JP2003286354A - 生分解性延伸フィルム - Google Patents

生分解性延伸フィルム

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JP2003286354A
JP2003286354A JP2003018152A JP2003018152A JP2003286354A JP 2003286354 A JP2003286354 A JP 2003286354A JP 2003018152 A JP2003018152 A JP 2003018152A JP 2003018152 A JP2003018152 A JP 2003018152A JP 2003286354 A JP2003286354 A JP 2003286354A
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film
biodegradable
polylactic acid
resin
less
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JP2003018152A
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English (en)
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Masayuki Sukigara
正幸 鋤柄
Hisao Koike
尚生 小池
Michihiro Hachitsuka
道浩 八塚
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度が
10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル
(B)との混合物からなる生分解性を有する、寸法安定
性と高速カット性と耐衝撃性に優れた延伸フィルムを提
供すること。 【解決手段】 ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温
度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエ
ステル(B)との混合物からなるフィルムにおいて、8
0℃、10秒加熱時の熱収縮率が10%以下であり、J
IS K 7128(B法)で測定した引裂強度が10
〜200mNの範囲内であり、ASTMD1709−9
1(A法)に準拠して測定した衝撃強度が単位厚み当た
り20mJ/μm以上であることを特徴とする生分解性
延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸系樹脂
(A)と、ガラス転移温度が10℃以下である(A)以
外の生分解性ポリエステル(B)とからなる生分解性を
有する延伸フィルムに関するものであり、更に詳しくは
寸法安定性を有し、高速カット性、耐衝撃性に優れた、
生分解性を有する延伸フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成高分子化合物はその優れた特性から
プラスチックとして広範囲に使用されるようになった
が、 その使用量の増加と共に廃棄物量も増大しており、
この廃棄プラスチックをどの様に処理するかが大きな社
会問題になっている。焼却すると、発熱量が大きいため
焼却炉を傷めやすい、有害物質を生成するおそれがある
等の問題点があり、埋め立てても腐らないためいつまで
も環境中に残留するという問題点がある。更に、 リサイ
クルは分別・回収、再生のコストを考えると早急な普及
は困難である。この様な環境問題の高まりの中で、環境
への負荷を低減して、社会を持続可能なものにするため
に、廃棄後に自然環境下で分解する生分解性プラスチッ
クが求められるようになっている。
【0003】これまでに知られている生分解性プラスチ
ックとしては、澱粉系ポリマー、微生物によって生産さ
れた脂肪族ポリエステル系樹脂、化学合成による脂肪族
ポリエステル系樹脂、及びそれらの化学構造を一部変性
したタイプの樹脂、生分解性の脂肪族芳香族ポリエステ
ル系樹脂などが知られている。これらの生分解性プラス
チックの中で、ポリ乳酸系樹脂は他の生分解性プラスチ
ックに比べて、透明性、剛性、加工性に優れ、特にその
延伸フィルムは、腰が強く、透明性に優れる点から、各
種包装用フィルム、袋、窓付き容器の窓貼り用フィル
ム、封筒窓貼り用フィルム、セロファン代替用フィルム
として適している。
【0004】一方、樹脂フィルムの用途においては、加
工機の進歩によって、加工速度の高速化が進んでいる。
封筒へのフィルムの窓貼りを例にあげると、従来は40
0〜600枚/分の処理速度で封筒の窓貼りを行ってい
たものが、窓貼り機の進歩によって、最近では800〜
1000枚/分、更には1000枚/分以上と高速化が
進み、フィルムの走行速度もより高速になり、走行速度
に遅れずに封筒窓サイズに合わせてフィルムをカットす
るために高速カット性の優れたフィルムが求められてい
るのが現状である。加えて加工速度の高速化に対応した
機械適性が求められており、特に高速運転しながらロー
ル状のフィルムが使用し終わる時に、次の新しいロール
に自動的に切り替え、自動的にフィルムをつなぐオート
スプライサーではフィルムに衝撃力が働くためにフィル
ムの耐衝撃性も必要になってくる。更に加工速度の高速
化に対応した機械適性や加工性などを得るために帯電防
止剤、滑り剤、およびブロッキング防止剤などをフィル
ム表面へコーティングして使用する用途も多く、特に封
筒窓用フィルムにおいては上記のようなコーティングは
必須である。それ故に封筒窓用フィルムにおいては高速
カット性に加えてコーティング後の乾燥プロセスにおけ
る寸法安定性も求められている。そして、この様な高速
カット性、耐衝撃性、寸法安定性の要求を満たすフィル
ムで、生分解性を有するフィルムはいまだ得られていな
い。
【0005】特許文献1には、結晶性ポリ乳酸からなる
動的粘弾性の温度依存性に関する試験方法における12
0℃での貯蔵弾性率E' が100〜230MPaである
二軸延伸ポリ乳酸系重合体フィルムがタッキング性に優
れ折り畳包装に適することが開示されているが、コーテ
ィング適性、および高速カット性を満足するフィルムは
開示されていない。また、特許文献2には、ポリ乳酸と
結晶性脂肪族ポリエステルからなる易引裂性ポリ乳酸系
二軸延伸フィルム、特許文献3には、ポリ乳酸とポリエ
チレンテレフタレート及び/またはポリエチレンイソフ
タレートからなる易引裂性ポリ乳酸系二軸延伸フィルム
が開示されているが、共に引裂直線性、手切れ性には優
れるが、高速カット性、耐衝撃性については開示されて
いない。また、特許文献4には生分解性を有し、帯電防
止性、滑り性およびブロッキング防止性をバランスさ
せ、紙との接着性にも優れるポリ乳酸系樹脂フィルムが
開示されているが、高速カット性に関しては開示されて
いない。
【0006】また、フラット法による製膜技術は、チュ
ーブラー法に比べてフィルムの厚み斑が少なく、また単
位時間あたりの生産量を大きくできる点およびフィルム
の厚みが厚い場合にはフラット法でないと製膜できない
点でチューブラー法に比べて有利であるが、設備建設費
はチューブラー法の設備に比べて数倍以上となり、ま
た、少品種大量生産には向くが、フィルムの市場規模が
比較的小さく、多品種少量生産の必要な場合、および厚
みが薄くなりチューブラー法が適用できるようになると
チューブラー法が経済的に有利になってくる。
【0007】
【特許文献1】特開2001−122989号公報
