JP2000279060A - 釣 竿 - Google Patents

釣 竿

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JP2000279060A
JP2000279060A JP11091820A JP9182099A JP2000279060A JP 2000279060 A JP2000279060 A JP 2000279060A JP 11091820 A JP11091820 A JP 11091820A JP 9182099 A JP9182099 A JP 9182099A JP 2000279060 A JP2000279060 A JP 2000279060A
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Nobuaki Takamatsu
伸秋 高松
Yoji Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】竿管相互の継合操作が容易であると共に、その
継合部の撓み性が優れた釣竿を提供する。 【解決手段】雌側竿管4の一端側の内周部に雄側竿管1
0の一端側の外周部を継ぎ合わせる継合部Pにおいて、
雌側竿管の内周部は、その基端側に設けられた肉薄の小
径部12と、小径部よりも先端側に設けられた肉薄の大
径部14とから構成され、雄側竿管の外周部には、その
基端側から先端側に向かって所定の変化率で縮径する継
合領域が設けられており、継合領域の変化率は、略8/
1000〜16/1000の範囲に設定されている。雌
側竿管の内周部に雄側竿管の外周部を継ぎ合わせた状態
において、雌側竿管の内周部の小径部及び大径部の少な
くとも一方が、雄側竿管の外周部の継合領域に嵌合する
と共に、雌側竿管の内周部の小径部及び大径部と雄側竿
管の外周部との間には、空隙部Sが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、竿管相互の継合操
作が容易であると共に、その継合部の撓み性が優れた釣
竿に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平10−290648
号公報に開示された釣竿は、雌側竿管の内周部と雄側竿
管の外周部とを継合部を介して互いに継ぎ合わせるよう
に構成されており、その継合部において、雌側竿管の内
周部には、2/1000〜4/1000程度のテーパ状
傾斜が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような雌側竿管の内周部のテーパ状傾斜では、雄側竿
管の継合外径と雌側竿管の継合内径との間の隙間を大き
く設計することができないため、竿管相互の継合操作が
行い辛いといった問題があった。
【0004】この問題を解消するために、例えばテーパ
状傾斜を大きくすることも考えられるが、そのようにす
ると、継合力を確保するために雌側竿管の肉厚を厚くせ
ざるを得ず、その結果、継合部が高い剛性を持つ。この
ため、継合部の撓み性が低下して、釣竿全体が滑らかに
撓まなくなってしまうといった問題が生じる。
【0005】本発明は、このような問題を解決するため
に成されており、その目的は、竿管相互の継合操作が容
易であると共に、その継合部の撓み性が優れた釣竿を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、雌側竿管の一端側の内周部に雄側
竿管の一端側の外周部を継合部を介して継ぎ合わせる釣
竿であって、継合部において、雌側竿管の一端側の内周
部は、その基端側に設けられた肉薄の小径部と、この小
径部よりも先端側に設けられた肉薄の大径部とから構成
されており、雄側竿管の一端側の外周部には、その基端
側から先端側に向かって所定の変化率で縮径する継合領
域が設けられていると共に、継合領域の変化率は、略8
/1000〜16/1000の範囲に設定されており、
雌側竿管の内周部に雄側竿管の外周部を継ぎ合わせた状
態において、雌側竿管の内周部の小径部及び大径部の少
なくとも一方が、雄側竿管の外周部の継合領域に嵌合す
ると共に、雌側竿管の内周部の小径部及び大径部と雄側
竿管の外周部との間には、空隙部が形成される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る釣竿について、図1及び図2を参照して説明する。な
お、本発明の釣竿としては、並継竿、逆並継竿、インロ
ー継竿を想定しており、振出継竿は含まれない。
【0008】図1に示すように、釣竿は、握り部2を有
