JP2000273209A - 脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム - Google Patents

脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム

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JP2000273209A
JP2000273209A JP8337499A JP8337499A JP2000273209A JP 2000273209 A JP2000273209 A JP 2000273209A JP 8337499 A JP8337499 A JP 8337499A JP 8337499 A JP8337499 A JP 8337499A JP 2000273209 A JP2000273209 A JP 2000273209A
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film
aliphatic polyester
less
thickness
longitudinal direction
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JP8337499A
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English (en)
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Hisato Kobayashi
久人 小林
Naonobu Oda
尚伸 小田
Keiji Mori
啓治 森
Tadashi Okudaira
正 奥平
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装用フィルムや粘着テープに用いる場合に
フィルムに対して通常施される印刷やラミネート等の工
程において、印刷ずれやしわ等を発生せず、しかも良好
なひねり固定性を有し、かつ方向性を制限することなく
いずれの方向にも手で容易に切断できる良好な手切れ性
を有する脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルムを提供
する。 【解決手段】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
R−CO−(但し、RはHまたは、炭素数1〜3のアル
キル基を示す)であり、還元粘度(ηsp/C)が0.
50dl/g以上2.50dl/g以下である脂肪族ポ
リエステルを主たるポリマー成分とし、厚みの平均値に
対する厚みの最大値と最小値の差の割合である長手方向
の厚みむらが10%以下であり、120℃における長手
方向の熱収縮率が5%以下であることを特徴とする脂肪
族ポリエステル系二軸延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルを主たるポリマー成分とする二軸延伸フィルムに関
し、さらに詳しくは、生鮮食品、加工食品、医薬品、医
療機器、電子部品等の包装用フィルム、粘着テープ用フ
ィルム等として有用な脂肪族ポリエステル系二軸延伸フ
ィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリ乳酸をはじめとする脂肪族ポ
リエステル系フィルムは、自然環境に棄却された場合、
分解すること、例えば、ポリ乳酸フィルムは土壌中にお
いて自然に加水分解した後、微生物により無害な分解物
となることを特徴として開発されてきた。
【0003】従って、このような脂肪族ポリエステル系
フィルムは、自然界で分解させることを優先して開発が
進められ、その結果、本来、脂肪族ポリエステルが持つ
優れた性能を十分に引き出すことが出来ていなかった。
すなわち、フィルムの配向・結晶化が進むことにより、
加水分解や微生物による分解が抑制されるため、フィル
ムの配向・結晶化を抑制する必要があったため、強度や
熱寸法安定性が不十分なものとなっていた。
【0004】これに対し、フィルムの配向性や結晶化度
を向上させ強度や熱寸法安定性を改善する試みがなされ
ている。例えば、特開平7−207041号公報には、
ポリ乳酸重合体からなり、面配向度ΔPが3.0×10
-3以上であり、かつフィルムを昇温したときの結晶融解
熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱量
ΔHcとの差( ΔHm−ΔHc) が20J/g以上であ
りるポリ乳酸フィルムが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このポ