【特許文献2】特開2000−198913号公報
【特許文献3】特開2001−64413号公報
【特許文献4】特開2001−354789号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリ乳酸系
樹脂(A)と、ガラス転移温度が10℃以下である
(A)以外の生分解性ポリエステル(B)とからなる生
分解性を有する延伸フィルムを提供することを目的とす
るものであり、更に詳しくは、寸法安定性を有し、高速
カット性と耐衝撃性に優れた、生分解性を有する延伸フ
ィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、驚くべきこと
に特定の寸法安定性、引裂強度、衝撃強度を有する、ポ
リ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度が10℃以下で
ある(A)以外の生分解性ポリエステル(B)とからな
る生分解性延伸フィルムを用いることで本発明の目的を
達成しうることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は下記の通りである。 1.ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度Tgが1
0℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル
(B)との混合物からなるフィルムにおいて、80℃、
10秒加熱時の熱収縮率が10%以下であり、JIS
K 7128(B法)で測定した引裂強度が10〜20
0mNの範囲内であり、ASTM D 1709−91
(A法)に準拠して測定した衝撃強度が単位厚み当たり
20mJ/μm以上であることを特徴とする生分解性延
伸フィルムを提供することである。また、 2.ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度Tgが1
0℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル
(B)との混合物からなるフィルムにおいて、80℃、
10秒加熱時の熱収縮率が5%以下であり、JIS K
7128(B法)で測定した引裂強度が10〜130
mNの範囲内であり、ASTM D 1709−91
(A法)に準拠して測定した衝撃強度が単位厚み当たり
30mJ/μm以上であり、且つ濁度計(ASTM D
1003−95)で測定した曇り度(Haze)が1
0%未満であることを特徴とする1に記載の生分解性延
伸フィルムを提供することである。また、
【0011】3.ポリ乳酸系樹脂(A)相マトリックス
中に、ガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以
外の生分解性ポリエステル(B)相の90%以上が板状
の形態でミクロ相分離して存在し、該板状相の平均厚さ
が5nm以上で100nm以下であることを特徴とする
1または2に記載の生分解性延伸フィルムを提供するこ
とである。また、 4.ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度Tgが1
0℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル
(B)との重量比率が(A):(B)が95:5〜5
5:45の範囲内で混合されていることを特徴とする1
〜3のいずれかに記載の生分解性延伸フィルムを提供す
ることである。また、
【0012】5.ASTM−F1921−98に準拠し
たヒートシール部位25.4mm幅当りのホットタック
強度のピーク値が5N以上であることを特徴とする1〜
4のいずれかに記載の生分解性延伸フィルムを提供する
ことである。また、 6.円筒ダイより押出した溶融樹脂で第一バブルを形成
し、ポリ乳酸系樹脂(A)のガラス転移温度Tg+20
℃以下の温度まで樹脂を冷却し、その後、再度樹脂をポ
リ乳酸系樹脂(A)のTg以上融点Tm以下の温度まで
加熱して第二のバブルを形成しチューブラー延伸を行
い、その後ポリ乳酸系樹脂(A)のTg以上融点Tm以
下の温度で熱処理することを特徴とする1〜5のいずれ
かに記載の生分解性延伸フィルムの製造方法を提供する
ことである。
【0013】本発明について、以下に具体的に説明す
る。本発明の生分解性延伸フィルムは、ポリ乳酸系樹脂
(A)と、ガラス転移温度が10℃以下である(A)以
外の生分解性ポリエステル(B)との混合物からなる。
該ポリ乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸単独重合体および乳酸
単量体単位を50重量%以上含有する共重合体であっ
て、ポリ乳酸単独重合体および乳酸と他のヒドロキシカ
ルボン酸およびラクトン類からなる群より選ばれる化合
物との共重合体である。乳酸単量体単位の含有量が50
重量%未満の場合、フィルムの耐熱性および透明性が低
下する傾向にある。好ましくはポリ乳酸単独重合体およ
び乳酸単量体単位を80重量%以上含む共重合体又はそ
れら共重合体の混合物であり、 さらに好ましくは、ポリ
乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を90重量%以上
含む共重合体又はそれら共重合体の混合物である。
【0014】乳酸には光学異性体として、L−乳酸とD
−乳酸が存在し、それらが重合してできるポリ乳酸に
は、D−乳酸単位が約10%以下でL−乳酸単位が約9
0%以上、又はL−乳酸単位が約10%以下でD−乳酸
単位が約90%以上であるポリ乳酸で、光学純度が約8
0%以上の結晶性ポリ乳酸と、D−乳酸単位が10%〜
90%でL−乳酸単位が90%〜10%であるポリ乳酸
で、光学純度が約80%以下の非晶性ポリ乳酸とがある
ことが知られている。本発明で用いるポリ乳酸系樹脂
(A)は特に好ましくは、光学純度が85%以上の結晶
性ポリ乳酸単独、又は光学純度が85%以上の結晶性ポ
リ乳酸と光学純度が80%以下の非晶性ポリ乳酸とから
なる混合物である。乳酸との共重合成分として用いられ
る単量体として、ヒドロキシカルボン酸としては、グリ
コール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、
3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒ
ドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0015】また、脂肪族環状エステルとしては、グリ
コリド、ラクチド、β−プロピオラクトン、γ−ブチロ
ラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンお
よびこれらにメチル基などの種々の基が置換したラクト
ン類が挙げられる。また、ジカルボン酸としては、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等、多価アルコール
としてはビスフェノール/エチレンオキサイド付加反応
物などの芳香族多価アルコール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオ
ール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ト
リメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの
脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げら
