JP2000273116A - オレフィン重合用担持クロム触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用担持クロム触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法

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JP2000273116A
JP2000273116A JP11080871A JP8087199A JP2000273116A JP 2000273116 A JP2000273116 A JP 2000273116A JP 11080871 A JP11080871 A JP 11080871A JP 8087199 A JP8087199 A JP 8087199A JP 2000273116 A JP2000273116 A JP 2000273116A
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Koichi Hasebe
公一 長谷部
Takashi Nozaki
貴司 野▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、工業的に充分な高い重合活性を有
し、高い分子量でかつ分子量分布の狭いポリオレフィン
を製造でき、なおかつ低分子量1−アルケン類および低
分子量アルカン類等の副生成物の生成の少ないという効
果を同時に満足する触媒およびこの触媒を用いたオレフ
ィンの重合方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 無機酸化物担体上に支持され非還元雰囲
気下で焼成された酸化担持クロム触媒と特定の有機金属
化合物とを反応させることにより調製した触媒と特定の
有機アルミニウム化合物とを使用する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機酸化物担体上
にクロム化合物を担持し、これを焼成することにより、
担持クロム触媒を製造する方法に関するものである。ま
た、本発明は、この担持クロム触媒と特定の有機アルミ
ニウム化合物を含むオレフィンの重合方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィンの重合用触媒として遷
移金属化合物をシリカ等の無機酸化物担体に担持させた
ものを使用することはよく知られている。しかして、こ
れらの触媒を使用する場合、通常のチーグラー触媒にお
いて分子量調節剤として一般に使用されている水素は重
合活性を著しく低下させるため、工業的には使用されて
いない。このため、この遷移金属化合物をシリカ等の無
機酸化物担体に担持させた触媒を用いて得られる重合体
の平均分子量は重合温度に大きく依存し、特に市販に適
した平均分子量5〜10万の重合体は一般に100〜2
00℃の温度で得られることも知られている。
【0003】この様な触媒においては担体の組成、担持
構造、細孔容積、平均細孔径などの触媒の特性が焼成温
度により変化する。このため、この触媒により得られた
重合体においては分子量、分子量分布などの物性にも触
媒の焼成温度が顕著に影響する。例えば、焼成温度が低
い場合には分子量の高い重合体が得られるが、分子量分
布が広くなる。分子量分布が広いことは、成形加工性が
良くなるが、その反面衝撃強度などの重合体の物理的性
質が悪くなる等の問題がある。そこで、様々な研究者に
よって分子量が高くなおかつ分子量分布の狭い重合体が
得られる触媒の研究が行われてきた。例えば、特開平1
0−130321号公報には、触媒を焼成後に水分含有
不活性ガス混合物で処理する技術が開示されている。し
かしながら、この文献では水以外の化合物で処理する技
術に関しては全く検討されておらず、この技術を80℃
以上90℃以下の重合温度での重合に適用した場合には
分子量分布を充分に狭くすることができなかった。
【0004】一方、オレフィンの重合において、クロム
系触媒に有機アルミニウム化合物を使用することはすで
に公知であり、例えば特公昭47−23176、特公平
3−23564号広報等に記載されている。しかしなが
ら、いずれの研究においても、製造される重合体の分子
量分布を制御する技術に関しては不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に充
分な高い重合活性を有し、高い分子量でかつ分子量分布
の狭いポリオレフィンを製造でき、なおかつ低分子量1
−アルケン類および低分子量アルカン類等の副生成物の
生成の少ないという効果を同時に満足する触媒およびこ
の触媒を用いたオレフィンの重合方法を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々検討した
結果、無機酸化物担体上に支持され非還元雰囲気下で焼
成された酸化担持クロム触媒と一般式(1)で表される
有機金属化合物とを反応させることにより調製した触媒
と特定の有機アルミニウム化合物とを使用することによ
り、重合温度に関わらず高い分子量でなおかつ分子量分
布の狭いポリオレフィンが低分子量1−アルケン類およ
び低分子量アルカン類等の副生成物の発生が抑制され効
率的に製造できることを見いだした。
【0007】すなわち本発明は、無機酸化物担体上に
クロム化合物を担持し、非還元雰囲気下において300
℃から800℃で焼成し、次いで1族、2族からなる群
に含まれる金属を一種または二種類以上含む下記一般式
(1)で表される有機金属化合物と反応することを特徴
とする担持クロム触媒。 R−M−R’(n-1) ・・・(1) (式中、Mは1族および2族からなる群に含まれる金
属、Rは炭素数1以上8以下であるアルキル基、R’は
炭素数1以上8以下のアルキル基・炭素数1以上8以下
のアルコキシ基およびフェノキシ基からなる群に含まれ
る置換基であり、nは金属Mの原子価に対応する整数)
焼成された担持クロム触媒と有機金属化合物との反応
が、クロム原子に対する有機金属化合物のモル比で0.
