JP2000289170A - 離型フィルム - Google Patents

離型フィルム

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JP2000289170A
JP2000289170A JP11102065A JP10206599A JP2000289170A JP 2000289170 A JP2000289170 A JP 2000289170A JP 11102065 A JP11102065 A JP 11102065A JP 10206599 A JP10206599 A JP 10206599A JP 2000289170 A JP2000289170 A JP 2000289170A
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尚伸 小田
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啓治 森
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久人 小林
Tadashi Okudaira
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 離型フィルムを使用して、粘着ラベルや粘着
テープなどの台紙、セラミックシートなどを製造する際
の後加工適性に優れ、かつ従来通りの離型フィルムとし
て使用が可能であり、さらに離型フィルムとして使用し
た後には自然界で分解し、焼却処理などの必要が無い離
型フィルムを提供する。 【解決手段】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
R−CO−(RはHまたは、炭素数1〜3のアルキル
基)である脂肪族ポリエステルを主成分としたポリマー
からなり、厚み方向の屈折率(Nz)が1.440〜1.
455であり、長手方向の屈折率(Nx)から幅方向の屈
折率(Ny)を差し引いた値(Nx-Ny)が−0.020
〜0であり、更に120℃における長手方向の熱収縮率
が5%以下である脂肪族ポリエステル二軸延伸フィルム
を基材とし、その少なくとも片面に離型層を設けてなる
ことを特徴とする離型フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルフィルムを用いた離型フィルムに関し、従来通りの粘
着ラベル、粘着テープ等の台紙、セラミックシート製造
時の支持体である離型フィルムとして使用でき、離型フ
ィルムとして使用した後には自然界で分解し、焼却処理
などの必要が無い離型フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等からなるポリエステルフィルムは、
離型フィルムなどの材料として広く使用されている。離
型フィルムの製造方法としては、例えばポリエステルフ
ィルムに、付加反応型、縮合反応型等のシリコーン樹脂
などを塗工して製造され、粘着ラベル、粘着テープ等の
台紙、セラミックシート製造時の支持体などに広く使用
されている。
【0003】しかし、近年、離型フィルムを使用した後
の不要となったフィルムの廃棄において、環境意識の高
揚や、廃棄物処理問題から焼却処分の必要のない生分解
性離型フィルムへの要求が高まりつつある。この要求に
対して、従来から離型フィルムの支持体として使用され
てきたポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチ
レンナフタレートフィルムは生分解性が無く、焼却処分
せざるを得ない状況にある。
【0004】これに対し、ポリ乳酸をはじめとする脂肪
族ポリエステル系フィルムは、自然環境下に棄却された
場合に分解すること(例えば、ポリ乳酸フィルムは土壌
中において自然に加水分解したのち微生物によって無害
な分解物となること)を主眼にして開発されてきた。
【0005】このような状況のなか、乳酸系ポリマーか
らなる一軸延伸フィルムを基材とした離型性のある生分
解性フィルムが、例えば、特開平9−235455号公
報に開示されている。しかしながら、前記フィルムは延
伸による配向結晶化が不十分なため、離型フィルムとし
て用いた場合に必要な特性である機械強度や耐熱性を十
分満足するものではなかった。そのため、このフィルム
を基材として粘着ラベル、粘着テープ等の台紙、セラミ
ックシートを製造する後加工工程において寸法変化を生
じたり、しわが発生するなどの問題があることが明らか
になった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、離型フィルムを使用して、
粘着ラベルや粘着テープなどの台紙、セラミックシート
などを製造する際の後加工適性に優れ、かつ従来通りの
離型フィルムとして使用が可能であり、さらに離型フィ
ルムとして使用した後には自然界で分解し、焼却処理な
どの必要が無い離型フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の課題
