JP2000273208A - 脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム - Google Patents

脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム

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JP2000273208A
JP2000273208A JP8102099A JP8102099A JP2000273208A JP 2000273208 A JP2000273208 A JP 2000273208A JP 8102099 A JP8102099 A JP 8102099A JP 8102099 A JP8102099 A JP 8102099A JP 2000273208 A JP2000273208 A JP 2000273208A
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resin film
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Hisato Kobayashi
久人 小林
Naonobu Oda
尚伸 小田
Keiji Mori
啓治 森
Tadashi Okudaira
正 奥平
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装用フィルムや粘着テープに用いる場合に
フィルムに対して通常施される印刷やラミネートなどの
工程において、印刷ずれやしわなどを発生せず、しか
も、良好なひねり固定性を有し、かつ、方向性を制限す
ることなくいずれの方向にも手で容易に切断できる良好
な手切れ性を有する脂肪族ポリエステル系フィルムを提
供すること。 【解決手段】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
R−CO−(RはH又は炭素数1〜3のアルキル基を示
す)であり、還元粘度(ηsp/c)が0.50〜2.
50である脂肪族ポリエステル系樹脂からなり、かつ、
下記(A)〜(C)の特性を満たすことを特徴とする。 (A)長手方向の屈折率(Nx)と幅方向の屈折率(N
y)との差(Nx−Ny)が−0.020〜0 (B)長手方向における(Nx−Ny)のばらつきが
0.005以下 (C)120℃における熱収縮率が5%以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ル系樹脂からなるフィルムであり、さらに詳しくは生鮮
食品、加工食品、医薬品、医療機器、電子部品などの包
装用フイルムとして用いるときに重要な特性である印刷
やラミネート工程における平面性悪化や印刷ずれなどが
発生せず、加工適性に優れ、手切れ性、ひねりしわ固定
性に優れた脂肪族ポリエステル系樹脂からなる二軸延伸
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリ乳酸重合体をはじめとする脂
肪族ポリエステル系フィルムは自然環境に棄却された場
合、分解すること、例えば、ポリ乳酸重合体フィルムは
土壌中において自然に加水分解した後、微生物により無
害な分解物になることを特徴として開発されてきた。
【0003】従って、このような脂肪族ポリエステル系
フィルムは、自然界で分解させることを優先して開発が
進められ、その結果、本来、脂肪族ポリエステルが持つ
優れた性能を十分に引き出すことが出来ていなかった。
すなわち、フィルムの配向・結晶化が進むことにより、
加水分解や微生物による分解が抑制されるため、フィル
ムの配向・結晶化を抑制する必要があったため、強度や
熱寸法安定性が不充分なものとなっていた。
【0004】これに対し、フィルムの配向性や結晶化度
を向上させ強度や熱寸法安定性を改善する試みがなされ
ている。例えば特開平7−207041号公報には、ポ
リ乳酸重合体からなり、面配向度ΔPが3.0×10-3
以上であり、かつフィルムを昇温したときの結晶融解熱
量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱量Δ
Hcとの(ΔHm−ΔHc)が20J/g以上であるポ
リ乳酸重合体フィルムが公開されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このポ
リ乳酸重合体フィルムは包装用フィルムとして必要とさ
れる手切れ性やひねり性及び印刷性などの後加工安定性
の改善を目的としておらず、さらに具体的に示されたポ
リ乳酸重合体フィルムの物性では、特に後加工安定性、
例えば印刷、ラミネート処理などで必要とされる120
℃での寸法安定性が不充分であり、上記目的を同時に達