する元竿管4と、穂先竿管6と、元竿管4と穂先竿管6
との間に配置された複数本(本実施の形態では、2本)
の中竿管8,10とから構成されている。これら竿管
4,6,8,10は、夫々、繊維強化合成樹脂で形成さ
れており、継合部Pを介して相互に継ぎ合わせることが
できるようになっている。なお、穂先竿管6の先端に
は、釣糸結着部(図示しない)が回転自在に取り付けら
れており、この釣糸結着部に釣糸(図示しない)の端部
を結び付けることによって、実釣時における釣糸の穂先
竿管6等に対する糸絡みを防止することができる。
【0009】以下、継合部Pについて説明するが、各々
の竿管相互の継合部Pは、共に同一の構成を成している
ため、以下の説明では、その一例として、元竿管4と中
竿管10とを継ぎ合わせるための継合部Pの構成につい
て説明する。
【0010】図2には、元竿管(以下、雌側竿管とい
う)4の一端側の内周部に中竿管(以下、雄側竿管とい
う)10の一端側の外周部を継ぎ合わせる継合部Pの構
成が示されている。具体的には、継合部Pにおいて、雌
側竿管4の一端側の内周部は、その基端側に設けられた
肉薄の小径部12と、この小径部12よりも先端側に設
けられた肉薄の大径部14とから構成されており、これ
に対して、雄側竿管10の一端側の外周部には、その基
端側から先端側に向かって所定の変化率で縮径する継合
領域が設けられており、継合領域の変化率は、略8/1
000〜16/1000の範囲に設定されている。
【0011】この構成によれば、雌側竿管4の内周部に
雄側竿管10の外周部を継ぎ合わせた状態において、雌
側竿管4の内周部の小径部12及び大径部14の少なく
とも一方が、雄側竿管10の外周部の継合領域に嵌合す
ると共に、雌側竿管4の内周部の小径部12及び大径部
14と雄側竿管10の外周部との間には、空隙部Sが形
成される。
【0012】雌側竿管4の一端側内周部において、小径
部12及び大径部14は、略ストレート(ストレートに
は限定されない。雄側竿管10のテーパ状縮径率よりも
小さければ空隙部Sが形成されるからである。)に延出
していると共に、弾性的に拡径可能に構成されている。
この場合、小径部12及び大径部14は、例えば、所定
方向(周方向、軸長方向、交差方向、或いは、これらの
組み合わせ方向など)に引き揃えられた強化繊維に樹脂
を含浸させたプリプレグシートを巻回することによって
形成することが可能である。
【0013】継合部Pの全長Lは、釣竿のサイズ(大き
さ、重量)によって、増減変更することが可能であり、
例えば、釣竿が大型になって継合部Pに大きな負荷が掛
かる場合には、継合部Pの全長Lを比較的大きくとり、
これに対して、釣竿が小型になって継合部Pに小さな負
荷が掛かる場合には、継合部Pの全長Lを比較的小さく
とれば良い。この場合、雌側竿管4の内周部の小径部1
2及び大径部14の少なくとも一方が、確実に、雄側竿
管10の外周部の継合領域に嵌合するように、小径部1
2及び大径部14の長さ寸法、並びに、継合領域の変化
率が夫々設定される。
【0014】但し、継合部Pの全長Lが50mm以下に
なると、竿管相互が抜けやすくなると共に、継合部Pの
全長Lが110mm以上になると、継合部Pの撓み性が
不安定となって釣竿全体が滑らかに撓み難くなる。従っ
て、このような条件を考慮して、小径部12及び大径部
14の寸法、並びに、継合領域の変化率を夫々設定する
ことが好ましい。
【0015】そこで、継合部Pの全長Lを50〜130
mm、好ましくは、60〜110mmに設定した場合、
この継合部P内において、小径部12の長さ寸法W1
は、10〜50mm、好ましくは、30mmに設定する
ことが好ましく、また、大径部14の長さ寸法W2は、
30〜70mm、好ましくは、50mmに設定すること
が好ましい。この場合、小径部12と大径部14との間
に形成される段差Dは、0.05〜0.5mm、好まし
くは、0.2〜0.4mmの範囲に設定することが好ま
しい。なぜなら、この範囲以下に設定すると、雄側竿管
10の外周部に設ける継合領域の変化率(縮径の度合)
が緩くなるため、継合操作性が悪くなってしまう。逆
に、この範囲以上に設定すると、継合領域の変化率(縮
径の度合)がきつくなるため、竿管相互が抜け易くなっ
てしまう。
【0016】本実施の形態において、雄側竿管10の外
周部の継合領域は、外周部の基端側から先端側に向かっ
て一定の変化率で且つ連続して縮径したテーパ面Fとし
て設定されている。この継合領域即ちテーパ面Fは、そ
の変化率が略8/1000〜16/1000の範囲に設
定されている。この変化率は、雄側竿管10の外周部の
半径寸法の変化率では無く、直径寸法の変化率として規