は下記の手段により達成できる。 1. 主たる繰り返し単位が一般式−O−CHR−CO
−(RはHまたは、炭素数1〜3のアルキル基)である
脂肪族ポリエステルを主成分としたポリマーからなり、
厚み方向の屈折率(Nz)が1.440〜1.455であ
り、長手方向の屈折率(Nx)から幅方向の屈折率(Ny)
を差し引いた値(Nx-Ny)が−0.020〜0であ
り、更に120℃における長手方向の熱収縮率が5%以
下である脂肪族ポリエステル二軸延伸フィルムを基材と
し、その少なくとも片面に離型層を設けてなることを特
徴とする離型フィルム。 2. 前記脂肪族ポリエステル二軸延伸フィルムの12
0℃における長手方向の熱収縮率が3%以下であること
を特徴とする1記載の離型フィルム。 3. 前記脂肪族系ポリエステルがポリ乳酸であること
を特徴とする1または2記載の離型フィルム。
【0008】
【発明の実施の形態】(脂肪族ポリエステルフィルム)
本発明で用いる、主たる繰り返し単位が、一般式−O−
CHR−CO−(RはHまたは炭素数1〜3のアルキル
基)で示される単位からなる脂肪族ポリエステルとして
は、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(2−
オキシ酪酸)などを挙げることができるが、これらの一
種または二種以上が選択して用いられる。二種以上を用
いる場合は、混合物、共重合体でもよい。また、ポリマ
ー中に不斉炭素を有するものでは、L−体、DL−体、
D−体といった光学異性体が存在するが、これらのいず
れでもよく、また、二種以上の異性体が混在したもので
あってもよい。なお、かかる脂肪族ポリエステルに含ま
れる上記一般式で示される繰り返し単位以外の繰り返し
単位としては、オキシカルボン酸由来の脂肪族ポリエス
テル単位、および/またはジオールとジカルボン酸より
得られる脂肪族カルボン酸単位などが挙げられる。
【0009】また、これらを単独重合体で使用するほか
に、重合体混合物、共重合体として使用してもかまわな
い。ポリマー中に不斉炭素を有するものは、L−体、D
L−体、D−体といった光学異性体が存在するが、それ
らのいずれでも良く、また、それら異性体の混合物でも
良い。これらフィルムの素材となる前記ポリマーは、対
応するα−オキシ酸の脱水環状エステル化合物を用い、
開環重合などの公知の方法で製造することができる。
【0010】本発明で使用する脂肪族ポリエステルの重
量平均分子量は、1〜50万が好ましい。重量平均分子
量が1万未満であると、得られたフィルムの物性が著し
く劣り、且つ、分解速度が速すぎるため、本発明の目的
を達し得ない。また、フィルム製造時の押出し性、二軸
延伸性も低下する。一方、重量平均分子量が50万を超
えると、ポリマーの粘度が高くなり、溶融押出しが困難
になるという問題がある。好ましい範囲は、5〜30万
である。
【0011】本発明のフィルムの好適な製造方法は、脂
肪族ポリエステルを特定の押出し温度で押出し成形して
未延伸フィルムとし、該未延伸フィルムを特定の条件で
二軸延伸する方法である。
【0012】脂肪族ポリエステル樹脂を押出し成形する
方法は、公知のT−ダイ法、インフレーション法などが
適用できる。押出し温度は、脂肪族ポリエステル樹脂の
融解温度をTm(℃)とすると、Tm〜(Tm+70
℃)の範囲が好ましく、特に好ましくは、(Tm+20
℃)〜(Tm+50℃)の範囲である。押出し温度がT
mより低い場合は、押出安定性が悪化する傾向があり、
また過負荷に陥りやすい。一方、押出し温度が(Tm+
70℃)よりも高い場合は、ポリマーの分解が激しくな
り、後工程の延伸を行ってもフィルムを本発明で規定し
た特性を満足することができない。押出機のダイは、環
状または線状のスリットを有するものが用いられる。ま
た、ダイの温度は通常前記の押出温度と同程度とする。
【0013】得られた未延伸フィルムを二軸延伸するに
は、一軸目の延伸と二軸目の延伸を逐次に行っても、同
時に行っても良い。ここで一軸目とは、フィルムの縦方
向及び横方向のいずれか一方であり、二軸目とはフィル
ムの横方向及び縦方向のいずれか他方であり、一軸目と
直交方向を意味する。なお、「縦方向」は「フィルムの
長手方向」と同義であり、「横方向」は「フィルムの幅
方向」と同義である。
【0014】延伸温度は、脂肪族ポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度をTg(℃)とすると、Tg〜(Tg+5
0℃)の範囲が好ましく、特に好ましくは(Tg+10
℃)〜(Tg+40℃)の範囲である。延伸温度がTg
より低い場合は、延伸が困難となり、(Tg+50℃)
を越えると、フィルムの厚み均一性や機械的強度が低下
するのみならず、フィルムを本発明で規定した特性を満
足することが困難となる。
【0015】縦、横の延伸は1段階でも多段階に分けて
行っても良いが、それぞれの延伸方向での最終的な延伸
倍率が互いに少なくとも3倍以上で、好ましくは、3.