1から5で行われることを特徴とする上記に記載の担
持クロム触媒。無機酸化物担体上にクロム化合物を担
持し、非還元雰囲気下において300℃から800℃で
焼成し、次いで1族、2族からなる群に含まれる金属を
一種または二種類以上含む一般式(1)で表される有機
金属化合物と反応することを特徴とする担持クロム触媒
と下記一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物
とを組み合わせてなる重合触媒を使用するオレフィンの
重合方法。
【0008】 R(3-n)−Al−Ln ・・・(2) (式中、Rは炭素数1以上12以下であるアルキル基、
Lは炭素数1以上8以下であるアルコキシ基またはフェ
ノキシ基であり、nは0を越えて1未満の実数)焼成
された担持クロム触媒と有機金属化合物との反応が、ク
ロム原子に対する有機金属化合物のモル比で0.1から
5で行われることを特徴とする上記に記載の担持クロ
ム触媒と下記一般式(2)で表される有機アルミニウム
化合物とを組み合わせてなる重合触媒を使用するオレフ
ィンの重合方法。一般式(2)中のアルキル基Rに含
まれる炭素数が6以上12以下であり、実数nの値が
0.5以上1未満であることを特徴とする、上記また
はに記載のオレフィンの重合方法。上記からのい
ずれかにに記載の担持クロム触媒と有機アルミニウム化
合物との反応を重合反応器内において行うことを特徴と
するオレフィンの重合方法である。
【0009】本発明を詳細に説明するに、無機酸化物担
体上にクロム化合物を担持し、非還元雰囲気下において
焼成し、次いで一般式(1)で表される有機金属化合物
と反応することにより製造された担持クロム触媒と一般
式(2)で表される有機アルミニウム化合物との反応は
重合反応器内において行われることが好ましい。本発明
におけるクロム化合物を支持する担体は無機酸化物担体
であり、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア等が挙げ
られるが、シリカおよびシリカアルミナが好ましく、特
に比表面積が200〜800m2/gで平均粒径が50
〜150μmで細孔容積が1.0〜2.5cm3/gの
シリカおよびシリカアルミナが特に好ましい。
【0010】これらの担体に酸化クロムを担持させるに
は、適当なクロム化合物を例えば含浸、蒸留、昇華等の
種々の方法によってこれらの担体に担持させ、その後焼
成することによって容易に酸化クロムを担持させること
ができる。しかしてその担持させる前のクロム化合物と
しては、クロムの酸化物、ハロゲン化物、オキシハロゲ
ン化物、リン酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、アルコラー
ト、有機化合物等が挙げられる。特に好ましいクロム化
合物としては、三酸化クロム、アセトン酸クロム、硫酸
クロム、ブチルクロメート等が挙げられる。これらのク
ロム化合物は、無機酸化物担体に担持させた後、焼成す
ることによって活性化される。担持されるクロム化合物
の量は、担体に対するクロム原子の重量にして10%以
下、好ましくは0.1〜5%である。
【0011】本発明の焼成時の、非還元雰囲気下とは、
一般には酸素の存在下で行うが、空気中、不活性ガスの
存在下、あるいは減圧下で行うことも可能である。ま
た、焼成温度は通常300〜1100℃、好ましくは5
00℃〜800℃の温度範囲において、数分〜数十時
間、特に好ましくは1〜10時間で行われる。有機金属
化合物は、有機金属化合物の金属成分が1族および2族
からなる群に含まれる。この金属として、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、銅、ベリリウム、マグネシウム、
カルシウム、亜鉛等が挙げられる。また、有機金属化合
物に含まれる有機成分として、エチル基、プロピル基、
ブチル基等のアルキル基が挙げられる。このアルキル基
に関しては特に制限はないが、炭素数で12以下のもの
が好ましい。この有機金属化合物として、具体的には、
ブチルリチウム、ジブチルマグネシウム、ジエチル亜鉛