成することは困難である。さらに、その他の脂肪族ポリ
エステル系フィルムに関する従来技術においても、包装
用フィルムとしての手切れ性やひねり性、および印刷性
などの後加工性の改善を目的として、ポリ乳酸重合体の
還元粘度や物性に着目したものは、これまで存在しなか
った。
【0006】一方、芳香族ポリエステルであるポリエチ
レンテレフタレートをベースフィルムとした包装用袋や
粘着テープなどは、延伸されたポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの強靱性、耐熱性、耐水性、透明性などの
優れた特性を活かして利用されている。しかし、当該フ
ィルムはこれらの優れた特徴を有する反面、切断しにく
く、包装用袋の口を引き裂きがたい欠点や、粘着テープ
がきれ難い欠点、およびひねり時の固定性が劣るため、
ひねり包装用に用いることが出来ないなどの欠点があっ
た。このような手切れ性、ひねり性を解決する方法とし
て、一軸方向に配向させたポリエステルフィルム(特公
昭55−8551号公報)やジエチレングリコールを共
重合したポリエチレンテレフタレートフィルム(特公昭
56−50692号公報)などが用いられている。
【0007】しかし、上記のうち一軸配向させる方法で
は、配向方向へは直線的に容易に切れるが、配向方向以
外は切れにくく、また他成分を共重合する方法では、ポ
リエチレンテレフタレート本来の特徴が損なわれるとい
う欠点があった。
【0008】他方、従来から手切れ性の優れたフィルム
としてセロハンが知られている。セロハンのその優れた
透明性と易切断性、ひねり性などの特徴により、各種包
装材、粘着テープなどに利用されている。しかし、一方
ではセロハンは吸湿性を有するために特性が季節により
変動し、一定品質のフィルムを供給することが困難であ
った。
【0009】そこで、本発明の目的は、上述の問題を解
決すべく、包装用フィルムや粘着テープに用いる場合に
フィルムに対して通常施される印刷やラミネートなどの
工程において、印刷ずれやしわなどを発生せず、しか
も、良好なひねり固定性を有し、かつ、方向性を制限す
ることなくいずれの方向にも手で容易に切断できる良好
な手切れ性を有する脂肪族ポリエステル系フィルムを提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂フィルムは、主
たる繰り返し単位が一般式−O−CHR−CO−(Rは
H又は炭素数1〜3のアルキル基を示す)であり、還元
粘度(ηsp/c)が0.50〜2.50である脂肪族
ポリエステル系樹脂からなり、かつ、下記(A)〜
(C)の特性を満たすことを特徴とする。 (A)長手方向の屈折率(Nx)と幅方向の屈折率(N
y)との差(Nx−Ny)が−0.020〜0 (B)長手方向における(Nx−Ny)のばらつきが
0.005以下 (C)120℃における熱収縮率が5%以下
【0011】上記の構成からなる本発明の脂肪族ポリエ
ステル系樹脂フィルムは、印刷やラミネート工程におけ
る印刷ずれやしわなどが発生せず、加工適性に優れ、か
つ、手切れ性、ひねりしわ固定性に優れている。
【0012】また、この場合、120℃における熱収縮
率が3%以下であることができる。
【0013】また、この場合、厚み方向の屈折率(N
z)が1.440〜1.455であることができる。
【0014】また、この場合、脂肪族ポリエステル系樹
脂の還元粘度が0.50〜1.80であることができ
る。
【0015】さらにまた、この場合、脂肪族系ポリエス
テル系樹脂がポリ乳酸重合体であることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の脂肪族ポリエステ
ル系樹脂フィルムの実施の形態を図面に基づいて説明す
る。
【0017】本発明において用いる、主たる繰り返し単
位が一般式−O−CHR−CO−(RはH又は炭素数1
〜3のアルキル基を示す。)である脂肪族ポリエステル
系樹脂としては、例えば典型的にはポリ乳酸重合体、ポ
リグリコール酸重合体、ポリ(2−オキシ酪酸)重合体
などを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではなく、これらの単独重合体である他、共重合体、重
合体混合物であってもよい。ポリマー中に不斉炭素を有
するものは、L−体、DL−体、D−体といった光学異
性体が存在するが、それらのいずれでも良く、また、そ
れら異性体の混合物でも良い。これらフィルムの素材と
なる脂肪族ポリエステル系樹脂は、対応するα−オキシ
酸の脱水環状エステル化合物を用い、開環重合など公知
の方法により製造することができる。
【0018】本発明において用いる脂肪族ポリエステル
系樹脂の還元粘度(ηsp/c)は0.50〜2.50
である。還元粘度が0.50未満であると、製膜時の破
