JP4329411B2 - 包装用延伸ポリ乳酸系フィルムおよび袋 - Google Patents

包装用延伸ポリ乳酸系フィルムおよび袋 Download PDF

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  • Bag Frames (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は包装用二軸延伸ポリ乳酸系フィルムおよび袋に関する。特に詳しくは、柔軟で、優れたストレッチ性を有し、かつ開封性に優れた包装用二軸延伸ポリ乳酸系フィルムおよびそれを用いた包装用袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリ乳酸を始めとする脂肪族ポリエステルフィルムは、自然環境に廃棄された際に分解すること、例えば土壌中で自然に加水分解した後に微生物によって無害な分解物となることを特徴として開発され、環境対応の面から注目されている。しかしながら、ポリ乳酸は脆く、伸びないという欠点から、使用時に張力によってある程度伸び、内容物を保持するストレッチ性が要求される様な形態の包装袋には用いることができなかった。かかる欠点を克服するため、ポリ乳酸への可塑剤の添加が数多く検討されてきた。例えば、ポリ乳酸と融点が80〜250℃の生分解性脂肪族ポリエステル系高分子成分、生分解性可塑剤および多糖類などの生分解性天然物からなるフィルムなどが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このような可塑剤を配合したフィルムでは、可塑剤のブリードアウトを低減する工夫がされているものの、可塑剤を添加することが前提となるため、可塑剤の経時的なブリードアウトによる問題を避けることができなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−241008号公報(請求項10等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる課題を解決するために、柔軟で破断伸度が大きくストレッチ性を有し、さらには開封性に優れた包装用袋用として好適な包装用延伸ポリ乳酸系フィルムに関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するするため、本発明の成形用二軸延伸フィルムは次の構成を有する。
【0007】
すなわち、(A)ポリ乳酸樹脂5〜60重量部と、(B)融点が90〜210℃である共重合ポリエステル樹脂40〜95重量部からなるポリエステル樹脂と、(C)無機粒子を主成分とする包装用二軸延伸ポリ乳酸系フィルムであって、
無機粒子の含有量がフィルムの0.01〜20重量%であり、
かつフィルムの長手方向と幅方向の破断伸度および弾性率が下記関係式(1)、(2)を同時に満足し、
フィルムの長手方向の引き裂き強度とフィルムの幅方向の引き裂き強度が、下記関係式(4)、(5)を満足する包装用延伸ポリ乳酸系フィルムである
450≦La+Lb≦900…(1)
600 ≦ Ea+Eb ≦ 1200 …(2)
ここで、Laはフィルム長手方向および幅方向の破断伸度のうち、大きい方の値(%)、Lbはフィルム長手方向および幅方向の破断伸度のうち、小さい方の値(%)、Ea(MPa),Eb(MPa)はLa,Lbに対応する方向の弾性率を示す。
50 ≦ Pb ≦ 250 …(4)
5 ≦ Pa/Pb ≦ 20 …(5)
ここで、Paはフィルム長手方向および幅方向の引き裂き強度のうち、大きい方の値(mN)、Pbはフィルム長手方向および幅方向の引き裂き強度のうち、小さい方の値(mN)を示す。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーをいうが、乳酸以外の他の共重合成分を0〜10モル%含んでいてもよい。乳酸以外の共重合成分としてはグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸、ポリエチレングリコールやポリメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールなどが好ましく用いられる。
【0009】
本発明に用いられるポリ乳酸樹脂は、適度な製膜、延伸適性および実用的な機械特性を満足させるため、重量平均分子量が5万以上、さらに好ましくは8万以上である事が好ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
【0010】