リ乳酸フィルムは、包装用フィルムとして必要とされる
手切れ性やひねり性、および印刷性等の後加工安定性の
改善を目的としておらず、さらに具体的に示されたポリ
乳酸重合体フィルムの物性では、特に後加工安定性、例
えば印刷、ラミネート処理等で必要とされる120℃で
の寸法安定性が不十分であり、上記の目的を同時に達成
するのは困難である。さらに、その他の脂肪族ポリエス
テル系フィルムに関する従来技術においても、包装用フ
ィルムとしての手切れ性やひねり性、および印刷性等の
後加工性の改善を目的として、ポリ乳酸系重合体の還元
粘度や物性に着目したものは、これまで存在しなかっ
た。
【0006】一方、芳香族ポリエステルであるポリエチ
レンテレフタレートをベースフィルムとしたものが、包
装用袋や粘着テープなどに、延伸されたポリエチレンテ
レフタレートフィルムの強靭性、耐熱性、耐水性、透明
性などの優れた特性を活かして利用されている。しか
し、当該フィルムはこれらの優れた特性を有する反面、
切断しにくく、包装用袋の口を引き裂きがい欠点や、粘
着テープが切り難い欠点、およびひねり時の固定性が劣
るため、ひねり包装用に用いることが出来ない等の欠点
があった。このような手切れ性、ひねり性を解決する方
法として、一軸方向に配向させたポリエステルフィルム
(特公昭55−8551号公報)やジエチレングリコー
ル成分などを共重合したポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(特公昭56−50692号公報)等が用いられ
ている。
【0007】しかし、上記のうち一軸配向させる方法で
は、配向方向へは直線的に容易に切れるが、配向方向以
外には切れにくく、また他成分を共重合させる方法で
は、ポリエチレンテレフタレート本来の特徴が損なわれ
るという欠点があった。
【0008】他方、従来から手切れ性の優れたフィルム
としてセロハンが知られている。セロハンはその優れた
透明性と易切断性、ひねり性などの特性により、各種包
装材、粘着テープなどに利用されている。しかし、一方
ではセロハンは吸湿性を有するために特性が季節により
変動し、一定品質を供給することが困難であった。
【0009】そこで、本発明の目的は、上述の問題を解
決すべく、包装用フィルムや粘着テープに用いる場合に
フィルムに対して通常施される印刷やラミネート等の工
程において、印刷ずれやしわ等を発生せず、しかも良好
なひねり固定性を有し、かつ方向性を制限することなく
いずれの方向にも手で容易に切断できる良好な手切れ性
を有する脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルムを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、鋭意研究したところ、特定の繰り返し単
位を有する脂肪族ポリエステルのうち、還元粘度が特定
範囲のものを用いることにより、手切れ性、ひねり性、
及び加工適性が向上し、更にフィルムの長手方向の厚み
むらや、熱収縮率を所定の範囲内にすることによって、
加工適性や製膜性等に更に優れた包装用フィルムが得ら
れることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明の脂肪族ポリエステル系二軸
延伸フィルムは、主たる繰り返し単位が一般式−O−C
HR−CO−(但し、RはHまたは、炭素数1〜3のア
ルキル基を示す)であり、還元粘度(ηsp/C)が
0.50dl/g以上2.50dl/g以下である脂肪
族ポリエステルを主たるポリマー成分とし、厚みの平均
値に対する厚みの最大値と最小値の差の割合である長手
方向の厚みむらが10%以下であり、120℃における
長手方向の熱収縮率が5%以下であることを特徴とす
る。ここで、還元粘度、長手方向の厚みむら、及び熱収
縮率は、実施例における評価方法で測定される値を指
す。
【0012】上記において、厚み方向の屈折率( Nz)
が1.440以上1.455以下であり、前記熱収縮率
が3%以下であることが好ましい。
【0013】また、長手方向の屈折率( Nx) から幅方
向の屈折率( Ny) を差し引いた値( Nx−Ny) が−
0.020以上0以下であることが好ましい。ここで、
各方向の屈折率(Nz、Nx、Ny)は、実施例におけ
る評価方法で測定される値を指す。
【0014】前記還元粘度は上記の数値範囲のうち、特
に0.50dl/g以上1.80dl/g以下であるこ
とが好ましい。
【0015】また、前記脂肪族ポリエステルは、後述の
如く種々のものが挙げられるが、ポリ乳酸であることが
好ましい。
【0016】[作用効果]本発明によると、実施例の結