等が挙げられる。また、この有機金属化合物は、有機合
成用試薬として一般的に使用されているグリニァー試薬
のようにハロゲン等の成分を有していても良い。この有
機金属化合物には二種類以上の1族および2族からなる
群に含まれる金属成分および有機成分が含まれていても
良い。
【0012】焼成活性化された担持クロム触媒と有機金
属化合物との反応は−10℃以上120℃以下の範囲で
行われることが好ましく、0℃以上60℃以下の範囲で
行われることがさらに好ましい。担持クロム触媒と有機
金属化合物との反応は、クロム原子に対する有機金属化
合物のモル比で0.1以上5以下の範囲で行われること
が好ましく、モル比で0.3以上2以下の範囲で行われ
ることがさらに好ましい。この反応は不活性雰囲気下で
担持クロム触媒を流動させながら気相で行うことが可能
であるが、不活性溶媒中で担持クロム触媒を攪拌するこ
とにより均一なスラリー状態として行うことが好まし
い。担持クロム触媒は有機金属化合物との反応後に不活
性溶媒で洗浄してからオレフィンの重合に使用しても良
いし、洗浄すること無しにオレフィンの重合に使用する
ことも可能である。
【0013】無機酸化物担体上にクロム化合物を担持
し、非還元雰囲気下において焼成活性化し、次いで有機
金属化合物と反応することにより製造された担持クロム
触媒と特殊な有機アルミニウム化合物とを組み合わせて
なる重合触媒の存在化にオレフィンを重合する方法にお
いて、使用する有機アルミニウム化合物は一般式(2)
で表される。
【0014】 R(3-n)−Al−Ln ・・・(2) (式中、Rは炭素数1以上12以下であるアルキル基、
Lは炭素数1以上8以下であるアルコキシ基またはフェ
ノキシ基であり、nは0を越えて1未満の実数)一般式
(2)で表される有機アルミニウム化合物において、ア
ルミニウム原子に対するアルコキシ基あるいはフェノキ
シ基のモル比が0を越えて1未満であり、好ましくは
0.5以上1未満であり、さらに好ましくは0.8以上
1未満である。一般式(2)で表される有機アルミニウ
ム化合物の有するアルキル基Rに含まれる炭素数は1以
上12以下であり、好ましくは6以上12以下である。
そのアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピ
ル、2−メチルプロピル、シクロブチル、ペンチル、1
−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチ
ル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロ
ピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピ
ル、2−エチルプロピル、シクロペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチル
ヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、
5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、1−エチル
ヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、
4−エチルヘキシル、1−プロピルペンチル、2−プロ
ピルペンチル、ノニル、1−メチルオクチル、2−メチ
ルオクチル、3−メチルオクチル、4−メチルオクチ
ル、5−メチルオクチル、6−メチルオクチル、7−メ
チルオクチル、1−エチルヘプチル、2−エチルヘプチ
ル、3−エチルヘプチル、4−エチルヘプチル、5−エ
チルヘプチル、1−プロピルヘキシル、2−プロピルヘ
キシル、3−プロピルヘキシル等が挙げられる。一般式
(2)で表される有機アルミニウム化合物の有するLの
アルコキシ基に含まれる炭素数は1以上8以下であり、
そのアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、1−
メチルプロポキシ、1,1−ジメチルエトキシ、ペント
キシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、2−エチ
ルヘキソキシ基等が挙げられる。一般式(2)で表され
る有機アルミニウム化合物の有するLのフェノキシ基に
含まれる炭素数は6以上20以下であり、そのアルコキ
シ基としては、例えばフェノキシ、クレゾキシ、チモキ
シ、カルバクロキシ、2,5−ビス(1,1−ジメチル
エチル)−4−メチルフェノキシ、ナフトキシ、アント
ロキシ等が挙げられる。
【0015】これらの一般式(2)で表される有機アル
ミニウム化合物は、アルミニウムトリアルキル類とアル
コール類あるいはフェノール類を既知の方法により反応
させることにより容易に製造することができる。たとえ
ば、アルミニウムトリアルキル類にアルコール類あるい
はフェノール類を添加する方法、アルコール類あるいは
フェノール類にアルミニウムトリアルキル類を添加する
方法、アルミニウムトリアルキル類とアルコール類ある
いはフェノール類とを同時に反応器に導入する方法等に
より製造することが可能である。また、重合系に直接こ
れらの化合物を導入して反応させることも可能である。
さらには、アルミニウム原子に対するアルコキシ基ある
いはフェノキシ基のモル比が1以上の有機アルミニウム
化合物、例えばアルミニウムエチルジエトキシド、とア
ルミニウム原子に対するアルコキシ基あるいはフェノキ
シ基の比率の低い有機アルミニウム化合物、例えばアル
ミニウムトリエチルとを混合し、反応させることにより
合成してもよい。
【0016】なお、オレフィンの重合においては、これ
らの一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物は
単独で用いてもよいし、二種類以上を併用することも可
能である。しかして、担持クロム触媒と有機アルミニウ
ム化合物との組み合わせ、すなわち本発明の触媒の使用
方法は、重合反応器内に両成分を別々に供給することが
好ましい。オレフィン重合時の両成分の割合は、Al/
Crモル比で通常0.01〜100、好ましくは0.1
〜50の範囲内である。
【0017】本発明の触媒を用いて重合しうるオレフィ
ンは1−オレフィンであり、特にエチレンが好ましい。
さらに、本発明の触媒はエチレンとプロピレン、1−ブ
テン、1−ヘキセン等のモノオレフィンとの共重合、あ
るいはさらに1,3−ブタジエン、イソプレン等のジエ
ンの共存下での重合に用いることも可能である。重合方
法としては、通常の懸濁重合、溶液重合、気相重合が可
能である。懸濁重合、溶液重合の場合は触媒を重合溶
媒、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン等の脂環式炭化水素とともに反応器に導入
し、不活性雰囲気下にエチレンを1〜200kg/cm
2 に圧入して、室温ないしは320℃の温度で重合を行
うことができる。一方、気相重合はエチレンを1〜50
kg/cm2 の圧力で、室温ないし120℃の温度条件
下で、エチレンと触媒との接触が良好になるよう流動
床、移動床あるいは攪拌によって混合を行う等の手段を
講じて重合を行うことが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例および比較例
によって詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えな
い限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、
図1は本発明に含まれる技術内容の理解を助けるための
フローチャート図であり、本発明はその要旨を逸脱しな
い限りフローチャート図に制約を受けない。
【0019】実施例中の触媒活性とは、モノマー圧力1
kg/cm2 、固体触媒成分1g、一時間当たりのポリ
マー生成量(g)を表す。ポリマーの重量平均分子量
(Mw)はゲルパーミェーションクロマトグラフ(装
置:Waters社製,ALC/GPC,150−C
型、カラム:昭和電工(株)製 AT−807S(1
本)と東ソー(株)製 GMH−HT6(2本)を直列
に接続)を用いて測定した。Mwの測定と同時に、分子