断が多く、さらに得られたフィルムの物性が著しく劣
り、且つ、分解速度が速すぎて本発明の目的を達し得な
い。一方、還元粘度が2.50より大きいと得られるフ
ィルムの手切れ性、ひねりしわ固定性が低下するのみな
らず、溶融粘度が高くなるため溶融押出しが困難になる
という問題がある。本発明において用いるのに好ましい
還元粘度の範囲は、0.50〜2.0、さらに好ましく
は0.50〜1.80である。
【0019】本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂フィル
ムは二軸延伸後に、さらに熱固定されたフィルムである
ことが好ましく、従来から知られた方法で製膜し延伸し
て製造することができる。
【0020】本発明のフィルムを製造するために脂肪族
ポリエステル系樹脂を押出成形する方法は、公知のT−
ダイ法、インフレーション法などを用いることができ、
これらの方法により未延伸フィルムを得ることができ
る。押出し温度は、用いる脂肪族ポリエステル系樹脂の
融解温度(Tm)〜Tm+70℃の範囲、より好ましく
は、Tm+20〜Tm+50℃の範囲である。押出し温
度が低すぎると押出し安定性が得難く、また過負荷に陥
りやすい。また逆に高すぎると脂肪族ポリエステル系樹
脂の分解が激しくなるので好ましくない。本発明フィル
ムを製造するのに用いる押出機のダイは、環状又は線状
のスリットを有するものでよく、また、ダイの温度はフ
ィルム押出温度の範囲と同じ程度でよい。
【0021】得られた未延伸フイルムを二軸延伸するに
は、一軸目の延伸と二軸目の延伸を逐次に行っても、同
時に行っても良い。延伸温度は、用いる脂肪族ポリエス
テル系樹脂のガラス転移温度(Tg)〜Tg+50℃の
範囲が好ましい。さらに好ましくはTg+10〜Tg+
40℃の範囲である。延伸温度が脂肪族ポリエステル系
樹脂のガラス転移温度(Tg)未満の温度では延伸が困
難であり、Tg+50℃を越えると厚み均一性や得られ
たフイルムの機械的強度が低下し好ましくない。縦、横
の延伸は1段階でも多段階に分けて行っても良いが、そ
れぞれの延伸方向に最終的には少なくとも3倍以上、更
に好ましくは、3.5倍以上、また、縦・横面積倍率で
9倍以上、更に好ましくは12倍以上延伸することが厚
みの均一性や機械的性質の点から好ましい。この場合、
縦・横延伸比がそれぞれ3倍以下、また、面積倍率が9
倍以下では、厚み均一性の良いフィルムは得られず、ま
た、機械的強度などの物性の向上も充分でない。
【0022】本発明のフィルムの熱収縮率及び厚み方向
の屈折率(Nz)を所定の範囲とするため重要なこと
は、縦延伸を二段階以上に分けて行い、少なくとも一回
の縦延伸はTg+20〜Tg+40℃の範囲で延伸速度
を10000%/分以上、好ましくは15000%/分
以上、さらに好ましくは20000%/分以上にして延
伸する工程を含むことである。
【0023】本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂フィル
ムは二軸延伸されているが、その製造工程中において共
押出し法やコーティング法によって複層化されてもよ
い。また、本発明のフィルムは、表面エネルギーを向上
する目的で、コロナ放電処理、プラズマ放電処理や火炎
処理などを施しても良い。
【0024】本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂フィル
ムを製造するのに用いる脂肪族ポリエステル系樹脂に
は、公知の添加剤を必要に応じて含有させることができ
る。例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸
化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤などを
含有させてもよい。但し、本発明の脂肪族ポリエステル
系樹脂フィルムは、その少なくとの一方の面にヒートシ
ール層を形成することができるが、ヒートシール層を形
成した後、包装用フィルムとして用いる場合に、透明で
内容物が見える必要があるので、ヒートシール層を形成
する前においても高い透明性を有することが必要とな
る。
【0025】本発明フィルムに含有させておくのに好ま
しい滑剤としてはシリカ、二酸化チタン、タルク、カオ
リナイトなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カ
ルシウム、硫酸バリウムなどの金属の塩又は架橋ポリス
チレン樹脂、架橋アクリル樹脂、シリコン樹脂、架橋ポ
リエステル樹脂などの有機ポリマーなどからなる、脂肪
族ポリエステル系樹脂に対し不活性な粒子を例示するこ
とができる。
【0026】これらの滑剤は、いずれか一種を単独で用
いてもよく、また2種以上を併用してもよいが、使用す
る滑剤の平均粒子径は0.01〜3.0μm、特に0.