果が示すように、還元粘度、長手方向の厚みむら及び熱
収縮率を上記の範囲内にすることによって、印刷工程や
ラミネート工程において平面性悪化や印刷ずれ等が発生
しにくく優れた加工適性を有するとともに、手切れ性お
よびひねり性に優れ、包装用フィルム、粘着テープ用フ
ィルム等として有用な脂肪族ポリエステル系二軸延伸フ
ィルムを提供することができる。なお、還元粘度は単に
重合体の分子量のみと相関するのではなく、溶融物中で
の分子鎖の挙動やフィルム中での分子鎖のからみあい等
とも関連するため、フィルムの手切れ性、ひねり性、及
び加工適性との関係は予測し難いものであるが、本発明
は、実験的に良好になる還元粘度を見出したものであ
る。
【0017】厚み方向の屈折率( Nz) が1.440以
上1.455以下であり、前記熱収縮率が3%以下であ
る場合、製膜性が更に良好で、印刷工程やラミネート工
程において平面性が更に好適に維持される。
【0018】また、長手方向の屈折率( Nx) から幅方
向の屈折率( Ny) を差し引いた値( Nx−Ny) が−
0.020以上0以下である場合、更に印刷工程やラミ
ネート工程において平面性がより好適に維持される。
【0019】前記還元粘度は上記の数値範囲のうち、特
に0.50dl/g以上1.80dl/g以下である場
合、上記の如き知見より、特にフィルムの手切れ性やひ
ねり性が優れたものになる。
【0020】また、前記脂肪族ポリエステルのうちポリ
乳酸は、成形性、還元粘度の制御、耐熱性、および原料
コストなどの総合的な面から、本発明において好適に使
用される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、使用材料、製造方法、物性等の順で説明する。
【0022】(使用材料)本発明において、主たるポリ
マー成分となる脂肪族ポリエステルは、主たる繰り返し
単位が一般式−O−CHR−CO−である。ここで、R
は水素原子または、炭素数1〜3のアルキル基を示し、
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基が挙げられる。一般式−O−CH
R−CO−の具体的に示すと、例えばポリ乳酸、ポリグ
リコール酸、ポリ(2ーオキシ酪酸)等の残基を挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、場合によっては、これらの単独でも良く、或いは混
合物、共重合体を使用してもかまわない。ポリマー中不
斉炭素を有するものは、L−体、DL−体、D−体とい
った光学異性体が存在するが、それらのいずれでも良
く、また、それら異性体の混合物でもよい。これらフィ
ルムの素材となる上述したポリマーは、対応するα−オ
キシ酸の脱水環状エステル化合物を開環重合するなどの
公知の方法で製造される。
【0023】なお、上記において、「主たるポリマー成
分」及び「主たる繰り返し単位」とは、他の混合樹脂成
分や他の共重合体成分を、本発明の作用効果を損なわな
い範囲で含有してもよいことを指す。また、Rが炭素数
4以上のアルキル基を除外したのは、溶融押出時の熱安
定性の低下やフィルム配向及び結晶性の低下のためであ
る。
【0024】本発明において、用いられる脂肪族ポリエ
ステルは、還元粘度(ηsp/C)が0.50dl/g
以上2.50dl/g以下である。還元粘度が0.50
dl/g未満であると、製膜時の破断が多く、さらに得
られたフィルムの物性が著しく劣り、且つ、製膜時の分
解速度が速すぎ本発明の目的を達し得ない。一方、還元
粘度が2.50dl/gより大きいと得られるフィルム
の手切れ性、ひねり性が低下するのみならず、溶融粘度
が高くなるため溶融押出しが困難になるという問題があ
る。かかる観点より、さらに好ましい還元粘度範囲は、
0.50dl/g以上2.00dl/g以下、より好ま
しくは0.50dl/g以上1.80dl/g以下であ
る。
【0025】還元粘度を上記の範囲とするには、脂肪族
ポリエステルの種類(分子構造)に応じて、平均分子量
を制御したり、分子量分布を適正化することにより達成
される。
【0026】本発明の脂肪族ポリエステルは、公知の添
加剤を必要に応じて含有させることができる。例えば、
滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、対光剤、耐衝撃性改良剤などを含有させても
よい。但し、本発明の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フ
ィルムは、ヒートシール層を形成した後、透明で内容物
が見えるのが好ましいため、ヒートシール層の形成前に
おいても高い透明性を示すものが好ましい。
【0027】滑剤としてはシリカ、二酸化チタン、タル
