JP2000266882A - 原子炉制御棒用中性子吸収体及び原子炉用制御棒と原子炉並びに原子力発電プラント - Google Patents

原子炉制御棒用中性子吸収体及び原子炉用制御棒と原子炉並びに原子力発電プラント

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JP2000266882A
JP2000266882A JP11069541A JP6954199A JP2000266882A JP 2000266882 A JP2000266882 A JP 2000266882A JP 11069541 A JP11069541 A JP 11069541A JP 6954199 A JP6954199 A JP 6954199A JP 2000266882 A JP2000266882 A JP 2000266882A
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control rod
neutron absorber
oxide film
neutron
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Tadashi Fujieda
藤枝  正
Iwao Takase
磐雄 高瀬
Masatoshi Inagaki
正寿 稲垣
Akira Koizumi
章 小泉
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、塑性加工性が高く、高耐食性
を有するHf合金を用いた原子炉制御棒用中性子吸収体
及びそれを用いた原子炉用制御棒と原子炉並びに原子力
発電プラントを提供する。 【解決手段】本発明は、重量で、Zr0.02〜4.5%
及びHf95%以上又はこれにCr0.01〜1.0%,
Fe0.01〜2.0%,Sn0.03〜1.5%,Nb0.
03〜1.5% 及びMo0.01〜2.0%の少なくとも1
種を含むHf基合金からなり、表面に酸化皮膜が形成さ
れていることを特徴とする原子炉制御棒用中性子吸収体
にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な高耐食性Hf
合金を用いた原子炉制御棒用中性子吸収体及び原子炉用
制御棒とそれを用いた原子炉並びに原子力発電プラント
に関する。
【0002】
【従来の技術】ハフニウムは熱中性子吸収断面積は必ず
しも大きくないが、共鳴エネルギー領域に多数のピーク
を有し、このため原子炉の制御棒として有効な核的性質
を有している。それと共に、優れた加工性と高温高圧蒸
気中でも比較的良好な耐食性を有することから、長寿命
制御棒材として試みられている。当初は、ステンレスで
炉水からシールして使用していたが、現行では炉水に直
接触れる。
【0003】ハフニウムは、長期間原子炉に装荷して制
御棒として使用すると、その過程で白色腐食生成物が表
面に班点状に生成し、ノジュラ腐食を経て層状のポーラ
スな酸化膜となる。これら白色化した酸化膜は、成長と
共に一部の酸化膜が剥離する懸念がある。
【0004】現在、BWR用の制御棒は中性子吸収材と
してボロンカーバイド(B4C)の粉末を細いステンレス
鋼管に充填した中性子吸収管を十字型のステンレス鋼製
の内側に配列したものを使用している。この制御棒は、
4組の燃料アッセンブリと原子炉炉心のユニッットを構
成する。すなわち、一体の制御棒によって4組の燃料ア
ッセンブリの出力を制御している。
【0005】今後プラントの利用率向上の観点から、運
転サイクルの長期化が進められている。したがって、制
御棒の使用寿命を長くすることが急務である。このよう
な状況より、現行のBWR制御棒にHf材を適用するケ
ースが増加している。例えば、特公昭58−44237 号にお
いて制御棒の上方部分および側方部分にHfを使用する
制御棒が提案されている。また特開昭56−97897号ある
いは特開昭56−74690号においてはHfまたはHf合金
を板状で使用した制御棒が示されている。
【0006】Hf材は高温水中での耐食性が優れている
とされているが、BWR環境下で長時間使用に対してそ
の耐食性は十分でない。耐食性を改善するための合金と
して、Hf基合金では、特開昭59−208043号,特開昭61
−66188号,特表平9−500931号等においてFe,Sn,
Ni,Cr,NbおよびZrの1種もしくは多種を添加
した合金を提案している。しかしそれら合金は、添加量
が多いこと、多種の合金元素を調整することから、材料
のコスト高,加工性の低下、さらには特性のばらつきを
大きくする可能性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ハフニウムは、長時間
原子炉に装荷して制御棒として使用すると、時間の経過
と共に炉水との酸化反応により酸化膜が形成する。その
酸化膜は、不均一に成長し、ノジュラ状に進展、しかも
白色腐食を伴うため剥離現象が生じる。酸化物の剥離は
制御特性の低下、並びに制御棒の長寿命化に大きな障害
となる。
【0008】本発明の目的は、塑性加工性が高く、高耐
食性を有するHf合金を用いた原子炉制御棒用中性子吸
収体及び原子炉用制御棒並びにそれを用いた原子炉とそ
の発電プラントを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量で、Zr
0.02〜4.5%及びHf95%以上又はこれにCr
0.01〜1.0%,Fe0.01〜2.0%,Sn0.0
3〜1.5%,Nb0.03〜1.5% 及びMo0.01〜
2.0%の少なくとも1種を含むHf基合金からなり、
表面に酸化皮膜が形成されていることを特徴とする原子
炉制御棒用中性子吸収体にある。
【0010】本発明は、重量で、Cr0.03〜0.8
%,Zr0.1〜4.5%及び残部が実質的にHfである
高耐食性Hf合金が好ましい。
【0011】本発明は、重量で、Sn0.03〜0.5
%,Fe0.05〜0.5%,Zr0.1〜4.5%及び残部
が実質的に残部がHfである高耐食性Hf合金が好まし
い。本発明は、重量で、Sn0.03〜1.5%,Fe
0.03〜2.0%及びZr0.1〜4.5%を含み、Hf
及びZrの合計量が97%以上であり、(Sn/Fe)
比が0.2〜1.6である高耐食性Hf合金が好ましい。
【0012】本発明は、重量で、Sn0.03〜0.5
%,Fe0.03〜0.5%,Cr0.03〜0.5% ,Zr
0.1〜4.5%及び残部が実質的にHfである高耐食性
Hf合金が好ましい。
【0013】本発明は、重量で、Sn0.03〜1.5
%,Fe0.03〜2.0%,Cr0.03〜1.5% 及びZ
r0.1〜4.5%を含み、Hf及びZrの合計量が97
%以上であり、(Sn/Fe+Cr)比が0.05〜0.