一方、本発明で用いる融点が90〜210℃である共重合ポリエステル樹脂としては、芳香族ポリエステル単位と柔軟成分の共重合体であることが好ましく、芳香族ポリエステル単位としては、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、ヘキサメチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレン−2,6−ナフタレートから選ばれる少なくとも1種の芳香族ポリエステル単位であることが、柔軟成分としては、脂肪族カルボン酸および/またはポリオキシアルキレングリコールを主たる構成単位とすることが好ましい。中でも、得られるフィルムの柔軟性を高めるために、ブチレンテレフタレートと脂肪族カルボン酸を主たる構成単位とする、融点が90〜140℃の共重合ポリエステルが好ましい。
【0011】
本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムとしては、上記ポリ乳酸樹脂を5〜60重量部、好ましくは10〜40重量部と、共重合ポリエステル40〜95重量部、好ましくは60〜90重量部と無機粒子を主成分とする事が必要である。
【0012】
ポリ乳酸樹脂が5重量%より少ないか、共重合ポリエステルが95重量部より多い場合は、開封性に優れたフィルムを得ることが困難であり、ポリ乳酸樹脂が60重量%より多いか、共重合ポリエステルが40重量部より少ない場合は柔軟性に優れたフィルムを得ることが困難である。
【0013】
フィルムに添加する無機粒子としては、凝集シリカ、コロイダルシリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、珪酸アルミなどから選ぶことができる。
【0014】
本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムには、上記無機粒子をフィルムの滑り性付与のために、フィルムに対し、0.01〜20重量%添加する必要がある。特に、印刷を行い、パッケージとしての清潔感、印刷時の高コントラストが求められる用途では酸化チタンおよび/または炭酸カルシウム粒子をフィルムに対して5〜20重量%添加することが好ましい。一方で、内容物の確認のため、透明性が好まれる用途では、凝集シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミなどの粒子をフィルムに対して0.01〜0.5重量%添加することが好ましい。
【0015】
また、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、取扱性、加工性、物性を調整する目的で、可塑剤、滑剤、有機粒子、熱安定剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤を1〜10重量%含有させてもよい。
【0016】
本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムは、柔軟性と使用時のストレッチ性、および良好な開封性を達成するために、下式(1)および(2)を満足する必要がある。
450≦La+Lb≦900…(1)
600 ≦ Ea+Eb ≦ 1200 …(2)
ここで、Laはフィルム長手方向および幅方向の破断伸度のうち、大きい方の値(%)、Lbはフィルム長手方向および幅方向の破断伸度のうち、小さい方の値(%)、Ea(MPa),Eb(MPa)はLa,Lbと同方向の弾性率を示す。
【0017】
より好ましくは、式(1)のLa+Lbが500以上700以下であること、および式(2)のEa+Ebが800以上1100以下であることの少なくとも1つを満たすことである。式(1)のLa+Lbが上記下限値より小さいか、式(2)のEa+Ebが上記上限値より大きい場合は、脆く、包装用袋としては不適なフィルムとなってしまうか、伸びに必要な張力が大ききなりすぎて袋として使用した場合に適度な伸びを示さない、ストレッチ性の無いフィルムとなってしまう。また、式(1)のLa+Lbが上記上限値より大きいか、式(2)のEa+Ebが上記下限値より小さい場合は、あらかじめ袋に切り込みや破線を入れておいた場合でも手で開封することが困難であったり、開封できた場合でも端面が大きくうねる開封性に劣ったフィルムになってしまうためである。
【0018】
