JP3218779B2 - 耐中性子照射脆化に優れた構造部材及びそれに用いるオーステナイト鋼とその用途 - Google Patents

耐中性子照射脆化に優れた構造部材及びそれに用いるオーステナイト鋼とその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なオーステナイト鋼
からなる放射線照射下で高温高圧水に接する部材に関わ
り、特に耐粒界水素脆性に優れたオーステナイト鋼とそ
れを用いた新規な原子炉,核融合炉に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、軽水炉の炉心構造物や機器のため
の構造部材にはJIS規格の304または316ステン
レス鋼が用いられており、これらには使用環境中での耐
食性や耐粒界割れ感受性向上のための施策がなされてい
る。例えば、高温水中で使用される鋼中の粒界腐食や粒
界型応力腐食割れ(以下まとめて粒界腐食と呼ぶ)に起
因する粒界割れを軽減又は防止する方法として特公平1
−18143号,特開昭62−238355号,特開昭62−238353号
に開示されているようにステンレス鋼中に含まれる炭素
量を低減し、NbやTiなどのような炭化物安定元素を
添加し、粒界近傍のCr枯渇現象を抑制,防止するもの
がある。また特開昭62−107047号には、中性子照射に起
因する粒界腐食を防止する方法に関して、SiやPを低
減し、Mo,Nb,Tiなどの安定な炭化物を生成する
元素を添加し、Cr炭化物の形成を抑制することが開示
されている。さらに特開平3−72054号には、ステンレス
鋼中において母相の平均原子体積に対するCrの原子体
積の比が0.900〜1.030となるように成分配置を調整し、
照射誘起粒界Cr欠乏層の発生メカニズムを抑制するこ
とが開示されている。これらの技術は、粒界近傍のCr
欠乏層の発生を抑制し、高温高圧水中における耐粒界腐
食性向上を目的に開発され、特に原子炉炉心構造部品
用,核融合炉第一壁用ステンレス鋼に考えられている。
【0003】ところが、これらのステンレス鋼を原子炉
炉心に装荷したところ、高温高圧水環境や中性子照射環
境に起因してステンレス鋼中で発生または侵入した水素
が粒界に集積して粒界脆化を誘発し、粒界割れ感受性を
高めていることがわかった。原子炉炉心で使用されるス
テンレス鋼中には次のようなプロセスに起因して水素が
発生または侵入する。
【0004】(1)鋼中不純物の中性子による(n,p)
核反応。
【0005】(2)γ線による炉水の分解(ラジオリシ
ス)。
【0006】(3)高温高圧水による腐食反応。
【0007】これらのステンレス鋼中水素が粒界に集積
すると、いわゆる水素誘起粒界脆化が生じて部材の粒界
割れ感受性が増大し、耐中性子照射脆性が悪化する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、ス
テンレス鋼中の水素粒界脆化による粒界割れ感受性の増
加に対する配慮がなされておらず、中性子照射下高温高
圧水中での耐粒界割れ性の点で問題がある。
【0009】本発明の目的は、耐中性子照射脆性に優れ
たオーステナイト鋼を提供することにある。
【0010】さらに、本発明の他の目的は、中性子の
(n,p)核反応で発生する水素量を抑制するように化
学成分を調整した中性子照射下で使用されるオーステナ
イト系ステンレス鋼を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、原子炉環境下で鋼中
に発生・侵入した水素を粒内にトラップして、粒界への
集積を抑制するように化学成分を調整したステンレス鋼
を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、軽水炉,重水炉,核
融合炉の炉心およびその周辺機器において、1023n/
2 以上の高速中性子または同等の粒子線照射損傷を受
け、かつ高温水に接する環境下で耐水素脆化粒界割れ感
