JP2000053843A - 成形材料用エポキシ樹脂組成物及び電気・電子部品 - Google Patents

成形材料用エポキシ樹脂組成物及び電気・電子部品

Info

Publication number
JP2000053843A
JP2000053843A JP10227852A JP22785298A JP2000053843A JP 2000053843 A JP2000053843 A JP 2000053843A JP 10227852 A JP10227852 A JP 10227852A JP 22785298 A JP22785298 A JP 22785298A JP 2000053843 A JP2000053843 A JP 2000053843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
molding material
epoxy
resin composition
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10227852A
Other languages
English (en)
Inventor
Toubee Tezuka
藤兵衛 手塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toto Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Kogyo Co Ltd filed Critical Toto Kogyo Co Ltd
Priority to JP10227852A priority Critical patent/JP2000053843A/ja
Publication of JP2000053843A publication Critical patent/JP2000053843A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は耐候性、電気特性、機械特性に及び高
充填性に優れたエポキシ樹脂成型物を製造するための成
型材料組成物を提供することを目的とするものであり、
更に、該組成物から得られる電気部品、特に送配電及び
受変電機器周辺に使用されるエポキシ樹脂成型電気部品
及び通信機器周辺に使用されるエポキシ成型電子部品に
関するものであるを提供することを目的とする。 【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機
質充填材(C)、内部離型剤(D)を予備混練して得ら
れるエポキシ樹脂成形材料に於いて、エポキシ樹脂
(A)が、水素添加ビスフェノールA系の固形エポキシ
樹脂(A1)を必須成分として含有し、エポキシ当量2
00乃至800g/eq、軟化点が70乃至120℃で
あることを特徴とする成形材料用エポキシ樹脂組成物で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐候性、電気特性、
機械特性に及び高充填性に優れたエポキシ樹脂成型材料
組成物及び該組成物から得られる電気部品、特に送配電
及び受変電機器周辺に使用されるエポキシ樹脂成型電気
部品及び通信機器周辺に使用されるエポキシ成型電子部
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】送配電
及び受変電機器に使用される碍子、ブッシング等のエポ
キシ樹脂絶縁物の多くは注型法によって作られている。
屋外用のエポキシ樹脂絶縁物(電気部品)には耐候性、
耐トラッキング性が重要な必要特性であり、これらの特
性が良好な脂環式エポキシ樹脂と称される例えば
(3’、4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(例え
ば、UCC社NOX−201)やグリシジルエステル系
エポキシ樹脂と称される例えばジグリシジルヘキサフタ
レート(例えば、チバガイギー社CY−184等)、ジ
グリシジルテトラヒドロフタレート(例えば、チバガイ
ギー社CY−182,192)が主成分として使用され
ている。この用途に芳香族系のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂が使用される場合が有るが、その場合は表面に
耐候性の良好な前記エポキシ樹脂の保護塗装をするのが
一般的である。成型法による電気部品では、耐候性や耐
トラッキング性の要求されない建屋内やキュービクル内
に設置される受変電設備の一部にビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂をベースとした圧縮成型法により成型された
碍子が使用されているにすぎない。
【0003】しかしながら、前記の脂環式エポキシ樹脂
は酸無水物との反応性が高く、成型材料とするにはB−
ステージの幅が狭く、材料としての貯蔵安定性がない。
しかも、硬化物が固く耐クラック性に問題があるため専
ら注型法でのみ使用されてきた。また、グリシジルエス
テル系エポキシ樹脂は脂環式エポキシより耐クラック性
は改良されるものの、1分子当たりの官能基数が低く耐
熱性に欠ける傾向にあった。さらに、これらのエポキシ
樹脂は低粘度の液状樹脂であり注型には適するが、成型
材料としては製造時の取り扱い性が悪いため適さないの