れる。
【0016】ポリ乳酸系樹脂(A)の重合方法として
は、縮合重合法、開環重合法などの公知の方法を採用で
きる。また、ポリイソシアネート、ポリエポキシ化合
物、酸無水物、多官能酸塩化物などの結合剤を使用して
分子量を増大する方法を用いることもできる。ポリ乳酸
系樹脂(A)の重量平均分子量は10000〜1000
000の範囲が好ましい。分子量が10000未満では
機械的物性の劣るフィルムしか得られず、100000
0を超えると溶融粘度が高くなり、通常の加工機械では
物性の安定したフィルムが得られなくなる。
【0017】本発明で用いられるガラス転移温度が10
℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)
とは、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主成分と
して重縮合した脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を
開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエ
ステル、菌体内で生合成されるポリ(ヒドロキシアルカ
ン酸)などの脂肪族ポリエステル、およびこれらの生分
解性ポリエステルの一部が生分解性を失わない範囲で芳
香族化合物に置換された構造を持つ脂肪族芳香族ポリエ
ステルから選ばれた少なくとも1種であり、示差走査熱
量測定(JIS−K−7121)でのガラス転移温度T
gが10℃以下、好ましくは0℃以下、より好ましく
は、−20℃以下の生分解性ポリエステル1種または2
種以上からなるポリマー組成物である。生分解性ポリエ
ステル(B)のTgが10℃を超えると得られるフィル
ムの耐衝撃性向上の効果を発現しない場合が多い。
【0018】脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主
成分として重縮合した脂肪族ポリエステルとしては、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン
酸(生分解性を妨げない範囲で、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族カルボン酸を含んでも良い)と、エチ
レングリコール、1,3−プロピオングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
−ル等の脂肪族ジオールの中からそれぞれ1種以上選ん
だ重縮合が例として挙げられる。環状ラクトン類を開環
重合した脂肪族ポリエステルとしては、ε−カプロラク
トン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラ
クトン等の環状モノマーの中から1種以上選んだ開環重
合体が例として挙げられる。合成系脂肪族ポリエステル
としては、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド等の環状酸無水物とオキシラン類の共重
合体が例として挙げられる。また、菌体内で生合成され
るポリ(ヒドロキシアルカン酸)としては、ポリ(3−
ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシプロピオン
酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒド
ロキシ酪酸−3−ヒドロキシ吉草酸)共重合体、ポリ
(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシヘキサン酸)共
重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシプ
ロピオン酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−4
−ヒドロキシ酪酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪
酸−3−ヒドロキシオクタン酸)共重合体、ポリ(3−
ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシデカン酸)共重合体等
が例として挙げられる。また、脂肪族芳香族ポリエステ
ルとしては、ポリブチレンコハク酸フタル酸共重合体、
ポリエチレンコハク酸フタル酸共重合体、ポリブチレン
アジピン酸フタル酸共重合体、ポリエチレンアジピン酸
フタル酸共重合体、ポリエチレングルタル酸テレフタル
酸共重合体、ポリブチレングルタル酸テレフタル酸共重
合体、ポリブチレンコハク酸アジピン酸フタル酸共重合
体などが例として挙げられる。
【0019】本発明で用いられるガラス転移温度Tgが
10℃以下の生分解性ポリエステル(B)として特に好
ましく用いられるものは、上記の内で比較的透明性の良
いとされる炭素数2個から10個の脂肪族ジカルボン酸
と炭素数2個から10個の脂肪族ジオールを主成分とし
て重縮合した脂肪族ポリエステルであり、その具体例と
しては、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジ
ペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキセンアジペ
ート、ポリブチレングルタレート、ポリブチレンサクシ
ネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなどが挙
げられる。
【0020】生分解性ポリエステル(B)の重合方法と
しては、直接法、間接法などの公知の方法を採用でき
る。直接法では、例えば、脂肪族ジカルボン酸成分とし
て上記ジカルボン酸化合物その酸無水物又は誘導体を選
択し、脂肪族ジオール成分として上記ジオール化合物又
はその誘導体を選択して重縮合を行う方法で、重縮合に
際して発生する水分を除去しながら高分子量物を得るこ
とができる。間接法では、直接法により重縮合されたオ
リゴマーに少量の鎖延長剤、例えば、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート等のジイソシアネート化合物を添加して高分子量化
して得ることができる。生分解性ポリエステル(B)の
重量平均分子量は、2万〜50万の範囲が好ましく、さ
らに好ましくは重量平均分子量5万〜25万の範囲であ
る。分子量が2万より小さいとポリ乳酸系樹脂(A)と
ブレンドされ延伸して得られたフィルムにおいて機械的
強度、衝撃強度等の実用物性の向上が十分に得られず、
分子量が50万を越えると成形加工性に劣る問題があ
る。また、溶融押出時におけるポリ乳酸系樹脂(A)と
生分解性ポリエステル(B)の粘度のバランスが得られ
るフィルムにおけるミクロ相分離構造に影響を与えるた
め、ポリ乳酸系樹脂(A)の分子量にあわせて生分解性
ポリエステル(B)の分子量を選択する事が好ましい。
【0021】本発明のポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転
移温度Tgが10℃以下の(A)以外の生分解性ポリエ
ステル(B)の混合物の重量割合(合計100%)は、
好ましくは(A):(B)=95:5〜55:45の範
囲内である。生分解性ポリエステル(B)が5%未満で
あると耐衝撃性の改善が不充分であり、第二のバブルを
形成してチューブラー延伸する際にバブルの破裂が多発
して延伸フィルムが安定して得られない。また、45%
を超えると溶融張力の低下やダイスエル現象などによる
原因により製膜性が困難となる場合があり、更には、生