5倍以上で、かつ、縦・横の面積倍率で9倍以上、好ま
しくは12倍以上であることが、厚みの均一性や機械的
性質の点から必要である。縦、横の延伸倍率の少なくと
も一方が3倍未満であったり、縦・横の面積倍率が9倍
未満では、フィルムの厚み均一性や機械的強度が不十分
となり、フィルムを本発明で規定した特性を満足するこ
とが困難となる。
【0016】特に、フィルムの厚み方向の屈折率(N
z)及び120℃での長手方向の熱収縮率を前記規定の
範囲とするには、縦延伸を二段以上で行い、そのうちの
少なくとも一段の縦延伸工程を、(Tg+20℃)〜
(Tg+40℃)の範囲で、延伸速度を10000%/
分以上、好ましくは15000%/分以上、より好まし
くは20000%/分以上とした延伸条件で行うことが
重要である。
【0017】また、二軸延伸後の熱固定は、加工時の寸
法安定性の点から、145℃〜Tmの範囲で、好ましく
は150℃〜Tmの範囲で、1秒〜3分間程度行うこと
が好ましい。また、同様の理由より、熱固定に引き続
き、横弛緩処理を行うのが好ましく、詳しくは125℃
〜(Tm−20℃)で0.1〜8%程度の横弛緩処理を
行うことが好ましい。このような熱固定条件や横弛緩処
理を行うことは、120℃での長手方向の熱収縮率を5
%以下とするのに好適であり、その結果、加工時にしわ
の発生が少ない製品を得ることができる。
【0018】本発明の脂肪族ポリエステル二軸延伸フィ
ルムは、押出し時に共押出し法を用いたり、押出しから
熱固定までの連続した工程において種々のコーティング
法を適用することによって、多層化してもよい。
【0019】また、本発明のフィルムは、離型層との密
着性を向上させるために、離型層を積層する前にプライ
マーコート、コロナ処理、プラズマ処理や火炎処理など
を施しても良い。
【0020】本発明における脂肪族ポリエステル二軸延
伸フィルムの厚み方向の屈折率(Nz)は、1.440
〜1.455が好ましく、さらに好ましくは1.445
〜1.455である。Nzが1.440未満では、フィ
ルムを製膜時に破断が発生しやすくなる。また1.45
5を超えると、離型層を付与する工程や、離型フィルム
を使用して粘着ラベルや粘着テープなどの台紙、セラミ
ックシートなどを製造する後加工工程において加熱され
た際に、平面性が悪化するため好ましくない。
【0021】さらに、フィルムの長手方向の屈折率(N
x)から幅方向の屈折率(Ny)を差し引いた値(Nx
−Ny)を−0.020〜0の範囲とすることにより、
厚みムラを小さくすることができ、かつ離型フィルムを
使用して粘着ラベルや粘着テープなどの台紙、セラミッ
クシートなどを製造する後加工工程などにおいて、加熱
された状態で搬送張力を受けても、引き伸ばされにくい
ものとなり、平面性の悪化がより生じにくいものとな
る。(Nx−Ny)は、−0.020〜0とすることが
好ましく、特に好ましくは−0.015〜0である。
【0022】(Nx−Ny)を上記規定の範囲とするた
めには、延伸時の縦・横の倍率及び速度などをバランス
させることが好ましい。
【0023】また、本発明のフィルムの120℃におけ
る長手方向の熱収縮率は、5%以下が好ましく、特に好
ましくは3%以下である。前記熱収縮率が5%を超える
と、離型層を付与する工程や離型フィルムを使用する後
加工工程において、フィルムに、ずれやしわが発生し、
製品収率が低下する。
【0024】本発明の脂肪族ポリエステルは、公知の添
加剤を必要に応じて含有させることができる。例えば、
不活性粒子、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤などを含有さ
せてもよい。
【0025】本発明の脂肪族ポリエステルフィルムにお
いて、ハンドリング性(滑り性、巻き特性、耐ブロッキ
ング性など)を改良するために不活性粒子をフィルム中
に含有させることが好ましい。不活性粒子としては、シ
リカ、二酸化チタン、タルク、カオリナイト等の金属酸
化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウ
ム等の金属の塩または架橋ポリスチレン樹脂、架橋アク
リル樹脂、シリコン樹脂、架橋ポリエステル樹脂等の有
機ポリマーからなる粒子などが例示される。
【0026】これらの不活性粒子は、いずれか一種を単
独で含有させてもよく、また2種以上を併用してもよ
い。不活性粒子の平均粒径は0.01〜3.0μmが好
ましく、特に好ましくは0.05〜2.5μmである。
また、粒子含有量は0.005〜2重量%であることが
好ましく、特に好ましくは0.01〜1.0重量%であ
る。
【0027】特に、表面平滑性と滑り性を両立するため
に、2種以上の平均粒径の異なる不活性粒子を併用する
ことが好ましい。特に、フィルムの製膜中に変形する滑
剤粒子(例えば、架橋ポリスチレン、架橋アクリル等の
架橋度の低い有機粒子、一次粒子の凝集体であるシリカ
等の無機滑剤)とフィルム製膜中に変形しない通常の滑
剤粒子を組み合わせることが好ましい。さらに、前記平
均粒径の範囲内で、平均粒径が0.5μm以上異なる粒
子を2種類併用すると、巻き性、耐摩耗性の点から好ま
しい。
【0028】(離型層)本発明の離型層を構成する樹脂
は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、各種ワックス、脂肪
族オレフィンなどが例示されるが、特にシリーコン樹脂
が好ましい。本発明の離型層として、例えばシリコーン
樹脂を用いた場合、その離型層は、例えば硬化性シリコ
ーン樹脂を含む塗液をポリエステルフィルムの表面に塗
布し、乾燥、硬化させることにより形成することができ
る。
【0029】硬化性シリコーン樹脂としては、例えば付
加反応系のもの、縮合反応系のもの、紫外線もしくは電
子線硬化系のものなどいずれの反応系のものも用いるこ
とができる。
【0030】付加反応系のシリコーン樹脂としては、例
えば末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサン
とハイドロジエンシロキサンとを、白金触媒を用いて反
応させ、3次元架橋構造をつくるものが挙げられる。
【0031】縮合反応系のシリコーン樹脂としては、例
えば、末端にOH基をもつポリジメチルシロキサンと末
端にH基をもつポリジメチルシロキサンを有機錫触媒を
用いて縮合反応させ、3次元架橋構造をつくるものが挙
げられる。
【0032】紫外線硬化系のシリコーン樹脂としては、
例えば最も基本的なタイプとして通常のシリコーンゴム
架橋と同じラジカル反応を利用するもの、不飽和基を導
入して光硬化させるもの、紫外線でオニウム塩を分解し
て強酸を発生させ、これでエポキシ基を開裂させて架橋
させるもの、ビニルシロキサンへのチオールの付加反応
で架橋するもの等が挙げられる。また、前記紫外線の代
わりに電子線を用いることもできる。電子線は紫外線よ
りもエネルギーが強く、紫外線硬化の場合のように開始
剤を用いなくても、ラジカルによる架橋反応を行うこと
が可能である。
【0033】(シリコーン樹脂塗膜の塗設)本発明にお
いて、脂肪族系ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、前記の付加反応系、縮合反応系、紫外線硬化系のシ
リコーン樹脂を樹脂成分とするいずれかの塗布液を塗布
し、加熱乾燥、熱硬化または紫外線硬化することにより
離型性塗膜を塗設することが好ましい。塗布法として
は、公知の任意の塗工法が適用でき、例えばグラビアコ
ート法やリバースコート法などのロールコート法、マイ
ヤーバーなどのバーコート法、スプレーコート法、エア
ーナイフコート法等の従来から知られている方法を使用
することができる。
【0034】(乾燥及び硬化)シリコーン樹脂層の乾燥
及び硬化は同時に行うことができ、条件としては乾燥温
度が100℃以上で、乾燥時間を20秒以上にすること
が好ましい。乾燥温度が100℃未満、及び乾燥時間が
20秒未満ではシリコーン樹脂の硬化が不完全であり、
重剥離化(目標剥離力に達しない)やシリコーン樹脂層
の背面転写(裏移り)の原因となり、好ましくない。
【0035】硬化シリコーン樹脂層の乾燥後の塗布量
は、0.05〜0.2g/m2の範囲が好ましい。シリコ
