JPH11260173A - ガス絶縁機器用絶縁スペーサ及びガス絶縁機器 - Google Patents
ガス絶縁機器用絶縁スペーサ及びガス絶縁機器Info
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- JPH11260173A JPH11260173A JP5642598A JP5642598A JPH11260173A JP H11260173 A JPH11260173 A JP H11260173A JP 5642598 A JP5642598 A JP 5642598A JP 5642598 A JP5642598 A JP 5642598A JP H11260173 A JPH11260173 A JP H11260173A
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- gas
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- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02G—INSTALLATION OF ELECTRIC CABLES OR LINES, OR OF COMBINED OPTICAL AND ELECTRIC CABLES OR LINES
- H02G5/00—Installations of bus-bars
- H02G5/06—Totally-enclosed installations, e.g. in metal casings
- H02G5/066—Devices for maintaining distance between conductor and enclosure
- H02G5/068—Devices for maintaining distance between conductor and enclosure being part of the junction between two enclosures
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- Installation Of Bus-Bars (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulating Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】シリカ配合絶縁スペーサの耐ＨＦ性を向上させ
る簡便な被覆膜を提供。および機器内部に導電性異物が
存在する場合でも、絶縁耐力が高いガス絶縁機器を提供
することにある。 【解決手段】シリカ配合絶縁スペーサの表面に、少なく
ともエポキシ樹脂とポリアミン化合物から成る被覆膜を
形成した絶縁スペーサ及び該絶縁スペーサを用いたガス
絶縁機器。
る簡便な被覆膜を提供。および機器内部に導電性異物が
存在する場合でも、絶縁耐力が高いガス絶縁機器を提供
することにある。 【解決手段】シリカ配合絶縁スペーサの表面に、少なく
ともエポキシ樹脂とポリアミン化合物から成る被覆膜を
形成した絶縁スペーサ及び該絶縁スペーサを用いたガス
絶縁機器。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はガス絶縁機器用絶縁
スペーサ及びガス絶縁機器に係り、さらに詳しくは高電
圧の導体を絶縁支持するシリカ含有のＳＦ6 （六フッ化
硫黄）ガス絶縁機器用絶縁スペーサ及び該絶縁スペーサ
によって絶縁支持されるガス絶縁機器に関する。
スペーサ及びガス絶縁機器に係り、さらに詳しくは高電
圧の導体を絶縁支持するシリカ含有のＳＦ6 （六フッ化
硫黄）ガス絶縁機器用絶縁スペーサ及び該絶縁スペーサ
によって絶縁支持されるガス絶縁機器に関する。
【０００２】
【従来の技術】ガス絶縁機器用絶縁スペーサは、ＳＦ6
ガス等の絶縁性ガスを充填した接地金属容器内の高電圧
の導体を支持するもので、主にベース樹脂となる有機高
分子材料に充填剤を含有させた構成である。ＳＦ6 ガス
は放電によって分解し、ＨＦ（フッ化水素）を生成する
ために、ＳＦ6 ガスを絶縁ガスとする絶縁スペーサの充
填剤には主にアルミナが適用されてきた。
ガス等の絶縁性ガスを充填した接地金属容器内の高電圧