分解性ポリエステル(B)の板状相の厚みも大きくなっ
て透明性が低下する傾向にある。更に好ましい重量割合
は(A):(B)=90:10〜60:40で、特に好
ましくは(A):(B)=90:10〜70:30の範
囲である。
【0022】又、本発明の生分解性延伸フィルムにおけ
るポリ乳酸系樹脂(A)と生分解性ポリエステル(B)
は、フィルムの切断面を観察した際(A)相マトリック
ス中に分散して存在する(B)相ドメインの90%以上
が板状の形態でミクロ相分離していることが好ましく、
且つ該板状相の平均厚さが5nm以上、100nm以下
である様にミクロ相分離しているものが好ましく、更に
好ましくは該板状相の平均厚さが5nm〜80nmの範
囲内で存在し、特に好ましくは10〜60nmの範囲内
でミクロ相分離構造を取るものである。ここで、板状相
とは平面板状のみでなく曲面状の板状相、3次元的にね
じれた曲面板状相およびこれらの板状相が部分的に折れ
曲がった形の板状相も含むものである。後述の方法で切
断面を電子顕微鏡写真で観察した場合、例えば図2のよ
うに線状に見える部分が板状相であり、これをとりまい
た白い部分が(A)相マトリックスである。このような
ミクロ相分離構造をとることで、(A)相マトリックス
中の薄い板状の(B)相ドメインがフィルムの衝撃強度
を効果的に向上させて且つ透明性を阻害しない厚さとな
っているので、耐衝撃性と透明性の優れるフィルムとな
る。
【0023】フィルムの切断面における板状相の平均厚
さが100nmを超えると、例えば、透過性を阻害する
要因としての生分解性ポリエステル(B)の結晶サイズ
が可視光波長(約400〜800nm)より大きくなる
などして、透明性が低下する傾向にある。また、板状相
の平均厚みが5nm未満では衝撃強度などの物性改良効
果が少なくなる。フィルムのMD方向及び/又はTD方
向の切断面における板状相の長さは、好ましくは約1μ
m以上、より好ましくは約5μm以上である。本発明の
生分解性延伸フィルムは、80℃、10秒加熱時の熱収
縮率が10%以下であることが必要である。80℃、1
0秒加熱時の熱収縮率が10%を超えるフィルムは、帯
電防止剤、滑り剤およびブロッキング防止剤などのコー
ティング後の乾燥工程において乾燥用熱風等からの熱に
よりMD方向、TD方向に熱収縮を起こし、フィルム表
面にシワを生じ、外観の良好なフィルムが得られ難くな
る。80℃、10秒加熱時の熱収縮率は、好ましくは5
%以下であり、更に好ましくは3%以下であり、特に好
ましくは2%以下である。
【0024】本発明の生分解性延伸フィルムは、JIS
K 7128(B法)で測定した引裂強度が10〜2
00mNの範囲内であることが必要である。好ましくは
引裂強度は10〜130mNの範囲内であり、更に好ま
しくは10〜80mNの範囲内であり、特に好ましくは
10〜60mNの範囲内である。引裂強度が10mN未
満ではフィルムのスリット作業時などにフィルム切れが
多発するようになる。また、引裂強度が200mNを超
えるフィルムでは高速カット性が劣り、高速の製袋装
置、高速の加工機に対応でき難くなる。引裂強度が10
〜200mNの範囲内であるフィルムを得るためには、
後述する第二MD方向速度比および第二ブローアップ比
を2.0以上にし、且つ(第二ブローアップ比)(第二
MD方向速度比)の値は0.6〜2.0の範囲内にする
ことが好ましい。
【0025】本発明の生分解性延伸フィルムはASTM
D 1709−91(A法)に準拠して測定した衝撃
強度が単位厚み当たり20mJ/μm以上であることが
必要である。使用に際して必要となる衝撃強度は用途よ
って異なるが、衝撃強度が単位厚み当たり20mJ/μ
m未満では、一般的に使用される10μm程度のポリエ
チレン系フィルム、塩ビ系フィルム並みの2J程度の衝
撃強度を得るために必要なフィルム厚みが100μmを
超えることになり、耐衝撃性は得られても透明性が劣
り、且つフィルムコストも高くなってしまう。また、機
械との適性のため従来使用されていたフィルムと同程度
の厚さのフィルムが求められるため、単に厚みを増すこ
とによって耐衝撃性を得ることができない場合がある。
【0026】さらに、単位厚み当たりの衝撃強度が20
mJ/μm未満では、後述する高速走行時からのオート
スプライサー適性(
【発明の実施の形態】「(13)オートスプライサー適
性」)が劣り、フィルムつなぎ操作の際に破断すること
がある。単位厚み当たりの衝撃強度は、好ましくは30
mJ/μm以上であり、更に好ましくは50mJ/μm
以上であり、特に好ましくは60mJ/μm以上であ
る。衝撃強度が単位厚み当たり20mJ/μm以上のフ
ィルムを得るためには、第二MD方向速度比および第二
ブローアップ比を2.0以上にすることが好ましい。
【0027】本発明の生分解性延伸フィルムは、濁度計
(ASTM D 1003−95)で測定した曇り度
(Haze)が10%未満であることが好ましい。更に
好ましくは曇り度(Haze)が8%未満であり、特に
好ましくは5%未満である。10%以上になると透明性
が劣り、被包装物がフィルムを通して鮮明に見えなくな
り、美観を損ねて商品価値を低下させる。曇り度(Ha
ze)が10%未満であるフィルムを得るためには、本
発明で用いるポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度
Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエス
テル(B)との重量比率において(A)の比率が55%
以上(B)の比率が45%以下の範囲内で混合されてい
ることが好ましい。また、ポリ乳酸系樹脂(A)相マト
リックス中に、ガラス転移温度Tgが10℃以下である
(A)以外の生分解性ポリエステル(B)相の90%以
上が板状相の形態でミクロ相分離して存在し、該板状相
の平均厚さが5nm以上、100nm以下であることが
好ましい。
【0028】加えて、本発明の生分解性延伸フィルム
は、ASTM−F1921−98に準拠したヒートシー
ル部位25.4mm幅当りのホットタック強度のピーク
値が5N以上であることが好ましい。ホットタック強度
のピーク値が5N未満ではヒートシール強度が不足し
て、フィルムを熱融着して使用する用途において機能を
果たせないことがある。更に好ましくはホットタック強
度のピーク値が10N以上のフィルムであり、特に好ま
しくはホットタック強度のピーク値が15N以上のフィ
ルムである。ホットタック強度のピーク値が5N以上で
あるフィルムを得るためには、本発明で用いるポリ乳酸
系樹脂(A)と、ガラス転移温度Tgが10℃以下であ
る(A)以外の生分解性ポリエステル(B)との重量比
率において(A)の比率が95〜55%(B)の比率が
5〜45%の範囲内で混合されていることが好ましい。
【0029】延伸後のフィルム厚さは、好ましくは5〜
80μmであり、より好ましくは6〜50μmで、さら
に好ましくは7〜30μmであるが、本発明では特に限
定されるものではない。本発明の生分解性延伸フィルム
は、用途によっては帯電防止剤、滑り剤およびブロッキ
ング防止剤などのコーティングを行って使用されること
が好ましい。この場合、ポリ乳酸系樹脂フィルムは、 ポ
リオレフィン系樹脂フィルムやポリスチレン系樹脂フィ
ルムに比べて親水性であるが、帯電防止剤、滑り剤およ
びブロッキング防止剤などを、本発明の生分解性延伸フ
ィルム表面に均一に塗布するためには、塗布面となるフ
ィルム表面をコロナ処理によりさらに親水化処理するこ
とが好ましい。この親水化処理によって、塗膜の均一性
が向上し、帯電防止性や滑り性が効率的に発揮される。
