JP2000277374A - コンデンサ用フィルム - Google Patents

コンデンサ用フィルム

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JP2000277374A JP8571799A JP8571799A JP2000277374A JP 2000277374 A JP2000277374 A JP 2000277374A JP 8571799 A JP8571799 A JP 8571799A JP 8571799 A JP8571799 A JP 8571799A JP 2000277374 A JP2000277374 A JP 2000277374A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性、特にスリット性に優れ、大容量コン
デンサに適するコンデンサ用フィルムを提供する。 【解決手段】 炭酸カルシウムおよび板状珪酸アルミニ
ウムの粒子を含有する共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートからなるフィルムであって、該炭酸カルシウ
ムの平均粒径が該板状珪酸アルミニウムの平均粒径より
大きく、該共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレート
が、共重合成分として下記式(A)で表わされる化合物
を全ジカルボン酸成分の総量に対し0.1〜10モル%
およびジエチレングリコールを全グリコール成分の総量
に対し3モル%以下共重合した共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレートであり、該フィルムの面配向係数
が0.23以上0.275以下、密度が1.350g/
cm3以上、スペースファクターが1〜19%、かつ該
フィルム表面の高さ1.5μm以上の突起が300〜7
00個/cm2であることを特徴とするコンデンサ用フ
ィルム。 (式(A)中、R1およびR2はそれぞれ水素原子または
低級アルキル基を表わし、互いに同一でも異なっていて
もよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサに使用
される共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィ
ルムに関する。さらに詳しくは、作業性、特にスリット
性に優れ、大容量コンデンサに適するコンデンサ用共重
合ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
ィルムは、その優れた機械的性質、熱的性質および耐熱
性を有することからコンデンサ用フィルムに使用されて
いる。コンデンサにおいては、最近の電気あるいは電子
回路の小型化要求に伴い、小型・大容量化が品質条件と
なってきており、そのべースとなる誘電材料であるフィ
ルムも薄いものが求められている。さらに、コンデンサ
の静電容量は、誘電材料の誘電率および電極面積に比例
し逆にフィルム厚みに反比例する(すなわち、誘電材料
の単位体積当りの静電容量は誘電率に比例しかつフィル
ム厚さの2乗に反比例する)ので、同じ誘電率の誘電材
料を使用する限りコンデンサの大きさを変えずに大容量
化を図ろうとすればフィルム厚みを薄くすることが不可
欠なこととなる。
【0003】このようなフィルムの薄膜化の要求がある
ものの、従来の延伸フィルムにおいてその厚みを単に薄
くするだけではフィルムに電極を蒸着する際や、スリッ
ト、素子巻き等の工程における作業性が悪くなる問題が
ある。この作業性はフィルムの滑り性に関るものであ
り、その滑り性を改良するためには、一般にフィルム表
面に微小な凹凸を与える方法が知られている。かかる方
法の例として、不活性無機微粒子をフィルム原料である
熱可塑性樹脂の重合時、または重合後に添加したり(外
部粒子添加方式)、熱可塑性樹脂の重合時に使用する触
媒等の一部または全部を反応工程でポリマー中に析出さ
せる方法(内部粒子析出方式)が公知である。
【0004】しかし、極薄フィルムの製造において、不
活性無機微粒子を従来の厚みのフィルムの場合と同一濃
度添加すると、単位面積当りの不活性無機微粒子の数が
減少し、フィルム表面における微粒子に起因する突起の
間隔が広がり、フィルム表面が平坦化して滑り性が低下
する傾向にある。従って薄膜化に伴う滑り性低下を補う
ためには、フィルム厚みが薄くなればなるほど、添加す
る不活性無機微粒子の添加濃度を高めるかあるいは粒径
を大きくする必要がある。ところが、特にドラフト比の
高い溶融押出時や延伸の際に不活性無機微粒子と熱可塑
性重合体との親和性が乏しいことに起因してボイドが多
発し、このボイドの発生の結果、得られたフィルムの機
械的性質(例えば破断強度、破断伸度)や電気的性質
(例えば絶縁欠陥)が低下するばかりでなく、フィルム
を製造する際にも破断が発生しやすくなり、生産性の低
下、製造条件の安定性に欠ける問題があった。
【0005】かかる問題を解消せしめ、作業性(ハンド
リング性)に優れ、かつ製膜性に優れた4μm以下の薄
い熱可塑性フィルムが先に提案されている(特開平1−
266145号公報)。しかし、熱可塑性フィルムがポ
リエチレン−2,6−ナフタレートフィルムの場合、機
械的性質の低下がなく、作業性、製膜性に優れるもの
