JP2000279753A - 排ガスの脱塩処理方法および廃棄物処理装置 - Google Patents

排ガスの脱塩処理方法および廃棄物処理装置

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JP2000279753A
JP2000279753A JP11091126A JP9112699A JP2000279753A JP 2000279753 A JP2000279753 A JP 2000279753A JP 11091126 A JP11091126 A JP 11091126A JP 9112699 A JP9112699 A JP 9112699A JP 2000279753 A JP2000279753 A JP 2000279753A
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water
aqueous solution
residue
desalination
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JP11091126A
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English (en)
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Yoshinao Hirano
義直 平野
Hiroaki Harada
裕昭 原田
Shinseki Itaya
真積 板谷
Makoto Yoshida
吉田  誠
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋立て不要とする脱塩残渣の処理方法を提供
するとともに、脱塩残渣に含まれる有害物を除去する。 【解決手段】 排ガスG6にナトリウム系の脱塩剤gを
投入し、この排ガスに含まれる塩化水素を脱塩残渣hと
して除去し、除去された脱塩残渣hに水iを加えて溶解
し、生成した水溶液jから非水溶性成分kを分離し、非
水溶性成分kを分離した残りの水溶液lのpHを調整し
た後水銀およびダイオキシン類を除去し排出する。脱塩
剤gは、10μm以下の粒径に粉砕された後に排ガスG
6に投入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中の塩化水
素を除去する脱塩処理と、この脱塩処理により発生する
脱塩残渣を処理する脱塩残渣処理とを含む排ガスの脱塩
処理方法および廃棄物を処理し発生する排ガスを処理す
る廃棄物処理装置に関するものである。
【0002】ここで、上記排ガスは、塩化水素を含む排
ガス、特に廃棄物を処理する際に発生する排ガスを対象
とする。また、廃棄物は、家庭やオフィスなどから出さ
れる都市ごみなどの一般廃棄物、廃プラスチック、カー
シュレッダー・ダスト、廃オフィス機器、電子機器、化
成品等の産業廃棄物など、可燃物を含むものである。
【0003】
【従来の技術】塩化水素を含む排ガスを処理する方法と
しては、たとえば、廃棄物を処理する廃棄物処理装置の
燃焼炉から排出される排ガスを処理するものが知られて
いる(特開平1−49816号公報(特公平6−562
53号)など)。この廃棄物処理装置は、排ガス中のダ
スト(「燃焼飛灰」または「ばい塵」ともいう)を集じ
ん装置または第1のバグフィルタで濾過した後、この集
じん装置に直列に接続された排ガス浄化装置または第2
のバグフィルタにより排ガスの脱塩を行なうものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
排ガス処理方法は、ガス浄化装置で脱塩のために加える
脱塩剤は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)で、こ
の水酸化カルシウムと排ガス中の塩化水素(HCl)が