05〜2.5μmであるのが好ましく、その含有量は
0.005〜2重量%であるのが好ましく、特に0.0
1〜1.0重量%であるのがフィルムの透明性および滑
り性を両立させるために好ましい。
【0027】本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂フィル
ムの透明性と滑り性を両立させる為には2種以上の滑剤
を併用することが好ましい。特に、フィルムの製膜中に
変形する滑剤粒子(たとえば架橋ポリスチレン、架橋ア
クリルなどの架橋度の低い有機滑剤、一次粒子の凝集体
であるシリカなどの無機滑剤)とフィルム製膜中に変形
しない通常の滑剤粒子を組み合わせることが好ましい。
【0028】本発明における脂肪族ポリエステル系樹脂
フィルムの長手方向の屈折率(Nx)と幅方向の屈折率
(Ny)との差(Nx−Ny)は、好ましくは−0.0
20〜0であり、さらに好ましくは−0.015〜0で
ある。(Nx−Ny)が−0.020未満では印刷やラ
ミネート工程などでフィルムが加熱された場合に、フィ
ルムの搬送張力により引き伸ばされ、印刷ずれ及び波う
ちを発生し平面性が悪化するため好ましくない。また、
(Nx−Ny)が0より大きい場合には厚みむらが大き
くなりやすく手切れ性が低下する。
【0029】また、本発明における脂肪族ポリエステル
系樹脂フィルムの長手方向における(Nx−Ny)のば
らつきが0.005以下である必要があり、好ましくは
0.003以下、更に好ましくは0.002以下であ
る。(Nx−Ny)のばらつきが0.005より大きい
とフィルムを手で引き裂いた際の直進カット性が低下
し、さらに印刷やラミネート工程などにおいて搬送張力
が加わった状態でフィルムが加熱されるとフィルムの長
手方向に平面性の良好な場所と不良な場所が混在した状
態のフィルムとなり、最終製品の収率の低下が発生する
ため好ましくない。
【0030】更に、本発明における脂肪族ポリエステル
系樹脂フィルムの120℃における熱収縮率は5%以下
であり、好ましくは3%以下である。熱収縮率が5%よ
り大きいと手切れ性が低下し、印刷工程においては印刷
ずれが発生し、ヒートシール時にはしわが発生するため
好ましくない。
【0031】本発明における脂肪族ポリエステル系樹脂
フィルムの厚み方向の屈折率(Nz)は、好ましくは
1.440〜1.455でり、さらに好ましくは1.4
45〜1.455である。Nzが1.440未満ではフ
ィルムを製膜する工程において破断が発生しやすくな
る。また1.455を超えると印刷やラミネート工程な
どでフィルムが加熱された場合に平面性の乱れを発生す
るため好ましくない。
【0032】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明の内容
及び効果を具体的に説明するが、本発明は、その趣旨を
逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、本明細書中における物性の評価方法は以下の
通りである。
【0033】(1)還元粘度(ηsp/c) ポリマー0.125gをクロロホルム25ccに溶解し
ウベローデ粘度管を用いて25℃で測定した。
【0034】(2)厚み方向、長手方向及び幅方向の屈
折率(Nz、Nx、Ny) 株式会社アタゴ製アッベ屈折計1Tを用いて、それぞれ
の屈折率を測定した。
【0035】(3)長手方向の(Nx−Ny)のばらつ
き 株式会社アタゴ製アッベ屈折計1Tを用いて、フィルム
の長手方向に3mの(Nx−Ny)の絶対値を10cm
間隔で計測し、下式からばらつきを算出した。 (Nx−Ny)のばらつき=[(Nx−Ny)の最大値−(N
x−Ny)の最小値
【0036】(4)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mm切り取り、20
0mm間隔で印をつけ5gの一定張力で間隔Aを測る。
続いて、無荷重で30分間、120℃の雰囲気のオーブ
ンに入れた後とり出し、冷却して前記印の間隔Bを求
め、以下の式により熱収縮率を求めた。 {(A−B)/A}×100(%)
【0037】(5)手切れ性 官能試験で行う。幅15mmのテープ状のサンプルを手
で切断した際、容易に手で切断できるものを○、容易に
手で切断できないものを×、○と×の中間を△とした。
【0038】(6)ひねりしわ固定性 官能試験で行う。幅30mmのテープ状サンプルをひね
った時、ひねった状態がもとに戻らないものを○、ひね
った状態を維持できないものを×とした。
【0039】(7)加工適性 各実施例、比較例で得られた熱可塑性樹脂フィルムの上
にグラビアインキ(東洋インキ社製/商品名:ラミエー
ス61白(二液タイプ))を用いてグラビア印刷し、印
刷インキ層を形成し、次いで接着剤(東洋モートン社製
/商品名:AD585/CAT−10)を2g/m2
布した後、常法に従って未延伸ポリプロピレンフィルム
(東洋紡績社製/商品名:P1120、厚み60μm)
をドライラミネート法にて貼り合わせてシーラント層を
設け、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム積層体を得
た。この工程においてフィルムの状態を観察し三段階評
価を実施した。 ○;フィルムにしわがなく、平面性、印刷の状態良好 △;しわ及び印刷ずれが若干発生 ×;平面性が不良で、しわ及び印刷ずれがあり問題