ク、カオリナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属の塩または架橋
ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、シリコン樹脂、
架橋ポリエステル樹脂等の有機ポリマーからなる粒子
等、脂肪族ポリエステル系ポリマーに対し不活性な粒子
が望ましい。
【0028】これらの滑剤は、いずれか一種を単独で用
いてもよく、また2種以上を併用してもよい。但し、使
用する滑剤の平均粒子径は0.01μm以上3.0μm以下、
特に0.05μm以上2.5μm以下が好ましく、添加量は
0.005重量%以上2重量%以下含有していることが
好ましく、特に0.01重量%以上1.0重量%以下が
フィルムの透明性および滑り性を両立するために好まし
い。
【0029】特に透明性と滑り性を両立する為には2種
以上の滑剤を併用することが好ましい。特に、フィルム
の製膜中に変形する滑剤粒子(たとえば架橋ポリスチレ
ン、架橋アクリル等の架橋度の低い有機滑剤、一次粒子
の凝集体であるシリカ等の無機滑剤)とフィルム製膜中
に変形しない通常の滑剤粒子を組み合わせることが好ま
しい。
【0030】(製造方法)本発明のフィルムは、二軸延
伸後に熱固定されたフィルムであることが好ましく、公
知の方法で製膜し、延伸することで製造することができ
る。
【0031】本発明において、上記の使用材料を溶融フ
ィルムとして押出成形する方法は、公知のT−ダイ法、
インフレーション法等のいずれの方法も適用でき、これ
らの方法により未延伸フィルムを得ることができる。押
出し温度は、用いるポリマーの融解温度(Tm)〜Tm
+70℃の範囲、より好ましくは、Tm+20〜Tm+
50℃の範囲である。押出し温度が低すぎると押出し安
定性が得難く、また過負荷に陥りやすい。また逆に高す
ぎるとポリマーの分解が激しくなるので好ましくない。
本発明で用いる押出機のダイは、環状または線状のスリ
ットを有するものでよい。ダイの温度は押出温度範囲と
同じ程度でよい。
【0032】未延伸フィルムの二軸延伸は、一軸目の延
伸と二軸目の延伸を逐次に行っても、同時に行ってもよ
い。延伸温度は、用いるポリマーのガラス転移温度(T
g)〜Tg+50℃の範囲が好ましい。さらに好ましく
はTg+10〜Tg+40℃の範囲である。延伸温度が
Tg未満では延伸が困難であり、Tg+50℃を越える
と厚み均一性や得られたフィルムの機械的強度が低下す
る傾向がある。
【0033】縦、横の延伸は1段階でも多段階に分けて
行っても良いが、それぞれの延伸方向に最終的には少な
くとも3倍以上、更に好ましくは、3.5倍以上、また
縦・横面積倍率で9倍以上、更に好ましくは12倍以上
延伸することが、厚みの均一性や機械的性質の点から望
ましい。縦、横延伸比がそれぞれ3倍未満、また面積倍
率が9倍未満では、厚み均一性の良いフィルムは得られ
ず、また機械的強度等の物性の向上も乏しくなる傾向が
ある。
【0034】本発明において、屈折率(Nz)および熱
収縮率を所定の範囲とするため重要なことは、縦延伸を
二段以上で行い、少なくとも一回はTg+20℃〜Tg
+40℃の範囲で延伸速度が10000%/分、好まし
くは15000%/分、さらに好ましくは20000%
/分以上で延伸する工程を含むことである。
【0035】また、延伸後の熱固定は、熱収縮率を所定
の範囲とするため重要であり、145℃〜融点で1秒〜
3分間程度行うのが好ましい。また、同様の理由より、
横弛緩処理を行うのが好ましく、0〜8%程度の横弛緩
処理を施すのが好ましい。
【0036】本発明のフィルムは、上記の如き製造工程
において共押出し法や、コーティング法によって複層化
されてもよい。また、本発明のフィルムは、表面張力を
向上すること等を目的として、コロナ処理、プラズマ処
理や火炎処理等の表面処理を施してもよい。
【0037】(物性等)以上のようにして得られる本発
明の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルムの物性等は
次の通りである。
【0038】厚みの平均値に対する厚みの最大値と最小
値の差の割合であるフィルムの長手方向の厚みむらは、
10%以下である必要があり、好ましくは8%以下、更
に好ましくは5%以下である。厚みむらが10%より大
きいと、手切れ性が低下するのみならず、印刷やラミネ
ート工程等において搬送張力が加わった状態でフィルム
が加熱されると、フィルムの長手方向に平面性の良好な
場所と不良な場所が混在した状態のフィルムとなり、最
終製品の収率の低下が発生するため好ましくない。
【0039】フィルムの120℃における長手方向の熱
収縮率は5%以下であり、好ましくは3%以下である。
