JPWO2015059905A1 - 電動機およびこの電動機を備える電気機器 - Google Patents

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Abstract

本発明の電動機(100)は、固定子(10)と、回転子(14)と、一対の軸受(15)と、外輪導通部(22)と、プリント配線板(18)と、を備える。外輪導通部(22)は、一対の軸受(15)が含む、それぞれの外輪(151a、151b)同士を電気的に接続する。プリント配線板(18)は、駆動回路(40)と、インピーダンス素子と、を有する。駆動回路(40)は、グランド線(42)を含む。駆動回路(40)は、固定子巻線(12)に流す電流を制御する。インピーダンス素子は、少なくとも一対以上の導電性パターンで形成される。インピーダンス素子を形成する一方の導電性パターンは、外輪導通部(22)と電気的に接続する。インピーダンス素子を形成する他方の導電性パターンは、駆動回路(40)が含むグランド線(42)と電気的に接続する。

Description

本発明は、電動機が有する軸受において、特に、電食の発生を抑制することに関する。また、この電動機を備える電気機器に関する。
従来、正弦波による対称三相交流回路において、各相の回路ループを構成する条件を等しくする場合、Y結線の中性点の電位は、常に一定の値を示す。電源側に位置するY結線の中性点と、負荷側に位置するY結線の中性点との間には、電位差は生じない。このとき、三相電源の正弦波として、高調波成分を含まない無歪の正弦波が、印加されている。
また、対称三相交流回路において、各相の回路ループを構成する条件が不平衡の場合、つぎのことが知られている。すなわち、負荷側に位置するY結線の中性点は、零電位ではなく、ある値の電位を示す。以上のことが、例えば、特許文献1に開示されている。
なお、軸電圧の観測は、例えば、以下に示すように、多少の工夫が求められる。すなわち、軸電圧の観測は、対称三相交流回路が有するいずれかの回路箇所や、便宜的に設定された分圧回路の中点を擬似的中性点として、その電位差が観測される。
実際の対称三相交流回路では、種々の要因により、三相電源が不平衡となることがある。あるいは、対称三相交流電源では、三相電源が供給する正弦波に、若干の高調波成分が含まれることがある。また、電源側に位置するY結線の中性点、及び、負荷側に位置するY結線の中性点において、多少の電位が生じていることが観測される。さらに、この中性点の電位が変化することに起因して、発電機に含まれる回転軸や電動機に含まれる回転軸には、電圧が誘起される。誘起された電圧は、所謂、軸電圧として観測される。この軸電圧は、回転軸を回転自在に支持する、軸受の内輪にも印加されることがある。
一方、軸受の外輪は、発電機や電動機の外郭、あるいは、接地する部分と、電気的に接続されている。よって、軸受の外輪は、軸受の内輪が有する電位とは、異なる電位になる。つまり、軸受の内輪と軸受の外輪との間には、電位差が生じる。従って、軸受が有する転動体を介して、外輪と内輪とが電気的に接続されると、外輪、転動体、内輪、の間には、各々放電が生じる。放電が生じると、放電が生じた箇所には、放電痕が残る。この放電痕を電食という。放電痕、つまり、電食が生じると、軸受が回転する際、不具合が生じる。
例えば、特許文献2〜4に開示されているように、三相電源の発電機には、発電機を組み立てる際に生じる誤差やズレ等に起因して、磁気回路が不平衡となることがある。磁気回路が不平衡になれば、対称三相交流回路を得ることができないため、不平衡の三相交流が生じる。不平衡の三相交流が生じると、中性点には電位が発生するため、軸電圧が発生する。
また、発電機が有する励磁巻線には、励磁電源が供給される。励磁電源として、サイリスタ等を用いた励磁装置が使用されることがある。この場合、励磁巻線には、高調波を多量に含む、非正弦波波形の電圧が印加される。発電機は、励磁巻線を含む、発電機の構成部材による等価インピーダンス成分を有する。印加された非正弦波波形の電圧は、等価インピーダンス成分を介して、励磁装置が供給する励磁電力に起因した軸電圧を発生する。
また、前述した特許文献などに開示されているように、発電機には、つぎの特有の現象が生じる。すなわち、発電機が有する蒸気タービンの羽根には、蒸気が衝突する。衝突した蒸気の一部は、イオン化して帯電する。蒸気がイオン化して生じた電荷は、等価インピーダンス成分を介して、回転軸に伝わる。回転軸に伝えられた電荷は、発電機の軸電圧として現れる。発電機の軸電圧は、軸受の電食を招くことが知られている。
一方、特許文献5には、つぎのことが開示されている。すなわち、対称三相交流回路における負荷側の電動機では、三相交流に生じた不平衡により、軸電圧が生じる。負荷側の電動機は、生じた軸電圧により、軸受に電食が発生する。また、特許文献5には、インバータ装置を用いて、電動機を駆動する場合について、開示されている。すなわち、電動機では、電源がスイッチングする毎に、一瞬の電圧不平衡が生じる。換言すれば、電動機は、非常に高い周波数で、中性点の電位が変動する。周波数は、数MHzになることもある。よって、中性点の電位が変動するため、軸電圧が発生し、軸電流が流れる。この結果、電動機の軸受には、電食が生じる。
昨今、電動機の分野において、インバータ装置を用いた駆動技術が隆盛を極めている。インバータ装置を用いた駆動技術は、無歪の正弦波を生じる電圧源を用いた駆動技術とは全く異なるものである。つまり、インバータ装置を用いた駆動技術は、矩形波状の電圧源を構成して、擬似的な三相駆動を行っている。特許文献5には、つぎのことが開示されている。すなわち、インバータ装置を用いた駆動技術では、中性点の電位が変動することに起因して、軸電圧が発生する。軸電圧が発生すると、電動機には、軸電流が流れる。よって、電動機の軸受には、電食が生じ易い。
周知のとおり、インバータ装置を用いた駆動技術は、無歪の正弦波を電源とする対称三相交流による駆動ではない。従って、各相の電圧が互いに打ち消しあって、常に、零レベルになることは無い。つまり、電動機が有するY結線の中性点では、何らかの値を持った電圧が生じる。
例えば、後述する非特許文献1には、つぎのことが開示されている。すなわち、インバータ装置によって駆動される電動機は、Y結線の中性点を有する。Y結線の中性点には、周期的に、凸状の波形波、及び、方形波による、大きな振幅の電圧変化が生じる。凸状の波形波、及び、方形波は、最大値がインバータ装置の電源電圧値に達することもある。
非特許文献1には、「富士時報 第72巻、第2号(1999年2月)」に掲載された、インバータ駆動誘導電動機の軸電圧(P.144〜P.149)に関するものがある。
この非特許文献1に示すように、中性点の電位変化は、回転軸の軸電圧として観測される。
非特許文献1などにも開示されるように、インバータ装置から供給される各相の駆動電圧は、つぎの経路を経て、固定子の外部に、電気的エネルギーとして伝播される。すなわち、各相の駆動電圧は、電動機が有する固定子の固定子巻線から、固定子を構成する部材のインピーダンス成分を経て、固定子の外部へ伝えられる。
電気的エネルギーは、電動機が有する、固定子と回転子との間の分布容量を介して、電動機が有する回転子へと伝播される。さらに、電気的エネルギーは、回転子を構成する部材のインピーダンス成分を経由して、回転軸に到達する。回転軸は、電動機の等価回路を含む対称三相交流回路と等価的なY結線の中性点に位置する。よって、電動機が有する回転軸では、何らかの電位の変化が観測される。この電位は、上述するように、軸電圧という。
対称三相交流回路には、各相に、第3次高調波成分が存在する。第3次高調波成分は、互いに相殺されることはない。第3次高調波成分は、Y結線の中性点にて観測されることが知られている。また、Y結線の中性点において、各相の不平衡成分も観測されることが知られている。
ところで、電動機の駆動方法は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)方式(以下、「PWM方式」という)を用いたインバータ駆動が多く採用される。PWM方式を用いたインバータ駆動の場合、巻線の中性点の電位は零とならない。上述したように、巻線の中性点には、何らかの電位が発生する。
上述した巻線の中性点において、電位が変化することを、次の観点にて解析する。すなわち、電動機は、電動機を構成する各要素を有する。電動機を構成する各要素から、等価回路が導き出される。等価回路は、各要素が有する電気的な等価インピーダンス成分に基いて、導き出される。導き出された等価回路は、対称三相交流回路として扱われる。
等価回路において、電動機の回転軸は、Y結線の中性点と考えることができる。よって、電動機の回転軸において、何らかの電位の変化が生じ得ることがわかる。
例えば、電動機を構成する各要素から、各要素が有する電気的な等価インピーダンス成分が抽出される。抽出された等価インピーダンス成分より、電動機を構成する各要素を含む、電動機の等価回路が導き出される。導き出された電動機の等価回路より、軸電圧を算出することが試みられている。
特許文献5や非特許文献1などには、つぎのことが開示されている。すなわち、電動機を構成する各要素から、各要素が有する電気的な等価インピーダンス成分が抽出される。抽出された等価インピーダンス成分より、電動機の等価回路が導き出される。導き出された等価回路に基いて、軸電圧が発生する過程が、解析される。解析結果に基いて、電食の発生が抑制される。
電動機の等価回路を解析する手法は、つぎのものがある。すなわち、分布定数回路という考え方を用いて解析する。あるいは、分布定数回路の主要な回路素子毎に、集中定数素子化して、モデル化された集中定数回路を導き出す。モデル化された集中定数回路を用いて解析する。その他、多岐に亘る解析手法がある。
なお、電動機を構成する各要素を含む、電動機の等価回路は、電動機の種類や電動機の構造により異なる。具体的には、固定子巻線及び固定子鉄心を絶縁性の樹脂で覆う電動機と、固定子巻線及び固定子鉄心を金属製の筐体で覆う電動機とは、明らかに電動機の等価回路が異なる。
また、電動機の等価回路は、電動機が有する回転子を構成する要素によっても異なる。例えば、回転子のバックヨークを成す回転子鉄心を有するか否かによって、等価回路は異なる。あるいは、回転子の磁極を構成する磁石において、磁石の抵抗値が高いか低いかによって、等価回路は異なる。また、これらの組み合わせによっても、明らかに電動機の等価回路は異なる。
上述したように、電動機を構成する各要素を含む、電動機の等価回路は、電動機の種類や電動機の構造毎に異なる。従って、最適と考えられる、電食を低減する技術は、電動機の種類や電動機の構造毎に異なる。つまり、全ての種類の電動機に対して、一様に適用できる、電食を低減する技術を提供することは、極めて困難である。
そこで、一般的には、電動機の種類や電動機の構造毎に、電食を低減する技術が検討される。従来、数々の電食を低減する技術が提案されている。
インバータ駆動を行うことで軸電圧が発生すれば、軸受の外輪と、軸受の内輪との間には、電位差が生じる。軸電圧には、スイッチングによる高周波成分が含まれる。軸受の内部には、油膜が存在する。軸電圧に起因する電位差が、油膜が絶縁破壊する電圧に達すると、軸受の内部には高周波電流が流れる。軸受の内部に高周波電流が流れるため、軸受の内部には電食が発生する。電食が進行すると、軸受が有する内輪の内部、または、軸受が有する外輪の内部には、波状摩耗現象が発生し、異常音の原因となることがある。電動機において、電食は、解決が求められる代表的な不具合現象である。
上述したように、電食は、軸受を構成する部材が、アーク放電によって損傷を受ける現象である。軸電圧に起因して、軸受が有する内輪と、軸受が有する外輪との間には、電位差が発生する。軸電圧に起因する放電電流は、軸受の内輪−転動体である玉−軸受の外輪、という経路で軸電流が流れる。従って、電食の発生を抑制するために、以下のような対策が提案されている。
(1)軸受の内輪と軸受の外輪とを導通状態にする。
(2)軸受の内輪と軸受の外輪とを絶縁状態にする。
(3)軸電圧を低減する。
上記(1)を実現する具体的な方法としては、軸受に用いられる潤滑剤を、導電性を有する潤滑油にすることが挙げられる。ただし、導電性を有する潤滑剤は、時間が経過すれば、導電性が劣化する、あるいは、摺り合わせて動くことの信頼性に欠ける、などの課題がある。
上記(1)を実現する他の具体的な方法として、回転軸にブラシを設置して、導通状態にする方法も考えられる。この方法は、ブラシの摩耗粉が生じる、あるいは、ブラシを設置するスペースが必要となる、などの課題がある。
さらに、上記(1)を実現する別の具体的な方法として、軸受に、滑り軸受を用いる方法も考えられる。この方法は、滑り軸受として、金属を焼結させて、油を含ませた、含油軸受を用いることで実現できる。滑り軸受として含油軸受を用いれば、軸受を誘導状態にできる。
近年、PWM方式によるインバータ駆動で制御される電動機では、回転子の両側に、玉軸受を用いる構成が主流である。しかし、それ以前の電動機では、回転子の両側に、滑り軸受を用いる構成が一般的であった。
例えば、特許文献6、特許文献7には、つぎのことが、開示されている。すなわち、軸受は、導通状態であるため、放電が発生することはなく、電食も生じない。
しかし、滑り軸受を用いた場合、回転するシャフトの回転精度は、玉軸受を用いた場合よりも劣る。また、滑り軸受を用いた場合、軸受による損失が大きい。従って、滑り軸受を用いた電動機は、玉軸受を用いた電動機に比べて、効率が低下する。
上記(2)を実現する具体的な方法としては、軸受の内部に位置する転動体の材質を、導電性を有する鉄などの金属材から、絶縁体であるセラミックス材などに変更することが挙げられる。この方法は、電食の発生を抑制する効果は非常に高い。しかしながら、この方法はコストが高いという、経済的な課題がある。