が実状である。近年、携帯電話やPHS等の移動体通信
を始めギガヘルツ帯の様な高周波数を利用する衛星放送
・通信の分野が急速に普及している。これに伴い、地上
基地局や地域中継局といった関連施設も急速に増加して
いる。これらの高周波施設、機器に使用される有機材
料、とりわけ使用範囲の広いエポキシ樹脂には誘電率、
誘電体損失の小さいことが知られている。分子内水酸基
の少ない前記の脂環式エポキシ樹脂及びグリシジルエス
テル系エポキシ樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂
に比較して誘電率、誘電体損失の小さいことが求められ
ている。しかしながら、これらの樹脂は前述の如く低粘
度の液状樹脂であり成型材料の原料には適していなかっ
た。ここで注型法と成型法の生産性について比較する
と、注型法では金型に予め真空脱泡した樹脂を注入し
て、低温から段階的に温度を上げながら加熱硬化させ
る。一般的に、この注入から加熱硬化して脱型するまで
に5〜20時間を必要とする。注型法の改良法として加
圧ゲル化法(APG法)が開発されて脱型までの時間を
10〜40分程度まで短縮できるが、高価な専用設備を
必要とする。一方、圧縮成型や低圧トランスファー成型
法は120〜180℃に保持した金型に圧入して硬化さ
せるので脱型までの時間は1〜10分程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、比較的小型の
電気部品を数多く生産するためには成型法の方が生産性
が高く有利であり、この成型法に適する原料エポキシ及
びその原料を用いた成型材料組成物が望まれていた。そ
こで、本発明者等はエポキシ樹脂の上記問題点を解決す
べく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至っ
た。即ち、本発明は常温で固体であり分子内に芳香族環
を含有せず、エポキシ官能基数が高く、分子内水酸基の
少ないエポキシ樹脂を使用した成型材料を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明の要旨は、エポキシ
樹脂(A)、硬化剤(B)、無機質充填材(C)、内部
離型剤(D)を予備混練して得られるエポキシ樹脂成形
材料に於いて、エポキシ樹脂(A)が、非芳香族系の固
形エポキシ樹脂であり、エポキシ当量200乃至800
g/eq、軟化点が70乃至120℃であることを特徴
とする成形材料用エポキシ樹脂組成物である。より具体
的には分子内に平均1個以上のエポキシ基を有する非芳
香族エポキシ樹脂(a)に多価カルボン酸と多価アルコ
ールとの反応で得られる末端カルボキシルポリエステル
オリゴマー(b)と、ポリイソシアネート類(c)を反
応させて得られる常温で固形のエポキシ樹脂(A1)を
60〜95重量%含有し、1分子中の平均エポキシ官能
基数が2.5以上であり、エポキシ当量300g/eq
以下のエポキシ樹脂(A2)を40〜5重量%含有する
エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)、無機質充填材
(C)、内部離型剤(D)からなる組成物を予備混練し
て成型材料を製造する事により、前記問題点を解決する
ものである。
【0006】本発明に使用される常温で固体のエポキシ
樹脂(A1)は分子内に平均1個以上のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂(a)に末端カルボキシルポリエステ
ルオリゴマー(b)と、ポリイソシアネート類(c)を
反応させるもので、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基に
末端カルボキシポリエステルオリゴマー(b)のカルボ
キシル基が反応し、更にこの反応で生成した二級水酸基
の一部と、ポリイソシアネート類(c)のイソシアネー
ト基が反応して得られる。この様にして得られた常温で
固形のエポキシ樹脂(A1)は、従来技術であるビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂に比較して、芳香族環を含有
しないため耐候性・耐トラッキング性が改良され、分子
内水酸基数が少ないため誘電率や誘電損失が小さくな
る。更にエポキシ官能基数が増大するため、硬化反応に
於いても高い架橋密度が得られ強度、耐熱性等の物性が
向上する。そしてウレタン結合の導入により可とう性及
び靱性が向上する事を特徴とする。
【0007】本発明のエポキシ樹脂(A1)の製造法に
ついては特に制限はなく、周知慣用の方法が適用され
る。その代表的な製造法としては、非芳香族エポキシ樹
脂(a)のエポキシ基1当量に対して末端カルボキシル
ポリエステルオリゴマー(b)をそのカルボキシル基
0.2〜0.8当量、好ましくは0.3〜0.6当量、
及びポリイソシアネート類(c)をそのイソシアネート
基0.01〜0.5当量、好ましくは0.05〜0.3
当量の割合で反応させる事により得られる。末端カルボ
キシルポリエステルオリゴマー(b)の割合が0.2当
量より小さい場合は、軟化点が低く取り扱い性が悪く、
0.8当量より大きい場合は、分子量が大きくなりすぎ
て流動性に乏しくなり、成型材料の原料として適さなく
なる。また、ポリイソシアネート類(c)の割合が0.