定されている。
【0017】そして、上述したような雌側竿管4の内周
部に雄側竿管10の外周部を継ぎ合わせると、雌側竿管
4の内周部の小径部12及び大径部14と雄側竿管10
の外周部との間に、空隙部Sが形成されるようになって
いる。
【0018】この空隙部Sが形成されることによって、
雄側竿管10の外周部の継合領域即ちテーパ面Fは、雌
側竿管4の内周部の小径部12及び大径部14の少なく
とも一方(図面上では、小径部12と大径部14の双
方)に点当たりで堅牢に嵌合する。具体的には、雄側竿
管10の外周部は、雌側竿管4の内周部に面当たりする
ことは無く、点当たりで堅牢に嵌合する。即ち、図面上
では、雄側竿管10の外周部は、その基端側寄りの部分
で小径部12に嵌合し、最も基端側の部分で大径部14
に2点当たりで嵌合する。
【0019】この場合、継合力を確保するために雌側竿
管4の内周部の厚さ寸法を厚くする必要は無く、雄側竿
管10の外周部は、肉薄の小径部12と肉薄の大径部1
4とによって、2点当たりで集中的に強い押圧力で雌側
竿管4の内周部に堅牢に継ぎ合わされることになる。例
えば、釣竿の撓み量が小さいとき、継合部P内において
雄側竿管10の外周部は、肉薄の小径部12と大径部1
4とで2点当たりで弾性的に支持される。また、釣竿の
撓み量が大きいとき、継合部P内において雄側竿管10
の外周部は、その先端10aが小径部12に当接し、且
つ、肉薄の小径部12と大径部14とで2点当たりで弾
性的に且つ堅牢に支持される。従って、このような継合
部Pは、釣竿の撓み状態に対応して滑らかに撓むことに
なる。
【0020】このような実施の形態によれば、肉薄の小
径部12と大径部14とで雌側竿管4の内周部を構成し
たことによって、雌側竿管4の一端側の内周部の撓み自
由度が大きくなると同時に、雄側竿管10の一端側の外
周部(小径部12及び大径部14)の撓み自由度が大き
くなる。この結果、継合部Pにおける竿管相互の堅牢な
継合力を維持しつつ、継合部P全体の撓み自由度を大き
くすることが可能となる。従って、釣竿全体を滑らかに
撓ませることができる。
【0021】また、雌側竿管4の内周部に小径部12及
び大径部14を構成すると共に、雄側竿管10の外周部
に一定の変化率で且つ連続して縮径した継合領域即ちテ
ーパ面Fを構成したことによって、雌側竿管4の継合内
径と雄側竿管10の継合外径との間の隙間を大きく設計
することができるため、竿管相互の継合操作が行い易く
なる。この結果、継合操作を確実に行うことが可能とな
り、竿管相互を堅牢に継ぎ合わせることができる。
【0022】また、継合部Pの微妙な修正を行う場合で
も、雌側竿管4の小径部12及び大径部14の先端側
(点当たりする部分)のみを研磨するだけで正確に継合
調整を行うことができる。このため、修正の作業性を向
上させることができる。
【0023】なお、この実施の形態では、中空の竿管を
想定しているが、中実の竿管であっても上記同様の効果
を得ることができる。
【0024】また、本発明は、上述した実施の形態の構
成に限定されることは無く、以下のように種々変更して
も同様の効果を実現することが可能である。
【0025】第1の変形例として、例えば図3に示すよ
うに、雄側竿管10の外周部の継合領域を、外周部の基
端側から先端側に向かって所定の変化率で縮径した第1
のテーパ面F1と、第1のテーパ面F1とは異なる変化
率で縮径した第2のテーパ面F2とで構成しても良い。
この場合、第1のテーパ面F1の変化率は、略8/10
00〜16/1000の範囲に設定され、第2のテーパ
面F2の変化率は、8/1000以下に設定されてい
る。
【0026】第2の変形例として、例えば図4に示すよ
うに、第1のテーパ面F1の変化率を8/1000以下
に設定し、第2のテーパ面F2の変化率を略8/100
0〜16/1000の範囲に設定して雄側竿管10の外
周部の継合領域を構成しても良い。
【0027】第3の変形例として、例えば図5に示すよ
うに、雌側竿管4の一端側の内周部において、その小径
部12及び大径部14を夫々複数種の強化繊維(綿、ポ
リエチレン等)で構成しても良い。強化繊維の種類とし
ては、例えば、周方向強化繊維、軸長方向強化繊維、交
差方向強化繊維等が該当し、これらの強化繊維を適宜選
択的に組み合わせて小径部12及び大径部14を形成す
る。図5には、その一例として、周方向に引き揃えられ
た周方向強化繊維に樹脂を含浸したプリプレグ16と、
交差方向に引き揃えられた交差方向強化繊維に樹脂を含
浸したプリプレグ18とを巻回して構成した小径部12
及び大径部14が示されている。この場合、内層側に