の導体を支持するもので、主にベース樹脂となる有機高
分子材料に充填剤を含有させた構成である。ＳＦ6 ガス
は放電によって分解し、ＨＦ（フッ化水素）を生成する
ために、ＳＦ6 ガスを絶縁ガスとする絶縁スペーサの充
填剤には主にアルミナが適用されてきた。
【０００３】近年、都市の過密化に伴って電力需要が急
増し、送電の高電圧化，大容量化が進み、ガス絶縁機器
用絶縁スペーサには構成材料や形状に起因する電界集中
による絶縁耐力の低下を防止することが不可欠になって
きた。したがって、絶縁耐力を向上させるために例えば
特開昭60−43010 号公報では、エポキシ樹脂系絶縁スペ
ーサの表面に非トラッキング性の絶縁被覆として、アク
リル樹脂層あるいはフッ素樹脂層を設けることが開示さ
れている。
増し、送電の高電圧化，大容量化が進み、ガス絶縁機器
用絶縁スペーサには構成材料や形状に起因する電界集中
による絶縁耐力の低下を防止することが不可欠になって
きた。したがって、絶縁耐力を向上させるために例えば
特開昭60−43010 号公報では、エポキシ樹脂系絶縁スペ
ーサの表面に非トラッキング性の絶縁被覆として、アク
リル樹脂層あるいはフッ素樹脂層を設けることが開示さ
れている。
【０００４】また、特開平5−146035 号公報には従来充
填剤に適用されてきたアルミナよりも比誘電率が低いフ
ッ化アルミに替えて絶縁スペーサの比誘電率を低減す
る。また比誘電率がフッ化アルミよりもさらに低いシリ
カを適用して耐ＨＦ性を向上させるために、該絶縁スペ
ーサの表面に樹脂被覆層を形成させたガス絶縁機器用絶
縁スペーサ及び該絶縁スペーサを用いたガス絶縁機器が
開示されている。
填剤に適用されてきたアルミナよりも比誘電率が低いフ
ッ化アルミに替えて絶縁スペーサの比誘電率を低減す
る。また比誘電率がフッ化アルミよりもさらに低いシリ
カを適用して耐ＨＦ性を向上させるために、該絶縁スペ
ーサの表面に樹脂被覆層を形成させたガス絶縁機器用絶
縁スペーサ及び該絶縁スペーサを用いたガス絶縁機器が
開示されている。
【０００５】上記充填剤のシリカは充填剤としての性能
及びコスト等の面で優れており、絶縁材料の分野におい
て幅広く使用されている周知の材料である。しかしなが
ら、ＳＦ6 ガスを絶縁ガスとする絶縁機器の絶縁スペー
サの充填剤としてシリカを使用するためには、耐ＨＦ性
の向上を図る必要がある。耐ＨＦ性の向上策として特公
昭50−17098 号公報では、特定のビスフェノールＡ型エ
ポキシ樹脂に硬化剤として三フッ化ホウ素／アミン錯体
化合物を用い、さらに特定の充填剤と揺変剤を添加した
被覆剤組成物が開示されている。
及びコスト等の面で優れており、絶縁材料の分野におい
て幅広く使用されている周知の材料である。しかしなが
ら、ＳＦ6 ガスを絶縁ガスとする絶縁機器の絶縁スペー
サの充填剤としてシリカを使用するためには、耐ＨＦ性
の向上を図る必要がある。耐ＨＦ性の向上策として特公
昭50−17098 号公報では、特定のビスフェノールＡ型エ
ポキシ樹脂に硬化剤として三フッ化ホウ素／アミン錯体
化合物を用い、さらに特定の充填剤と揺変剤を添加した
被覆剤組成物が開示されている。
【０００６】また、特開平１−204957 号公報及び特開
平1−204958 号公報ではシリカの表面をチタン系カップ
リング材あるいはアルミ系カップリング材で処理する方
法が開示されている。さらに特開平5−91611号公報では
絶縁スペーサの表面に窒化ホウ素の被覆、特開平5−111
132 号公報では絶縁スペーサの表面にポリエチレンの被
覆を設けることが開示されている。
平1−204958 号公報ではシリカの表面をチタン系カップ
リング材あるいはアルミ系カップリング材で処理する方
法が開示されている。さらに特開平5−91611号公報では
絶縁スペーサの表面に窒化ホウ素の被覆、特開平5−111
132 号公報では絶縁スペーサの表面にポリエチレンの被
覆を設けることが開示されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の中で、
特にシリカ配合絶縁スペーサの表面に被覆膜を施す方法
は、耐ＨＦ性の向上に効果が得られると思われる。特開
平5−91611号公報，特開平5−111132 号公報及び特開平
5−146035 号公報等において具体的な被覆層の作製方法