01当量より小さい場合は可とう性や耐薬品性が不十分
であり、0.5当量より大きい場合は、ゲル化を引き起
こし製造することが出来ない。
【0008】更に詳しくは、非芳香族エポキシ樹脂
(a)としては、一般的に耐候性が良好とされているも
のが適しており、具体的には1,6−ヘキサンジオー
ル、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)プロパン等の脂肪族及び脂環式
多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ヘキサヒ
ドロフタール酸、メチルヘキサヒドロフタール酸等の脂
環式多価カルボン酸のポリグリシジルエステル類、
(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート
等の脂環式ポリエポキシド類が挙げられる。なかでも、
2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパ
ン(別名:水素添加ビスフェノールA)のジグリシジル
エーテルが好ましい。また、上記記載の樹脂の単独ある
いは2種以上を混合して用いても良い。
【0009】上記非芳香族エポキシ樹脂(a)に反応さ
せる末端カルボキシルポリエステルオリゴマー(b)は
多価カルボン酸(b1)と多価アルコール(b2)の反
応によって得られる数平均分子量300〜2,000の
末端カルボキシルポリエステルオリゴマーである。その
一つの多価カルボン酸(b1)としては、メチルヘキサ
ヒドロフタール酸、ヘキサヒドロフタール酸、フタール
酸、イソフタール酸、テレフタール酸、トリメリット
酸、等の脂肪族及び芳香族多価カルボン酸類並びにその
無水物、アジビン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の飽
和脂肪族ジカルボン酸類が挙げられ、なかでも非芳香族
酸無水物が好ましく、より好ましくはヘキサヒドロフタ
ール酸無水物である。
【0010】もう一つの成分である多価アルコール(b
2)としては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオ
ール等の脂肪族グリコール類、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)プロパン、ビス−(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)メタン等の脂環族グリコール類が
挙げられ、なかでも2,2−ビス(4−ヒドロキシシク
ロヘキシル)プロパンが好ましい。
【0011】また、ポリイソシアネート類(c)として
は、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレン
ジイソシアネート(XDI)、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HMDI)、水素添加TDI、
水素添加XDI、2,5−ビス(イソシアナートメチ
ル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、ノルボネンジ
イソシアネート(NBDI)等が挙げられ、特に非芳香
族イソシアネートであるIPDI、水素添加XDI(H
XDI)が好ましい。
【0012】上記のようにして得られるエポキシ樹脂
(A1)は、好ましくはエポキシ当量が500乃至12
00g/eqのものである。エポキシ当量が500g/
eq以下では耐ブロッキング性が不十分であり、エポキ
シ当量が1200g/eq以上では硬化物の強度や耐熱
性が低下するためであり、より好ましくはエポキシ当量
が600乃至900g/eqである。
【0013】本発明の成形材料用エポキシ樹脂組成物に
用いられる固形エポキシ樹脂(A2)は、1分子中の平
均エポキシ官能基数が2.5以上であることが望まし
い。2.5官能以下の場合には成形材料としての特性が
低下するためであり、好ましくは3官能以上である。ま
た、エポキシ当量としては300g/eq以下のものが
好ましく、より好ましくは100g/eq程度のもので
ある。具体例としては複素環式エポキシ樹脂や環式脂肪
族エポキシ樹脂が挙げられる。複素環式エポキシ樹脂と
しては、チバガイギー社製PT−810や日産化学社製
のTEPIC等のトリス(2、3−エポキシプロピル)
イソシアヌレートや、環式脂肪族エポキシ樹脂としては
ダイセル化学社製のTHPE−3150等が挙げられ
る。これらを、単独あるいは2種以上を混合して使用し
ても良い。
【0014】本発明の成形材料用エポキシ樹脂組成物に
用いられるエポキシ樹脂(A)は前記の水素添加ビスフ
ェノールA系固形エポキシ樹脂(A1)を60乃至95
重量%と固形エポキシ樹脂(A2)を40乃至5重量%
の割合で混合して用いるのが好ましい。固形エポキシ樹