の、含有する粒子によって形成されるフィルム表面の突
起により、フィルムを重ね合わせた時に生じる空気層が
厚くなり、体積当りのコンデンサ容量が低下するため大
容量コンデンサ用フィルムとしては不適切となる問題が
あった。
【0006】また、極薄の上記フィルム原反をコンデン
サ素子巻用にスリットする際に、破断し易い問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、作業
性、特にスリット性に優れ、大容量コンデンサに適する
コンデンサ用フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートに特定の成分を共重合する
ことにより、他の特性を損なわずにスリット性を改良で
き、特定粒径の炭酸カルシウムおよび板状珪酸アルミニ
ウムを使用することにより、フィルム表面が粗くてもス
ペースファクターが小さくでき、高さ1.5μm以上の
突起個数が特定範囲であると、スペースファクターを維
持しながら作業性に優れたフィルムが得られることを見
出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、炭酸カルシウムおよ
び板状珪酸アルミニウムの粒子を含有する共重合ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートからなるフィルムであっ
て、該炭酸カルシウムの平均粒径が該板状珪酸アルミニ
ウムの平均粒径より大きく、該共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレートが、共重合成分として下記式
(A)で表わされる化合物を全ジカルボン酸成分の総量
に対し0.1〜10モル%およびジエチレングリコール
を全グリコール成分の総量に対し3モル%以下共重合し
た共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートであり、
該フィルムの面配向係数が0.23以上0.275以
下、密度が1.350g/cm3以上、スペースファク
ターが1〜19%、かつ該フィルム表面の高さ1.5μ
m以上の突起が300〜700個/cm2であることを
特徴とするコンデンサ用フィルムである。
【0010】
【化2】
【0011】(式(A)中、R1およびR2はそれぞれ水
素原子または低級アルキル基を表わし、互いに同一でも
異なっていてもよい。)
【0012】[共重合ポリエステル]本発明において共
重合ポリエチレン−2,6−ナフタレート(以下、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレートをPENと略記するこ
とがある。)を構成する主たるジカルボン酸成分は2,
6−ナフタレンジカルボン酸であり、主たるグリコール
成分はエチレングリコールである。主たるジカルボン酸
成分は全ジカルボン酸成分の総量に対して80モル%以
上、好ましくは90モル%以上を占め、主たるグリコー
ル成分は全グリコール成分の総量に対して80モル%以
上、好ましくは90モル%以上を占める。
【0013】本発明における共重合PENは、共重合成
分として下記式(A)で表わされる化合物(イソフタル
酸あるいはそのエステル形成性誘導体。以下イソフタル
酸成分と称することがある。)を、全ジカルボン酸成分
の総量に対し0.1〜10モル%を占めるように共重合
されていることが必要である。このイソフタル酸成分
は、共重合体の製造反応において下記式(A)で表され
る化合物をジカルボン酸成分に添加することで共重合さ
せることが好ましい。
【0014】
【化3】
【0015】(式(A)中、R1およびR2はそれぞれ水
素原子または低級アルキル基を表わし、互いに同一でも
異なっていてもよい。)
【0016】上記式(A)で表される化合物の中、イソ
フタル酸、イソフタル酸ジメチルを好ましい例として挙
げることができる。このイソフタル酸成分の共重合量
が、全ジカルボン酸成分の総量に対し0.1モル%より
少ないとフィルムのスリット性が低下し、他方10モル
%を超えるとポリマーの結晶性が損なわれてフィルムの
機械的強度が劣り、また製膜性が低下するので好ましく
ない。イソフタル酸成分の共重合量は好ましくは0.5
〜8モル%であり、更に好ましくは1〜7モル%であ
る。
【0017】本発明における共重合PENは、ジエチレ
ングリコールの共重合量が全グリコール成分の総量に対
して3モル%以下であることが必要である。このジエチ
レングリコールは、共重合体製造時、共重合成分として
ジエチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体
の形で添加されたものではなく、製造反応の過程で副生
したものが共重合されるものである。ジエチレングリコ
ール成分の共重合量が3モル%を超えるとポリマーの結
晶性が損なわれてフィルムの機械的強度が劣り、また製
膜性が低下するので好ましくない。従って、ジエチレン
グリコールの共重合量は少ないほど好ましく、好ましく
は2.5モル%以下、更に好ましくは2モル%以下であ
る。製造反応中でジエチレングリコールの副生を押さえ
る方法としては、添加するエチレングリコールのモル量
とジカルボン酸のモル量の比を2.0〜3.0とするこ
と、およびエステル交換反応に要する時間を短くするこ
とが挙げられる。
