JP2000273210A - 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム - Google Patents

脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム

Info

Publication number
JP2000273210A
JP2000273210A JP8344199A JP8344199A JP2000273210A JP 2000273210 A JP2000273210 A JP 2000273210A JP 8344199 A JP8344199 A JP 8344199A JP 8344199 A JP8344199 A JP 8344199A JP 2000273210 A JP2000273210 A JP 2000273210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
aliphatic polyester
biaxially stretched
less
reduced viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8344199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4310666B2 (ja
Inventor
Hisato Kobayashi
久人 小林
Naonobu Oda
尚伸 小田
Keiji Mori
啓治 森
Tadashi Okudaira
正 奥平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP8344199A priority Critical patent/JP4310666B2/ja
Publication of JP2000273210A publication Critical patent/JP2000273210A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4310666B2 publication Critical patent/JP4310666B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装用フィルムにおいて重要な特性である手
切れ性、ひねり性および印刷性に優れた脂肪族ポリエス
テル系二軸延伸フィルムを提供する。 【解決手段】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
R−CO−(但し、RはHまたは、炭素数1〜3のアル
キル基を示す)であり、還元粘度(ηsp/C)が0.
50dl/g以上2.50dl/g以下である脂肪族ポ
リエステルを主たるポリマー成分とし、厚み方向の屈折
率(Nz) が1.440以上1.455以下であり、表
面張力が45dyne/cm 以上であり、更に120℃におけ
る熱収縮率が5%以下であることを特徴とする脂肪族ポ
リエステル系二軸延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルを主たるポリマー成分とする二軸延伸フィルムに関
し、さらに詳しくは、生鮮食品、加工食品、医薬品、医
療機器、電子部品等の包装用フィルム、粘着テープ等に
おいて重要な特性である手切れ性、ひねり性および印刷
性に優れた脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリ乳酸をはじめとする脂肪族ポ
リエステル系フィルムは、自然環境下に棄却された場合
に分解すること、例えばポリ乳酸フィルムは土壌中にお
いて自然に加水分解したのち、微生物によって無害な分
解物となることを特徴として開発されてきた。
【0003】従って、このような脂肪族ポリエステル系
フィルムは、自然界で分解させることを優先して開発が
進められ、その結果、本来、脂肪族ポリエステルが持つ
優れた特性を十分に引き出すことができていなかった。
すなわち、フィルムの配向・結晶化が進むことにより、
加水分解や微生物による分解が抑制されるために、フィ
ルムの配向・結晶化を抑制する必要があったため、強度
や熱寸法安定性が不十分なものとなっていた。
【0004】これに対し、フィルムの配向性や結晶化度
を向上させて、強度や熱寸法安定性を改善する試みがな
されている。例えば、特開平7−207041号公報に
は、ポリ乳酸系重合体からなり、面配向度ΔPが3.0
×10-3以上であり、かつフィルムを昇温したときの結
晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶
化熱量ΔHcとの差( ΔHm−ΔHc) が20J/g以
上であるポリ乳酸系フィルムが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このポ
リ乳酸系フィルムは、包装用フィルム等としての手切れ
性やひねり性、及び印刷性の改善を目的としておらず、
具体的に示されたポリ乳酸系重合体の還元粘度や、得ら
れたフィルムの物性では、印刷やラミネート工程で必要
とされる寸法安定性が不十分であるため、上記の目的を
同時に達成するのは困難である。そして、その他の脂肪
族ポリエステル系フィルムに関する従来技術において
も、包装用フィルムとしての手切れ性やひねり性、及び
印刷性の改善を目的として、ポリ乳酸系重合体の還元粘
度や物性に着目したものは、これまで存在しなかった。
【0006】一方、芳香族ポリエステルであるポリエチ
レンテレフタレートをベースフィルムとした包装用袋や
粘着テープなどが、延伸されたポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの強靭性、耐熱性、耐水性、透明性などの