上記(2)を実現する別の具体的な方法としては、軸受に、絶縁性を有する滑り軸受を用いる方法も考えられる。例えば、特許文献8には、つぎのことが開示されている。すなわち、軸受として、樹脂で形成された、絶縁性を有する滑り軸受が用いられる。本構成とすれば、軸受部分を絶縁状態にできる。よって、絶縁性を有する軸受部分には、電食が生じることはない。
しかし、上述した方法と同様に、回転するシャフトの回転精度は、玉軸受を用いた場合よりも劣る。また、樹脂で形成された滑り軸受は、軸受による損失が大きい。従って、樹脂で形成された滑り軸受を用いた電動機は、玉軸受を用いた電動機に比べて、効率が低下する。
上記(3)を実現する具体的な方法としては、特許文献9に示されるような方法が、知られている。すなわち、回転子に誘電体層を設けることで軸電圧を低くし、電食が発生することを抑制する。
上記(3)を実現する他の具体的な方法としては、特許文献10に示されるような方法が、知られている。すなわち、固定子鉄心と、導電性を有する金属製のブラケットとを、電気的に短絡させる。よって、固定子鉄心とブラケットとの間に生じる静電容量を変化させることで、軸電圧を低減する。
また、上記(3)を実現する別の具体的な方法としては、特許文献11に示されるような方法が、知られている。すなわち、電動機が有する固定子鉄心などを、アースである大地に、電気的に接続する。
特開平8−340637号公報 特公昭47−41121号公報 特開昭50−76547号公報 特開昭57−16549号公報 特開平10−32953号公報 特公昭61−52618号公報 特開平8−214488号公報 特開2011−47495号公報 特開2010−166689号公報 特開2007−159302号公報 特開2004−229429号公報
「富士時報 第72巻、第2号(1999年2月)」、インバータ駆動誘導電動機の軸電圧 P.144〜P.149
本発明が対象とする電動機は、固定子と、回転子と、一対の軸受と、外輪導通部と、プリント配線板と、を備える。
固定子は、固定子鉄心と、固定子鉄心に巻装された巻線と、を有する。
回転子は、回転体と、シャフトと、を有する。回転体は、永久磁石と、外側鉄心と、内側鉄心と、誘電体層と、を含む。永久磁石は、固定子に対向して周方向に位置する。外側鉄心は、外周側に位置し、鋼板を積層して形成される。内側鉄心は、内周側に位置し、鋼板を積層して形成される。誘電体層は、外側鉄心と内側鉄心との間に位置する。シャフトは、回転体の軸心を貫通して、回転体に取り付けられる。シャフトは、軸心方向において、一方を出力軸側とし、他方を反出力軸側とする。
一対の軸受は、各々内輪と外輪とを含む。一対の軸受は、軸心方向において、回転体を挟んで位置する。また、一対の軸受は、シャフトを回転自在に支持する。
外輪導通部は、一対の軸受が含む、それぞれの外輪同士を電気的に接続する。
プリント配線板は、駆動回路と、インピーダンス素子と、を有する。駆動回路は、グランド線を含む。駆動回路は、巻線に流す電流を制御する。インピーダンス素子は、少なくとも一対以上の導電性パターンで形成される。
特に、インピーダンス素子を形成する一方の導電性パターンは、外輪導通部と電気的に接続する。また、インピーダンス素子を形成する他方の導電性パターンは、駆動回路が含むグランド線と電気的に接続する。
図1は、本発明の実施の形態1における電動機の要部断面を示す要部断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例1を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例1を示す斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板のさらに他の具体例1を示す斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態1における電動機において、静電容量性の成分の静電容量値と電動機に生じる軸電圧との関係を示す特性図である。 図6は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例2を示す斜視図である。 図7は、図6中に示す7−7断面図である。 図8は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例2を示す斜視図である。 図9は、図8中に示す9−9断面図である。 図10は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例3を示す斜視図である。 図11は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例3を示す斜視図である。 図12は、本発明の実施の形態1で説明した電動機を搭載したエアコン室内機の概略図である。
本発明の実施の形態における電動機は、後述する構成により、軸受に電食が発生することを抑制する。また、本発明の実施の形態における電気機器は、後述する構成により、軸受に電食が発生することを抑制した電動機を利用できる。
つまり、従来の電動機には、つぎの改善すべき点があった。
すなわち、上述した従来のいずれかの技術を採用しても、電動機には、常に、更なる技術的向上が求められる。
電動機には、樹脂モールドモータと呼ばれるものがある。あるいは、電動機には、鋼板モータと呼ばれるものもある。樹脂モールドモータとは、樹脂を用いて、固定子等を一体にモールド成型したものである。鋼板モータとは、固定子等の外装を、金属製の筐体に収納したものである。
特許文献9で開示された技術が、樹脂モールドモータ、あるいは、鋼板モータに対して用いられることがある。このとき、従来の電動機は、誘電体層が有する静電容量性の成分が利用されるため、軸受が有する内輪において、誘起される高周波電圧が抑制される。
しかしながら、特許文献9で開示された技術を用いたとしても、従来の電動機において、適切な軸電圧を確保することは、限度があった。
なお、従来の電動機では、誘電体層が有する静電容量性の成分を変更するために、つぎの方法がある。
従来の電動機は、回転体と、シャフトと、を有する回転子を備える。従来の電動機に用いられる回転体は、外側鉄心と、内側鉄心と、外側鉄心と内側鉄心との間に位置する誘電体層と、を有する。誘電体層は、絶縁樹脂で形成される。
ひとつの方法は、誘電体層を形成する絶縁樹脂の誘電率を変更する。絶縁樹脂の誘電率を変更すれば、静電容量が変更される。
つぎの方法は、回転体が有する外側鉄心と内側鉄心との間の距離を変更する。外側鉄心と内側鉄心との間の距離を変更すれば、絶縁樹脂の厚さが変更される。絶縁樹脂の厚さを変更すれば、静電容量が変更される。
他の方法は、外側鉄心の軸心に沿った方向の長さと内側鉄心の軸心に沿った方向の長さとを変更する。外側鉄心の軸心に沿った方向の長さと内側鉄心の軸心に沿った方向の長さとを変更すれば、両鉄心が対向する面積が変更される。両鉄心が対抗する面積を変更すれば、静電容量が変更される。
ところで、電気機器に用いられる電動機は、電動機の定格や形状などの仕様が、電気機器ごとにほぼ決められている。従って、電動機が備える固定子として許容される形状や固定子の寸法には、限りがある。一般的に、固定子の形状や固定子の寸法は、標準化されている。つまり、固定子の寸法などを大きく変更することは困難である。よって、固定子に含まれる誘電体層の形状や誘電体層の寸法なども、容易に変更できない。
また、誘電体層を形成する絶縁樹脂の誘電率を変更する場合、樹脂材料を変更することがある。しかし、樹脂材料を変更する場合、誘電率以外の項目、例えば、強度などの項目を評価しなければならない。多数の確認を要する項目が存在するため、樹脂材料は容易に変更できない。
あるいは、出力軸側に位置するブラケットと、プリント配線板が有するグランドとの間に、コンデンサを挿入する方法もある。しかし、コンデンサを挿入する場合、プリント配線板全体の厚みが厚くなる。
本発明は、回転子に誘電体層を設ける際、妨げとなっていた上述した課題を解決するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、電気機器として、特に、顕著な作用効果を奏する、空気調和機を例示して説明する。後述する電動機は、空気調和機の室内機に搭載される。電動機は、送風ファンを駆動するブラシレス電動機である。以下の説明において、電動機は、回転子が固定子の内周側に回転自在に配置されたインナロータ型の電動機を例示して、説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における電動機の要部断面を示す要部断面図である。
図1に示すように、電動機100は、固定子10と、回転子14と、一対の軸受15a、15bと、外輪導通部22と、プリント配線板18と、を備える。
固定子10は、固定子鉄心11と、固定子鉄心11に巻装された巻線である固定子巻線12と、を有する。
回転子14は、回転体30と、シャフト16と、を有する。回転体30は、永久磁石である磁石32と、外側鉄心31aと、内側鉄心31bと、誘電体層50と、を含む。永久磁石である磁石32は、固定子10に対向して周方向に位置する。外側鉄心31aは、外周側に位置し、鋼板を積層して形成される。内側鉄心31bは、内周側に位置し、鋼板を積層して形成される。誘電体層50は、外側鉄心31aと内側鉄心31bとの間に位置する。シャフト16は、回転体30の軸心16aを貫通して、回転体30に取り付けられる。シャフト16は、軸心16a方向において、一方を出力軸16b側とし、他方を反出力軸16c側とする。
一対の軸受15a、15bは、各々内輪150a、150bと外輪151a、151bとを含む。一対の軸受15a、15bは、軸心16a方向において、回転体30を挟んで位置する。また、一対の軸受15a、15bは、シャフト16を回転自在に支持する。なお、一対の軸受15a、15bを総称して、軸受15と記すこともある。
外輪導通部22は、一対の軸受15a、15bが含む、それぞれの外輪151a、151b同士を電気的に接続する。
図4に示すように、プリント配線板18は、駆動回路40と、インピーダンス素子41と、を有する。駆動回路40は、グランド線42を含む。駆動回路40は、巻線である固定子巻線12に流す電流を制御する。インピーダンス素子41は、少なくとも一対以上の導電性パターン60、70で形成される。図4の詳細については、後述する。
特に、インピーダンス素子41を形成する一方の導電性パターン60は、外輪導通部22と電気的に接続する。また、インピーダンス素子41を形成する他方の導電性パターン70は、駆動回路40が含むグランド線42と電気的に接続する。
特に、顕著な作用、効果を奏する形態は、つぎのとおりである。
すなわち、図1に示すように、電動機100は、一対の軸受15a、15bをそれぞれ保持する、一対のブラケット17、19を備える。一対のブラケット17、19は、金属で形成され、導電性を有する。
電動機100において、インピーダンス素子41を形成する一方の導電性パターン60は、外輪導通部22および一対のブラケット17、19のうち、少なくともいずれか一つと電気的に接続する。
また、電動機100は、固定子10と、反出力軸16c側に位置するブラケット19と、を一体でモールド成型する樹脂部である樹脂外装部13を備える。ブラケット19は、一対のブラケット17、19のうち、シャフト16の反出力軸16c側に位置する軸受15bを保持する。
また、電動機100において、樹脂部である樹脂外装部13は、外輪導通部22の少なくとも一部を埋設する。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。
図1に示すように、固定子鉄心11には、巻線である固定子巻線12が巻装される。固定子鉄心11と固定子巻線12との間には、絶縁樹脂で形成されたインシュレータ21が存在する。
固定子鉄心11は、他の固定部材とともにモールド材である樹脂外装部13にて、モールド成型される。樹脂部である樹脂外装部13は、絶縁性の樹脂で形成される。本実施の形態1において、電動機100は、樹脂外装部13で、一体にモールド成型される。よって、電動機100は、外形が概略円筒形状を成す固定子10で構成される。
固定子10の内側には、空隙を介して回転子14が挿入される。回転子14は、回転子鉄心31を含む円板状の回転体30と、回転体30の軸心16aを貫通するシャフト16とを有する。
回転体30は、固定子10の内周側に対向して、周方向に永久磁石であるフェライト樹脂の磁石32を保持する。
図1に示すように、最外周の磁石32から内周側のシャフト16に向かって、回転体30は、外側鉄心31a、誘電体層50、内側鉄心31bの順に配置される。外側鉄心31aは、回転体30の外周側に位置する。内側鉄心31bは、回転体30の内周側に位置する。
つまり、本実施の形態1における回転体30は、外側鉄心31aと内側鉄心31bとで構成される回転子鉄心31と、誘電体層50と、磁石32とが一体に成型される。このように、固定子10の内周側と回転体30の外周側とは、対向して配置される。
回転体30と締結されるシャフト16には、シャフト16を支持する、一対の軸受15a、15bが取り付けられる。一対の軸受15a、15bは、玉軸受である。一対の軸受15a、15bは、転動体152a、152bとして複数の鉄ボールを有する、円筒形状のベアリングである。軸受15a、15bは、軸受15a、15bが有する内輪150a、150bが、シャフト16に固定される。
図1に示すように、シャフト16は、電動機100本体から突出した部分である出力軸16bを含む。本構成において、出力軸16b側に位置する軸受15aが、シャフト16を支持する。その反対側である反出力軸16c側において、軸受15bが、シャフト16を支持する。