反応して塩化カルシウム(CaCl2)とその他の物質
を含む脱塩残渣が発生するが、ここで発生する塩化カル
シウムは、融雪剤、吸湿剤などに使用されるだけで有効
に利用される用途が少ない。したがって、塩化カルシウ
ムのほとんどが薬剤処理若しくはセメントで固化されて
埋立て処分にされるのが通常であった。
【0005】しかし、最近は、自然環境保護に対する住
民運動の高まりから、このような脱塩残渣を埋立て処分
するのが難しくなっている。すなわち、廃棄物の量は年
々増加の一途を辿っており、これに伴って脱塩残渣の量
も増加しているために、新たな埋立て処分地が必要とな
っているが、その埋立て処分地の確保が非常に難しいと
いう問題がある。
【0006】本発明は、埋立て不要とする脱塩残渣の処
理方法を提供するとともに、該脱塩残渣に含まれる有害
物を除去することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の排ガスの脱塩処理方法は、排ガスにナトリウム
系の脱塩剤を投入し、この排ガスに含まれる塩化水素を
脱塩残渣として除去する。脱塩剤としては、ナトリウム
系の脱塩剤を使用することにより、排ガス中の塩化水素
は、塩化ナトリウム(NaCl)となり、塩化ナトリウ
ムを主成分とする脱塩残渣として排ガスから除去され
る。
【0008】さらに、排ガスから除去された脱塩残渣に
水を加えて溶解し、脱塩残渣が溶解された水溶液から水
に溶けない非水溶性成分を分離する。脱塩残渣に水を加
えることにより、脱塩残渣中の水溶性成分を水溶液に溶
かし込むことができる。脱塩残渣中には水に溶けない非
水溶性成分と水溶性成分が含まれているが、非水溶性成
分は水溶液中に懸濁物として存在する。この水溶液を濾
過などで分離することにより非水溶性成分を分離でき
る。この非水溶性成分は、たとえば最終的に燃焼溶融炉
に戻されて、溶融スラグ化されるなどにより、系外に排
出される。
【0009】非水溶性成分を分離した残りの水溶液は、
pHを調整された後、このpH調整された水溶液からダ
イオキシン類(「DXNs」とも記す)が除去される。
非水溶性成分を分離した残りの水溶液中には、水に溶解
した未反応の脱塩剤が残っているので、pH調整剤を加
え中和し塩に変える。ダイオキシン類は、たとえば活性
炭層の中に液を通すなどの方法により除去される。
【0010】さらに、排ガスに投入される脱塩剤の粒径
を10μm以下にすると良い。但し、粒径は微粒である
が0μmではない。脱塩剤は、粒径が小さくなると同じ
重量の脱塩剤で比較すると塩化水素との接触面積が増大
し、反応性が大となり利用効率が増す。また、粒径が小
さいと流動性が増し、たとえば濾過材の表面への固結や
付着が防止される。この作用は、粒径が10μm以下で
あるときに特に著しい。
【0011】さらに、pHを調整した残りの水溶液から
水銀およびダイオキシン類を除去すると良い。水銀の除
去方法としてはたとえば沈殿法、イオン交換法、吸着法
などがある。沈殿法では一般的には硫化水銀として沈殿
させる方法やたとえばジチオカルバミド酸基などを持つ
重金属補修剤を用いる方法がある。イオン交換法では、
水銀が陽イオンとして存在するときには陽イオン交換樹
脂が、ハロゲン化錯イオンのように陰イオンとして存在
するときには陰イオン交換樹脂が用いられる。吸着法で
は、キレート結合により特定の金属イオンに対して高選
択性を持つキレート樹脂や活性炭あるいは活性コークス
などが用いられる。キレート樹脂としては、基体として
たとえばポリアクリル、ポリスチレンまたはフェノール
樹脂などが、配位基としてたとえばチオール型、ジチオ
カルバミド酸型、イソチウロニウム型、ジチゾン型、チ
オ尿素型、イミノジ酢酸型またはポリアミン型などがあ
る。また、活性炭ではたとえばガス賦活炭、塩化亜鉛賦
活炭、粒状活性炭、ヤシ殻活性炭または造粒活性カーボ
ンブラックなどがある。これらの処理に適したpH調整
をしておくことにより水銀を効率的に除去することがで
きる。
