JP2007131835A - ポリエチレンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐火性化合物担体上に支持され非還元雰囲気下で熱処理された酸化クロム触媒と特定の有機アルミニウム化合物とを組み合わせた触媒を用い、工業的に充分な活性で高密度ポリエチレンの分子量を容易に制御すること。
【解決手段】耐火性化合物担体上に支持され非還元雰囲気下で熱処理された酸化クロム触媒と特定の有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる重合触媒の存在下にエチレンを重合するポリエチレンの製造方法であって、有機アルミニウム化合物の濃度およびクロム原子とアルミニウム原子のモル比を制御することにより、高密度かつ低分子量の重合体が得られるポリエチレンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレンの製造方法に関するものである。詳しくは、特定の有機アルミニウム化合物の存在下、酸化クロム触媒を用いるポリエチレンの製造方法であって、有機アルミニウムの濃度およびクロム原子とアルミニウム原子のモル比を制御することにより、高密度かつ低分子量の重合体を高活性で得るポリエチレンの製造方法に関するものである。
クロム化合物をシリカ等の耐火性化合物担体に担持させ焼成することによって得られるエチレン重合用触媒は、いわゆるフィリップス触媒として広く知られている。しかしながら、この触媒を使用する場合、触媒の活性および重合体の平均分子量は重合温度に大きく依存し、市販に適した分子量数万〜数十万の重合体を充分な触媒活性のもとで製造するためには、一般に重合温度を100〜200℃にする必要があった。
このフィリップス触媒の重合活性を改良するため、特許文献1や特許文献2に開示されているように酸化クロム触媒と有機アルミニウム化合物を組み合わせた触媒系が数多く提案されてきた。しかし、通常のチーグラー触媒において分子量調節剤として一般に使用されている水素は重合活性の著しい低下を招くため、重合体の分子量を制御する方法としては重合温度以外になく、また、これらの有機アルミニウム化合物を用いてエチレンの重合を行った場合に発生するオリゴマー等の副生成物は、ポリマーの生成効率を低下させるだけでなく重合体の密度や衝撃強度等の物理的性質を低下させる要因となっていた。
特許文献3や特許文献4に開示の技術ではこのような課題に対して更なる改良が加えられており、高活性でありながら水素による分子量の調節が容易で、かつ副生成物の発生量も低下させた触媒系が提案されている。これらの方法によって、スウェル比の制御された重合体が効率よく製造されるようになった。
一方、クロム系触媒を用いて重合されるポリエチレンを低分子量化する場合、特許文献3や特許文献4のように水素によってある程度の分子量調節が可能な触媒系であっても、水素が高濃度になると触媒活性の低下が避けらず、さらに分子量分布も広すぎることから衝撃強度も充分とはいえなかった。また、一般にエチレン単独重合よりも1ッオレフィンとの共重合体の方が低分子量化することが知られているが、密度も大きく低下してしまうため、さらなる分子量調節の方法が求められていた。
特公昭47−023176号公報 特公平03−023564号公報 特公昭59−005602号公報 特開2000−086718号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、耐火性化合物担体上に支持され非還元雰囲気下で熱処理された酸化クロム触媒と特定の有機アルミニウム化合物とを組み合わせた触媒によって製造される高密度ポリエチレンの分子量を容易に制御することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、耐火性化合物担体上に支持され非還元雰囲気下で熱処理された酸化クロム触媒と特定の有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる重合触媒の存在下にエチレンを重合する方法において、有機アルミニウムの濃度およびクロム原子とアルミニウム原子のモル比を制御することにより、高密度かつ低分子量の重合体が容易に得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.耐火性化合物担体上に支持され非還元雰囲気下で熱処理された酸化クロム触媒(触媒成分A)と、下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物(触媒成分B)とを組み合わせてなる重合触媒の存在下にエチレンを重合するポリエチレンの製造方法であって、有機アルミニウム化合物(触媒成分B)の濃度が0.1ミリモル/リットル〜50ミリモル/リットルであることと、酸化クロム触媒(触媒成分A)に含まれるクロム原子と有機アルミニウム化合物(触媒成分B)に含まれるアルミニウム原子のモル比Al/Crが40〜1000であることをともに満たし、下記一般式(2)で表される有機化合物を用いることを特徴とするポリエチレンの製造方法。
(3−n)−Al−L ・・・ (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、Lは炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数6〜20のフェノキシ基であり、nは0<n<1を満たす数である。)
C=CH−R ・・・ (2)
(一般式(2)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基である。)
2.一般式(2)のRが炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする上記1.に記載のポリエチレンの製造方法。
