JPH10163064A - コンデンサ用ポリエステルフィルム - Google Patents

コンデンサ用ポリエステルフィルム

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JPH10163064A
JPH10163064A JP31986496A JP31986496A JPH10163064A JP H10163064 A JPH10163064 A JP H10163064A JP 31986496 A JP31986496 A JP 31986496A JP 31986496 A JP31986496 A JP 31986496A JP H10163064 A JPH10163064 A JP H10163064A
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JP
Japan
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film
capacitor
particle size
present
winding
Prior art date
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JP31986496A
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English (en)
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Kazuhiro Kunugihara
一弘 椚原
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻き取り作業性、平坦易滑性および耐熱性に
優れたコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 粒度分布値(r)が1.5〜4.0、平
均粒子径が0.1〜3.0μmの球状シリカ粒子を0.
01〜3.0重量%含有するポリエステルフィルムであ
って、フィルムの縦および横方向のヤング率が500〜
800kg/mm 2 、150℃で30分間熱処理後の加
熱収縮率がフィルムの縦横ともに2%以下であることを
特徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ誘電体
用フィルムに関し、詳しくは、巻き取り作業性や平坦易
滑性、耐熱性に優れたコンデンサ用ポリエステルフィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルフィルムは、優れた機械的性質、電気的
性質を有することから、コンデンサの基材フィルムとし
て多用されている。コンデンサ基材の要求特性として
は、フィルム取り扱い時の作業性の改善や、平坦易滑性
の向上であり、これらの特性を改良する方法は、従来種
々提案されているが、最も確実な方法はポリエステル中
に不活性粒子を配合する方法である。この方法は、ポリ
エステル独特の方法であり、重合中に系内で金属化合物
微粒子を沈殿させる方法と、外部から炭酸カルシウム、
カオリン、シリカ、架橋高分子等の無機または有機の微
粒子を添加する方法とに大別される。
【0003】これらの方法はいずれも一長一短があり、
例えば外部から球状シリカ粒子を用いる方法では、球状
シリカの粒度分布がシャープすぎるため、各フィルム厚
み等に応じた最適粒子径の選択が困難であり、巻き取り
作業性や、平坦易滑性を十分満足させることができな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
巻き取り作業性、平坦易滑性および耐熱性に優れたコン
デンサ用ポリエステルフィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、特定の球状シリカ粒子を特定量
含有するポリエステルフィルムによれば、巻き取り作業
性や平坦易滑性等を同時にかつ十分に満足できることを
見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明の要旨は、粒度分布値(r)が1.5〜4.0、平均
粒子径が0.1〜3.0μmの球状シリカ粒子を0.0
1〜3.0重量%含有するポリエステルフィルムであっ
て、フィルムの縦および横方向のヤング率が500〜8
00kg/mm2 、150℃で30分間熱処理後の加熱
収縮率がフィルムの縦横ともに2%以下であることを特
徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルムに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステル樹脂とは、二官能性酸成分が
芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体
を主とするものであり、具体的にはテレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、そのエステル形成誘導体
としてはテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸ジメチルなどが挙げられ、使用用途に応じて
選ばれる。特に耐熱性が必要な用途には、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を主体とするものが好ましい。