受性に優れたオーステナイト鉄基合金によって構成され
た上記構造物または機器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、水と接触し、
中性子照射下で使用される部材の少なくとも表面にPd
およびPtの少なくとも一つを含むオーステナイト鋼か
らなることを特徴とし、具体的には重量で、C:0.0
2%以下,Si:1%以下,P:0.02%以下,N:
0.02%以下,Mn:0.5〜16%,Cr:9〜26
%,Ni:8〜20%,Mo:0.5〜3%と、Pt:
0.1〜16%またはPd:0.1 〜16%の少なくと
も一種類、および50%以上のFeを有するオーステナ
イト鋼からなり、該鋼に水素化物を形成しやすい元素を
0.1〜16% 固溶することを特徴とする耐性子照射に
よる耐粒界水素脆性に優れるオーステナイト鋼にある。
【0014】本発明は、重量で、C:0.02%以下,
Si:1%以下,P:0.02%以下,N:0.02%以
下,Mn:0.5〜16%,Cr:9〜26%,Ni:
8〜20%,Mo:0.5〜3%と、Pt:0.1〜16
%またはPd:0.1 〜16%の少なくとも一種類、お
よび50%以上のFeを有するオーステナイト鋼であっ
て、該鋼の母相の平均原子体積に対するCrの原子体積
の比が0.900〜1.030であることを特徴とする耐中性子照
射脆性に優れたオーステナイト鋼にある。
【0015】さらに、本発明は重量で、C:0.02%
以下,Si:1%以下,P:0.02%以下,N:0.0
2%以下,Mn:0.5〜15%,Cr:9〜26%,
Ni:8〜20%,Mo:0.5〜3%,Pt:0.1〜
16%またはPd:0.1 〜16%の少なくとも一種
類、および50%以上のFeを有するオーステナイト鋼
からなることを特徴とする。
【0016】本発明は、前述の鋼にNb,Ti,Hf,
V及びZrの一種又は二種以上を合計で1%以下含有す
ることを特徴とする。
【0017】更に、本発明は全オーステナイト組織を有
するオーステナイト鋼からなり、300℃で5×1026
n/m2 の中性子照射を受けたのち300℃で24時間
高圧水中にて水素を強制注入した上で、室温大気中又は
高温高圧水中で3×10-7/秒の歪速度で引張試験した
ときの粒界破断の面積率が30%を上回らないように
し、特に10%以下とするのが好ましく、前記Pd量又
はPt量の少なくとも一方を16%以下添加することを
特徴とする。
【0018】本発明は、水と接触し、中性子照射下で使
用されるオーステナイト鋼からなる構造部材において、
該部材はその内部に吸収する水素を粒内に形成するよう
することが好ましい。
【0019】本発明は、原子炉圧力容器内に中性子源パ
イプ,炉心支持板,中性子計装管,制御棒挿入パイプ,
シュラウド,上部格子板,燃料集合体用被覆管及びチャ
ンネルボックスの各構成部品を備えた原子炉において、
該原子炉の前記構成部品の少なくとも一つを前述の本発
明に係わるオーステナイト鋼又は中性子照射を受け高温
高圧水に接する表面を前述の本発明の鋼によって構成し
たことを特徴とする原子炉及びその原子炉内構成部品に
ある。
【0020】本発明は、原子炉圧力容器内に中性子源パ
イプ,炉心支持板,中性子計装管,制御棒挿入パイプ,
シュラウド,上部格子板,燃料集合体用被覆管及びチャ
ンネルボックスの各構成部品を備えた原子炉において、
前記構成部品の少なくとも1つが全オーステナイト組織
を有するオーステナイト鋼からなり、300℃で5×1
26n/m2 の中性子照射後、300℃の高温高圧水中
で24時間保持し、室温大気中又は高温高圧水中で3×
10-7/秒の歪速度で引張試験したときの粒界破断の面
積率が30%以下の特性を有することが好ましい。
【0021】本発明は、原子炉圧力容器内に収納された
原子燃料によって得られた熱出力で蒸気タービンを回
し、該蒸気タービンの回転によって発電機を駆動し、そ
れによって電気出力を得る原子力発電プラントにおい
て、前記原子炉の熱出力が3200MW以上,原子炉圧力7.
