JPH10149944A - 自動車搭載コンデンサ用フィルム - Google Patents

自動車搭載コンデンサ用フィルム

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JPH10149944A
JPH10149944A JP8306339A JP30633996A JPH10149944A JP H10149944 A JPH10149944 A JP H10149944A JP 8306339 A JP8306339 A JP 8306339A JP 30633996 A JP30633996 A JP 30633996A JP H10149944 A JPH10149944 A JP H10149944A
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JP
Japan
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film
capacitor
longitudinal direction
temperature
present
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JP8306339A
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Kazuhiro Kunugihara
一弘 椚原
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、高温での電気特性が優れ、自動車に
搭載する電気機器用として優れた素材を提供する。 【解決手段】 熱機械的分析装置(TMA)により測定
される100℃からフィルムの融点までの温度範囲にお
けるフィルムの長手方向の最大収縮率が5.0%以下、
フィルムの長手方向と幅方向のヤング率の比が0.85
〜1.15、フィルムの平均表面粗さRaが0.01〜
0.10μm、フィルムの密度が1.356〜1.35
9g/cm3 、フィルム厚みが2.0〜7μmであるポ
リエチレンナフタレートフィルムからなることを特徴と
する自動車搭載フィルムコンデンサ用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車搭載コンデ
ンサ用フィルムに関し、詳しくは、自動車のボンネット
内部にて使用されるときに、耐熱性、電気特性が特に優
れるコンデンサ用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルムコンデンサの誘電体とし
ては、一般に二軸配向ポレエチレンテレフタレートフィ
ルム、二軸配向ポリプロピレンフィルム等のフィルムが
使用されている。ところで、自動車に搭載する電気機器
に使用されるコンデンサは車体の各部で使用されている
が、特にボンネット内部に使用される場合は、その使用
環境が屋外の炎天下であり、時にはエンジンの周辺に置
かれることもあり、通常の機器の部品として使用される
場合以上に耐熱性が要求される。従来のコンデンサは耐
熱性が十分でないため、コンデンサに熱が伝わらないよ
うに熱を遮断したり、長いリード線を用いて温度の上が
らない場所に設置する等の対策が講じられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐熱
性、高温での電気特性が優れ、自動車に搭載する電気機
器用として優れた素材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定のポリエチレンナフタ
レートフィルムによれば上記課題を容易に解決すること
ができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、熱機械的分析装置(TM
A)により測定される100℃からフィルムの融点まで
の温度範囲におけるフィルムの長手方向の最大収縮率が
5.0%以下、フィルムの長手方向と幅方向のヤング率
の比が0.85〜1.15、フィルムの平均表面粗さR
aが0.01〜0.10μm、フィルムの密度が1.3
56〜1.359g/cm3 、フィルム厚みが2.0〜
7μmであるポリエチレンナフタレートフィルムからな
ることを特徴とする自動車搭載フィルムコンデンサ用フ
ィルムに存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の自動車搭載コンデンサ用フィルム(以下、フィ
ルムと略記することがある)は、ポリエチレンナフタレ
ートからなる。本発明でいうポリエチレンナフタレート
とは、その構成単位が実質的にエチレン−2、6−ナフ
タレート単位から構成されているポリマーを指すが、少