熱収縮率が5%より大きいと手切れ性が低下し、さらに
印刷工程においては印刷ずれが発生し、ヒートシール時
にはしわが発生するため好ましくない。
【0040】また、フィルムの厚み方向の屈折率(N
z)は好ましくは1.440以上1.455以下でり、
さらに好ましくは1.445以上1.455以下であ
る。Nzが1.440未満ではフィルムを製膜する工程
において破断が発生しやすくなる。また1.455より
大きいと、印刷やラミネート工程等でフィルムが加熱さ
れた場合には平面性の乱れを発生する傾向がある。
【0041】フィルムの長手方向の屈折率( Nx) から
幅方向の屈折率( Ny) を差し引いた値( Nx−Ny)
は、好ましくは−0.020以上0以下であり、さらに
好ましくは−0.015以上0以下である。Nx−Ny
が−0.020未満では印刷やラミネート工程等でフィ
ルムが加熱された場合に、フィルムの搬送張力により引
き伸ばされ、印刷ずれおよび波うちを発生し、平面性が
悪化する傾向がある。また、Nx- Nyが0以上では厚
みむらが大きくなり、手切れ性も悪化しやすい傾向があ
る。なお、Nx−Nyは、縦、横の延伸の延伸倍率、延
伸速度等のバランスによって調節することができる。
【0042】なお、フィルムの厚さは、使用目的によっ
て異なるが、5〜250μm程度である。
【0043】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明の内容
及び効果を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を
逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方
法は以下の通りである。
【0044】(1)還元粘度(ηsp/C) ポリマー0.125gをクロロホルム25mlに溶解し
ウベローデ粘度管を用いて25℃で測定した(単位:d
l/g)。
【0045】(2)厚みむら アンリツ株式会社製フィルム厚み連続測定器を用い、フ
ィルムの長手方向に3mの厚みを計測し、下式から厚み
むらを算出した。
【0046】厚みむら=( 厚みの最大値−厚みの最低
値) /厚みの平均値×100(%) (3)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mm、長辺がフィル
ムの長手方向になるように取り、200mm間隔で印を
つけ5gの一定張力で間隔Aを測る。続いて、無荷重で
30分間、120℃の雰囲気中のオーブンに入れた後の
印の間隔Bを求め、以下の式により熱収縮率を求めた。
【0047】熱収縮率=(A−B)/A×100(%) (4)厚み方向、長手方向および幅方向の屈折率(N
z、Nx、Ny) 株式会社アタゴ製アッベ屈折計1Tを用いて、それぞれ
の屈折率を測定した。
【0048】(5)手切れ性 官能試験で行い、幅15mmのテープ状のサンプルを手
で切断した際、容易に手で切断できるものを○、容易に
手で切断できないものを×、○と×の中間を△とした。
【0049】(6)ひねり性 官能試験で行い、幅30mmのテープ状サンプルをひね
った時、ひねった状態がもとに戻らないものを○、ひね
った状態を維持できないものを×とした。
【0050】(7)加工適性 各実施例、比較例で得られた熱可塑性フィルムの上にグ
ラビアインキ(ラミエース61白二液タイプ、東洋イン
キ社製)をグラビア印刷して、印刷インキ層を形成し、
次いで接着剤AD585/CAT−10(東洋モートン
社製)を2g/塗布した後、常法に従って未延伸ポリプ
ロピレンフィルム、60μm(P1120、東洋紡績
製)をドライラミネート法にて貼り合わせシーラント層
を設け、脂肪族ポリエステル系フィルム積層体を得た。
これの工程においてフィルムの状態を観察し三段階評価
を実施した。 ○;フィルムの状態良好 △;しわおよび印刷ずれが若干発生 ×;平面性悪化が見られ、しわおよび印刷ずれの問題あ
り。
【0051】実施例1 還元粘度1.55のポリ−L−乳酸100重量部に対
し、表面突起を形成するための滑剤として平均粒子系
1.8μmの凝集体シリカ粒子を0.06重量部添加し
たポリマーを用い、Tダイ付き口径30mm押出機を使
用して、樹脂温度200℃で押出した後、20℃のチル
ロールで冷却し、厚さ300μm の未延伸フィルムを得
た。複数本のセラミックロールによりフィルム温度を9
0℃に予熱し、ロール間で30000%/分の延伸速度
で縦方向に1.5倍延伸し、更に93℃で2.7倍縦方
向に延伸した。次いでテンター式延伸機で横方向に80
℃で3.8倍延伸した後、155℃で1分間熱固定した
後、135℃で3%横弛緩処理を行った。厚さ20μm
の延伸フィルムを得た。表1にその物性及び評価結果を
示す。