5である高耐食性Hf合金が好ましい。
【0014】本発明は、重量で、Sn0.03〜0.5
%,Cr0.03〜0.5%,Zr0.1〜4.5%及び残
部が実質的にHfである高耐食性Hf合金が好ましい。
【0015】本発明は、重量で、Sn0.03〜1.5
%,Fe0.03〜2.0%,Cr0.03〜1.5% ,Nb
0.03〜1.5%、及びZr0.1〜4.5%を含み、H
f及びZrの合計量が97%以上であり、(Sn/Fe
+Cr+Nb)比が0.1〜0.5である高耐食性Hf合金
が好ましい。
【0016】本発明は、重量で、Sn0.03〜0.5
%,Fe0.03〜0.5%,Cr0.03〜0.5% ,Nb
0.05〜0.5%,Zr0.1〜4.5%及び残部が実質
的にHfである高耐食性Hf合金が好ましい。
【0017】本発明は、熱間で厚さ50%の圧延を行っ
たままの室温でのヴィッカース硬さが220〜250で
あり、410℃で8時間及び530℃で16時間の水蒸
気中での加熱後の腐食増量が50mg/cm2 以下である9
7重量%以上のHfを有するHf基合金からなることを
特徴とする高耐食性Hf基合金が好ましい。
【0018】本発明は、前述の各種Hf合金、表面に合
金自らの酸化皮膜を有し、短冊状で筒状の長尺部材によ
って構成される原子炉制御棒用中性子吸収体にある。
【0019】本発明は、ハンドルと、該ハンドルに接続
されたシースと、該シース内に設けられた中性子吸収体
と、前記シースを十字状に植設させるタイロッドと、該
タイロッドの下方に設けられ原子炉水中での落下速度を
制御する落下速度リミッタと、該リミッタの下部に設け
られたカップリングソケットとを備えた原子炉制御棒に
おいて、前記中性子吸収体は前述の中性子吸収体からな
ることを特徴とする原子炉用制御棒にある。
【0020】本発明は、原子炉圧力容器内に中性子源パ
イプ,炉心支持板,中性子計装管,制御棒,シュラウ
ド,上部格子板,被覆管及びチャンネルボックスを有す
る燃料集合体の構造部品を備えた原子炉において、前記
制御棒は前述の制御棒よりなることを特徴とする。
【0021】更に、本発明は、原子炉圧力容器内に収納
された原子燃料によって得られた熱出力で蒸気タービン
を回し、該蒸気タービンの回転によって発電機を駆動
し、それによって電気出力を得る原子力発電プラントに
おいて、前記原子炉の熱出力が3200MW以上,原子
炉圧力7.0MPa 以上,原子炉水温度288℃以上,
前記電気出力が1100MW以上であり、前記原子炉圧
力容器内に中性子源パイプ,炉心支持板,中性子計装
管,制御棒,シュラウド及び上部格子板の各構成部品を
備え、前記制御棒は前述の制御棒よりなることを特徴と
する。
【0022】本発明は、錫,ジルコニウム,クロム,鉄
及びニオブを特定の関係で複合添加させることにより、
高温水中での耐食性を著しく向上させ、かつ酸化反応に
よる酸化物を緻密なものにした新規なハフニウム合金及
びその表面への酸化皮膜を形成することによって、原子
炉用制御棒の寿命が大幅に向上される。
【0023】ハフニウムの耐食性に及ぼす元素の影響に
ついて検討した結果、ハフニウムの機械的性質を損なわ
ない程度の錫,鉄,クロムならびにニオブを適量添加す
ることにより緻密な酸化層形成と大幅な耐食性改善効果
が得られることが初めて判明した。
【0024】ジルコニウムはハフニウム製造時に存在す
るもので、0.02% 以上、好ましくは0.1〜4.5重
量%含有される。特に0.5〜2.0%が好ましい。
【0025】合金元素の添加量(重量%)として、Snは
0.03〜1.50%とすべきであり、0.03%未満で
は強度及び耐食性に対し十分な効果がなく、逆に1.5
%を超える含有量では酸化膜形成が著しくなることから
好ましくない。特に、0.03〜0.5%が好ましい。
【0026】Crは0.01% 以上、好ましくは0.0
3〜1.50%の単独添加でも有効であり、Snとの複
合添加で酸化膜がより安定し緻密な構造になる。特に、
0.05〜0.5%が好ましい。
【0027】Feは0.01% 以上、好ましくは0.0
3〜2.00%で耐食性が顕著に向上させる。しかし、
Feの単独添加はノジュラ状の腐食を伴ない不安定な酸
化膜となるので、Snとの複合添加で均一腐食形成で酸
化膜を緻密化する。Fe添加が2.0% を超えると材料
の延性低下をきたす。特に、0.05〜0.5%が好まし
い。
【0028】Nbは0.01〜1.50%の微量添加がよ
く、単独添加では腐食がやや加速し耐食性の低下をきた
すがSn,Fe及びCrの複合添加により腐食を抑えか
つ酸化膜を強硬にする作用がある。特に、NbはSn,
Fe及びCrの添加による硬さの増加を和らげるので、
Sn,Fe及びCrを増加させて耐食性の向上に寄与さ
せることができる。特に、Nbは0.05〜0.5%が好
ましい。
【0029】Moは0.01〜2.0%で耐食性を向上さ
せる。0.05〜1.0%が好ましい。