その際の表面張力としては、400μN/cm〜600
μN/cmの範囲が好ましい。
【0030】本発明の生分解性延伸フィルムは、ポリ乳
酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度が10℃以下である
(A)以外の生分解性ポリエステル(B)とからなるた
め生分解性を有し、寸法安定性を有し、高速カット性と
耐衝撃性に優れたフィルムであるので一般包装用フィル
ム、封筒窓用フィルム、一般袋用フィルムとして有効で
ある。本発明の生分解性延伸フィルムには、上記の樹脂
の他に、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、および紫外線
吸収剤、防曇剤、 帯電防止剤、防錆剤などの公知の添加
剤を、本発明の要件と特性を損なわない範囲で配合する
ことが可能である。特に包装フィルムとして使用時に突
起を生じる場合などには、その突起部分で取扱者が手な
どに切り傷を負うことがあるためフィルムに柔軟性が必
要となるので、必要に応じて可塑剤などを添加してフィ
ルムに柔軟性を付与することが好ましい。
【0031】また、 本発明の延伸フィルムは単層フィル
ムでも多層フィルムでも良い。特にフィルム本体の物性
を維持しながらフィルムの表面特性のみを改良する場合
には、必要最小限の厚みにコントロールした表層のみに
機能を発現する添加剤を加えて、中間層はフィルム物性
を維持する組成からなる多層フィルムとすることで、フ
ィルム本体の物性の変化を最小限にしながら目的とする
表面特性を付与できるので好ましい。特に好ましくは表
層に有機物および、または無機物の滑り剤、帯電防止
剤、防曇剤などを含む層を有する多層フィルムである。
また、表層にブロッキング防止剤を含む層を持つ層構成
にすることで、加工時の延伸前の樹脂及び延伸後のフィ
ルムのブロッキング、シワを防止でき、加工性が向上す
るので好ましい。
【0032】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て述べる。本発明の生分解性延伸フィルムは、形態別分
類としてチューブラー法、フラット法、及び方式別分類
として逐次延伸法、同時延伸法のどの方法を用いても製
膜できるが、チューブラー延伸法で同時二軸延伸するこ
とが好ましい。チューブラー延伸法とは例えば株式会社
産業調査会 事典出版センターの1997年3月24日
発行の「実用プラスチック成型加工事典」のページ37
4ページから377ページに記載されている様な方法で
ある。具体的には単軸又は二軸押出機に原料樹脂を供給
して溶融混合し、そのまま円筒ダイよりチューブ状に押
出された溶融樹脂で第一バブルを形成し、水冷または空
冷でガラス転移温度(Tg)+20℃以下の温度まで樹
脂を急冷し、ピンチロールでピンチして、 チューブ状樹
脂をフラットにして引き取り、その後、赤外線ヒーター
加熱、または熱風加熱などの方法で再度、樹脂をTg以
上Tm以下の温度まで加熱した後に空気等の気体、また
は水等の液体を用いて第二のバブルを形成することでM
D方向とTD方向を同時にチューブラー延伸し、その後
Tg以下の温度まで冷却し、ピンチロールでピンチを
し、チューブ状延伸フィルムをフラット状にして引き取
り、その後巻き取ることによって二軸延伸フィルムを得
るものである。本発明の生分解性延伸フィルムの製造に
おいては、加えて延伸後のフィルムをポリ乳酸系樹脂の
Tg以上、Tm以下の温度で熱処理することによって寸
法安定性を向上させることが必要である。その方法とし
ては、チューブラー法であれば、第二バブルを形成、チ
ューブラー延伸後、ピンチロールでピンチして、第三の
バブルを形成して内部に気体を密封して圧力を保持して
フィルムを緊張状態にしてチューブ状フィルムに外部か
ら熱風、赤外線等の熱源を用いて使用したポリ乳酸系樹
脂のガラス転移温度Tg以上、融点Tm以下の温度で熱
処理する方法、または一旦フラットフィルムに切り出し
た後にクリップで両端を把持した状態で熱処理ゾーンを
通過させる方法、または熱ロールに接触させて熱処理す
る方法がある。好ましい熱処理条件としては、フィルム
のガラス転移温度Tg以上で融点Tm以下の温度範囲
で、1秒以上熱処理する方法であり、特に好ましくはT
g+5℃以上、融点以下の温度範囲で2秒以上熱処理す
る方法である。熱収縮率を下げる目的で、TD方向、及
び/又はMD方向に張力を緩和させて熱処理することも
熱収縮率を低下させるのに有効である。
【0033】このチューブラー延伸法のフラット延伸法
と比べた場合のメリットは、設備費が比較的安価で操作
が容易である事、適用樹脂の範囲が広い事、大量生産に
は向かないが、中規模の生産、多品種な生産に適す事、
成形条件をコントロールする事でフィルムの長手方向
(MD方向)および横方向(TD方向)のバランスの取
れたフィルムが得られる事、フラット法に比べて耳ロス
が少ない事、チューブ状で得られるので包装用の袋に
は、シームレスの袋が得られ、底シールのみでよく便利
である事、一端を切り開いて広幅のフィルムにもでき、
また両端を切って2枚のフィルムにする事もできる事、
空気の吹き込み量の調整でフィルム幅を広範囲に変えら
れる事などである。
【0034】本発明の生分解性延伸フィルムをチューブ
ラー法で製造する場合の製膜条件として、第一のバブル
を本発明で用いるポリ乳酸系樹脂(A)のガラス転移温
度(Tg)+20℃以下に冷却することが好ましく、更
に好ましくはポリ乳酸系樹脂(A)のガラス転移温度
(Tg)+10℃以下に冷却することである。また、第
二のバブル延伸開始時の樹脂の温度は、本発明で用いる
ポリ乳酸系樹脂(A)のTg以上Tm以下の温度が好ま
しく、更に好ましくはTg+5℃以上、Tg+50℃以
下の範囲の温度が好ましい。その後に、空気等の気体、
または水等の液体を用いて第二のバブルを形成すること
でMD方向とTD方向を同時に延伸し、その後、本発明
で用いるポリ乳酸系樹脂(A)のTg以下の温度まで冷
却することによって延伸フィルムを得て、更に上記の通
り熱処理をすることによって得られるものである。
【0035】第一のバブルを形成する際の第一MD方向
速度比は1.5以上が好ましく、第一ブローアップ比は
1.1以上が好ましい。更に好ましくは第一MD方向速
度比が2.5以上、第一ブローアップ比が1.2以上で
あり、特に好ましくは、第一MD方向速度比は4.0以
上であり、且つ第一ブローアップ比が1.4以上であ
る。これらの値は次式で求められる。 第一MD方向速度比=(第一バブルを形成し冷却後のチ
ューブ状樹脂をピンチロールで引き取る速度)÷(押出
量とダイリップ開口部面積から計算で求めたダイ出口で
溶融樹脂の流れ出るMD方向の速度) 第一ブローアップ比=(第一バブルを形成し冷却後のチ
ューブ状樹脂を切り開きフラット状にした時の樹脂チュ
ーブの全幅)÷(外側ダイリップ周長と内側ダイリップ
周長との平均値)
【0036】第二のバブルを形成する際の第二MD方向
速度比、第二ブローアップ比は最終的に得られる本発明
の生分解性延伸フィルムの熱収縮率、引裂強度、衝撃強
度、曇り度に大きく影響する。好ましくは第二MD方向
速度比が2.0以上で且つ第二ブローアップ比が2.0
以上の場合であり、更に好ましくは第二MD方向速度比
は2.2以上で且つ第二ブローアップ比は2.5以上で
あり、特に好ましくは第二MD方向速度比が2.5〜
5.0の範囲であり且つ第二ブローアップ比は3.0〜
5.0の範囲である。また、(第二ブローアップ比)
(第二MD方向速度比)の値は0.6〜2.0の範囲が
好ましく、特に好ましくは0.8〜1.4の範囲内であ
る。ここで用いる第二MD方向速度比、第二ブローアッ