軸受15a、15bは、軸受15a、15bが有する外輪151a、151bで、それぞれのブラケット17、19に固定される。ブラケット17、19は、導電性を有する金属で形成される。図1に示すように、軸受15aは、出力軸16b側に位置するブラケット17に固定される。軸受15bは、反出力軸16c側に位置するブラケット19に固定される。以上の構成により、シャフト16が2つの軸受15a、15bに支持され、回転子14が回転自在となる。
さらに、図1に示すように、本実施の形態1におけるブラシレス電動機である電動機100には、制御回路を含む駆動回路40が実装されたプリント配線板18が内蔵される。電動機100は、プリント配線板18が内蔵された後、出力軸16b側に位置するブラケット17が固定子10に圧入される。このようにして、ブラシレス電動機が形成される。
プリント配線板18には、多くの接続線20が接続される。接続線20を介して、プリント配線板18には、固定子巻線12に印加される電源電圧Vdc、制御回路の電源電圧Vcc、および、回転数を制御する制御電圧Vspが供給される。さらに、プリント配線板18には、制御回路のグランド線42なども供給される。
ところで、駆動回路40が実装されたプリント配線板18上のゼロ電位点は、大地のアース、および、1次側電源回路とは絶縁されている。つまり、ゼロ電位点は、大地のアース、および、1次側電源回路とは、フローティングされた状態となる。
ここで、ゼロ電位点とは、プリント配線板18上における基準電位としての0ボルト電位をいう。ゼロ電位点は、通常、グランドと呼ばれるグランド配線を示す。接続線20に含まれるグランド線は、このゼロ電位点、すなわち、グランド配線と接続される。
駆動回路40が実装されたプリント配線板18には、固定子巻線12の電源電圧を供給する電源回路が接続される。この電源回路は、1次側電源回路、および、1次側電源回路が接続された大地のアースとは、電気的に絶縁される。
制御回路には、電源電圧を供給する電源回路が接続される。この電源回路は、1次側電源回路、および、1次側電源回路が接続された大地のアースとは、電気的に絶縁される。
また、制御電源は、リード線と接続される。その他、制御回路は、グランド線と接続される。これらのリード線やグランド線は、独立して接地された大地のアースとは、電気的に絶縁される。
つまり、プリント配線板18に実装された駆動回路40は、1次側電源回路の電位や大地のアースの電位に対して、電気的に絶縁された状態である。換言すれば、プリント配線板18に実装された駆動回路40は、1次側電源回路の電位や大地のアースの電位に対して、電位が浮いた状態となる。この状態は、電位がフローティングされた状態ともいう。
従って、つぎの電源回路は、フローティング電源ともいう。すなわち、対象となる電源回路は、プリント配線板18に接続される固定子巻線12の電源電圧を供給するものがある。あるいは、他の電源回路は、制御回路の電源電圧を供給するものがある。
以上のように構成された、本実施の形態1におけるブラシレス電動機に対して、接続線20を介して、各電源電圧および制御信号が供給される。各電源電圧や制御信号が供給されると、プリント配線板18に実装された駆動回路40は、固定子10に巻装された固定子巻線12に通電する。固定子10に巻装された固定子巻線12が通電されると、固定子巻線12には、駆動電流が流れる。固定子巻線12で生じた磁界は、固定子鉄心11を介して、まとまった磁界となる。
固定子鉄心11を介した磁界と、フェライト樹脂の磁石32から発生した磁界との間では、各磁界の極性に応じて、吸引力および反発力が生じる。これらの吸引力および反発力により、シャフト16を中心に、回転子14が回転する。
次に、本実施の形態1におけるブラシレス電動機について、より詳細な構成を説明する。
上述したように、ブラシレス電動機である電動機100は、シャフト16が、一対の軸受15で支持される。また、それぞれの軸受15a、15bも、各々のブラケット17、19により、固定される。ブラケット17、19は、導電性を有する金属で形成される。
具体的には、つぎの手順で形成される。まず、反出力軸16c側に位置する軸受15bに対して、ブラケット19が取り付けられる。
ブラケット19の外周径は、軸受15bが有する外輪151bの外周径とほぼ等しい。軸受15bは、反出力軸16c側に位置するブラケット19に圧入されることで、固定される。軸受15bが圧入されたブラケット19は、樹脂外装部13と一体となるよう、モールド成型される。
すなわち、図1に示すように、反出力軸16c側における樹脂外装部13は、電動機100本体の中央部から反出力軸16c方向へと突出する突出部13aを有する。この突出部13aの内部には、インナーブラケットとして、反出力軸16c側に位置するブラケット19が配置される。ブラケット19は、樹脂外装部13と一体で、モールド成型される。
また、本実施の形態1における電動機100は、出力軸16b側に位置するブラケット17と、反出力軸16c側に位置するブラケット19との間を、導通体である外輪導通部22によって、電気的に導通される。導通体である外輪導通部22の一部は、樹脂外装部13を形成する樹脂に埋設される。
具体的には、反出力軸16c側に位置するブラケット19は、予め、反出力軸側導通ピン22aが電気的に接続される。図1に示すように、ブラケット19は、つば部19bに、反出力軸側導通ピン22aの一端が接続される。反出力軸側導通ピン22aは、樹脂外装部13の内部に配置される。反出力軸側導通ピン22aは、ブラケット19と同様に、樹脂外装部13を形成する樹脂と一体に、モールド成型される。
反出力軸側導通ピン22aは、電動機100内部に位置する部品として、樹脂外装部13の内部に配置される。本構成とすれば、反出力軸側導通ピン22aは、錆や外力などの不具合から、予防できる。よって、電動機100が使用される環境や、電動機100に加えられる、外部からの応力などに対して、高い信頼性を有する電気的接続を確保できる。
反出力軸側導通ピン22aは導線22cと接続される。導線22cは、樹脂外装部13の内部において、つば部19bからブラシレス電動機である電動機100の外周方向へと延伸される。また、導線22cは、シャフト16が延伸される方向と平行して、電動機100の外周近辺から出力軸16b側へと、さらに延伸される。導線22cは、樹脂外装部13の出力軸16b側の端面から露出している。
樹脂外装部13から露出した導線22cは、プリント配線板18上に取り付けられた出力軸側導通ピン22bと電気的に接続される。また、導線22cは、出力軸16b側に位置するブラケット17と接する出力軸側導通ピン22bを介して、ブラケット17とも電気的に接続される。
以上の構成により、一対のブラケット17、19は、外輪導通部22を介して、電気的に接続される。本実施の形態1において、外輪導通部22は、反出力軸側導通ピン22a、導線22c、出力軸側導通ピン22bで、形成される。
また、出力軸16b側に位置するブラケット17と、反出力軸16c側に位置するブラケット19とは、樹脂外装部13によって固定子鉄心11とは絶縁された状態で、外輪導通部22により、互いのブラケット17、19が電気的に接続される。
反出力軸16c側に位置するブラケット19は、中空円筒状となるカップ形状の円筒部19aを有する。円筒部19aは、一方に開口を有する。ブラケット19は、円筒部19aを中心として、外周方向に広がった、環状のつば部19bを有する。つば部19bは、円筒部19aが開口した部分より、外周方向に広がっている。円筒部19aの内周径は、軸受15bの外周径とほぼ等しい。軸受15bは、円筒部19aに圧入されることで、ブラケット19に固定される。また、軸受15bは、ブラケット19を介して、樹脂外装部13にも固定される。
本構成とすれば、反出力軸16c側に位置する軸受15bが有する外輪151bは、金属製のブラケット19に圧入されて、固定される。よって、本実施の形態1における電動機100は、クリープによる不具合も抑制できる。
また、反出力軸16c側に位置するブラケット19が有するつば部19bの外周径は、軸受15bの外周径よりも大きい。しかも、ブラケット19が有するつば部19bの外周径は、少なくとも、回転体30の外周径よりも小さい。
ブラケット19を、このような構成とすれば、金属材料を少なくできる。具体的には、つば部19bが、回転体30の外周径よりも大きく、固定子10を覆う構成とした場合、多くの金属材料が必要となる。そこで、ブラケット19を上述した構成とすれば、金属材料の使用を抑制でき、コストの増加を抑制できる。
また、上述したように、金属材料を用いる、ブラケット19の面積を抑制するとともに、ブラケット19の外郭は、樹脂外装部13で一体に覆われて、モールド成型される。よって、軸受15bから発生した騒音は、抑制される。
つぎに、出力軸16b側に位置する軸受15aは、固定子10の外周径とほぼ等しい、外周径を有するブラケット17により、固定される。出力軸16b側に取り付けられるブラケット17は、概略、円板形状である。出力軸16b側に位置するブラケット17は、中央部分に、軸受15aの外周径とほぼ等しい内周径を有する、突出部23が形成される。この突出部23の内側は、中空である。
固定子10に、プリント配線板18が取り付けられる。出力軸16b側に位置するブラケット17に形成された突出部23の内部には、軸受15aが圧入される。また、ブラケット17の外周に形成された接続端部と、固定子10の接続端部とが、嵌め合わされるように、ブラケット17が、固定子10に圧入される。よって、本実施の形態1におけるブラシレス電動機が形成される。
本構成とすれば、組立作業が容易となる。
さらに、プリント配線板18は、固定子巻線12に流す電流を制御する、駆動回路40を有する。駆動回路40は、グランド線42を含む。
図4に示すように、プリント配線板18は、一対以上の導電性パターン60、70で形成される、インピーダンス素子41も有する。プリント配線板18は、一対以上、すなわち、複数以上の導電性パターンを有する。インピーダンス素子41は、静電容量性の成分を主たる成分とする。インピーダンス素子41は、キャパシタンス素子43とほぼ等価な回路素子で構成される。
なお、上述した実施の形態1では、導電性を有する金属で形成された、ブラケット17、19を採用する構成について説明した。
一対の軸受15が有する外輪151a、151bが、電気的に接続されていれば、つぎの構成としてもよい。
すなわち、ブラケット17、19は、金属材料に代えて、絶縁性材料や、樹脂などで形成してもよい。また、いずれか一方のブラケットは、導電性を有する金属で形成し、他方のブラケットは、絶縁性材料や樹脂などで形成してもよい。
また、上述した実施の形態1では、固定子10とブラケット19等が、樹脂で一体にモールド成型された電動機100について説明した。このような電動機100は、樹脂モールドモータと呼ばれる。
なお、本発明は、外装となる固定子等が、金属製の筐体に収納される構成でも、有効である。このような電動機は、鋼板モータと呼ばれる。
つぎに、図2〜図11を用いて、本実施の形態1における電動機100が、さらに、顕著な、作用、効果を奏する具体例について、説明する。
(具体例1)
図2は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例1を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例1を示す斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板のさらに他の具体例1を示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態1のおける電動機において、静電容量性の成分の静電容量値と電動機に生じる軸電圧との関係を示す特性図である。
図2から図4に示すように、電動機100が備えるプリント配線板18は、つぎのインピーダンス素子41を有する。
すなわち、図2から図4に示すように、インピーダンス素子41は、静電容量性の成分を主たる成分とするキャパシタンス素子43である。
図2あるいは図3に示すように、各々の導電性パターン60、70は、プリント配線板18の片面に位置する。各々の導電性パターン60、70は、インピーダンス素子41を形成する。
あるいは、図4に示すように、各々の導電性パターン60、70は、プリント配線板18の両面に位置する。
図2から図4を用いて、さらに、詳細に説明する。
図2、図4に示すように、プリント配線板18は、上面側に出力軸側導通ピン22bと、出力軸側導通ピン22bと電気的に接続された導電性パターン60と、を有する。以下の説明において、説明を分かり易くするために、図中、上側に位置するプリント配線板18の面を上面という。同様に、図中、下側に位置するプリント配線板18の面を下面という。
また、本具体例1において、導電性パターン60、70の材料は、すべて銅が用いられる。
図3、図4に示すように、プリント配線板18は、上面側に出力軸側導通ピン22bを有する。プリント配線板18は、下面側に導電性パターン70を有する。導電性パターン70は、接続線20が有するグランド線、及び、制御回路が含むグランド線と、電気的に接続される。
すなわち、出力軸16b側に位置するブラケット17と、プリント配線板18が有するグランドとの間には、導電性パターン60と導電性パターン70とが対向して形成されることにより、静電容量性の成分が存在する。導電性パターン60は、プリント配線板18の上面側に位置する。導電性パターン70は、プリント配線板18の下面側に位置する。
静電容量性の成分は、つぎの要素により、変化させることができる。すなわち、第1の要素は、導電性パターン60と導電性パターン70とが、対向して形成する対向面積である。
第2の要素は、導電性パターン60と導電性パターン70との間に位置する、プリント配線板18の厚みである。