【0030】同様に、Sn+Fe又はCrの添加に対し
て前者にCr及び後者にSnを加えることによって同様
に硬さの増加が和らげ、耐食性,耐酸化性の向上に寄与
される。
【0031】(Sn/Fe)比は0.2〜1.6が好まし
い。この範囲で高い耐食性が得られる。
【0032】(Sn/Fe+Cr)比は0.05〜0.5
の範囲で高い硬さを高めることなく耐食性が得られる。
【0033】(Sn/Fe+Cr+Nb)比は0.1〜
0.5が同様に硬さを高めることなく高い耐食性が得ら
れる。
【0034】HfとZrとの合計量は97%以上とする
ことにより中性子吸収材としての重要な役割が得られる
とともに棒状,短冊で筒状とする塑性加工性の高いもの
が得られる。
【0035】本発明は、より具体的には十字形の横断面
形状のタイロッドの各辺の先端に、U字形横断面形状を
有するシースを取付け、該シース内部に断面が丸棒状,
板状または中空楕円形状のハフニウム基合金からなる反
応度制御材を収納する構造の制御棒において、前記反応
部制御材の全表面に陽極酸化被膜が形成されていること
を特徴とする。
【0036】本発明の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方
法として、導電材を陰極とし、ハフニウム基合金を陽極
として接続し、ほう酸アンモニウム,しゅう酸の電解液
中で陽極酸化を行うことを特徴とする。
【0037】白金またはステンレス鋼などを陰極とし、
ハフニウム合金を陽極として接続し、前述の電解液中で
直流電源より定電圧10Vから300Vの範囲で陽極酸
化を行うことが好ましい。
【0038】管形状のハフニウム基合金の内外部表面に
酸化被膜を形成するため、管内に陰極部材を挿入すると
ともに管外表面に陰極部材を設置し、陰極部材を電気的
に導通させて電解処理装置を用いて陽極酸化を行うこと
を特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕供試材の化学成分を
表1(重量%)に示す。No.1〜19が本発明材、No.
20,21が従来材である。
【0040】材料の化学組成は大別して、Crの単独添
加合金、SnとFe及びSnとCrの二元系合金、Sn
とFeとCrならびにSnとFeとNbとの三元系合
金、並びにSnとFeとCrとNbとの四元系合金であ
る。Zrはハフニウム製造時の不純物として残留する最
大量4.5% を本発明材では、最大0.02〜3.0%と
したものである。
【0041】
【表1】
【0042】各試料は、アーク溶解によって2回溶解を
繰返し所望のインゴットにした後、1100℃で1時間
真空中加熱による調質熱処理を施し、次いで1000℃
で熱間圧延し、所望の板厚とした。更に、820℃で焼
鈍を行い、冷間圧延後820℃での焼鈍を交互に繰返
し、厚さ1.7mmの薄板とした。
【0043】表2は合金の各種特性を示すものである。
腐食特性は410℃,8hと530℃,16hの水蒸気
中加熱による2ステップ腐食試験結果から表面観察,腐
食増量,酸化膜厚さを求めて評価した。機械的特性は熱
間,冷間圧延作業性と硬さ等で評価した。熱間圧延は1
000℃で行い、厚さ10mmのインゴットを2回通過さ
せて厚さ5mmとした。本実施例ではこの熱間圧延したま
まの室温でヴィッカース硬さを測定し、その加工硬化の
程を調べた。その後、820℃,1h加熱の焼鈍を行
い、3回の冷間圧延を同じ温度での焼鈍を間にはさんで
1〜2.5mm の厚さにした。加工率は肉厚減少率で20
〜30%である。表中、加工の難易は冷間圧延のものを
示し、困難とするものは肉厚減少率で10%でも割れる
ものである。
【0044】
【表2】
【0045】Cr単独添加合金をみると、添加量0.0
2〜1.50wt%では腐食増量がかなり少なく、酸化
膜厚さも2μm以下で、かつ緻密な酸化物が形成され
る。加工性についても良好な特性を示した。Cr添加量
の影響として整理すると図1のように極僅かで耐食性に
効果が有り、多量の2.0wt% でも耐食性改善みられ
る、しかし多量のCr含有は材料の延性を阻害するため
好ましくない。
【0046】Sn−Feの2元系合金について、Fe単
独でも効果はみられるものの、酸化膜がノジュラ腐食形
態であり、必ずしも好ましくない。従ってSn複合によ
り酸化膜は均一腐食形態となり、剥離性の酸化膜形成を
阻止できる。その効果は図2に示した。ただし多量のS
nおよびFe添加は部材の延性を減じ、薄板製造では障
害となる。
【0047】Sn−Fe−Crの3元系合金では、各元
素が耐食性改善に寄与するもので、このように多元素を
含むことから、それぞれの添加量は少量でも有効な特性
が得られる。腐食特性については図3に示したようにF
e,Cr及びSnがそれぞれ0.05wt% 含有で酸化
膜厚さは2μm以下であり、かつ緻密な酸化膜形成であ
り、剥離現象が全くみられない優れた耐食性を有する。