本発明により、容易に製造できる触媒を用いて、工業的に充分な活性で高密度ポリエチレンの分子量を容易に制御することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明における耐火性化合物担体とは、通常市販されているシリカ、シリカアルミナ、ジルコニア等の無機担体を指すが、シリカおよびシリカアルミナが好ましく、市販の高活性触媒用シリカ(高表面積、高細孔容積)が特に好ましい。これらの担体に酸化クロムを担持させるには、適当なクロム化合物を、例えば、含浸、蒸留、昇華等の種々の方法によってこれらの担体に担持させ、その後焼成することによって容易に酸化クロムを担持させることができる。しかして、その担体に担持させる前のクロム化合物としては、クロムの酸化物、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、リン酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、アルコラート、有機化合物等が挙げられる。特に好ましいクロム化合物としては、三酸化クロム、アセトン酸クロム、硫酸クロム、ブチルクロメート等が挙げられる。これらのクロム化合物は、耐火性化合物担体に担持させた後、焼成することによって活性化される。担持されるクロム化合物の量は、担体に対するクロム原子の重量にして10%以下、好ましくは0.1〜5%である。
本発明における非還元雰囲気とは、酸素の存在する雰囲気を指すが、空気中、不活性ガスの存在下、あるいは減圧下であってもよい。ここで言う不活性ガスとは、窒素ガス、二酸化炭素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス等のことである。また、本発明における熱処理は、上記の非還元雰囲気下、通常300℃〜1100℃、好ましくは400℃〜1000℃の温度範囲において、数分〜数十時間、特に好ましくは1〜10時間で行われる。なお、担持もしくは熱処理時にチタネート類やフッ素含有塩類等を添加して、活性や分子量分布等を調節する公知の方法を併用することも可能である。
本発明において、触媒成分Bは、下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物である。
(3−n)−Al−L ・・・ (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、Lは炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数6〜20のフェノキシ基であり、nは0<n<1を満たす数である。)
一般式(1)中、nはアルミニウム原子に対するアルコキシ基あるいはフェノキシ基のモル比で0<n<1を満たす整数であるが、好ましくは0.5≦n<1であり、さらに好ましくは0.8≦n<1である。
また、アルキル基R1に含まれる炭素数は1〜12であり、好ましくは6〜12である。そのアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、シクロブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、2−エチルプロピル、シクロペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、1−プロピルペンチル、2−プロピルペンチル、ノニル、1−メチルオクチル、2−メチルオクチル、3−メチルオクチル、4−メチルオクチル、5−メチルオクチル、6−メチルオクチル、7−メチルオクチル、1−エチルヘプチル、2−エチルヘプチル、3−エチルヘプチル、4−エチルヘプチル、5−エチルヘプチル、1−プロピルヘキシル、2−プロピルヘキシル、3−プロピルヘキシル等のアルキル基が挙げられる。
一般式(1)中、Lのアルコキシ基に含まれる炭素数は1〜8であり、そのアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシ、1,1−ジメチルエトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、2−エチルヘキソキシ等のアルコキシ基が挙げられる。また、Lのフェノキシ基に含まれる炭素数は6〜20であり、そのフェノキシ基としては、例えば、フェノキシ、クレゾキシ、チモキシ、カルバクロキシ、2,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノキシ、ナフトキシ、アントロキシ等のフェノキシ基が挙げられる。
一般式(1)で表されるこれらの有機アルミニウム化合物は、アルミニウムトリアルキル類とアルコール類あるいはフェノール類を既知の方法により反応させることにより容易に製造することができる。例えば、アルミニウムトリアルキル類にアルコール類あるいはフェノール類を添加する方法、アルコール類あるいはフェノール類にアルミニウムトリアルキル類を添加する方法、アルミニウムトリアルキル類とアルコール類あるいはフェノール類とを同時に反応器に導入する方法等により製造することが可能である。また、重合系に直接これらの化合物を導入して反応させることも可能である。
さらには、アルミニウム原子に対するアルコキシ基あるいはフェノキシ基のモル比が1以上の有機アルミニウム化合物、例えばアルミニウムオクチルジエトキシド、とアルミニウム原子に対するアルコキシ基あるいはフェノキシ基の比率の低い有機アルミニウム化合物、例えばアルミニウムトリオクチルとを混合し、反応させることにより合成してもよい。なお、一般式(1)で表されるこれらの有機アルミニウム化合物は、単独で用いてもよいし、二種類以上を併用することも可能である。
本発明における触媒成分Bの濃度とは、重合反応器内における溶媒中の濃度であり、0.1ミリモル/リットル〜50ミリモル/リットルであるが、0.6ミリモル/リットル〜10ミリモル/リットルであることが好ましく、0.6ミリモル/リットル〜5ミリモル/リットルであることが特に好ましい。触媒成分Bの濃度がこの範囲にあるとき、高密度かつオリゴマー等の副生成物の少ないポリエチレンを得ることができる。