は、比較的低弾性(1〜24tonf/mm2 程度 )の強化繊
維を配置させることが好ましい。内層側が柔軟になるた
め、小径部12及び大径部14の加工性、及び、竿管相
互の挿入性を向上させることができる。更に、肉薄を維
持しつつ継合部Pのコンパクト化と共にその強度を更に
向上させることができる。
【0028】第4の変形例として、例えば図6に示すよ
うに、2点以上の複数点当たりで雄側竿管10の外周部
を雌側竿管4の内周部に嵌合させても良い。この場合、
雌側竿管4の内周部は、小径部12と大径部14との間
に、肉薄の中径部20を配置して構成されている。小径
部12及び大径部14に対する中径部20の配置関係
は、使用目的に応じて任意に設定することが可能であ
る。このような構成によれば、竿管相互が抜け難い継合
部Pを実現することができる。
【0029】第5の変形例として、例えば図7に示すよ
うに、雌側竿管4の小径部12及び大径部14の先端に
面取りRを施しても良い。このような構成によれば、竿
管相互の継合操作時に、竿管相互が引っ掛かり難くなり
継合性(挿入性)を向上させることができる。
【0030】第6の変形例として、例えば図8(a),
(b)に示すように、雌側竿管4の小径部12の先端に
傾斜部22を形成しても良い。この場合、傾斜部22の
傾斜角度θは、釣竿(雌側竿管4)の軸Hに対して60
°以上、好ましくは、90°前後に設定することが好ま
しい。このような構成によれば、継合操作が繰り返され
て、雌側竿管4の小径部12の先端が摩耗して変形して
も(同図(b)の点線G参照)、雌側竿管4の内周部に
対する雄側竿管10の外周部の点当たり嵌合状態を維持
し続けることが可能となる。
【0031】第7の変形例として、例えば図9に示すよ
うに、先端側を比較的長めに先細り延長させた中実の雄
側竿管10を適用しても良い。この場合、雄側竿管10
の先端側が案内部として機能すると共に、この案内部と
雌側竿管4の内周部との間の径差が大きくなるため、継
合操作性を更に向上させることができる。
【0032】第8の変形例として、例えば図10に示す
ように、中空の雄側竿管10の先端側に先細り形状の案
内部材24を取り付けても、上記第7の変形例と同様の
効果を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、竿管相互の継合操作が
容易であると共に、その継合部の撓み性が優れた釣竿を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る釣竿の構成を示す
図。
【図2】本発明の一実施の形態に係る釣竿の継合部の構
成を示す断面図。
【図3】本発明の第1の変形例に適用した継合部の構成
を示す断面図。
【図4】本発明の第2の変形例に適用した継合部の構成
を示す断面図。
【図5】本発明の第3の変形例に適用した継合部の構成
を示す断面図。
【図6】本発明の第4の変形例に適用した継合部の構成
を示す断面図。
【図7】本発明の第5の変形例に適用した継合部の構成
を示す断面図。
【図8】(a)は、本発明の第6の変形例に適用した継
合部の構成を示す断面図、(b)は、傾斜部の構成を拡
大して示す図。
【図9】本発明の第7の変形例に適用した継合部の構成
を示す断面図。
【図10】本発明の第8の変形例に適用した継合部の構
成を示す断面図。
【符号の説明】
4 雌側竿管 10 雄側竿管 12 小径部 14 大径部 P 継合部 S 空隙部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌側竿管の一端側の内周部に雄側竿管の
    一端側の外周部を継合部を介して継ぎ合わせる釣竿であ
    って、 継合部において、雌側竿管の一端側の内周部は、その基
    端側に設けられた肉薄の小径部と、この小径部よりも先
    端側に設けられた肉薄の大径部とから構成されており、
    雄側竿管の一端側の外周部には、その基端側から先端側
    に向かって所定の変化率で縮径する継合領域が設けられ
    ていると共に、継合領域の変化率は、略8/1000〜
    16/1000の範囲に設定されており、 雌側竿管の内周部に雄側竿管の外周部を継ぎ合わせた状
    態において、雌側竿管の内周部の小径部及び大径部の少
    なくとも一方が、雄側竿管の外周部の継合領域に嵌合す
    ると共に、雌側竿管の内周部の小径部及び大径部と雄側
    竿管の外周部との間には、空隙部が形成されることを特
    徴とする釣竿。
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