【0007】またグリコール成分としてはエチレングリ
コール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールなどが挙げられ、エチレングリコールが好まし
い。かかるポリエステル樹脂は、1種の芳香族ジカルボ
ン酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、1種のグリ
コール成分とを出発原料とするポリエステルでもよい
し、2種以上の成分を含む共重体であってもよい。共重
合する成分として上記のほかに、例えば、ジエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレング
リコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン
酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、
トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられ、用途
に応じて選択される。
【0008】本発明は、数多い無機または有機の微粒子
の中から特定の球状シリカ粒子を選択し用いることを特
徴の一つとするものである。なお、本発明に適用し得る
球状シリカの製造法は特に制限がなく、各種製造法で製
造された球状シリカを用いることができる。典型的な例
としては、アルコキシシランを出発原料として、アミン
系触媒を用いて加水分解および縮合反応によって球状微
粒子を合成し、粒子径は反応温度、反応時間でコントロ
ールする方法や、酸素を含有させた雰囲気中で金属珪素
粉末に着火し、燃焼火炎を形成し、金属珪素粉末を連続
的に酸化燃焼させて球状微粒子を合成し、粒子径は燃焼
炎の大きさ等でコントロールする方法等が挙げられる。
【0009】本発明で用いる球状シリカの平均粒子径
は、0.1〜3.0μm、好ましくは0.2〜2.5μ
m、さらに好ましくは0.3〜2.0μmである。平均
粒子径が0.1μm未満では、フィルムの走行性を向上
させる効果が不十分となり、作業性が悪化する。また、
平均粒子径が3.0μmより大きい場合は、粗面化によ
り、コンデンサの絶縁性や耐電圧特性が低下したり、粒
子がフィルム表面から脱落して、コンデンサの絶縁欠陥
の原因となる等の問題が生ずる。
【0010】フィルムの製造時の巻取性、スリット性が
良好で巻取時にシワが入ったり、巻きずれを起こさず、
良好なロール外観を持つフィルムを得るためには、フィ
ルムの滑り性と、フィルム間の空気の漏れやすさ等も必
要である。そのため、滑り性と空気の漏れやすさ等、そ
れぞれの要求特性に応じた粒子径の粒子を選択する必要
がある。また、フィルム特性を改良するためのフィルム
表面突起の大きさや形状等は、添加粒子固有の粒子径や
形状、硬さ等だけでなく、フィルムの厚さやフィルム製
造時の延伸温度、延伸速度等によっても大きく変化す
る。そのため、最適な粒子径は、フィルム厚みや製膜条
件に大きく左右される。
【0011】実用特性としては、空気の漏れやすさとフ
ィルムの滑り性とを同時に満足する必要がある。コンデ
ンサとした時に、フィルム間に空気が介在してしまう
と、誘電特性が不安定化したり、絶縁破壊電圧が低下し
てしまため、フィルム間での空気の漏れ易さが必要であ
り、コンデンサ製造時においては、作業性を良くするた
めにフィルムの滑り性が必要である。
【0012】上述の観点から本発明においては、粒度分
布値(r)が1.5〜4.0、好ましくは1.6〜3.
5、さらに好ましくは1.7〜3.2の範囲の球状シリ
カを用いることを最大の特徴とする。粒度分布値(r)
が1.5未満または4.0を超える場合は、上述の滑り
性、空気の漏れやすさを同時に満足する最適な粒子径の
選択は難しく、平均粒子径が最適粒子径から外れた場合
は、極端にフィルム特性が劣ってしまう。具体的に説明
すると、粒度分布値(r)が1.5未満の場合は、平均
粒子径以外の粒子径が混在する確率が低いため、平均粒
子径がフィルム特性に必要な最適粒子径からずれてしま
うと、フィルム特性が極端に劣ってしまう恐れがある。
特にフィルム厚みが薄い場合は、最適な粒子径の範囲が
狭くなるため、最適粒子径の選択は非常に困難である。
また、空気の漏れやすさとフィルムの滑り性とを同時に
満足させることができず、巻き取り時にシワが入った
り、巻きずれを起こしてしまう。粒度分布値(r)が
4.0を超える場合は、最適な粒子径の混在する確率が
低くなるため、粒子添加量を増やさなければ必要な特性
が得られなかったり、粗大粒子数が増加して、絶縁性や
耐電圧特性が低下したり、粒子がフィルム表面から脱落
して絶縁欠陥の原因となる等の問題が生ずる。
【0013】粒度分布値(r)が本発明の範囲内の場合
は、平均粒子径以外の粒子が混在するため、平均粒子径
がフィルム特性に最適な粒子径よりずれたとしても、粒
度分布中に最適な粒子径が混在するので、最適なフィル
ム特性が得られる。また、フィルム厚みや、製膜条件等
によりフィルムの表面突起が変化しても、極端にフィル
ム特性が劣ることはなく、良好なフィルム特性を持つフ
ィルムが得られる。
【0014】本発明のフィルム厚みは、通常0.5〜
7.0μm、好ましくは1.0〜6.5μm、さらに好
ましくは1.5〜6.0μmの範囲である。フィルム厚
みが0.5μm未満では、フィルム製造の際、粒度分布
中に含まれる粗大粒子が原因で、フィルムが破断し製造
の連続性が劣る傾向がある。また、フィルム厚みが7.
