JP2000281880A - Sf6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物、コーティング剤およびこれを用いてなるガス絶縁開閉装置 - Google Patents

Sf6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物、コーティング剤およびこれを用いてなるガス絶縁開閉装置

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JP2000281880A
JP2000281880A JP11095003A JP9500399A JP2000281880A JP 2000281880 A JP2000281880 A JP 2000281880A JP 11095003 A JP11095003 A JP 11095003A JP 9500399 A JP9500399 A JP 9500399A JP 2000281880 A JP2000281880 A JP 2000281880A
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JP
Japan
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epoxy resin
component
insulated switchgear
gas insulated
resin composition
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JP11095003A
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English (en)
Inventor
Ichiro Ichikawa
川 以知郎 市
Toshiyuki Nakano
野 俊 之 中
Atsushi Fukuda
田 篤 志 福
Masafumi Takei
井 雅 文 武
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SF6分解ガスに安定で、機械的強度が強
く、誘電率が低いエポキシ樹脂組成物、その製造法、コ
ーティング剤およびこれを用いてなるガス絶縁開閉装
置。 【解決手段】 下記成分(a)、(b)および(c)か
らなる、SF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成
物、その製造法、これからなるコーティング剤及びガス
絶縁開閉装置。 成分(a):1分子当たり2個以上の1,2−エポキシ
基を有するエポキシ樹脂1当量、 成分(b):エポキシ樹脂用硬化剤 0.7〜1.
0当量、 成分(c):球状充填剤、または球状充填剤と破砕状充
填剤との混合物35〜55体積%。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SF6ガス絶縁開
閉装置用エポキシ樹脂組成物、これからなるコーティン
グ剤およびこれらを用いたSF6ガス絶縁開閉装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、数々のガス絶縁開閉装置が提
案されており、そのうちの一つとしてSF6ガスを用い
る絶縁開閉装置が提案されている。SF6ガスは、その
優れた電気的性質およびそれ自体が人畜無害であること
から、絶縁開閉装置用ガスとして優れたものと言える。
【0003】しかしながら、SF6ガスは、絶縁開閉装
置内の遮断器や断路器の操作によって発生したアークに
よって分解することがあって、SF4やSOF2などの分
解ガスが発生することがある。これらの分解ガスは、装
置内の微量の水分と反応することによって、最終的にフ
ッ酸(HF)ガスに変換する。
【0004】 SF6 → SF4、SOF2 SF4 + H2O → SOF2 + 2HF SOF2 + H2O → SO2 + 2HF このHFガスは、樹脂中の例えばシリカやガラスなどと
反応して潮解性のH2SiF6を形成させて、その絶縁特
性を大きく低下させる。
【0005】 SiO2 + 4HF → SiF4 + 2H2O SiF2 + 2HF → H2SiF6 したがって、SF6ガス絶縁開閉装置においてSF6ガス
と接触する部位に樹脂材料を用いる場合には、耐SF6
分解ガス性を備えた樹脂材料を使用することが必要にな
る。このような耐SF6分解ガス性の樹脂材料として代
表的なものとしては、エポキシ樹脂に充填材としてアル
ミナを使用したもの(即ち、アルミナ充填エポキシ樹
脂)がある。SF6ガス絶縁開閉装置で用いられる各種
部品は、このようなアルミナ充填エポキシ樹脂を成形し
硬化させて得られた成形体、例えば注形品、によって構
成されることが一般的である。
【0006】なお、このような耐SF6分解ガス性は、
ガス絶縁開閉装置で用いられる樹脂材料の、分解ガスが
接触する面ないしその影響が実質的に及ぶ部分が備えて
いればよいから、それ以外の部分はそのような耐SF6
分解ガス性の樹脂材料である必要はない。
【0007】このようなことから、汎用の樹脂材料から
得られた成形体の表面に耐SF6分解ガス性の樹脂材料
をコーティングすることも行われている。この場合のコ
ーティング剤としては、例えば上記のエポキシ樹脂に充
填材としてアルミナを使用したものが提案されている。
【0008】このようなコーティング剤を施す方法は、
例えば形状および大きさ等の条件によって注形品として
得ることが困難な部品についても容易に耐SF6分解ガ
ス性を付与できることができる点で有利といえる。この
ようなことから、繊維強化プラスチック(FRP)につ
いては、このようなコーティング剤を施す方法がなされ
るのが一般的である。
【0009】成形用樹脂としてあるいはコーティング剤
として用いられている従来のアルミナ充填剤使用のエポ
キシ樹脂はそれなりに有用なものであるが、さらなる性
能向上、例えば機械的強度、耐クラック性および電気的
特性の向上、が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の目的
を達成するものであって、充填材として球状充填材を使
用することによって、SF6分解ガスに安定で、かつ機
械的強度が強く、誘電率が低い新規なSF6ガス絶縁開
閉装置用エポキシ樹脂組成物、コーティング剤およびこ
れを用いてなるガス絶縁開閉装置を提供するものであ
る。
【0011】本発明によって機械的強度が強くかつ誘電
率が低いエポキシ樹脂組成物が得られた理由は現在解析
中であるが、球状充填剤の使用によって、アーク放電時
に充填剤とマトリクス樹脂との粒子界面に局部的に電界
が集中するのが緩和されることによるものと推測されて
いる。
【0012】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明によ
るSF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物は、下
記の成分(a)、成分(b)および成分(c)からなる
こと、を特徴とするものである。 成分(a):1分子当たり2個以上の1,2−エポキシ
基を有するエポキシ樹脂1当量、 成分(b):エポキシ樹脂用硬化剤 0.