優れた特性を買われて用いられている。しかし、当該フ
ィルムはこれらの優れた特性を有する反面、切断しにく
く、包装用袋の口を引き裂き難い欠点や、粘着テープが
切りにくい欠点、およびひねり時の固定性が劣るため、
ひねり包装用に用いることが出来ない等の欠点があっ
た。このような手切れ性、ひねり性を解決する方法とし
て、一軸方向に配向させたポリエステルフィルム(特公
昭55−8551号公報)やジエチレングリコール成分
などを共重合したもの(特公昭56−50692号公
報)等が用いる方法が知られている。
【0007】しかし、上記のうち一軸配向させる方法で
は、配向方向へは直線的に容易に切れるが、配向方向以
外には切れ難く、また、他成分を共重合させる方法で
は、ポリエチレンテレフタレートの本来の特性が損なわ
れるという欠点があった。
【0008】他方、従来から手切れ性の優れたフィルム
として、セロハンが知られている。セロハンはその優れ
た透明性と易切断性、ひねりしわ固定性などの特性によ
り、各種包装材料、粘着テープ用として重用されてい
る。しかし、一方ではセロハンは吸湿性を有するために
特性が季節により変動し、一定の品質のものを供給する
ことが困難であった。
【0009】そこで、本発明の目的は、上述の問題を解
決すべく、包装用フィルムにおいて重要な特性である手
切れ性、ひねり性および印刷性に優れた脂肪族ポリエス
テル系二軸延伸フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、鋭意研究したところ、特定の繰り返し単
位を有する脂肪族ポリエステルのうち、還元粘度が特定
範囲のものを用いることにより、手切れ性やひねり性が
向上し、更にフィルムの厚み方向の屈折率( Nz) 、表
面張力、及び熱収縮率を所定の範囲内にすることによっ
て、印刷性や製膜性等に優れた包装用フィルムが得られ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明の脂肪族ポリエステル系二軸
延伸フィルムは、主たる繰り返し単位が一般式−O−C
HR−CO−(但し、RはHまたは、炭素数1〜3のア
ルキル基を示す)であり、還元粘度(ηsp/C)が
0.50dl/g以上2.50dl/g以下である脂肪
族ポリエステルを主たるポリマー成分とし、厚み方向の
屈折率(Nz) が1.440以上1.455以下であ
り、表面張力が45dyne/cm 以上であり、更に120℃
における熱収縮率が5%以下であることを特徴とする。
ここで、還元粘度、屈折率(Nz) 、表面張力、及び熱
収縮率は、実施例における評価方法で測定される値を指
す。
【0012】上記における、脂肪族ポリエステル系二軸
延伸フィルムは、その他の層が積層されたものでもよ
く、中でも、インキを表面に印刷して形成された印刷層
を更に有することが好ましい。
【0013】その際、前記インキが、ニトロセルロース
系インキ、ウレタン系インキ、及びアクリル系インキか
らなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0014】前記還元粘度は上記の数値範囲のうち、特
に0.50dl/g以上1.80dl/g以下であるこ
とが好ましい。
【0015】また、前記脂肪族ポリエステルは、後述の
如く種々のものが挙げられるが、ポリ乳酸であることが
好ましい。
【0016】[作用効果]本発明によると、実施例の結
果が示すように、還元粘度、屈折率( Nz) 、表面張
力、及び熱収縮率を上記の範囲内にすることによって、
包装用フィルムにおいて重要な特性である手切れ性、ひ
ねり性および印刷性に優れた脂肪族ポリエステル系二軸
延伸フィルムを提供することができる。なお、還元粘度
は単に重合体の分子量のみと相関するのではなく、溶融
物中での分子鎖の挙動やフィルム中での分子鎖のからみ
あい等とも関連するため、フィルムの手切れ性やひねり
性との関係は予測し難いものであるが、本発明は、実験
的に良好になる還元粘度を見出したものである。
【0017】本発明の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フ
ィルムが、インキを表面に印刷して形成された印刷層を
更に有する場合、基材となるフィルムの印刷時の色ずれ
が少なく、インキとの接着性が良好なため、他の上記の
効果と相まって、更に本発明のフィルムが有用なものと
なる。
【0018】特に、前記インキが、ニトロセルロース系
インキ、ウレタン系インキ、及びアクリル系インキから
なる群より選ばれる1種以上である場合、特に、基材と
なるフィルムの印刷時の色ずれが少なく、インキとの接
着性が良好なものとなる。
【0019】前記還元粘度は上記の数値範囲のうち、特
に0.50dl/g以上1.80dl/g以下である場
合、上記の如き知見より、特にフィルムの手切れ性やひ
ねり性が優れたものになる。
【0020】また、前記脂肪族ポリエステルのうちポリ
乳酸は、成形性、還元粘度の制御、耐熱性、及び原料コ
ストなどの総合的な面から、本発明において好適に使用
される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、使用材料、製造方法、物性等の順で説明する。
【0022】(使用材料)本発明において、主たるポリ
マー成分となる脂肪族ポリエステルは、主たる繰り返し
単位が一般式−O−CHR−CO−である。ここで、R
は水素原子または、炭素数1〜3のアルキル基を示し、
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基が挙げられる。一般式−O−CH
R−CO−の具体的に示すと、例えばポリ乳酸、ポリグ
