオ
フに切換わってエア−ポンプ24の電動機の通電回路を
開く(遮断する)圧力検出スイッチが備わっているの
で、負圧アキュムレ−タ23の負圧は略第1所定値に保
たれる。なお、負圧(の絶対値)が第1所定値より高い
第2所定値を越えると負圧の一部を大気に放出し所定値
に戻ると大気との間を遮断するブリ−フ弁も備わってい
るが、その図示は省略した。
【0018】負圧アキュムレ−タ23の負圧が略第1所
定値のときに、電磁開閉弁21をオン(通電)にすると
それが閉(遮断)から開(通流)に切換わり、負圧アキ
ュムレ−タ23の負圧が電磁切換弁22および電磁開閉
弁21を通して空間27に加わり、天板11が、溶射基
材Wa〜Wlを、ゴムパッキング14a〜14lを介し
て吸着する。吸着が完了してから電磁開閉弁21をオフ
(非通電)にすると、リング状のゴムパッキング14a
〜14lの内空間および天板11/底板17間の空間2
7が負圧のままとなり、天板11が溶射基材Wa〜Wl
の吸着を継続する。
【0019】天板11の2コ−ナにそれぞれ位置合せピ
ン15a,15bが立っており、これらのピンでマスク
板20を天板11の上空間に位置決めしうる。マスク板
20の外形は、天板11の外形より大きく、ヘッド1が
噴射するプラズマ溶射炎が天板11の上面を直撃するの
を防ぐ。しかし溶射基材Wa〜Wlの溶射が必要である
ので、溶射基材Wa〜Wlの溶射所要面をプラズマ溶射
炎に曝すための各溶射基板対応の開口20a〜20l
が、マスク板20に開いている。また、位置合せピン1
5a,15bを受入れる位置決め穴が開いている。天板
11に溶射基材Wa〜Wlを吸着してから溶射基材Wa
〜Wl上にマスク板20が載せられる。この状態を図1
および図2に示す。
【0020】溶射基材Wa〜Wlのそれぞれに対する溶
射をすべて完了し、電磁切換弁22をオンにすると、そ
の入力ポ−ト(電磁開閉弁21との接続ポ−ト)が大気
連通となり、ここで電磁開閉弁21もオンにすると、空
間27およびゴムパッキング14a〜14lの内空間が
大気圧となって、溶射基材Wa〜Wlを単に軽く持上げ
ることにより、取り外すことができる。
【0021】図示は省略したが、マスク板の4コ−ナを
吸着するために4個、溶射基材Wa〜Wlのそれぞれを
吸着するために計12個、総計16個の負圧吸引盤を装
備したロボットア−ムが、図1上の+x側から−x方向
に突き出されて溶射基材支持装置10の上方に位置決め
され、そして−z方向に降下し吸引盤がマスク板20お
よび溶射基材Wa〜Wlに接触する位置で降下を止めら
れ、そして吸引盤に負圧が印加されてマスク板20およ
び溶射基材Wa〜Wlを吸着し、そしてロボットア−ム
が+z方向に引上げられ次いで+x方向に戻って、収納
容器内に溶射基材Wa〜Wlおよびマスク板20を搬入
する。
【0022】これを終えるとロボットア−ムは、未処理
溶射基板供給ステ−ジにある基板位置決め型上の、図1
に示すのと同様に配列された溶射基材Wa〜Wlおよび
マスク板20を吸着して、上述の溶射済基材取り外し工
程でのア−ム移動軌跡と同様な軌跡で移動して、溶射基
材支持装置10上に図1に示すように、未処理溶射基材
Wa〜Wlおよびマスク板20を装着する。これが終わ
ると電磁切換弁21がオンにされて天板11が未処理溶
射基材Wa〜Wlを吸着する。次に電磁切換弁21をオ
フに戻して、ヘッド1による溶射基材Wa〜Wlのそれ
ぞれに対する溶射が行なわれる。これが終了すると、電
磁開閉弁21および電磁切換弁22がオンにされ、空間
27が大気圧になった後に両電磁弁21,22がオフに
戻され、上述のロボットア−ムによる溶射済基材および
マスク板の搬出が開始される。
【0023】−第2実施例− 第2実施例の、図2相当の横断面を図3に示す。この第
2実施例でも、溶射基材Wa〜Wlおよびマスク板20
を装着した上面(のみ)は、図1に示す外観となる。こ
の第2実施例は、溶射ヘッド1の直下に、第2実施例の
溶射基材支持装置10(図3)を送り込みそしてそこか
ら搬出するロ−ラコンベア(図示せず)があり、その上
流および下流にもコンベアがあって、溶射ヘッド1の直
下への溶射基材の搬入とそこからの搬出をロ−ラコンベ
アで行なう搬送態様、に適したものである。この搬送態
様では、溶射基材支持装置10の移動経路が比較的に長
く、しかも直進に限らない場合もあるので、溶射基材支
持装置10は、床上静止機器とは分離し独立であるのが
好ましい。
【0024】そこで図3に示す第2実施例の溶射基材支
持装置10は、独立筐体としている。すなわち、天板1
1にロ形枠形状(4角筒状)の側板28a〜28d(紙
面と平行な2辺28a,28bは図示なし)の上端を気
密に固着し、側板28a〜28dの下部に底板29を気
密に固着したものである。これら、天板11,側板28
a〜28dおよび底板29で囲まれる空間27に負圧を
与えるために、側板28cに弁装置30が装着されてい
る。すなわち、側板28cには丸穴が開いており、この
