JP2001225416A - ポリ乳酸系離型フィルム - Google Patents

ポリ乳酸系離型フィルム

Info

Publication number
JP2001225416A
JP2001225416A JP2000037146A JP2000037146A JP2001225416A JP 2001225416 A JP2001225416 A JP 2001225416A JP 2000037146 A JP2000037146 A JP 2000037146A JP 2000037146 A JP2000037146 A JP 2000037146A JP 2001225416 A JP2001225416 A JP 2001225416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polylactic acid
release
silicone resin
release film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000037146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4375763B2 (ja
Inventor
Hirohide Hamazaki
博英 濱崎
Fumio Okada
文夫 岡田
Yasuhiro Baba
靖浩 馬場
Mikio Katagiri
幹夫 片桐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohcello Co Ltd
Original Assignee
Tohcello Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohcello Co Ltd filed Critical Tohcello Co Ltd
Priority to JP2000037146A priority Critical patent/JP4375763B2/ja
Publication of JP2001225416A publication Critical patent/JP2001225416A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4375763B2 publication Critical patent/JP4375763B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】粘着テープ、粘着シート、ラベル類や衛生用品
等の粘着加工製品に使用される裏打ちシート用としての
離型フィルムの分野や、樹脂シート、セラミックシー
ト、合成皮革、炭素繊維複合材料等の製造工程で繰り返
し使用され、高度の機械物性、寸法安定性、厚み精度、
離型安定性が要求されるキャリヤーフィルム用分野は、
従来の易廃棄性(生分解性)を有する離型フィルム技術
では、機械物性が不十分で、不安定な離型性等の問題を
呈していた。 【解決手段】本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系配向
フィルム表面に、シリコーン樹脂被膜層を形成させ、優
れた機械物性および離型安定性を有した離型フィルムを
得る。このフィルムを使用した後に廃棄処理を行った場
合でも、基材フィルムの持つ生分解性によって、自然環
境の汚染を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材フィルムとし
て生分解性及び優れた機械物性を持ち、離型安定性に優
れたポリ乳酸系離型フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】昨今のプラスチックフィルムの廃棄処理
問題から、生分解性を有する種々のプラスチックフィル
ムの開発がなされている。生分解性フィルムは、土壌中
や水中で加水分解や生分解を受け、徐々にフィルムの崩
壊や分解が進み、最後には微生物の作用で無害な分解物
へと変化するものである。そのような生分解性フィルム
として、一般には、ある種の脂肪族ポリエステル樹脂や
芳香族ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸
セルロース、デンプン等から成形したフィルムが知られ
ている。
【0003】これらの生分解性フィルムの中でも、ポリ
乳酸系フィルムは、優れた生分解性を有している。特表
平5−508819号公報、特開平6−23836号公
報、特開平7−205278号公報によると、延伸処理
及び熱処理したポリ乳酸系延伸フィルムは、引張強度お
よび伸度に優れ、優れたフィルム腰、寸法安定性を有し