リコール酸、ポリ(2ーオキシ酪酸)等の残基を挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、場合によっては、これらの単独でも良く、或いは混
合物、共重合体を使用してもかまわない。ポリマー中不
斉炭素を有するものは、L−体、DL−体、D−体とい
った光学異性体が存在するが、それらのいずれでも良
く、また、それら異性体の混合物でもよい。これらフィ
ルムの素材となる上述したポリマーは、対応するα−オ
キシ酸の脱水環状エステル化合物を開環重合するなどの
公知の方法で製造される。
【0023】なお、上記において、「主たるポリマー成
分」及び「主たる繰り返し単位」とは、他の混合樹脂成
分や他の共重合体成分が、本発明の作用効果を損なわな
い範囲で含有してもよいことを指す。また、Rが炭素数
4以上のアルキル基を除外したのは、溶融押出時の劣化
やフィルム中での分子配向低下等のためである。
【0024】本発明において、用いられる脂肪族ポリエ
ステルは、還元粘度(ηsp/C)が0.50dl/g
以上2.50dl/g以下である。還元粘度が0.50
dl/g未満であると、製膜時の破断が多く、さらに得
られたフィルムの物性が著しく劣り、且つ、製膜時の分
解速度が速すぎ本発明の目的を達し得ない。一方、還元
粘度が2.50dl/gより大きいと得られるフィルム
の手切れ性、ひねり性が低下するのみならず、溶融粘度
が高くなるため溶融押出しが困難になるという問題があ
る。かかる観点より、さらに好ましい還元粘度範囲は、
0.50dl/g以上2.00dl/g以下、より好ま
しくは0.50dl/g以上1.80dl/g以下であ
る。
【0025】還元粘度を上記の範囲とするには、脂肪族
ポリエステルの種類(分子構造)に応じて、平均分子量
を制御したり、分子量分布を適正化することにより達成
できる。
【0026】本発明の脂肪族ポリエステルは、公知の添
加剤を必要に応じて含有させることができる。例えば、
滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、対光剤、耐衝撃性改良剤などを含有させても
よい。但し、本発明の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フ
ィルムは、ヒートシール層を形成した後、透明で内容物
が見えるのが好ましいため、ヒートシール層の形成前に
おいても高い透明性を示すものが好ましい。
【0027】滑剤としてはシリカ、二酸化チタン、タル
ク、カオリナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属の塩または架橋
ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、シリコン樹脂、
架橋ポリエステル樹脂等の有機ポリマーからなる粒子
等、脂肪族ポリエステル系ポリマーに対し不活性な粒子
が望ましい。
【0028】これらの滑剤は、いずれか一種を単独で用
いてもよく、また2種以上を併用してもよい。但し、使
用する滑剤の平均粒子径は0.01μm以上3.0μm以下、
特に0.05μm以上2.5μm以下が好ましく、添加量は
0.005重量%以上2重量%以下含有していることが
好ましく、特に0.01重量%以上1.0重量%以下が
フィルムの透明性および滑り性を両立するために好まし
い。
【0029】特に透明性と滑り性を両立する為には2種
以上の滑剤を併用することが好ましい。特に、フィルム
の製膜中に変形する滑剤粒子(たとえば架橋ポリスチレ
ン、架橋アクリル等の架橋度の低い有機滑剤、一次粒子
の凝集体であるシリカ等の無機滑剤)とフィルム製膜中
に変形しない通常の滑剤粒子を組み合わせることが好ま
しい。
【0030】(製造方法)本発明のフィルムは、二軸延
伸後に熱固定されたフィルムであることが好ましく、公
知の方法で製膜し、延伸することで製造することができ
る。
【0031】本発明において、上記の使用材料を溶融フ
ィルムとして押出成形する方法は、公知のT−ダイ法、
インフレーション法等のいずれの方法も適用でき、これ
らの方法により未延伸フィルムを得ることができる。押
出し温度は、用いるポリマーの融解温度(Tm)〜Tm
+70℃の範囲、より好ましくは、Tm+20〜Tm+
50℃の範囲である。押出し温度が低すぎると押出し安
定性が得難く、また過負荷に陥りやすい。また逆に高す
ぎるとポリマーの分解が激しくなるので好ましくない。
本発明で用いる押出機のダイは、環状または線状のスリ
ットを有するものでよい。ダイの温度は押出温度範囲と
同じ程度でよい。
【0032】未延伸フィルムの二軸延伸は、一軸目の延
伸と二軸目の延伸を逐次に行っても、同時に行ってもよ
い。延伸温度は、用いるポリマーのガラス転移温度(T
g)〜Tg+50℃の範囲が好ましい。さらに好ましく
はTg+10〜Tg+40℃の範囲である。延伸温度が
Tg未満では延伸が困難であり、Tg+50℃を越える
と厚み均一性や得られたフィルムの機械的強度が低下す
る傾向がある。
【0033】縦、横の延伸は1段階でも多段階に分けて
行っても良いが、それぞれの延伸方向に最終的には少な
くとも3倍以上、更に好ましくは、3.5倍以上、また
縦・横面積倍率で9倍以上、更に好ましくは12倍以上
延伸することが、厚みの均一性や機械的性質の点から望
ましい。縦、横延伸比がそれぞれ3倍未満、また面積倍
率が9倍未満では、厚み均一性の良いフィルムは得られ
ず、また機械的強度等の物性の向上も乏しくなる傾向が
ある。
【0034】本発明において、屈折率(Nz)および熱
収縮率を所定の範囲とするため重要なことは、縦延伸を
二段以上で行い、少なくとも一回はTg+20℃〜Tg
+40℃の範囲で延伸速度が10000%/分、好まし
くは15000%/分、さらに好ましくは20000%
/分以上で延伸する工程を含むことである。