丸穴を略カップ状の弁台28eが気密に閉じており、こ
の弁台28eの底壁に開いた丸穴に弁装置30が気密に
装着されている。
【0025】図4の(a)に、弁装置30の拡大縦断面
を示す。弁台28eの底壁の丸穴をリング状のゴムブッ
シュ31が貫通しており、このゴムブッシュ31が、そ
れを貫通する弁基台32とワッシャ33およびナット3
4で締め付られ、これにより弁台28eの底壁に開いた
丸穴がゴムブッシュ31と弁基台32で密閉されてい
る。ナット34は、弁基台32の雄ねじに結合してい
る。弁基台32の、ブッシュ31を貫通するステムに
は、通気穴がありそれが大径の、雄ねじ付バネ受けスリ
−ブに連続している。バネ受けスリ−ブには圧縮コイル
スプリング37が挿入され、このスプリング37が球3
8を支える。バネ受けスリ−ブにねじ結合した弁キャッ
プ36には、弁座としてのOリング39があり、大気側
テ−パ開口40の底には、口金50を受ける比較的に太
径のOリング41が挿入されている。弁基台32とそれ
にねじ結合した弁キャップ36との間は、両者によって
圧縮されたOリング35で気密に閉じられている。
【0026】圧縮コイルスプリング37の反発力、すな
わち球38をOリング39に押し付けようとする力は、
天板11,側板28a〜28dおよび底板29で構成さ
れた筐体(10)の内空間27に、溶射基材Wa〜Wl
を吸着保持するための負圧(設計上の所定値)が加わっ
ているとき、この負圧によって球38がOリング39か
ら離れようとする力、よりも大きい。
【0027】第1実施例と同様に、ゴムパッキング14
a〜14lのすべてに溶射対象材すなわち溶射基材Wa
〜Wlを載せて、例えば図2に示す電磁開閉弁21,電
磁切換弁22,負圧アキュムレ−タ23およびエア−ポ
ンプ24でなる圧力源の、電磁開閉弁21に接続された
口金50(図4)を、図4の(a)に示すようにテ−パ
開口40に位置合せして、図4の(b)に示すようにテ
−パ開口40内に挿入すると、球38がOリング38か
ら離れて弁開となり、口金50の内空間(電磁開閉弁2
1に連通)が、天板11,側板28a〜28dおよび底
板29で構成された筐体(10)の内空間27と通流と
なる。
【0028】ここで電磁開閉弁21をオンにすると空間
27の空気が負圧アキュムレ−タ23に吸引され、空間
27が負圧になる。空間27の圧力が所定負圧にまで下
がると口金50を抜き出し電磁開閉弁21をオフに戻
す。口金50の通気ピン53の先端がOリング39を通
過したときに球38がOリング39に圧接して弁閉とな
り、空間27は負圧に維持される。溶射基材Wa〜Wl
の保持を解除するときには、口金50又は他の押し棒で
球38をスプリング37の反発力に抗して押し込んで、
球38周りの空間を大気連通にすればよい。
【0029】なお、図4に示す口金50は、空間27に
負圧を供給して口金50を弁開口40から外すときに負
圧の漏れを防止するために、図4の(b)に示すよう
に、太径のOリング41を中間部52の先端面で圧縮し
てから通気ピン53が球38に当ってそれをOリング3
9から離すように、通気ピン53の突出長を定めてい
る。これにより、口金50を図4の(b)の弁開位置か
ら外に引き出すとき、まず球38が戻ってOリング39
に圧接して弁閉となり、その後に中間部52の先端面が
Oリング41から離れて、Oリング41周りが大気に連
通する。仮に、この中間部52のOリング41からの離
れの方が、球38のOリング39への戻り当接に先行す
ると、その間空間27の負圧が大気に抜け、空間27の
負圧(の絶対値)が低下してしまう。
【0030】口金50の中間部52の長さは、Oリング
41の過度の圧縮と球38の過度の押し込みを防ぐため
に、ある程度球38を押し込むと、元部51の先端面
が、弁キャップ36の端面に当るように定められてい
る。
【0031】第2実施例の基材支持装置10(図3)に
は、溶射ヘッド1の直下のロ−ラコンベアの上流で、溶
射基材Wa〜Wlおよびマスク板20が載せられて、口
金50がそれを支持したロボットア−ムによってテ−パ
開口40に挿入され負圧を供給する。これにより基材支
持装置10が溶射基材Wa〜Wlを吸着保持する。この
装備で基材支持装置10が溶射ヘッド1の直下のロ−ラ
コンベアに搬送され、該コンベアおよびその周辺の機器
によって溶射ヘッド1の直下に基材支持装置10が位置
決めされて、溶射基材Wa〜Wlそれぞれに対する溶射
が行なわれる。
【0032】全基材の溶射が終わると基材支持装置10
はコンベアによって回収ステ−ションに搬送される。そ
して回収ステ−ションでは、上述の負圧供給用の口金5
0と同一形状ではあるが、通気ピン53が大気に連通の
負圧抜き用の口金が、負圧供給のときと同様にロボット
ア−ム駆動でテ−パ開口40に挿入され、これにより空
間27が大気圧となり、溶射基材Wa〜Wlの吸着解除
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の外観を示す斜視図であ