【0052】比較例1および2 実施例1において、還元粘度1.55のポリ−L−乳酸
を用いる代わりに、還元粘度2.84および0.45の
ポリ−L−乳酸を用いて実施例1と同様の延伸フィルム
を得た。表1にその物性及び評価結果を示す。なお、還
元粘度は、重合速度および重合時間により調整した。
【0053】比較例3 実施例1において縦延伸を、複数本のセラミックロール
によりフィルム温度90℃に予熱しロール間で3000
0%/分の延伸速度で縦方向に2.5倍に一段延伸で実
施した以外は、実施例1とまったく同様の方法で二軸延
伸フィルムを得た。この製法により、厚みむら、Nz、
Nx−Nyが本発明の好適範囲を越えるものとなった。
表1にその物性及び評価結果を示す。
【0054】比較例4 実施例1において縦延伸を、複数本のセラミックロール
によりフィルム温度70℃に予熱しロール間で3000
0%/分の延伸速度で縦方向に3.5倍に一段延伸で実
施した以外は、まったく同様の方法で二軸延伸フィルム
を得た。この製法により、厚みむら、Nz、熱収縮率が
本発明の好適範囲を越えるものとなった。表1にその物
性及び評価結果を示す。
【0055】実施例2 実施例1において縦延伸を8000%/分で実施した以
外は、まったく同様の方法で二軸延伸フィルムを得た。
この製法により、Nx−Nyが本発明の好適範囲を越え
るものとなった。表1にその物性及び評価結果を示す。
【0056】比較例5 実施例1において熱固定を140℃で実施した以外は、
まったく同様の方法で二軸延伸フィルムを得た。この製
法により、厚みむら、Nz、熱収縮率が本発明の好適範
囲を越えるものとなった。表1にその物性及び評価結果
を示す。
【0057】実施例3 実施例1において熱固定を150℃で実施した以外は、
まったく同様の方法で二軸延伸フィルムを得た。表1に
その物性及び評価結果を示す。
【0058】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 (72)発明者 森 啓治 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 奥平 正 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E086 AD01 BA15 BA33 BB22 BB41 BB62 BB71 BB75 BB85 BB90 CA01 CA16 CA17 CA22 CA25 CA27 CA28 CA31 4F071 AA43 AA43X AA81 AF31Y AF53Y AF61Y AH04 BA01 BB06 BB08 BB09 BC01 BC10 BC12 4F210 AA24 AE01 AG01 QA02 QA03 QC05 QD16 QG01 QG18 QW07 QW12 4J002 BC032 BG002 CF002 CF181 CP032 DE136 DE236 DG046 DH046 DJ016 DJ036 DJ046 FD176 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
    R−CO−(但し、RはHまたは、炭素数1〜3のアル
    キル基を示す)であり、還元粘度(ηsp/C)が0.
    50dl/g以上2.50dl/g以下である脂肪族ポ
    リエステルを主たるポリマー成分とし、厚みの平均値に
    対する厚みの最大値と最小値の差の割合である長手方向
    の厚みむらが10%以下であり、120℃における長手
    方向の熱収縮率が5%以下であることを特徴とする脂肪
    族ポリエステル系二軸延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 厚み方向の屈折率( Nz) が1.440
    以上1.455以下であり、前記熱収縮率が3%以下で
    ある請求項1記載の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 長手方向の屈折率( Nx) から幅方向の
    屈折率( Ny) を差し引いた値( Nx−Ny) が−0.
    020以上0以下である請求項1又は2に記載の脂肪族
    ポリエステル系二軸延伸フィルム。
  4. 【請求項4】 前記還元粘度が0.50dl/g以上
    1.80dl/g以下である請求項1〜3いずれかに記
    載の脂肪族ポリエステル系二軸延伸フィルム。
  5. 【請求項5】 前記脂肪族ポリエステルがポリ乳酸であ
    る請求項1〜4いずれかに記載の脂肪族ポリエステル系
    二軸延伸フィルム。
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