JP2000270799A - 味噌原料用大豆の高圧処理法 - Google Patents

味噌原料用大豆の高圧処理法

Info

Publication number
JP2000270799A
JP2000270799A JP11082453A JP8245399A JP2000270799A JP 2000270799 A JP2000270799 A JP 2000270799A JP 11082453 A JP11082453 A JP 11082453A JP 8245399 A JP8245399 A JP 8245399A JP 2000270799 A JP2000270799 A JP 2000270799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
miso
soybeans
pressure
soybean
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11082453A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Tsuyuki
英男 露木
Akira Hashiguchi
亮 橋口
Hiroyasu Matsutake
寛康 松竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagasaki Prefectural Government
Original Assignee
Nagasaki Prefectural Government
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagasaki Prefectural Government filed Critical Nagasaki Prefectural Government
Priority to JP11082453A priority Critical patent/JP2000270799A/ja
Publication of JP2000270799A publication Critical patent/JP2000270799A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より味噌製造原料の一つである大豆は、
蒸煮加熱処理し麹と一緒に仕込まれていた。本法では、
これに代わり常温で高水圧処理した非加熱の大豆を用い
て、常法に従って仕込み熟成させ、褐変の少ない淡色系
を有し、刺激臭を軽減した円やかな風味を持つ味噌を得
るための味噌原料用大豆の高圧処理法。 【解決手段】 水に浸漬した大豆を 400MPa以上の高
液圧で処理した後、大豆を粉砕及び乳化し、又は水に浸
漬した大豆を粉砕及び乳化した後、大豆を 400MPa以
上の高液圧で処理し、味噌製造原料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸漬大豆を粉砕及
び乳化処理し、この処理の前あるいは後に高圧処理した
大豆を用いて、味噌の仕込み原料とすることにより、淡
色系の色調を有し、かつ円やかな香りに改善される特徴
的な味噌が得られる、味噌原料用大豆原料の高圧処理法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来法による味噌原料の大豆処理は、約
115℃で30分間の蒸煮加熱法により処理し、麹と混合し
て仕込まれている。この方法によると、生大豆の素材の
本来持っている色調が熱影響を受け一部褐変し、味噌原
料としてすでに仕込み段階において着色している。その
結果、この着色段階をスタートとして仕込みをするた
め、発酵熟成の経過につれあるいは出荷後においても褐
変が平行して進行し、淡色系の味噌が得られなかった。
さらに、加熱することにより、円やかな香り成分の生成
に寄与すると思われる、大豆中の酵素の一部が失活し、
風味の改善に困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に味噌の嗜好性
には、甘さ、色調、風味などにおいて各地域により異な