7〜1.0当量、 成分(c):球状充填剤、または球状充填剤と破砕状充
填剤との混合物35〜55体積%。
【0013】また、本発明によるSF6ガス絶縁開閉装
置用エポキシ樹脂組成物の製造法は、上記の成分(a)
および成分(c)を混合したのち、この混合物に成分
(b)を混合すること、を特徴とするものである。
【0014】また、本発明によるコーティング剤は、上
記のSF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物から
なること、を特徴とするものである。
【0015】そして、本発明によるSF6ガス絶縁開閉
装置は、上記のSF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂
組成物またはコーティング剤を、該SF6ガス絶縁開閉
装置用エポキシ樹脂組成物またはコーティング剤の硬化
条件に付して得られた硬化物を有すること、を特徴とす
るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】<SF6ガス絶縁開閉装置用エポ
キシ樹脂組成物>本発明によるSF6ガス絶縁開閉装置
用エポキシ樹脂組成物は、特定の成分(a)、成分
(b)および成分(c)からなることを特徴とするもの
である。ここで、「成分(a)、成分(b)および成分
(c)からなる」ということは、挙示の三成分のみから
なるものの外に、これらの三成分以外の合目的な他の成
分を含んでなるものをも意味するものである。
【0017】<<成分(a)>>本発明によるSF6ガス絶
縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物おける成分(a)は、
1分子当たり2個以上の1,2−エポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂である。
【0018】このようなエポキシ樹脂自体は従来公知で
あって、本発明ではそのような従来公知のエポキシ樹脂
の中から合目的的な任意のものを用いることができる。
本発明では、例えばグリシジルエーテル型、グリシジル
エステル型、グリシジルアミン型あるいは脂環型のもの
を用いることができる。このうち、グリシジルエーテル
型(二官能タイプ)のものとしては、ビスフェノールA
型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、
水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフ
ェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオ
レン型などがあり、グリシジルエーテル型(多官能タイ
プ)のものとしては、フェノールノボラック型、オルソ
クレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメ
タン型、テトラフェニロールエタン型などがある。
【0019】成分(a)のエポキシ樹脂は、常温におい
て液状のものであっても固体状のものであってもよい
が、本発明では固体状のもの、特に融点50〜150℃
にあるもの、が好ましい(融点の上限は、250℃程度
である)。
【0020】なお、成分(a)は、ただ一種類のエポキ
シ樹脂のみからなるものであっても、複数種のエポキシ
樹脂の混合物であってもよいことは言うまでもない。
【0021】本発明において特に好ましいものは、ビス
フェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールF
ジグリシジルエーテルおよび脂環式ジグリシジルエステ
ルである。
【0022】耐熱性が特に要求される場合には、特に好
ましいものとして上記したエポキシ樹脂に加えて、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタ
レン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン
型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アルキル置換三
官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型四官
能エポキシ樹脂の一種または複数種を含むものを、成分
(a)として使用することが好ましい。
【0023】<<成分(b)>>本発明によるSF6ガス絶
縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物おける成分(b)は、
エポキシ樹脂用硬化剤である。このような硬化剤も公知
であって、本発明ではそのような公知のものの中から合
目的的な任意のものを用いることができる。
【0024】本発明では、例えばジシアンジアミド、ポ
リカルボン酸無水物、ポリアミン、ポリアミドなどを使
用することができる。より好ましくは、ポリカルボン酸
無水物、特に芳香族または脂環式ポリカルボン酸無水
物、を用いることが望ましい。このうち特に好ましいカ
ルボン酸無水物の具体例としては、代表的には無水フタ
ル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水
物、トリメリット無水物などを挙げることができる。
【0025】本発明では、このような成分(b)に加え
て、所謂硬化促進剤を使用することも好ましい。例え
ば、ジシアンジアミド、ポリカルボン酸無水物が使用さ
れる場合には、促進剤は第三アミンまたはその塩、第四
アンモニウム化合物、イミダゾール、アルカリ金属アル
コキシドなどが適している。
【0026】成分(b)としては、ゴム粒子が分散した
ポリカルボン酸無水物を好ましいものとして例示するこ
とができる。ゴムは、例えばシリコーンゴム、シリコー
ンゲル、MBSゴム、アクリルゴムなどを好ましいもの
として例示することができる。ゴム粒子の粒径は、0.