る。
【図2】 図1上のII−II線拡大断面図である。
【図3】 第2実施例の横断面図である。
【図4】 図3に示す弁装置30の拡大縦断面図であ
り、(a)は弁装置30に口金50を装着する前の状態
を、(b)は口金50を装着中の状態を示す。
【符号の説明】
1:溶射ヘッド 2:キャリッジ 3:x梁 4a,4b:y梁 5:フ−ド 10:溶射基材支
持装置 11:天板 12a〜12l:
平底浅穴 13a〜13l:通気孔 14a〜14l:
ゴムパッキング 15a,15b:ピン 16:パッキング 17:底板 18:口金 19:スタンド外側板 20:マスク板 21:電磁開閉弁 22:電磁切換弁 23:負圧アキュムレ−タ 24:エア−ポン
プ Wa〜Wl:溶射基材 27:空間 28c,28d:側板 28e:弁台 29:底板 30:弁装置 31:ゴムブッシュ 32:弁基台 33:ワッシャ 34:ナット 35:Oリング 36:弁キャップ 37:スプリング 38:球 39:Oリング 40:テ−パ開口 41:Oリング 50:口金 51:元部 52:中間部 53:通気ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市 村 治 通 千葉県習志野市東習志野7丁目6番1号 日鐵溶接工業株式会社機器事業部内 Fターム(参考) 4K031 BA06 EA01 EA02 EA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶射ヘッドから高熱溶融あるいは半溶融し
    た溶射材料を高熱気流と共に吹き出し、この溶射材料流
    に被溶射材すなわち溶射基材を曝して溶射皮膜を形成す
    るにおいて該溶射基材を支持する溶射基材支持装置であ
    って、 前記溶射基材を受けるとき該溶射基材が対向する開口を
    有し、弾力があり気密機能がある弾力吸引部材;該弾力
    吸引部材の開口に負圧と正圧を選択的に与える圧印加手
    段;および、 前記溶射ヘッドから溶射基材支持装置を見るとき前記溶
    射基材の前面にあって溶射基材に当接するものであっ
    て、前記溶射材料流に溶射基材を曝すための開口を有
    し、溶射材料流から溶射基材支持装置は遮蔽するための
    マスク部材;を備えることを特徴とする溶射基材支持装
    置。
  2. 【請求項2】溶射ヘッドから高熱溶融あるいは半溶融し
    た溶射材料を高熱気流と共に吹き出し、この溶射材料流
    に被溶射材すなわち溶射基材を曝して溶射皮膜を形成す
    るにおいて該溶射基材を支持する溶射基材支持装置であ
    って、 前記溶射基材を受けるとき該溶射基材が対向する開口を
    有し、弾力があり気密機能がある弾力吸引部材;該弾力
    吸引部材を支持し、その開口に連通する気流路を有する
    支持体;前記気流路が連通する空間を、該気流路以外は
    密閉する隔壁部材;および、前記空間と、隔壁部材の外
    の空間との間の連通を遮断する弁装置;を備えることを
    特徴とする溶射基材支持装置。
  3. 【請求項3】前記弁装置は、前記隔壁部材の外の空間か
    ら、負圧印加を行なう口金が差し込まれる開口、およ
    び、該開口に差し込まれた口金によって隔壁部材の内空
    間を口金の通気路に連通とする位置に駆動される弁体、
    を含む請求項2記載の溶射基材支持装置。
  4. 【請求項4】前記溶射ヘッドから溶射基材支持装置を見
    るとき前記支持体の前面にあって溶射基材に当接するも
    のであって、前記溶射材料流に溶射基材を曝すための開
    口を有し、溶射材料流から溶射基材支持装置は遮蔽する
    ためのマスク部材;を更に備える請求項2又は請求項3
    記載の溶射基材支持装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012112005A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Kubota Corp 部品の溶射方法及び部品の溶射用器具
JP2015525115A (ja) * 2012-05-09 2015-09-03 シーメンス エナジー インコーポレイテッド 本発明の安全保護装置領域を備えるスプレーブース内の溶射装置
CN114107869A (zh) * 2021-12-02 2022-03-01 张树国 一种热喷涂处理系统及热喷涂处理方法

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CN114107869B (zh) * 2021-12-02 2024-04-19 天津市昊力复合钢管制造有限公司 一种热喷涂处理系统及热喷涂处理方法

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