ていることから、厚み均一性と併せて、他の生分解性フ
ィルムと比較して、前記フィルム諸物性に優れた性能を
発現すると記載されている。
【0004】一方、粘着テープ、粘着シート、ラベル類
や衛生用品等の粘着加工製品に使用される裏打ちシート
には、一般には、ポリオレフィン系フィルム、ポリエス
テル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム等の基材フ
ィルムに離型剤層が積層された離型フィルムと称される
フィルムが用いられているが、最近、本分野においても
使用後での離型フィルムの易廃棄性(生分解性)が要請
されている。
【0005】また、離型フィルムの分野には、樹脂シー
ト、セラミックシート、合成皮革、炭素繊維複合材料等
の製造工程で工程紙(キャリヤーフィルム)と称される
高性能の離型フィルムの分野があり、その場合、安定し
た離型性と併せて、基材フィルムとしての厚み精度、寸
法安定性、機械強度に関して、高度の性能が要求され、
通常は、ポリエチレンテレフタレート延伸フィルムやポ
リプロピレン延伸フィルム等が使用されている。
【0006】例えば、塩化ビニル樹脂のシートは、塩化
ビニル樹脂と溶媒からなる塗液を離型フィルム(キャリ
ヤーフィルム)上に塗工した後、溶媒を加熱除去するこ
とにより塩化ビニルシートとして成形され、また、セラ
ミックシートは、セラミック粉体とバインダー剤とを溶
媒に分散させたスラリーをキャリヤーフィルム上に塗工
した後、溶媒を加熱除去することによりセラミック生シ
ート(セラミックグリーンシート)として成形される。
【0007】これらの離型フィルム(キャリヤーフィル
ム)は後工程または実用に供される段階で製品シートか
ら必ず剥がされるが、本分野においても同様に、離型フ
ィルムの易廃棄性(生分解性)が要請されている。
【0008】これに対し、特開平7−41739号公報
には、生分解性両面粘着テープの離型紙として、デンプ
ンと変性ポリビニルアルコールのポリマーアロイ系が紙
に積層され、その上にシリコーン系離型剤がコーティン
グされた離型シートを用いた例が記載されているが、実
際には、前記の分野の離型フィルムとして活用した場
合、機械物性が不十分であったり、基材フィルムの厚み
精度や寸法安定性が不十分であったりして、安定した離
型性を含め、各種目的性能の発現がし難い等の問題を呈
している。
【0009】また、特開平11−209707号公報に
は、生分解性離型シートとしてポリ乳酸フィルムに生分
解性樹脂中間層を介してポリビニルアルコールが積層さ
れた離型フィルムの例が記載されているが、実際には、
これらを前記の分野の離型フィルムとして活用した場
合、離型フィルム作成の工程が煩雑であり、離型剤層の
薄肉化が困難であり、また、安定した剥離強度を発現す
ることが難しい等の問題を呈している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、かか
る問題点に鑑みてなされたもので、離型フィルムとし
て、優れた機械強度を有し、かつ、優れた離型安定性を
有する生分解性離型フィルムの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リ乳酸系配向フィルムの少なくとも一方の面にシリコー
ン樹脂被膜層が形成されていることを特徴とするポリ乳
酸系離型フィルムに関するものである。
【0012】ここで、シリコーン樹脂は、硬化反応にて
得られるシリコーン樹脂であることが望ましく、さらに
は、1分子中に珪素原子に直結するアルケニル基を少な
くとも2個有するオルガノポリシロキサンと、1分子中
に珪素原子に直結する水素原子を少なくとも2個有する
オルガノハイドロジエンポリシロキサンとの付加反応に
て得られるシリコーン樹脂であることが望ましく、ま
た、シリコーン樹脂層は、その厚さが0.01〜5μm
であることが好ましい。このような積層フィルムの構成
をとることにより、機械強度、離型安定性に優れた生分
解性離型フィルムが得られる。
【0013】本発明に係わる離型フィルムは、ポリ乳酸
系配向フィルムの少なくとも一方の面にシリコーン樹脂
被膜層が形成された積層フィルムである。本発明の離型
フィルムの各層の構成およびその製造方法について説明
する。
【0014】まず、本発明に使用されるポリ乳酸系樹脂
は、乳酸の単独重合体、または、乳酸と他のヒドロキシ
カルボン酸またはラクトンとの共重合体、あるいは、こ
れらの組成物である。乳酸としては、L−乳酸、D−乳
酸、または、それ等の混合物であってもよい。他のヒド
ロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロ
キシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草
酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸
等が代表的に挙げられ、また、これらヒドロキシカルボ
ン酸のエステル誘導体であってもよい。ラクトンとして
はカプロラクトン等が挙げられる。さらに、高分子量体
を得る目的で、少量のジイソシアネート、ジエポキシ、
酸無水物、酸クロライド化合物等の鎖延長剤を添加して
もかまわない。
【0015】ポリ乳酸系樹脂の製造は、前記したモノマ
ーおよび必要に応じてコモノマーを縮合重合法、開環重
合法等の方法によって重合し、行うことができる。生成
重合体の重量平均分子量は、50,000〜500,0
00の範囲が好ましい。また、メルトフローレートは、
ASTM D−1238に準拠し、190℃で2160
g荷重下で測定した値が、0.1〜100g/10分で
あることが好ましい。分子量およびメルトフローレート
が前記の範囲にあると、フィルムの押出成形に適した溶
融粘度を示し、また、フィルムとして十分な機械強度を
示す。
【0016】フィルム成形に際し、本発明の目的を損な
わない範囲で、他の高分子材料、可塑剤、滑剤、無機充
填剤、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、染
料等を添加することができる。
【0017】本発明に係わるポリ乳酸系配向フィルム
は、まず、キャストフィルムを成形し、次いで延伸処理
を施すことによって製造することができる。キャストフ
ィルムは、ポリ乳酸系樹脂を一軸または二軸の押出機に
供給し、その融点以上の温度で溶融し、T−ダイ等を通
してシート状ないしフィルム状に押出し、その後、急冷
して引き取ることによって得られる。
【0018】一旦成形したキャストフィルムは、引き続
き、一軸または二軸方向に延伸することによって、フィ
ルム分子を配向させることができる。延伸方法は、キャ
ストフィルムを、樹脂のガラス転移点以上の温度範囲
で、一軸延伸法、あるいは、逐次二軸延伸法または同時
二軸延伸法で行い、一軸方向または二軸方向に配向した
フィルムを製造することができる。具体的な延伸条件と
しては、延伸温度40〜100℃、延伸倍率1.5〜
6.0倍が一般的であるが、樹脂組成や未延伸シートの
熱履歴によってもその条件は異なる。延伸操作の後、好
ましくは、フィルムを再度加熱してフィルムにヒートセ
ットを施すが、熱処理温度は樹脂の結晶化温度以上かつ
融点以下の温度範囲でなされる。
【0019】このようにして製造されたフィルムは、一
軸方向または二軸方向に配向されており、無延伸フィル
ムの持つ脆さが改良されている。そして、ポリプロピレ
ン延伸フィルム、ポリエチレンテレフタレート延伸フィ
ルムに近似の優れた物性を有している。特に、二軸配向
されていると、高い機械強度を示すので、離型フィルム
の基材として好適である。
【0020】また、ヒートセット処理を施すと、ポリマ
ーの分子構造が安定化して結晶化度が増大し、フィルム
の機械強度を一層向上させ、併せて、フィルムの寸法安
定性を大幅に改良することができる。フィルムの厚さ
は、5〜300μm、好ましくは、10〜200μmの
範囲にあることが、フィルム基材層として必要な機械強
度、生分解性の適度のバランスを得る上で望ましい。
【0021】尚、本発明で用いるポリ乳酸系配向フィル
ムは、生分解性を有する離型フィルムの基材層となるも
のであるから、通常は前記ポリ乳酸系樹脂のみからなる
フィルムでよいが、本発明の目的を損なわない範囲で、
別の物性を得る目的で、他の生分解性樹脂とのブレン
ド、または、他の生分解性フィルムとの積層体として使
用してもよい。
【0022】本発明においては、上記のごとく製造した
優れた機械強度を有するポリ乳酸系配向フィルムの少な
くとも一方の面に、シリコーン樹脂被膜層が設けられて
いる。
【0023】本発明に使用されるシリコーン樹脂は、離
型フィルム基材への密着性、離型工程の際の剥離強度の
安定性、シリコーン樹脂成分の非移行性を勘案して、
熱、紫外線、電子線等による硬化反応にて得られるシリ
コーン樹脂であることが望ましく、さらには、1分子中
に珪素原子に直結するアルケニル基を少なくとも2個有
するオルガノポリシロキサンと、1分子中に珪素原子に
直結する水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイ
ドロジエンポリシロキサンとの付加反応にて得られるシ
リコーン樹脂であることが望ましい。
【0024】具体的なオルガノポリシロキサンの例とし
ては、ジメチルアルケニルシロキシ基末端封鎖ジメチル
ポリシロキサン、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチル
アルケニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、
シラノール基末端封鎖メチルアルケニルシロキサン・ジ
メチルシロキサン共重合体、ジメチルアルケニルシロキ
シ基末端封鎖メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロ
キサン共重合体、ジメチルアルケニルシロキシ基末端封
鎖ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体
等が挙げられる。
【0025】また、具体的なオルガノハイドロジエンポ
リシロキサンの例としては、ジメチルハイドロジエンシ
ロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロ
ジエンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端
封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキ
サン共重合体、ジメチルフェニルシロキシ基末端封鎖ジ
メチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサン共
重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチルハイドロ
ジエンポリシロキサン、環状メチルハイドロジエンポリ
シロキサン 等が挙げられる。
【0026】尚、シリコーン樹脂を形成するに当たっ
て、本成分の使用量は、前記のオルガノポリシロキサン
成分100重量部に対して、前記のオルガノハイドロジ
エンポリシロキサン成分 0.2〜40重量部で用いる
のが望ましく、これらを熱による付加反応を促進させる
ためには白金系触媒等を共存させ、また、紫外線による
付加反応を促進させるためには光重合開始剤等を共存さ
せることにより、比較的速やかに硬化反応を達成でき、
目的とするシリコーン樹脂被膜層を形成することができ
る。
【0027】このシリコーン樹脂には、本発明の範囲内
で、必要に応じて公知の反応制御剤、シリカ等の無機充
填剤、または 顔料を更に配合することもできる。
【0028】本発明におけるシリコーン樹脂層は、前記
ポリ乳酸系配向フィルムの片面、あるいは、両面に形成
されており、その厚さは、0.01〜5μm、好ましく
は、0.05〜1μmであって、この範囲内にあれば、
離型フィルム基材への密着性、離型工程の際の剥離強度
の安定性、シリコーン樹脂成分の非移行性の点で、性能
の調整が可能であり、これにより、目的とする優れた離
型フィルムを得ることができる。
【0029】本発明におけるシリコーン樹脂層はコーテ
ィング法により設けることができるが、その場合、形態
的には、溶剤型、エマルジョン型、無溶剤型のいずれか
の方法をとり得ることができる。ただし、シリコーン樹
脂の薄膜を均一に形成させるためには、溶剤型またはエ
マルジョン型が望ましく、硬化型シリコーン樹脂成分の
ポットライフの点からも、溶剤型またはエマルジョン型
が望ましい。
【0030】本シリコーン樹脂の前記ポリ乳酸系配向フ
ィルムへのコーティングの方法は、溶剤型、エマルジョ
ン型、無溶剤のいずれの形態をとるかによっても異なる
が、例えば、ロールコーティング法、スクリーン印刷
法、バーコート法、スプレーコート法等何れの方法も採
用することができ、中でも、ロールコーティング法は高
速度で均一被膜を成形する方法として適している。
【0031】溶剤型およびエマルジョン型の形態を有す
る熱硬化型のシリコーン樹脂をコーティングする場合、
コーティングされたシリコーン樹脂の溶液または水分散
液は乾燥工程へと移されるが、その際の乾燥温度は 5
0〜120℃の範囲であればよく、60〜110℃の範
囲が好ましい。乾燥温度が50℃未満であると、熱硬化
時間が長くなり生産性が低下するので好ましくない。一
方、120℃を越えると、フィルムにしわが生じるため
好ましくない。
【0032】一方、溶剤型およびエマルジョン型の形態
を有する紫外線または電子線硬化型のシリコーン樹脂を
コーティングする場合には、乾燥工程の後に紫外線また
は電子線の照射工程を有しているため、その乾燥は、溶
剤または水の乾燥除去に必要な最低温度にて実施しても
差し支えない。
【0033】尚、本シリコーン樹脂の前記ポリ乳酸系配
向フィルムへの密着性を高める目的で、シリコーン樹脂
のコーティング工程前に、ポリ乳酸系配向フィルムのコ
ーティング面側にコロナ放電処理、フレーム処理、オゾ
ン処理等の表面活性化処理、あるいは、アンカー処理剤
を用いたアンカーコーティング処理を施してもよい。
【0034】さらに必要に応じて、本発明の積層フィル
ムの表面上(ただし、シリコーン樹脂被膜層と反対面