0MPa 以上,原子炉温度288℃以上、前記電気出
力が1100MW以上であり、前記原子炉圧力容器内に設けら
れた中性子源パイプ,炉心支持板,中性子計装管,制御
棒挿入パイプ,シュラウド及び上部格子板の各構成部品
の少なくとも1つを30年以上無交換で使用可能にする
ことが好ましい。
【0022】本発明は、原子炉圧力容器内に収納された
原子燃料によって得られた熱出力で蒸気タービンを回
し、該蒸気タービンの回転によって発電機を駆動し、そ
れによって電気出力を得る原子力発電プラントにおい
て、前記原子炉の熱出力が4300MW以上,原子炉圧力が
7.2MPa 以上,原子炉温度が288℃以上,前記電
気出力が1,500MW 以上であることが好ましい。
【0023】本発明における原子炉及び原子力発電プラ
ントは前述のオーステナイト鋼との組合せは勿論であ
る。更に、原子力発電の高効率化には蒸気条件を高める
ことが必須であり、そのためには原子炉によって得た蒸
気をガスタービンとの複合サイクルとし、その排熱を用
いて300〜500℃の蒸気とする過熱蒸気を得ること
によって達成される。
【0024】本発明は、水冷構造を有する真空容器内に
プラズマ側にセラミックスタイルが設けられ水冷構造を
有するダイバータ、およびプラズマ側にセラミックスタ
イルが設けられ水冷構造を有する第一壁を備えた核融合
炉において、該核融合炉の前記構成部品の少なくとも一
つ、さらに、水冷構造を有する真空容器,セラミックス
タイルが設けられ水冷構造を有するダイバータ、および
プラズマ側にセラミックスタイルが設けられた水冷構造
を有する第一壁の少なくとも一つを、前述の本発明に係
るオーステナイト鋼によって構成したこと、又は中性子
照射を受け高温高圧水に接する表面を前述の本発明の鋼
によって構成したことを特徴とする核融合炉又は核融合
炉内構成部品にある。
【0025】
【作用】PtおよびPdは、本発明に係わる合金の母相
内に全率固溶する水素を吸蔵する元素であるため、添加
することにより鋼中に発生・侵入した水素と粒内で結合
して粒界への拡散を抑制する。また、いずれの元素もオ
ーステナイト相を安定化する働きがあるが、多量の添加
は加工性の悪化につながる場合がある。また多量の水素
化物を粒内に形成することにより粒内で水素割れを誘発
する恐れがある。よって、PtおよびPdの過剰の添加
は避けるべきであり、これらの問題がない範囲として、
0.1 〜16%とした。5〜12%が好ましく、特に7
〜10%が好ましい。さらに、PtおよびPdの原子体
積比は41〜45%(ただしNi中)とオーバーサイズ原
子であるため、母相の平均原子体積を上昇させる作用が
あり、Crの原子体積比を0.900〜1.030に調整
して照射誘起粒界Cr欠乏層発生メカニズムの抑制に寄
与する。
【0026】Crは高温水中での粒界の耐食性を向上す
る働きがあるが、9%未満では不十分であり、26%を
越えるとσ相を形成しやすく機械的性質が悪化するの
で、9%〜26%とすべきである。14.5% 〜22%
が好ましく、特に17%〜20.6%が好ましい。
【0027】NiとMnは合金中でオーステナイト組織
を得るために必要な元素であり、中性子照射下で用いる
合金は照射脆化の観点から、オーステナイト相安定であ
ることが望ましい。特にNiは最低8%が必要であり、
Mnは16%以下で添加すべきである。ただし、過剰の
Ni,Mnの添加は強度低下や脆化相の析出を誘発する
ため好ましくない。よって、先に述べた母材のオーステ
ナイト組織安定の効果を満たす添加量としてNi:8〜
20%,Mn0.5 〜16%が好ましく、特にNiは1
0〜14%が好ましい。
【0028】MnとPd及びPt量とは相互関係があ
り、図6に示すようにこれらはA(0.5%,16%),B
(0.5%,10%),(10%,0.1%),D(16
%,0.1%),E(16%,7%),F(6%,16
%)で囲まれた範囲が好ましく、更にMn量3〜12%
とPd又はPt量4〜12%とし、更にMn3〜7%と
Pd又はPt8〜12%,Mn8〜12%とPd又はP
t3〜7%との組合せが好ましい。
【0029】Feは本合金のベースとなる元素で、今ま
での炉心材料の使用実績から50〜70%が好ましく、
特に50〜65%、より52〜60%が好ましい。
【0030】Moは高温水中での耐食性向上の見地か