【0035】また、延伸後の熱固定は、熱収縮率を所定
の範囲とするため重要であり、145℃〜融点で1秒〜
3分間程度行うのが好ましい。また、同様の理由より、
横弛緩処理を行うのが好ましく、0〜8%程度の横弛緩
処理を施すのが好ましい。
【0036】本発明の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フ
ィルムは、インキを表面に印刷して形成された印刷層を
更に有することが好ましい。この印刷層は、ニトロセル
ロース系インキ、ウレタン系インキ、及びアクリル系イ
ンキからなる群より選ばれる1種以上のインキを用い
て、グラビア法やフレキソ法等によってフィルム表面に
印刷することで形成できる。
【0037】上記の如き製造工程において共押出し法や
コーティング法によって複層化されてもよい。また、本
発明のフィルムは、表面張力を向上すること等を目的と
して、コロナ処理、プラズマ処理や火炎処理等の表面処
理を施してもよい。
【0038】(物性等)以上のようにして得られる本発
明の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルムの物性等は
次の通りである。
【0039】厚み方向の屈折率(Nz)は、1.440
以上1.455以下である必要があり、さらに好ましく
は1.445以上1.455以下である。Nzが1.4
40未満ではフィルムを製膜する工程において破断が発
生しやすくなり、更に幅方向に印刷ずれが発生しやすく
なる。また1.455を越えると長手方向に印刷ずれが
発生するため好ましくない。
【0040】また、フィルムの表面張力は、45dyn
e/cm以上であり、さらに好ましくは47dyne/
cm以上である。表面張力が45dyne/cm未満で
は印刷層との接着性が不十分となるため好ましくない。
【0041】更に、120℃における熱収縮率は5%以
下であり、更に好ましくは4%以下である。熱収縮率が
5%より大きいと印刷ずれが発生するため好ましくな
い。
【0042】なお、フィルムの厚さは、使用目的によっ
て異なるが、5〜200μm程度である。
【0043】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明の内容
及び効果を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を
逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方
法は次の通りである。
【0044】(1)還元粘度(ηsp/C) フィルム原料となるポリマー0.125gをクロロホル
ム25mlに溶解し、ウベローデ粘度管を用いて25℃
で測定した(単位:dl/g) (2)厚み方向の屈折率(Nz) 株式会社アタゴ製アッベ屈折計4Tを用いて、フィルム
の厚み方向の屈折率を測定した。
【0045】(3)表面張力 ぬれ指数標準液(ナカライテスク株式会社製) を幅1c
m、長さ6cmに塗り、2秒間でちぢむ状態になる試薬
を選び、表面張力(単位:dyne/cm)を測定した。
【0046】(4)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mm取り、200m
m間隔で印をつけ5gの一定張力で間隔Aを測る。続い
て、無荷重で30分間、120℃の雰囲気中のオーブン
に入れた後の印の間隔Bを求め、以下の式により熱収縮
率を求めた。
【0047】熱収縮率=(A−B)/A×100(%) (5)手切れ性 官能試験で行い、幅15mmのテープ状のサンプルを手
で切断した際、容易に手で切断できるものを○、容易に
手で切断できないものを×、○と×の中間を△とした。
【0048】(6)ひねり性 官能試験で行い、幅30mmのテープ状サンプルをひね
った時、ひねった状態がもとに戻らないものを○、ひね
った状態を維持できないものを×とした。
【0049】(7)印刷性 脂肪族ポリエステルフィルムの表面に、ニトロセルロー
スインキ(インキA)および一液型ウレタンインキ(イ
ンキB)をグラビア法で赤・白の二色印刷し、印刷層を
形成した。その際の色ずれを目視評価し、○;色ずれ
小、△;色ずれ中、×;色ずれ大の基準で判定した。
【0050】(8) インキ接着性 (7)で形成された印刷層の表面にセロテープ(ニチバ
ン タイプ)を張り付け、90度剥離を行った。その
際、○;剥離ナシ、△;一部剥離アリ、×;全面剥離ア
リの基準で判定した。
【0051】実施例1 還元粘度1.50のポリ−L−乳酸100 重量部に対し、表面
突起を形成するための滑剤として平均粒子系1.8 μmの
凝集体シリカ粒子を0.06重量部添加した。このポリマー
を、Tダイ付き口径30mm押出機を使用して、樹脂温
度210℃で押出した後、20℃のチルロールで冷却
し、厚さ275μm の未延伸フィルムを得た。複数本の
セラミックロールによりフィルム温度を95℃に予熱
し、ロール間で30000%/分の延伸速度で縦方向に
1.4倍延伸し、更に97℃で2.5倍縦方向に延伸し
た。次いでテンター式延伸機で横方向に100℃で4倍
延伸した後、155℃で熱固定した後、135℃で3%
横弛緩処理を行った。更に得られたフィルムを40℃に
加熱しコロナ処理を行って、厚さ20μmの延伸フィル
ムを得た。表1にその物性を示す。
【0052】比較例1および2 実施例1において、還元粘度1.50のポリ−L−乳酸を用
いる代わりに、還元粘度2.82および0.43のポリ
−L−乳酸を用いる以外は、実施例1と同様にして延伸
フィルムを得た。表1にその物性を示す。
【0053】比較例3 実施例1において縦延伸の延伸速度を5000%/分に
した以外は、まったく同様の方法で二軸延伸フィルムを
得た。表1にその物性を示す。
【0054】比較例4 実施例1において縦延伸を65℃で3.5倍に一段延伸