脂(A2)が40重量%以上の場合には可とう性が低下
するためであり、5重量%以下の場合には架橋密度が不
十分であり強度が低下するためである。より好ましくは
固形エポキシ樹脂(A2)を30乃至5重量%、特に好
ましくは20乃至7重量%である。
【0015】エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は20
0乃至800g/eqで、軟化点が70乃至120℃と
なるように水素添加ビスフェノールA系固形エポキシ樹
脂(A1)と固形エポキシ樹脂(A2)とを配合する。
エポキシ当量が200g/eq以下及び軟化点が70℃
以下では、可とう性が低下し耐衝撃性が劣るためであ
り、エポキシ当量が800g/eq以上及び軟化点が1
20℃以上では架橋密度が低下し硬化物の物性が低下す
るためである。より好ましくはエポキシ当量が300乃
至600g/eq、軟化点が80乃至110℃、より好
ましくはエポキシ当量が350乃至550g/eq、軟
化点が85乃至100℃である。
【0016】エポキシ樹脂(A)は、成形材料用エポキ
シ樹脂組成物中、10乃至40重量%の配合量とする。
10重量%以下では硬化物の物性が低下するためであ
り、40重量%以上では可とう性が低下するためであ
り、好ましくは15乃至35重量%、より好ましくは2
0乃至30重量%である。
【0017】本発明の成形材料用エポキシ樹脂組成物に
用いられる硬化剤(B)は成形材料用に使用される公知
の硬化剤を使用する事ができる。代表的な例としては脂
環式アミン類、芳香族アミン類、イミダゾール類、ジシ
アンジアミド、ヒドラジド類、三フッ化硼素の錯体類、
酸無水物類、酸性ポリエステル類、多価フェノール類、
ノボラック樹脂、レゾール樹脂、アミノ樹脂、ブロック
イソシアネート類、カチオン重合触媒類等を挙げること
ができる。硬化剤の選択は成型物の使用目的により決定
されるが、成形材料の貯蔵安定性、耐候性、耐熱性、流
動性、反応速度、エポキシ樹脂に対する配合比率、取り
扱い上の容易さ等を考慮する必要が有る。硬化剤(B)
の使用量はエポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A
2)の合計量のエポキシ基に対して、アミン類等の活性
水素を有する場合はエポキシ基1当量に対して0.8〜
1.2当量の活性水素量になる量が適当である。また、
酸無水物の場合はエポキシ基に対して、0.7〜1.0
の酸無水物当量になる量が適当である。その他の硬化剤
は文献値を基準として実験的に最適量を決定する。本発
明に於いては硬化剤(B)の成型時の硬化速度を調整す
るために促進剤を用いても良い。硬化促進剤の例として
は、3級アミン類、4級アンモニウム塩、イミダゾール
類、ホスフィン類、ホスホニウム塩等があり、その使用
量は硬化剤(B)に対して0.01〜5phr(硬化剤
100重量部当たりの重量部数)の範囲で用いられる。
【0018】前記硬化剤のうち特に好ましい硬化剤は酸
無水物類である。酸無水物の具体的な例としては、フタ
ール酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸
無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチ
レングリコールビスアンヒドロトリメリテート、メチル
テトラヒドロ無水フタール酸、テトラヒドロ無水フター
ル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、ヘ
キサヒドロ無水フタール酸、メチルヘキサヒドロ無水フ
タール酸、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸
無水物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド酸無水物
等を例示できる。特に好ましい酸無水物は非芳香族酸無
水物である。より好ましくはヘキサヒドロ無水フタール
酸である。また、前記硬化剤のうちエポキシ樹脂(A
1)とエポキシ樹脂(A2)とを含有するエポキシ樹脂
(A)に対する配合比の比較的小さいジシアンジアミ
ド、ヒドラジド類、三フッ化硼素錯体類等も本発明の組
成物には好ましい硬化剤として使用される。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる
無機質充填材(C)は成形物の強度向上、熱伝導率の向
上、耐熱性の向上、収縮率の低下、コストの低減(増量
材)等を目的とするものである。無機質充填材の例とし
ては、球状シリカ、溶融シリカ、破砕結晶性シリカ、ア
ルミナ、水和アルミナ、炭酸カルシウム、溶融石英、ジ
ルコン、タルク、マイカ、珪酸カルシウム、炭化珪素、
窒化珪素、ベリリア、マグネシア、ジルコニア、フォル
ステライト、ステアタイト、スピネル等の他、ガラスチ
ョップドストランド、アスベスト、チタン酸カリウム、
炭化珪素、アルミナなどの繊維状物、また、酸化チタン
Fe23、ZnO、などの無機着色顔料も使用する事が
できる。更に、性能を低下させない範囲であれば有機系
の充填材、例えばアラミド繊維、テフロン粒子、シリコ
ンゴム粒子なども併用する事も可能である。これらの無
機質充填材のうち特に、シリカ、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、水和アルミナ、溶融石英が好ましい。更に好まし
くは、耐トラッキング性が重視される屋外用の場合は水
和アルミナ、アルミナ、炭酸カルシウムの少なくとも1
種を配合するのが好ましい。これらの無機質充填材を2
種以上組み合わせて、性能バランスを得るのが好まし
い。また、無機質充填材の粒径は、平均粒径で10〜5
0μmの範囲内のものが好ましく、あまり粒径が小さす
ぎると流動性が悪くなり、粒径が大きすぎると電気的特
性が低下する。無機質充填材はそのまま使用しても良い
が、より一層性能を向上させるためには、予め充填材を
シランカップリング剤などで表面処理をされたものを使
用するか、成形材料の配合、予備混練時にシランカップ
リング剤を添加して表面処理を行っても良い。ここで使
用されるシランカップリング剤としてはエポキシシラ
ン、アミノシラン、ビニルシラン、アルキルシラン等を
使用することができる。本発明は注型法に比べ無機充填
剤(C)を高充填化することが可能であり、その配合量
は特に限定するものではないが、組成物全体に対して、
40〜90重量%、より好ましくは60〜85重量%で
ある。40重量%以下では成形時の流動性が大きすぎ、
90重量%以上では流動性が無く、物性が著しく低下す
る。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる
内部離型剤(D)としては、ステアリン酸等の高級脂肪
酸及びそのカルシウム、亜鉛などの高級脂肪酸金属塩、
カルナバワックス、エステル系ワックス、ポリエチレン
系ワックス、シリコンオイル、フッ素系オイルなどを使
用する事ができる。これらの配合量は特に限定するもの
ではないが、組成物全体に対して0.01〜3重量%で
ある。使用量が0.01重量%以下であると成型時離型
性が悪くなり、3重量%より多いと電気的性能が著しく
低下するためであり、より好ましくは0.1〜1重量%
である。その他の副資材として着色顔料、流れ調整剤、
有機添加剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を配合しても
差し支えない。
【0021】以上の様な原材料を用いて成形材料を製造
する一般的な方法としては、所定の配合量の混合物をヘ
ンシェルミキサーなどによって十分に材料を予備混合し
た後、熱ロール、押出機等によって混練し、冷却、粉砕
する事によって、成形材料を得ることができる。本発明
で得られる成形材料を用いて電子部品及び電気部品を成
形する方法や電気絶縁用の成型物を製造する方法として
は、低圧トランスファー成型法、インジェクション成形
法、圧縮成型法などが可能である。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれら実施例によって限定されるも
のではない。なお、本実施例で用いる%及び部は重量%
及び重量部を示す。 合成例1(A1の製造例) 末端カルボキシルポリエステルオリゴマー(b1)の製
造 ヘキサヒドロ無水フタール酸310部と2,2−ビス
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン240部と
の混合物を窒素ガス雰囲気中で撹拌しながら150℃で
2時間反応させて、カルボキシル当量が299g/eq
で常温で固形の末端カルボキシルポリエステルオリゴマ
ー(b1)を得た。 非芳香族エポキシ樹脂(A1)の製造 2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパ
ンのジグリシジルエーテル(エポキシ当量230g/e
q東都化成製サントートST−3000)460部、末
端カルボキシルポリエステルオリゴマー(b1)250
部、水素添加XDI(武田薬品製タケネート600)5
8部を加え、窒素ガス雰囲気中で撹拌し170℃で4時
間反応させた。得られたエポキシ樹脂は軟化点94℃、
エポキシ当量675g/eqであった。
【0023】実施例1〜2および比較例1 表−1に示す原料を配合してヘンシェルミキサーを用い
十分予備混合した。その後6インチ熱ロールを使用し、
前ロールを80〜90℃、後ロールを110〜120℃
の温度条件で5〜10分間混練してシート化して急冷
後、粗砕して目的の成形材料を製造した。尚、混練時間
はJIS K−6911 5.3.2に規定する円板式
流れで測定して、150℃の流れが100から150m
mになるように調整した。この材料を用いて圧縮成型法
により成型品を得た。なお、配合物の取り扱い性及び成
形品の物性の評価方法は下記の通りである。 ・配合時の取り扱い性;状態を判定 ・混練時の取り扱い性;状態を判定 ・引張強さ;JIS K 6911 熱硬化性プラスチ
ック一般試験方法に準拠 ・圧縮強さ;JIS K 6911 熱硬化性プラスチ
ック一般試験方法に準拠 ・曲げ強さ;JIS K 6911 熱硬化性プラスチ
ック一般試験方法に準拠 ・シャルピー衝撃強さ;JIS K 6911 熱硬化
性プラスチック一般試験方法に準拠 ・体積固有抵抗(Ωcm);JIS K 6911 熱
硬化性プラスチック一般試験方法に準拠 ・表面固有抵抗(Ωcm);JIS K 6911 熱
硬化性プラスチック一般試験方法に準拠 ・誘電率;JIS K 6911 熱硬化性プラスチッ
ク一般試験方法に準拠 ・誘電正接;JIS K 6911 熱硬化性プラスチ
ック一般試験方法に準拠 ・ガラス転移温度;TMA測定 ・耐トラッキング性;IEC Pub.112(197
9),PT電極,B液使用
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は従来の注
型法でしか出来なかった高充填含有量の屋外用電気部品
を成形法により製造する事ができ、その成型品は耐候
性、電気特性、機械特性において従来法と同等以上の性
能を有している。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AE033 BD123 CD022 CD051 CD081 CD201 CP033 DE077 DE107 DE137 DE147 DE187 DE237 DJ007 DJ017 DJ027 DJ047 DJ057 EF058 EF126 EG038 EG048 EQ026 ET006 EY016 FB107 FB137 FB147 FD017 FD097 FD146 FD163 FD168 GQ00 4J034 BA07 DA05 DA08 DB03 DB07 DF01 DF16 DF20 DF21 DF22 DK06 DK08 DK10 HA01 HA07 HC03 HC12 HC17 HC22 HC45 HC46 HC47 HC52 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 QB11 RA14 4J036 AA05 AB01 AB07 AG06 AJ05 AJ08 AJ10 AJ18 CB20 CD11 DB18 DB21 DB22 DC19 DC31 DC35 FA03 FA05 FA10 FB02 FB16 5G305 AA04 AA14 AB04 AB15 AB28 CA16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機
    質充填材(C)、内部離型剤(D)を予備混練して得ら
    れるエポキシ樹脂成形材料に於いて、エポキシ樹脂
    (A)が、非芳香族系の固形エポキシ樹脂であり、エポ
    キシ当量200乃至800g/eq、軟化点が70乃至
    120℃であることを特徴とする成形材料用エポキシ樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂(A)が、エポキシ当量50
    0乃至1200g/eqの水素添加ビスフェノールA系
    の固形エポキシ樹脂(A1)を60乃至95重量%と、
    1分子中の平均エポキシ官能基数が2.5以上でエポキ
    シ当量300g/eq以下の固形エポキシ樹脂(A2)
    を40乃至5重量%含有することを特徴とする成形材料
    用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】水素添加ビスフェノールA系の固形エポキ
    シ樹脂(A1)が、分子内に1個以上のエポキシ基を有
    するエポキシ樹脂(a)と末端カルボキシル基含有ポリ
    エステルオリゴマー(b)と、ポリイソシアネート化合
    物(c)を反応させて得られることを特徴とする請求項
    2記載の成形材料用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】エポキシ樹脂(a)が、水素添加ビスフェ
    ノールAのジグリシジルエーテルであり、末端カルボキ
    シル基含有ポリエステルオリゴマー(b)が、ヘキサヒ
    ドロ無水フタル酸であり、ポリイソシアネート化合物
    (c)が、水素添加キシリレンジイソシアネートである
    ことを特徴とする請求項3記載の成形材料用エポキシ樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】非芳香族系の固形エポキシ樹脂(A2)
    が、複素環式エポキシ樹脂及び又は環式脂肪族エポキシ