1〜5μm、特に0.3〜1μm、が好ましい。また、
このゴム粒子は、コア/シェル構造をとるもの、即ち、
粒子の中心部に位置するコアをシェル(外皮)がとりま
いている構造をとるもの、が好ましい。この場合のコア
としてはアクリルゴム、MBSゴムまたはシリコーンゴ
ムが好ましく、シェルとしてはアクリルゴムまたは架橋
化処理済みゴムを用いることが望ましい。
【0027】成分(b)の配合量は、0.7〜1.0当
量である。
【0028】<<成分(c)>>本発明によるSF6ガス絶
縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物おける成分(c)は、
球状充填剤、または球状充填剤と破砕状充填剤との混合
物である。
【0029】このような成分(c)での球状充填剤の材
質は、本発明の趣旨に反しない限り、任意のものを使用
することができる。本発明において好ましいものとして
は、例えば、アルミナ、結晶シリカ、溶融シリカ、ドロ
マイト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、フッ化アルミ
ニウムおよびフッ化カルシウムがある。これらは単独で
も、複数種の混合物であってもよい。本発明において
は、粒子を高温の雰囲気に曝して球状化させたものを使
用することができる。
【0030】成分(c)は、このような球状充填剤のみ
からなるものであっても、この球状充填剤と破砕状充填
剤との混合物であってもよい。破砕状充填剤の材質も、
本発明の趣旨に反しない限り、任意のものでありうる。
本発明において好ましいものとしては、例えば、アルミ
ナ、結晶シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、窒化ホウ
素、窒化アルミニウム、フッ化アルミニウムおよびフッ
化カルシウムがある。これらは単独でも、複数種の混合
物であってもよい。球状充填剤と破砕状充填剤との材質
は、同一であっても異なっていてもよい。
【0031】成分(c)での球状充填剤と破砕状充填剤
との混合比は、球状充填剤と破砕状充填剤の体積比で、
好ましくは1/0〜1/1、である。破砕状充填剤と存
在割合が1/1を越えた場合、球状充填剤使用による耐
性効果が薄れて、耐SF6分解ガス性に問題が生じる。
【0032】球状充填剤は、平均粒径が0.1〜30μ
mのものが好ましく、特に3〜20μm、のものが好ま
しい。また、破砕状充填剤は、平均粒径が0.1〜30
μmのものが好ましく、特に5〜25μm、のものが好
ましい。球状充填剤および破砕状充填剤のいずれについ
ても、平均粒径が上記の下限値よりも小さいものを使用
した場合は、これを配合した樹脂の粘度上昇が激しくて
作業性が低下することがある。平均粒径が上記の上限値
よりも大きいものを使用した場合には、粒子の沈降が生
じて充填剤が均一化するので、所定の特定を得るのが困
難になる場合がある。
【0033】成分(c)の球状充填剤および破砕状充填
剤は、必要に応じて、改質処理をしておくことができ
る。例えば、シランカップリング剤、好ましくはγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、で改質処理することに
よって、機械強度および耐湿性を向上させることができ
る。
【0034】成分(c)の配合量(球状充填剤のみを用
いる場合はその量、球状充填剤および破砕状充填剤の混
合物である場合にはこれらの合計量)は、35〜55体
積%(成分(a)、成分(b)および成分(c)の合計
を100%とする)である。
【0035】<SF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂
組成物の製造>本発明によるSF6ガス絶縁開閉装置用
エポキシ樹脂組成物は、上記の必須成分(a)〜(c)
および任意成分を混合することによって製造することが
できる。。本発明の優れた効果、例えば耐SF6分解ガ
ス性および機械的強度など、をより高度のものとして得
るには、各成分の均一かつ緊密な混合ないし分散状態が
実現されていることが好ましい。したがって、本発明で
は、成分(a)および成分(c)を混合したのち、この
混合物に成分(b)を混合して製造することが好まし
い。
【0036】成分(a)と成分(c)との混合は、成分
(a)に成分(c)を添加する方法、成分(c)に成分
(a)を添加する方法のいずれであってもよいが、好ま
しいのは前者である。
【0037】成分(c)として球状充填剤と破砕状充填
剤との混合物を用いる場合には、球状充填剤と破砕状充
填剤とを先ず混合さしてから成分(a)と混合するのが
典型的であるが、球状充填剤と破砕状充填剤のいずれか
片方を先ず成分(a)と混合しそののち残りの片方の充
填剤を混合する方法、成分(a)に球状充填剤と破砕状
充填剤とをそれぞれ独立に添加する方法、あるいは球状