プ比は以下の式で求められる値である。 第二MD方向速度比=(第二バブルでの延伸後のMD方
向ライン速度)÷(第二バブルでの延伸前のMD方向ラ
イン速度) 第二ブローアップ比=(第二バブルでの延伸、冷却後の
フィルムのTD方向の折り幅)÷(第二バブルでの延伸
前の樹脂チューブのTD方向の折り幅)
【0037】
【発明の実施の形態】実施例および比較例によって本発
明を説明する。実施例および比較例で用いた評価方法に
ついて以下に説明する。 (1)ポリ乳酸重合体のD、L乳酸組成、光学純度 ポリ乳酸重合体の光学純度は、前述の通りポリ乳酸重合
体を構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の
構成比率から下記式により計算される。 光学純度(%)=|[L]−[D]| ,但し、[L]
+[D]=100 (|[L]−[D]|は[L]−[D]の絶対値を表
す。) ポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸
単量体単位の構成比率は、試料を1N−NaOHでアル
カリ分解後に1N−HClで中和して蒸留水で濃度調整
した加水分解試料(液)について、光学異性体分離カラ
ムを装着した島津製作所製の高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC:LC−10A−VP)にて、紫外線UV
254nmでのL−乳酸とD−乳酸の検出ピーク面積比
(垂線法による面積測定)から、ポリ乳酸重合体を構成
するL−乳酸の重量比率[L](単位%)、ポリ乳酸重
合体を構成するD−乳酸の重量比率[D](単位%)を
求め、1重合体当り3点の算術平均(四捨五入)をもっ
て測定値とした。
【0038】(2)ポリ乳酸重合体の重量平均分子量M
w 東ソー製のゲルパーミエイションクロマトグラフィー装
置(GPC:データ処理部GPC−8020、検出器R
I−8020)を用いて、以下の測定条件で、標準ポリ
スチレンを用いてポリスチレン換算して重量平均分子量
Mwを求め、1重合体当り3点の算術平均(四捨五入)
をもって測定値とした。 カラム:昭和電工製Shodex K−805とK−801の
連結カラム[7.8mm径×60cm長] 溶離液:クロロホルム 試料溶液濃度:0.2wt/vol% 試料溶液注入量:200L 溶媒流速:1ml/分 カラム・検出器温度:40℃
【0039】(3)ガラス転移点(Tg)、融点(T
m) JIS−K7121及びJIS−K7122に準拠し
て、示差走査熱量計(DSC)で−100℃から200
℃まで昇温して、Tg、Tmを測定した。すなわち、標
準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間
放置)したサンプルから約10mgを切り出した後、パ
ーキンエルマー(Perkin−Elmer)社製の示
差走査熱量計(熱流速型DSC)、DSC−7型を用い
て、窒素ガス流量25ml/分、10℃/分で−100
℃から200℃まで昇温し、描かれるDSC曲線の昇温
時の融解(吸熱)ピーク頂点から融点Tm(℃)、昇温
時の階段状変化部分曲線と各ベースライン延長線から縦
軸方向に等距離にある直線との交点(中間点ガラス転移
温度)をTg(単位℃)として測定し、1製品当り4点
の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。 (4)フィルム厚さ(μm) フィルムの厚さは、JIS K 7130に従い、マイ
クロメータを用いて測定した。
【0040】(5)ミクロ相分離した生分解性ポリエス
テル(B)の板状相の平均厚さ測定(nm) 標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週
間放置)したフィルムから試験片として10mm角のフ
ィルムに切り出した後、四酸化オスミウム及び四酸化ル
テニウムの二重染色を施し、エポキシ系樹脂に包埋した
後、ウルトラミクロトーム、LKB2088を用いて超
薄切り片を、該フィルムの平面に垂直に切り出し、検鏡
試料とした。該検鏡試料について、日立製作所製の透過
型電子顕微鏡(TEM)、H7100型を用いて(MD
及びTD方向の断面が観察面)、4万倍の倍率の測定写
真を得た。得られた測定写真から染色された生分解性ポ
リエステル(B)相のドメインのうち、10%未満の球
状(楕円状)のゲル状異物を除いた主要な(90%以上
の)形態として存在する板状相について以下の通り厚さ
測定を実施した。即ち、該測定写真を縦、横にそれぞれ
5分割して得られる合計25の各分割区分中において、
染色界面の比較的明確で板状相の重なりの無い部分を1
点を選んで板状相の厚さを測定し、これら25分割から
得られる25点の板状相の厚さの平均値をフィルムの板
状相の平均厚さ(nm)とした。
【0041】(6)熱収縮率 フィルムサンプルから1辺がフィルムのMD方向に平行
になる様に150mm角の試験片を切り出し、1辺がM
D方向に平行になる様に100mm角の正方形を描き、
その中に更に10mm間隔でMD方向、TD方向に平行
に各9本の直線を引き10mm角の升目を描いた試験片
を作成し、それを80℃に設定した熱風乾燥機中に10
秒間保持してフィルムを自由収縮させた。熱収縮率は、
MD方向、TD方向に引いた11本の線の寸法より次式
を使って求め、MD方向、TD方向それぞれの平均値を
求めて熱収縮率とした。 熱収縮率(%)=[ (加熱収縮前の線の寸法)−(加熱
収縮後の線の寸法)]/(加熱収縮前の線の寸法)×1
00 熱収縮率は以下の様に評価した。 ◎ :80℃、10秒加熱時の熱収縮率が2%以下で寸
法安定性が特に優れるフィルム。 ○ :80℃、10秒加熱時の熱収縮率が2%より大き
くて10%以下で寸法安定性が優れるフィルム。 × :80℃、10秒加熱時の熱収縮率が10%を超え
て寸法安定性が劣るフィルム。
【0042】(7)衝撃強度(mJ)、単位厚み当りの
衝撃強度(mJ/μm) 標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週
間放置)したポリ乳酸系樹脂フィルムから試験片として
25μm厚み×225mm×250mm角の四角形状フ
ィルムを1種フィルム当り30枚切り出した後、AST
M−D1709−91(A法)に準拠して、東洋精機製
のダート衝撃試験装置を用いて、50%破壊エネルギー
(Dart強度:単位mJ)を標準状態下で測定した
(有効数字2桁)。また、単位厚み当りの衝撃強度(m
J/μm)は(7)で求めた衝撃強度(mJ)を(4)
で求めたフィルム厚さ(μm)で割って求めた。
【0043】 (8)引張破断強度(MPa)、 引張破断伸び(%) フィルムの引張破断強度、 引張破断伸びはASTM D
882に従って測定した。 (9)引裂強度(mN) フィルムの引裂強度(mN)はJIS K7128( B
法) に従って測定した。 (10)曇り度(Haze、%) 標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週
間放置)したフィルムサンプルから試験片として25μ
m厚み×50mm角の正方形状フィルムに切り出した
後、ASTM D1003−95に準拠して、日本電色
工業製の濁度計(ヘーズメーター)、NDH−1001
DP型を用いて、曇り度(Haze:単位%)を標準状
態下で測定し、1種フィルム当たり6点の算術平均値
(有効数字2桁)をもって測定値とした。
【0044】(11)熱融着性 標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週
間放置)したフィルムサンプルから試験片として長手方