【0040】(実施例1)還元粘度1.51のポリ−L
−乳酸100重量部に対し、表面突起を形成するための
滑剤として平均粒子径1.8μmの凝集体シリカ粒子を
0.06重量部添加したポリマーを、Tダイ付き口径3
0mm押出機を使用して、樹脂温度200℃で押出した
後、20℃のチルロールで冷却し、厚さ295μmの未
延伸フィルムを得た。複数本のセラミックロールにより
フィルム温度を92℃に予熱しロール間で30000%
/分の延伸速度で縦方向に1.5倍延伸し、更に96℃
で縦方向に2.7倍に延伸した。次いでテンター式延伸
機で80℃で横方向に3.8倍延伸した後、156℃で
熱固定し、さらに、136℃で3%横弛緩処理を行い、
厚さ20μmの二軸延伸フィルムを得た。表1にその物
性を示す。
【0041】(比較例1及び比較例2)還元粘度2.8
1(比較例1)及び0.47(比較例2)のポリ−L−
乳酸を用いた他は実施例1と同様にして二軸延伸フィル
ムを得た。表1にその物性を示す。
【0042】(比較例3)実施例1において、縦延伸を
複数本のセラミックロールによりフィルム温度96℃に
予熱しロール間で30000%/分の延伸速度で縦方向
に2.5倍に一段延伸で実施した以外は同様の方法で二
軸延伸フィルムを得た。表1にその物性を示す。
【0043】(比較例4)実施例1において縦延伸を6
8℃で3.5倍に一段延伸で実施した以外は同様の方法
で二軸延伸フィルムを得た。表1にその物性を示す。
【0044】(実施例2)実施例1において縦延伸を8
000%/分で実施した以外は同様の方法で二軸延伸フ
ィルムを得た。表1にその物性を示す。
【0045】(比較例5)実施例1において熱固定を1
41℃で実施した以外は同様の方法で二軸延伸フィルム
を得た。表1にその物性を示す。
【0046】(実施例3)実施例1において熱固定を1
51℃で実施した以外は同様の方法で二軸延伸フィルム
を得た。表1にその物性を示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂フィ
ルムは、生鮮食品、加工食品、医薬品、医療機器、電子
部品などの包装用フィルムとして用いるときに重要な特
性である印刷やラミネート工程における平面性悪化や印
刷ずれなどの発生しない優れた加工適性を有するととも
に、手切れ性およびひねりしわ固定性に優れる包装用フ
ィルム、粘着テープとして極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 森 啓治 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 奥平 正 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA88 AE11 AF13 AF27 AF30 AF31 AF43 AF52 AG28 AH04 BB08 BB09 BC01 4J002 CF181 FD040 FD060 FD070 FD100 FD170 FD175 FD200 GG02 4J029 AA02 AB07 AD01 AD10 AE03 EA03 EA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
    R−CO−(RはH又は炭素数1〜3のアルキル基を示
    す)であり、還元粘度(ηsp/c)が0.50〜2.
    50である脂肪族ポリエステル系樹脂からなり、かつ、
    下記(A)〜(C)の特性を満たすことを特徴とする脂
    肪族ポリエステル系樹脂フィルム。 (A)長手方向の屈折率(Nx)と幅方向の屈折率(N
    y)との差(Nx−Ny)が−0.020〜0 (B)長手方向における(Nx−Ny)のばらつきが
    0.005以下 (C)120℃における熱収縮率が5%以下
  2. 【請求項2】 120℃における熱収縮率が3%以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステ
    ル系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 厚み方向の屈折率(Nz)が1.440
    〜1.455であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 脂肪族ポリエステル系樹脂の還元粘度が
    0.50〜1.80であることを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 脂肪族ポリエステル系樹脂がポリ乳酸重
    合体であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104044281A (zh) * 2013-03-11 2014-09-17 远东新世纪股份有限公司 热收缩聚酯薄膜的制备方法

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CN104044281A (zh) * 2013-03-11 2014-09-17 远东新世纪股份有限公司 热收缩聚酯薄膜的制备方法
CN104044281B (zh) * 2013-03-11 2016-04-13 远东新世纪股份有限公司 热收缩聚酯薄膜的制备方法

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