側)に、他の生分解性プラスチック樹脂層をアンカー処
理剤や接着剤を介して積層したり、あるいは、印刷層や
帯電防止剤層を設けたりして使用することができる。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例を通して説明するが、本
発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。尚、フィルムの物性評価は、次の試験方法で行っ
た。 (a)引張弾性率:JIS K7127に準拠して行っ
た。 (b)引張強度(破断点応力、破断点伸び):JIS
K7127に準拠して行った。 (c)衝撃強度:フィルムインパクト法で行った。1/
2インチ円錐を用い、離型剤層面と反対側面より測定し
た。 (d)加熱収縮率:100℃のオーブン中に15分間放
置後のフィルムの収縮率を測定した。 (e)剥離強度:フィルムの離型剤層面に粘着テープ
(日東電工(株)製 ニットー31B:テープ幅50m
m)を2kgの圧着ローラーにて貼合し、その後、20
g/cm2荷重をかけ、50℃で20時間放置した後、
常温にて、離型剤層と粘着テープとの剥離強度(180
度剥離)を測定した。(引張速度300mm/分) (f)残留接着率:前記の粘着テープをステンレス板
(SUS304)に貼合した後の剥離強度を測定し、基
礎接着力(F0)とする。また、前記離型フィルムより
剥がされた粘着テープ面を同様にステンレス板に貼合
し、その剥離強度を測定し、残留接着力(F)とする。
得られた基礎接着力(F0)と残留接着力(F)より、
残留接着率((F/F0)×100)を求める。尚、こ
の値が100に近い程、離型剤の粘着テープ面側への移
行が少ないことを意味する。 (g)土壌分解性:フィルムを土壌中に5ケ月間放置
し、フィルムの状態を観察した。
【0036】
【実施例1】ポリ乳酸系樹脂(三井化学(株)製 LA
CEA H−100E:密度1.28g/cm3、融点
160℃、メルトフローレート10g/10分(190
℃・2160g荷重))をオーブン中で予備乾燥し、そ
の後、押出機(60mmφ、シリンダー設定温度190
℃)中へ供給して溶融した。押出機先端に設けたTダイ
からフィルム状に押出し、キャストロールで30℃に急
冷し、厚さ200μmのシートを作成した。
【0037】次に、逐次二軸延伸装置を用いて、このシ
ートを、まず、60℃で3倍縦延伸し、次いで、70℃
で4倍横延伸し、引き続き、150℃で5秒間熱処理
(ヒートセット)を行った。その後、フィルム両面にコ
ロナ放電処理を施し、続いて、一方の面に、帯電防止剤
としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を
メイヤーバーを用いて塗工・乾燥を行い(塗布量:0.
01g/m2 )、厚さ20μmのポリ乳酸系二軸延伸フ
ィルムを得た。
【0038】次に、オルガノポリシロキサンとオルガノ
ハイドロジエンポリシロキサンの混合溶液(信越化学工
業(株)製離型剤KS−5508:UV硬化型)100
重量部、白金系触媒(信越化学工業(株)製PL−50
00)5重量部をトルエン溶剤に溶解し、シリコーン樹
脂の固形分濃度2%組成のシリコーン溶液を、前記のポ
リ乳酸系延伸フィルムの帯電防止剤塗工面と反対面側
に、メイヤーバーを用いてコーティングした。次いで、
60℃で20秒間、熱風乾燥炉内で溶剤を蒸発させ、そ
の後、紫外線照射装置にて1秒間、紫外線に晒し、次い
で、40℃で3日間放置することによって、厚さ0.1
μmのシリコーン被膜層を有するポリ乳酸系離型フィル
ムを作成した。この離型フィルムの物性を調べ、その結
果を表1に示した。
【0039】
【比較例1】実施例1で使用した厚さ20μmのポリ乳
酸系延伸フィルムを、シリコーン樹脂等のコーティング
を一切施すことなく、そのまま用いて、実施例と同様の
物性測定を行った。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【実施例2】実施例1で作成したポリ乳酸系離型フィル
ムを、下記に示すように、実際のセラミックシート作成
工程に用いて評価を行った。
【0042】チタン酸バリウムのセラミック粉末100
重量部、ポリビニルブチラール20重量部、ジブチルフ
タテート10重量部、トルエン/エタノール混合溶剤5
0重量部をボールミルに入れ、十分に混練してセラミッ
クスラリーを調整した。このセラミックスラリーを専用
アプリケーターを用いて、実施例1で作成したポリ乳酸
系離型フィルム上に塗工し、80℃で3分間の乾燥工程
を経て、ポリ乳酸系離型フィルム上に、表面平滑性に優
れ、均一膜(20μm厚)のセラミックグリーンシート
を作成した。この時、ポリ乳酸系離型フィルムとセラミ
ックグリーンシートとの剥離強度を測定した結果、0.