量、例えば10モル%以下が第三成分によって変性され
たものでもよい。ポリエチレンナフタレートは、触媒の
存在下で適当な反応条件により、通常ナフタレン−2、
6−ジカルボン酸またはそのアルキル誘導体とエチレン
グリコールとを重縮合させることにより得ることができ
る。
【0006】上記の第三成分としては、例えば、アジピ
ン酸、セバシン酸、テレフタル酸、ナフタレン−2、7
−ジカルボン酸、テトラエチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコールおよびポリエチレングリコール等を挙
げることができる。上記の第三成分の使用量が10モル
%を超える場合は、ポリエチレン−2、6−ナフタレー
トが本来有している耐熱性が低下することがある。上記
の第三成分の使用量は、好ましくは5モル%以下であ
る。
【0007】また、本発明において使用するポリエチレ
ンナフタレートの極限粘度は、通常0.40以上、好ま
しくは0.6〜0.9の範囲である。極限粘度が0.4
未満の場合は、重合度が低く、フィルムとしたときに機
械的強度が低下する傾向がある。本発明で用いる原料ポ
リマーは、さらに、減圧下または不活性ガス雰囲気下に
おいて、その融点以下の温度で加熱処理または固相重合
をすることもできる。これらの処理を行うことによっ
て、オリゴマー量を低減し、また極限粘度を高めること
もできるため、コンデンサー用フィルムの原料の処理と
して好ましい。
【0008】本発明のフィルムは、コンデンサー作製時
の作業性を良好にするため、微細な不活性粒子を含有さ
せて、フィルムの滑り性を改善することが好ましい。不
活性粒子を含有させる方法としては、いわゆる析出粒子
法および添加粒子法が挙げられる。上記の析出粒子法と
は、ポリエステル製造時に反応系内に溶存している金属
化合物、例えばエステル交換反応後の系内に溶存してい
る金属化合物に、リン化合物等を作用させて微細な粒子
を析出させる方法であり、この方法は簡便で工業的に容
易に採用し得る。
【0009】また上記の添加粒子法とは、ポリエステル
製造工程から製膜前の押出工程の段階でポリエステルに
微粒子を添加する方法である。かかる微細粒子の例とし
ては、酸化ケイ素、酸化チタン、ゼオライト、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、セライト、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウ
ム、リン酸マグネシム、フッ化リチウム、酸化アルミニ
ウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリン、タルク、カ
ーボンブラック、窒化ケイ素、窒化ホウ素および特公昭
59−5216号公報に記載されているような架橋高分
子微粒子を挙げることができる。
【0010】上記の粒子の形状は、球状、塊状または偏
平状の何れであってもよく、特に制限されない。これら
の微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、等価球直
径(d50)として、通常0.01〜10μm、好ましく
は0.05〜8μmの範囲から選ばれる。また、配合す
る粒子は二種以上の組み合わせであってもよい。本発明
のフィルムは、上記のようなポリマーを出発原料とする
二軸配向フィルムを指すが、その製造方法は、公知の方
法を採用することができる。すなわち、まず、溶融重合
または固相重合して得たポリエチレンナフタレートを乾
燥し、必要に応じて微粒子を添加し、280〜320℃
で溶融押出し、冷却固化させて実質的に非晶質の未延伸
シートを得る。次いで、縦方向に120〜170℃の温
度で2〜5倍延伸し、さらに、横方向に120〜180
℃で2〜5倍延伸する。かくして得られたフィルムは、
150〜250℃の範囲で熱固定処理される。これらの
操作は必要に応じ、多段で行ってもよいし、さらに、い
わゆる弛緩や再延伸を施してもよい。
【0011】本発明のフィルムの厚みは、2.0〜7μ
m、好ましくは2.5〜6.5μm、さらに好ましくは
3.0〜6.0μmの範囲である。フィルム厚みが7μ
mを超える場合は、同一容量のコンデンサーにした際、
コンデンサーの体積が過大となり、また、フィルム厚み
が2.0μm未満の場合は、コンデンサーを小型化する
には有効であるがフィルムの取り扱い性が悪くなり、か
つ、耐熱性が劣るため使用可能温度範囲が狭くなる。特
に自動車のボンネット内に設置されるコンデンサの場合
は、高温での電気特性が劣るため好ましくない。
【0012】本発明のフィルムは、熱変形によるコンデ
ンサ素子の変形を抑えて、高温下でも良好な電気特性を
得るために、TMAにより測定した100℃以上フィル