エチレンを重合する際の両成分の割合は、Al/Crモル比で40〜1000であるが、40〜500であることが好ましく、40〜100であることが特に好ましい。Al/Crモル比がこの範囲にあるとき、触媒成分Aの還元状態が制御されるため、共重合性が抑制される。このため、ポリエチレンの密度低下を抑えながら分子量を制御することが可能になる。
触媒成分Aと触媒成分Bとの組み合わせ、すなわち本発明における触媒の使用方法について特に制限はないが、重合反応器内に両成分を別々に供給することが好ましい。例えば、触媒成分Aはスラリー状態で、触媒成分Bは均一溶液状態で重合反応器に添加する場合には、これらを別々の貯槽からそれぞれ独立の配管を通じて重合反応器に添加し、重合反応器内で初めて触媒成分Aと触媒成分Bとが接触し反応することが好ましい。
本発明において、重合の際に用いる有機化合物は、下記一般式(2)で表される有機化合物であり、分子量調節剤として用いる。なお、分子量調節剤とはエチレン重合時の連鎖移動反応を促進する物質である。
C=CH−R ・・・ (2)
(一般式(2)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基である。)
クロム系触媒を用いたエチレンの重合では、重合温度の調節、重合系への水素添加、あるいは連鎖移動反応を起こしやすいジエチル亜鉛等の有機金属化合物の添加等、一般に公知の技術が重合体の分子量を調節する方法として用いられているが、本発明では重合系に一般式(2)で表される有機化合物を添加することによって、触媒活性の失活を抑えながら容易に分子量を調節することができる。また、これらの方法を併用することによって相乗効果を得ることも可能である。なお、水素を添加する場合、重合反応器内の圧力に対する水素の分圧の割合は0%〜70%であり、好ましくは0%〜50%であり、さらに好ましくは0%〜30%である。
一般式(2)中、Rのアルキル基に含まれる炭素数は1〜6であり、そのアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、シクロブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、2−エチルプロピル、シクロペンチル等のアルキル基が挙げられる。また、Rのアリール基に含まれる炭素数は6〜20であり、そのアリール基としては、例えば、フェニル、1−メチルフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、1,3−ジメチルフェニル、1,3,5−トリメチルフェニル、1−エチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、1,3−ジエチルフェニル、1,3,5−トリエチルフェニル、1−プロピルフェニル、2−プロピルフェニル、3−プロピルフェニル、1,3−ジプロピルフェニル、1,3,5−トリプロピルフェニル、1−ブチルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ブチルフェニル、1,3−ジブチルフェニル、1,3,5−トリブチルフェニル、ナフチル等のアリール基が挙げられる。なお、Rはアルキル基であることが好ましい。また、一般式(2)で表される有機化合物として、炭素数3〜6の1−オレフィンであることが特に好ましい。
本発明においてエチレンを重合する際、一般式(2)で表される有機化合物として、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のモノオレフィンを用いた場合には、一般的な共重合モノマーが担う密度調節剤としての効果よりも分子量調節剤としての効果がより大きく作用する。このことは、高密度かつ低分子量の重合体を得る上で非常に有効である。
重合方法としては、通常の懸濁重合、溶液重合、気相重合が可能である。懸濁重合、溶液重合の場合は、触媒を重合溶媒、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素とともに反応器に導入し、不活性雰囲気下にエチレンを100kPa〜20MPaに圧入して、室温〜320℃の温度で重合を行うことができる。一方、気相重合はエチレンを100kPa〜5MPaの圧力で、室温〜120℃の温度条件下で、エチレンと触媒との接触が良好になるよう流動床、移動床あるいは攪拌によって混合を行う等の手段を講じて重合を行うことが可能である。
重合は一個の反応器を用いる通常の一段重合で行っても良いし、複数個の反応器を用いる、いわゆる多段重合で行っても良い。本発明の触媒を用いて重合されたポリマーは、通常の一段重合でも比較的広い分子量分布を有しており、吹込み成形、フィルム成形およびパイプ成形等の用途に極めて適している。多段重合を用いた場合には、さらに広い分子量分布を有するポリマーを製造することが可能である。
本発明では、これまで酸化クロム触媒を用いて工業的に製造することが困難であった、メルトフローレート(MFR)が10g/10min.〜100g/10min.、かつ密度が0.950g/cm3〜0.980g/cm3の範囲のポリエチレンを製造することが可能である。
次に本発明の実施例および比較例によって詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、図1は本発明に含まれる技術内容の理解を助けるためのフローチャート図であり、本発明はその要旨を逸脱しない限りフローチャート図に制約を受けない。
本発明の実施例および比較例における触媒活性とは、触媒成分Aの、1g、一時間当たりのポリマー生成量(g)を表す。本発明の実施例および比較例におけるポリマーのメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に従い、温度190℃、荷重2.16kgで測定した。本発明の実施例および比較例におけるポリマーの密度は、JIS K 7112の密度こうばい管法により測定した。
[実施例1]
三酸化クロム4ミリモルを蒸留水80ミリリットルに溶解し、この溶液中にシリカ(W.Rグレースアンドカンパニー社製:グレード952)20gを浸漬し、室温にて1時間攪拌後、このスラリーを加熱して水を留去し、続いて120℃にて10時間減圧乾燥を行った後、800℃にて5時間乾燥空気を流通させて焼成し、クロムを1.0wt%含有した触媒成分Aを得た。
一方、触媒成分Bとして、メタノールとアルミニウムトリヘキシルとをモル比0.9:1で反応させることにより得られた有機アルミニウム化合物を使用した。触媒成分Bを0.6ミリモルと1−ブテン30ミリリットルを脱水脱酸素したヘキサン800ミリリットルとともに、内部を真空脱気し窒素置換した内容積1500ミリリットルのオートクレーブに入れた。次いで、オートクレーブの内部を80℃に保ち、水素を0.18MPa加え、エチレンを加えて全圧を0.7MPaとした。この後に触媒成分Aを50mg添加することにより重合を開始した。エチレンを補給することにより全圧を0.7MPaに保ちつつ1時間重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量、触媒活性、MFR、および密度を表1に示す。
[比較例1]
触媒成分Aを100mgとした以外は実施例1と同様にして、エチレンの重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量、触媒活性、MFR、および密度を表1に示す。実施例1の結果と比較して、密度の低下が認められた。
Figure 2007131835
[実施例2]
触媒成分Aを20mg、触媒成分Bを0.2ミリモル、1−ブテンの替わりに1−ヘキセンを40ミリリットルとした以外は実施例1と同様にして、エチレンの重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量、触媒活性、MFR、および密度を表2に示す。
[実施例3]
触媒成分Aを125mg、触媒成分Bを20ミリモル、1−ブテンの替わりに1−オクテンを50ミリリットルとした以外は実施例1と同様にして、エチレンの重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量、触媒活性、MFR、および密度を表2に示す。
[比較例2]
触媒成分Aを6mg、触媒成分Bを0.07ミリモルとした以外は実施例1と同様にして、エチレンの重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量、触媒活性、MFR、および密度を表2に示す。実施例1の結果と比較して、密度の低下が認められた。
[比較例3]
1−ブテンを用いない以外は実施例1と同様にして、エチレンの重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量、触媒活性、MFR、および密度を表2に示す。実施例1の結果と比較して、MFRの大幅な低下が認められた。
[比較例4]
水素を0.42MPaとした以外は比較例3と同様にして、エチレンの重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量、触媒活性、MFR、および密度を表2に示す。実施例1の結果と比較して、触媒活性の大幅な低下が認められた。
[比較例5]
触媒成分Aを150mg、触媒成分Bを50ミリモルとした以外は実施例1と同様にして、エチレンの重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量、触媒活性、MFR、および密度を表2に示す。高密度の低分子量ポリエチレンは得られたものの、工業生産の際に問題となるオリゴマーの副生量が大幅に増加した。
Figure 2007131835
実施例と比較例の対比により、実施例では高密度の低分子量ポリエチレンが高活性で効率よく得られることが明らかである。
本発明により、分子量の制御された高密度ポリエチレンを高活性かつ容易に製造することができる。
本発明に含まれる技術の理解を助けるためのフローチャート図である。

Claims (2)

  1. 耐火性化合物担体上に支持され非還元雰囲気下で熱処理された酸化クロム触媒(触媒成分A)と、下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物(触媒成分B)とを組み合わせてなる重合触媒の存在下にエチレンを重合するポリエチレンの製造方法であって、有機アルミニウム化合物(触媒成分B)の濃度が0.1ミリモル/リットル〜50ミリモル/リットルであることと、酸化クロム触媒(触媒成分A)に含まれるクロム原子と有機アルミニウム化合物(触媒成分B)に含まれるアルミニウム原子のモル比Al/Crが40〜1000であることをともに満たし、下記一般式(2)で表される有機化合物を用いることを特徴とするポリエチレンの製造方法。
    (3−n)−Al−L ・・・ (1)
    (一般式(1)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、Lは炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数6〜20のフェノキシ基であり、nは0<n<1を満たす数である。)
    C=CH−R ・・・ (2)
    (一般式(2)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基である。)
  2. 一般式(2)のRが炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8202952B2 (en) * 2008-11-21 2012-06-19 Equistar Chemicals, Lp Process for making ethylene homopolymers

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