充填剤配合の成分(a)と破砕状充填剤配合の成分
(a)とを別々に用意し、これらを混合する方法、のい
ずれであってもよい。
【0038】成分(b)は、上記のような成分(a)と
成分(c)との混合物に混合するのが好ましい。成分
(b)と成分(c)との混合物に成分(a)を混合する
場合には、成分(c)の配向が生じて十分な機械的強度
が得らない場合があり、また、成分(b)と成分(a)
との混合物に成分(c)を混合する場合には、条件によ
っては成分(a)の硬化によって成分(c)の混合およ
び均一分散が効率的に行えないことがあるからである。
【0039】<コーティング剤>本発明によるコーティ
ング剤は、上記のSF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹
脂組成物からなることを特徴とするものである。ここ
で、「からなる」とは、コーティング剤がSF6ガス絶
縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物のみからなるものの外
に、合目的的な他成分ないし副資材を含有するものをも
意味するものである。
【0040】そのような合目的的な他成分ないし副資材
としては、例えばコーティング剤の塗布性ないし施用性
を向上させるための溶媒ないし粘度調整剤、および熱
的、機械的、経時的耐久性を向上させるための各種の安
定剤や顔料、充填剤などがある。
【0041】<SF6ガス絶縁開閉装置>本発明による
SF6ガス絶縁開閉装置は、上記のSF6ガス絶縁開閉装
置用エポキシ樹脂組成物またはコーティング剤を、該S
6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物またはコー
ティング剤の硬化条件に付して得られた硬化物を有する
ものである。
【0042】具体的な硬化条件は、例えば各成分の種類
や配合比率などに応じてことなるが、例えば硬化剤にポ
リカルボン酸無水物を用いる場合について示せば、温度
は80〜160℃、好ましくは100〜140℃、時間
は10分〜24時間、好ましくは30分〜15時間、で
ある。更に離型後に十分な耐熱性を得るため120〜1
60℃、好ましくは130〜150℃で、10〜48時
間、好ましくは15〜24時間、の後硬化を行なう。こ
れらの具体的条件は、本願明細書の実施例の記載および
必要ならば簡単な実験などを行うことによって適宜決定
することができる。
【0043】なお、硬化処理は、一工程で行うことも、
複数工程で行うこともできる。また、硬化処理に付した
ものを、必要に応じて後処置に付することもできる。
【0044】このようにして得られた、エポキシ樹脂組
成物の硬化物あるいはコーティング剤を塗布して得られ
た硬化物は、優れた耐SF6分解ガス性、機械的強度を
有しかつ誘電率が低いものである。したがって、これら
は、SF6ガス絶縁開閉装置の各種部品、典型的には絶
縁スぺーサなどの成形体、として特に有用なものであ
る。
【0045】コーティング剤として使用したときの該コ
ーティング層の厚さは、厚い方が分解ガス成分やフッ酸
の浸透を抑制するという観点からは一般に有利であると
いえる。FRPに本コーティング剤を塗布する場合に
は、コーティング層の厚さは硬化後の厚さで250μm
程度あれば長期に渡って保護効果が持続されることが確
認されている。
【0046】
【実施例】以下の実施例および比較例は、本発明を具体
的に説明するためのものである。
【0047】<実施例1>エポキシ樹脂としてアラルダ
イトCT200(ビスフェノールAタイプ、エポキシ当
量390、チバスペシャルティケミカルズ製)、硬化剤
としてハードナーHT903(チバスペシャルティケミ
カルズ製)、充填剤としてMSV−13N(球状シリ
カ、平均粒径13μm、龍森製)を用いて特性評価モデ
ルを作製した。まず充填剤とエポキシ樹脂を120℃、
減圧下で充分に混合した後、硬化剤を投入し、混合し
て、120℃で予熱した型の中に注形した。注形後、
0.5Torrで20分間真空脱泡した。型の中で120
℃、15時間の一次硬化を処理し、離型後、130℃、
20時間の二次硬化処理を行った。
【0048】<比較例1>エポキシ樹脂および硬化剤は
実施例1と同じとし、充填剤にクリスタライトA−1
(破砕状結晶シリカ、平均粒径11μm、龍森製)を用
いて特性評価モデルを作製した。作製方法は実施例1と
同様である。
【0049】<比較例2>エポキシ樹脂および硬化剤は
実施例1と同じとし、充填剤にFA−6D(破砕状アル
ミナ、平均粒径13μm、昭和電工製)を用いて特性評
価モデルを作製した。作製方法は実施例1と同様であ
る。
【0050】<実施例2>エポキシ樹脂としてエピコー
ト#828(ビスフェノールAタイプ、エポキシ当量1
90、油化シェル製)およびEOCN−103S(o−
クレゾールノボラックタイプ、エポキシ当量215、日