で実施した以外は、まったく同様の方法で二軸延伸フィ
ルムを得た。表1にその物性を示す。
【0055】比較例5 実施例1において潤滑剤としてN,N' −エチレンビス
( ステアリルアミド)をポリ乳酸100 重量部に対して0.1
5重量部配合させた以外は、まったく同様の方法で二軸
延伸フィルムを得た。表1にその物性を示す。
【0056】比較例6 実施例1においてコロナ処理を実施しなかった以外は、
まったく同様の方法で二軸延フィルムを得た。表1にそ
の物性を示す。
【0057】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09D 101/08 C09D 101/08 4J038 175/04 175/04 B29K 67:00 B29L 7:00 9:00 (72)発明者 森 啓治 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 奥平 正 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E086 AD15 BA15 BA33 BB62 BB90 CA01 CA22 CA25 4F071 AA43 AA88 AF31Y AF61Y AH04 BB08 BC01 BC17 4F100 AJ06H AK25H AK41A AK51H BA01 BA10A CC00 EJ38A GB15 GB23 GB66 HB31H JA03A JA06A JA20A JC00 JL05 JL11 JN18A YY00A 4F210 AA24 AG01 QA02 QA03 QC06 4J002 CF181 FD170 GG02 4J038 BA081 CG141 DB001 PB04 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
    R−CO−(但し、RはHまたは、炭素数1〜3のアル
    キル基を示す)であり、還元粘度(ηsp/C)が0.
    50dl/g以上2.50dl/g以下である脂肪族ポ
    リエステルを主たるポリマー成分とし、厚み方向の屈折
    率(Nz) が1.440以上1.455以下であり、表
    面張力が45dyne/cm 以上であり、更に120℃におけ
    る熱収縮率が5%以下であることを特徴とする脂肪族ポ
    リエステル系二軸延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 インキを表面に印刷して形成された印刷
    層を更に有する請求項1に記載の脂肪族ポリエステル系
    二軸延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 前記インキが、ニトロセルロース系イン
    キ、ウレタン系インキ、及びアクリル系インキからなる
    群より選ばれる1種以上である請求項2記載の脂肪族ポ
    リエステル系二軸延伸フィルム。
  4. 【請求項4】 前記還元粘度が0.50dl/g以上
    1.80dl/g以下である請求項1〜3いずれかに記
    載の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム。
  5. 【請求項5】 前記脂肪族ポリエステルがポリ乳酸であ
    る請求項1〜4いずれかに記載の脂肪族ポリエステル系
    二軸延伸フィルム。
JP8344199A 1999-03-26 1999-03-26 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム Expired - Fee Related JP4310666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8344199A JP4310666B2 (ja) 1999-03-26 1999-03-26 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8344199A JP4310666B2 (ja) 1999-03-26 1999-03-26 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000273210A true JP2000273210A (ja) 2000-10-03
JP4310666B2 JP4310666B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=13802527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8344199A Expired - Fee Related JP4310666B2 (ja) 1999-03-26 1999-03-26 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4310666B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1887029A4 (en) * 2005-05-11 2008-07-09 Mitsubishi Plastics Inc HEAT-SHRINKABLE FILM, HEAT-SHRINKABLE MOLDINGS AND LABELS MANUFACTURED THEREFROM, AND CONTAINERS MANUFACTURED THEREFROM OR COATED WITH SUCH LABELS
JP2016210481A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 株式会社進洋 製袋機