が開示されていないが、これらの技術は本発明に示すエ
ポキシ樹脂を主体とする被覆膜とは異なり、単なる塗工
技術で被覆膜が作製できないと推察する。また、特公昭
50−17098 号公報ではエポキシ樹脂を主体とする被覆膜
であるが、均一な被覆膜にするために特定の充填剤や揺
変剤を添加させる必要がある。この様に耐ＨＦを付与す
るための被覆膜は、シリカ配合エポキシ樹脂の表面に簡
単に形成させることが困難であった。
特にシリカ配合絶縁スペーサの表面に被覆膜を施す方法
は、耐ＨＦ性の向上に効果が得られると思われる。特開
平5−91611号公報，特開平5−111132 号公報及び特開平
5−146035 号公報等において具体的な被覆層の作製方法
が開示されていないが、これらの技術は本発明に示すエ
ポキシ樹脂を主体とする被覆膜とは異なり、単なる塗工
技術で被覆膜が作製できないと推察する。また、特公昭
50−17098 号公報ではエポキシ樹脂を主体とする被覆膜
であるが、均一な被覆膜にするために特定の充填剤や揺
変剤を添加させる必要がある。この様に耐ＨＦを付与す
るための被覆膜は、シリカ配合エポキシ樹脂の表面に簡
単に形成させることが困難であった。
【０００８】本発明の目的は、シリカ配合絶縁スペーサ
の耐ＨＦ性を向上させる簡便な被覆膜を提供することに
ある。さらにもう一つの目的は、機器内部に導電性異物
が存在する場合でも、絶縁耐力が高いガス絶縁機器を提
供することにある。
の耐ＨＦ性を向上させる簡便な被覆膜を提供することに
ある。さらにもう一つの目的は、機器内部に導電性異物
が存在する場合でも、絶縁耐力が高いガス絶縁機器を提
供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は充填剤としてシ
リカが配合されたガス絶縁機器用絶縁スペーサにおい
て、耐ＨＦ性を向上させるために、該絶縁スペーサの表
面にポリアミンを硬化剤とするエポキシ樹脂の硬化物を
被覆する、さらに被覆層を有する該絶縁スペーサをガス
絶縁機器の絶縁スペーサに適用することによって達成さ
れた。以下、本発明の要旨を下記に示す。
リカが配合されたガス絶縁機器用絶縁スペーサにおい
て、耐ＨＦ性を向上させるために、該絶縁スペーサの表
面にポリアミンを硬化剤とするエポキシ樹脂の硬化物を
被覆する、さらに被覆層を有する該絶縁スペーサをガス
絶縁機器の絶縁スペーサに適用することによって達成さ
れた。以下、本発明の要旨を下記に示す。
【００１０】本発明は、絶縁性ガスが充填された容器内
に配設された導体を絶縁支持するガス絶縁機器用絶縁ス
ペーサにおいて、前記絶縁スペーサは充填剤としてシリ
カを含有し、該絶縁スペーサの表面が少なくともポリア
ミンを硬化剤とするエポキシ樹脂の硬化物で被覆されて
いることを特徴とするガス絶縁機器用絶縁スペーサによ
って達成できる。
に配設された導体を絶縁支持するガス絶縁機器用絶縁ス
ペーサにおいて、前記絶縁スペーサは充填剤としてシリ
カを含有し、該絶縁スペーサの表面が少なくともポリア
ミンを硬化剤とするエポキシ樹脂の硬化物で被覆されて
いることを特徴とするガス絶縁機器用絶縁スペーサによ
って達成できる。
【００１１】また、絶縁性ガスが充填された容器内に配
設された導体を絶縁支持するガス絶縁機器用絶縁スペー
サによって絶縁支持するガス絶縁機器において、前記絶
縁スペーサは充填剤としてシリカを含有し、該絶縁スペ
ーサの表面がポリアミンを硬化剤とするエポキシ樹脂の
硬化物で被覆されているガス絶縁機器用絶縁スペーサに
よって絶縁支持されることを特徴とするガス絶縁機器に
よって達成できる。
設された導体を絶縁支持するガス絶縁機器用絶縁スペー
サによって絶縁支持するガス絶縁機器において、前記絶
縁スペーサは充填剤としてシリカを含有し、該絶縁スペ
ーサの表面がポリアミンを硬化剤とするエポキシ樹脂の
硬化物で被覆されているガス絶縁機器用絶縁スペーサに
よって絶縁支持されることを特徴とするガス絶縁機器に
よって達成できる。
【００１２】本発明のエポキシ樹脂としては、グリシジ
ルエーテル型に分類されるビスフェノールＡ型エポキシ
樹脂，ビスフェノールＦ型エポキシ樹脂，ビスフェノー
ルＡ／Ｆ型エポキシ樹脂，ビスフェノールＡＤ型エポキ