本化薬製)、硬化剤としてHN5500(メチルHHP
A、日立化成製)に促進剤DY064(トリス(ジアミ
ノメチル)フェノール、チバスペシャルティケミカルズ
製)およびゴム粒子スタフィロイドAC−3355(ア
クリル系コアシェルゴム粒子、武田薬品工業製)を分散
させたものを使用し、充填剤としてFB−48(球状シ
リカ、平均粒径16μm、電気化学工業製)を用いて特
性評価用モデルを作製した。エポキシ樹脂を65℃、減
圧下で充分混合した。ゴム粒子および促進剤を均一分散
した硬化剤を添加して混合して、120℃に予熱した型
に注形した。注形後、0.5Torrで20分間真空脱泡し
た。型の中で120℃、15時間の一次硬化を処理し、
離型後、150℃、15時間の二次硬化処理を行った。
【0051】<実施例3>エポキシ樹脂および硬化剤は
実施例2と同じとし、充填剤にFB−48(球状シリ
カ、平均粒径16μm、電気化学工業製)およびクリス
タライトA−1(前記と同じ)を混合して用いて、特性
評価モデルを作製した。作製方法は実施例1と同様であ
る。
【0052】<比較例3>エポキシ樹脂および硬化剤は
実施例2と同じとし、充填剤にFA−6D(破砕アルミ
ナ、平均粒径13μm、昭和電工製)を用いて特性評価
モデルを作製した。作製方法は実施例1と同様である。
【0053】<比較例4>エポキシ樹脂および硬化剤は
実施例2と同じとし、充填剤にヒューズレックスRD−
8(破砕状溶融シリカ、平均粒径15μm、龍森製)を
用いて特性評価用モデルを作製した。作製方法は実施例
2と同様である。
【0054】特性評価 特性評価項目は、耐SF6分解ガス性、誘電率、引張り
強さ、曲げ強さとした。耐SF6分解ガス性の評価は、
次に示される方法によって、高濃度HF(フッ酸)ガス
中での表面抵抗の変化を測定することで比較評価を行っ
た。すなわち、46重量%のHF水溶液50gをポリプ
ロピレン製容器に採り、内容積64リットルのアクリル
製デシケーター中に試験片とともに密封した状態で表面
抵抗率の時間変化を測定した。誘電率、引張り強さ、曲
げ強さの試験法はいずれもJIS−K−6911によっ
た。
【0055】耐SF6分解ガス性の評価結果は、図1お
よび図2に示される通りであった。また、誘電率、引張
り強さおよび曲げ強さの評価結果は、表1に示される通
りであった。
【0056】実施例1と比較例1および2とは、固形エ
ポキシでの比較である。実施例1は、耐SF6分解ガス
性が良好で、かつ誘電率が低い組成物であることが実証
された。これに対し、結晶シリカ配合の比較例1は誘電
率が低いが、耐SF6分解ガス性に問題があり、アルミ
ナを配合した比較例2は耐SF6分解ガス性は良好であ
るが、誘電率が高い。
【0057】実施例2、3および比較例3、4は液状エ
ポキシの例である。実施例2および3ともに低誘電率か
つ高強度で耐SF6分解ガス性も良好である。これに対
し、比較例3は耐SF6分解ガス性は良好であるが、誘
電率が高く、強度も低い。比較例4は、低誘電率かつ高
強度であるが、耐SF6分解ガス性が悪い。
【0058】 表 1 誘電率 引張り強さ(MPa) 曲げ強さ(MPa) 実施例1 4.0 95 145 比較例1 4.4 97 148 比較例2 5.9 75 131 実施例2 4.1 90 115 実施例3 4.3 94 118 比較例3 6.1 65 80 比較例4 4.0 96 120
【0059】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明によれ
ば、SF6分解ガスに安定で、かつ機械的強度が強く、
誘電率が低い、有用な新規エポキシ樹脂を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐SF6分解ガス性の評価結果を示す図。
【図2】耐SF6分解ガス性の評価結果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福 田 篤 志 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 武 井 雅 文 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 4J002 BG042 BN162 CD021 CD051 CP032 DD037 DE147 DF017 DJ017 DK007 DM007 EL136 EN006 EP006 ER026 FB137 FB147 FD146 GH00 4J038 CA022 DB061 DB091 HA106 HA166 HA316 HA446 JA42 KA03 KA08 MA03 NA11 NA17 NA21 PB06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(a)、成分(b)および成分
    (c)からなることを特徴とする、SF6ガス絶縁開閉