向(MD)に250mm長×25.4mm幅(=1in
ch幅)の短冊状フィルムを3点切り出した後、AST
M−F1921−98に準拠してTheller社製の
ホットタック測定器を用いて、ダイの開放後1000m
S(=1秒)までの間に観測されるピーク強度であるホ
ットタック強度(HT強度:単位N/1inch幅)を
以下のシール条件で測定した。 上部ダイ形状:60度V字型(先端断面R=1mmの半
丸状×5.25inch長)金属製ダイ 下部ダイ形状:平型(0.5inch幅×5.25in
ch長)ゴムライニングダイ シール面寸法:1inch×1mm シール温度:(上部ダイ温度)110℃、(下部ダイ温
度)25℃ シール時間:1000mS シール圧力:13±1MPa
【0045】フィルムの熱融着性は、フィルムが巻物状
原反フィルムの状態から包装機械又は製袋機にて連続し
て包装体やバッグ等にヒートシール加工する場合に、被
包装物がシール部より破出したりシール部が部分的に剥
離(又は破断)しない連続ヒートシール安定性の観点か
ら、包装機械や製袋機における高速ヒートシール強度に
相当するホットタック強度(HT強度:ピーク強度、単
位N/1inchW)により、以下のように評価した。 ◎ :ホットタック強度が10N/1inch幅以上
で、十分な強度があり、被包装体の破出やシール線破れ
が全くなく、非常に良好である。 ○ :ホットタック強度が5N/1inch幅以上10
N/1inch幅未満で、実用上問題ないレベルで被包
装体の破出やシール線破れがない。 × :ホットタック強度が5N/1inch幅未満でシ
ール部が剥離(破断)し、被包装物が破出する場合があ
る。
【0046】(12)高速カット性 フィルムの高速カット性を評価するため、封筒窓貼り機
(WINKLER+DUNNERBIER社製のHELIOS202型)にて、1
35×235mmの封筒(紙製)にある50×90mm
の窓枠に、カット速度を変えて封筒の窓貼りを行い、封
筒窓枠の位置ズレを目視で評価して、位置ズレを起こさ
ずに窓貼りができる、実用可能な上限のカット速度を測
定した。その結果から、以下の基準でフィルムの高速カ
ット性を評価した。 ◎ :カット速度500枚/分を超えてカットでき且つ
位置ズレを生じないで窓貼りできるフィルム。 ○ :カット速度400枚〜500枚/分でカットでき
且つ位置ズレを生じないで窓貼りできるフィルム。 × :カット速度400枚/以上ではカットできない
か、カットできても遅れを生じて位置ズレを生じるフィ
ルム。
【0047】(13)オートスプライサー適性 高速走行している状態から、ロール状のフィルムが使用
し終わる時に、次の新しいロールに自動的に切り替え、
自動的にフィルムをつなぐオートスプライサーではフィ
ルム走行速度を昇降する場合およびフィルムをつなぐ場
合にフィルムに衝撃力が働くため、フィルムには一定以
上の耐衝撃性(衝撃強度(mJ))が必要になってく
る。そこで、高速走行(フィルム走行速度40m/分以
上)している場合のオートスプライサーによるフィルム
つなぎ操作性の難易度(オートスプライサー適性)をフ
ィルムの衝撃強度(mJ)に基づいて以下の様に評価し
た。 ◎ :衝撃強度が700mJ以上で、高速走行時からの
オートスプライサー適性が特に優れる。 ○ :衝撃強度が300mJ以上700mJ未満で、高
速走行時からのオートスプライサー適性が優れる。 △ :衝撃強度が100mJ以上300mJ未満で、高
速走行時からのオートスプライサー適性がやや劣り、フ
ィルムつなぎ操作の際に破断することがある。 × :衝撃強度が100mJ未満で、オートスプライサ
ー適性がなく、フィルムつなぎ操作の際に破断する。
【0048】(14)総合評価 熱収縮率、高速カット性及びオートスプライサー適性の
結果から以下の基準で総合評価した。 ◎ :熱収縮率、高速カット性及びオートスプライサー
適性の全てが◎のフィルム。 ○ :熱収縮率、高速カット性及びオートスプライサー
適性の全てが○以上のフィルム(全て◎のものを除
く)。 × :熱収縮率、高速カット性及びオートスプライサー
適性の少なくとも一つが×か△のフィルム。
【0049】以下の実施例および比較例に用いたポリ乳
酸系樹脂は、特表平4−504731号公報の実施例1
B〜7Bに記載された方法に従って触媒量、重合条件、
モノマー組成などをコントロールして重合し得られた、
表1に示した重量平均分子量、光学純度、Tg、Tmを
持つ結晶性ポリ乳酸(a)、(b)及び非晶性ポリ乳酸
(c)である。また、ガラス転移温度Tgが10℃以下
であるポリ乳酸系樹脂以外の生分解性ポリエステル
(B)としては昭和高分子社製ビオノーレ#3001を
用いた。ただし、本発明における樹脂の組成がこれに限
定されるものではない。
【0050】
【実施例1〜12】、
【比較例2】実施例1〜12及び比較例2においては、
表1の結晶性ポリ乳酸(a)、(b)および非晶性ポリ
乳酸(c)およびビオノーレ#3001のペレットを表
2(1)、(2)の組成にドライブレンドした後、同方
向2軸押出機を用いて溶融ブレンドし、樹脂温度190
℃で溶融樹脂を押し出した。その際、外側ダイリップ直
径を110ミリで固定し、内側ダイリップ直径を10
4.5ミリから108.7ミリの範囲で製膜条件に合わ
せて変更し、最終フィルム厚みが28μmとなる様に選
択して、リップクリアランス約0.65〜2.7ミリの
円筒ダイより押出し、チューブ状に押出された溶融樹脂
に冷却リングより約25℃のエアーを吹き付けながらチ
ューブ内へエアーを注入して第一バブルを形成し、得ら
れたバブルを空冷しながらピンチロールへ導きチューブ
状の樹脂をフラット状のシートとして巻き取りロールで
巻き取った。次に、バブルが安定してから、樹脂押出速
度、バブル中へのエアー注入量、ピンチロールにおける
シート引取速度を微調整した後にピンチロールで巻き取
り、厚さ約130〜460μmの第二バブル延伸前シー
トを得た。
【0051】次にこうして得られた第二バブル延伸前シ
ートを表2(1)、(2)に示した温度まで加熱し、注
入するエアー注入量、バブル前後のピンチロールの引取
速度を調整して、表2(1)、(2)に示した第二MD
方向速度比、第二ブローアップ比になる様に第二バブル
を形成し、その後冷却してピンチロールへ導きチューブ
状の樹脂をフラット状2枚重ねフィルムとして巻き取り
ロールで巻き取った。実施例1〜12では更にこのフィ
ルムの両端をスリットして、1枚のフィルムに剥ぎ、ク
リップで両端を把持した状態で表2(1)、(2)に示
した条件で熱処理ゾーンを通過させ、表2(1)、
(2)に示した最終厚み28μmのフィルムを得た。比
較例2ではこの熱処理を行なわなかった。フィルムの物
性評価結果を表2(1)、(2)に示した。また、実施
例6のフィルムのTD断面写真を図2に、MD断面写真
を図3に示した。
【0052】
【比較例1】比較例1においては、表1のポリ乳酸
(a)のみを用いて、樹脂温度200℃で実施例1と同
様にして押し出し、第一バブルを形成し、厚さ約130
μmの第二バブル延伸前シートを得た。次にこれを実施
例1と同様にして第二バブルを形成すべくエアー注入し
たが、エアーを注入する段階で樹脂チューブが破裂して
しまい、安定して第二バブル形成して延伸することはで
きなかった。
【0053】
【比較例3、4】比較例3、4では、表1に示したポリ
乳酸(b)およびビオノーレ#3001を使用して、表
2(2)の組成にドライブレンドした後、同方向2軸押
出機を用いて溶融ブレンドし、樹脂温度190℃で溶融
樹脂を外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ
直径109.5ミリ、リップクリアランス0.25ミリ