【0018】本発明における共重合PENは、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、エチレングリコール、イソフ
タル酸成分およびジエチレングリコール以外の共重合成
分を共重合してもよい。これらの共重合成分は、フィル
ムの機械的強度(ヤング率)を大きく低下させるため多
量に用いないことが望ましい。すなわち、これらの共重
合成分の共重合量は、ジエチレングリコールとの合計量
で3モル%以下、好ましくは1モル%以下、さらに好ま
しくは0.1モル%以下である。上記共重合成分として
は、2個のエステル形成性官能基を有する化合物、例え
ばシュウ酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、セ
バシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク酸、5−Na
スルホイソフタル酸、2−Kスルホテレフタル酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、フ
ェニルインダンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸およびこれらの低級アルキルエステル、p−オ
キシエトキシ安息香酸等の如きオキシカルボン酸および
これらの低級アルキルエステル、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリ
レングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイ
ド付加物、トリエチレングリコール、ポリエチレンオキ
シドグリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコー
ル、ネオペンチルグリコール等を挙げることができる。
また、共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートは例
えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコール等の
1官能性化合物によって、末端の水酸基および/または
カルボキシル基の一部または全部を封鎖したものであっ
てもよく、あるいは例えば極少量のグリセリン、ペンタ
エリスリトールなどの如き3官能以上のエステル形成化
合物で実質的に線状のポリマーが得られる範囲内で変性
されたものであってもよい。
【0019】[反応触媒]本発明における共重合PEN
は、公知の方法で製造することができる。例えば、2,
6−ナフタレンジカルボン酸のエステル形成性誘導体、
エチレングリコールおよび共重合成分をエステル交換反
応触媒の存在下にエステル交換反応させた後、重縮合反
応触媒の存在下に重縮合反応させて製造することができ
る。
【0020】エステル交換反応触媒としては、マンガン
化合物が好ましく用いられ、マンガン化合物としては、
酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩等が挙げられ
る。これらの中、酢酸塩が特に好ましく用いられる。そ
して、エステル交換反応が実質的に終了した時点で熱安
定剤としてリン化合物を添加し、エステル交換触媒を失
活させることが好ましい。リン化合物としては、トリメ
チルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n
−ブチルホスフェートおよび正リン酸が好ましく使用で
きる。これらの中、トリメチルホスフェートが特に好ま
しい。重縮合反応触媒としては、アンチモン化合物が好
ましく用いられ、アンチモン化合物としては三酸化アン
チモンが特に好ましく用いられる。
【0021】本発明における共重合PENを製造するに
は、上記触媒、熱安定剤が下記式(1)、(2)および
(3)を満足する量含有させることが好ましい。 30≦Mn≦100 (1) 150≦Sb≦450 (2) P/Mn≧1 (3) (上記式中、Mnはマンガン元素の共重合PEN中の量
(ppm)、Sbはアンチモン元素の共重合PEN中の
量(ppm)、Pはリン元素の共重合PEN中の量(p
pm)をそれぞれ表わす。)
【0022】マンガン元素の含有量が共重合PEN中3
0ppm未満では、エステル交換反応が不充分となり、
他方100ppmを超えるとフィルムのCR値が低下
し、コンデンサ用フィルムとして適さなくなることがあ
る。また、アンチモン元素の含有量が150ppm未満
では重縮合反応性が低下して生産性が悪くなリ、他方4
50ppmを超えると熱安定性が劣り、フィルム製膜時
の工程切断や機械的強度の低下を招くことがある。さら
に、P/Mnが1未満では固有粘度の低下を引き起こす
ことがある。
【0023】また、アルカリ金属の含有量は10ppm
以下であることが好ましい。アルカリ金属の含有量が1
0ppmを超えるとフィルムのCR値が低下しコンデン
サ用フィルムとして適さなくなることがある。
【0024】[不活性粒子]本発明のコンデンサ用フィ
ルムはそのフィルム表面に多数の微細な突起を有してい
る。それらの多数の微細な突起は、本発明によれば共重
合PEN中に分散して含有される炭酸カルシウム粒子お
よび板状珪酸アルミニウム粒子に由来し、さらに詳しく