第3の要素は、導電性パターン60と導電性パターン70との間に位置する、プリント配線板18の誘電率である。
静電容量性の成分を変化させれば、電動機に生じる軸電圧を制御できる。
静電容量性の成分を変化させて、電動機に生じる軸電圧を制御した、具体例を以下に示す。
図5に示すように、本実施の形態1において、静電容量性の成分が14.5pFのとき、軸電圧は、最小の値となった。
なお、本実施の形態1において、測定したプリント配線板18は、つぎの値であった。すなわち、プリント配線板18の厚みは、1.2mmであった。プリント配線板18の比誘電率は、4.5であった。プリント配線板18において、導電性パターン60と導電性パターン70とが対向して形成した対向面積は、437mm2であった。
(具体例2)
図6は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例2を示す斜視図である。図7は、図6中に示す7−7断面図である。図8は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例2を示す斜視図である。図9は、図8中に示す9−9断面図である。
図6から図9に示すように、電動機100が備えるプリント配線板18は、つぎのインピーダンス素子41を有する。
すなわち、図6から図9に示すように、プリント配線板18は多層基板である。各々の導電性パターン61、62は、多層基板が有する層間に位置する。各々の導電性パターン61、62は、インピーダンス素子41を形成する。
図6、図7を用いて、さらに、詳細に説明する。
具体例1において、プリント配線板18は、片面に導電性パターン60、70を有する、片面基板を用いた。併せて、具体例1において、プリント配線板18は、両面に導電性パターン60、70を有する、両面基板を用いた。
具体例2において、図6、図7に示すように、プリント配線板18は、層間に導電性パターン61、62を有する、多層基板を用いる。
多層基板を用いる場合、図6、図7に示すように、第1の内層に位置する導電性パターン61と、第2の内層に位置する導電性パターン62とを対向させる。静電容量性の成分は、導電性パターン61と導電性パターン62とを対向して形成される対向面積に基いて、生成される。
他の具体例2として、図8、図9に示すように、プリント配線板18は、外層に位置する導電性パターン60と、内層である第1の内層に位置する導電性パターン61とを対向させてもよい。本構成とすれば、静電容量性の成分は、導電性パターン60と導電性パターン61とを対向して形成される対向面積に基いて、生成される。
上述したいずれの具体例であっても、静電容量性の成分は、対向面積を変化することで調整できる。
(具体例3)
図10は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例3を示す斜視図である。図11は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例3を示す斜視図である。
図10、図11に示すように、電動機100が備えるプリント配線板18は、つぎのインピーダンス素子41を有する。
すなわち、図10、図11に示すように、インピーダンス素子41は、静電容量性の成分を主たる成分とするキャパシタンス素子43である。インピーダンス素子41は、各々の導電性パターン80で形成される。各々の導電性パターン80は、少なくとも2以上のブロックパターン81、81aを有する。ブロックパターン81、81aは、電気的な接続部82または電気的な切断部83、を含む。各々の導電性パターン80は、ブロックパターン81、81a間を接続、または、ブロックパターン81、81a間を切断することで、静電容量性の成分を調整する。
図10、図11を用いて、さらに、詳細に説明する。
図10に示すように、具体例3は、具体例1、2と比較して、次の点が異なる。すなわち、本具体例3では、プリント配線板18の上面側に位置する導電性パターン80は、複数のブロックパターン81、81aに分割される。5つに分割された導電性パターン80のうち、ブロックパターン81aは、出力軸側導通ピン22bを介して、出力軸16b側に位置するブラケット17と電気的に接続する。
本具体例3において、ブロックパターン81、81aの面積は、各々等しい。具体的には、1つのブロックパターン81、81aの面積は、150mmであった。また、1つのブロックパターン81と、プリント配線板18の下面側に位置する導電性パターン70との間に生じる静電容量性の成分は、5.0pFであった。
以上の構成において、導電性パターン80は、ブロックパターン81、81a同士を、はんだやリード線等の接続部82を介して、電気的に接続される。よって、導電性パターン80が用いられた電動機は、静電容量性の成分を増加する方向に調整できる。
本具体例3で示した導電性パターン80が用いられた電動機は、出力軸16b側に位置するブラケット17と、プリント配線板18が有するグランドとの間に生じる静電容量性の成分を、5pF〜25pFの間で調節できた。
あるいは、次の構成とすれば、導電性パターン80が用いられる電動機は、静電容量性の成分を減少する方向に調整できる。
すなわち、図11に示すように、導電性パターン80は、ブロックパターン81、81a間を電気的に接続している、切断部である導電性パターン83を有する。所望の静電容量性の成分を得るために、適切な位置に存在する導電性パターン83が切断できる。導電性パターン83は、レーザー光や超音波カッターなどで切断される。
さらに、図10に示した構成と、図11に示した構成とを、併用してもよい。この場合、導電性パターン80は、静電容量性の成分を増加する方向と、減少する方向との、両方の方向に調整できる。
以上の説明から明らかなように、電動機が搭載される電気機器によって、軸電圧が変化することがある。このような場合であっても、電動機が搭載される機器に応じて、軸電圧を容易に変化できる。
換言すれば、本実施の形態1における電動機は、回転子が有する誘電体層の面積や、誘電体層を形成する絶縁樹脂の材質や形状を変更して、軸電圧を調節するよりも、容易に軸電圧を調節できる。よって、簡単な構成で、汎用性が高い電動機を提供できる。この結果、本実施の形態1における電動機は、産業的価値が高くなる。
また、本実施の形態1における電動機は、プリント配線板が有する導電性パターンを用いて、静電容量性の成分を調整する。よって、電動機内の空間を有効に利用することができる。つまり、従来の電動機では、コンデンサを挿入することでプリント配線板の厚みが厚くなるという課題があった。しかし、本実施の形態1における電動機では、プリント配線板の厚みを厚くすることなく、静電容量性の成分を調整できる。しかも、本実施の形態1における電動機は、新たにコンデンサを実装する必要がないため、安価に電食の対策ができる。
上述した構成において、プリント配線板は、片面に導電性パターンを有する片面基板を用いる。
このとき、上述した構成以外に、つぎの構成としてもよい。すなわち、プリント配線板の片面に形成される導電性パターンは、一対の導電性パターンが近接して配置される。一対の導電性パターンは、櫛歯状、蛇行状、渦巻状などの形状であれば、静電容量性の成分が生じる。
さらに、本実施の形態1における電動機は、プリント配線板が有する導電性パターンに基く静電容量性の成分と、コンデンサ部品とを組合せて、並列回路や直列回路、並列回路と直列回路とが組合せられた回路、という構成で、形成してもよい。
なお、プリント配線板の絶縁層を構成する材料は、一般的に、エポキシ樹脂(Epoxy Resin)系が、使用される。その他、プリント配線板の絶縁層を構成する材料は、フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)系、無機質(Inorganic Compound)系などの材料でもよい。
ところで、本実施の形態1における電動機の等価回路として、導電性パターンによる静電容量性の成分を示す等価的な回路を接続する箇所は、回転子に誘電体層を設けることにより得られる静電容量性の成分の回路を接続する箇所とは異なる。
しかしながら、本実施の形態1における電動機において、静電容量性の成分を調整する箇所は、電動機に生じる軸電圧の電圧値を増減して調整するには、適した位置である。この知見は、本発明の発明者が行った技術的試行と、電動機の等価回路を解析した結果により、導き出されたものである。
また、上述したとおり、電動機の等価回路は、電動機の種類や電動機の構造によって異なる。例えば、電動機の等価回路は、固定子巻線と固定子鉄心とを絶縁性の樹脂で覆う電動機と、固定子巻線と固定子鉄心とを金属製の筐体で覆う電動機とで、明らかに異なる。
さらに、電動機の等価回路は、電動機が有する回転子の構造によっても異なる。例えば、電動機の等価回路は、回転子が含むバックヨークを成す回転子鉄心の有無や、磁極を構成する磁石の抵抗値の高低や、回転子のバックヨークを成す固定子鉄心の有無と、磁極を構成する磁石の抵抗値の高低との組み合わせなどにより、異なる。
よって、電動機の電食を低減する対策は、電動機の種類や電動機の構造毎に、各々異なるものと考えられる。
従って、電動機毎に、静電容量性の成分を個別に調整できる本実施の形態は、電動機の電食対策に有用である。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態1で説明した電動機が、電気機器に搭載された形態について、図面を用いて説明する。なお、後述する説明において、電気機器の具体例として、エアコンの室内機を示す。
図12は、本発明の実施の形態1で説明した電動機を搭載したエアコン室内機の概略図である。
図12に示すように、本発明の実施の形態2における電気機器であるエアコン室内機210は、電動機201と、電動機201を駆動する駆動部である電動機駆動装置213と、を備える。
図面とともに、詳細に説明する。
図12に示すように、エアコン室内機210の筐体211内には、電動機201が搭載される。電動機201が有するシャフト216には、クロスフローファン212が取り付けられる。筐体211内には、熱交換器が配置される。
電動機201は、駆動部である電動機駆動装置213によって駆動される。電動機201には、電動機駆動装置213から駆動信号が出力される。この駆動信号により、電動機201が回転する。電動機201が回転すれば、クロスフローファン212も回転する。クロスフローファン212が回転すれば、熱交換器で空気調和された空気を、エアコン室内機が設置された居室内に送風できる。電動機201は、上述した実施の形態1で示したブラシレス電動機が利用できる。
なお、上述した説明では、本発明の実施の形態2における電気機器の具体例として、エアコン室内機を例示した。本具体例の他に、エアコン室外機など、各種の情報機器や産業機器などに使用される電動機にも適用できる。
本発明の電動機は、軸電圧を減少させることで、軸受に生じる電食の発生を効果的に抑制する。このため、主に、電動機の低価格化および高寿命化が要望される電気機器、例えば、エアコン室内機、エアコン室外機、その他、情報機器や産業機器などに搭載される電動機に有用である。
10 固定子
11 固定子鉄心
12 固定子巻線(巻線)
13 樹脂外装部(樹脂部)
13a,23 突出部
14 回転子
15,15a,15b 軸受
16,216 シャフト
16a 軸心
16b 出力軸
16c 反出力軸
17,19 ブラケット
18 プリント配線板
19a 円筒部
19b つば部
20 接続線
21 インシュレータ
22 外輪導通部
22a 反出力軸側導通ピン
22b 出力軸側導通ピン
22c 導線
30 回転体
31 回転子鉄心
31a 外側鉄心
31b 内側鉄心
32 磁石(永久磁石)
40 駆動回路
41 インピーダンス素子
42 グランド線
43 キャパシタンス素子
50 誘電体層
60,61,62,70,80 導電性パターン
81,81a ブロックパターン
82 接続部
83 導電性パターン(切断部)
100,201 電動機
150a,150b 内輪
151a,151b 外輪
152a,152b 転動体
210 エアコン室内機(電気機器)
211 筐体
212 クロスフローファン
213 電動機駆動装置
本発明は、電動機が有する軸受において、特に、電食の発生を抑制することに関する。また、この電動機を備える電気機器に関する。
従来、正弦波による対称三相交流回路において、各相の回路ループを構成する条件を等しくする場合、Y結線の中性点の電位は、常に一定の値を示す。電源側に位置するY結線の中性点と、負荷側に位置するY結線の中性点との間には、電位差は生じない。このとき、三相電源の正弦波として、高調波成分を含まない無歪の正弦波が、印加されている。
また、対称三相交流回路において、各相の回路ループを構成する条件が不平衡の場合、つぎのことが知られている。すなわち、負荷側に位置するY結線の中性点は、零電位ではなく、ある値の電位を示す。以上のことが、例えば、特許文献1に開示されている。
なお、軸電圧の観測は、例えば、以下に示すように、多少の工夫が求められる。すなわち、軸電圧の観測は、対称三相交流回路が有するいずれかの回路箇所や、便宜的に設定された分圧回路の中点を擬似的中性点として、その電位差が観測される。
実際の対称三相交流回路では、種々の要因により、三相電源が不平衡となることがある。あるいは、対称三相交流電源では、三相電源が供給する正弦波に、若干の高調波成分が含まれることがある。また、電源側に位置するY結線の中性点、及び、負荷側に位置するY結線の中性点において、多少の電位が生じていることが観測される。さらに、この中性点の電位が変化することに起因して、発電機に含まれる回転軸や電動機に含まれる回転軸には、電圧が誘起される。誘起された電圧は、所謂、軸電圧として観測される。この軸電圧は、回転軸を回転自在に支持する、軸受の内輪にも印加されることがある。