ーン樹脂層の乾燥塗布量が0.05g/m2未満では、剥
離性能が低下し、本来の剥離性能が出なくなる傾向があ
る。また、乾燥塗布量が0.2g/m2を超えると、硬化
に時間がかかり生産上不都合が生じる。
【0036】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明の内容
及び効果を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を
逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例における物性の評価方法は以
下の通りである。
【0037】(1)厚み方向、長手方向および幅方向の
屈折率(Nz、Nx、Ny) 株式会社アタゴ製アッベ屈折率計1Tを用いて、フィル
ムの各方向の屈折率を測定した。
【0038】(2)フィルムの120℃における長手方
向の熱収縮率 長手方向に250mm、幅方向に10mmに切り取った
フィルム片に対して、長手方向に200mmの間隔を開
けて2つの印をつけ、該フィルムを23℃で長手方向に
5gfの一定張力で引っ張った状態で上記2つの印の間
隔(A)を測定し、続いて、フィルム片に張力をかけ
ず、該フィルム片を120℃の雰囲気のオーブンに12
0℃で5分間入れた後、上記2つの印の間隔(B)を測
定し、下記式より、フィルムの120℃における長手方
向の熱収縮率(HS120MD)を求めた。 HS120MD(%)=[(A−B)/A]×100
【0039】(3)加工適性 離型フィルムを用い、セラミックシート製造時のキャス
ト成形工程での工程異常(しわ、走行ズレ)の有無を目
視評価した。 ○:しわ、蛇行などの発生が無い △:しわおよび走行ずれが若干発生 ×:平面性悪化が見られ、しわや走行ずれ多い
【0040】(4)生分解性 離型フィルムを60℃のコンポスト中に1ヶ月間保存
し、1ヶ月後にこのフィルムを取りだし、その外観変化
と長手方向の引張強度の保持率(%)[(保存後の引張
強度/保存前の引張強度)×100]から生分解性の有
無を判定した。 ○:生分解性有り(顕著な外観変化が認められ、引張強
度の保持率が50%以下) ×:生分解性無し(顕著な外観変化がほとんど無く、引
張強度の保持率が50%超)
【0041】(5)常態剥離評価 フィルムの離型層面にポリエステル粘着テープ(ニット
ー31B)を貼合わせ、線圧5kgf/mmの圧着ロー
ラーで圧着した。室温で20時間放置後、離型層と粘着
テープとの剥離力を引張り試験機(剥離角度90°)に
て測定し、下記評価にて判定した。 A:8〜17未満(gf/50mm巾) B:17以上 (gf/50mm巾) C:8未満 (gf/50mm巾) 剥離力の好ましい範囲は、8gf/50mm巾以上、1
7gf/50mm巾未満であり、剥離力は強すぎても弱
すぎても好ましくない。
【0042】実施例1 重量平均分子量25万のポリ−L−乳酸100重量部に
対し、表面突起を形成するための不活性粒子として平均
粒子径が2.0μmの凝集体シリカ粒子を0.05重量
部添加したポリマーを、Tダイ付き口径30mm押出機
を使用して、樹脂温度210℃で押出した後、25℃の
チルロールで冷却し、厚さ620μmの未延伸フィルム
を得た。複数本のセラミックロールによりフィルム温度
を95℃に予熱しロール間で25000%/分の延伸速
度で縦方向に1.5倍延伸し、更に100℃で2.6倍
縦方向に延伸した。次いでテンター式延伸機で横方向に
80℃で3.9倍延伸した後、160℃で熱固定した
後、130℃で2.5%横弛緩処理を行ない、厚さ50
μmのポリ−L−乳酸の二軸延伸フィルムを得た。
【0043】このフィルムを基材として、付加反応硬化
型シリコーン樹脂KS−830(信越化学(株)製)を
溶剤希釈し、シリコーン樹脂100重量%に対し、1重
量%の白金触媒を添加し、シリコーン樹脂含有塗布液
(濃度:3重量%)を作成した。次に、ワイヤーバーに
て、フィルム表面にシリコーン樹脂塗布液を塗布し、1
20℃で30秒間、乾燥、硬化させ、離型フィルム(離