ここで、上記式(2)のEa+Ebを600以上1200以下とする手段としては、例えば、本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂中の共重合ポリエステル樹脂の構成比率を60重量%以上90重量%以下とし、フィルム長手方向および幅方向の延伸倍率の積を3.0倍以上6倍以下とすることが好ましく、さらに式(2)のEa+Ebを好ましい範囲である800以上1100以下とするためには、本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂中の共重合ポリエステル樹脂の構成比率を70重量%以上90重量%以下とし、フィルム長手方向および幅方向の延伸倍率の積を3.0倍以上5.0倍以下とすることが好ましい。また、上記式(1)のLa+Lbを450以上900以下とするためには上記延伸条件に加えて延伸後の熱処理を70℃から110℃で2〜10秒間行うことが好ましい。また、上記式式(1)のLa+Lbを500以上700以下とするためには、上記延伸条件に加えて延伸後の熱処理を70℃から100℃で4〜10秒間行うことが好ましい。
【0019】
本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムは、手切れでの開封性を高めるために切り込みや破線を入れた時の、特定方向への開封性、手切れ性を達成するためには、フィルム長手方向と幅方向の破断伸度が下記関係式(3)を満足することが好ましい。
【0020】
1.4 ≦ La/Lb ≦ 4.0 …(3)
式(3)をLa/Lbを好ましくは1.4以上4.0以下、さらに好ましくは1.8以上3.0倍以下とすることにより、特定方向への手切れ性が良好なフィルムを得ることができる。La/Lbが上記下限値より小さい場合は特定方向へ手で切ろうとしたときに端面が安定しないといった問題が発生しやすくなり、上記上限値より大きい場合は、二軸方向に張力を受けたときに、破断伸度の小さな方向に破断しやすくなると言ったハンドリング上の問題が発生しやすいため、好ましくない。
【0021】
さらに、本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムにおいて、安定した特定方向への開封性、手切れ性を実現するためには、下記関係式(4)および(5)を同時に満足することが好ましい。
【0022】
50 ≦ Pb ≦ 250 …(4)
5 ≦ Pa/Pb ≦ 20 …(5)
ここで、Paはフィルム長手方向および幅方向の引き裂き強度のうち、大きい方の値(mN)、Pbはフィルム長手方向および幅方向の引き裂き強度のうち、小さい方の値(mN)を示す。
【0023】
ここで、Pbは好ましくは50mN以上250mN以下、さらに好ましくは100mN以上であり、Pa/Pbは好ましくは5以上20以下、さらに好ましくは10以上20以下である。Pbが上記下限値より小さい場合やPa/Pbが上記上限値より大きい場合は特定の方向に破断しやすくなりすぎるためハンドリング上の問題が発生しやすくなり、Pa/Pbが5より小さい場合は切断面が安定しないという問題が発生しやすくなるため好ましくない。また、Pbが250より大きい場合は、引き裂き強度が大きすぎるため手での開封が困難になる。
【0024】
本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムの厚さは、加工工程でのハンドリング性や手切れによる開封性のため、10μm以上100μm以下、好ましくは25μm以上60μm以下である。
【0025】
ここで、上記式(3)と(5)を満たすフィルムを得る手段としては、例えば、上記の延伸条件および熱処理条件に加え、フィルム長手方向と幅方向のうちの一方の延伸倍率を他方の2倍以上4倍以下、より好ましくは2.5倍以上3倍以下とすることが好ましい。また、式(4)を満足するフィルムを得るためには、例えば、上記に加え本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂中の共重合ポリエステル樹脂の構成比率を70重量%以上85重量%以下とし、かつフィルム長手方向または幅方向の延伸倍率のうちの小さい方を1.5倍以上2.0倍以下とすることが好ましい。ただし、以上で述べた好ましい製膜条件は製膜条件相互の関連が大きいため、これに限定するものではない。例えば、好ましい延伸倍率については、例えば用いる共重合ポリエステルのガラス転移温度が低いか、ポリエステル樹脂中の共重合ポリエステル樹脂の構成比率が上記好ましい範囲内であっても比較的高い場合、延伸温度が高い場合は上記好ましい範囲より大きくても上記式(1)〜(5)を満足するフィルムを得ることができる。
【0026】