【0048】Sn−Fe−Nbの3元合金では、Nbの
含有が酸化膜形成において均一腐食を促進し、酸化物剥
離阻止に効果的である。
【0049】Sn−Fe−Cr−Nbの4元合金につい
て述べる。当合金は耐食性の改善はもとより機械的性
質、特に高強度部材として使用するに好適である。ただ
延性は他発明合金に比べ、低く見積もられ、板製造時に
細心の注意が必要になる。
【0050】なお高温水中腐食特性については、288
℃,80kg/cm2 長時間腐食試験を実施し、優れた耐食
性を有することを確認した。
【0051】図4は腐食増量とSn+Fe+Cr+Nb
量との関係を示す線図である。図に示すように、Cr,
Sn+Fe,Sn+Cr,Sn+Fe+Cr,Nb及び
Sn+Fe+Sn+Nb量の微量の添加により50mg/
dm2 以下の高い耐食性が得られることが分かる。そし
て、1%以上加えてもそれ以上に大きな効果が得られな
い。
【0052】図5は腐食増量と(Sn/Fe)比との関
係を示す線図である。図より(Sn/Fe)比が0.2〜
1.6で40mg/dm2以下の腐食量を示し、更に0.3〜
1.2で30mg/dm2以下の高耐食性を示すことが分か
る。
【0053】図6は腐食増量と(Sn/Fe+Cr)比
との関係を示し、0.05〜0.5が好ましいことが分か
る。
【0054】図7は腐食増量と(Sn/Fe+Cr+N
b)との関係を示し、0.1 以上で多くするほど40mg
/dm2以下の高耐食性を示すことが分かる。特に、0.1
〜0.5 が好ましい。
【0055】図8は腐食増量とFe又はSn含有量との
関係を示す線図であり、Fe単独では0.03%以上で
50mg/dm2以下の高耐食性を有し、更に、Fe0.1〜
0.3%を含むものにSnを0.03〜0.3%加えるこ
とによって30mg/dm2 以下の高い耐食性が得られるこ
とが分る。
【0056】図9は熱間圧延後の圧延のままのヴィッカ
ース硬さ(Hv)とCr,Sn+Fe,Sn+Cr,S
n+Fe+Cr,Nb,Sn+Fe+Cr+Nb含有量
との関係を示す線図である。図より明らかなように、特
にSn+Fe及びCr添加は硬さを急激に高めてしまう
ので、前者は0.3%以下、後者は0.5%以下とするこ
とにより加工硬化硬さがHv260以下の加工硬化しに
くい軟かいものが得られる。Sn+Cr,Sn+Fe+
Cr,Nb及びNb+Fe−Cr+Nbを含むHf合金
は加工硬化硬さの増加はあまり見られなかった。
【0057】図10は腐食増量と硬さとの関係を示す図
である。本実施例では適切な組成とすることにより腐食
増量が50mg/dm2 以下、加工硬化硬さがHv300以
下のものが得られ、加工性が高く高耐食性が得られるも
のである。
【0058】図11は本発明のHf合金を用いた沸騰水
型原子炉用制御棒の斜視図である。本実施例では、表1
のNo.12に示す重量で、0.09%Sn,0.10%F
e,0.09%Cr及び0.85%Zrを含み、実質残部
Hfのインゴットをアーク溶解により溶製した。ダブル
溶解後1100℃,1hの真空中での調質熱処理を施し
添加元素の均一化を計った。次いで、熱間圧延(100
0℃加熱)を2回行い、その後850℃,1h加熱の焼
鈍をした。所定の薄板にするため冷間圧延と焼鈍(82
0℃,1h加熱)の繰返しで最終的には1.7mm の板厚
にした。長尺板材を図12の形状にプレス加工し、さら
に合わせTIG溶接して図13に示す短冊状で筒状の反
応度制御材27とし、SUS316L の制御棒シース23中に
組み込んだ。このシースは随所に通し穴が設けられてお
り、Hf合金の反応度制御材27は常に炉水に接する。
従ってこの部材は高温水における耐食性が要求され、本
実施例におけるHf合金は実施例1と同様に腐食増量が
20mg/dm2 以下、酸化膜厚さが2.0μm 以下、熱間
加工後のHvが250以下であった。本実施例における
反応度制御材27は幅100mm,厚さ10mmで、各制御
棒シース中には2ケずつ反応度制御材27が挿入され、
十字状に4個のシースを有している。図中、22はハン
ドル、23はシース、24はタイロッド、25は落下速
度リミッタ、26はカップリングソケット、27は中性
子吸収体である反応度制御材である。前述の辺が平らに
なっている筒状の反応度制御材を用いて、その全表面に
陽極酸化皮膜を形成した。本実施例に記載の反応度制御
材は図11〜図13に示すものと同様である。図に示す
様に、十字形のタイロッド24各片端部に開先形状を設
け、U字形断面に加工したシース23を該タイロッド2
4の各片に溶接し、形成される内部空間に楕円形状断面
を有する反応度制御材27をひとつの翼当たり2本収納
する。なお、反応度制御材27は制御棒軸方向に板厚を
変化させる場合があり、軸方向には更に分割した本数と
する場合がある。
【0059】本実施例では実施例2に示したハフニウム
合金板を用い、製作加工したものである。先ず、プレス