は高突起は主に炭酸カルシウム粒子、低突起は主に板状
珪酸アルミニウム粒子に由来する。かかる突起構成を形
成させることにより、スペースファクターを小さくして
大容量コンデンサに適したフィルムを得ることができる
だけでなく、エアースクイーズ性を高くして巻取り性お
よび滑り性に優れる(作業性に優れる)フィルムを得る
ことができる。従って、炭酸カルシウム粒子の平均粒径
は板状珪酸アルミニウム粒子の平均粒径より大きいこと
が必要である。炭酸カルシウムのみでフィルムの作業性
を確保しようとすると、フィルムのスペースファクター
が大きくなりすぎ好ましくない。一方板状ケイ酸アルミ
ニウムのみでは、大突起の形成ができず作業性とスペー
スファクターの両立ができない。
【0025】なお、本発明において、粒子の「平均粒
径」とは、測定した全粒子の50重量%の点にある粒子
の「等価球形直径」を意味する。「等価球形直径」とは
粒子と同じ容積を有する想像上の球(理想球)の直径を
意味し、粒子の電子顕微鏡写真または通常の沈降法によ
る測定から計算することができる。
【0026】本発明において共重合PEN中に含有され
る炭酸カルシウムは、その平均粒径が0.5〜5μm、
さらに0.5〜3μmのものが好ましい。炭酸カルシウ
ムの平均粒径が0.5μm未満では、フィルムをマスタ
ロールまたは製品ロール等に巻き取る際、エアースクイ
ーズ性が不良(巻き込み空気が逃げにくい)であるため
しわが発生しやすく、また滑り性が不充分で加工工程で
の作業性が低下することがある。他方平均粒径が5μm
を超えるとフィルム表面が粗れすぎ、スペースファクタ
ーが増大し、さらには絶縁破壊電圧の低下、絶縁欠陥の
増加等をもたらすことがある。なお、炭酸カルシウムの
平均粒径はフィルム厚みより大きくてもかまわない。本
発明において炭酸カルシウムの添加量は、共重合PEN
中に0.1〜2重量%が好ましく、さらに0.1〜1重
量%、特に0.1〜0.5重量%が好ましい。炭酸カル
シウムの添加量が0.1重量%未満では、フィルムを巻
き取る際のエアースクイーズ性が不良となり、他方2重
量%を超えると、フィルム表面が粗れすぎ、絶縁破壊電
圧の低下等を招くことがある。本発明に用いる炭酸カル
シウムは、任意のものを用いることができ、天然に産出
する石灰石、チョーク(白亜)、および石灰石から化学
的方法によって生成せしめる沈降炭酸カルシウム等のカ
ルサイト結晶、石灰乳に高温で炭酸ガスを反応させて得
られるアルゴナイト結晶、バテライト結晶およびこれら
を組み合わせたもの等が例示される。石灰石を機械的に
粉砕して得られる重質炭酸カルシウム(カルサイト結
晶)も用いることができる。
【0027】本発明において上記炭酸カルシウムと共に
共重合PEN中に含有される板状ケイ酸アルミニウム
は、その平均粒径が0.1〜2μm、さらに0.3〜
1.2μmが好ましく、その含有量としては0.1〜1
重量%が好ましい。板状ケイ酸アルミニウムの平均粒径
が0.1μm未満では、フィルムの滑り性が損なわれ、
作業性が低下し、他方2μmを超えるとフィルム表面が
粗れすぎ、スペースファクターが増大することがある。
また、板状ケイ酸アルミニウムの含有量が0.1重量%
未満では、フィルムを巻き取る際のエアースクイーズ性
が不良となり、他方1重量%を超えるとフィルム表面が
粗れすぎスペースファクターが増大することがある。本
発明における板状ケイ酸アルミニウムは、アルミノケイ
酸塩のことをいい、任意のものを用いることができる。
天然に産出するカオリン鉱物からなるカオリンクレー等
が例示される。さらに、カオリンクレーは、水洗等の精
製処理を施されたものであってもよい。
【0028】本発明において、共重合PENに炭酸カル
シウム粒子および板状珪酸アルミニウム粒子を添加する
時期は、ポリマー重合前、重合反応中、あるいは重合終
了後ペレタイズする時に押出機中で混練させてもよく、
さらにはシート状に溶融押出する際に添加し押出機中で
分散させて押出してもよい。これらの中、重合前に添加
するのが好ましい。
【0029】共重合PENに炭酸カルシウムおよび板状
ケイ酸アルミニウムを添加する方法は、公知の任意の方
法を採用すればよいが、例えば共重合PEN重合前に添
加する場合には、炭酸カルシウムおよび板状ケイ酸アル
ミニウムをエチレングリコール中に超音波振動等により
均一分散させたスラリーを調製し、このスラリーを重合
に供する方法が好ましい。
【0030】[面配向係数]本発明のコンデンサ用フィ
ルムの面配向係数は0.23〜0.275の範囲である
必要がある。面配向係数が0.275を超えるとスリッ
ト性が低下し、他方0.23未満になるとフィルムの機
械的強度が低下するので好ましくない。
【0031】[スペースファクター]本発明のコンデン
サ用フィルムは、そのスペースファクターが1〜19%
である必要がある。スペースファクターが1%未満で
は、フィルムの滑り性、すなわち作業性(ハンドリング
性)が不充分であり、他方19%を超えると、体積当り
のコンデンサ容量が低くなり大容量コンデンサ用フィル
ムとして不適となるため好ましくない。
【0032】なお、スペースファクターとは、試料フィ
ルム100cm2の重量w(g)と、密度d(g/c
3)から求めた重量法厚みをt1(μm)、10cm角
の試料フィルムを10枚重ね、マイクロメーターを用い
て求めた試料フィルム1枚分の厚みをt2(μm)とし