一方、軸受の外輪は、発電機や電動機の外郭、あるいは、接地する部分と、電気的に接続されている。よって、軸受の外輪は、軸受の内輪が有する電位とは、異なる電位になる。つまり、軸受の内輪と軸受の外輪との間には、電位差が生じる。従って、軸受が有する転動体を介して、外輪と内輪とが電気的に接続されると、外輪、転動体、内輪、の間には、各々放電が生じる。放電が生じると、放電が生じた箇所には、放電痕が残る。この放電痕を電食という。放電痕、つまり、電食が生じると、軸受が回転する際、不具合が生じる。
例えば、特許文献2〜4に開示されているように、三相電源の発電機には、発電機を組み立てる際に生じる誤差やズレ等に起因して、磁気回路が不平衡となることがある。磁気回路が不平衡になれば、対称三相交流回路を得ることができないため、不平衡の三相交流が生じる。不平衡の三相交流が生じると、中性点には電位が発生するため、軸電圧が発生する。
また、発電機が有する励磁巻線には、励磁電源が供給される。励磁電源として、サイリスタ等を用いた励磁装置が使用されることがある。この場合、励磁巻線には、高調波を多量に含む、非正弦波波形の電圧が印加される。発電機は、励磁巻線を含む、発電機の構成部材による等価インピーダンス成分を有する。印加された非正弦波波形の電圧は、等価インピーダンス成分を介して、励磁装置が供給する励磁電力に起因した軸電圧を発生する。
また、前述した特許文献などに開示されているように、発電機には、つぎの特有の現象が生じる。すなわち、発電機が有する蒸気タービンの羽根には、蒸気が衝突する。衝突した蒸気の一部は、イオン化して帯電する。蒸気がイオン化して生じた電荷は、等価インピーダンス成分を介して、回転軸に伝わる。回転軸に伝えられた電荷は、発電機の軸電圧として現れる。発電機の軸電圧は、軸受の電食を招くことが知られている。
一方、特許文献5には、つぎのことが開示されている。すなわち、対称三相交流回路における負荷側の電動機では、三相交流に生じた不平衡により、軸電圧が生じる。負荷側の電動機は、生じた軸電圧により、軸受に電食が発生する。また、特許文献5には、インバータ装置を用いて、電動機を駆動する場合について、開示されている。すなわち、電動機では、電源がスイッチングする毎に、一瞬の電圧不平衡が生じる。換言すれば、電動機は、非常に高い周波数で、中性点の電位が変動する。周波数は、数MHzになることもある。よって、中性点の電位が変動するため、軸電圧が発生し、軸電流が流れる。この結果、電動機の軸受には、電食が生じる。
昨今、電動機の分野において、インバータ装置を用いた駆動技術が隆盛を極めている。インバータ装置を用いた駆動技術は、無歪の正弦波を生じる電圧源を用いた駆動技術とは全く異なるものである。つまり、インバータ装置を用いた駆動技術は、矩形波状の電圧源を構成して、擬似的な三相駆動を行っている。特許文献5には、つぎのことが開示されている。すなわち、インバータ装置を用いた駆動技術では、中性点の電位が変動することに起因して、軸電圧が発生する。軸電圧が発生すると、電動機には、軸電流が流れる。よって、電動機の軸受には、電食が生じ易い。
周知のとおり、インバータ装置を用いた駆動技術は、無歪の正弦波を電源とする対称三相交流による駆動ではない。従って、各相の電圧が互いに打ち消しあって、常に、零レベルになることは無い。つまり、電動機が有するY結線の中性点では、何らかの値を持った電圧が生じる。
例えば、後述する非特許文献1には、つぎのことが開示されている。すなわち、インバータ装置によって駆動される電動機は、Y結線の中性点を有する。Y結線の中性点には、周期的に、凸状の波形波、及び、方形波による、大きな振幅の電圧変化が生じる。凸状の波形波、及び、方形波は、最大値がインバータ装置の電源電圧値に達することもある。
非特許文献1には、「富士時報 第72巻、第2号(1999年2月)」に掲載された、インバータ駆動誘導電動機の軸電圧(P.144〜P.149)に関するものがある。
この非特許文献1に示すように、中性点の電位変化は、回転軸の軸電圧として観測される。
非特許文献1などにも開示されるように、インバータ装置から供給される各相の駆動電圧は、つぎの経路を経て、固定子の外部に、電気的エネルギーとして伝播される。すなわち、各相の駆動電圧は、電動機が有する固定子の固定子巻線から、固定子を構成する部材のインピーダンス成分を経て、固定子の外部へ伝えられる。
電気的エネルギーは、電動機が有する、固定子と回転子との間の分布容量を介して、電動機が有する回転子へと伝播される。さらに、電気的エネルギーは、回転子を構成する部材のインピーダンス成分を経由して、回転軸に到達する。回転軸は、電動機の等価回路を含む対称三相交流回路と等価的なY結線の中性点に位置する。よって、電動機が有する回転軸では、何らかの電位の変化が観測される。この電位は、上述するように、軸電圧という。
対称三相交流回路には、各相に、第3次高調波成分が存在する。第3次高調波成分は、互いに相殺されることはない。第3次高調波成分は、Y結線の中性点にて観測されることが知られている。また、Y結線の中性点において、各相の不平衡成分も観測されることが知られている。
ところで、電動機の駆動方法は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)方式(以下、「PWM方式」という)を用いたインバータ駆動が多く採用される。PWM方式を用いたインバータ駆動の場合、巻線の中性点の電位は零とならない。上述したように、巻線の中性点には、何らかの電位が発生する。
上述した巻線の中性点において、電位が変化することを、次の観点にて解析する。すなわち、電動機は、電動機を構成する各要素を有する。電動機を構成する各要素から、等価回路が導き出される。等価回路は、各要素が有する電気的な等価インピーダンス成分に基いて、導き出される。導き出された等価回路は、対称三相交流回路として扱われる。
等価回路において、電動機の回転軸は、Y結線の中性点と考えることができる。よって、電動機の回転軸において、何らかの電位の変化が生じ得ることがわかる。
例えば、電動機を構成する各要素から、各要素が有する電気的な等価インピーダンス成分が抽出される。抽出された等価インピーダンス成分より、電動機を構成する各要素を含む、電動機の等価回路が導き出される。導き出された電動機の等価回路より、軸電圧を算出することが試みられている。
特許文献5や非特許文献1などには、つぎのことが開示されている。すなわち、電動機を構成する各要素から、各要素が有する電気的な等価インピーダンス成分が抽出される。抽出された等価インピーダンス成分より、電動機の等価回路が導き出される。導き出された等価回路に基いて、軸電圧が発生する過程が、解析される。解析結果に基いて、電食の発生が抑制される。
電動機の等価回路を解析する手法は、つぎのものがある。すなわち、分布定数回路という考え方を用いて解析する。あるいは、分布定数回路の主要な回路素子毎に、集中定数素子化して、モデル化された集中定数回路を導き出す。モデル化された集中定数回路を用いて解析する。その他、多岐に亘る解析手法がある。
なお、電動機を構成する各要素を含む、電動機の等価回路は、電動機の種類や電動機の構造により異なる。具体的には、固定子巻線及び固定子鉄心を絶縁性の樹脂で覆う電動機と、固定子巻線及び固定子鉄心を金属製の筐体で覆う電動機とは、明らかに電動機の等価回路が異なる。
また、電動機の等価回路は、電動機が有する回転子を構成する要素によっても異なる。例えば、回転子のバックヨークを成す回転子鉄心を有するか否かによって、等価回路は異なる。あるいは、回転子の磁極を構成する磁石において、磁石の抵抗値が高いか低いかによって、等価回路は異なる。また、これらの組み合わせによっても、明らかに電動機の等価回路は異なる。
上述したように、電動機を構成する各要素を含む、電動機の等価回路は、電動機の種類や電動機の構造毎に異なる。従って、最適と考えられる、電食を低減する技術は、電動機の種類や電動機の構造毎に異なる。つまり、全ての種類の電動機に対して、一様に適用できる、電食を低減する技術を提供することは、極めて困難である。
そこで、一般的には、電動機の種類や電動機の構造毎に、電食を低減する技術が検討される。従来、数々の電食を低減する技術が提案されている。
インバータ駆動を行うことで軸電圧が発生すれば、軸受の外輪と、軸受の内輪との間には、電位差が生じる。軸電圧には、スイッチングによる高周波成分が含まれる。軸受の内部には、油膜が存在する。軸電圧に起因する電位差が、油膜が絶縁破壊する電圧に達すると、軸受の内部には高周波電流が流れる。軸受の内部に高周波電流が流れるため、軸受の内部には電食が発生する。電食が進行すると、軸受が有する内輪の内部、または、軸受が有する外輪の内部には、波状摩耗現象が発生し、異常音の原因となることがある。電動機において、電食は、解決が求められる代表的な不具合現象である。
上述したように、電食は、軸受を構成する部材が、アーク放電によって損傷を受ける現象である。軸電圧に起因して、軸受が有する内輪と、軸受が有する外輪との間には、電位差が発生する。軸電圧に起因する放電電流は、軸受の内輪−転動体である玉−軸受の外輪、という経路で軸電流が流れる。従って、電食の発生を抑制するために、以下のような対策が提案されている。
(1)軸受の内輪と軸受の外輪とを導通状態にする。
(2)軸受の内輪と軸受の外輪とを絶縁状態にする。
(3)軸電圧を低減する。
上記(1)を実現する具体的な方法としては、軸受に用いられる潤滑剤を、導電性を有する潤滑油にすることが挙げられる。ただし、導電性を有する潤滑剤は、時間が経過すれば、導電性が劣化する、あるいは、摺り合わせて動くことの信頼性に欠ける、などの課題がある。
上記(1)を実現する他の具体的な方法として、回転軸にブラシを設置して、導通状態にする方法も考えられる。この方法は、ブラシの摩耗粉が生じる、あるいは、ブラシを設置するスペースが必要となる、などの課題がある。
さらに、上記(1)を実現する別の具体的な方法として、軸受に、滑り軸受を用いる方法も考えられる。この方法は、滑り軸受として、金属を焼結させて、油を含ませた、含油軸受を用いることで実現できる。滑り軸受として含油軸受を用いれば、軸受を誘導状態にできる。
近年、PWM方式によるインバータ駆動で制御される電動機では、回転子の両側に、玉軸受を用いる構成が主流である。しかし、それ以前の電動機では、回転子の両側に、滑り軸受を用いる構成が一般的であった。
例えば、特許文献6、特許文献7には、つぎのことが、開示されている。すなわち、軸受は、導通状態であるため、放電が発生することはなく、電食も生じない。
しかし、滑り軸受を用いた場合、回転するシャフトの回転精度は、玉軸受を用いた場合よりも劣る。また、滑り軸受を用いた場合、軸受による損失が大きい。従って、滑り軸受を用いた電動機は、玉軸受を用いた電動機に比べて、効率が低下する。
上記(2)を実現する具体的な方法としては、軸受の内部に位置する転動体の材質を、導電性を有する鉄などの金属材から、絶縁体であるセラミックス材などに変更することが挙げられる。この方法は、電食の発生を抑制する効果は非常に高い。しかしながら、この方法はコストが高いという、経済的な課題がある。
上記(2)を実現する別の具体的な方法としては、軸受に、絶縁性を有する滑り軸受を用いる方法も考えられる。例えば、特許文献8には、つぎのことが開示されている。すなわち、軸受として、樹脂で形成された、絶縁性を有する滑り軸受が用いられる。本構成とすれば、軸受部分を絶縁状態にできる。よって、絶縁性を有する軸受部分には、電食が生じることはない。
しかし、上述した方法と同様に、回転するシャフトの回転精度は、玉軸受を用いた場合よりも劣る。また、樹脂で形成された滑り軸受は、軸受による損失が大きい。従って、樹脂で形成された滑り軸受を用いた電動機は、玉軸受を用いた電動機に比べて、効率が低下する。
上記(3)を実現する具体的な方法としては、特許文献9に示されるような方法が、知られている。すなわち、回転子に誘電体層を設けることで軸電圧を低くし、電食が発生することを抑制する。
上記(3)を実現する他の具体的な方法としては、特許文献10に示されるような方法が、知られている。すなわち、固定子鉄心と、導電性を有する金属製のブラケットとを、電気的に短絡させる。よって、固定子鉄心とブラケットとの間に生じる静電容量を変化させることで、軸電圧を低減する。
また、上記(3)を実現する別の具体的な方法としては、特許文献11に示されるような方法が、知られている。すなわち、電動機が有する固定子鉄心などを、アースである大地に、電気的に接続する。
特開平8−340637号公報 特公昭47−41121号公報 特開昭50−76547号公報 特開昭57−16549号公報 特開平10−32953号公報 特公昭61−52618号公報 特開平8−214488号公報 特開2011−47495号公報 特開2010−166689号公報 特開2007−159302号公報 特開2004−229429号公報
「富士時報 第72巻、第2号(1999年2月)」、インバータ駆動誘導電動機の軸電圧 P.144〜P.149
本発明が対象とする電動機は、固定子と、回転子と、一対の軸受と、外輪導通部と、プリント配線板と、を備える。
固定子は、固定子鉄心と、固定子鉄心に巻装された巻線と、を有する。
回転子は、回転体と、シャフトと、を有する。回転体は、永久磁石と、外側鉄心と、内側鉄心と、誘電体層と、を含む。永久磁石は、固定子に対向して周方向に位置する。外側鉄心は、外周側に位置し、鋼板を積層して形成される。内側鉄心は、内周側に位置し、鋼板を積層して形成される。誘電体層は、外側鉄心と内側鉄心との間に位置する。シャフトは、回転体の軸心を貫通して、回転体に取り付けられる。シャフトは、軸心方向において、一方を出力軸側とし、他方を反出力軸側とする。