ら、3%以下添加するとよい。しかし、3%を越えると
σ相の生成を促進して機械的性質を著しく損なう。特
に、1.0〜2.5% が好ましい。
【0031】Ti,Nb,Ta,Hf,V,Zrのこれ
らの元素は中性子照射かでの耐食性,耐照射脆性に有効
である。特に微細な炭化物を形成して、Cr炭化物の析
出を防止し、粒界近傍のCr濃度低下を防止できる。し
かしこれらの元素のFe−Ni−Cr合金への固溶限界
を考慮し、かつ十分な添加効果が得られる添加量とし
て、Nb,Ti,Ta,Hf,VおよびZrの一種また
は二種以上を1.0 %以下添加することが好ましく、特
に0.1〜0.6%が好ましい。
【0032】Cは中性子照射および加熱によりCrと反
応して粒界近傍にCr炭化物を析出し、粒界のCr濃度
を低下させる。粒界Cr欠乏層の形成は粒界の耐食性を
低め、応力腐食割れを生じるので、できるだけ低い方が
よいが、強度を高める0.03%以下とすべきである。しか
し、0.002% 以下の非常に低いものでは強度を低
め、耐照射脆性が悪化するので、好ましくない。従っ
て、0.003% 以上含めるのが好ましく、特に0.0
08〜0.020%が好ましい。
【0033】P,Sのこれらの元素は不可避な不純物と
して含有される。これらの不純物は照射誘起粒界偏析メ
カニズムにより粒界に集積し、粒界の耐食性を著しく損
なう。よってPは0.05%以下,Sは0.003%以下
が好ましい。Siは中性子照射,高温高圧水環境下です
き間腐食感受性を抑制する働きがあり、さらに製鋼の工
程で脱酸素剤として働くため1%以下とし、特に0.0
5〜1.0%とすることが好ましい。以上、中性子照射
による照射脆化や工業的プロセスを考慮すると、Siは
0.3〜0.6%、Pは0.01%以下、Sは0.002%
以下がより好ましい。
【0034】Nは熱中性子による(n,p)で、ステン
レス鋼中の水素の発生源として働くためこれら水素が粒
界に集積し、中性子照射下での耐照射脆性の点で好まし
くない。しかし、0.003% 以下の非常に低いもので
は強度を低め、耐照射脆性が悪化するので、好ましくな
い。従って、0.02%以下が好ましく、特に0.01%
以下、より0.005〜0.008%が好ましい。
【0035】以上のような成分を有するオーステナイト
鋼は溶解,鍛造,鋳造および溶体化処理を経て製造され
るが、溶解の雰囲気は真空が好ましい。また製造の工程
で、粗大な析出相、例えば炭化物やσ相等が形成する。
これを抑制するために、1050℃前後の温度で溶体化した
後、50%以下の冷間圧延と950〜1050℃の温度
で焼鈍を一回以上繰り返すことで粗大な析出相の形成を
抑制することができ、加工性の向上が計れる。本発明に
係る鋼は全オーステナイト相の均一な固溶体とすること
が好ましい。
【0036】さらに軽水炉,重水炉,核融合炉の炉心構
造物を作製する過程においても950〜1050℃の温度
で焼鈍を1回以上繰り返すことで粗大な析出相の形成を
抑制することが出きる。
【0037】以上のような鋼中に発生する水素を鋼の結
晶粒内に形成する合金元素を含有させることにより耐中
性子照射性の高いオーステナイト鋼を用いて作製された
構造物や機器は、軽水炉,重水炉,核融合炉炉心中で1
23n/m2 以上の中性子照射を受け、高温高圧純水に
接する環境に置かれた場合、従来のJIS304,316系ステン
レス鋼に比べ、優れた耐食性を示すことが期待される。
【0038】本発明の鋼はその成分にPtやPdといっ
た、鋼中で水素との結合力の強い元素を固溶させたもの
である。また、母相の平均原子体積に対するCrの原子
体積の比を0.900〜1.030とすることにより粒界
でのCr量の低下を防止できる。0.900 以下ではP
tもしくはPdを大量に含むこととなり、核置性,機械
的強度および靭性が低下するので好ましくなく、加えて
大量のPtもしくはPdは水素の粒内への過剰な蓄積を
引き起こすため、粒内での水素割れを誘発する恐れがあ
る。一方、1.030 を越えると中性子照射によって粒
界Cr濃度が母相の濃度を下回り、応力腐食割れを生じ
るので好ましくなく、加えて水素の粒内へのトラップ効
果が期待できない。上記の条件を満たすためにPtまた
はPdを0.1 〜16%添加すべきである。
【0039】本発明の鋼は室温における耐力が18kg/
mm2 以上,引張強さが49kg/mm2以上,伸び率40%
以上,絞り率60%以上,ヴィッカース硬さ200以下
が好ましく、特に、耐力25〜50kg/mm2,引張強さ
55〜80kg/mm2,伸び率40〜75%が好ましい。
【0040】本発明に係る鋼を前述のBWR原子炉内構
造物に用いることにより原子炉内構造物を交換すること
なく30年以上使用することができ、特に40年間同様
に使用できる。特に、原子炉として熱出力3,200MW以
上,炉圧力7.0MPa以上,温度288℃以上である
大容量に対して長期にわたる使用において有効である。
【0041】更に、本発明に係る鋼を同様に用いたAB
WR原子炉においては熱出力4300MW以上,炉圧力7.2
MPa 以上,温度288℃以上とし、電気出力を1500M
W以上の大容量化が達成できるものである。更に、この
ABWRにおいても前述の構造材を無交換で30年以上
の使用が可能となるものである。
【0042】特に、本発明に係る鋼を用いることにより
定検時被曝量を20 msv/人年以下,定検期間を30日
以内,稼働率90%以上,熱効率35%以上,ボイド係
数−2.8〜−4.2%,取出燃焼度45〜70GWd/
tとすることが可能である。
【0043】
【実施例】
実施例1 表1は本発明及び従来鋼に係わる合金の化学組成(重量
%)を示し、これらについて(1)〜(5)の実験を行っ
た。これらの鋼は、真空溶解後、熱間鍛造および熱間圧
延を施し、1050℃で溶体化処理後、所望の試験片厚
さまで冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終的に1050℃
30分の溶体化処理を行ったものである。また、No.1
5,16,17はそれぞれJIS304,316ステンレス鋼およ
びFe−15%Mn−10%Ni−23%Cr鋼の従来
の材料である。
【0044】(1)1050℃,30分間の溶体化処理し
た供試材を温度300℃で照射量5×1026n/m2
で中性子照射し、オートクレーブを用いて温度300℃
×24h高温高圧水にて水素を強制注入した。その後、
室温大気中雰囲気で、3×10-7/秒の歪速度で引張試
験した。試験後、走査型電子顕微鏡を用いて破断面を観
察し、粒界破断した部位の面積の小さいものを高温高圧
水中での耐食性と耐水素割れ感受性に優れる供試材とし
た。
【0045】(2)(1)と同様の溶体化,中性子照射およ
び水素の強制注入を施した供試材を、288℃高温高圧
水雰囲気で、3×10-7/秒の歪速度で引張試験した
後、走査型電子顕微鏡を用いて破断面を観察し、粒界破
断した部位の面積の小さいものを高温高圧水中での耐食
性と耐水素割れ感受性に優れる供試材とした。
【0046】(3)母相の平均原子体積に対するCrの原
子体積の比(Volume Size Factor:VSF)の計算を行
った。やり方は次のとおりである。γ−Fe,Cr,N
i,Mn,Pdの各々の原子半径は1.26,1.29,
1.25,1.49,1.36Aであり、これらの各元素
の原子1個の体積を求め、この値に各元素の含有量(重
量%)をかけた総和を100で割って母材の平均原子半
径とした。Niは5〜10%の範囲とし、全オーステナ
イト組織となるように、Ni当量とCr当量とのシェフ
ラー状態図で示されるフェライト量0%線上のNi当量
となるようなNi当量とした。C,Si,SおよびPは
微量不純物元素であるので、計算上は考慮しなかった。
【0047】
【表1】
【0048】(4)1050℃,30分間の溶体化処理し
た供試材を温度300℃で照射量5×1026n/m2
で中性子照射し、照射後、粒界のCr濃度をエネルギー
分散型X線分析装置を用いて分析した。
【0049】(5)本発明鋼と従来鋼のオーステナイト相
安定性はフェライトスコープを用いて比較した。
【0050】図1及び図3は(1)の実験の結果を、粒界
破断面の面積率とPd及びPt添加量の相関でまとめた
ものである。照射材・未照射材ともにPd及びPt添加
量の増加に伴って粒界破断面の面積率が低下しているこ
とがわかる。これは、従来鋼では鋼中に侵入した水素が
粒界に集積したため高い水素割れ感受性を呈したが、本
発明鋼では鋼中のPdもしくはPtが水素を粒内にトラ
ップし、粒界への拡散と集積を抑制したため粒界割れが