の円筒ダイより押出し、チューブ状に押出された溶融樹
脂に冷却リングより約25℃のエアーを吹き付けながら
チューブ内へエアーを注入してバブルを形成し、得られ
たフィルムをピンチロールへ導きチューブ状のフィルム
をフラット状2枚のフィルムとして巻き取りロールで巻
き取った。次に、バブルが安定してから、樹脂押出速
度、バブル中へのエアー注入量、ピンチロールにおける
フィルム巻き取り速度を微調整した後にピンチロールで
巻き取り、更に実施例1〜12と同様にして表2(2)
に示した条件で熱処理を行い、最終厚みが28μmのフ
ィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2(2)に
示した。
【0054】
【比較例5】比較例5では、表1に示したポリ乳酸
(a)を使用して、上記の二軸押出機を用いて円筒ダイ
の代わりにTダイを用いて、樹脂温度200℃で押出
し、35℃に温調したキャスティングロールにて急冷
し、実質的に非晶質のシートを得た。続いて、 得られた
シートを80℃に加熱してMD方向に2.5倍にロール
延伸し、次いでテンターで延伸温度85℃にてTD方向
に2.5倍延伸した。その後得られたフィルムを実施例
1〜12と同様にして表2(2)に示した条件で熱処理
し、室温まで冷却することで、厚さ28μmのテンター
法によるポリ乳酸系樹脂の二軸延伸フィルムを得た。得
られたフィルムの物性を表2(2)に示した。
【0055】表2(1)、(2)より、ポリ乳酸系樹脂
(A)と、ガラス転移温度Tgが10℃以下である
(A)以外の生分解性ポリエステル(B)とからなる本
実施例の生分解性延伸フィルムは、80℃、10秒加熱
時の熱収縮率が10%以下であり、JIS K 712
8(B法)で測定した引裂強度が10〜200mNの範
囲内であり、ASTM D 1709−91(A法)に
準拠して測定した衝撃強度が単位厚み当たり20mJ/
μm以上であり、寸法安定性を有し、高速カット性と耐
衝撃性に優れたフィルムであることが分かる。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明の生分解性延伸フィルムは、ポリ
乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度が10℃以下であ
る(A)以外の生分解性ポリエステル(B)とからなる
ため生分解性を有し、寸法安定性を有し、高速カット性
と耐衝撃性に優れるので、高速の封筒窓貼り機械、高速
製袋機、高速包装機械などの加工機械に対応できる生分
解性を有する延伸フィルムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルム断面写真の撮影位置を説明した図であ
る。
【図2】実施例6のフィルムのTD断面写真である。
【図3】実施例6のフィルムのMD断面写真である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:00) C08L 67:00 B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 八塚 道浩 三重県鈴鹿市平田中町1番1号 旭化成株 式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA44 AA86 AD06 AF16 AF19 AF23 AF30 AF52 AF61 AH04 BB06 BB07 BC01 BC10 4F210 AA24A AG01 AG08 AH54 AR12 QA01 QA05 QC07 QG04 QG18 QK01 QK24 QP01 QW05 4J002 CF002 CF032 CF181 GG02 4J200 AA06 BA10 BA14 CA01 DA17 EA04 EA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温
    度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエ
    ステル(B)との混合物からなるフィルムにおいて、8
    0℃、10秒加熱時の熱収縮率が10%以下であり、J
    IS K 7128(B法)で測定した引裂強度が10
    〜200mNの範囲内であり、ASTM D 1709
    −91(A法)に準拠して測定した衝撃強度が単位厚み
    当たり20mJ/μm以上であることを特徴とする生分
    解性延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温
    度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエ
    ステル(B)との混合物からなるフィルムにおいて、8
    0℃、10秒加熱時の熱収縮率が5%以下であり、JI
    S K 7128(B法)で測定した引裂強度が10〜
    130mNの範囲内であり、ASTMD 1709−9
    1(A法)に準拠して測定した衝撃強度が単位厚み当た
    り30mJ/μm以上であり、且つ濁度計(ASTM
    D 1003−95)で測定した曇り度(Haze)が
    10%未満であることを特徴とする請求項1に記載の生
    分解性延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリ乳酸系樹脂(A)相マトリックス中
    に、ガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外
    の生分解性ポリエステル(B)相の90%以上が板状の
    形態でミクロ相分離して存在し、該板状相の平均厚さが
    5nm以上で100nm以下であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の生分解性延伸フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温
    度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエ
    ステル(B)との重量比率が(A):(B)が95:5
    〜55:45の範囲内で混合されていることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性延伸フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 ASTM−F1921−98に準拠した
    ヒートシール部位25.4mm幅当りのホットタック強
    度のピーク値が5N以上であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の生分解性延伸フィルム。
  6. 【請求項6】 円筒ダイより押出した溶融樹脂で第一バ
    ブルを形成し、ポリ乳酸系樹脂(A)のガラス転移温度
    Tg+20℃以下の温度まで樹脂を冷却し、その後、再
    度樹脂をポリ乳酸系樹脂(A)のTg以上融点Tm以下
    の温度まで加熱して第二のバブルを形成しチューブラー
    延伸を行い、その後ポリ乳酸系樹脂(A)のTg以上融
    点Tm以下の温度で熱処理することを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の生分解性延伸フィルムの製造
    方法。
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