シ樹脂，ビスフェノールＳ型エポキシ樹脂，フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂，ｏ−クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂，ポリエチレングリコール型エポキシ樹
脂，ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂，ネオペ
ンチルグリコール型エポキシ樹脂，トリメチロールプロ
パン型エポキシ樹脂，水添ビスフェノールＡ型エポキシ
樹脂，グリシジルエステル型に分類されるヘキサヒドロ
無水フタル酸型エポキシ樹脂，テトラヒドロ無水フタル
酸型エポキシ樹脂，ダイマー酸型エポキシ樹脂等があ
り、さらに分類型としてグリシジルアミン型エポキシ樹
脂及び脂環型エポキシ樹脂等が挙げら、これらエポキシ
樹脂が単独ないし２種類以上混合されて使用される。
ルエーテル型に分類されるビスフェノールＡ型エポキシ
樹脂，ビスフェノールＦ型エポキシ樹脂，ビスフェノー
ルＡ／Ｆ型エポキシ樹脂，ビスフェノールＡＤ型エポキ
シ樹脂，ビスフェノールＳ型エポキシ樹脂，フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂，ｏ−クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂，ポリエチレングリコール型エポキシ樹
脂，ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂，ネオペ
ンチルグリコール型エポキシ樹脂，トリメチロールプロ
パン型エポキシ樹脂，水添ビスフェノールＡ型エポキシ
樹脂，グリシジルエステル型に分類されるヘキサヒドロ
無水フタル酸型エポキシ樹脂，テトラヒドロ無水フタル
酸型エポキシ樹脂，ダイマー酸型エポキシ樹脂等があ
り、さらに分類型としてグリシジルアミン型エポキシ樹
脂及び脂環型エポキシ樹脂等が挙げら、これらエポキシ
樹脂が単独ないし２種類以上混合されて使用される。
【００１３】一方、硬化剤であるポリアミンとしては脂
肪族に分類されるジエチレントリアミン，トリエチレン
テトラミン，メタキシリレンジアミン，芳香族に分類さ
れるジアミノジフェニルメタン、ｍ−フェニレンジアミ
ン，ジアミノジフェニルスルホン等があり、その他にイ
ソホロンジアミン，ジシアンジアミド等が挙げられ、こ
れらポリアミン化合物は変性されていても良い。
肪族に分類されるジエチレントリアミン，トリエチレン
テトラミン，メタキシリレンジアミン，芳香族に分類さ
れるジアミノジフェニルメタン、ｍ−フェニレンジアミ
ン，ジアミノジフェニルスルホン等があり、その他にイ
ソホロンジアミン，ジシアンジアミド等が挙げられ、こ
れらポリアミン化合物は変性されていても良い。
【００１４】本発明の被覆剤は上記エポキシ樹脂とポリ
アミン化合物から構成され、シリカ配合エポキシ樹脂の
表面に、塗工することによって被覆膜が形成される。塗
工の方法としては既知の手法、すなわち、スプレー塗
工，ディップ塗工，刷毛塗工等の通常の塗工方法が適用
できるが、これら塗工法により適した塗工液にするた
め、該エポキシ樹脂及びポリアミンの混合物に有機溶剤
あるいは反応希釈剤として知られているモノエポキシ化
合物等を添加しても良い。
アミン化合物から構成され、シリカ配合エポキシ樹脂の
表面に、塗工することによって被覆膜が形成される。塗
工の方法としては既知の手法、すなわち、スプレー塗
工，ディップ塗工，刷毛塗工等の通常の塗工方法が適用
できるが、これら塗工法により適した塗工液にするた
め、該エポキシ樹脂及びポリアミンの混合物に有機溶剤
あるいは反応希釈剤として知られているモノエポキシ化
合物等を添加しても良い。
【００１５】即ち、一般にエポキシ樹脂は加熱すること
によって硬化反応が促進されるものであるが、加熱され
ることによってエポキシ樹脂組成物の粘度が低下する。
したがって、シリカ配合エポキシ樹脂の表面に被覆膜と
してエポキシ樹脂組成物を任意の塗工方法で作製した塗
膜は、室温放置時に塗工時の塗膜厚さを保持していて
も、塗膜の加熱硬化時に粘度が低下することによって流
れ出し、初期の膜厚を維持できなくなったり、部分的あ
るいは全ての塗膜が消失する現象を生ずる。
によって硬化反応が促進されるものであるが、加熱され
ることによってエポキシ樹脂組成物の粘度が低下する。