ムの融点以下の温度範囲におけるフィルムの長手方向の
最大収縮率を5.0%以下、好ましくは4.0%以下、
さらに好ましくは3.5%以下とする。最大収縮率が
5.0%を超える場合は、例えば車のボンネット内に設
置された際に、高温時における電気特性が悪化し、本発
明の目的が達せられないばかりでなく、フィルムのハン
ドリング特性、すなわちスリット時の収率、蒸着時の収
率、コンデンサー素子巻き時の収率等も悪化し、好まし
くない。
【0013】本発明のフィルムの密度は1.356〜
1.359g/cm3 の範囲である。TMAにより測定
した寸法変化率を小さくするためには、前述の熱固定温
度を高くすることにより実現できるが、熱固定温度を高
くした場合は、フィルムの密度が大きくなり、フィルム
の電気特性、特に誘電損失特性が悪化する。また、密度
が1.356g/cm3 未満の場合、寸法変化率が大き
くなって、耐熱性が劣ってしまう。
【0014】本発明のフィルムの長手方向(縦方向)と
幅方向(横方向)のヤング率の比(長手方向/幅方向)
は0.85〜1.15、好ましくは0.90〜1.10
の範囲である。フィルムの長手法方向と幅方向のヤング
率の比が0.85未満や1.15を超えてしまう場合
は、フィルムの長手方向と幅方向の配向差が大きく、特
に高温側の温度領域において、温度変化で急激に寸法変
化が大きくなるため、耐熱性の良いコンデンサが得られ
ない。
【0015】なお、本発明のフィルムの長手方向および
幅方向のヤング率は、通常500〜700kg/mm2
の範囲とする。ヤング率が500kg/mm2 未満で
は、フィルムのハンドリング特性が劣る傾向があり、コ
ンデンサの製造収率が悪化する場合がある。ヤング率が
kg/mm2 を超える場合は、フィルムのハンドリング
特性などは優れるが、低収縮率のフィルムが得られない
ことがあり、コンデンサとした時の耐熱性が劣る傾向が
ある。
【0016】本発明のフィルムの平均表面粗さRaは
0.01〜0.10μm、好ましくは0.03〜0.1
0μm、さらに好ましくは0.05〜0.09μmの範
囲である。Raが0.01μm未満では、フィルムの滑
り性が劣るため作業性が悪く、また、Raが0.10μ
mを超えた場合は、滑り性は良いが、コンデンサー加工
時のフィルムずれ、プレス成形時の素子変形を起こし、
コンデンサの静電容量が減少する。また、Raが0.1
0μmを超えた場合は、コンデンサに加工したとき、フ
ィルムの突起が大き過ぎてフィルム間に介在する空気に
より誘電特性が不安定化したり、突起によって絶縁破壊
電圧が低下しやすくなる。
【0017】コンデンサーの製造方法としては、例え
ば、(1)フィルムにアルミニウムや亜鉛などの金属蒸
着を施した後、巻回し、蒸着部の両端にメタリコンを施
して電極を設ける方法(巻回法)および、(2)フィル
ムの両面に金属層を形成し、その金属層の表面に表面誘
電体層を設けた後、巻回し、スリット後、メタリコンを
施す方法(積層法)が例示できる。本発明のフィルムを
使用したコンデンサは、自動車搭載電気機器用途に適
し、特に、ボンネット内に設置され高温条件下でも長時
間コンデンサの電気特性を高く保持することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例中「部」とあるは「重量部」を示す。本発明におけ
る種々の物性および特性の測定方法、定義は次のとおり
である。
【0019】(1)熱機械的分析装置(TMA) 真空理工(株)社製の熱機械試験器(TMA)TMA−
7000を用いて測定した。寸法変化は、伸長側を正
(+)、収縮側を負(−)として表しているが、本発明
においては、収縮率を正(+)として表記した。幅5m
m、測定長15mmのサンプルに約52g/mm2 とな
るように荷重をかけて、25℃から5℃/分の速度でフ
ィルムの融点まで昇温し、寸法変化率を測定した。10
0℃以上フィルムの融点以下の温度範囲において、収縮
率の最大値を最大収縮率とした。
【0020】(2)微粒子の平均粒径(d50) 遠心沈降式粒度分布測定装置((株)島津製作所製商品
「SA−CP3」を使用し、ストークスの抵抗則に基づ
く沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により
得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)
50%の値を平均粒径(d50)とした。 (3)フィルム厚み フィルムを10枚重ねた後、電子マイクロメーター(セ
イコーem社製商品「ミリトロン1240」)を用いて
測定した値を10で割って厚さとした。なお、厚さ測定
はJIS B−7502に準拠した。
【0021】(4)ヤング率 引張試験機((株)インテスコ社製「インテスコモデル