たとき、下記式より算出される値である。 スペースファクター(%)=100−t1/t2×100
【0033】[表面突起]本発明のコンデンサ用フィル
ムの表面は、前述の炭酸カルシウムおよび板状ケイ酸ア
ルミニウムに由来する多数の突起を有し、その突起は、
高さ1.5μm以上のものが300〜700個/cm2
である必要がある。高さ1.5μm以上の突起が300
個/cm2未満では、結果的に突起間の間隔が広がりフ
ィルム表面が平坦化するので滑り性が低下する。他方高
さ1.5μm以上の突起が700個/cm2を超えると
フィルム表面が粗れすぎ、結果的にスペースファクター
が大きくなりすぎるので好ましくない。
【0034】[密度]本発明のコンデンサ用フィルム
は、その密度が1.350g/cm3以上であることが
必要である。密度が1.350g/cm3未満である
と、フィルムの結晶化度が低下し、それが原因でフィル
ムの熱収縮率が大きくなる、すなわちフィルムの耐熱性
が低下するので好ましくない。フィルムの密度を上記下
限値以上とするには、共重合PENの共重合割合あるい
はフィルム製膜時の延伸倍率を調整する。
【0035】[固有粘度]本発明のコンデンサ用フィル
ムは、そのポリマーの固有粘度が0.40以上であるこ
とが好ましく、0.40〜0.80であることがさらに
好ましい。固有粘度が0.40未満では製膜時にフィル
ム切断が多発することがある。上限は特に定めないが
0.8より高いと溶融粘度が高いことが原因で溶融押出
しが困難になることがある。
【0036】[フィルム厚み]本発明のコンデンサ用フ
ィルムの厚みは0.2〜20μmが好ましく、さらに
0.5〜15μmが好ましい。厚みが0.2μm未満の
フィルムは製膜が困難であり、他方20μmを超えると
コンデンサの小型化が図りにくくなることがある。
【0037】[熱収縮率]本発明のコンデンサ用フィル
ムの熱収縮率は、3%以下であることが好ましい。3%
を超えるとコンデンサ製造時の、蒸着工程においてフィ
ルムが収縮し、しわがはいることがある。なお、熱収縮
率は、150℃、30分間熱処理前後の試料長の変化か
ら下記式で求められる値である。 熱収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100 (上記式中、L1は熱処理前の試料長、L2は熱処理後の
試料長を表わす。)
【0038】[電気的特性]本発明のコンデンサ用フィ
ルムは、電気絶縁材料であるという観点からその絶縁破
壊電圧(BDV)は、260V/μm以上であることが
好ましい。
【0039】また、本発明のコンデンサ用フィルムのピ
ンホールは、0.1個/cm2以下であることが好まし
い。
【0040】さらに、本発明のコンデンサ用フィルムの
CR値は、10000ΩF以上であることが好ましい。
CR値が10000ΩF未満では、フィルムの絶縁抵抗
が不足し、電気絶縁材料として不適となることがある。
【0041】さらに、本発明のコンデンサ用フィルムの
誘電正接は、高温域での使用という観点から、100
℃、1kHzにおいて0.006以下、さらに0.00
5以下であることが好ましい。誘電正接を上記範囲とす
るには、共重合PENのイソフタル酸成分の共重合量を
前述の範囲(全ジカルボン酸成分に対し10モル%以
下)とすることで達成できる。共重合量が10モル%を
超えると、結晶性が損われ、誘電正接の値が増加する。
【0042】[フィルムの製膜方法]本発明のコンデン
サ用フィルムは、二軸配向フィルムの形態が好ましい。
該二軸配向フィルムは二軸方向(例えば縦および横方
向)に、それぞれ延伸倍率2倍以上で延伸したものが好
ましい。二軸方向の延伸倍率は等しくても、等しくなく
てもよい。また、該フィルムは単一膜であっても、積層
フィルムであってもよい。本発明のコンデンサ用フィル
ムは、逐次二軸延伸法および同時二軸延伸法など公知の
製造法で製造することができ、その製造方法は特に限定
されない。特に好ましい製造方法として、逐次二軸延伸
法を用いた例を以下に詳述する。
【0043】すなわち、Tm〜(Tm+70)℃の温度
で溶融押出されたフィルム状溶融物を回転冷却ドラムの
表面で急冷し、固有粘度が0.40〜0.80の未延伸
フィルムを得る。この未延伸フィルムをTg〜(Tg+
70)℃の温度で縦あるいは横方向に2.5〜5.0倍
の延伸倍率で延伸し、次いで前記延伸方向と直角方向に
(前記延伸方向が縦方向であるならば横方向)Tg〜
(Tg+70)℃の温度で2.5〜5.0倍の延伸倍率
で延伸すると得られる。このようにして得られた二軸配
向フィルムは、(Tg+70℃)以上Tm以下の温度で
1〜100秒間熱固定するのが好ましい。なお、製造条
件中の、Tmは共重合PENの融点、Tgは共重合PE
Nのガラス転移温度を表わす。
【0044】さらに、上記製造方法において、フィルム
状溶融物を回転冷却ドラムに接触させる際、両者の密着
性を高める目的で、フィルム状溶融物に静電荷を付与す
る静電密着法を用いることが好ましい。ただし、共重合
PENは溶融時の電気抵抗が高く、静電密着が不十分に
なる場合があるので、予め共重合PENにジカルボン酸
成分に対し0.01〜40mmol%のエステル形成性
官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウムを含有させ
ておくことが好ましい。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。実施例において、各種特性値は下記の方法で