本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムは必要に応じて印刷を施し、フィルム単体またはヒートシール層を設けた形でヒートシールすることによって包装用袋として用いる事ができる。特に溶断シールなどによって筒状に加工した袋を用い、紙おむつや衛生用品、トイレットペーパーといった様な柔軟性のある内容物を、本フィルムの有するストレッチ性を利用して荷崩れしない様に保持する様な包装用袋として特に好ましく用いることができる。
【0027】
本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムは、単層フィルムでも良いが、少なくとも2層以上からなる積層フィルムとして、片面に低融点のヒートシール層を設けたり、両面に耐摩耗性を付与するために有機粒子および/または無機粒子を特定量添加した層を設けることができる。また、ブロッキング防止、帯電防止、離型性付与、耐傷付き性改良などの目的で、表面にコーティング機能層を設けることが有効であり、この機能層の形成には、包装用延伸ポリ乳酸系フィルムの製造工程内で行うインラインコーティング法、包装用延伸ポリ乳酸系フィルムの巻き取り後に行うオフラインコーティング法を用いることができる。
【0028】
次に本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムの製造方法について説明する。本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムを製造する際には、インフレーション法またはインフレーション法により得られたフィルムをさらにフィルム長手方向もしくは幅方向に延伸を行い、その後熱処理を行う方法、Tダイ法により押し出したフィルムをロール間の周速差を利用してフィルム長手方向に延伸し、その後熱処理を行う長手方向一軸延伸法、Tダイ法により押し出したフィルムの両端をクリップで把持し、テンターを用いてフィルム幅方向に延伸を行い、その後熱処理を行う幅方向一軸延伸法、Tダイ、長手方向延伸ロール群、テンターを用いる逐次二軸延伸法のいずれかでも製膜することができるが、逐次二軸延伸法でフィルム長手方向もしくは幅方向の延伸倍率を小さく、他方を大きくすることによってフィルムの各方向の破断伸度や引き裂き強度を調節する方法が最も好ましい。
【0029】
ポリ乳酸樹脂、共重合ポリエステル樹脂、無機粒子からなる樹脂組成物を押し出す場合、あらかじめこれらの成分を溶融混練した単一原料ペレットを用いたり、各成分を計量しながら供給し、二軸押出機を用いるなどして強剪断力下で混練し押し出す方法でも良いが、重合時添加や重合後の溶融混練によってポリ乳酸樹脂もしくは共重合ポリエステル樹脂のいずれかに高濃度に無機粒子を添加した粒子マスターペレットをあらかじめ準備しておき、上記粒子マスターペレットとポリ乳酸樹脂ペレット、および共重合ポリエステル樹脂ペレットの3種のペレットと、必要に応じて他の添加物を含有するペレットを混合して押出機に供給する方法が、生産性の面から好ましい。
【0030】
以下に、厚みむらなどのフィルム品質と生産性、手切れによる開封の方向性の制御の面で最も好ましい逐次二軸延伸法を用いて本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムを製造する場合の製造方法例を述べる。
【0031】
あらかじめ無機粒子をポリ乳酸に高濃度に混練したマスターペレット、ポリ乳酸樹脂ペレット、共重合樹脂ペレットの3種類のペレットを準備し、必要量混合した後、減圧下で100℃6時間の乾燥処理を行い、単軸押出機に供給した。Tダイよりシート状に押し出し、表面温度5〜40℃、好ましくは5〜20℃の金属冷却ロール上に静電気によって密着させ、無配向シートを得る。この無配向シートを30〜90℃、好ましくは40〜80℃の加熱ロール状で加熱し、ロール間の周速差を用いてフィルム長手方向に1.5〜5.0倍延伸を行う。この一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持してテンターを用いて30〜90℃でフィルム幅方向に1.2〜4.0倍延伸を行う。特に、手切れによるフィルム長手方向もしくは幅方向への開封性を特に高めたい場合は、手切れ性を高めたい方向と直交する方向の延伸倍率を他方の延伸倍率の2倍以上、好ましくは3.0倍以上とすることが好ましい。幅方向の延伸を行った後、両端をクリップに把持したまま、一定幅もしくは1〜5%幅を漸減させながら70〜140℃、好ましくは70〜110℃で2〜30秒、好ましくは2〜10秒熱処理を行い、巻き取ることによって、本発明の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムを得ることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