したがって、シリカ配合エポキシ樹脂の表面に被覆膜と
してエポキシ樹脂組成物を任意の塗工方法で作製した塗
膜は、室温放置時に塗工時の塗膜厚さを保持していて
も、塗膜の加熱硬化時に粘度が低下することによって流
れ出し、初期の膜厚を維持できなくなったり、部分的あ
るいは全ての塗膜が消失する現象を生ずる。
【００１６】本発明において、従来のシリカ配合エポキ
シ樹脂絶縁スペーサの被覆膜に比べて好適に作製できる
理由は、次の様な作用によると考えられる。本発明に示
すエポキシ樹脂とポリアミン化合物は比較的低温で硬化
反応が起こり、室温放置でも徐々に硬化が進行するため
に、最終的な硬化物を得るために加熱硬化を行っても被
覆膜が流れ出すことなく、塗工時に得られた均一な塗膜
がそのままシリカ配合樹脂の被覆膜として得られるもの
と推察する。
シ樹脂絶縁スペーサの被覆膜に比べて好適に作製できる
理由は、次の様な作用によると考えられる。本発明に示
すエポキシ樹脂とポリアミン化合物は比較的低温で硬化
反応が起こり、室温放置でも徐々に硬化が進行するため
に、最終的な硬化物を得るために加熱硬化を行っても被
覆膜が流れ出すことなく、塗工時に得られた均一な塗膜
がそのままシリカ配合樹脂の被覆膜として得られるもの
と推察する。
【００１７】この様な均一な被覆膜がシリカ配合エポキ
シ樹脂の表面に形成されることによって、シリカ材がＨ
Ｆによって侵食されることを効果的に防止することが可
能になると考える。前述のようにポリアミン化合物はエ
ポキシ樹脂の硬化剤として用いるが、配合割合が多くな
るのに従い硬化時間が速くなる。
シ樹脂の表面に形成されることによって、シリカ材がＨ
Ｆによって侵食されることを効果的に防止することが可
能になると考える。前述のようにポリアミン化合物はエ
ポキシ樹脂の硬化剤として用いるが、配合割合が多くな
るのに従い硬化時間が速くなる。
【００１８】したがって、ポリアミン化合物の配合割合
は被覆膜の塗工後における室温放置時間やポリアミン化
合物の種類によって左右されるが、通常、エポキシ樹脂
量に対して２０重量％以下、特に好ましくは５〜１０重
量％であり、被覆膜の塗工後の室温放置時間の関係から
適宜配合量が選択される。
は被覆膜の塗工後における室温放置時間やポリアミン化
合物の種類によって左右されるが、通常、エポキシ樹脂
量に対して２０重量％以下、特に好ましくは５〜１０重
量％であり、被覆膜の塗工後の室温放置時間の関係から
適宜配合量が選択される。
【００１９】また、被覆膜の厚さは耐ＨＦ性の観点から
言えば厚いものほど好適であるが、膜厚の増加はシリカ
配合絶縁樹脂との剥離、あるいは被覆膜自体のクラック
が発生し易い等の問題があることから、特に５０〜１５
０μｍが好ましい。
言えば厚いものほど好適であるが、膜厚の増加はシリカ
配合絶縁樹脂との剥離、あるいは被覆膜自体のクラック
が発生し易い等の問題があることから、特に５０〜１５
０μｍが好ましい。
【００２０】この様に表面に被覆膜を設けたシリカ配合
絶縁スペーサは、シリカの特性から比誘電率が低い特徴
を有し、該絶縁スペーサ沿面の局部的な電界集中を緩和
できるので、導電性の異物が該絶縁スペーサの表面に付
着した場合でも絶縁耐力が向上し、ガス絶縁機器の小型
化に寄与することができる。
絶縁スペーサは、シリカの特性から比誘電率が低い特徴
を有し、該絶縁スペーサ沿面の局部的な電界集中を緩和
できるので、導電性の異物が該絶縁スペーサの表面に付
着した場合でも絶縁耐力が向上し、ガス絶縁機器の小型
化に寄与することができる。
【００２１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を詳細に説
明する。
明する。
【００２２】（実施例１）ビスフェノールＡ／Ｆ型エポ
キシ樹脂（エポキシ当量：１７５）１００重量部，無水
メチルナジック酸（酸無水物当量：１７８)１００.７重
量部、硬化促進剤として１−(２−シアノエチル）−２
−エチル−４−メチルイミダゾール０.３重量部，可と
う化剤としてカルボキシル基末端ブタジエンーアクリロ
ニトリルゴム１１重量部をベース樹脂とし、充填剤とし
て結晶質シリカ５７２.２重量部(約５５体積％）を混合
して９０℃で減圧撹拌し、シリカ配合絶縁スペーサ用注
型樹脂組成物を得た。この組成物を中心内径７５mm，高
さ８０mmのポストスペーサ用金型に注型し、９０℃／１