一対の軸受は、各々内輪と外輪とを含む。一対の軸受は、軸心方向において、回転体を挟んで位置する。また、一対の軸受は、シャフトを回転自在に支持する。
外輪導通部は、一対の軸受が含む、それぞれの外輪同士を電気的に接続する。
プリント配線板は、駆動回路と、インピーダンス素子と、を有する。駆動回路は、グランド線を含む。駆動回路は、巻線に流す電流を制御する。インピーダンス素子は、少なくとも一対以上の導電性パターンで形成される。
特に、インピーダンス素子は、静電容量性の成分を主たる成分とするキャパシタンス素子である。インピーダンス素子は、各々の導電性パターンで形成される。各々の導電性パターンは、少なくとも2以上のブロックパターンを有する。ブロックパターンは、電気的な接続部または電気的な切断部、を含む。各々の導電性パターンは、ブロックパターン間を接続、または、ブロックパターン間を切断することで、静電容量性の成分を調整する。
さらに、インピーダンス素子を形成する一方の導電性パターンは、外輪導通部と電気的に接続する。また、インピーダンス素子を形成する他方の導電性パターンは、駆動回路が含むグランド線と電気的に接続する。
図1は、本発明の実施の形態1における電動機の要部断面を示す要部断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例1を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例1を示す斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板のさらに他の具体例1を示す斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態1における電動機において、静電容量性の成分の静電容量値と電動機に生じる軸電圧との関係を示す特性図である。 図6は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例2を示す斜視図である。 図7は、図6中に示す7−7断面図である。 図8は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例2を示す斜視図である。 図9は、図8中に示す9−9断面図である。 図10は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例3を示す斜視図である。 図11は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例3を示す斜視図である。 図12は、本発明の実施の形態1で説明した電動機を搭載したエアコン室内機の概略図である。
本発明の実施の形態における電動機は、後述する構成により、軸受に電食が発生することを抑制する。また、本発明の実施の形態における電気機器は、後述する構成により、軸受に電食が発生することを抑制した電動機を利用できる。
つまり、従来の電動機には、つぎの改善すべき点があった。
すなわち、上述した従来のいずれかの技術を採用しても、電動機には、常に、更なる技術的向上が求められる。
電動機には、樹脂モールドモータと呼ばれるものがある。あるいは、電動機には、鋼板モータと呼ばれるものもある。樹脂モールドモータとは、樹脂を用いて、固定子等を一体にモールド成型したものである。鋼板モータとは、固定子等の外装を、金属製の筐体に収納したものである。
特許文献9で開示された技術が、樹脂モールドモータ、あるいは、鋼板モータに対して用いられることがある。このとき、従来の電動機は、誘電体層が有する静電容量性の成分が利用されるため、軸受が有する内輪において、誘起される高周波電圧が抑制される。
しかしながら、特許文献9で開示された技術を用いたとしても、従来の電動機において、適切な軸電圧を確保することは、限度があった。
なお、従来の電動機では、誘電体層が有する静電容量性の成分を変更するために、つぎの方法がある。
従来の電動機は、回転体と、シャフトと、を有する回転子を備える。従来の電動機に用いられる回転体は、外側鉄心と、内側鉄心と、外側鉄心と内側鉄心との間に位置する誘電体層と、を有する。誘電体層は、絶縁樹脂で形成される。
ひとつの方法は、誘電体層を形成する絶縁樹脂の誘電率を変更する。絶縁樹脂の誘電率を変更すれば、静電容量が変更される。
つぎの方法は、回転体が有する外側鉄心と内側鉄心との間の距離を変更する。外側鉄心と内側鉄心との間の距離を変更すれば、絶縁樹脂の厚さが変更される。絶縁樹脂の厚さを変更すれば、静電容量が変更される。
他の方法は、外側鉄心の軸心に沿った方向の長さと内側鉄心の軸心に沿った方向の長さとを変更する。外側鉄心の軸心に沿った方向の長さと内側鉄心の軸心に沿った方向の長さとを変更すれば、両鉄心が対向する面積が変更される。両鉄心が対抗する面積を変更すれば、静電容量が変更される。
ところで、電気機器に用いられる電動機は、電動機の定格や形状などの仕様が、電気機器ごとにほぼ決められている。従って、電動機が備える固定子として許容される形状や固定子の寸法には、限りがある。一般的に、固定子の形状や固定子の寸法は、標準化されている。つまり、固定子の寸法などを大きく変更することは困難である。よって、固定子に含まれる誘電体層の形状や誘電体層の寸法なども、容易に変更できない。
また、誘電体層を形成する絶縁樹脂の誘電率を変更する場合、樹脂材料を変更することがある。しかし、樹脂材料を変更する場合、誘電率以外の項目、例えば、強度などの項目を評価しなければならない。多数の確認を要する項目が存在するため、樹脂材料は容易に変更できない。
あるいは、出力軸側に位置するブラケットと、プリント配線板が有するグランドとの間に、コンデンサを挿入する方法もある。しかし、コンデンサを挿入する場合、プリント配線板全体の厚みが厚くなる。
本発明は、回転子に誘電体層を設ける際、妨げとなっていた上述した課題を解決するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、電気機器として、特に、顕著な作用効果を奏する、空気調和機を例示して説明する。後述する電動機は、空気調和機の室内機に搭載される。電動機は、送風ファンを駆動するブラシレス電動機である。以下の説明において、電動機は、回転子が固定子の内周側に回転自在に配置されたインナロータ型の電動機を例示して、説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における電動機の要部断面を示す要部断面図である。
図1に示すように、電動機100は、固定子10と、回転子14と、一対の軸受15a、15bと、外輪導通部22と、プリント配線板18と、を備える。
固定子10は、固定子鉄心11と、固定子鉄心11に巻装された巻線である固定子巻線12と、を有する。
回転子14は、回転体30と、シャフト16と、を有する。回転体30は、永久磁石である磁石32と、外側鉄心31aと、内側鉄心31bと、誘電体層50と、を含む。永久磁石である磁石32は、固定子10に対向して周方向に位置する。外側鉄心31aは、外周側に位置し、鋼板を積層して形成される。内側鉄心31bは、内周側に位置し、鋼板を積層して形成される。誘電体層50は、外側鉄心31aと内側鉄心31bとの間に位置する。シャフト16は、回転体30の軸心16aを貫通して、回転体30に取り付けられる。シャフト16は、軸心16a方向において、一方を出力軸16b側とし、他方を反出力軸16c側とする。
一対の軸受15a、15bは、各々内輪150a、150bと外輪151a、151bとを含む。一対の軸受15a、15bは、軸心16a方向において、回転体30を挟んで位置する。また、一対の軸受15a、15bは、シャフト16を回転自在に支持する。なお、一対の軸受15a、15bを総称して、軸受15と記すこともある。
外輪導通部22は、一対の軸受15a、15bが含む、それぞれの外輪151a、151b同士を電気的に接続する。
図4に示すように、プリント配線板18は、駆動回路40と、インピーダンス素子41と、を有する。駆動回路40は、グランド線42を含む。駆動回路40は、巻線である固定子巻線12に流す電流を制御する。インピーダンス素子41は、少なくとも一対以上の導電性パターン60、70で形成される。図4の詳細については、後述する。
特に、インピーダンス素子41を形成する一方の導電性パターン60は、外輪導通部22と電気的に接続する。また、インピーダンス素子41を形成する他方の導電性パターン70は、駆動回路40が含むグランド線42と電気的に接続する。
特に、顕著な作用、効果を奏する形態は、つぎのとおりである。
すなわち、図1に示すように、電動機100は、一対の軸受15a、15bをそれぞれ保持する、一対のブラケット17、19を備える。一対のブラケット17、19は、金属で形成され、導電性を有する。
電動機100において、インピーダンス素子41を形成する一方の導電性パターン60は、外輪導通部22および一対のブラケット17、19のうち、少なくともいずれか一つと電気的に接続する。
また、電動機100は、固定子10と、反出力軸16c側に位置するブラケット19と、を一体でモールド成型する樹脂部である樹脂外装部13を備える。ブラケット19は、一対のブラケット17、19のうち、シャフト16の反出力軸16c側に位置する軸受15bを保持する。
また、電動機100において、樹脂部である樹脂外装部13は、外輪導通部22の少なくとも一部を埋設する。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。
図1に示すように、固定子鉄心11には、巻線である固定子巻線12が巻装される。固定子鉄心11と固定子巻線12との間には、絶縁樹脂で形成されたインシュレータ21が存在する。
固定子鉄心11は、他の固定部材とともにモールド材である樹脂外装部13にて、モールド成型される。樹脂部である樹脂外装部13は、絶縁性の樹脂で形成される。本実施の形態1において、電動機100は、樹脂外装部13で、一体にモールド成型される。よって、電動機100は、外形が概略円筒形状を成す固定子10で構成される。
固定子10の内側には、空隙を介して回転子14が挿入される。回転子14は、回転子鉄心31を含む円板状の回転体30と、回転体30の軸心16aを貫通するシャフト16とを有する。
回転体30は、固定子10の内周側に対向して、周方向に永久磁石であるフェライト樹脂の磁石32を保持する。
図1に示すように、最外周の磁石32から内周側のシャフト16に向かって、回転体30は、外側鉄心31a、誘電体層50、内側鉄心31bの順に配置される。外側鉄心31aは、回転体30の外周側に位置する。内側鉄心31bは、回転体30の内周側に位置する。
つまり、本実施の形態1における回転体30は、外側鉄心31aと内側鉄心31bとで構成される回転子鉄心31と、誘電体層50と、磁石32とが一体に成型される。このように、固定子10の内周側と回転体30の外周側とは、対向して配置される。
回転体30と締結されるシャフト16には、シャフト16を支持する、一対の軸受15a、15bが取り付けられる。一対の軸受15a、15bは、玉軸受である。一対の軸受15a、15bは、転動体152a、152bとして複数の鉄ボールを有する、円筒形状のベアリングである。軸受15a、15bは、軸受15a、15bが有する内輪150a、150bが、シャフト16に固定される。
図1に示すように、シャフト16は、電動機100本体から突出した部分である出力軸16bを含む。本構成において、出力軸16b側に位置する軸受15aが、シャフト16を支持する。その反対側である反出力軸16c側において、軸受15bが、シャフト16を支持する。
軸受15a、15bは、軸受15a、15bが有する外輪151a、151bで、それぞれのブラケット17、19に固定される。ブラケット17、19は、導電性を有する金属で形成される。図1に示すように、軸受15aは、出力軸16b側に位置するブラケット17に固定される。軸受15bは、反出力軸16c側に位置するブラケット19に固定される。以上の構成により、シャフト16が2つの軸受15a、15bに支持され、回転子14が回転自在となる。
さらに、図1に示すように、本実施の形態1におけるブラシレス電動機である電動機100には、制御回路を含む駆動回路40が実装されたプリント配線板18が内蔵される。電動機100は、プリント配線板18が内蔵された後、出力軸16b側に位置するブラケット17が固定子10に圧入される。このようにして、ブラシレス電動機が形成される。
プリント配線板18には、多くの接続線20が接続される。接続線20を介して、プリント配線板18には、固定子巻線12に印加される電源電圧Vdc、制御回路の電源電圧Vcc、および、回転数を制御する制御電圧Vspが供給される。さらに、プリント配線板18には、制御回路のグランド線42なども供給される。
ところで、駆動回路40が実装されたプリント配線板18上のゼロ電位点は、大地のアース、および、1次側電源回路とは絶縁されている。つまり、ゼロ電位点は、大地のアース、および、1次側電源回路とは、フローティングされた状態となる。
ここで、ゼロ電位点とは、プリント配線板18上における基準電位としての0ボルト電位をいう。ゼロ電位点は、通常、グランドと呼ばれるグランド配線を示す。接続線20に含まれるグランド線は、このゼロ電位点、すなわち、グランド配線と接続される。
駆動回路40が実装されたプリント配線板18には、固定子巻線12の電源電圧を供給する電源回路が接続される。この電源回路は、1次側電源回路、および、1次側電源回路が接続された大地のアースとは、電気的に絶縁される。
制御回路には、電源電圧を供給する電源回路が接続される。この電源回路は、1次側電源回路、および、1次側電源回路が接続された大地のアースとは、電気的に絶縁される。
また、制御電源は、リード線と接続される。その他、制御回路は、グランド線と接続される。これらのリード線やグランド線は、独立して接地された大地のアースとは、電気的に絶縁される。