量分布の尺度として一般に認知されているMw/Mnを
測定した。実施例中の1−ヘキセン発生量とは、ポリマ
ー1gの製造に対して発生した1−ヘキセンの発生量
(mg)を表す。なお、発生した1−ヘキセンは、重合
後のスラリーの上澄みをガククロマトグラフィーにより
分析し、定量した。実施例中の密度はJIS,K676
0の密度勾配管法により測定した。
【0020】
【実施例1】三酸化クロム4ミリモルを蒸留水80ミリ
リットルに溶解し、この溶液中にシリカ(W.Rグレー
スアンドカンパニ製グレード952)20gを浸漬し、
室温にて1時間攪拌後、このスラリーを加熱して水を留
去し、続いて120℃にて10時間減圧乾燥を行った
後、800℃にて5時間乾燥空気を流通させて焼成し、
クロムを1.0重量%含有した固体成分を得た。この固
体成分1gを脱水脱酸素したヘキサン20ミリリットル
に懸濁し、50g/リットルのスラリーとした。このス
ラリーを攪拌して均一スラリーにした後、ブチルリチウ
ム1モル/リットルヘキサン溶液を0.6ミリリットル
添加した。添加後、30分間攪拌することにより担持ク
ロム触媒を調製した。
【0021】一方、有機アルミニウム化合物として、メ
タノールとアルミニウムトリヘキシルとをモル比0.
9:1で反応させることにより得られた化合物を使用し
た。有機アルミニウム化合物0.4ミリモルを脱水脱酸
素したヘキサン0.8リットルとともに、内部を真空脱
気し窒素置換した内容積1.5リットルのオートクレー
ブに入れた。次いで、オートクレーブの内部を80℃に
保ち、水素を2.9kg/cm2加え、エチレンを加え
て全圧を10kg/cm2とした。この後に有機アルミ
化合物0.4ミリモルを添加し、続いて担持クロム触媒
50ミリグラムを添加することにより重合を開始した。
エチレンを補給することにより全圧を10kg/cm2
に保ちつつ1時間重合を行った。この重合により得られ
たポリマーの収量、触媒活性、発生した1−ヘキセン
量、得られたポリマーのMI、およびMw/Mnの値を
表1に示す。
【0022】
【実施例2】エチレンと共に1−オクテンを10ml添
加し、水素を0.5kg/cm2 加えた他は、実施例1
と同じようにエチレンの重合を行った。この重合により
得られたポリマーの収量、触媒活性、発生した1−ヘキ
セン量、得られたポリマーのMIおよびHMIを表1に
示す。得られたポリマーの密度は0.9568g/cm
3 であった。
【0023】
【実施例3】担持クロム触媒の調製時におけるブチルリ
チウム1モル/リットルヘキサン溶液の使用量を0.2
ミリリットルにしたこと以外は実施例1と同じようにエ
チレンを重合した。この重合により得られたポリマーの
収量、触媒活性、発生した1−ヘキセン量、得られたポ
リマーのMI、およびMw/Mnの値を表1に示す。
【0024】
【実施例4】担持クロム触媒の調製時に有機金属化合物
としてジエチル亜鉛を使用すること以外は実施例1と同
じようにエチレンを重合した。この重合により得られた
ポリマーの収量、触媒活性、発生した1−ヘキセン量、
得られたポリマーのMI、およびMw/Mnの値を表1
に示す。
【0025】
【実施例5】担持クロム触媒の調製時に有機金属化合物
としてジブチルマグネシウムを使用すること以外は実施
例1と同じようにエチレンを重合した。この重合により
得られたポリマーの収量、触媒活性、発生した1−ヘキ
セン量、得られたポリマーのMI、およびMw/Mnの
値を表1に示す。
【0026】
【実施例6】エチレン重合時に、有機アルミニウム化合
物としてメタノールとアルミニウムトリオクチルとをモ
ル比0.8:1で反応させることにより調製した有機ア
ルミニウム化合物を使用した他は実施例1と同じように
エチレンを重合した。この重合により得られたポリマー
の収量、触媒活性、発生した1−ヘキセン量、得られた
ポリマーのMI、およびMw/Mnの値を表1に示す。
【0027】
【実施例7】エチレン重合時に、有機アルミニウム化合
物としてメタノールとアルミニウムトリオクチルとをモ
ル比0.6:1で反応させることにより調製した有機ア