【0012】そして、先に説明したように、ダイオキシ
ン類は、活性炭層の中に液を通すなどの方法により除去
されるが、水銀濃度が高い場合は水銀を予め除去してお
くことにより活性炭は、水銀を吸着することがなくな
り、主にダイオキシン類を吸着するので寿命が長くな
る。水銀あるいはダイオキシン類の濃度によっては、ダ
イオキシン除去の後に水銀除去してもよく、また例えば
活性炭層の中に液を通すことにより両者を同時に除去し
てもよい。ダイオキシン類が除去された水溶液は、系外
に排出され、たとえば海域、河川、下水処理場などに排
出される。
【0013】また、本発明の廃棄物処理装置は、廃棄物
を熱分解して熱分解ガスと主として不揮発性成分からな
る熱分解残留物とを発生する熱分解反応器と、熱分解残
留物を燃焼性成分と不燃焼性成分とに分離する分離手段
と、熱分解ガスと前記燃焼性成分とを供給し燃焼させて
溶融スラグおよび排ガスを排出する燃焼溶融炉とを備え
るものである。熱分解反応器で廃棄物を熱分解すること
により熱分解ガスと主として不揮発性成分からなる熱分
解残留物とが発生する。分離手段により熱分解残留物を
燃焼性成分と不燃焼性成分とに分離する。燃焼溶融炉
は、供給された熱分解ガスと燃焼性成分を燃焼させて溶
融スラグおよび排ガスを排出する。
【0014】さらに、廃棄物処理装置は、燃焼溶融炉か
ら排出される排ガスからダストを除去する第1の排ガス
処理手段と、この第1の排ガス処理手段で処理された排
ガスに脱塩剤を投入し脱塩を行う第2の排ガス処理手段
とを備える。第1の排ガス処理手段によって、燃焼溶融
炉から排出される排ガスに含まれるダストが除去され
る。ダストが除去された排ガスは、第2の排ガス処理手
段に送られるが、この際、第2の排ガス処理手段の上流
側で脱塩剤が投入される。脱塩剤は、この排ガス中の塩
化水素と反応し、第2の排ガス処理手段で脱塩残渣とな
る。
【0015】さらに、廃棄物処理装置は、第2の排ガス
処理手段で発生した脱塩残渣に水を加えて脱塩残渣が溶
解された水溶液から水に溶けない非水溶性成分を分離す
る分離機と、この分離機で非水溶性成分を分離した残り
の水溶液のpHを調整するpH調整装置と、このpH調
整装置でpHを調整した水溶液からダイオキシン類を除
去するダイオキシン類除去装置とを備える。
【0016】第2の排ガス処理手段で発生した脱塩残渣
に水を加えることにより、脱塩残渣中の水に溶ける水溶
性成分は溶けて水溶液となり、水に溶けない非水溶性成
分は水溶液中に懸濁物として存在する。分離機は、この
水溶液から水に溶けない非水溶性成分を分離する。pH
調整装置は、分離機で非水溶性成分を分離した残りの水
溶液のpHを調整し、水に溶解した未反応の脱塩剤を中
和し塩に変える。分離機で非水溶性成分を分離した残り
の水溶液は比較的処理量が少なくなり、ダイオキシン類
除去装置は、このpHを調整した水溶液からダイオキシ
ン類を効率良く除去する。
【0017】さらに、第1の排ガス処理手段で処理され
た排ガスに投入される脱塩剤を10μm以下に粉砕する
粉砕機を備えると良い。粉砕機により10μm以下に粉
砕された微粒な脱塩剤は、脱塩剤の粒の表面積が相対的
に大きくなり、表面から内部まで反応が進み、利用効率
が良好になる。また、集じん装置内などで脱塩剤あるい
は脱塩残渣が固結するのを防止するため、例えばSi系
固結防止剤などを脱塩剤と混合して使用してもよい。
【0018】そして、pH調整装置とダイオキシン類除
去装置とともに水銀を除去する水銀除去装置を備えると
良い。先に記したように、分離機で非水溶性成分を分離
した残りの水溶液は、比較的処理量が少なくなり、水銀
除去装置の負荷を軽減する。そして、ダイオキシン類除
去装置によりダイオキシン類が除去される。水溶液中の
ダイオキシン類は、たとえば活性炭層の中に水溶液を通
すなどの方法により除去され、水銀濃度が高い場合は水
銀を予め除去しておくことにより活性炭は、水銀を吸着
することがなくなり、主にダイオキシン類を吸着するの