０時間及び１７０℃／１５時間の加熱硬化を行ってポス
ト型絶縁スペーサを作製した。
キシ樹脂（エポキシ当量：１７５）１００重量部，無水
メチルナジック酸（酸無水物当量：１７８)１００.７重
量部、硬化促進剤として１−(２−シアノエチル）−２
−エチル−４−メチルイミダゾール０.３重量部，可と
う化剤としてカルボキシル基末端ブタジエンーアクリロ
ニトリルゴム１１重量部をベース樹脂とし、充填剤とし
て結晶質シリカ５７２.２重量部(約５５体積％）を混合
して９０℃で減圧撹拌し、シリカ配合絶縁スペーサ用注
型樹脂組成物を得た。この組成物を中心内径７５mm，高
さ８０mmのポストスペーサ用金型に注型し、９０℃／１
０時間及び１７０℃／１５時間の加熱硬化を行ってポス
ト型絶縁スペーサを作製した。
【００２３】次に、ビスフェノールＡ型エポキシ樹脂
（エポキシ当量：１９５）１００重量部及び芳香族モノ
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂（エポキシ当量：１
８２）５０重量部をエポキシ樹脂とし、ジアミノジフェ
ニルメタン２２.５ 重量部を混合して被覆膜用塗液を作
製し、上記ポスト型絶縁スペーサの表面にスプレー塗工
法で被覆膜を塗工した。室温（２５℃）に２時間放置
後、１２０℃／１０時間の加熱硬化を行い、厚さ約１２
０μｍの均一な被覆層を有するポスト型絶縁スペーサを
得た。
（エポキシ当量：１９５）１００重量部及び芳香族モノ
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂（エポキシ当量：１
８２）５０重量部をエポキシ樹脂とし、ジアミノジフェ
ニルメタン２２.５ 重量部を混合して被覆膜用塗液を作
製し、上記ポスト型絶縁スペーサの表面にスプレー塗工
法で被覆膜を塗工した。室温（２５℃）に２時間放置
後、１２０℃／１０時間の加熱硬化を行い、厚さ約１２
０μｍの均一な被覆層を有するポスト型絶縁スペーサを
得た。
【００２４】（実施例２）実施例１と同様なビスフェノ
ールＡ／Ｆ型エポキシ樹脂１００重量部，メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸（酸無水物当量：１６８）９５重量
部に、実施例１と同様な１−(２−シアノエチル）−２
−エチル−４−メチルイミダゾール０.１重量部及び結
晶質シリカ６４６．４重量部（約６０体積％）を混合し
て９０℃で減圧撹拌し、シリカ配合絶縁スペーサ用注型
樹脂組成物を得た。
ールＡ／Ｆ型エポキシ樹脂１００重量部，メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸（酸無水物当量：１６８）９５重量
部に、実施例１と同様な１−(２−シアノエチル）−２
−エチル−４−メチルイミダゾール０.１重量部及び結
晶質シリカ６４６．４重量部（約６０体積％）を混合し
て９０℃で減圧撹拌し、シリカ配合絶縁スペーサ用注型
樹脂組成物を得た。
【００２５】この組成物を金型に注型後、９０℃／１０
時間及び１７０℃／１５時間の加熱硬化を行い、２００
mm角×厚さ５mmの樹脂板を得た。この樹脂板を長さ５０
mm×幅１２mm×厚さ５mmに切り出し、被覆膜塗工用のシ
リカ配合絶縁樹脂板を作製した。
時間及び１７０℃／１５時間の加熱硬化を行い、２００
mm角×厚さ５mmの樹脂板を得た。この樹脂板を長さ５０
mm×幅１２mm×厚さ５mmに切り出し、被覆膜塗工用のシ
リカ配合絶縁樹脂板を作製した。
【００２６】次に同じくビスフェノールＡ／Ｆ型エポキ
シ樹脂４０重量部，ジエチレントリアミン４重量部を混
合後、トルエン／メチルエチルケトン＝３／７（重量
比）とする有機溶剤中に各々溶解させて、ビスフェノー
ルＡ／Ｆ型エポキシ樹脂とジエチレントリアミン混合物
の濃度が異なるディップ塗工用被覆膜塗液を作製した。
これらの塗液の中に上記樹脂板を浸漬し、引き上げるこ
とによって該樹脂板上に各々膜厚が異なる被覆膜を塗工
した。これらの被覆膜を塗工したシリカ配合絶縁樹脂板
は室温（２５℃）中に３時間放置後、１２０℃／１０時
間の加熱硬化を行って被覆膜を硬化させた。
シ樹脂４０重量部，ジエチレントリアミン４重量部を混
合後、トルエン／メチルエチルケトン＝３／７（重量
比）とする有機溶剤中に各々溶解させて、ビスフェノー
ルＡ／Ｆ型エポキシ樹脂とジエチレントリアミン混合物