ブレーキを用いた板曲げ加工処理により、長尺板材の両
端部に曲げ加工による曲率を与える。次に、溶接のため
の開先機械加工を施す。次に、溶接前寸法確認,洗浄処
理を行い、コの字型の部材どうしをつき合わせ、溶接に
より楕円管形状を形成する。次に、楕円管に冷却孔及び
固定のための孔などの機械加工を施し、仕上げ処理を行
う。この工程が終了した段階で、電解槽内に浸漬し、酸
化被膜処理を行う。
【0060】電解槽内に、ハフニウム合金の外表面を酸
化処理するためのステンレス鋼陰極棒及びハフニウム合
金管内表面を酸化処理するためのステンレス鋼陰極棒を
各々設け、電解槽内に電解液を満たす。酸化処理対象と
なる該楕円形状断面の反応度制御材には、制御棒構造部
材との固定のために長手方向端部に円孔が設けられてお
り、この円孔を利用してつけ下げる。円孔に通し、導体
でつり昇降機構を通して直流電源の+電極に接続する。
一方、電解槽内の陰極から導体を引き出し、直流電源の
−電極に接続する。
【0061】本実施例では、長さ約1800mm,幅約5
0mmの前述の反応度制御材を4段階に分けて表面処理し
た。
【0062】第1段階で前述の管の1/4長を電解槽に
浸漬し、直流電源より通電し酸化被覆を形成させる。酸
化被膜の安定後に、該昇降装置により被酸化処理金属ハ
ウニウム管を降下させ、更に該ハフニウム管の2/4長
を電解槽に浸漬し、酸化処理する。以降、順次第3段階
から第4段階まで安定した酸化被膜形成を施す。
【0063】以上の工程により、表面に酸化膜層を形成
させた後、後寸法検査を行い、洗浄して通常の制御棒内
部への制御棒組立工程に回り、酸化処理を施された反応
度制御材を収納した制御棒が完了する。
【0064】電解液は、ほう酸アンモニウム[1%(N
42O・5B23]を用いた。陽極酸化の一般的な電
解液として、他にKOHやNaOHが用いられるが、ほ
う酸イオンが不純物としてハフニウム棒に取り込まれに
くいという考えにより、前記電解液を用いた。
【0065】室温において、前記二極間に定電圧100
V,200V及び300Vをそれぞれ1A/dm2 の電流
密度で通電した。通電保持時間は、試験片に形成する酸
化被膜が安定する5分程度とした。
【0066】以上の方法で陽極酸化処理を行ったものに
ついて、外観検査,耐食性試験及び硬さ試験が実施し
た。外観検査の結果、各電流値の試験片とも一様なHf
を主にし合金元素を含む酸化被膜形成が認められた。ま
た溶接部表面についても母材表面と差異はなく、良好な
酸化被膜形成が認められた。なお、電圧の影響により1
00Vから300Vにかけて形成する被膜の色調が濃紺
から濃緑に変化した。これは形成する酸化被膜厚の変化
であり、色調により被膜厚がある程度判断できる。
【0067】得られた反応度制御材を試験温度410℃
/8hr+530℃/16hr、圧力105kg/cm2
溶存酸素200〜400ppb 、流量10L/hrの条件
で、腐食試験を行った。陽極酸化被膜を形成させたハフ
ニウム合金材は、酸化被膜を形成していない母材に比
べ、腐食増量で半分以下と耐食性が向上する傾向が認め
られた。
【0068】また、マイクロビッカース硬度計により、
陽極酸化被膜の硬さを測定した結果、陽極酸化被膜を形
成させたハフニウム合金材は、酸化被膜を形成していな
い母材に比べ、表面の硬さが1.5 倍以上と増加する傾
向が認められた。すなわち、耐摩耗性が向上する傾向が
示唆された。
【0069】酸化膜処理により表面保護膜の形成された
反応度制御材は、以降の工程における傷や摩耗が防止さ
れ、より均質な表面状態を保ちつつ制御棒内部に組み込
むことができる。
【0070】また、実炉使用中は、反応度制御能力の長
期に渡る維持、更に現状より使用延長を図る上で、炉内
酸化環境下での長期に渡る高耐食性の確保が可能とな
る。
【0071】〔実施例2〕図14は実施例1の制御棒を
用いた原子炉炉心の部分断面斜視図である。
【0072】本原子炉は蒸気温度286℃,蒸気圧力7
0.7atgで運転され、発電出力として500,800,
1100MWの発電が可能である。各名称は次の通りで
ある。炉心は、中性子源パイプ51,炉心支持板52,
中性子計装検出管53,制御棒54,炉心シュラウド5
5,上部格子板58,燃料集合体57,上鏡スプレイノ
ズル58,ベントノズル59,圧力容器蓋60,フラン
ジ61,計測用ノズル62,気水分離器63,シュラウ
ドヘッド64,給水入口ノズル65,ジェットポンプ6
6,蒸気乾燥機68,蒸気出口ノズル69,給水スパー
ジャ70,炉心スプレイ用ノズル71,下部炉心格子7
2,再循環水入口ノズル73,バッフル板74,制御棒
案内管75を具備している。
【0073】前述の上部格子板56はリム胴,フランジ
及びグリットプレートを有し、これらにはSUS316鋼多結
晶の圧延材が用いられる。グリットプレート35は互い
に交叉しているだけで互いに固定はされていない。ま
た、炉心支持板52は同じくSUS316鋼多結晶圧延材が用
いられ、一枚の圧延板により製造され、燃料支持金具を
取り付ける穴が設けられ、円周面で炉容量に固定され
る。従っていずれも中性子照射を受ける中心部では溶接
部がない構造である。
【0074】電動モータによる微動駆動可能な制御棒駆
動機構を有し、ローラには25wt%クロムを含有するニ
ッケル合金粉と粒径20〜30ミクロンのクロム炭化物
(Cr32)を体積比で10%混合し焼結して作製した
ものが用いられる。ピンは高強度Fe基合金からなる3
2組装着し、40年に相当する負荷駆動試験を実炉を模
擬した高温水中循環で行った。その結果、ローラ及びピ
ンとも摩耗による寸法変化は僅少で設計基準を十分満足
するものであった。また、スクラム駆動時の微撃荷重で
の破損も全くみられなかった。
【0075】本実施例における制御棒駆動機構はモータ
によって回転するピストン駆動用ネジを通して駆動ピス
トンにより空中ピストンを介して制御棒を上下に駆動す
るものであり、原子炉圧力容器に溶接によって接続され
る。制御棒は制御棒案内管の中で駆動される。水圧駆動
ピストンは緊急時に水挿入配管より水を挿入することに
より制御棒を上方に急速に持ち上げるようにするもの
で、駆動ピストンとは分離されている。特に高温水に接
する部分はSUS316L が使用される。また、制御棒は自重
で落下する構造になっている。
【0076】図15は制御棒駆動機構11によって駆動
される制御棒1,燃料集合体(A),(B),燃料支持金
具14,炉心支持板12の組み立て配置図である。図1
1(A)はハンドルを有しない燃料集合体で、図11
(C)のb部に配置される。同じく(B)はハンドルを
有し図11(C)のaに配置される。燃料支持金具14
は炉心支持板12に接して固定され、燃料集合体を支持
するものである。
【0077】制御棒1は本実施例では引き抜きにB4
及び運転時の制御に実施例2のHf合金を用いた。B4
C は熱間によって素管を作った後、ピルガーミルによ
って冷間圧延と焼鈍とを繰返して得た。またシースには
SUS316L 鋼を用い、冷間圧延と焼鈍を繰返し薄板とした
後、溶接によって得た。
【0078】BWR燃料集合体は、多数の燃料棒とそれ
らを相互に所定の間隔で保持する複数段のスペーサ、更
に、それらを収納する角筒のチャンネルボックス,燃料
被覆管内に燃料ペレットが入った燃料棒の両端を保持す
る上部タイプレート,下部タイプレート,スペーサの中
心部に配置されたウォータロッド,全体を搬送するため
のハンドルから構成される。また、これら燃料集合体の
製造に際しては、通常の工程を経て組み立てられる。
【0079】チャンネルボックスはスペーサにより一体
化された燃料棒およびウォータロッドを内部に収納し、
上部タイプレートと下部タイプレートとはウォータロッ
ドで固定した状態で使用される。燃料チャンネルボック
スは二分割した長さ4m、厚さが80,100,120
mmの3種のコの字型板加工材をプラズマ溶接で接合した
角筒形状を呈する。この部材はプラント運転時に燃料棒
表面で発生した蒸気及び燃料棒間を流れる高温水を整流
し、強制的に上部へ導く働きをさせるものである。内部
の圧力が外部よりわずかに高い為、角筒を外側に押し広
げる応力が作用した状態で長期間使用される。
【0080】本実施例におけるチャンネルボックスは次
の様に熱処理が施され、板厚方向の〈0001〉結晶方
位の配向率(Fr値)が0.25〜0.6、長手方向の配
向率(F1)が0.25〜0.4、幅方向の配向率(Ft)
が0.25〜0.4とするものである。好ましくはFr
0.25〜0.5,Fl0.25〜0.36,Ft0.25
〜0.36 とするのが好ましい。熱処理によりこのよう
に配向させることにより、βZr結晶粒径が平均で50
〜300μm(好ましくは100〜200μm)とな
り、著しく照射伸びが防止され、その結果曲がりが生ぜ
ずチャンネルボックスと制御棒との干渉が防止される。
これにより燃焼度45GWd/t以上でも周辺に配置し
たものでも曲がりが生ぜず、更に50、又は60GWd
/tでも全く問題なく使用可能である。また、従来の燃
焼度32GWd/tに対し燃料を交換しての使用も可能
である。
【0081】チャンネルボックスは合金組成として表3
に示すジルコニウム基合金板材をコの字型に冷間曲げ加
工し、長さ:4mの2つのコの字型部材とし、これらを
レーザ又はプラズマ溶接して角筒とした。溶接部の凹凸
は平坦に仕上げられる。この角筒を高周波誘導加熱によ
るβ相温度範囲への加熱及び高周波誘導加熱コイルの直
下に設けたノズルから吹き付ける冷却水で急冷した。角
筒が一定速度で上方から下方へコイル内に通過すること
により全体の熱処理が完了する。加熱温度は1100℃
で、980℃以上の保持時間は10秒以上となるように
角筒の送り速度及び高周波電源の出力を調整した。尚、
処理温度は1000〜1200℃好ましくは特に、10
50〜1100℃で3〜10秒保持することにより行う
ことができる。熱処理はオーステナイトステンレス鋼製
マンドレルを筒にネジで両端を固定して行った。表から
わかる様に6角柱の(0002)底面,柱面が(1010)
面共にF値としてFr,Fl及びFtのいずれもほぼ1
/3となり、完全にランダムな結晶方位の配向となる。
このもののβZr平均結晶粒は約100μmであった。
この熱処理を施した後、高寸法精度に成形サンドブラス
ト処理及び酸洗を行い、表面酸化膜を除去した後、水蒸
気によるオートクレーブ処理が施される。
【0082】
【表3】
【0083】更に、チャンネルボックスの他の例として
前述の肉厚一定のものに対し、角部が辺部の肉厚より厚
く、辺部が上部でその下部より薄肉になっている長手方
向肉厚分布を有するものにした。このような成形加工は
熱処理後に行われる。成形加工はマスキングして弗化水
素と硝酸の混酸水溶液による化学エッチング又は機械加
工によって行われ、本実施例では外面側を加工し凹した
ものである。このような肉厚分布は内面側で凹にしても
よい。
【0084】以上の構成によって得られるBWR発電プ
ラントの主な仕様は原子炉温度は288℃であり、稼働
率85%以上、より好ましくは90℃以上、特に好まし
くは92%,熱効率35%が得られるものである。
【0085】〔実施例3〕新型沸騰水型原子力発電用原
子炉(ABWR)への実施例2と同じ本発明の燃料集合
体及び制御棒駆動機構を適用した例を示す。
【0086】原子炉圧力容器は、原子力発電所の中心機
器であり、ABWRでは、特にインターナルポンプを取
り付けるノズル部は、原子炉圧力容器内に温度および圧
力変化が生じても、インターナルポンプの回転機能へ影
響を与えず、また電動機部への熱の伝達が少なくなるよ
うな、スリーブ型の最適形状である。
【0087】また炉内構造物は、インターナルポンプ採
用による流動振動への影響を少なくしている。炉心流量
の計測は、インターナルポンプの部分運転の状態を考慮
して、実験による検証も含めて精度の確保が図られてい
る。タービンに流れる蒸気流量の計測は、原子炉圧力容
器の主蒸気ノズル部に設けたベンチュリ構造によって行
い、計測精度が十分確保されるものである。RPV(原
子炉圧力容器)は、冷却材の圧力バウンダリを構成する
とともに、炉心および圧力容器内部構造物を内蔵し保持
する構能を持つものである。
【0088】従来のRPVでは、燃料集合体764体、
ジェットポンプおよび内部構造物を収納して内径約6.
4m となっているが、ABWRでは燃料集合体が87
2体に増加したこと、インターナルポンプの炉内取り扱
いスペースを確保し内径を約7.1m とした。従来のP
RVの内高さは約22mであるに対し、ABWRでは次
に示す(a)〜(d)の要因によって約21mにした。
【0089】(a)高効率気水分離器の採用によって、
スタンドパイプ長さを短くした。
【0090】(b)FMCRDの採用により、制御棒落
下速度制限器を取り除いた。
【0091】(c)上ぶた・主フランジ構造変更による
上ぶた高さを低くした。
【0092】(d)下鏡の皿型形状の高さを低くした。
【0093】下鏡形状はインターナルポンプの採用に伴
い、インターナルポンプの圧力容器下部への据付け必要
スペースを確保すること、および冷却水の循環流路を考
慮して下鏡形状を従来の半球型から皿型にした。また、
インターナルポンプを一体鍛造とし、溶接線数の少ない
設計とした。
【0094】支持プレートは、インターナルポンプの取
り扱いなどに必要なスペースを確保するとともに、イン
ターナルポンプ用の熱交換器をペデスタル内に設置する
ために胴部に円錐形状とした。
【0095】インターナルポンプの採用に伴い、従来の
プラントの冷却材再循環出力・入口ノズルがなくなるの
で、胴部炉心領域以下に大口径ノズルのないものにし、
大きな冷却材喪失事故を仮定する必要はない。
【0096】従来のプラントでは、流量制限器は主蒸気
管上の隔離弁に至る立下り部分に設置されていたが、こ
れを主蒸気ノズルに設置することにより、主蒸気配管破
断事故に対する安全余裕の向上,格納容器スペースの最
適化を図った。
【0097】炉内構造物は、RPV内にあって、炉内の
支持と冷却材の流路の形成、および炉心で発生した熱
水,蒸気を気水分離する機能などの主要な役目のほか、
仮想事故下での冷却水の炉心注水路の確保など、その性
格上十分な健全性と信頼性が要求されている。
【0098】ABWRプラント用蒸気タービン・発電機
設備の基本仕様は、50Hz用で比較すると、BWRプ
ラントに比較しABWRプラントでは、原子炉熱出力1
9.2%増に対して電気出力23.3%増とした高効率形プ
ラントである。
【0099】本実施例においても実施例2と同様の寿
命,定期点検,稼動率及び熱効率が得られるものであ