で吸着効率が良く、かつ寿命が長くなる。水銀あるいは
ダイオキシン類の濃度によっては、ダイオキシン除去の
後に水銀除去してもよく、また例えば活性炭層の中に液
を通すことにより両者を同時に除去してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る排ガスの脱塩
処理方法および廃棄物処理装置の実施の形態を、図面に
基いて詳細に説明する。なお、図1〜4において、同じ
構造または作用部分には同じ符号を付けて示す。
【0020】図1は、本発明に係る排ガスの脱塩処理方
法の第1実施形態に直接使用される装置の系統図であ
る。第1実施形態の排ガスの脱塩処理方法は、排ガス、
たとえば廃棄物を処理する際に発生する排ガスG5の脱
塩処理に適用される。すなわち、排ガスの脱塩処理方法
の第1実施形態に直接使用される装置は、第1の排ガス
処理手段としての第1集じん装置14と、第2の排ガス
処理手段としての第2集じん装置16とを有し、二段階
に集じんするものである。
【0021】廃棄物を処理する際に発生する排ガスG5
は、第1集じん装置14に送られる。第1集じん装置1
4は、排ガスG5からダスト(焼却飛灰)f1を除去す
る。ダストf1を除去された排ガスG6は、第2集じん装
置16に送られる。この際、ナトリウム系の脱塩剤gが
第2集じん装置16の上流側流路に投入される。脱塩剤
gとしては、たとえば炭酸水素ナトリウム(重曹:Na
HCO3)や炭酸ナトリウム(ソーダ灰:Na2CO3)
などである。
【0022】ここで使用されるナトリウム系脱塩剤は、
粒径を小さくする。一般に重曹は平均粒径で50〜27
0μm、ソーダ灰は110〜330μmであり、この粒
径では表面に反応生成物ができて内部まで反応が進ま
ず、また、粒径が大きいためにバグフィルタの濾布への
付着が悪く、利用効率が悪い。このため必要に応じて固
結を防止する手段をとって、粉砕などを施し粒径を小さ
くして投入することが好ましい。また、排ガス中にイオ
ウ酸化物がある場合には、脱塩剤は脱硫剤として作用
し、脱塩とともに第2集じん装置16で脱硫も行わせる
ことも可能である。
【0023】脱塩剤の投入により、第2集じん装置16
からは、排ガス中の塩化水素(HCl)と反応して生成
した塩化ナトリウム(NaCl)が脱塩残渣hとして排
出される。脱塩された排ガスG7は、クリーンなガスと
なって煙突20から排出される。
【0024】一方、第2集じん装置16で除去された脱
塩残渣hは、水iが加えられて溶解槽22で溶解され、
さらに中継槽24に送られ、水溶液jとして溜められ
る。水が加えられると、脱塩残渣h中の水溶性成分は水
に溶けるが、非水溶性成分kは、水に溶けず、水溶液中
で縣濁物として存在する。
【0025】次に、生成した水溶液jは、分離機26に
送られ分離処理、たとえば濾過され、懸濁物である非水
溶性成分kが水溶液から分離される。分離された非水溶
性成分kは、後述のように、図示していない熱分解反応
器に戻され、最終的に燃焼溶融炉で溶融スラグ化される
などして、系外に排出される。
【0026】非水溶性成分kが分離された残りの水溶液
lは、水溶性成分が含まれており、次工程のpH調整槽
28に送られpHが調整される。pH調整剤として例え
ば塩酸(HCl)などの酸性物質が加えられ、水に溶解
した未反応の脱塩剤を中和する。さらに、ダイオキシン
類除去装置32に送られダイオキシン類が除去される。
DXNsの除去方法としては、たとえば活性炭層に水溶
液を通し除去する活性炭吸着法、その他の方法が適用さ
れる。上記残りの水溶液lからDXNsが除去された水
溶液は、処理水mとして排水処理槽34に溜められる
が、上記水溶性成分のうち、塩化ナトリウムなどのナト
リウム塩が溶解した水溶液だけがpH調整後に、海域、
河川、下水処理場などに放流される。非水溶性成分kを
分離後の水溶液lからダイオキシン類を除去すること
は、脱塩残渣中に含まれるDXNsが微量であるので、
加熱分解するよりも設備的に簡便であり安価である。
【0027】図2は、図1と同様の第2実施形態を説明
する系統図である。第2実施形態の排ガスの脱塩処理方
法は、第1集じん装置14でダスト(燃焼飛灰)が除去
された排ガスG6に投入されるナトリウム系の脱塩剤g
が、粉砕機18で粉砕されて投入される。粉砕機18で
粉砕される脱塩剤の粒径は、10μm以下の微粒なもの
である。10μm以下の微粒な脱塩剤は、先に記したよ
うに、粒の表面から内部まで反応が進み、粒径が微細で
あるのでバグフィルタの濾布への付着が良く利用効率も
良好になる。図2におけるその他の構造と作用は、図1
の第1実施形態の場合と同じであるので、その説明を省
略する。
【0028】図3は、図1と同様の第3実施形態を説明
する系統図で、水銀除去後にダイオキシン類の除去を行
う例である。第3実施形態の排ガスの脱塩処理方法は、
分離機26で非水溶性成分kが分離された残りの水溶液
lをpH調整槽28でpHの調整がなされた後に、重金
属である水銀が、水銀除去装置30で除去されることで
ある。ここで、水銀の除去方法としてはたとえば沈殿
法、イオン交換法、吸着法などがある。沈殿法では一般
的には硫化水銀として沈殿させる方法やたとえばジチオ
カルバミド酸基などを持つ重金属補修剤を用いる方法が
ある。イオン交換法では、水銀が陽イオンとして存在す
るときには陽イオン交換樹脂が、ハロゲン化錯イオンの
ように陰イオンとして存在するときには陰イオン交換樹
脂が用いられる。吸着法では、キレート結合により特定
の金属イオンに対して高選択性を持つキレート樹脂や活
性炭あるいは活性コークスなどが用いられる。キレート
樹脂としては、基体としてたとえばポリアクリル、ポリ
スチレンまたはフェノール樹脂などが、配位基としてた
とえばチオール型、ジチオカルバミド酸型、イソチウロ
ニウム型、ジチゾン型、チオ尿素型、イミノジ酢酸型ま
たはポリアミン型などがある。また、活性炭ではたとえ
ばガス賦活炭、塩化亜鉛賦活炭、粒状活性炭、ヤシ殻活
性炭または造粒活性カーボンブラックなどがある。
【0029】水銀が除去された水溶液は、ダイオキシン
類除去装置32に供給されダイオキシン類が除去され
る。ダイオキシン類除去方法としては、先に説明した第
1実施形態(図1)の場合と同様の方法が適用される。
図3におけるその他の構造と作用は、図1の第1実施形
態の場合と同じであるので、その説明を省略する。
【0030】次に、廃棄物を処理し発生する排ガスを処
理する廃棄物処理装置について説明する。
【0031】図4は、本発明に係る廃棄物処理装置の一
実施形態を説明する系統図である。この廃棄物処理装置
において、たとえば150mm角以下に破砕された都市
ごみなどの廃棄物aは、スクリューフィーダなどの供給
手段により熱分解反応器2に供給される。この熱分解反
応器2は、たとえば横型回転ドラムが用いられ、図示し
ないシール機構によりその内部は低酸素雰囲気に保持さ
れると共に、下流の燃焼溶融炉6の後流側に配置される
熱交換器8により加熱される加熱空気AがラインL1か
ら供給される。
【0032】この加熱空気Aにより熱分解反応器2に供
給される廃棄物aは、300〜600℃に、通常は45
0℃程度に加熱される。これによって、この廃棄物aは
熱分解され、熱分解ガスG1と、主として不揮発性の熱
分解残留物bとを生成する。そして、この熱分解反応器
2で生成される熱分解ガスG1と熱分解残留物bとは図
示していない排出装置により分離され、熱分解ガスG1
は、熱分解ガス配管であるラインL2を経て燃焼溶融炉
6のバーナに供給される。
【0033】熱分解残留物bは、廃棄物aの種類によっ
て種々異なるが、日本国内の都市ごみの場合、本発明者
等の知見によれば、 大部分が比較的細粒の可燃分 10〜60% 比較的細粒の灰分 5〜40% 粗粒金属成分 7〜50% 粗粒瓦礫、陶器、コンクリート等 10〜60% より構成されていることが判明した。
【0034】このような成分を有する熱分解残留物b
は、450℃程度の比較的高温で排出されるため、図示
していない冷却装置により80℃程度に冷却され、分離
手段としての分別装置4に導かれ、ここで燃焼性成分で
ある熱分解カーボンcと不燃焼性成分である有価物dに
分離される。分別装置4は、例えば磁選式、遠心式又は
風力選別式の公知の分別機が使用される。
【0035】このように不燃焼性成分が分離、除去され
た熱分解カーボンcは、図示していないロール式、チュ
ーブミル式、ロッドミル式、ボールミル式などの粉砕機
で粉砕され、燃焼溶融炉6に供給される。粉砕機は、廃
棄物の種類、性状により適宜選択されるが、この粉砕機
において熱分解カーボンcは、好ましくは全て1mm以
下に粉砕され、ラインL3を経て燃焼溶融炉6のバーナ
に供給される。
【0036】一方、図示していない送風機により供給さ
れる燃焼用空気および熱分解ガスG1と熱分解カーボン
cとは燃焼溶融炉6で1300℃程度の高温域で燃焼さ
れ、この燃焼により熱分解カーボンcの比較的細粒の灰
分より発生する燃焼灰は溶融され溶融スラグeを生成す
る。この際、有価物中の不燃焼性成分は、燃焼および溶
融効率を向上させるために1mm以下の微粉粒体とし且
つ加熱されることが好ましい。このため供給ラインに設
ける破砕機、粉砕機および加熱器などの装置により破
砕、粉砕および加熱などの処理がなされ燃焼溶融炉6に
供給されると良い。そのため、燃焼溶融炉6の後流側に
配置する熱交換器により加熱する加熱空気を前記加熱器
に供給する。溶融スラグeは、燃焼溶融炉4のスラグ排
出口から図示していない水槽に落下させ水砕スラグとさ
れる。水砕スラグは図示していない装置により所定の形
状にブロック化されるかまたは粒状に形成され、建材ま
たは舗装材などとして再利用される。
【0037】廃棄物処理装置の燃焼溶融炉6で発生した
燃焼排ガスG2は、熱交換器8で熱回収されて排ガスG3
となり廃熱ボイラ10に供給され熱回収されて排ガスG
4となり、さらに減温塔12に送られ温度が下げられ
る。減温塔12で温度が下げられた排ガスG5は、第1
集じん装置14に送られる。廃熱ボイラ10、減温塔1
2および第1集じん装置14では、それぞれダストf
2、f3、f1が回収され、分別設備4で分離される熱分
解カーボンcとともに、ラインL4、L3を介して燃焼溶
融炉6のバーナに戻され、燃焼溶融炉6内で燃焼・溶融
してスラグ化される。
【0038】また、分離機26で分離される非水溶性成
分kについてもラインL5を介して熱分解反応器2に戻
され、最終的に燃焼溶融炉6内で燃焼・溶融してスラグ
化されるが、この際、重金属類はスラグ化により無害化
する。第1集じん装置14に送られた排ガスG5のこれ
以降の処理については図3に示した第3実施形態のもの
と同じであるので、その説明を省略する。
【0039】
【発明の効果】本発明の排ガスの脱塩処理方法または廃
棄物処理装置によれば、埋立て不要とする脱塩残渣の処
理方法を提供するとともに、該脱塩残渣に含まれる有害
物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排ガスの脱塩処理方法の第1実施
形態に直接使用される装置の系統図である。
【図2】図1と同様の第2実施形態を説明する系統図で
ある。
【図3】図1と同様の第3実施形態を説明する系統図で
ある。
【図4】本発明に係る廃棄物処理装置の一実施形態を説
明する系統図である
【符号の説明】