0μmを超える場合は、同一容量のコンデンサにした
際、コンデンサの体積が過大となったり、本発明の効果
が十分発揮できないことがある。
【0015】本発明で用いる平均粒子径の範囲で、かつ
本発明の粒度分布値(r)の範囲であるならば、本発明
の範囲におけるフィルム厚みで、フィルムの巻取性、ス
リット性が良好で、巻取時にシワが入ったり、巻きずれ
を起こさず、良好なロール外観を持つロールを得ること
ができ、良好なコンデンサ用ポリエステルフィルムが得
られる。
【0016】本発明で用いる球状シリカの配合量は、
0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜2.5
重量%、さらに好ましくは0.10〜2.0重量%であ
る。球状シリカの添加量が0.01重量%未満では、本
発明で必要とするフィルム特性が得られず、フィルム製
造時の巻き取り性が悪く、巻取時にシワが入ったり、巻
きずれを起こしたり、良好なロール外観が得られなかっ
たりして好ましくない。また、球状シリカの添加量が
3.0重量%を超えると、表面粗度が大きくなりすぎ、
粗面化することによって、コンデンサの絶縁性や耐電圧
特性が低下したりする。
【0017】なお、本発明においては、かかる球状シリ
カの配合方法は特に限定されるものではない。例えば、
ポリエステルの重縮合反応前、反応中または反応後に添
加することができるが、特に重縮合反応前エチレングリ
コールスラリーとして、良く分散させた状態で添加する
のが良い。この場合、必要に応じ高速撹拌あるいは超音
波分散等を行うことにより、効果的な分散が可能とな
る。
【0018】なお、本発明において用いる粒子は上記特
定の粒子径、粒度分布、粒子量の球状シリカ粒子を必須
とするが、それ以外の粒子、添加剤も、要旨を越えない
限りにおいて含有させてもよい。本発明のフィルムの縦
方向および横方向のヤング率は、500〜800kg/
mm2 、好ましくは500〜700kg/mm2 、さら
に好ましくは500〜620kg/mm2 の範囲であ
る。ヤング率が500kg/mm2 未満では、フィルム
のハンドリング特性が悪いため、コンデンサの収率が悪
化する。ヤング率が800kg/mm2 を超える場合
は、フィルムのハンドリング特性などは優れるが、耐熱
性のあるコンデンサを得ることができない。すなわち、
ヤング率が800kg/mm2 を超えるフィルムを得る
ためには、フィルム製造時の延伸倍率を高くしてフィル
ムの配向を高くする必要がある。しかし、延伸倍率が高
い場合は、低収縮率のフィルムを得ることが困難とな
り、また、フィルム製造の歩留まりが悪化し、フィルム
の厚みフレが大きくなり、コンデンサの静電容量や絶縁
破壊電圧のフレの原因となる。
【0019】上記の熱収縮によるコンデンサ素子の変形
を抑える観点から、本発明のフィルムは、150℃で3
0分間熱処理後の加熱収縮率は、縦横ともに2%以下、
好ましく1.8%以下、さらに好ましくは1.5%以下
である。加熱収縮率が2%を超える場合は、高温時にお
ける電気特性が悪化し、フィルムのハンドリング特性、
すなわち、スリット時の収率、蒸着時の収率、コンデン
サー素子巻き時の収率などが悪化して好ましくない。
【0020】さらに本発明のフィルムの平均表面粗さR
aは、通常0.01〜0.15μm、好ましくは0.0
3〜0.12μm、さらに好ましくは0.05〜0.1
μmの範囲である。Raが0.01μm未満では、フィ
ルムの滑り性が劣る傾向があるため作業性が悪くなるこ
とがあり、また、Raが0.15μmを超える場合は、
フィルムの滑り性は良いものの、コンデンサー加工時の
フィルムずれ、あるいはプレス成形された時の素子変形
不良を起こしことがある。
【0021】本発明のフィルムは、前述のポリエステル
原料を適宜選択し、それを常法で溶融押出しを行った
後、逐次または同時二軸延伸を行い、さらに必要に応じ
て再度縦または横方向に延伸を行った後、熱固定あるい
は必要に応じてエージング等をすることによって得られ
る。コンデンサーの製造方法としては、例えば、(1)
フィルムにアルミニウムや亜鉛などの金属蒸着を施した
後、巻回し、蒸着部の両端にメタリコンを施して電極を
設ける方法(巻回法)および、(2)フィルムの両面に
金属層を形成し、その金属層の表面に表面誘電体層を設