る。特に、淡色系を有して麹臭などの香りを好む地域に
おいては、出荷後の味噌が保管温度の高いような劣悪な
環境のもと、淡色系から濃色系へ急速に褐変が進行し、
見栄えも悪くなり商品価値も下がり、短い流通期間であ
った。一方、風味については、刺激的なアルコール臭を
軽減し麹臭を保持させて円やかで甘い香気成分を多く含
有した風味の改善が困難であった。
【0004】本発明は、上記のような課題に鑑み、その
課題を解決すべく創案されたものであって、その目的と
するところは、環境による比較的褐変速度が遅く、淡色
系の色調を有し独特な風味を持ち、しかも流通期間の延
長が望める味噌を得るため、原料大豆の処理段階におい
て課題を解決する味噌原料用大豆原料の高圧処理法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1に係る発明は、水に浸漬した大豆を400
MPa以上の高液圧で処理した後、大豆を粉砕及び乳化
し、味噌製造原料とする手段よりなる。
【0006】また、請求項2に係る発明は、水に浸漬し
た大豆を粉砕及び乳化した後、大豆を 400MPa以上の
高液圧で処理し、味噌製造原料とする手段よりなる。
【0007】
【発明の実施の形態】上記課題を達成させるため、一昼
夜水浸漬した原料大豆を粉砕及び乳化処理し、この処理
の前あるいは後に常温で 400MPa以上の静高液圧を掛
けて処理した大豆を用いて、常法により別に用意した麦
麹と食塩を混合し仕込み発酵熟成させると、従来法と同
様に味噌として熟成できることを見出した。
【0008】この熟成した味噌は、感応的にも淡色系を
示しかつ香りも強く、また香気成分では、複雑なアルコ
ール類に由来する刺激臭が低減され、円やかで甘い香り
成分に由来する香気成分を多く含有する成分値を示し
た。これらの結果、原料大豆の処理段階において、高圧
処理を導入することが、前記課題を解決するのに有効で
あった。
【0009】浸漬した原料大豆に静液体のもと常温で高
圧を掛けて処理すると、蒸煮加熱した時と同じように蛋
白質や糖類などの成分に構造上の変化を生じる。しか
し、大豆を加熱した時は、成分の共有結合や非共有結合
の結合部が切断される。これに対して高圧処理した時
は、成分の非共有結合のみ切断され、緩やかな蛋白質変
性や酵素分解を受けやすい構造に変化し、さらに香気成
分の生成に寄与すると思われる酵素の失活も少なく、熱
影響ほど大豆素材にダメージを与えないで加工される。
【0010】このため、原料大豆を非加熱の高圧処理し
て麹と一緒に仕込んでも、香りの良い味噌として熟成す
ることができる。次にこの仕込み時点では、生大豆素材
の淡黄色の色調を呈し、この色調を起点に熱影響が少な
いので、熟成するにつれてゆっくりと着色し、最終熟成
でも淡色系の味噌となる。
【0011】従来より味噌製造原料の一つである大豆
は、蒸煮加熱処理し麹と一緒に仕込まれていた。本発明
では、これに代わり常温で高水圧処理した非加熱の大豆
を用いて、常法に従って仕込み熟成させ、褐変の少ない
淡色系を有し、刺激臭を軽減した円やかな風味を持つ味
噌を得るための味噌原料用大豆の高圧処理法である。
【0012】この場合、水に一昼夜浸漬した大豆を 400
MPa以上の高液圧で処理しても、浸漬時の大豆の硬さ
がそのまま残り、味噌の仕込み及び熟成に不適である。
そこで、浸漬大豆を粉砕及び乳化処理し、この処理の前
あるいは後に常温で高圧処理を行う。次に、高圧処理さ
れた大豆を用いて、常法に従って仕込み熟成させ、淡色
系で香りの向上した麦味噌を作る味噌原料用大豆の高圧
処理法である。
【0013】
【実施例1】乾燥大豆 6.0kgを水洗いし一昼夜水に浸漬
させ、浸漬大豆の所定量を4つの各ビニール容器にそれ
ぞれ入れ、これに水を満たし密封した。この大豆入りビ
ニール容器を水で満たした高圧容器にそれぞれ挿入し密
閉した。これを、25℃の常温下 400MPa、 500MP
a、 600MPa、 700MPaの4通りの各圧力で30分間
の高圧処理をそれぞれ行った。
【0014】各高圧下で処理した大豆は、粉砕及びミキ
サーで微細に乳化した。乳化大豆は麹歩合22歩、塩分10
%、仕込み水45%に調整混合し、28℃で30日間熟成させ
た後、さらに15℃で10日間追熟させて味噌を製造した。
なお、味噌の仕込みは、各高圧条件毎に仕込み樽を用意
して熟成をおこなった。これらとは別に、 115℃で30分
間蒸煮加熱処理した従来法の大豆を用いて、上記と同じ
条件で同時に仕込み熟成させ、従来法と高圧処理法の熟
成状況、色調、香気成分について比較させながら調べ
た。その結果を、表1〜表3に示す。
【0015】
【表1】 表1は、味噌の熟成状況を示している。酸度(1) と酸度
(2) は有機酸やアミノ酸の生成、蛋白質と糖の各分解率
は、蛋白質の低分子ペプチドやアミノ酸の生成及び糖類
の分解などに関与し、熟成の程度を示している。高圧処
理法は、各高圧条件とも従来法に比べて、ほとんど同じ
値を示しており、十分に熟成した味噌になり得ることが
確認された。
【0016】
【表2】 表2は、味噌の色調を示しており、高圧処理法が淡色系
であった。
【0017】
【表3】 表3は、熟成した味噌の香気成分を示している。高圧処
理法は従来法と比べて、刺激的でアルコール臭や酸臭に
関与する低級脂肪族アルコール類が抑制され、低級脂肪
族エチルエステル類に由来する、円やかな甘い香り成分
を多く含有する味噌が得られた。
【0018】
【実施例2】乾燥大豆3.0 kgを水洗し一昼夜水に浸漬さ
せ、浸漬大豆を半分に分けてその一つは、25℃常温下 6
00MPaで30分間の高圧処理後に粉砕及び乳化した。
(以下「圧→乳」と記す)。他方の浸漬大豆は、粉砕及
び乳化後に25℃常温下 600MPaで30分間の高圧処理を
行った。(以下「乳→圧」と記す)。各々大豆の高圧処
理時は、ビニール容器充填密封して処理した。
【0019】圧→乳及び乳→圧した処理大豆は、別々に
用意した樽を用いて麹歩合22歩、塩分10%、仕込み水45
%に調整混合し、28℃で30日間熟成させた後、さらに15
℃で10日間追熟させて味噌を製造した。そこで、圧→乳
及び乳→圧の乳化の前後における高圧処理の違いによ
る、味噌熟成に及ぼす影響を調べた。また、従来法とも
比較した。その結果を、表4〜表6に示す。
【0020】
【表4】 表4より圧→乳と乳→圧では、いずれも熟成に与える影
響の差はほとんどなく、従来法と比べてもほぼ同程度に
熟成した味噌になり得ることを確認した。
【0021】
【表5】 また、表5より色調については、圧→乳及び乳→圧とも
ほぼ同程度に褐変しているが、両方とも従来法に比べて
淡色であった。
【0022】
【表6】 一方、表6より香気成分は、圧→乳及び乳→圧ともほぼ
同程度の含有量と挙動を示し、従来法に比べても、低級
脂肪族アルコール類に由来する刺激臭的なアルコール臭
や酸臭等が抑制され、低級脂肪族エチルエステル類の円
やかで甘い香り成分を多く含有していた。いずれにして
も、圧→乳及び乳→圧の高圧処理タイミングの違いによ
る、味噌の熟成に与える影響はなく、両処理とも淡色系
で風味の向上した味噌が得られた。
【0023】
【発明の効果】以上の記載より明らかなように、請求項
1及び請求項2に係る発明によれば、上述のとおり味噌
製造過程における原料大豆を、従来のように蒸煮加熱処
理することなく、浸漬大豆を粉砕及び乳化の前あるいは
後に、非加熱の常温で高圧処理して仕込むことにより、
従来法と同様に十分に熟成した味噌が得られる。また本
法により処理された大豆の色調は、仕込み段階で褐変の
ない、大豆素材が持っているそのままの淡黄色を有して
いる。このために、熟成過程あるいは熟成後における、
褐変の進行も非常に遅く従来品より淡色系を有し、流通
期間を長くすることが出来る。さらに、刺激的なアルコ
ール臭に由来する臭い成分が抑制され、円やかな香り成
分を多く含有しているので、味噌製造における風味の改
善と向上の効果に寄与出来る。
フロントページの続き (72)発明者 露木 英男 神奈川県相模原市上鶴間6丁目9番20号 (72)発明者 橋口 亮 長崎県長崎市弥生町666 長崎女子短期大 学内 (72)発明者 松竹 寛康 長崎県大村市池田2丁目1303番8号 長崎 県工業技術センター内 Fターム(参考) 4B020 LB21 LC02 LG01 LP02 LP08 LP09 4B035 LC01 LG33 LP21 LP25 LP55

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に浸漬した大豆を 400MPa以上の高
    液圧で処理した後、大豆を粉砕及び乳化し、味噌製造原
    料とする味噌原料用大豆の高圧処理法。
  2. 【請求項2】 水に浸漬した大豆を粉砕及び乳化した
    後、大豆を 400MPa以上の高液圧で処理し、味噌製造
    原料とする味噌原料用大豆の高圧処理法。
JP11082453A 1999-03-25 1999-03-25 味噌原料用大豆の高圧処理法 Withdrawn JP2000270799A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11082453A JP2000270799A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 味噌原料用大豆の高圧処理法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11082453A JP2000270799A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 味噌原料用大豆の高圧処理法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000270799A true JP2000270799A (ja) 2000-10-03

Family

ID=13774949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11082453A Withdrawn JP2000270799A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 味噌原料用大豆の高圧処理法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000270799A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005051099A1 (ja) * 2003-11-28 2007-12-06 株式会社医食同源社 豆類食材及びその製造方法、並びに当該豆類食材を用いた加工食品
CN102488075A (zh) * 2011-11-16 2012-06-13 江南大学 一种降低豆基婴幼儿配方粉专用大豆分离蛋白致敏性的方法
EP3130233A4 (en) * 2014-03-26 2017-11-22 Maruzen Pharmaceuticals Co., Ltd. Salt-free miso production method, salt-free miso, hepatic function improvement agent, and hypertension improvement agent

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005051099A1 (ja) * 2003-11-28 2007-12-06 株式会社医食同源社 豆類食材及びその製造方法、並びに当該豆類食材を用いた加工食品
CN102488075A (zh) * 2011-11-16 2012-06-13 江南大学 一种降低豆基婴幼儿配方粉专用大豆分离蛋白致敏性的方法
EP3130233A4 (en) * 2014-03-26 2017-11-22 Maruzen Pharmaceuticals Co., Ltd. Salt-free miso production method, salt-free miso, hepatic function improvement agent, and hypertension improvement agent
US10111920B2 (en) 2014-03-26 2018-10-30 Maruzen Pharmaceuticals Co., Ltd. Salt-free miso production method, salt-free miso, hepatic function improvement agent, and hypertension improvement agent

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3114995B2 (ja) 飲食品の製法
CN111432653B (zh) 使用非强制进食方法获得的鸭的肝脏的肥肝及其成分与制造方法
KR101891024B1 (ko) 양파를 이용한 간장 및 된장의 제조 방법과 그 제조방법으로 제조된 간장 및 된장
JP2000270799A (ja) 味噌原料用大豆の高圧処理法
KR101487328B1 (ko) 멍게를 이용한 고추장 제조방법
JPS6366174B2 (ja)
KR101201239B1 (ko) 솔잎 발효액을 함유하는 발효 솔 막걸리의 제조방법 및 이에 의해 제조된 솔잎 발효액을 함유하는 발효 솔 막걸리
KR20170068766A (ko) 곡물 발효물이 함유된 막장 및 그의 제조방법
KR101119527B1 (ko) 고추장굴비의 제조방법
JP4783947B2 (ja) 調味料の製造方法及び調味料
KR20210006076A (ko) 부추된장의 제조방법
KR20200105214A (ko) 저염식 된장의 제조방법
JPS60234563A (ja) 高蛋白分解低臭みその製造法
JPS5982068A (ja) 調味素材の製造方法
JPH119219A (ja) 香辛料、その製造方法及び食品
JPH11151073A (ja) 発酵調味料の製造方法
JPH0614740A (ja) 発酵調味料用発酵処理物の製造法、及び発酵調味料の製造法
JPH01257441A (ja) 高蛋白分解低臭白みそ
JPH04117262A (ja) 大豆ペプタイド及び大豆オリゴ糖を含有する新もろみの製法及びその製品
RU2094997C1 (ru) Способ производства хлебобулочных изделий
RU2094996C1 (ru) Способ производства хлебобулочных изделий
JPH04325064A (ja) 塩化マグネシウムを利用した穀物の発酵方法
JPS5917965A (ja) 雲丹風卵豆腐の製造方法
KR20140119407A (ko) 청주 제조방법
JP2009213432A (ja) みりん類の製造方法およびその利用

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606