2 熱分解反応器 4 分別設備(分離手段) 6 燃焼溶融炉 14 第1集じん装置(第1の排ガス処理手段) 16 第2集じん装置(第2の排ガス処理手段) 18 粉砕機 26 分離機 28 pH調整装置 30 水銀除去装置 32 ダイオキシン類除去装置 G1 熱分解ガス G6 排ガス A 加熱空気 a 都市ごみ(廃棄物) b 熱分解残留物 c 熱分解カーボン(燃焼性成分) d 有価物(不燃焼性成分) e 溶融スラグ f1 ダスト g 脱塩剤 h 脱塩残渣 i 水 j 水溶液 k 非水溶性成分 l 残りの水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23J 15/00 F23J 15/00 Z (72)発明者 原田 裕昭 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 板谷 真積 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 吉田 誠 福岡県北九州市戸畑区牧山5丁目1番1号 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 3K061 AB02 AB03 AC01 AC13 BA05 BA07 BA10 DA02 DA03 DA13 DA14 DA18 FA10 3K070 DA01 DA05 DA07 DA12 DA16 DA27 DA43 DA44 DA45 DA48 DA49 3K078 AA05 BA03 BA21 BA26 CA21 CA24 4D002 AA02 AA19 AA21 AA28 AC04 AC10 BA04 BA14 CA01 CA07 DA02 DA16 DA26 DA35 DA41 EA02 GA01 GA03 GB09 GB12 HA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスにナトリウム系の脱塩剤を投入
    し、該排ガスに含まれる塩化水素を脱塩残渣として除去
    し、該除去された脱塩残渣に水を加えて溶解し、前記脱
    塩残渣が溶解された水溶液から水に溶けない非水溶性成
    分を分離し、該非水溶性成分を分離した残りの水溶液の
    pHを調整した後、該pH調整された水溶液からダイオ
    キシン類を除去することを特徴とする排ガスの脱塩処理
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記排ガスに投入さ
    れる脱塩剤の粒径は、10μm以下であることを特徴と
    する排ガスの脱塩処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記pHを
    調整した残りの水溶液から水銀および前記ダイオキシン
    類を除去することを特徴とする排ガスの脱塩処理方法。
  4. 【請求項4】 廃棄物を熱分解して熱分解ガスと主とし
    て不揮発性成分からなる熱分解残留物とを発生する熱分
    解反応器と、前記熱分解残留物を燃焼性成分と不燃焼性
    成分とに分離する分離手段と、前記熱分解ガスと前記燃
    焼性成分とを供給し燃焼させて溶融スラグおよび排ガス
    を排出する燃焼溶融炉と、前記排ガスからダストを除去
    する第1の排ガス処理手段と、該第1の排ガス処理手段
    で処理された排ガスに脱塩剤を投入し脱塩を行う第2の
    排ガス処理手段と、該第2の排ガス処理手段で発生した
    脱塩残渣に水を加えて該脱塩残渣が溶解された水溶液か
    ら水に溶けない非水溶性成分を分離する分離機と、該分
    離機で非水溶性成分を分離した残りの水溶液のpHを調
    整するpH調整装置と、該pH調整装置でpHを調整し
    た水溶液からダイオキシン類を除去するダイオキシン類
    除去装置とを備えてなる廃棄物処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記第1の排ガス処
    理手段で処理された排ガスに投入される脱塩剤を10μ
    m以下に粉砕する粉砕機を備えてなる廃棄物処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記pH調
    整後に前記ダイオキシン類除去装置と水銀除去装置とを
    備えてなる廃棄物処理装置。
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