の濃度が異なるディップ塗工用被覆膜塗液を作製した。
これらの塗液の中に上記樹脂板を浸漬し、引き上げるこ
とによって該樹脂板上に各々膜厚が異なる被覆膜を塗工
した。これらの被覆膜を塗工したシリカ配合絶縁樹脂板
は室温（２５℃）中に３時間放置後、１２０℃／１０時
間の加熱硬化を行って被覆膜を硬化させた。
【００２７】これら被覆膜について、長さ方向における
膜厚状態を調べた。結果を表１に示す。シリカ配合樹脂
板の上下位置において、何れも膜厚の変化が小さく、ほ
とんど均一な被覆膜が形成されていることがわかった。
膜厚状態を調べた。結果を表１に示す。シリカ配合樹脂
板の上下位置において、何れも膜厚の変化が小さく、ほ
とんど均一な被覆膜が形成されていることがわかった。
【００２８】
【表１】
【００２９】（実施例３）図１は、本発明のガス絶縁機
器用絶縁スペーサ及びそれを用いたガス絶縁機器の一実
施例を説明するための原理的構成図である。図におい
て、１は接地金属容器、２は接地金属容器１内に配置さ
れる高電圧の導体、３は導体２を接続するための埋め込
み導体４を埋め込んでいる絶縁スペーサで、この絶縁ス
ペーサ３は容器１のフランジ５にボルト６によって固定
されている。接地金属容器１の内部には、ＳＦ6 ガス等
の絶縁ガスが封入されている。
器用絶縁スペーサ及びそれを用いたガス絶縁機器の一実
施例を説明するための原理的構成図である。図におい
て、１は接地金属容器、２は接地金属容器１内に配置さ
れる高電圧の導体、３は導体２を接続するための埋め込
み導体４を埋め込んでいる絶縁スペーサで、この絶縁ス
ペーサ３は容器１のフランジ５にボルト６によって固定
されている。接地金属容器１の内部には、ＳＦ6 ガス等
の絶縁ガスが封入されている。
【００３０】本発明のガス絶縁機器の一例として、ガス
絶縁開閉装置に適用した例を図２に示す。このガス絶縁
開閉装置は、ブッシング７，接続母線８，断路器９，変
流器１０，遮断器１１，接地装置１２，主母線１５など
種々の機器が複合して構成されている。ガス絶縁開閉装
置の中で使用されるこれらの絶縁スペーサは、予想され
る電界強度及び耐ＳＦ6 分解ガス（主にＨＦ）濃度に応
じて、被覆膜厚の異なる物が適宜使用される。
絶縁開閉装置に適用した例を図２に示す。このガス絶縁
開閉装置は、ブッシング７，接続母線８，断路器９，変
流器１０，遮断器１１，接地装置１２，主母線１５など
種々の機器が複合して構成されている。ガス絶縁開閉装
置の中で使用されるこれらの絶縁スペーサは、予想され
る電界強度及び耐ＳＦ6 分解ガス（主にＨＦ）濃度に応
じて、被覆膜厚の異なる物が適宜使用される。
【００３１】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シリカ配
合絶縁スペーサの耐ＨＦ性を向上させる目的で該絶縁ス
ペーサの表面に設けられる被覆膜において、均一な被覆
膜を簡単に形成することができる。また、シリカ配合絶
縁スペーサの表面に均一な被覆膜を形成することによっ
て、信頼性が高いガス絶縁機器を提供することができ
る。
合絶縁スペーサの耐ＨＦ性を向上させる目的で該絶縁ス
ペーサの表面に設けられる被覆膜において、均一な被覆
膜を簡単に形成することができる。また、シリカ配合絶
縁スペーサの表面に均一な被覆膜を形成することによっ
て、信頼性が高いガス絶縁機器を提供することができ
る。
【図１】本発明のガス絶縁機器用絶縁スペーサ及びそれ
を用いたガス絶縁機器の一実施例を示す縦断面図であ
る。
を用いたガス絶縁機器の一実施例を示す縦断面図であ
る。
【図２】本発明のガス絶縁機器の一例であるガス絶縁開
閉装置の構成を一部断面にて示す正面図である。
閉装置の構成を一部断面にて示す正面図である。
１…金属容器、２…高電圧の導体、３…絶縁スペーサ、
４…導体、５…フランジ、６…ボルト、７…ブッシン
グ、８…接地母線、９…断路器、１０…変流器、１１…
遮断器、１２…接地装置、１３…主母線。
４…導体、５…フランジ、６…ボルト、７…ブッシン
グ、８…接地母線、９…断路器、１０…変流器、１１…
遮断器、１２…接地装置、１３…主母線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｈ０１Ｂ 3/40 Ｈ０１Ｂ 3/40 Ｊ Ｈ０２Ｇ 5/06 ３５１ Ｈ０２Ｇ 5/06 ３５１Ｚ (72)発明者 大久保 健一 茨城県日立市国分町一丁目１番１号 株式 会社日立製作所国分工場内