つまり、プリント配線板18に実装された駆動回路40は、1次側電源回路の電位や大地のアースの電位に対して、電気的に絶縁された状態である。換言すれば、プリント配線板18に実装された駆動回路40は、1次側電源回路の電位や大地のアースの電位に対して、電位が浮いた状態となる。この状態は、電位がフローティングされた状態ともいう。
従って、つぎの電源回路は、フローティング電源ともいう。すなわち、対象となる電源回路は、プリント配線板18に接続される固定子巻線12の電源電圧を供給するものがある。あるいは、他の電源回路は、制御回路の電源電圧を供給するものがある。
以上のように構成された、本実施の形態1におけるブラシレス電動機に対して、接続線20を介して、各電源電圧および制御信号が供給される。各電源電圧や制御信号が供給されると、プリント配線板18に実装された駆動回路40は、固定子10に巻装された固定子巻線12に通電する。固定子10に巻装された固定子巻線12が通電されると、固定子巻線12には、駆動電流が流れる。固定子巻線12で生じた磁界は、固定子鉄心11を介して、まとまった磁界となる。
固定子鉄心11を介した磁界と、フェライト樹脂の磁石32から発生した磁界との間では、各磁界の極性に応じて、吸引力および反発力が生じる。これらの吸引力および反発力により、シャフト16を中心に、回転子14が回転する。
次に、本実施の形態1におけるブラシレス電動機について、より詳細な構成を説明する。
上述したように、ブラシレス電動機である電動機100は、シャフト16が、一対の軸受15で支持される。また、それぞれの軸受15a、15bも、各々のブラケット17、19により、固定される。ブラケット17、19は、導電性を有する金属で形成される。
具体的には、つぎの手順で形成される。まず、反出力軸16c側に位置する軸受15bに対して、ブラケット19が取り付けられる。
ブラケット19の外周径は、軸受15bが有する外輪151bの外周径とほぼ等しい。軸受15bは、反出力軸16c側に位置するブラケット19に圧入されることで、固定される。軸受15bが圧入されたブラケット19は、樹脂外装部13と一体となるよう、モールド成型される。
すなわち、図1に示すように、反出力軸16c側における樹脂外装部13は、電動機100本体の中央部から反出力軸16c方向へと突出する突出部13aを有する。この突出部13aの内部には、インナーブラケットとして、反出力軸16c側に位置するブラケット19が配置される。ブラケット19は、樹脂外装部13と一体で、モールド成型される。
また、本実施の形態1における電動機100は、出力軸16b側に位置するブラケット17と、反出力軸16c側に位置するブラケット19との間を、導通体である外輪導通部22によって、電気的に導通される。導通体である外輪導通部22の一部は、樹脂外装部13を形成する樹脂に埋設される。
具体的には、反出力軸16c側に位置するブラケット19は、予め、反出力軸側導通ピン22aが電気的に接続される。図1に示すように、ブラケット19は、つば部19bに、反出力軸側導通ピン22aの一端が接続される。反出力軸側導通ピン22aは、樹脂外装部13の内部に配置される。反出力軸側導通ピン22aは、ブラケット19と同様に、樹脂外装部13を形成する樹脂と一体に、モールド成型される。
反出力軸側導通ピン22aは、電動機100内部に位置する部品として、樹脂外装部13の内部に配置される。本構成とすれば、反出力軸側導通ピン22aは、錆や外力などの不具合から、予防できる。よって、電動機100が使用される環境や、電動機100に加えられる、外部からの応力などに対して、高い信頼性を有する電気的接続を確保できる。
反出力軸側導通ピン22aは導線22cと接続される。導線22cは、樹脂外装部13の内部において、つば部19bからブラシレス電動機である電動機100の外周方向へと延伸される。また、導線22cは、シャフト16が延伸される方向と平行して、電動機100の外周近辺から出力軸16b側へと、さらに延伸される。導線22cは、樹脂外装部13の出力軸16b側の端面から露出している。
樹脂外装部13から露出した導線22cは、プリント配線板18上に取り付けられた出力軸側導通ピン22bと電気的に接続される。また、導線22cは、出力軸16b側に位置するブラケット17と接する出力軸側導通ピン22bを介して、ブラケット17とも電気的に接続される。
以上の構成により、一対のブラケット17、19は、外輪導通部22を介して、電気的に接続される。本実施の形態1において、外輪導通部22は、反出力軸側導通ピン22a、導線22c、出力軸側導通ピン22bで、形成される。
また、出力軸16b側に位置するブラケット17と、反出力軸16c側に位置するブラケット19とは、樹脂外装部13によって固定子鉄心11とは絶縁された状態で、外輪導通部22により、互いのブラケット17、19が電気的に接続される。
反出力軸16c側に位置するブラケット19は、中空円筒状となるカップ形状の円筒部19aを有する。円筒部19aは、一方に開口を有する。ブラケット19は、円筒部19aを中心として、外周方向に広がった、環状のつば部19bを有する。つば部19bは、円筒部19aが開口した部分より、外周方向に広がっている。円筒部19aの内周径は、軸受15bの外周径とほぼ等しい。軸受15bは、円筒部19aに圧入されることで、ブラケット19に固定される。また、軸受15bは、ブラケット19を介して、樹脂外装部13にも固定される。
本構成とすれば、反出力軸16c側に位置する軸受15bが有する外輪151bは、金属製のブラケット19に圧入されて、固定される。よって、本実施の形態1における電動機100は、クリープによる不具合も抑制できる。
また、反出力軸16c側に位置するブラケット19が有するつば部19bの外周径は、軸受15bの外周径よりも大きい。しかも、ブラケット19が有するつば部19bの外周径は、少なくとも、回転体30の外周径よりも小さい。
ブラケット19を、このような構成とすれば、金属材料を少なくできる。具体的には、つば部19bが、回転体30の外周径よりも大きく、固定子10を覆う構成とした場合、多くの金属材料が必要となる。そこで、ブラケット19を上述した構成とすれば、金属材料の使用を抑制でき、コストの増加を抑制できる。
また、上述したように、金属材料を用いる、ブラケット19の面積を抑制するとともに、ブラケット19の外郭は、樹脂外装部13で一体に覆われて、モールド成型される。よって、軸受15bから発生した騒音は、抑制される。
つぎに、出力軸16b側に位置する軸受15aは、固定子10の外周径とほぼ等しい、外周径を有するブラケット17により、固定される。出力軸16b側に取り付けられるブラケット17は、概略、円板形状である。出力軸16b側に位置するブラケット17は、中央部分に、軸受15aの外周径とほぼ等しい内周径を有する、突出部23が形成される。この突出部23の内側は、中空である。
固定子10に、プリント配線板18が取り付けられる。出力軸16b側に位置するブラケット17に形成された突出部23の内部には、軸受15aが圧入される。また、ブラケット17の外周に形成された接続端部と、固定子10の接続端部とが、嵌め合わされるように、ブラケット17が、固定子10に圧入される。よって、本実施の形態1におけるブラシレス電動機が形成される。
本構成とすれば、組立作業が容易となる。
さらに、プリント配線板18は、固定子巻線12に流す電流を制御する、駆動回路40を有する。駆動回路40は、グランド線42を含む。
図4に示すように、プリント配線板18は、一対以上の導電性パターン60、70で形成される、インピーダンス素子41も有する。プリント配線板18は、一対以上、すなわち、複数以上の導電性パターンを有する。インピーダンス素子41は、静電容量性の成分を主たる成分とする。インピーダンス素子41は、キャパシタンス素子43とほぼ等価な回路素子で構成される。
なお、上述した実施の形態1では、導電性を有する金属で形成された、ブラケット17、19を採用する構成について説明した。
一対の軸受15が有する外輪151a、151bが、電気的に接続されていれば、つぎの構成としてもよい。
すなわち、ブラケット17、19は、金属材料に代えて、絶縁性材料や、樹脂などで形成してもよい。また、いずれか一方のブラケットは、導電性を有する金属で形成し、他方のブラケットは、絶縁性材料や樹脂などで形成してもよい。
また、上述した実施の形態1では、固定子10とブラケット19等が、樹脂で一体にモールド成型された電動機100について説明した。このような電動機100は、樹脂モールドモータと呼ばれる。
なお、本発明は、外装となる固定子等が、金属製の筐体に収納される構成でも、有効である。このような電動機は、鋼板モータと呼ばれる。
つぎに、図2〜図11を用いて、本実施の形態1における電動機100が、さらに、顕著な、作用、効果を奏する具体例について、説明する。
(具体例1)
図2は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例1を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例1を示す斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板のさらに他の具体例1を示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態1のおける電動機において、静電容量性の成分の静電容量値と電動機に生じる軸電圧との関係を示す特性図である。
図2から図4に示すように、電動機100が備えるプリント配線板18は、つぎのインピーダンス素子41を有する。
すなわち、図2から図4に示すように、インピーダンス素子41は、静電容量性の成分を主たる成分とするキャパシタンス素子43である。
図2あるいは図3に示すように、各々の導電性パターン60、70は、プリント配線板18の片面に位置する。各々の導電性パターン60、70は、インピーダンス素子41を形成する。
あるいは、図4に示すように、各々の導電性パターン60、70は、プリント配線板18の両面に位置する。
図2から図4を用いて、さらに、詳細に説明する。
図2、図4に示すように、プリント配線板18は、上面側に出力軸側導通ピン22bと、出力軸側導通ピン22bと電気的に接続された導電性パターン60と、を有する。以下の説明において、説明を分かり易くするために、図中、上側に位置するプリント配線板18の面を上面という。同様に、図中、下側に位置するプリント配線板18の面を下面という。
また、本具体例1において、導電性パターン60、70の材料は、すべて銅が用いられる。
図3、図4に示すように、プリント配線板18は、上面側に出力軸側導通ピン22bを有する。プリント配線板18は、下面側に導電性パターン70を有する。導電性パターン70は、接続線20が有するグランド線、及び、制御回路が含むグランド線と、電気的に接続される。
すなわち、出力軸16b側に位置するブラケット17と、プリント配線板18が有するグランドとの間には、導電性パターン60と導電性パターン70とが対向して形成されることにより、静電容量性の成分が存在する。導電性パターン60は、プリント配線板18の上面側に位置する。導電性パターン70は、プリント配線板18の下面側に位置する。
静電容量性の成分は、つぎの要素により、変化させることができる。すなわち、第1の要素は、導電性パターン60と導電性パターン70とが、対向して形成する対向面積である。
第2の要素は、導電性パターン60と導電性パターン70との間に位置する、プリント配線板18の厚みである。
第3の要素は、導電性パターン60と導電性パターン70との間に位置する、プリント配線板18の誘電率である。
静電容量性の成分を変化させれば、電動機に生じる軸電圧を制御できる。
静電容量性の成分を変化させて、電動機に生じる軸電圧を制御した、具体例を以下に示す。
図5に示すように、本実施の形態1において、静電容量性の成分が14.5pFのとき、軸電圧は、最小の値となった。
なお、本実施の形態1において、測定したプリント配線板18は、つぎの値であった。すなわち、プリント配線板18の厚みは、1.2mmであった。プリント配線板18の比誘電率は、4.5であった。プリント配線板18において、導電性パターン60と導電性パターン70とが対向して形成した対向面積は、437mm2であった。
(具体例2)
図6は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例2を示す斜視図である。図7は、図6中に示す7−7断面図である。図8は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例2を示す斜視図である。図9は、図8中に示す9−9断面図である。
図6から図9に示すように、電動機100が備えるプリント配線板18は、つぎのインピーダンス素子41を有する。
すなわち、図6から図9に示すように、プリント配線板18は多層基板である。各々の導電性パターン61、62は、多層基板が有する層間に位置する。各々の導電性パターン61、62は、インピーダンス素子41を形成する。
図6、図7を用いて、さらに、詳細に説明する。
具体例1において、プリント配線板18は、片面に導電性パターン60、70を有する、片面基板を用いた。併せて、具体例1において、プリント配線板18は、両面に導電性パターン60、70を有する、両面基板を用いた。
具体例2において、図6、図7に示すように、プリント配線板18は、層間に導電性パターン61、62を有する、多層基板を用いる。
多層基板を用いる場合、図6、図7に示すように、第1の内層に位置する導電性パターン61と、第2の内層に位置する導電性パターン62とを対向させる。静電容量性の成分は、導電性パターン61と導電性パターン62とを対向して形成される対向面積に基いて、生成される。