    樹脂であることを特徴とする請求項2記載の成形材料用
    エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】エポキシ樹脂(A)が、成形材料中10乃
    至40重量%含有することを特徴とする請求項1および
    2記載の成形材料用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】硬化剤(B)が、非芳香族酸無水物である
    ことを特徴とする請求項1および2記載の成形材料用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1から7項に記載のエポキシ樹脂組
    成物を用いてなる電気部品。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の電気部品が屋外用の送配
    電及び受変電機器に使用されることを特徴とするエポキ
    シ樹脂成型電気部品。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の電気部品が屋内外用の
    通信機器に使用されることを特徴とするエポキシ樹脂成
    型電子部品。
JP10227852A 1998-08-12 1998-08-12 成形材料用エポキシ樹脂組成物及び電気・電子部品 Pending JP2000053843A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10227852A JP2000053843A (ja) 1998-08-12 1998-08-12 成形材料用エポキシ樹脂組成物及び電気・電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10227852A JP2000053843A (ja) 1998-08-12 1998-08-12 成形材料用エポキシ樹脂組成物及び電気・電子部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000053843A true JP2000053843A (ja) 2000-02-22

Family

ID=16867390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10227852A Pending JP2000053843A (ja) 1998-08-12 1998-08-12 成形材料用エポキシ樹脂組成物及び電気・電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000053843A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005120357A (ja) * 2003-09-22 2005-05-12 Japan Epoxy Resin Kk 脂環式エポキシ樹脂、その製造方法、その組成物、エポキシ樹脂硬化体、およびその用途
WO2009013955A1 (ja) * 2007-07-24 2009-01-29 Tohto Kasei Co., Ltd. エポキシ樹脂組成物
JP2010215924A (ja) * 2003-09-22 2010-09-30 Mitsubishi Chemicals Corp 脂環式エポキシ樹脂、その製造方法、その組成物、エポキシ樹脂硬化体、およびその用途
TWI457360B (zh) * 2009-01-10 2014-10-21 Nippon Steel & Sumikin Chem Co The epoxy resin composition
JP2016537458A (ja) * 2013-11-18 2016-12-01 ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company エポキシ末端ポリエステル
CN112062924A (zh) * 2020-08-21 2020-12-11 南京聚发新材料有限公司 缠绕工艺用聚氨酯树脂、树脂/纤维复合材料及其制备方法和应用
JP2021014583A (ja) * 2015-03-26 2021-02-12 ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・ライセンシング・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー 屋外用製品を製造するための熱硬化性エポキシ樹脂組成物、およびそれから得られる屋外用製品

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005120357A (ja) * 2003-09-22 2005-05-12 Japan Epoxy Resin Kk 脂環式エポキシ樹脂、その製造方法、その組成物、エポキシ樹脂硬化体、およびその用途