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1887029A4 (en) * 2005-05-11 2008-07-09 Mitsubishi Plastics Inc HEAT-SHRINKABLE FILM, HEAT-SHRINKABLE MOLDINGS AND LABELS MANUFACTURED THEREFROM, AND CONTAINERS MANUFACTURED THEREFROM OR COATED WITH SUCH LABELS
EP1990359A3 (en) * 2005-05-11 2008-11-26 Mitsubishi Plastics Inc. Heat-shrinkable film, moldings and heat-shrinkable labels made by using the film, and containers made by using the moldings or fitted with the labels
KR100955437B1 (ko) 2005-05-11 2010-05-04 미쓰비시 쥬시 가부시끼가이샤 열수축성 필름, 그리고 이 열수축성 필름을 사용한 성형품,열수축성 라벨, 및 이 성형품을 사용한, 또는 이 라벨을장착한 용기
US8470420B2 (en) 2005-05-11 2013-06-25 Mitsubishi Plastics, Inc. Heat-shrinkable film, moldings and heat-shrinkable labels made using the heat-shrinkable film, and containers made by using the moldings or fitted with the labels
JP2016210481A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 株式会社進洋 製袋機

Also Published As

Publication number Publication date
JP4310666B2 (ja) 2009-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6323308B1 (en) Aliphatic polyester film
JP7367675B2 (ja) 積層体およびそれからなる包装袋
JP2001049004A (ja) 白色脂肪族ポリエステル系フィルム
JP4644885B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP2004051959A (ja) 脂肪族ポリエステルフィルムおよび積層体
JP4310666B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム
JP2001049003A (ja) 白色脂肪族ポリエステル系フィルム
JP2000289170A (ja) 離型フィルム
JP7035974B2 (ja) 積層フィルム及びそれからなる包装袋
JP3206747B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP4277349B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP2000281813A (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP4636173B2 (ja) ポリ乳酸二軸延伸フィルムの製造方法
JP2000238128A (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP2000273209A (ja) 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム
JP2000037771A (ja) 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム
JP2000238123A (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP2000273211A (ja) 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム
JP4378575B2 (ja) 粘着テープの製造方法
JP2000281810A (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP2000273208A (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム
JP2000239410A (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP2000281812A (ja) 脂肪族ポリエステル系延伸フィルム
JP2000238122A (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム
JP2000281815A (ja) 脂肪族ポリエステル系フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080905

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080905

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090223

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090416

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090429

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees