JP2000270507A - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JP2000270507A
JP2000270507A JP11075197A JP7519799A JP2000270507A JP 2000270507 A JP2000270507 A JP 2000270507A JP 11075197 A JP11075197 A JP 11075197A JP 7519799 A JP7519799 A JP 7519799A JP 2000270507 A JP2000270507 A JP 2000270507A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転機に発生するベアリング電流を低減させ
て軸受部の摩耗、回転軸の損傷、破壊を防止し、かつ、
長時間使用しても保守する必要がないベアリング電流低
減装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 回転電機のステータ鉄心側のスロット開
口部に、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体
であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材をスロット
の開口部を塞ぐようにステータ鉄心の空隙側内周面に配
置、固定して、コイルとロータを静電遮蔽することによ
り、振幅が大きく軸受装置に与えるストレスの大きいデ
ィスチャージモードのベアリング電流と、発生頻度が高
く軸受装置に与えるストレスを無視できないコンダクテ
ィブモードのベアリング電流の発生を防止することがで
き、長時間使用しても保守する必要がない回転電機を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機の軸受部
に流れるベアリング電流を低減する回転電機のベアリン
グ電流低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、誘動機を始めとする回転電機を回
転数制御する方法としてインバータ等の電力変換機によ
って駆動するのが一般的となってきた。インバータ駆動
の方式として電圧形PWMインバータが最も良く知られ
ている。この種のインバータ駆動方式では、変調正弦波
信号の振幅に比例したパルス幅の一定キャリア周期を持
つ矩形波状の電圧パルス列を回転電機に印加して、回転
電機のコイルに流れる電流を変調正弦波信号の周波数に
等しい周波数の正弦波となるように回転電機を駆動す
る。
【0003】さて、最近の高速電力用半導体素子の発展
に伴って、電圧形PWMインバータのキャリア周波数の
高周波化が進み、インバータのスイッチング時に生じる
急峻な電圧変化に起因して発生する回転電機のベアリン
グ電流による軸受部の不具合が指摘されている。
【0004】図18は従来のPWMインバータに駆動さ
れた回転電機の原理的回路図を示し、図19は従来のP
WMインバータに駆動された回転電機の各部の波形を説
明する説明図である。図18、図19を併用して、PW
Mインバータが回転電機のコイル系に対して共通モード
の電圧(以降コモンモード電圧と称す)を供給するメカ
ニズムについて説明する。
【0005】図18において、インバータ101はスイ
ッチング素子102〜107および直流電源108から
成り、インバータ101のR相、S相およびT相出力端
子109〜111は回転電機112のコイル113のR
相、S相およびT相タップ114〜116にそれぞれ結
線されている。回転電機112のフレームグランド端子
117は、インバータ101のフレームグランド端子1
18に接続され、さらに、フレームグランド端子118
は大地にアース接続されている。
【0006】図19の(a),(b),(c)はキャリア
波信号Vcと各相のインバータ指令値UR、US、UTとの
比較により、インバータ101におけるON−OFF制
御信号の形成を説明するものである。図19において、
横軸を時間軸にとり、図19の(a),(b),(c)の
太線で図示された正弦波がインバータ101のR、S、
T各相のインバータ指令値(UR,US,UT)を示す。
同図上に三角波状の細線で示された波形がキャリア波信
号VCである。キャリア波信号Vcがインバータ指令値U
R、US、UTよりも低いときは、該当するスイッチング
素子102〜104側が導通し、スイッチング素子10
5〜107側が非導通となる。逆に、キャリア波信号V
cがインバータ指令値UR、US、UTよりも高いときは、
該当するスイッチング素子102〜104側が非導通と
なり、スイッチング素子105〜107側が導通とな
る。
【0007】図19の(d),(e),(f)は図18に
図示されるスイッチング素子のアーム対(102,10
5),(103,106),(104,107)の中間
点と大地との間に形成される電圧VR,VS,VTを示
す。説明を簡略化するため図19の(a),(d)でR相
における関係について説明する。キャリア波電圧Vc
インバータ指令値URより高いときは、スイッチング素
子105が導通しアーム対(102,105)と大地間
の電圧VRは零となる。尚、Edは直流電源108の両端
の電圧値である。次に、キャリア波電圧Vcがインバー
タ指令値URより低いときは、スイッチング素子102
が導通しアーム対(102,105)と大地間の電圧V
Rは+Edとなる。
【0008】図19の(G)はコイル113に印可され
るコモンモード電圧の関係を示す。コイル113の中性
点119の大地を基準とする電位、すなはち、中性点電
位V NOは、通常、上述の電圧VR,VS,VTの平均電圧
(数1)となる。
【0009】
【数1】 ゆえに、中性点電位VNOには、上述の電圧VR,VS,V
T三相分を重ね合わせたコモンモードの電圧が発生して
いる。すなわち、中性点電位VNOにはPWMスイッチン
グパターン3相分を重ね合せた波形が発生することにな
る。
【0010】回転電機に発生するベアリング電流は、例
えば、「PWMインバータによって発生する誘導電動機
のベアリング電流」(ショータン・チェン、アイイーイ
ーイー・トランザンクション・オン・エナジーコンバー
ジョン、11号1巻ナンバー1、1996年3月)(A
nalysis of Induction Moto
r Bearing Currents Caused
by PWM Inverters、IEEE Tr
ansactions on EnergyConve
rsion.Vol.11,No.1,March 1
996)に紹介されているように、回転電機のコイルと
ロータ間、コイルとステータ間、および、ロータとステ
ータ間の静電結合容量に起因して発生する。
【0011】図20は従来の回転電機の構成を示した断
面図であり、スロット120と歯121を有するステー
タ鉄心122のそのスロット120内にコイル113を
配置して形成したステータ123と、ロータ124から
構成されている。そしてロータ124側面に対向するス
テータ鉄心122の空隙側内周面には、スロット120
の開口部125がある。
【0012】一般的に、回転電機では、コイル113は
開口部125付近の空隙を介して、ロータ124と接近
した位置に配置されるので、コイル113の巻き取り方
向に沿って、コイル113とロータ124の間に静電結
合容量126が分布している。
【0013】ところで、大容量機では開口スロット、小
容量機では半閉スロット形状にしているが、特に大容量
機では、開口部の空隙面の面積が大きくなるため、静電
結合容量126は大きくなる。小容量機でも、開口部の
面積が小さくなった分、大容量機ほどではないが、比較
的小さな静電結合容量が存在する。
【0014】同様に、コイル113はステータ鉄心12
2のスロット120内に、ステータ鉄心122に接近し
た位置に配置されるので、コイルの巻き取り方向に沿っ
て、コイル113とステータ123の間にも静電結合容
量127が分布している。
【0015】一般的に、回転電機では、ステータ123
とロータ124の間の空隙間隔は狭く設計されるので、
ステータ123とロータ124は接近した位置に配置さ
れ、ステータ123とロータ124の間にもエアーギャ
ップ容量128が存在する。
【0016】図21は、回転電機が高速で回転している
時の軸受装置の状態を示す断面図である。この場合、軸
受装置129の転動体130は潤滑油131で浸された
内輪132と外輪133の間にできる中空に浮いた状態
(以降、流体潤滑状態と称す)となる。この時、内輪1
32と外輪133は、電気的には、常時非導通、時々導
通する。
【0017】図22は回転電機が高速で回転し、軸受装
置が流体潤滑状態となる場合において、従来のPWMイ
ンバータに駆動された回転電機のコモンモード等価回路
図を示し、図23は回転電機が高速で回転し、軸受装置
が流体潤滑状態となる場合において、従来のPWMイン
バータに駆動された回転電機の各部の波形を説明する説
明図である。図22、図23を併用して、軸受装置が流
体潤滑状態となる場合において、ディスチャージモード
のベアリング電流が発生するメカニズムについて説明す
る。
【0018】図22において、流体潤滑状態では、軸受
装置129は電気的に非導通となる。前述したように、
コイル113とステータ123の間に静電結合容量12
6、コイル113とロータ124の間に静電結合容量1
27、および、ステータ123とロータ124の間にエ
アーギャップ容量128等が存在するので、これらの静
電容量より成り、コイル4とステータ5の間に印加され
た電圧をエアーギャップ容量14に発生する軸電圧とし
て伝達するような、図示するような閉じた回路134が
形成される。同図で図示するように、軸受装置129
は、抵抗135、インダクタンス136およびスイッチ
137を直列接続した軸受装置の等価回路138で現す
ことができる。
【0019】図23において、インバータ101からコ
イル113とステータ123との間に図23(a)に示
すようなコモンモード電圧が印加されると、コイル11
3とステータ123の間に印加された電圧をエアーギャ
ップ容量128に発生する軸電圧として伝達するような
閉じた回路134が形成されているので、コモンモード
電圧に対する閉じた回路134の応答現象として、エア
ーギャップ容量128に図23(b)に示すような軸電
圧が発生する。この軸電圧は、閉じた回路134に固有
な伝達特性から、コモンモード電圧の立ち上りエッジに
おいて、図示するように激しく振動する。振動する軸電
圧の瞬時値が、ある電圧レベルを超えると、軸受装置の
油膜を絶縁破壊させて軸受部を導通状態にさせ、エアー
ギャップ容量128に蓄積された軸電圧は、抵抗13
5、インダクタンス136およびスイッチ137を直列
接続した軸受装置129の等価回路138を経て放電
し、この時軸受装置129に流れる放電電流として図2
3(c)に示すようなディスチャージモードのベアリン
グ電流が流れる。
【0020】ここで、ディスチャージモードのベアリン
グ電流は、エアーギャップ容量128に蓄積された放電
電流として発生するので、放電直前にエアーギャップ容
量128に蓄積された軸電圧に比例するが、軸電圧は、
前述したように、コモンモード電圧の立ち上りエッジで
大きく振動し、その最大ピーク電圧は大きな値となるの
で、軸電圧が最大ピーク値付近に達したときに、軸受装
置129が導通し、エアーギャップ容量128が放電し
たときに発生するベアリング電流の振幅は非常に大きな
電流となることがある。例えば、1キロワットクラスの
誘導電動機の場合、軸電圧の最大ピーク値Vrsmaxは4
1Vとなり、軸電圧が最大ピーク電圧Vr smaxが41V
付近に達した瞬間に放電したとき、1500mAにもな
るベアリング電流が流れることがある。このように、デ
ィスチャージモードのベアリング電流の振幅は、非常に
大きな値になることがあり、軸受装置に与える破壊損傷
のストレスは大きい。
【0021】図24は、回転電機が低速で回転している
時の軸受装置の状態を示す断面図である。この場合、内
輪132は転動体130を介して外輪133と常に接触
した状態(以降、境界潤滑状態と称す)となり、内輪1
32と外輪133は接触しており常に電気的に導通して
いる。
【0022】図25は回転電機が低速で回転し、軸受装
置が境界潤滑状態となる場合において、従来のPWMイ
ンバータに駆動された回転電機のコモンモード等価回路
図を示し、図26は回転電機が低速で回転し、軸受装置
が境界潤滑状態となる場合において、従来のPWMイン
バータに駆動された回転電機の各部の波形を説明する説
明図である。図25、図26を併用して、時軸受装置が
境界潤滑状態となる場合において、コンダクティブモー
ドのヘ゛アリンク電流が発生するメカニズムについて説明
する。
【0023】図25において、境界潤滑状態では、軸受
装置129は電気的に導通している。前述したようなコ
イル113とロータ124の間の静電結合容量126、
コイル113とステータ123の間の静電結合容量12
7、さらに、スイッチ137が閉じた状態の軸受装置1
29の等価回路138より成り、コイル113とステー
タ123の間に印加された電圧を、軸受装置129の等
価回路138に流れるベアリング電流として伝達するよ
うな、図示するような閉じた回路139が形成される。
【0024】図26において、インバータ101からコ
イル113とステータ123との間に図26(a)に示
すようなコモンモード電圧が印加されると、コイル11
3とステータ123の間に印加された電圧を軸受装置1
29の等価回路138に流れるベアリング電流として伝
達するような閉じた回路139が形成されるので、コモ
ンモード電圧に対する閉じた回路139の応答電流とし
て、図26(c)に示すようなコンダクティブモードの
ベアリング電流が発生する。このベアリング電流は、閉
じた回路139に固有な伝達特性によって、コモンモー
ド電圧の立ち上りエッジにおいて、図示するように振動
する。例えば、回転電機112が1キロワットクラスの
誘導機の場合、振動するベアリング電流の最大ピーク電
流Ibmaxは60〜150mAとなる。このように、コン
ダクティブモードのベアリング電流は、その最大ピーク
値Ibmaxは、ディスチャージモードのベアリング電流ほ
ど大きくはないにしても、コモンモード電圧に対する閉
じた回路139の応答電流であるため、コモンモード電
圧の立ち上がりエッジ毎に必ず発生するので、その発生
頻度は高く、軸受装置に与えるストレスは無視できな
い。
【0025】以上で述べたように、インバータ駆動され
た従来の回転電機では、振幅が大きく軸受装置に与える
ストレスの大きなディスチャージモードのベアリング電
流、および、振幅は小さいが発生頻度が高く、軸受装置
に与えるストレスを無視できないコンダクティブモード
のベアリングモード電流が発生するため、回転軸受の摩
耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化を招き、場合によって
は軸受装置を損傷または破壊することがある。従って、
このような障害が発生しないように、回転電機にベアリ
ング電流防止装置が用いられている。通常、このベアリ
ング電流防止装置としては、軸受装置を絶縁する方法と
回転軸を接地する方法があるが、軸受部を絶縁する方法
は、構造が複雑になり、組み立て工程に細心の注意を要
し、工数が多くかかり、かつ回転電機によっては機械的
構造上軸受部の絶縁ができないものもあるので、通常は
軸受部を絶縁するよりは簡単で、実施し易い回転軸を接
地する方法が用いられている。
【0026】従来、この種のベアリング電流の発生を防
止するベアリング電流防止装置は、特開昭58−787
70号公報、特開昭54−8801号広報、実開昭63
−124057号広報、および実開昭58―78769
号広報に記載されたものが知られている。
【0027】以下、その従来のベアリング電流防止装置
について図27を参照しながら説明する。図に示すよう
に、従来の回転軸を接地する方式の軸電流防止装置14
0はアースブラシホルダ141、アースブラシホルダ支
え142およびアースブラシ組立体1から構成されてい
る。アースブラシホルダ支え142は、導電材料の板材
を略L字状に曲げて作られ、その略L字状の垂直返の端
部は、エンドブラケット144とエンドブラケット14
4に接合されたシールド玉軸受145より成る軸受装置
129のエンドブラケット144の部分にボルト146
を介して取り付けられ、略L字状の水平辺には後述する
アースブラシホルダ141が取付けられている。エンド
ブラケット144は回転電機112の金属筐体147に
ボルト148を介して取付けられている。アースブラシ
ホルダ141はホルダシャンク149およびキャップ1
50より成り、ホルダシャンク149はアースブラシホ
ルダ支え142の水平返にねじまたは半田付け等で固定
され、その内側には後述するアースブラシ組立体143
の取付け穴151が設けられている。アースブラシ組み
立体143はアースブラシ152、ばね153、ピグテ
ール154およびピグテール支え155より成ってい
る。従って、アースブラシホルダ141のホルダシャン
ク149の取付け穴151にアースブラシ組立体143
を挿入し、ホルダシャンク149にキャップ150を取
付ければ、アースブラシ152は、ばね153を介して
回転軸156に押し付けられて接触し、回転軸156
は、常にアースブラシ152、ピグテール154、ピグ
テール支え155、キャップ150、ホルダシャンク1
49、アースブラシホルダ支え142、エンドブラケッ
ト144および金属筐体147を介して接地される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べたように、
従来のPWMインバータに駆動された回転電機では、イ
ンバータより回転電機のコイルとステータ間に、R相、
S相およびT相のPWMスイッチングパターン三相分を
重ね合わせたコモンモード電圧が供給される。
【0029】さらに、回転電機が高速で回転し、軸受装
置129が流体潤滑状態となる場合、軸受装置129は
電気的に非導通となり、コイル113とロータ124の
間の静電結合容量126、コイル113とステータ12
3の間の静電結合容量127、および、ステータ123
とロータ124の間のエアーギャップ容量128から成
る閉じた回路134が形成され、コモンモード電圧が閉
じた回路134に供給されると、コモンモード電圧に対
する閉じた回路134の応答電圧としてエアーギャップ
容量128の両端に軸電圧が発生する。この軸電圧の瞬
時値が、ある電圧レベルを超えると、軸受装置129の
油膜を絶縁破壊させて軸受装置129を導通状態にさ
せ、エアーギャップ容量128に蓄積された軸電圧は軸
受装置129を経て、軸受装置129に放電電流、すな
わち、ディスチャージモードのベアリング電流が流れ
る。このディスチャージモードのベアリング電流は、エ
アーギャップ容量128に蓄積された放電電流として発
生するので、その振幅は、放電直前にエアーギャップ容
量128に蓄積された軸電圧に比例するが、閉じた回路
134に固有な伝達特性のため、軸電圧はコモンモード
電圧の立ち上りエッジにおいて激しく振動し、軸電圧の
最大ピーク電圧は大きな値となるので、軸電圧が最大ピ
ーク値付近に達したときに、軸受装置129が導通しエ
アーギャップ容量128が放電したときに発生するベア
リング電流の振幅は非常に大きな電流となることがあ
り、この振幅の大きなベアリング電流が、軸受の摩耗、
回転軸の損傷、潤滑油の風化を招き、場合によっては軸
受装置129が損傷または破壊するという問題があっ
た。
【0030】回転電機が低速で回転し、軸受装置129
が境界潤滑状態となる場合、軸受装置129は電気的に
導通状態となり、コイル113とロータ124間の静電
結合容量126、コイル113とステータ123間の静
電結合容量127、および、軸受装置127から成る閉
じた回路139が形成され、インバータからこの閉じた
回路139にコモンモード電圧が印加されると、コモン
モード電圧に対する閉じた回路139の応答電流として
軸受装置129にコンダクティブモードのベアリング電
流が発生するが、この種のベアリング電流は、コモンモ
ード電圧の立ち上がりエッジ毎に必ず発生するので、そ
の発生頻度は高く、この発生頻度の高いコンダクティブ
モードのベアリング電流が、軸受の摩耗、回転軸の損
傷、潤滑油の風化を招き、場合によっては軸受装置12
9を損傷または破壊するという問題があった。
【0031】また、このような問題を解決するための従
来のベアリング電流防止装置では、アースブラシ152
は、ばね153より回転軸156に押し付けられている
ので、回転軸156の表面を摩耗、損傷させないよう
に、カーボンを主成分とした非常に軟質の導電材料で作
られているため摩耗が早く、早いものは2〜3箇月で、
長くても6〜7箇月でアースブラシを交換しなければな
らないという欠点があった。
【0032】また、このような問題を解決するための従
来のベアリング電流防止装置では、アースブラシ152
を、回転軸156に押し付けるためのアースブラシホル
ダ141の機構や、アースブラシホルダ141を支える
ための機構が大変複雑なものになるため、ベアリング電
流防止装置を装備する際に、多くのコストと工数がかか
ると言う欠点があった。
【0033】以上述べたように、PWMインバータによ
り駆動された従来の回転電機では、回転電機が高速で回
転しているとき、振幅が大きく、軸受装置に与えるスト
レスの大きいディスチャージモードのベアリング電流が
発生してしまうという課題があり、ディスチャージモー
ドのベアリング電流を消滅させて、軸受部の摩耗、回転
軸の損傷、潤滑油の風化、軸受装置の損傷または破壊を
防止することが要求されている。
【0034】また、回転電機が低速で回転していると
き、発生頻度が高く、軸受装置に与えるストレスを無視
できないコンダクティブモードのベアリング電流が流れ
てしまうという課題があり、コンダクティブモードのベ
アリングを消滅させて、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、
潤滑油の風化、軸受装置の損傷または破壊を防止するこ
とが要求されている。
【0035】また、従来のベアリング電流防止装置で
は、ブラシの摩耗による保守を数箇月毎に行う必要があ
るという課題があり、長時間使用しても保守する必要な
くベアリング電流を防止できる方法が要求されている。
【0036】また、従来のベアリング電流防止装置で
は、アースブラシを、回転軸に押し付けるためのアース
ブラシホルダの機構や、アースブラシホルダを支えるた
めの機構が大変複雑なものになるため、これを装備する
際に多くのコストと工数がかかるという課題があり、機
構が簡単で、これを装備する際にコストと工数をかけず
にベアリング電流を防止できる方法が要求されている。
【0037】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、ベアリング電流を消滅させて軸受部の摩
耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受装置の損傷また
は破壊を防止することができ、かつ、長時間使用しても
保守する必要なくベアリング電流を消滅することがで
き、かつ、機構が簡単でこれを装備する際に、多くのコ
ストと工数をかける必要がない回転電機を提供すること
を目的としている。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の回転電機は上記
目的を達成するために、スロットと歯を有するステータ
鉄心のそのスロット内にコイルを配置して形成したステ
ータと、そのステータを内周面に固定したハウジング
と、回転軸を有するロータと、軸受装置を有しその軸受
装置を介して前記回転軸を保持し、前記ハウジングの両
端部に固定された2枚のエンドブラケットを備えた回転
電機において、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非
磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加
工して得られる小片楔を、前記ステータ鉄心と電気的に
導通するように、前記スロットの開口部を塞ぐように前
記スロットの開口部に配置、固定して、前記コイルと前
記ロータを静電遮蔽した事を特徴とする回転電機とした
ものである。
【0039】本発明によれば、ベアリング電流を消滅さ
せて、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸
受装置の損傷または破壊を防止することができ、また、
長時間使用しても保守する必要なくベアリング電流の発
生を防止することができ、また、これを装備する際に、
多くのコストと工数をかける必要がない回転電機が得ら
れる。
【0040】また他の手段は、スロットと歯を有するス
テータ鉄心のそのスロット内にコイルを配置して形成し
たステータと、そのステータを内周面に固定したハウジ
ングと、回転軸を有するロータと、軸受装置を有しその
軸受装置を介して前記回転軸を保持し、前記ハウジング
の両端部に固定された2枚のエンドブラケットを備えた
回転電機において、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等し
い非磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材
を加工して得られる薄い略円筒物を、前記ステータ鉄心
と電気的に導通するように、前記スロットの開口部を塞
ぐように前記ロータの側面に対向する前記ステータ鉄心
の空隙側内周面に配置、固定して、前記コイルと前記ロ
ータを静電遮蔽した事を特徴とする回転電機としたもの
である。
【0041】本発明によれば、ベアリング電流を消滅さ
せて、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸
受装置の損傷または破壊を防止することができ、また、
長時間使用しても保守する必要なくベアリング電流の発
生を防止することができ、また、これを装備する際に、
多くのコストと工数をかける必要がない回転電機が得ら
れる。
【0042】また他の手段は、スロットと歯を有するス
テータ鉄心のそのスロット内にコイルを配置して形成し
たステータと、そのステータを内周面に固定したハウジ
ングと、回転軸を有するロータと、軸受装置を有しその
軸受装置を介して前記回転軸を保持し、前記ハウジング
の両端部に固定された2枚のエンドブラケットを備えた
回転電機において、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等し
い非磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材
を加工して得られる薄い略円筒物を、前記ステータ鉄心
と電気的に導通するように、前記スロットの開口部を塞
ぐように前記ロータ側面に対向する前記ステータ鉄心の
空隙側内周面に配置、固定し、前記略円筒物の両端部を
前記エンドブラケットで塞ぐようにして、前記コイルを
含む前記ステータ鉄心を前記円筒物、前記エンドブラケ
ット、および、前記ハウジングで囲って完全密封状態と
して、前記コイルと前記ロータを静電遮蔽した事を特徴
とする回転電機としたものである。
【0043】本発明によれば、ベアリング電流を消滅さ
せて、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸
受装置の損傷または破壊を防止することができ、また、
長時間使用しても保守する必要なくベアリング電流の発
生を防止することができ、また、これを装備する際に、
多くのコストと工数をかける必要がない回転電機が得ら
れる。
【0044】また他の手段は、スロットと歯を有するス
テータ鉄心のそのスロット内にコイルを配置して形成し
たステータと、そのステータを内周面に固定したハウジ
ングと、回転軸を有するロータと、軸受装置を有しその
軸受装置を介して前記回転軸を保持し、前記ハウジング
の両端部に固定された2枚のエンドブラケットを備えた
回転電機において、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等し
い非磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材
を加工して得られる薄い略円筒物を、前記ステータ鉄心
と電気的に導通するように、前記スロットの開口部を塞
ぐように前記ロータ側面に対向する前記ステータ鉄心の
空隙側内周面に配置、固定し、透磁率がほぼ真空中の透
磁率に等しい非磁性体であって、かつ、金属導体である
静電遮蔽材を加工して得られる2枚の略円環を、前記略
円筒物の両端部に、前記略円筒物と電気的に導通するよ
うに固定し、前記コイルを含む前記ステータ鉄心を前記
略円筒物、前記略円環、および、前記ハウジングで囲っ
て完全密封状態となるようにして、前記コイルと前記ロ
ータを静電遮蔽した事を特徴とする回転電機としたもの
である。
【0045】本発明によれば、ベアリング電流を消滅さ
せて、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸
受装置の損傷または破壊を防止することができ、また、
長時間使用しても保守する必要なくベアリング電流の発
生を防止することができ、また、これを装備する際に、
多くのコストと工数をかける必要がない回転電機が得ら
れる。
【0046】また他の手段は、スロットと歯を有するス
テータ鉄心のそのスロット内にコイルを配置して形成し
たステータと、そのステータを内周面に固定したハウジ
ングと、回転軸を有するロータと、軸受装置を有しその
軸受装置を介して前記回転軸を保持し、前記ハウジング
の両端部に固定された2枚のエンドブラケットを備えた
回転電機において、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等し
い非磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材
を加工して得られる薄い金属箔を、前記ステータ鉄心と
電気的に導通するように、前記スロットの開口部を塞ぐ
ように前記ロータ側面に対向する前記ステータ鉄心の空
隙側内周面に配置、固定して、前記コイルと前記ロータ
を静電遮蔽した事を特徴とする回転電機としたものであ
る。
【0047】本発明によれば、ベアリング電流を消滅さ
せて、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸
受装置の損傷または破壊を防止することができ、また、
長時間使用しても保守する必要なくベアリング電流の発
生を防止することができ、また、これを装備する際に、
多くのコストと工数をかける必要がない回転電機が得ら
れる。
【0048】また他の手段は、スロットと歯を有するス
テータ鉄心のそのスロット内にコイルを配置して形成し
たステータと、そのステータを内周面に固定したハウジ
ングと、回転軸を有するロータと、軸受装置を有しその
軸受装置を介して前記回転軸を保持し、前記ハウジング
の両端部に固定された2枚のエンドブラケットを備えた
回転電機において、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等し
い非磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材
を加工して得られる薄い金属箔を、前記ステータ鉄心と
電気的に導通するように、前記スロットの開口部を塞ぐ
ように前記ロータ側面に対向する前記ステータ鉄心の空
隙側内周面に配置、固定し、かつ、前記コイルを含む前
記ステータ鉄心を前記ハウジングと前記金属箔の両端部
で囲って完全密封状態として、前記コイルと前記ロータ
を静電遮蔽した事を特徴とする回転電機としたものであ
る。
【0049】本発明によれば、ベアリング電流を消滅さ
せて、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸
受装置の損傷または破壊を防止することができ、また、
長時間使用しても保守する必要なくベアリング電流の発
生を防止することができ、また、これを装備する際に、
多くのコストと工数をかける必要がない回転電機が得ら
れる。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明は、透磁率がほぼ真空中の
透磁率に等しい非磁性体であって、かつ、金属導体であ
る静電遮蔽材を、ステータ鉄心の空隙側内周面のスロッ
ト開口部に配置、固定して、スロット開口部のみを塞ぐ
ようにするか、コイルを含むステータ鉄心全体を、ステ
ータ鉄心の空隙側内周面に配置した静電遮蔽材とハウジ
ングで囲って完全密封状態とするか、または、コイルを
含むステータ鉄心全体を、ステータ鉄心の空隙側内周面
に配置した静電遮蔽材、ハウジング、および、ブラケッ
トで囲って完全密封状態として、コイルとロータを静電
遮蔽するようにしたものである。
【0051】このような構成の回転電機では、インバー
タより供給される電流によってコイルに励起された磁束
がスロットの開口部に配置された真空中の透磁率に等し
い非磁性体を通過する際にできるスロットの開口部付近
の空隙部の磁束密度は、静電遮蔽材が無い従来の回転電
機におけるスロットの開口部付近の空隙部の磁束密度に
等しく、前述した位置に静電遮蔽材を配置したことによ
って、回転電機に磁気的な影響をに与えないという作用
を有する。
【0052】次に、インバータより供給される比較的低
い数キロヘルツ〜十数キロヘルツの周波数のキャリアを
持つ電流によってコイルに励起された磁束の変化が、真
空中の透磁率に等しい非磁性体の静電遮蔽材を通過する
際に、静電遮蔽材内部に発生する渦電流はほとんど零に
等しく、渦電流が流れる事によって静電遮蔽材に発生す
る損失や発熱の問題はほとんど起きないという作用を有
する。
【0053】このような構成により、コイルとロータと
の間を静電遮蔽することにより、コイルとロータの間の
静電結合容量を零にして、回転電機が高速で回転してい
るときに形成されたコイルとロータの間の静電結合容
量、コイルとステータの間の静電結合容量、および、ス
テータとロータの間のエアーギャップ容量により成り、
コイルとステータ間に印加された電圧をエアーギャップ
容量に発生する軸電圧として伝達する、従来の閉じた回
路が形成されないため、コモンモード電圧に対する閉じ
た回路の応答電圧としてエアーギャップ容量に発生する
軸電圧が消滅するため、エアーギャップ容量に蓄積され
た軸電圧の放電現象として発生するディスチャージモー
ドのベアリング電流が消滅するという作用を有する。
【0054】また、回転電機のコイルとロータとの間を
静電遮蔽することにより、コイルとロータの間の静電結
合容量を零にして、回転電機が低速で回転しているとき
にに形成されたコイルとロータの間の静電結合容量、コ
イルとステータの間の静電結合容量、および、軸受装置
により成り、コイルとステータ間に印加された電圧を軸
受装置に流れるベアリング電流として伝達する、従来の
閉じた回路が形成されないため、コモンモード電圧に対
する閉じた回路の応答電流として軸受装置に流れるコン
ダクティブモードのベアリング電流も消滅するという作
用を有する。
【0055】また、ステータに配置、固定した静電遮蔽
材を、ロータと非接触で配置するようにして、ステータ
とロータ間を静電遮蔽するようにしたものであり、従来
のベアリング電流低減装置のように軟質の導電材料で作
られたアースブラシが回転軸に押し付けられて摩耗する
ような個所がないため、長時間使用しても保守する必要
がないという作用を有する。
【0056】また、静電遮蔽材を、ステータ鉄心の空隙
側内周面のスロット開口部に配置、固定して、スロット
開口部のみを塞ぐようにするか、コイルを含むステータ
鉄心全体を、ステータ鉄心の空隙側内周面に配置した静
電遮蔽材とハウジングで囲って完全密封状態とするか、
または、コイルを含むステータ鉄心全体を、ステータ鉄
心の空隙側内周面に配置した静電遮蔽材、ハウジング、
または、ブラケットで囲って完全密封状態として、コイ
ルとロータを静電遮蔽するようにしただけの簡単な構造
で、ベアリング電流を消滅することができるという作用
を有する。
【0057】
【実施例】(実施例1)図1は、本発明の第1実施例の
回転電機の構成を示す断面図である。図2は、図1にお
いて図示するAの方向から見た回転電機の構成を示す断
面図である。図1、図2において、ステータ鉄心1はス
ロット2と歯3を有し、そのスロット2内にコイル4を
配置して形成したステータ5は、ハウジング6の内周面
に固定され、ロータ7は回転軸8を有し、後述する例え
ばかご型巻線を備えた誘導電動機のロータであって、軸
受装置9を有し軸受装置9を介して回転軸8を保持する
2枚のエンドブラケット10a、10bは、ハウジング
6の両端にボルト11を介してハウジング6に固定され
ている。そして、ロータ7がコイル4から静電遮蔽され
るように、例えば銅のような透磁率がほぼ真空中の透磁
率に等しい非磁性体であって、かつ、金属導体である静
電遮蔽材を加工して得られた小片楔12が、スロット2
の開口部13を塞ぐようにスロット2の開口部13に、
配置、固定され、小片楔12はステータ鉄心1と電気的
に導通するように、ステータ鉄心1にはんだ付け、また
は、溶接されている。
【0058】図3は、実施例で使用したかご型巻線を備
えた誘導電動機のロータの構成を示す構成図である。図
3において、ロータ鉄心14は珪素鋼板15を軸方向に
積層して形成され、回転軸8に固定されている。そのロ
ータ鉄心14の径方向外周近傍に、その断面が円形をな
すような複数のスロット16が軸方向に形成されてい
る。ロータ巻線17は、複数のスロット16に収納され
た円柱状の複数のバー18の両端を、ロータ鉄心14の
軸方向両端において、エンドリング19a、19bで短
絡接合して一体成形したものであって、ロータ巻線17
は、アルミダイカスト、または、銅ダイカストによって
一体成形されている。
【0059】このように構成された回転電機、すなは
ち、誘導電動機がインバータ駆動された場合、インバー
タより供給される電流によってコイル4に励起された磁
束がスロット2の開口部13に配置された静電遮蔽材を
通過する際にできるスロット2の開口部13付近での空
隙部における磁束密度は、静電遮蔽材が真空中の透磁率
に等しい非磁性体を使用しているため、小片楔12が無
い従来の回転電機におけるスロット2の開口部13付近
での空隙部における磁束密度に等しい。従って、真空中
の透磁率に等しい銅のような非磁性体の小片楔12をス
ロット2の開口部13に配置しても、回転電機には磁気
的な影響を与えない。
【0060】次に、インバータより供給される比較的低
い数キロヘルツ〜数十キロヘルツの周波数のキャリアを
持つ電流によってコイル4に励起された磁束の変化が、
静電遮蔽材を通過する際、静電遮蔽材の内部において発
生する渦電流は、磁束の変化が通過しようとする物質の
誘電率に比例するが、静電遮蔽材は真空中の透磁率にほ
ぼ等しい透磁率の小さい非磁性体を使用しているため、
静電遮蔽材の内部において渦電流はほとんど発生せず、
渦電流が流れる事によって静電遮蔽材に発生する損失や
発熱の問題はほとんど起きない。
【0061】図4は実施例1の回転電機が高速で回転
し、軸受装置が流体潤滑状態となる場合において、イン
バータに駆動された実施例1の回転電機のコモンモード
等価回路図を示し、図5は実施例1の回転電機が高速で
回転し、軸受装置が流体潤滑状態となる場合において、
インバータに駆動された実施例1の回転電機における各
部の波形を説明する説明図である。図4、図5を併用し
て、実施例1の回転電機が高速で回転した場合におい
て、ディスチャージモードのベアリング電流の発生を防
止できる理由について説明する。
【0062】図4において、従来の回転電機と同様に、
コイル4の巻き取り方向に対して、コイル4とステータ
5の間に静電結合容量20が分布しており、ステータ5
とロータ7の間にもエアーギャップ容量21が存在して
いる。同図において、軸受装置9は、抵抗22、インダ
クタンス23、および、スイッチ24を直列接続した等
価回路25で表現されている。ここで、回転電機は高速
で回転しているため、流体潤滑状態となっている軸受装
置9は非導通状態なのでスイッチ24は開いている。実
施例1では、銅のような金属導体である静電遮蔽材を加
工して得られる小片楔12がスロット2の開口部13に
配置、固定され、コイル4とロータ7の間を静電遮蔽し
てあるので、コイル4とロータ7の間の静電結合容量2
6は零となり、コイル4とロータ7の間の静電結合容量
26、コイル4とステータ5の間の静電結合容量20、
および、ステータ5とロータ7の間のエアーギャップ容
量21より成り、コイル4とステータ5の間に印加され
た電圧をエアーギャップ容量21に発生する軸電圧とし
て伝達するような、従来の回転電機で形成された閉じた
回路134は形成されない。
【0063】図5において、インバータ27から図5
(a)に示すようなコモンモード電圧がコイル4とステ
ータ5の間に供給されても、コイル4とステータ5の間
に印加された電圧をエアーギャップ容量21に発生する
軸電圧として伝達する従来の回転電機で形成された閉じ
た回路134が形成されないので、コモンモード電圧に
対する閉じた回路の応答現象は起こり得ず、エアーギャ
ップ容量21に発生する軸電圧は図5(b)に示すよう
に零となる。従って、図5(c)に示すように、エアー
ギャップ容量21に蓄積された軸電圧の放電現象として
発生するディスチャージモードのベアリング電流も発生
せず、ディスチャージモードのベアリング電流の発生を
防止することができる。
【0064】図6は実施例1の回転電機が低速で回転
し、軸受装置が境界潤滑状態となる場合において、PW
Mインバータに駆動された実施例1の回転電機のコモン
モード等価回路図を示し、図7は実施例1の回転電機が
低速で回転し、軸受装置が境界潤滑状態となる場合にお
いて、PWMインバータに駆動された実施例1の回転電
機における各部の波形を説明する説明図である。図6、
図7を併用して、実施例1の回転電機が低速で回転した
場合において、コンダクティブモードのベアリング電流
の発生を防止できる理由について説明する。
【0065】図6において、従来の回転電機と同様に、
コイル4の巻き取り方向に対して、コイル4とステータ
5の間に静電結合容量20が分布しており、ステータ5
とロータ7の間にもエアーギャップ容量21が存在して
いる。同図において、軸受装置9は、抵抗22、インダ
クタンス23、および、スイッチ24を直列接続した等
価回路25で表現されている。ここで、回転電機は低速
で回転しているため、境界潤滑状態となっている軸受装
置9は非導通状態なのでスイッチ24は閉じている。実
施例1では、銅のような金属導体である静電遮蔽材を加
工して得られる小片楔12がスロット2の開口部13に
配置、固定され、コイル4とロータ7間を静電遮蔽して
あるので、コイル4とロータ7の間の静電結合容量26
は零となり、コイル4とロータ7間の静電結合容量2
6、コイル4とステータ5間の静電結合容量20、およ
び、軸受装置9の等価回路25より成り、コイル4とス
テータ5の間に印加された電圧を軸受装置9に流れるベ
アリング電流として伝達するような、従来の回転電機に
形成された閉じた回路139は形成されない。
【0066】図7において、軸受装置9が境界潤滑状態
となる場合、軸受装置9は常に導通しており、エアーギ
ャップ容量21に蓄積される軸電圧は軸受装置9のを経
て常に放電するので、軸電圧は図7(b)に示すように
常に零となる。
【0067】インバータ27から図7(a)に示すよう
なコモンモード電圧がコイル4とステータ5の間に供給
されても、コイル4とステータ5の間に印加された電圧
を軸受装置8に流れるベアリング電流として伝達する従
来の回転電機に形成された閉じた回路139が形成され
ないので、コモンモード電圧に対する閉じた回路139
の応答現象は起こり得ず、エアーギャップ容量21に発
生するベアリング電流は図5(c)に示すように零とな
り、コンダクティブモードのベアリング電流の発生を防
止することができる。
【0068】(実施例2)図8は、本発明の第2実施例
の回転電機の構成を示す断面図である。図9は、図8に
おいて図示するAの方向から見た回転電機の構成を示す
断面図である。図8、図9において、ステータ鉄心1は
スロット2と歯3を有し、そのスロット2内にコイル4
を配置して形成したステータ5は、ハウジング6の内周
面に固定され、ロータ7は回転軸8を有し、例えば実施
例1で説明した図3に図示するかご型巻線を備えた誘導
電動機のロータであって、軸受装置9を有し軸受装置9
を介して回転軸8を保持する2枚のエンドブラケット1
0a、10bは、ハウジング6の両端にボルト11を介
してハウジング6に固定されている。そして、ロータ7
がコイル4から静電遮蔽されるように、例えば銅のよう
な透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体であっ
て、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加工して得られ
た薄い円筒物が28、スロット2の開口部13を塞ぐよ
うにロータ7の側面に対向するステータ鉄心1の空隙内
周面に配置、固定され、円筒物28はステータ鉄心1と
電気的に導通するように、ステータ鉄心1にはんだ付
け、または、溶接されている。
【0069】このような構成で、コイル4とロータ7間
を静電遮蔽した実施例2の回転電機がインバータ駆動さ
れた場合、実施例1で述べたのと同様に、前述した位置
に静電遮蔽物を設置したことによって、回転電機に磁気
的な影響を与えることなく、かつ、渦電流が流れる事が
原因となって静電遮蔽材に発生する損失や発熱の問題を
起こす事なく、従来の回転電機が高速で回転し、軸受装
置が流体潤滑状態となる場合に発生していたディスチャ
ージモードのベアリング電流の発生を防止することがで
き、また、従来の回転電機が低速で回転し、軸受装置が
境界潤滑状態となる場合に発生していたコンダクティブ
モードのベアリング電流の発生も防止することができ
る、等の効果が生じる。これらの効果が生じる説明は、
実施例1と同様の説明となるので省略する。
【0070】(実施例3)図10は、本発明の第2実施
例の回転電機の構成を示す断面図である。図11は、図
10において図示するAの方向から見た回転電機の構成
を示す断面図である。図10、図11において、ステー
タ鉄心1はスロット2と歯3を有し、そのスロット2内
にコイル4を配置して形成したステータ5は、ハウジン
グ6の内周面に固定され、ロータ7は回転軸8を有し、
例えば実施例1で説明した図3に図示するかご型巻線を
備えた誘導電動機のロータであって、軸受装置9を有し
軸受装置9を介して回転軸8を保持する2枚のエンドブ
ラケット10a、10bは、ハウジング6の両端にボル
ト11を介してハウジング6に固定されている。そし
て、ロータ7がコイル4から静電遮蔽されるように、例
えば銅のような透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非
磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加
工して得られた薄い円筒物29を、スロット2の開口部
13を塞ぐようにロータ7の側面に対向するステータ鉄
心1の空隙内周面に配置、固定し、円筒物29をステー
タ鉄心1と電気的に導通するようにステータ鉄心3には
んだ付けまたは溶接し、円筒物29の両端をエンドブラ
ケット10a、10bで塞ぐように配置し、コイル4を
含むステータ鉄心1全体を円筒物29、エンドブラケッ
ト10a、10b、および、ハウジング6で囲って完全
密封状態としている。
【0071】このような構成で、コイル4とロータ7間
を静電遮蔽した実施例3の回転電機がインバータ駆動さ
れた場合、実施例1で述べたのと同様に、前述した位置
に静電遮蔽物を設置したことによって、回転電機に磁気
的な影響を与えることなく、かつ、渦電流が流れる事が
原因となって静電遮蔽材に発生する損失や発熱の問題を
起こす事なく、従来の回転電機が高速で回転し、軸受装
置が流体潤滑状態となる場合に発生していたディスチャ
ージモードのベアリング電流の発生を防止することがで
き、また、従来の回転電機が低速で回転し、軸受装置が
境界潤滑状態となる場合に発生していたコンダクティブ
モードのベアリング電流の発生も防止することができ
る、等の効果が生じる。これらの効果が生じる説明は、
実施例1と同様の説明となるので省略する。
【0072】(実施例4)図12は、本発明の第2実施
例の回転電機の構成を示す断面図である。図13は、図
12において図示するAの方向から見た回転電機の構成
を示す断面図である。図12、図13において、ステー
タ鉄心1はスロット2と歯3を有し、そのスロット2内
にコイル4を配置して形成したステータ5は、ハウジン
グ6の内周面に固定され、ロータ7は回転軸8を有し、
例えば実施例1で説明した図3に図示するかご型巻線を
備えた誘導電動機のロータであって、軸受装置9を有し
軸受装置9を介して回転軸8を保持する2枚のエンドブ
ラケット10a、10bは、ハウジング6の両端にボル
ト11を介してハウジング6に固定されている。そし
て、ロータ7がコイル4から静電遮蔽されるように、例
えば銅のような透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非
磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加
工して得られた薄い円筒物30を、スロット2の開口部
13を塞ぐようにロータ7の側面に対向するステータ鉄
心1の空隙内周面に配置、固定し、円筒物30をステー
タ鉄心1と電気的に導通するようにステータ鉄心3には
んだ付けまたは溶接し、円筒物30の両端を、例えば銅
のような透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体
であって、かつ金属導体である静電遮蔽材を加工して得
られた円環31a、31bで塞ぐように配置し、円環3
1a、31bをハウジング6と電気的に導通するように
ハウジング6にはんだ付けまたは溶接し、コイル4を含
むステータ鉄心1全体を円筒物30、円環31a、31
b、および、ハウジング6で囲って完全密封状態として
いる。
【0073】このような構成で、コイル4とロータ7間
を静電遮蔽した実施例4の回転電機がインバータ駆動さ
れた場合、実施例1で述べたのと同様に、前述した位置
に静電遮蔽物を設置したことによって、回転電機に磁気
的な影響を与えることなく、かつ、渦電流が流れる事が
原因となって静電遮蔽材に発生する損失や発熱の問題を
起こす事なく、従来の回転電機が高速で回転し、軸受装
置が流体潤滑状態となる場合に発生していたディスチャ
ージモードのベアリング電流の発生を防止することがで
き、また、従来の回転電機が低速で回転し、軸受装置が
境界潤滑状態となる場合に発生していたコンダクティブ
モードのベアリング電流の発生も防止することができ
る、等の効果が生じる。これらの効果が生じる説明は、
実施例1と同様の説明となるので省略する。
【0074】(実施例5)図14は、本発明の第2実施
例の回転電機の構成を示す断面図である。図15は、図
14において図示するAの方向から見た回転電機の構成
を示す断面図である。図14、図15において、ステー
タ鉄心1はスロット2と歯3を有し、そのスロット2内
にコイル4を配置して形成したステータ5は、ハウジン
グ6の内周面に固定され、ロータ7は回転軸8を有し、
例えば実施例1で説明した図3に図示するかご型巻線を
備えた誘導電動機のロータであって、軸受装置9を有し
軸受装置9を介して回転軸8を保持する2枚のエンドブ
ラケット10a、10bは、ハウジング6の両端にボル
ト11を介してハウジング6に固定されている。そし
て、ロータ7がコイル4から静電遮蔽されるように、例
えば銅のような透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非
磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加
工して得られた薄い金属箔32が、スロット2の開口部
13を塞ぐようにロータ7の側面に対向するステータ鉄
心1の空隙内周面に配置、固定され、金属箔32はステ
ータ鉄心1と電気的に導通するように、ステータ鉄心1
にはんだ付け、または、溶接されている。
【0075】このような構成で、コイル4とロータ7間
を静電遮蔽した実施例5の回転電機がインバータ駆動さ
れた場合、実施例1で述べたのと同様に、前述した位置
に静電遮蔽物を設置したことによって、回転電機に磁気
的な影響を与えることなく、かつ、渦電流が流れる事が
原因となって静電遮蔽材に発生する損失や発熱の問題を
起こす事なく、従来の回転電機が高速で回転し、軸受装
置が流体潤滑状態となる場合に発生していたディスチャ
ージモードのベアリング電流の発生を防止することがで
き、また、従来の回転電機が低速で回転し、軸受装置が
境界潤滑状態となる場合に発生していたコンダクティブ
モードのベアリング電流の発生も防止することができ
る、等の効果が生じる。これらの効果が生じる説明は、
実施例1と同様の説明となるので省略する。
【0076】(実施例6)図16は、本発明の第2実施
例の回転電機の構成を示す断面図である。図17は、図
16において図示するAの方向から見た回転電機の構成
を示す断面図である。図16、図17において、ステー
タ鉄心1はスロット2と歯3を有し、そのスロット2内
にコイル4を配置して形成したステータ5は、ハウジン
グ6の内周面に固定され、ロータ7は回転軸8を有し、
例えば実施例1で説明した図3に図示するかご型巻線を
備えた誘導電動機のロータであって、軸受装置9を有し
軸受装置9を介して回転軸8を保持する2枚のエンドブ
ラケット10a、10bは、ハウジング6の両端にボル
ト11を介してハウジング6に固定されている。そし
て、ロータ7がコイル4から静電遮蔽されるように、例
えば銅のような透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非
磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加
工して得られた薄い金属箔33が、スロット2の開口部
13を塞ぐようにロータ7の側面に対向するステータ鉄
心1の空隙内周面に配置、固定され、金属箔33はステ
ータ鉄心1と電気的に導通するように、ステータ鉄心1
にはんだ付けまたは溶接され、さらに、金属箔33の両
端部はハウジング6と電気的に導通するように、ハウジ
ング6にはんだ付けまたは溶接し、コイル4を含むステ
ータ鉄心1は、ハウジング6と金属箔33で囲って完全
密封状態としている。
【0077】このような構成で、コイル4とロータ7間
を静電遮蔽した実施例6の回転電機がインバータ駆動さ
れた場合、実施例1で述べたのと同様に、前述した位置
に静電遮蔽物を設置したことによって、回転電機に磁気
的な影響を与えることなく、かつ、渦電流が流れる事が
原因となって静電遮蔽材に発生する損失や発熱の問題を
起こす事なく、従来の回転電機が高速で回転し、軸受装
置が流体潤滑状態となる場合に発生していたディスチャ
ージモードのベアリング電流の発生を防止することがで
き、また、従来の回転電機が低速で回転し、軸受装置が
境界潤滑状態となる場合に発生していたコンダクティブ
モードのベアリング電流の発生も防止することができ
る、等の効果が生じる。これらの効果が生じる説明は、
実施例1と同様の説明となるので省略する。
【0078】なお、実施例1〜実施例6では、静電遮蔽
材に銅を用いたが、銅にかえて、アルミニウム、銀、白
金、鉛、その他透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非
磁性体であって、かつ、導体である金属または金属合金
を用いてもよく、その作用効果に差を生じない。
【0079】なお、実施例1〜実施例6では、ロータに
かご型巻線を備えた誘導電動機のロータを用いたが、か
ご型巻線を備えた誘導電動機のロータにかえて、これ以
外の誘導電動機、DCモータ、同期電動機、その他回転
軸を有する他の方式の回転電機のロータを用いてもよ
く、その作用効果に差を生じない。
【0080】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、静電遮蔽材で、スロットの開口部のみを塞
ぐようにするか、コイルを含むステータ鉄心全体を、静
電遮蔽材とハウジングで囲って完全密封状態とするか、
または、コイルを含むステータ鉄心全体を、静電遮蔽材
とハウジングとエンドブラケットで囲って完全密封状態
として、コイルとロータを静電遮蔽することによって、
回転電機に磁気的な影響を与えたり、渦電流が流れる事
が原因となって静電遮蔽材に発生する損失や発熱の問題
を起こす等の二次的な影響を与える事無く、従来のPW
Mインバータにより駆動された回転電機が高速で回転し
ているときに発生するベアリング電流の振幅が大きく軸
受装置に与えるストレスの大きいディスチャージモード
や、回転電機が低速で回転しているときに発生する発生
頻度が高く軸受装置に与えるストレスを無視できないコ
ンダクティブモードのベアリング電流の発生を防止する
ことができ、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風
化、軸受装置の損傷、または、破壊を防止することがで
という効果のある回転電機が得られる。
【0081】また、本発明によれば、静電遮蔽材を、ロ
ータと非接触にステータ鉄心に配置するだけでベアリン
グ電流の発生を防止しているので、従来のベアリング電
流低減装置のように軟質の導電材料を回転軸に押し付け
ているため、数ヶ月でブラシ交換を必要とするような保
守の必要なもくベアリング電流を防止することができる
という効果のある回転電機が得られる。
【0082】また、本発明によれは、静電遮蔽材を、コ
イルとステータ間に配置して、コイルとロータ間を静電
遮蔽するようにしただけの簡単な構造で、ベアリング電
流を防止することができ、これを装備する際に多くのコ
ストと工数をかける必要がないという効果のある回転電
機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の回転電機の構成を示す断
面図
【図2】図1において図示するAの方向から見た回転電
機の構成を示す断面図
【図3】実施例で使用したかご型巻線を備えた誘導電動
機のロータの構成を示す構成図
【図4】実施例1の回転電機が高速で回転し、軸受装置
が流体潤滑状態となる場合において、インバータに駆動
された実施例1の回転電機のコモンモード等価回路図
【図5】実施例1の回転電機が高速で回転し、軸受装置
が流体潤滑状態となる場合において、インバータに駆動
された実施例1の回転電機における各部の波形を説明す
る説明図
【図6】実施例1の回転電機が低速で回転し、軸受装置
が境界潤滑状態となる場合において、PWMインバータ
に駆動された実施例1の回転電機のコモンモード等価回
路図
【図7】実施例1の回転電機が低速で回転し、軸受装置
が境界潤滑状態となる場合において、PWMインバータ
に駆動された実施例1の回転電機における各部の波形を
説明する説明図
【図8】本発明の第2実施例の回転電機の構成を示す断
面図
【図9】図8において図示するAの方向から見た回転電
機の構成を示す断面図
【図10】本発明の第2実施例の回転電機の構成を示す
断面図
【図11】図10において図示するAの方向から見た回
転電機の構成を示す断面図
【図12】本発明の第2実施例の回転電機の構成を示す
断面図
【図13】図12において図示するAの方向から見た回
転電機の構成を示す断面図
【図14】本発明の第2実施例の回転電機の構成を示す
断面図
【図15】図14において図示するAの方向から見た回
転電機の構成を示す断面図
【図16】本発明の第2実施例の回転電機の構成を示す