ルミニウム化合物を使用した他は実施例1と同じように
エチレンを重合した。この重合により得られたポリマー
の収量、触媒活性、発生した1−ヘキセン量、得られた
ポリマーのMI、およびMw/Mnの値を表1に示す。
【0028】
【実施例8】エチレン重合時に、有機アルミニウム化合
物としてメタノールとアルミニウムトリエチルとをモル
比0.9:1で反応させることにより調製した有機アル
ミニウム化合物を使用した他は実施例1と同じようにエ
チレンを重合した。この重合により得られたポリマーの
収量、触媒活性、発生した1−ヘキセン量、得られたポ
リマーのMI、およびMw/Mnの値を表1に示す。
【0029】
【比較例1】担持クロム触媒の調製時に有機金属化合物
との反応を省略した以外は実施例1と同じようにエチレ
ンを重合した。この重合により得られたポリマーの収
量、触媒活性、発生した1−ヘキセン量、得られたポリ
マーのMI、およびMw/Mnの値を表1に示す。
【0030】
【比較例2】担持クロム触媒の調製時に有機金属化合物
との反応を省略した以外は実施例2と同じようにエチレ
ンを重合した。この重合により得られたポリマーの収
量、触媒活性、発生した1−ヘキセン量、得られたポリ
マーのMI、およびMw/Mnの値を表1に示す。得ら
れたポリマーの密度は0.9570g/cm3 であっ
た。
【0031】
【比較例3】担持クロム触媒の調製時に有機金属化合物
としてトリエチルアルミニウムを使用すること以外は実
施例1と同じようにエチレンを重合した。この重合によ
り得られたポリマーの収量、触媒活性、発生した1−ヘ
キセン量、得られたポリマーのMI、およびMw/Mn
の値を表1に示す。
【0032】
【比較例4】担持クロム触媒の調製時に有機金属化合物
としてメタノールとアルミニウムトリヘキシルとをモル
比0.9:1で反応させることにより得られた化合物を
使用すること以外は実施例1と同じようにエチレンを重
合した。この重合により得られたポリマーの収量、触媒
活性、発生した1−ヘキセン量、得られたポリマーのM
I、およびMw/Mnの値を表1に示す。
【0033】
【比較例5】担持クロム触媒の調製時に有機金属化合物
としてトリエチルホウ素を使用すること以外は実施例1
と同じようにエチレンを重合した。この重合により得ら
れたポリマーの収量、触媒活性、発生した1−ヘキセン
量、得られたポリマーのMI、およびMw/Mnの値を
表1に示す。
【0034】
【比較例6】エチレン重合時に、有機アルミニウム化合
物としてトリエチルアルミニウムを使用すること以外は
実施例1と同じようにエチレンを重合した。この重合に
より得られたポリマーの収量、触媒活性、発生した1−
ヘキセン量、得られたポリマーのMI、およびMw/M
nの値を表1に示す。
【0035】
【比較例7】エチレン重合時に、有機アルミニウム化合
物としてエタノールとアルミニウムトリエチルとをモル
比1:1で反応させることにより調製した有機アルミニ
ウム化合物を使用すること以外は実施例1と同じように
エチレンを重合した。この重合により得られたポリマー
の収量、触媒活性、発生した1−ヘキセン量、得られた
ポリマーのMI、およびMw/Mnの値を表1に示す。
【0036】実施例1および2と比較例1および2との
比較により、本発明の触媒および重合方法は、高い重合
活性を維持したまま生成したポリマーの分子量分布が狭
くなることは明らかである。これと同時に、本発明では
1−ヘキセン等の副生成物の生成量が低いことも明らか
である。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明により、工業的に充分な高い重合
活性を有し、高い分子量でかつ分子量分布の狭いポリオ
レフィンを製造でき、なおかつ低分子量1−アルケン類
および低分子量アルカン類等の副生成物の生成の少ない
触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法を提
供するが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に含まれる技術の理解を助けるためのフ
ローチャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 BA01 BB02 HB22 JB22 MA19 4J028 AA01A AB00A AC42A AC43A BA01A BA01B BB00A BB01A BB01B BC01A BC03A BC05A BC06A BC09A BC24B CA28A CA29A CA30A DB06A EB02 EB04 EB05 EB09 EB13 EB14 FA01 FA02 FA03 FA04 FA06 FA07 GA01 GA05 GA06 GB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸化物担体上にクロム化合物を担持
    し、非還元雰囲気下において300℃から800℃で焼
    成し、次いで1族、2族からなる群に含まれる金属を一
    種または二種類以上含む下記一般式(1)で表される有
    機金属化合物と反応することを特徴とする担持クロム触
    媒。 R−M−R’(n-1) ・・・(1) (式中、Mは1族および2族からなる群に含まれる金
    属、Rは炭素数1以上8以下であるアルキル基、R’は
    炭素数1以上8以下のアルキル基・炭素数1以上8以下
    のアルコキシ基およびフェノキシ基からなる群に含まれ
    る置換基であり、nは金属Mの原子価に対応する整数)
  2. 【請求項2】 焼成された担持クロム触媒と有機金属化
    合物との反応が、クロム原子に対する有機金属化合物の
    モル比で0.1から5で行われることを特徴とする請求
    項1に記載の担持クロム触媒。
  3. 【請求項3】 無機酸化物担体上にクロム化合物を担持
    し、非還元雰囲気下において300℃から800℃で焼
    成し、次いで1族、2族からなる群に含まれる金属を一
    種または二種類以上含む一般式(1)で表される有機金
    属化合物と反応することを特徴とする担持クロム触媒と
    下記一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物と
    を組み合わせてなる重合触媒を使用するオレフィンの重
    合方法。 R(3-n)−Al−Ln ・・・(2) (式中、Rは炭素数1以上12以下であるアルキル基、
    Lは炭素数1以上8以下であるアルコキシ基またはフェ
    ノキシ基であり、nは0を越えて1未満の実数)
  4. 【請求項4】 焼成された担持クロム触媒と有機金属化
    合物との反応が、クロム原子に対する有機金属化合物の
    モル比で0.1から5で行われることを特徴とする請求
    項1に記載の担持クロム触媒と一般式(2)で表される
    有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる重合触媒
    を使用するオレフィンの重合方法。
  5. 【請求項5】 一般式(2)中のアルキル基Rに含まれ
    る炭素数が6以上12以下であり、実数nの値が0.5
    以上1未満であることを特徴とする、請求項3または4
    に記載のオレフィンの重合方法。
  6. 【請求項6】 請求項3から5のいずれかに記載の担持
    クロム触媒と有機アルミニウム化合物との反応を重合反
    応器内において行うことを特徴とするオレフィンの重合
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1172381A1 (en) * 2000-07-07 2002-01-16 Japan Polyolefins Co., Ltd. Ethylene polymers and method for producing the same
JP2010077430A (ja) * 2009-09-15 2010-04-08 Japan Polyethylene Corp オレフィン重合体の製造方法

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