他の具体例2として、図8、図9に示すように、プリント配線板18は、外層に位置する導電性パターン60と、内層である第1の内層に位置する導電性パターン61とを対向させてもよい。本構成とすれば、静電容量性の成分は、導電性パターン60と導電性パターン61とを対向して形成される対向面積に基いて、生成される。
上述したいずれの具体例であっても、静電容量性の成分は、対向面積を変化することで調整できる。
(具体例3)
図10は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の具体例3を示す斜視図である。図11は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられるプリント配線板の他の具体例3を示す斜視図である。
図10、図11に示すように、電動機100が備えるプリント配線板18は、つぎのインピーダンス素子41を有する。
すなわち、図10、図11に示すように、インピーダンス素子41は、静電容量性の成分を主たる成分とするキャパシタンス素子43である。インピーダンス素子41は、各々の導電性パターン80で形成される。各々の導電性パターン80は、少なくとも2以上のブロックパターン81、81aを有する。ブロックパターン81、81aは、電気的な接続部82または電気的な切断部83、を含む。各々の導電性パターン80は、ブロックパターン81、81a間を接続、または、ブロックパターン81、81a間を切断することで、静電容量性の成分を調整する。
図10、図11を用いて、さらに、詳細に説明する。
図10に示すように、具体例3は、具体例1、2と比較して、次の点が異なる。すなわち、本具体例3では、プリント配線板18の上面側に位置する導電性パターン80は、複数のブロックパターン81、81aに分割される。5つに分割された導電性パターン80のうち、ブロックパターン81aは、出力軸側導通ピン22bを介して、出力軸16b側に位置するブラケット17と電気的に接続する。
本具体例3において、ブロックパターン81、81aの面積は、各々等しい。具体的には、1つのブロックパターン81、81aの面積は、150mmであった。また、1つのブロックパターン81と、プリント配線板18の下面側に位置する導電性パターン70との間に生じる静電容量性の成分は、5.0pFであった。
以上の構成において、導電性パターン80は、ブロックパターン81、81a同士を、はんだやリード線等の接続部82を介して、電気的に接続される。よって、導電性パターン80が用いられた電動機は、静電容量性の成分を増加する方向に調整できる。
本具体例3で示した導電性パターン80が用いられた電動機は、出力軸16b側に位置するブラケット17と、プリント配線板18が有するグランドとの間に生じる静電容量性の成分を、5pF〜25pFの間で調節できた。
あるいは、次の構成とすれば、導電性パターン80が用いられる電動機は、静電容量性の成分を減少する方向に調整できる。
すなわち、図11に示すように、導電性パターン80は、ブロックパターン81、81a間を電気的に接続している、切断部である導電性パターン83を有する。所望の静電容量性の成分を得るために、適切な位置に存在する導電性パターン83が切断できる。導電性パターン83は、レーザー光や超音波カッターなどで切断される。
さらに、図10に示した構成と、図11に示した構成とを、併用してもよい。この場合、導電性パターン80は、静電容量性の成分を増加する方向と、減少する方向との、両方の方向に調整できる。
以上の説明から明らかなように、電動機が搭載される電気機器によって、軸電圧が変化することがある。このような場合であっても、電動機が搭載される機器に応じて、軸電圧を容易に変化できる。
換言すれば、本実施の形態1における電動機は、回転子が有する誘電体層の面積や、誘電体層を形成する絶縁樹脂の材質や形状を変更して、軸電圧を調節するよりも、容易に軸電圧を調節できる。よって、簡単な構成で、汎用性が高い電動機を提供できる。この結果、本実施の形態1における電動機は、産業的価値が高くなる。
また、本実施の形態1における電動機は、プリント配線板が有する導電性パターンを用いて、静電容量性の成分を調整する。よって、電動機内の空間を有効に利用することができる。つまり、従来の電動機では、コンデンサを挿入することでプリント配線板の厚みが厚くなるという課題があった。しかし、本実施の形態1における電動機では、プリント配線板の厚みを厚くすることなく、静電容量性の成分を調整できる。しかも、本実施の形態1における電動機は、新たにコンデンサを実装する必要がないため、安価に電食の対策ができる。
上述した構成において、プリント配線板は、片面に導電性パターンを有する片面基板を用いる。
このとき、上述した構成以外に、つぎの構成としてもよい。すなわち、プリント配線板の片面に形成される導電性パターンは、一対の導電性パターンが近接して配置される。一対の導電性パターンは、櫛歯状、蛇行状、渦巻状などの形状であれば、静電容量性の成分が生じる。
さらに、本実施の形態1における電動機は、プリント配線板が有する導電性パターンに基く静電容量性の成分と、コンデンサ部品とを組合せて、並列回路や直列回路、並列回路と直列回路とが組合せられた回路、という構成で、形成してもよい。
なお、プリント配線板の絶縁層を構成する材料は、一般的に、エポキシ樹脂(Epoxy Resin)系が、使用される。その他、プリント配線板の絶縁層を構成する材料は、フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)系、無機質(Inorganic Compound)系などの材料でもよい。
ところで、本実施の形態1における電動機の等価回路として、導電性パターンによる静電容量性の成分を示す等価的な回路を接続する箇所は、回転子に誘電体層を設けることにより得られる静電容量性の成分の回路を接続する箇所とは異なる。
しかしながら、本実施の形態1における電動機において、静電容量性の成分を調整する箇所は、電動機に生じる軸電圧の電圧値を増減して調整するには、適した位置である。この知見は、本発明の発明者が行った技術的試行と、電動機の等価回路を解析した結果により、導き出されたものである。
また、上述したとおり、電動機の等価回路は、電動機の種類や電動機の構造によって異なる。例えば、電動機の等価回路は、固定子巻線と固定子鉄心とを絶縁性の樹脂で覆う電動機と、固定子巻線と固定子鉄心とを金属製の筐体で覆う電動機とで、明らかに異なる。
さらに、電動機の等価回路は、電動機が有する回転子の構造によっても異なる。例えば、電動機の等価回路は、回転子が含むバックヨークを成す回転子鉄心の有無や、磁極を構成する磁石の抵抗値の高低や、回転子のバックヨークを成す固定子鉄心の有無と、磁極を構成する磁石の抵抗値の高低との組み合わせなどにより、異なる。
よって、電動機の電食を低減する対策は、電動機の種類や電動機の構造毎に、各々異なるものと考えられる。
従って、電動機毎に、静電容量性の成分を個別に調整できる本実施の形態は、電動機の電食対策に有用である。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態1で説明した電動機が、電気機器に搭載された形態について、図面を用いて説明する。なお、後述する説明において、電気機器の具体例として、エアコンの室内機を示す。
図12は、本発明の実施の形態1で説明した電動機を搭載したエアコン室内機の概略図である。
図12に示すように、本発明の実施の形態2における電気機器であるエアコン室内機210は、電動機201と、電動機201を駆動する駆動部である電動機駆動装置213と、を備える。
図面とともに、詳細に説明する。
図12に示すように、エアコン室内機210の筐体211内には、電動機201が搭載される。電動機201が有するシャフト216には、クロスフローファン212が取り付けられる。筐体211内には、熱交換器が配置される。
電動機201は、駆動部である電動機駆動装置213によって駆動される。電動機201には、電動機駆動装置213から駆動信号が出力される。この駆動信号により、電動機201が回転する。電動機201が回転すれば、クロスフローファン212も回転する。クロスフローファン212が回転すれば、熱交換器で空気調和された空気を、エアコン室内機が設置された居室内に送風できる。電動機201は、上述した実施の形態1で示したブラシレス電動機が利用できる。
なお、上述した説明では、本発明の実施の形態2における電気機器の具体例として、エアコン室内機を例示した。本具体例の他に、エアコン室外機など、各種の情報機器や産業機器などに使用される電動機にも適用できる。
本発明の電動機は、軸電圧を減少させることで、軸受に生じる電食の発生を効果的に抑制する。このため、主に、電動機の低価格化および高寿命化が要望される電気機器、例えば、エアコン室内機、エアコン室外機、その他、情報機器や産業機器などに搭載される電動機に有用である。
10 固定子
11 固定子鉄心
12 固定子巻線(巻線)
13 樹脂外装部(樹脂部)
13a,23 突出部
14 回転子
15,15a,15b 軸受
16,216 シャフト
16a 軸心
16b 出力軸
16c 反出力軸
17,19 ブラケット
18 プリント配線板
19a 円筒部
19b つば部
20 接続線
21 インシュレータ
22 外輪導通部
22a 反出力軸側導通ピン
22b 出力軸側導通ピン
22c 導線
30 回転体
31 回転子鉄心
31a 外側鉄心
31b 内側鉄心
32 磁石(永久磁石)
40 駆動回路
41 インピーダンス素子
42 グランド線
43 キャパシタンス素子
50 誘電体層
60,61,62,70,80 導電性パターン
81,81a ブロックパターン
82 接続部
83 導電性パターン(切断部)
100,201 電動機
150a,150b 内輪
151a,151b 外輪
152a,152b 転動体
210 エアコン室内機(電気機器)
211 筐体
212 クロスフローファン
213 電動機駆動装置

Claims (9)

  1. 固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に巻装された巻線と、
    を有する固定子と、
    前記固定子に対向して周方向に位置する永久磁石と、
    外周側に位置し、鋼板を積層して形成する外側鉄心と、
    内周側に位置し、鋼板を積層して形成する内側鉄心と、
    前記外側鉄心と前記内側鉄心との間に位置する誘電体層と、
    を含む回転体と、
    前記回転体の軸心を貫通して前記回転体に取り付けられ、前記軸心方向において、一方を出力軸側とするとともに、他方を反出力軸側とするシャフトと、
    を有する回転子と、
    各々内輪と外輪とを含み、前記軸心方向において、前記回転体を挟んで位置するとともに、前記シャフトを回転自在に支持する、一対の軸受と、
    前記一対の軸受が含む、それぞれの前記外輪同士を電気的に接続する外輪導通部と、
    グランド線を含むとともに、前記巻線に流す電流を制御する駆動回路と、
    少なくとも一対以上の導電性パターンで形成されるインピーダンス素子と、
    を有するプリント配線板と、
    を備え、
    前記インピーダンス素子を形成する一方の前記導電性パターンは、前記外輪導通部と電気的に接続し、かつ、
    前記インピーダンス素子を形成する他方の前記導電性パターンは、前記駆動回路が含む前記グランド線と電気的に接続する、電動機。
  2. 金属で形成され、導電性を有するとともに、前記一対の軸受をそれぞれ保持する、一対のブラケットをさらに備え、
    前記インピーダンス素子を形成する一方の前記導電性パターンは、前記外輪導通部および前記一対のブラケットのうち、少なくともいずれか一つと電気的に接続する、請求項1に記載の電動機。
  3. 前記固定子と、前記一対のブラケットのうち、前記シャフトの前記反出力軸側に位置する軸受を保持する前記反出力軸側に位置するブラケットと、を一体でモールド成型する樹脂部をさらに備える、請求項2に記載の電動機。
  4. 前記樹脂部は、前記外輪導通部の少なくとも一部を埋設する、請求項3に記載の電動機。
  5. 前記インピーダンス素子は、静電容量性の成分を主たる成分とするキャパシタンス素子である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動機。
  6. 前記インピーダンス素子を形成する各々の前記導電性パターンは、前記プリント配線板の片面または両面に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動機。
  7. 前記プリント配線板は多層基板であり、
    前記インピーダンス素子を形成する各々の前記導電性パターンは、前記多層基板が有する層間に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動機。
  8. 前記インピーダンス素子は、静電容量性の成分を主たる成分とするキャパシタンス素子であり、
    前記インピーダンス素子を形成する各々の前記導電性パターンは、電気的な接続部または電気的な切断部、を含む、少なくとも2以上のブロックパターンを有し、前記ブロックパターン間を接続、または、前記ブロックパターン間を切断することで前記静電容量性の成分を調整する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動機。
  9. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動機と、前記電動機を駆動する駆動部と、を備える電気機器。
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