断面図
【図17】図16において図示するAの方向から見た回
転電機の構成を示す断面図
【図18】従来のPWMインバータに駆動された回転電
機の原理的回路図
【図19】従来のPWMインバータに駆動された回転電
機の各部の波形を説明する説明図
【図20】従来の回転電機の構成を示した断面図
【図21】回転電機が高速で回転している時の軸受装置
の状態を示す断面図
【図22】回転電機が高速で回転し、軸受装置が流体潤
滑状態となる場合において、従来のPWMインバータに
駆動された回転電機のコモンモード等価回路図
【図23】回転電機が高速で回転し、軸受装置が流体潤
滑状態となる場合において、従来のPWMインバータに
駆動された回転電機の各部の波形を説明する説明図
【図24】回転電機が低速で回転している時の軸受装置
の状態を示す断面図
【図25】回転電機が低速で回転し、軸受装置が境界潤
滑状態となる場合において、従来のPWMインバータに
駆動された回転電機のコモンモード等価回路図
【図26】回転電機が低速で回転し、軸受装置が境界潤
滑状態となる場合において、従来のPWMインバータに
駆動された回転電機の各部の波形を説明する説明図
【図27】従来のベアリング電流防止装置の構成を示す
構成図
【符号の説明】 1 ステータ鉄心 2 スロット 3 歯 4 コイル 5 ステータ 6 ハウジング 7 ロータ 8 回転軸 9 軸受装置 10a エンドブラケット 10b エンドブラケット 12 小片楔 13 開口部 28 円筒物 29 円筒物 30 円筒物 31 円環 32 金属箔 33 金属箔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットと歯を有するステータ鉄心のそ
    のスロット内にコイルを配置して形成したステータと、
    そのステータを内周面に固定したハウジングと、回転軸
    を有するロータと、軸受装置を有しその軸受装置を介し
    て前記回転軸を保持し、前記ハウジングの両端部に固定
    された2枚のエンドブラケットを備えた回転電機におい
    て、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体であ
    って、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加工して得ら
    れる小片楔を、前記ステータ鉄心と電気的に導通するよ
    うに、前記スロットの開口部を塞ぐように前記スロット
    の開口部に配置、固定して、前記コイルと前記ロータを
    静電遮蔽した事を特徴とする回転電機。
  2. 【請求項2】 スロットと歯を有するステータ鉄心のそ
    のスロット内にコイルを配置して形成したステータと、
    そのステータを内周面に固定したハウジングと、回転軸
    を有するロータと、軸受装置を有しその軸受装置を介し
    て前記回転軸を保持し、前記ハウジングの両端部に固定
    された2枚のエンドブラケットを備えた回転電機におい
    て、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体であ
    って、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加工して得ら
    れる薄い略円筒物を、前記ステータ鉄心と電気的に導通
    するように、前記スロットの開口部を塞ぐように前記ロ
    ータの側面に対向する前記ステータ鉄心の空隙側内周面
    に配置、固定して、前記コイルと前記ロータを静電遮蔽
    した事を特徴とする回転電機。
  3. 【請求項3】 スロットと歯を有するステータ鉄心のそ
    のスロット内にコイルを配置して形成したステータと、
    そのステータを内周面に固定したハウジングと、回転軸
    を有するロータと、軸受装置を有しその軸受装置を介し
    て前記回転軸を保持し、前記ハウジングの両端部に固定
    された2枚のエンドブラケットを備えた回転電機におい
    て、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体であ
    って、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加工して得ら
    れる薄い略円筒物を、前記ステータ鉄心と電気的に導通
    するように、前記スロットの開口部を塞ぐように前記ロ
    ータ側面に対向する前記ステータ鉄心の空隙側内周面に
    配置、固定し、前記略円筒物の両端部を前記エンドブラ
    ケットで塞ぐようにして、前記コイルを含む前記ステー
    タ鉄心を前記円筒物、前記エンドブラケット、および、
    前記ハウジングで囲って完全密封状態として、前記コイ
    ルと前記ロータを静電遮蔽した事を特徴とする回転電
    機。
  4. 【請求項4】 スロットと歯を有するステータ鉄心のそ
    のスロット内にコイルを配置して形成したステータと、
    そのステータを内周面に固定したハウジングと、回転軸
    を有するロータと、軸受装置を有しその軸受装置を介し
    て前記回転軸を保持し、前記ハウジングの両端部に固定
    された2枚のエンドブラケットを備えた回転電機におい
    て、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体であ
    って、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加工して得ら
    れる薄い略円筒物を、前記ステータ鉄心と電気的に導通
    するように、前記スロットの開口部を塞ぐように前記ロ
    ータ側面に対向する前記ステータ鉄心の空隙側内周面に
    配置、固定し、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非
    磁性体であって、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加
    工して得られる2枚の略円環を、前記略円筒物の両端部
    に、前記略円筒物と電気的に導通するように固定し、前
    記コイルを含む前記ステータ鉄心を前記略円筒物、前記
    略円環、および、前記ハウジングで囲って完全密封状態
    となるようにして、前記コイルと前記ロータを静電遮蔽
    した事を特徴とする回転電機。
  5. 【請求項5】 スロットと歯を有するステータ鉄心のそ
    のスロット内にコイルを配置して形成したステータと、
    そのステータを内周面に固定したハウジングと、回転軸
    を有するロータと、軸受装置を有しその軸受装置を介し
    て前記回転軸を保持し、前記ハウジングの両端部に固定
    された2枚のエンドブラケットを備えた回転電機におい
    て、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体であ
    って、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加工して得ら
    れる薄い金属箔を、前記ステータ鉄心と電気的に導通す
    るように、前記スロットの開口部を塞ぐように前記ロー
    タ側面に対向する前記ステータ鉄心の空隙側内周面に配
    置、固定して、前記コイルと前記ロータを静電遮蔽した
    事を特徴とする回転電機。
  6. 【請求項6】 スロットと歯を有するステータ鉄心のそ
    のスロット内にコイルを配置して形成したステータと、
    そのステータを内周面に固定したハウジングと、回転軸
    を有するロータと、軸受装置を有しその軸受装置を介し
    て前記回転軸を保持し、前記ハウジングの両端部に固定
    された2枚のエンドブラケットを備えた回転電機におい
    て、透磁率がほぼ真空中の透磁率に等しい非磁性体であ
    って、かつ、金属導体である静電遮蔽材を加工して得ら
    れる薄い金属箔を、前記ステータ鉄心と電気的に導通す
    るように、前記スロットの開口部を塞ぐように前記ロー
    タ側面に対向する前記ステータ鉄心の空隙側内周面に配
    置、固定し、かつ、前記コイルを含む前記ステータ鉄心
    を前記ハウジングと前記金属箔の両端部で囲って完全密
    封状態として、前記コイルと前記ロータを静電遮蔽した
    事を特徴とする回転電機。
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