JP2010215924A (ja) * 2003-09-22 2010-09-30 Mitsubishi Chemicals Corp 脂環式エポキシ樹脂、その製造方法、その組成物、エポキシ樹脂硬化体、およびその用途
KR101135482B1 (ko) * 2003-09-22 2012-04-13 재팬 에폭시 레진 가부시끼가이샤 지환식 에폭시 수지의 제조방법
WO2009013955A1 (ja) * 2007-07-24 2009-01-29 Tohto Kasei Co., Ltd. エポキシ樹脂組成物
JP2009029842A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Toto Kasei Co Ltd エポキシ樹脂組成物
TWI457360B (zh) * 2009-01-10 2014-10-21 Nippon Steel & Sumikin Chem Co The epoxy resin composition
JP2016537458A (ja) * 2013-11-18 2016-12-01 ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company エポキシ末端ポリエステル
JP2021014583A (ja) * 2015-03-26 2021-02-12 ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・ライセンシング・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー 屋外用製品を製造するための熱硬化性エポキシ樹脂組成物、およびそれから得られる屋外用製品
CN112062924A (zh) * 2020-08-21 2020-12-11 南京聚发新材料有限公司 缠绕工艺用聚氨酯树脂、树脂/纤维复合材料及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8399577B2 (en) Curable epoxy resin composition
EP2230267B1 (en) Method of producing a curable epoxy resin composition
TWI540149B (zh) 絕緣調配物
CN103709608B (zh) 一种户外互感器电气绝缘环氧树脂浇注料
US8545977B2 (en) Polymer concrete electrical insulation
CN110218414B (zh) 一种环氧树脂组合物及其制备方法和应用
US20100018750A1 (en) Curable epoxy resin composition
CN102159614A (zh) 环氧树脂组合物
EP1491566B1 (en) Curable epoxy resin composition, and process for the production of shaped articles therefrom
JPS6069121A (ja) 反応樹脂成形物質の製造方法
CN101490124A (zh) 抗病毒面罩和过滤材料
EP2864418B1 (en) Insulating composites for power transmission and distribution
JP2000053843A (ja) 成形材料用エポキシ樹脂組成物及び電気・電子部品
EP1387860B1 (en) Moulding composition for producing bipolar plates
EP0187897B1 (en) Epoxy resin composition
US20120208924A1 (en) Epoxy resin composition
JP3383134B2 (ja) エポキシ樹脂組成物およびそれから得られる注型絶縁物
CN117940477A (zh) 可热固化的反应树脂混合物
CA2207782A1 (en) Preparation of mouldings by the automatic pressure gelation technique using a one-component composition
JPS6341935B2 (ja)
JP4622428B2 (ja) エポキシ樹脂粉体塗料と、その製造方法
JP2000281880A (ja) Sf6ガス絶縁開閉装置用エポキシ樹脂組成物、コーティング剤およびこれを用いてなるガス絶縁開閉装置
JPH03192148A (ja) 電気機器絶縁用エポキシ樹脂注型材料
JPS6336617B2 (ja)
WO2013139390A1 (en) Curable epoxy resin composition