[特性の測定方法]
(1)フィルム長手方向および幅方向の破断伸度(La、Lb)、弾性率(Ea,Eb)
オリエンテック社製TENSILON UCT−100を用いて測定した。サンプルは、フィルム長手方向および幅方向に、測定方向に長さ200mm、幅10mmの短冊状に切り出し、JIS K−7127に規定された方法にしたがって測定を行い、フィルム長手方向および幅方向についてそれぞれ破断伸度、弾性率を求め、破断伸度の大きな方向をa、他方をbとし、それぞれの方向の破断伸度、弾性率をLa,Lb,Ea,Ebとした。
(2)白色度(%)
分光式色差計SE−2000(日本電色工業(株)製)を用いてL,a,b値を求め、JIS L 1015 C法に従い下式を用いて白色度を求めた。
【0033】
白色度(%)=100−{(100−L)2+a2+b21/2
(3)全光線透過率
JIS K 6714−58に準じて、SEP−H−2系濁度計(日本精密光学社製)を用いて全光線透過率を測定した。
(4)引き裂き強度
オリエンテック社製TENSILON UCT−100を用い、JIS 7128−1に従ってトラウザー引裂法による引裂強さを求めた。
(5)ストレッチ性
フィルムをフィルム幅方向に長さ200mm、幅10mmにサンプリングし、オリエンテック社製TENSILON UCT−100にチャック間距離100mmでセットし、200mm/分で10%引張変形させた後直ちに200mm/分でチャック間距離を元に戻し、張力が0を示す変位(L)から、(6)式を用いて弾性回復率Aを求めた。
A=(10−L)/10×100 …(6)
ストレッチ性の評価として、弾性回復率を下記基準で判定した。
◎:弾性回復率80%以上
○:弾性回復率70%以上〜80%未満
△:弾性回復率60%以上〜70%未満
×:弾性回復率50%未満
(6)開封性
一辺150mmの正方形に切り出したサンプルの中央部分に、フィルム長手方向と幅方向のうち破断伸度の大きい方向aと並行に、カッターを用いて15mmおきに5mm長さの穴(ミシン目)を入れ、手で切り裂き、破断面の様子を下記基準で判定した。
3点:ミシン目に沿ってきれいに切れ、破断面も直線である。
2点:ミシン目に沿って切れるが、ミシン目間の破断面が曲がっている。
1点:切断面がミシン目からそれるか、フィルムが伸びて破断しない。
5つのサンプルについて評価を行い、平均点から手切れ性を下記基準で判定した。
○:平均点2.5以上
△:平均点2.0以上2.5未満
×:平均点2.0未満
(7)隠蔽性
上級紙に黒色トナーで20ポイント、ゴシック体で打ち出した文字の上にフィルムを1枚重ね、以下の判定を行った。
○:文字の位置が判別できない。
△:文字は判別できないが、文字の位置は判別できる。
×:文字が判別できる。
【0034】
(ポリ乳酸樹脂の準備)
ポリ乳酸樹脂:重量平均分子量約20万のL−ポリ乳酸(融点170℃;D−ポリ乳酸の含有量1.5重量%)を用いた。
【0035】
(ポリ乳酸樹脂粒子マスターペレットの準備)
ポリ乳酸樹脂粒子マスターペレットA:ポリ乳酸樹脂に対し、二軸押出機を用いて200℃でシリカ粒子(富士シリシア化学(株)製サイリシア)を添加量が3.0重量%となるように混練し、マスターペレットとした。
【0036】
ポリ乳酸樹脂粒子マスターペレットB:ポリ乳酸樹脂Aに対し、二軸押出機を用いて200℃で酸化チタン(石原産業(株)製タイペークCR60−1)を混練し、酸化チタン濃度40重量%のマスターペレットとした。
【0037】
(共重合ポリエステルの準備)
共重合ポリエステルA:ジメチルテレフタレート341g、1,4−ブタンジオール645g、ピロメリット酸ジアンヒドリド0.65g、テトラブチルオルトチタネートを窒素雰囲気下でゆっくり撹拌しながら180℃で処理し、反応で生成したメタノールを除去した。これにアジピン酸312gを添加した後、混合物を撹拌しながら2時間にわたり230℃まで加熱し、反応で生成した水を除去した。さらに1時間後に50重量%亜リン酸水溶液0.4gを添加し、1時間かけて圧力を2ミリバール以下とし、240℃で1時間加熱した。その間過剰の1,4ブタンジオールを除去した。融点は110℃であった。