測定、評価した。
【0046】1.平均粒径 (1−1)粒子の平均粒径 島津製作所製CP−50型セントリフュグルパーティク
ルサイズアナライザー(Centrifugal Particle Size An
alyser)を用いて測定した。得られた遠心沈降曲線を基
に算出した各粒径の粒子とその存在量との累積曲線か
ら、50マスパーセント(mass percent)に相当する粒
径を読み取り、この値を平均粒径とした(「粒度測定技
術」、日刊工業新聞社発行、1975年、p.242−
247参照)。なお、実施例・比較例における滑剤の平
均粒径はこの方法にて測定した。
【0047】(1−2)フィルム中の粒子の粒径 試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定
し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JIS−
1100型イオンスパッターリング装置)を用いてフィ
ルム表面に、1×10-3torrの真空下で0.25k
V、1.25mAの条件でイオンエッチング処理を10
分間施した。さらに、同じ装置で金スパッターを施し、
走査型電子顕微鏡を用いて1万〜3万倍で観測し、日本
レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて、少な
くとも100個の粒子の面積相当粒径(Di)を求め
た。下式で表わされる面積相当粒径(Di)の数平均値
を平均粒径(D)とした。
【0048】
【数1】
【0049】2.フィルム厚み(重量法) 試料フィルムの幅をW(cm)、長さをl(cm)、重
量をG(g)、密度をd(g/cm3)としたとき、フ
ィルム厚みt(μm)を下記式で算出した。 t=G/(W×l×d)×10000
【0050】3.スペースファクター(F) 100cm2のフィルムを試料とし、上記重量法で求め
た厚みをt1(μm)、10cm角の試料フィルムを1
0枚重ね、マイクロメーターを用いて求めた試料フィル
ム1枚分の厚みをt2(μm)としたとき、下記式より
算出した。 スペースファクター(%)=100−t1/t2×100
【0051】4.表面突起 (4−1)高さ1.5μm以上の突起数 NIKON二光束顕微鏡OPTIPHOT(波長λ=5
46nm)を用いて、干渉縞がλ/2であることを利用
し、突起高さを算出し、1cm2当りに存在する干渉縞
が5つ以上のものを1.5μm以上の突起としてカウン
トした。
【0052】(4−2)表面粗さ 非接触式三次元粗さ計(小坂研究所製、ET−30H
K)を用いて波長780nmの半導体レーザー、ビーム
径1.6μmの光触針で測定長(Lx)1mm、サンプ
リング入ピッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方
向拡大倍率1万倍、横方向拡大倍率200倍、走査線数
100本(従って、Y方向の測定長Ly=0.2mm)
の条件にてフィルム表面の突起プロファイルを測定し
た。その粗さ曲面をZ=F(x,y)で表わしたとき、
次の式で得られる値(Ra、単位nm)をフィルムの表
面粗さとして定義した。
【0053】
【数2】
【0054】5.固有粘度(IV) ο−クロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定
した。単位は100cc/g(dl/g)である。
【0055】6.ジエチレングリコール(DEG)の共
重合量 抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、ガスクロマ
トグラフィにより定量した。
【0056】7.密度 硝酸カルシウム水溶液を溶媒として用いた密度勾配管
中、25℃で浮沈法により測定した。
【0057】8.面配向係数(NS) アッベ屈折計を用い、ナトリウムD線(589nm)を
光源として屈折率を測定し、下記式により求めた。 NS=(nMD+nTD)/2−nZ (上記式中、nMDは二軸配向フィルムの機械軸方向の
屈折率、nTDは機械軸方向と直交する方向(幅方向)
の屈折率、およびnZはフィルムの厚み方向の屈折率を
表す。)
【0058】9.フィルムの製膜性 二軸延伸製膜を24時間連続運転したときのフィルム破
断の発生した回数で評価した。単位は回/24時間であ
る。極薄フィルムは、フィルム破断が発生しやすいが、
実用化の点から、通常この値が2回/24時間以下であ
ることが好ましい。 ○(製膜性良好) :破断2回以下 △(歩留まり不満):破断3〜5回 ×(製膜性不良) :破断6回以上
【0059】10.スリット性 長さ20000m、幅500mmのフィルムロールをス
リットし、長さ10000m、幅20mmのスリット品
を50個作成した。切断部を含むスリット品の個数でス
リット性を評価した。 ◎(スリット性優秀):切断部を含むスリット品の個数が0 ○(使用可) :切断部を含むスリット品の個数が2個以内 ×(使用不可) :切断部を含むスリット品の個数が3個以上
【0060】11.絶縁破壊電圧(BDV) JISC2318に示す方法に従って測定し、n=10
0の平均値を絶縁破壊電圧(BDV)とした。
【0061】12.CR値 試料フィルムを、23℃、50%RH、16時間の条件