Claims (2)
- 【請求項１】絶縁性ガスが充填された容器内に配設され
た導体を絶縁支持するガス絶縁機器用絶縁スペーサにお
いて、前記絶縁スペーサは充填剤としてシリカを含有
し、該絶縁スペーサの表面が少なくともポリアミンを硬
化剤とするエポキシ樹脂の硬化物で被覆されていること
を特徴とするガス絶縁機器用絶縁スペーサ。 - 【請求項２】絶縁性ガスが充填された容器内に配設され
た導体を絶縁支持するガス絶縁機器用絶縁スペーサによ
って絶縁支持するガス絶縁機器において、前記絶縁スペ
ーサは充填剤としてシリカを含有し、該絶縁スペーサの
表面がポリアミンを硬化剤とするエポキシ樹脂の硬化物
で被覆されているガス絶縁機器用絶縁スペーサによって
絶縁支持されることを特徴とするガス絶縁機器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5642598A JPH11260173A (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | ガス絶縁機器用絶縁スペーサ及びガス絶縁機器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5642598A JPH11260173A (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | ガス絶縁機器用絶縁スペーサ及びガス絶縁機器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11260173A true JPH11260173A (ja) | 1999-09-24 |
Family
ID=13026753
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5642598A Pending JPH11260173A (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | ガス絶縁機器用絶縁スペーサ及びガス絶縁機器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11260173A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111415790A (zh) * | 2019-01-04 | 2020-07-14 | 清华大学 | 一种直流气体绝缘金属封闭输电线路用支柱绝缘子 |
| CN111415779A (zh) * | 2019-01-04 | 2020-07-14 | 清华大学 | 一种直流气体绝缘输电管道 |
| CN113284684A (zh) * | 2021-06-23 | 2021-08-20 | 西安交通大学 | 一种三层梯度gis/gil支撑绝缘子的制备方法 |
-
1998
- 1998-03-09 JP JP5642598A patent/JPH11260173A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111415790A (zh) * | 2019-01-04 | 2020-07-14 | 清华大学 | 一种直流气体绝缘金属封闭输电线路用支柱绝缘子 |
| CN111415779A (zh) * | 2019-01-04 | 2020-07-14 | 清华大学 | 一种直流气体绝缘输电管道 |
| CN111415790B (zh) * | 2019-01-04 | 2021-07-13 | 清华大学 | 一种直流气体绝缘金属封闭输电线路用支柱绝缘子 |
| CN113284684A (zh) * | 2021-06-23 | 2021-08-20 | 西安交通大学 | 一种三层梯度gis/gil支撑绝缘子的制备方法 |
| CN113284684B (zh) * | 2021-06-23 | 2022-04-22 | 西安交通大学 | 一种三层梯度gis/gil支撑绝缘子的制备方法 |
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