けた後、巻回し、スリット後、メタリコンを施す方法
(積層法)が例示できる。
【0022】かくして得られた本発明のコンデンサ用ポ
リエステルフィルムは、良好なロール外観を持ち、電気
特性や耐熱性の良好なコンデンサー誘導体用として最適
である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示す。 (1)微粒子の平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。なお粒度分布値(r)は下記
式から算出した。
【0024】
【数1】粒度分布値(r)=d25/d75 (上記式中、d25、d75は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれの総体積の25%、75%に相当
する粒径(μm)を示す) (2)ヤング率 (株)インテスコ製 引張試験機インテスコモデル20
01型を用いて、温度23℃ 湿度50%RHに調節さ
れた室内において、長さ300mm 幅20mmの試料
フィルムを、10%/分のひずみ速度で引張り、引張応
力−ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて次の式によっ
て計算する。
【0025】
【数2】E=Δσ/Δε (上記式中、Eは引張弾性率(kg/mm2 )、Δσは
直線上の2点間の元の平均断面積による応力差、Δεは
同じ2点間のひずみ差を表す) (3)150℃における加熱収縮率(%) 無張力状態で150℃雰囲気中で30分間熱処理し、そ
の前後のサンプルの長さを測定し、次式にて算出した。
【0026】
【数3】 (4)フィルム厚み 幅W(cm)、長さL(cm)のフィルム試片を作成
し、試片の重さをG(g)、密度d(g/cm3 )とし
たとき、フィルム厚さt(μm)は、次式により算出し
た。
【0027】
【数4】t=G/(W×L×d)×10000 (5)巻き特性 直径15cmの紙管にラインスピード約170m/分で
製造されるフィルムを6000m巻き取り、端面の状態
を観察し、次の3ランクに分けた。
【0028】 ◎:端面がすべて揃っている 〇:端面がほぼ揃い、実用可能 △:端面の一部が不揃いである ×:端面のかなりの部分が不揃いである (6)中心線平均粗さ(Ra) 表面粗さ測定機((株)小坂研究所社製商品「(SE−
3F)」を使用し、次のようにして求めた。すなわち、
測定により得られたフィルム断面曲線から、その中心線
の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、
この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸
として粗さ曲線 y=f(x)で表わしたとき、次の式
で与えられた値を〔μm〕で求める。同様にして、試料
フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断
面曲線10個の中心線平均粗さの値を求め、その、平均
値を本発明における中心線粗さとした。尚、触針の先端
半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は
0.08mmとした。
【0029】
【数5】 (7)耐電圧特性 JIS C−2319に準じて測定を行った。すなわ
ち、10kV直流耐電圧試験器を使用し、23℃、50
%RHの雰囲気下にて、100V/秒の昇圧速度で上昇
させつつ、フィルムが破壊し、短絡した時の電圧を読み
取り、耐電圧特性とした。 (8)コンデンサの電気特性 以下のようにしてコンデンサを製造し、誘電損失の変
化、静電容量変化を測定した。 (コンデンサーの製造)抵抗加熱型金属蒸着装置を使用
し、真空室の圧力を10-4Torr以下とし、フィルム
表面にアルミニウムを450Åの厚さに蒸着した。その
際、フィルムの長手方向にマージン部を有するストライ
プ状に蒸着した(蒸着部の幅8mm、マージン部の幅1
mmの繰り返し)。得られた蒸着フィルムを、蒸着部お
よびマージン部のそれぞれ中央の位置で長手方向にスリ
ットし、左または右に幅0.5mmのマージン部を有す
る4.5mm幅のテープ状フィルムを得た。
【0030】得られた左マージンおよび右マージンの蒸
着フィルム各1枚づつを、幅方向に非マージン部が0.