2001型」を使用し、温度23℃ 湿度50%RHに
調節された室内において、長さ300mm 幅20mm
の試料フィルムを、10%/分の歪み速度で引張り、引
張応力−歪み曲線を求め、初めの直線部分を用いて次式
によって計算した。
【数1】E=Δσ/Δε (上記式中、Eはヤング率(Kg/mm2 )、Δσは直
線上の2点間の元の平均断面積による応力差、Δεは同
じ2点間のひずみ差を表す)
【0022】(5)中心線平均粗さ(Ra) 表面粗さ測定機((株)小坂研究所社製商品「SE−3
F」)を使用し、次のようにして求めた。すなわち得ら
れたフィルム断面曲線から、その中心線の方向に基準長
さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部
分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線
y=f(x)で表したとき、次の式で与えられた値を
〔μm〕で求める。同様にして、試料フィルム表面から
10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線10個の中
心線平均粗さの値を求め、その、平均値を本発明におけ
る中心線粗さとした。なお、触針の先端半径は2μm、
荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとし
た。
【数2】
【0023】(6)フィルムの密度(g/cm3 ) n−へプタンと四塩化炭素との混合液で形成された密度
勾配管法に標準密度のフロートを入れ、そのフロートの
位置と、試料が安定する位置との対比により試料の密度
を決定した。なお、測定温度は25℃で行った。 (7)耐電圧特性 JIS C−2319に準じて測定を行った。すなわ
ち、10kV直流耐電圧試験器を使用し、23℃、50
%RHの雰囲気下にて、100V/秒の昇圧速度で上昇
させつつ、フィルムが破壊し、短絡した時の電圧を読み
取り、耐電圧特性とした。 (8)コンデンサの電気特性 以下のようにしてコンデンサを製造し、誘電損失の変
化、静電容量変化を測定した。
【0024】(コンデンサーの製造)抵抗加熱型金属蒸
着装置を使用し、真空室の圧力を10-4Torr以下と
し、フィルム表面にアルミニウムを450Åの厚さに蒸
着した。その際、フィルムの長手方向にマージン部を有
するストライプ状に蒸着した(蒸着部の幅8mm、マー
ジン部の幅1mmの繰り返し)。得られた蒸着フィルム
を、蒸着部およびマージン部のそれぞれ中央の位置で長
手方向にスリットし、左または右に幅0.5mmのマー
ジン部を有する4.5mm幅のテープ状フィルムを得
た。得られた左マージンおよび右マージンの蒸着フィル
ム各1枚づつを、幅方向に非マージン部が0.5mmづ
つはみ出すように2枚のフィルムをずらして重ね、巻回
して巻回体を得た。この巻回体を温度140℃、圧力5
0kg/cm2 、5分間プレスした。プレス後の巻回体
の両端面にメタリコンを溶射し、リード線を付した後、
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂を含浸して含浸
層を形成し、、さらに粉末状エポキシ樹脂を加熱溶融す
ることによる最低厚さ0.5mmの外装を形成して、静
電容量0.1μFのフィルムコンデンサを得た。
【0025】(静電容量の変化率)温度60℃、湿度9
5%RHの雰囲気下、コンデンサの電極間に60V/μ
mの直流電圧を印可しつつ1000時間放置し、その前
後の静電容量を測定して静電容量の変化率を求めた。す
なわち、1000時間後の静電容量から初期静電容量を
差し引いた値を、初期静電容量で除して百分率で表記し
た。
【0026】〈誘電損失の変化〉未使用のコンデンサを
150℃の雰囲気下に24時間放置した後、放置前後の
誘電損失特性を比較した。誘電損失特性は室温から16
0℃の温度範囲で昇温しつつ2℃毎に読み取り、誘電損
失の最大値により、以下の基準で評価した。なお、測定
は10回行った。 ランクA:150℃放置後も特性がほとんど変化しない ランクB:誘電損失が若干高くなるか、または立ち上が
り温度が低くなる ランクC:誘電損失の変化が大きい、または数値のバラ
ツキが大きくなる
【0027】実施例1 (ポリエチレンナフタレートの製造)先ず、ナフタレン
−2、6−ジカルボン酸ジメチル100部、エチレング
リコール65部およびエステル交換触媒として酢酸マグ
ネシウム0.09部を使用し、常法に従いエステル交換
反応を行った後、粒径1.0μmのシリカ粒子0.1部
をエチレングリコールスラリーとして添加した。次いで
重合触媒として三酸化アンチモン0.04部を添加した
後、常法に従って重縮合反応を進め、極限粘度0.55
のポリマーを得、次いで固相重合を行い、最終的に0.