    装置用エポキシ樹脂組成物。 成分(a):1分子当たり2個以上の1,2−エポキシ
    基を有するエポキシ樹脂1当量、 成分(b):エポキシ樹脂用硬化剤 0.
    7〜1.0当量、 成分(c):球状充填剤、または球状充填剤と破砕状充
    填剤との混合物35〜55体積%。
  2. 【請求項2】成分(a)が、液状または固体状のビスフ
    ェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジ
    グリシジルエーテル、脂環式ジグリシジルエステルのい
    ずれかの単独あるいは混合物である、請求項1に記載の
    SF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】成分(b)が、芳香族または脂環式ポリカ
    ルボン酸無水物である、請求項1または2に記載のSF
    6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】成分(b)が、ゴム粒子が分散したポリカ
    ルボン酸無水物である、請求項1から3のいずれか1項
    に記載のSF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】ゴム粒子が、コア/シェル構造をとるもの
    である、請求項4に記載のSF6ガス絶縁開閉装置用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】成分(c)が、球状充填剤と破砕状充填剤
    と混合比が体積比で1/0〜1/1のものである、請求
    項1から5のいずれか1項に記載のSF6ガス絶縁開閉
    装置用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】成分(c)の球状充填剤が平均粒径が1〜
    30μmのものであり、破砕状充填剤が平均粒径0.1
    〜30μmのものである、請求項1から6のいずれか1
    項に記載のSF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】成分(c)の球状充填剤および(または)
    破砕状充填剤が、アルミナ、結晶シリカ、溶融シリカ、
    ドロマイト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、フッ化ア
    ルミニウムおよびフッ化カルシウムから選ばれた選ばれ
    たものである、請求項1から7のいずれか1項に記載の
    SF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】成分(c)の球状充填剤および(または)
    破砕状充填剤が、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
    シシランまたはγ−アミノプロピルトリメトキシシラン
    で改質されたものである、請求項1から8のいずれか1
    項に記載のSF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】成分(a)および成分(c)を混合した
    のち、この混合物に成分(b)を混合することを特徴と
    する、請求項1に記載のSF6ガス絶縁開閉装置用エポ
    キシ樹脂組成物の製造法。
  11. 【請求項11】請求項1から9のいずれか1項に記載の
    SF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする、コーティング剤。
  12. 【請求項12】請求項1から9のいずれか1項に記載の
    SF6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物または請
    求項11に記載のコーティング剤を、該SF6ガス絶縁
    開閉装置用エポキシ樹脂組成物またはコーティング剤の
    硬化条件に付して得られた硬化物を有することを特徴と
    する、SF6ガス絶縁開閉装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010016365A (ja) * 2008-06-06 2010-01-21 Sinfonia Technology Co Ltd リフティングマグネット用含浸樹脂、リフティングマグネット、リフティングマグネットの製造方法
KR20140120267A (ko) * 2013-04-02 2014-10-13 가부시끼가이샤 도시바 전기 기기용 코팅재, 전기 기기용 코팅재의 제조 방법 및 밀폐형 절연 장치

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