5mmづつはみ出すように2枚のフィルムをずらして重
ね、巻回して巻回体を得た。この巻回体を温度140
℃、圧力50kg/cm2 として、5分間プレスした。
プレス後の巻回体の両端面にメタリコンを溶射し、リー
ド線を付した後、液状のビスフェノールA型エポキシ樹
脂を含浸して含浸層を形成し、さらに、粉末状エポキシ
樹脂を加熱溶融することによる最低厚さ0.5mmの外
装を形成して、静電容量0.1μFのフィルムコンデン
サを得た。 (静電容量の変化率)温度60℃、湿度95%RHの雰
囲気下、コンデンサの電極間に60V/μmの直流電圧
を印可しつつ1000時間放置し、その前後の静電容量
を測定して静電容量の変化率を求めた。すなわち、10
00時間後の静電容量から初期静電容量を差し引いた値
を、初期静電容量で除して百分率で表記した。 (誘電損失の変化)未使用のコンデンサを150℃の雰
囲気下に24時間放置した後、放置前後の誘電損失特性
を比較した。誘電損失特性は室温から160℃の温度範
囲で昇温しつつ2℃毎に読み取り、誘電損失の最大値に
より、以下の基準で評価した。なお、測定は10回行っ
た。
【0031】ランクA:150℃放置後も特性がほとん
ど変化しない ランクB:誘電損失が若干高くなるか、立ち上がり温度
が低くなる ランクC:誘電損失の変化が大きいか、数値のバラツキ
が大きくなる 実施例1 (ポリエチレンナフタレートの製造):まず、ナフタレ
ン−2、6−ジカルボン酸ジメチル100部、エチレン
グリコール65部およびエステル交換触媒として酢酸マ
グネシウム0.09部を使用し、常法に従いエステル交
換反応を行った後、平均粒子径0.7μmのエチレング
リコールに分散させた球状シリカ粒子を0.5部添加し
た。次いで重合触媒として三酸化アンチモン0.04部
を添加した後、常法に従って重縮合反応を進め、極限粘
度0.55のポリマーを得、次いで固相重合を行い、最
終的に0.63のポリエチレンナフタレートを得た。 (ポリエチレンナフタレートフィルムの製造)まず、上
記のポリマーおよび添加剤を押出機に投入し、295℃
で溶融混練し、スリット状ダイより40℃の冷却ロール
上にシート状に押し出し、静電印加冷却法を使用して冷
却ロールにより急冷して無定形シートを得、次いで、当
該無定形シートを縦方向に130℃で4.2倍、横方向
に132℃で4.2倍延伸した。得られたフィルムを2
40℃で3秒間熱処理し、厚み2.0μmの二軸配向フ
ィルムを得た。以上の様にして得たフィルムの諸特性お
よびコンデンサに加工後の電気特性を評価し、その結果
を下記表3および4に示す。得られたフィルムの特性は
いずれも本発明の目的を十分満足し得るものであり、こ
のフィルムを使用して製造したコンデンサは、優れた特
性を有していた。
【0032】実施例2〜4、比較例1〜9 実施例1において、粒子を下記表1に示す粒子に変え、
フィルムの製膜条件を下記表2に示す製膜条件に変えた
以外は、実施例1と同様の方法でコンデンサに加工し、
フィルムの特性およびコンデンサの電気特性を評価し
た。その結果は表3および4に示すとおりである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、巻き特性、電気的特
性、耐熱性に優れたコンデンサ用ポリエステルフィルム
が提供することができ、その工業的価値は高い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 C08L 67:02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度分布値(r)が1.5〜4.0、平
    均粒子径が0.1〜3.0μmの球状シリカ粒子を0.
    01〜3.0重量%含有するポリエステルフィルムであ
    って、フィルムの縦および横方向のヤング率が500〜
    800kg/mm2 、150℃で30分間熱処理後の加
    熱収縮率がフィルムの縦横ともに2%以下であることを
    特徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム厚みが0.5〜7.0μmのポ
    リエチレンナフタレートフィルムからなることを特徴と
    する請求項1記載のフィルム。
JP31986496A 1996-11-29 1996-11-29 コンデンサ用ポリエステルフィルム Pending JPH10163064A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105269791A (zh) * 2014-06-24 2016-01-27 上海紫东薄膜材料股份有限公司 一种精密滤网在超薄型电容器聚酯薄膜生产中的应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105269791A (zh) * 2014-06-24 2016-01-27 上海紫东薄膜材料股份有限公司 一种精密滤网在超薄型电容器聚酯薄膜生产中的应用

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