で状態調節した後、23℃、50%RHの雰囲気下で、
JISC2319に示す方法に従って測定した。
【0062】13.誘電正接(tanδ) 試料フィルムを、23℃、50%RH、16時間の条件
で状態調節した後、フィルムの両面にAl蒸着を行い、
JIS−C−2318の電極およびキャパシタンス・ブ
リッジを用いて100℃、1kHzにおける値を測定し
た。
【0063】14.ピンホール マジックインキ(登録商標)を試薬特級エタノールで1
0倍に希釈した液を感熱紙上に密着させた試料フィルム
の上に滴下し、エアーブラシで全体に広げ、感熱紙側に
転写したピンホール箇所の個数を数え、3000cm2
(0.3m2)当りの個数を計算した。
【0064】15.熱収縮率 試料フィルムに30cm間隔で標線を入れ、加熱オーブ
ン中で張力フリーの状態で一定時間熱処理(150℃、
30分間)後の試料長の変化から下記式により求めた。 熱収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100 (上記式中、L1は熱処理前の試料長、L2は熱処理後の
試料長を表わす。)
【0065】16.フィルム中の触媒量、アルカリ金属
量 試料フィルムを、蒸留アセトンで2回以上洗浄乾燥した
後、0.200g採取した。次に、試薬特級の硫酸、硝
酸等で湿式分解し、イオン交換蒸留水を20ml加え試
料液とした。この試料液を高周波プラズマ発光分光分析
装置(ジヤーレルアッシュ製、Atomu Comp Siries 80
0)にて金属定性定量分析を行なった。
【0066】[実施例1〜4]表1記載の量の2,6−
ナフタレンジカルボン酸ジメチルおよびイソフタル酸ジ
メチルと、エチレングリコール60部の混合物に、酢酸
マンガン4水塩0.03部を添加し、150℃から24
0℃に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。
途中反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモ
ン0.024部を添加し、さらに表1記載の粒径を有す
る炭酸カルシウムおよび板状珪酸アルミニウムを表1記
載の量添加して、次いで220℃に達した時点で3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩0.042部(2mmol%に相当)を添加し
た。引き続いてエステル交換反応を行い、エステル交換
反応終了後リン酸トリメチル0.023部を添加した。
その後反応生成物を重合反応器に移し、290℃まで昇
温し、0.2mmHg以下の高真空下にて重縮合反応を
行って固有粘度が0.61dl/g、ジエチレングリコ
ール共重合量1.1モル%の共重合PENポリマーを得
た。このポリマーを170℃において6時間乾燥させた
後、押出機に供給し、溶融温度310℃で溶融し、開度
1mmのスリット状ダイを通して、表面仕上げ0.3
S、表面温度50℃の回転ドラム上に押出し、未延伸フ
ィルムを得た。こうして得られた未延伸フィルムを14
0℃で縦方向に3.6倍に延伸し、次いで140℃で横
方向に3.9倍延伸し、さらに220℃で5秒間熱固定
処理し、厚み1.5μmの二軸配向共重合PENフィル
ムを得た。これらのフィルムの特性を表1に示す。
【0067】[実施例5]実施例1において、イソフタ
ル酸成分の含有量を3モル%とし、延伸倍率を縦方向に
4.1倍、横方向に4.5倍とした以外は実施例1と同
様にして厚み1.5μmの二軸配向共重合PENフィル
ムを得た。このフィルムの特性を表1に示す。
【0068】[比較例1]イソフタル酸成分を共重合し
ないこと以外は実施例1と同様にして厚み1.5μmの
二軸配向PENフィルムを得た。このフィルムの特性を
表1に示す。このフィルムはスリット性が不十分であっ
た。
【0069】[比較例2]炭酸カルシウムを添加せず、
板状珪酸アルミニウムは表1に示す粒径、量を添加した
以外は実施例1と同様にして厚み1.5μmの二軸配向
共重合PENフィルムを得た。このフィルムの特性を表
1に示す。このフィルムは滑り性が不良で巻取りが困難
であった。
【0070】[比較例3]板状珪酸アルミニウムを添加
せず、炭酸カルシウムは表1に示す粒径、量を添加した
以外は実施例1と同様にして厚み1.5μmの二軸配向
共重合PENフィルムを得た。このフィルムの特性を表
1に示す。このフィルムは製膜時の切断が多く、ピンホ
ールが多かった。
【0071】[比較例4]エステル交換反応時、ポリマ
ーのジエチレングリコール共重合量が約4モル%となる
量のジエチレングリコールを添加した。それ以外は実施
例1と同様にして厚み1.5μmの二軸配向共重合PE
Nフィルムを得た。このフィルムの特性を表1に示す。
このフィルムは面配向係数が小さいため絶縁破壊電圧が
低く、また100℃における誘電正接が大きく、大容量
コンデンサ用として不適である。また張力をかけると伸
び易い欠点を有する。
【0072】[比較例5]延伸倍率を縦4.8倍、横
5.5倍とした以外は実施例1と同様にして厚み1.5
μmの二軸配向PENフィルムを得た。このフィルムの
特性を表1に示す。このフィルムは面配向係数が過大で
スリット性が不十分であり、製膜時切断が多かった。
【0073】[比較例6]イソフタル酸成分を12モル
%とした以外は実施例1と同様にして厚み1.5μmの
二軸配向共重合PENフィルムを得た。このフィルムの
特性を表1に示す。このフィルムのスリット性は優れて
いたが、面配向係数が小さいため絶縁破壊電圧が低く、
また100℃の誘電正接が大きく、大容量コンデンサ用
として不適である。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明は、次のような優れた効果を持
ち、極薄フィルムを必要とする大容量コンデンサ用フィ
ルムとして好適に用いられる。 (1)製膜時並びにスリット時の破断がなく、極薄フィ
ルムでありながら生産性に優れる。 (2)スペースファクターが小さいのでコンデンサの大
容量化が可能である。 (3)フィルム表面が適度に粗面化されており、フィル
ムの滑り性が良好で、製膜時、加工時の作業性に優れ
る。 (4)触媒量、金属量が適量で絶縁抵抗が高く、CR特
性が優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/34 C08K 3/34 7/00 7/00 C08L 67/02 C08L 67/02 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA88 AB21 AB26 AD05 AD06 AE11 AF39Y AF61 AH12 BA01 BB08 BC01 BC13 BC14 BC15 4J002 CF081 DE236 DJ007 FA017 GQ01 4J029 AA03 AB01 AB07 AC02 AD10 AE03 BA02 BA03 BA04 BA05 BA09 BA10 BB06A BD06A BD07A BF18 BF19 BF25 BH02 CA01 CA02 CA04 CA06 CB04A CB05A CB06A CC05A CD03 CD05 CF08 CH06 DB13 ED08A FB07 FC03 FC08 HA01 HB01 HB03A JA123 JA283 JC583 JE182 JF471 JF541 KE02 5E082 BC38 BC39 FF05 FG06 FG19 FG36 FG48 FG54 PP01 PP03 PP04 PP08 PP09 PP10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸カルシウムおよび板状珪酸アルミニ
    ウムの粒子を含有する共重合ポリエチレン−2,6−ナ
    フタレートからなるフィルムであって、該炭酸カルシウ
    ムの平均粒径が該板状珪酸アルミニウムの平均粒径より
    大きく、該共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレート
    が、共重合成分として下記式(A)で表わされる化合物
    を全ジカルボン酸成分の総量に対し0.1〜10モル%
    およびジエチレングリコールを全グリコール成分の総量
    に対し3モル%以下共重合した共重合ポリエチレン−
    2,6−ナフタレートであり、該フィルムの面配向係数
    が0.23以上0.275以下、密度が1.350g/
    cm3以上、スペースファクターが1〜19%、かつ該
    フィルム表面の高さ1.5μm以上の突起が300〜7
    00個/cm2であることを特徴とするコンデンサ用フ
    ィルム。 【化1】 (式(A)中、R1およびR2はそれぞれ水素原子または
    低級アルキル基を表わし、互いに同一でも異なっていて
    もよい。)
  2. 【請求項2】 炭酸カルシウムの平均粒径が0.5〜5
    μm、含有量が0.1〜2重量%、板状珪酸アルミニウ
    ムの平均粒径が0.1〜2μm、含有量が0.1〜1重
    量%である請求項1記載のコンデンサ用フィルム。
  3. 【請求項3】 共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレ
    ートの固有粘度が0.40以上、フィルムの厚みが0.
    2〜20μm、熱収縮率が3%以下、絶縁破壊電圧が2
    60V/μm以上、かつピンホールが0.1個/cm2
    以下である請求項1記載のコンデンサ用フィルム。
  4. 【請求項4】 共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレ
    ートの重合触媒としてマンガン化合物およびアンチモン
    化合物、ならびに熱安定剤としてリン化合物を下記式
    (1)、(2)および(3)を満たす量含有し、アルカ
    リ金属の含有量が10ppm以下であり、かつフィルム
    のCR値が10000ΩF以上である請求項1または2
    記載のコンデンサ用フィルム。 30≦Mn≦100 (1) 150≦Sb≦450 (2) P/Mn≧1 (3) (上記式中、Mnはマンガン元素の共重合ポリエチレン
    −2,6−ナフタレート中の量(ppm)、Sbはアン
    チモン元素の共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレー
    ト中の量(ppm)、Pはリン元素の共重合ポリエチレ
    ン−2,6−ナフタレート中の量(ppm)をそれぞれ
    表わす。)
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