型層の乾燥固形分:0.05g/m2)を得た。表1に
この離型フィルムの特性を示す。
【0044】比較例1 実施例1において、縦延伸を複数本のセラミックロール
によりフィルム温度98℃に予熱し、ロール間で250
00%/分の延伸速度で縦方向に2.5倍に一段で延伸
した以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得
た。表1にこの離型フィルムの特性を示す。
【0045】比較例2 実施例1において、縦延伸を64℃で3.5倍に一段で
延伸した以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルム
を得た。表1にこの離型フィルムの特性を示す。
【0046】比較例3 実施例1において、縦延伸速度を4000%/分にした
以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。
表1にこの離型フィルムの特性を示す。
【0047】比較例4 実施例1において、熱固定温度を135℃で実施した以
外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。表
1にこの離型フィルムの特性を示す。
【0048】実施例2 実施例1において、熱固定温度を155℃で実施した以
外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。表
1にこの離型フィルムの特性を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明は、脂肪族ポリエステルフィルム
を用いた離型フィルムに関し、離型フィルムを使用し
て、粘着ラベルや粘着テープなどの台紙、セラミックシ
ートなどを製造する際の後加工適性に優れ、かつ従来通
りの離型フィルムとして使用が可能であり、離型フィル
ムとして使用した後には自然界で分解し、焼却処理など
の必要が無く、離型フィルムとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 久人 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 奥平 正 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F006 AA35 AA55 AB39 BA12 CA07 DA04 4F100 AK41A AK52B AK52C BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C CC00B CC00C EJ38A GB90 JA03 JC00A JL00 JL14B JL14C JN18A YY00 YY00A 4J002 CF181 CF191 FD200 GT00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
    R−CO−(RはHまたは、炭素数1〜3のアルキル
    基)である脂肪族ポリエステルを主成分としたポリマー
    からなり、厚み方向の屈折率(Nz)が1.440〜1.
    455であり、長手方向の屈折率(Nx)から幅方向の屈
    折率(Ny)を差し引いた値(Nx-Ny)が−0.020
    〜0であり、更に120℃における長手方向の熱収縮率
    が5%以下である脂肪族ポリエステル二軸延伸フィルム
    を基材とし、その少なくとも片面に離型層を設けてなる
    ことを特徴とする離型フィルム。
  2. 【請求項2】 前記脂肪族ポリエステル二軸延伸フィル
    ムの120℃における長手方向の熱収縮率が3%以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族系ポリエステルがポリ乳酸で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の離型フィ
    ルム。
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