63のポリエチレンナフタレートを得た。
【0028】(ポリエチレンナフタレートフィルムの製
造)上記のポリマーおよび添加剤を押出機に投入し、2
95℃で溶融混練し、スリット状ダイより40℃の冷却
ロール上にシート状に押し出し、静電印加冷却法を使用
して冷却ロールにより急冷して無定形シートを得、次い
で、当該無定形シートを縦方向に130℃で4.2倍、
横方向に132℃で4.2倍延伸した。得られたフィル
ムを240℃で3秒間熱処理し、厚み5μmの二軸配向
フィルムを得た。以上のようにして得たフィルムの諸特
性およびコンデンサに加工後の電気特性を評価し、その
結果を下記表1に示す。得られたフィルムの特性は何れ
も本発明の目的を十分満足し得るものであり、このフィ
ルムを使用して製造したコンデンサは、耐熱性に優れ、
自動車搭載電気機器用として、特にボンネット内で使用
するに優れた特性を有していた。
【0029】実施例2〜4 実施例1において、フィルムの製造条件(フィルム厚
さ、延伸倍率、熱処理温度)を表1のように変更した以
外は、実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様の方法でコンデンサ
に加工した。フィルムの特性およびコンデンサに加工後
の電気特性を表1に示す。得られたフィルムの特性は実
施例1で得られたフィルムと同様に、何れも本発明の目
的を十分満足し得るものであり、このフィルムを使用し
て製造したコンデンサは耐熱性に優れ、自動車搭載電気
機器用として、特にボンネット内で使用するに優れた特
性を有していた。
【0030】
【表1】
【0031】比較例1 実施例1において、平均粒径1.0μmのシリカ粒子
を、0.02部に変更した以外は、実施例1と同様の方
法で二軸配向フィルムの製造を行ったが、フィルムの滑
り性が悪いため、ロールにシワが入るなど作業性が悪
く、良好なロールフィルムは製造できなかったため、コ
ンデンサは製造できしなかった。得られたフィルムの特
性のみを評価し、その結果を下記表2に示す。フィルム
の滑り性に関連する平均表面粗さRaは0.003μm
であった。
【0032】比較例2 実施例1において、粒径1.0μmのシリカ粒子を、
1.0部に変更した以外は実施例1と同様の方法で二軸
配向フィルム得た。得られたフィルムを実施例1と同様
の方法でコンデンサに加工し、フィルムの特性およびコ
ンデンサに加工後の電気特性を評価し、その結果を表2
に示す。得られフィルムは耐電圧特性が低く、自動車搭
載用コンデンサとして使用するのには不十分であった。
【0033】比較例3〜8 実施例1において、フィルムの製造条件を表2(比較例
3および4)および下記表3(比較例5〜8)のように
変更した以外は、実施例1と同様の方法でコンデンサに
加工し、フィルムの特性およびコンデンサの電気特性を
評価して、その結果を表2および3にそれぞれ示す。得
られフィルムは耐電圧特性が低く、自動車搭載用コンデ
ンサとして使用するのには不十分であった。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明の自動車搭載コンデンサ用フィル
ムは、従来のフィルムコンデンサに比べ耐熱性、高温で
の電気特性が優れ、このフィルムを使用したコンデンサ
は、自動車に搭載する電気機器用として使用され、特
に、耐熱性が必要とされるボンネット内の使用に際して
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱機械的分析装置(TMA)により測定
    される100℃からフィルムの融点までの温度範囲にお
    けるフィルムの長手方向の最大収縮率が5.0%以下、
    フィルムの長手方向と幅方向のヤング率の比が0.85
    〜1.15、フィルムの平均表面粗さRaが0.01〜
    0.10μm、フィルムの密度が1.356〜1.35
    9g/cm3 、フィルム厚みが2.0〜7μmであるポ
    リエチレンナフタレートフィルムからなることを特徴と
    する自動車搭載フィルムコンデンサ用フィルム。
  2. 【請求項2】 自動車のボンネット内部にて使用される
    フィルムコンデンサに用いられることを特徴とする請求
    項1記載の自動車搭載フィルムコンデンサ用フィルム。
JP8306339A 1996-11-18 1996-11-18 自動車搭載コンデンサ用フィルム Pending JPH10149944A (ja)

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