る。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、高温水中での中性子吸
収体の耐食性を著しく改善したことにより原子炉制御棒
の原子炉内での使用期間を飛躍的に長くできる。更にそ
の制御棒に生成される酸化膜は緻密で、剥離しにくく安
定であるため使用済みの制御棒の数を少なくできるとと
もに反応度制御能力の長期維持が図られるので、放射能
廃棄物の量を著しく減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化膜厚さとCr量の関係を示す線図。
【図2】酸化膜厚さとSn量の関係を示す線図。
【図3】酸化膜厚さとSn量の関係を示す線図。
【図4】腐食増量とSn+Fe+Cr+Nb量との関係
を示す線図。
【図5】腐食増量と(Sn/Fe)比との関係を示す線
図。
【図6】腐食増量と(Sn/Fe+Cr)比との関係を
示す線図。
【図7】腐食増量と(Sn/Fe+Cr+Nb)比との
関係を示す線図。
【図8】腐食増量とFe又はSn量との関係を示す線
図。
【図9】熱間圧延後の硬さとSn+Fe+Cr+Nbと
の関係を示す線図。
【図10】腐食増量と熱間圧延後の硬さとの関係を示す
線図。
【図11】原子炉用制御棒の部分切断斜視図。
【図12】原子炉制御棒用中性子吸収体の斜視図。
【図13】原子炉制御棒用中性子吸収体の斜視図。
【図14】原子炉炉心の部分断面斜視図。
【図15】制御棒駆動機構を示す斜視図。
【符号の説明】
1,54…制御棒、2…圧力容器、3…モータ、4…中
空ピストン、5…制御棒案内管、6…ハウジング、7…
駆動ピストン、8…水挿入配管、9…ピストン駆動用ネ
ジ、10…水圧駆動ピストン、11…制御棒駆動機構、
12…炉心支持板、13…燃料棒、14…燃料支持金
具、15…チャンネルボックス、16…ローラ、17…
ピン、18…押えピン、22…ハンドル、23…シー
ス、24…タイロッド、25…落下速度リミッタ、26
…カップリングソケット、27…反応度制御材、75…
制御棒案内管。
フロントページの続き (72)発明者 稲垣 正寿 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小泉 章 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量で、Zr0.02〜4.5%及びHf9
    5%以上を有するHf基合金からなり、表面に酸化皮膜
    が形成されていることを特徴とする原子炉制御棒用中性
    子吸収体。
  2. 【請求項2】重量で、Zr0.02〜4.5%と、Cr
    0.01〜1.5%,Fe0.01〜2.0%,Sn0.03
    〜1.5%,Nb0.01〜1.5%及びMo0.01〜
    2.0%の少なくとも1種と、Hf95%以上とを有す
    るHf基合金からなり、表面に酸化皮膜が形成されてい
    ることを特徴とする原子炉制御棒用中性子吸収体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のいずれかにおいて、短冊
    状で筒状の長尺部材によって構成されることを特徴とす
    る原子炉制御棒用中性子吸収体。
  4. 【請求項4】ハンドルと、該ハンドルに接続されたシー
    スと、該シース内に設けられた中性子吸収体と、前記シ
    ースを十字状に植設させるタイロッドと、該タイロッド
    の下方に設けられ原子炉水中での落下速度を制御する落
    下速度リミッタと、該リミッタの下部に設けられたカッ
    プリングソケットとを備えた原子炉制御棒において、前
    記中性子吸収体は請求項1〜3のいずれかよりなること
    を特徴とする原子炉用制御棒。
  5. 【請求項5】原子炉圧力容器内に中性子源パイプ,炉心
    支持板,中性子計装管,制御棒,シュラウド,上部格子
    板,被覆管及びチャンネルボックスを有する燃料集合体
    の構造部品を備えた原子炉において、前記制御棒は請求
    項4よりなることを特徴とする原子炉。
  6. 【請求項6】原子炉圧力容器内に収納された原子燃料に
    よって得られた熱出力で蒸気タービンを回し、該蒸気タ
    ービンの回転によって発電機を駆動し、それによって電
    気出力を得る原子力発電プラントにおいて、前記原子炉
    の熱出力が3200MW以上,原子炉圧力7.0MPa
    以上,原子炉水温度288℃以上、前記電気出力が11
    00MW以上であり、前記原子炉圧力容器内に中性子源
    パイプ,炉心支持板,中性子計装管,制御棒,シュラウ
    ド及び上部格子板の各構成部品を備え、前記制御棒は請
    求項4よりなることを特徴とする原子力発電プラント。
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