共重合ポリエステルB:テレフタル酸100重量部、1,4−ブタンジオール100重量部および数平均分子量約1500のポリテトラメチレングリコール60重量部の混合物に、テレフタル酸に対してチタンテトラブトキシド0.047重量%を添加し、190〜225℃でエステル化反応を行なった。次いで酸化防止剤を0.2重量%添加し、減圧下で常法により重縮合反応を行い共重合ポリエステルBを得た。融点は170℃であった。
上記原料チップは全て真空下、60℃で15時間乾燥した後に用いた。
【0038】
実施例1
ポリ乳酸樹脂粒子マスターペレットBを30重量%、共重合ポリエステルAを70重量%混合して用いた。混合した原料チップを押出機に供給し、Tダイ口金温度200℃でフィルム状に押し出し、30℃に冷却したドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製した。連続して加熱ロール間でフィルム長手方向に70℃で3.5倍の延伸を行い、この一軸延伸フィルムを一旦冷却ロール上で冷却した後、両端をクリップで把持してテンター内に導き、80℃の温度で加熱しつつ横方向に1.2倍延伸し、幅方向に固定した状態で90℃、10秒間の熱処理を行い、厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムのフィルム特性は表2に示した通りであり、ストレッチ性、開封性、隠蔽性に優れたものであった。
【0039】
比較例1〜7
原料組成、延伸倍率を表1の様に変更した以外は実施例1と同様にして延伸ポリ乳酸系フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。実施例のフィルムは良好なストレッチ性、開封性を有するが、比較例のフィルムは少なくともストレッチ性、開封性のいずれかが劣るものであった。
【0040】
【表1】
Figure 0004329411
【0041】
【表2】
Figure 0004329411
【0042】
【発明の効果】
柔軟でストレッチ性を有し、さらには開封性に優れた包装用袋用として好適な包装用延伸ポリ乳酸系フィルムを得ることができる。

Claims (6)

  1. (A)ポリ乳酸樹脂5〜60重量部と、(B)融点が90〜210℃である共重合ポリエステル樹脂40〜95重量部からなるポリエステル樹脂と、(C)無機粒子を主成分とする包装用二軸延伸ポリ乳酸系フィルムであって、
    無機粒子の含有量がフィルムの0.01〜20重量%であり、
    かつフィルムの長手方向と幅方向の破断伸度および弾性率が下記関係式(1)、(2)を同時に満足し、
    フィルムの長手方向の引き裂き強度とフィルムの幅方向の引き裂き強度が、下記関係式(4)、(5)を満足する包装用延伸ポリ乳酸系フィルム。
    450≦La+Lb≦900…(1)
    600 ≦ Ea+Eb ≦ 1200 …(2)
    ここで、Laはフィルム長手方向および幅方向の破断伸度のうち、大きい方の値(%)、Lbはフィルム長手方向および幅方向の破断伸度のうち、小さい方の値(%)、Ea(MPa),Eb(MPa)はLa,Lbに対応する方向の弾性率を示す。
    50 ≦ Pb ≦ 250 …(4)
    5 ≦ Pa/Pb ≦ 20 …(5)
    ここで、Paはフィルム長手方向および幅方向の引き裂き強度のうち、大きい方の値(mN)、Pbはフィルム長手方向および幅方向の引き裂き強度のうち、小さい方の値(mN)を示す。
  2. 共重合ポリエステルが、ブチレンテレフタレートおよび/またはエチレンテレフタレートと、脂肪族カルボン酸および/またはポリオキシアルキレングリコールを主たる構成単位とする共重合ポリエステルである請求項1に記載の包装用延伸ポリエステルフィルム。
  3. 共重合ポリエステルが、ブチレンテレフタレートと脂肪族カルボン酸を主たる構成単位とする、融点が90〜140℃の共重合ポリエステルであることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用延伸ポリエステルフィルム。
  4. フィルムの長手方向と幅方向の破断伸度が下記関係式(3)を満足する請求項1〜3のいずれかに記載の包装用延伸ポリ乳酸系フィルム。
    1.4 ≦ La/Lb ≦ 4.0 …(3)
  5. 共重合ポリエステルが芳香族ポリエステルを含む請求項1〜のいずれかに記載の包装用延伸ポリ乳酸系フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の包装用延伸ポリ乳酸系フィルムを用いた袋。
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