05N/50mmであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系配
向フィルム表面に、シリコーン樹脂被膜層が形成されて
いるので、離型フィルムとして優れた機械物性および離
型安定性を有しており、また、このフィルムを使用した
後に廃棄処理を行った場合でも、基材フィルムの持つ生
分解性によって、自然環境の汚染を防止することができ
る。このことから、粘着テープ、粘着シート、ラベル類
や衛生用品等の粘着加工製品に使用される裏打ちシート
用としての離型フィルムの分野だけでなく、樹脂シー
ト、セラミックシート、合成皮革、炭素繊維複合材料等
の製造工程で繰り返し使用され、高度の機械物性、寸法
安定性、厚み精度、離型安定性が要求されるキャリヤー
フィルム用としての高性能な離型フィルムの用途にも使
用でき、易廃棄性(生分解性)を有する離型フィルムと
して用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 幹夫 東京都中央区京橋1−3−3 東セロ株式 会社内 Fターム(参考) 4F100 AH02H AH08H AK41A AK52B AK52J AL01B BA02 BA03 BA06 BA10B BA13 CA22 EJ08B EJ37A GB90 JB12B JC00 JK01 JL00 JL14 YY00B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ乳酸系配向フィルムの少なくとも一方
    の面に、シリコーン樹脂被膜層が形成されていることを
    特徴とするポリ乳酸系離型フィルム。
  2. 【請求項2】前記のシリコーン樹脂が、硬化反応にて得
    られるシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1
    記載のポリ乳酸系離型フィルム。
  3. 【請求項3】前記のシリコーン樹脂が、1分子中に珪素
    原子に直結するアルケニル基を少なくとも2個有するオ
    ルガノポリシロキサンと、1分子中に珪素原子に直結す
    る水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジ
    エンポリシロキサンとの付加反応にて得られるシリコー
    ン樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の
    ポリ乳酸系離型フィルム。
  4. 【請求項4】前記のシリコーン樹脂層の厚さが、0.0
    1〜5μmであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のポリ乳酸系離型フィルム。
  5. 【請求項5】ポリ乳酸系配向フィルムの少なくとも一方
    の面に、シリコーン樹脂被膜層が形成されていることを
    特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のキャリヤー
    フィルム用のポリ乳酸系離型フィルム。
JP2000037146A 2000-02-15 2000-02-15 ポリ乳酸系離型フィルム Expired - Lifetime JP4375763B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000037146A JP4375763B2 (ja) 2000-02-15 2000-02-15 ポリ乳酸系離型フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000037146A JP4375763B2 (ja) 2000-02-15 2000-02-15 ポリ乳酸系離型フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001225416A true JP2001225416A (ja) 2001-08-21
JP4375763B2 JP4375763B2 (ja) 2009-12-02

Family

ID=18561076

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000037146A Expired - Lifetime JP4375763B2 (ja) 2000-02-15 2000-02-15 ポリ乳酸系離型フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4375763B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003066327A1 (fr) * 2002-02-04 2003-08-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Materiau de separation et agent de separation
JP2007001293A (ja) * 2005-05-23 2007-01-11 Tohcello Co Ltd 静電防止性多層フィルム
JP2008062589A (ja) * 2006-09-09 2008-03-21 Tohcello Co Ltd ポリ乳酸系離型フィルム
JP2009233953A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Kimoto & Co Ltd 生分解性離型フィルム、およびこれを用いた接着フィルム
WO2012028306A1 (de) * 2010-08-31 2012-03-08 Huhtamaki Forchheim Zweigniederlassung Der Huhtamaki Deutschland Gmbh & Co. Kg Verfahren zur herstellung einer kunststofffolie mit einer ausgehärteten polysiloxan-beschichtung
WO2012124566A1 (ja) * 2011-03-14 2012-09-20 日東電工株式会社 リリースライナー
WO2012128042A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 日東電工株式会社 剥離ライナーの製造方法
EP2480411B1 (de) 2009-09-21 2015-11-11 Infiana Germany GmbH & Co. KG Überwiegend biologisch abbaubare trennfolie
JP2017202652A (ja) * 2016-05-13 2017-11-16 東レ株式会社 積層体

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1628029B (zh) * 2002-02-04 2012-12-12 旭化成化学株式会社 剥离性材料以及剥离剂
US7579060B2 (en) 2002-02-04 2009-08-25 Asahi Kasei Chemicals Corporation Releasing material and release agent
WO2003066327A1 (fr) * 2002-02-04 2003-08-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Materiau de separation et agent de separation
JP2007001293A (ja) * 2005-05-23 2007-01-11 Tohcello Co Ltd 静電防止性多層フィルム
JP2008062589A (ja) * 2006-09-09 2008-03-21 Tohcello Co Ltd ポリ乳酸系離型フィルム
JP2009233953A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Kimoto & Co Ltd 生分解性離型フィルム、およびこれを用いた接着フィルム
US9469788B2 (en) * 2009-09-21 2016-10-18 Commerzbank International S.A., As Security Agent Predominantly biodegradable release film
EP2480411B1 (de) 2009-09-21 2015-11-11 Infiana Germany GmbH & Co. KG Überwiegend biologisch abbaubare trennfolie
US8940369B2 (en) 2010-08-31 2015-01-27 Huhtamaki Films Germany Gmbh & Co. Kg Process for producing a polymeric film with a cured polysiloxane coating
RU2582398C2 (ru) * 2010-08-31 2016-04-27 Инфиана Джермени ГмбХ унд Ко. КГ Способ изготовления полимерной пленки с покрытием из отвержденного полисилоксана
WO2012028306A1 (de) * 2010-08-31 2012-03-08 Huhtamaki Forchheim Zweigniederlassung Der Huhtamaki Deutschland Gmbh & Co. Kg Verfahren zur herstellung einer kunststofffolie mit einer ausgehärteten polysiloxan-beschichtung
CN103429432A (zh) * 2011-03-14 2013-12-04 日东电工株式会社 隔离衬垫
WO2012124566A1 (ja) * 2011-03-14 2012-09-20 日東電工株式会社 リリースライナー
JP2012200651A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Nitto Denko Corp 剥離ライナーの製造方法
CN103459050A (zh) * 2011-03-24 2013-12-18 日东电工株式会社 剥离衬垫的制造方法
WO2012128042A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 日東電工株式会社 剥離ライナーの製造方法
US9394467B2 (en) 2011-03-24 2016-07-19 Nitto Denko Corporation Method for producing release liner
JP2017202652A (ja) * 2016-05-13 2017-11-16 東レ株式会社 積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4375763B2 (ja) 2009-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5330740B2 (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物、ポリ乳酸系フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、延伸フィルム、熱収縮性ラベル、及び該ラベルを装着した容器
EP1867679A1 (en) Polylactic acid composition and moldings thereof
US11286405B2 (en) Adhesive articles comprising polylactic acid polymer film and method of making
CN110062791B (zh) 包含聚乳酸聚合物和包含长链烷基部分的共聚物的组合物和膜
JP2002210886A (ja) 柔軟化生分解性樹脂延伸フィルム
JP4375763B2 (ja) ポリ乳酸系離型フィルム
JP2000177072A (ja) ポリ乳酸系ガスバリヤー性フィルム
JP2007332204A (ja) 生分解性粘着フィルム
JP4375764B2 (ja) 芳香族ポリエステル樹脂系離型フィルム
JP2000185380A (ja) ポリ乳酸系ヒートシール性フィルム
JP2022122202A (ja) 二軸延伸フィルム及び積層フィルム
JP5937358B2 (ja) 離型フィルム
JP4200406B2 (ja) 離型フィルムの製造方法
JP2009143111A (ja) ポリ乳酸積層延伸フィルム及びそれを用いた化粧紙
JP4200405B2 (ja) 離型フィルムの製造方法
JP4242109B2 (ja) 粘着テープ
JP4959077B2 (ja) 熱収縮性ポリ乳酸系フィルムの製造方法およびその方法により得られる熱収縮性ポリ乳酸系フィルム
JP3280927B2 (ja) 分解性記録シートおよび記録カード
JP2007106996A (ja) ラップフィルムおよびその製造方法
JP2005193438A (ja) ポリ乳酸系2軸延伸積層フィルム
JP4329411B2 (ja) 包装用延伸ポリ乳酸系フィルムおよび袋
JPH06226937A (ja) 白色ポリエステルフィルム及びそれを基材とする感熱記録用受容シート
JP2005144726A (ja) 積層フィルム
JP4606983B2 (ja) 離型性フィルム
JP4214254B2 (ja) 離型フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090907

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3