低下したことを示す。
【0051】図2及び図4は(2)の実験の結果を、粒界
破断面の面積率とPdもしくはPt添加量の相関でまと
めたものである。図1及び図3と同様、照射材・未照射
材ともにPdもしくはPt添加量の増加に伴って粒界破
断面の面積率が低下していることがわかる。これは前述
に示した粒界水素割れ感受性の低下とともに、照射によ
る粒界Cr欠乏層の発生が抑制されたため、従来鋼より
もよい耐食性を呈したことを示す。
【0052】これらの図からPdの添加量が2%以下で
の明確な効果はあらわれていないが、0.5% で十分な
効果を有し、1%では相当大きな効果を有する。特に、
Ptでは0.1% でも大きく効果を有する。
【0053】図5は(3)の実験の典型的な結果の例とし
てNo.6および10の供試材と比較材としてのJIS304ス
テンレス鋼の粒界のCr濃度の結果を示す。従来材では
粒界近傍で生地18%から12%まで約6%のCr欠乏
が生じている。一方、本発明のPd添加鋼No.6および
10ではCr欠乏層の発生は観察されず、むしろNo.1
0では粒界でCrの濃化が生じていることがわかる。N
o.6および10は、Pdの添加効果によりCrのVSF
が0.997および0.954といずれも1以下となった
ため、照射欠陥の形成と拡散にともなって粒界にCrが
集積したからである。
【0054】表2は、(1)〜(5)の実験を表1に記載し
た供試材に施した結果を示す。本発明鋼への水素割れ感
受性試験において、中性子照射前および照射後いずれに
おいても従来鋼の結果に比べ良好であった。さらに、高
温水中における耐食性試験において、中性子照射前およ
び照射後いずれにおいても従来鋼の結果に比べ良好であ
った。以上のことよりPdもしくはPtはステンレス鋼
の粒界水素割れ感受性を低減する働きがあり、したがっ
て原子炉炉心環境下での中性子照射脆化改善効果が期待
できる。
【0055】
【表2】
【0056】表1に示すとおり、本発明鋼No.1〜14
はVSF値が1.03 以下と小さく、従来鋼のNo.15
および16のそれはいずれも1.056 以上の高い値を
示している。
【0057】VSFが0.995 以下である本発明鋼N
o.7〜11及び13,14は粒界におけるCr濃度が約
2重量%増加していることから、中性子照射下における
耐SCCに関する改善が期待できる。また、VSFが
0.997〜1.015の本発明鋼No.1〜6は粒界のC
r濃度変化がわずかで、中性子照射下におけるSCC感
受性の改善が期待できるが、ほんのわずか低下する傾向
が見られる。したがって、照射下で粒界のCr欠乏層を
確実に抑制するためにはVSF値を0.995以下にす
ることが望ましい。従来鋼のVSF値が1.05 以上の
ものはいずれも粒界のCr濃度が7重量%減少してお
り、中性子照射下・高温高圧水環境下でSCCを生じる
と考えられる。
【0058】相安定性試験では、本発明鋼はSUS304また
は316鋼などの従来鋼と同程度にオーステナイト相が
安定であり、照射脆化や機械的性質の点で従来材と同程
度かそれ以上の特性が期待できる。
【0059】本実施例に関わる鋼の室温における耐力は
18kg/mm2 以上,引張強さは49kg/mm2 以上,伸び
率は40%以上,絞り率は60%以上,ヴィッカース硬
さは200以下であった。
【0060】実施例2 軽水炉の炉心で用いられている部材は、中性子照射を受
け、さらに炉水と接している表面部分から腐食反応が進
行して照射脆化を加速することが考えられる。そこで、
オーステナイトステンレス鋼や低合金鋼などの原子炉を
構成している既存の鉄鋼材料の表面から深さ0.1 〜1
mmの領域を、次にあげるような方法で改質または合金化
することによって、既存材料の表面部分の耐照射脆性を
改善することができ、既存材料の照射脆化を表面部分で
食い止めることができる。
【0061】(1)改質したい材料の表面に本発明鋼もし
くはPt,Pdの箔をはり付け、かつレーザー光を用い
た局所的に入熱する方法で表面から1mm以内の領域を溶
融して所望の合金成分に改質する。
【0062】(2)所望の成分の合金で溶接棒を作製し、
TIG溶接法により改質したい材料の表面から1mm以内
の厚さに均一に肉盛して所望の合金成分領域を形成す
る。
【0063】(3)改質したい材料の表面に1mm以内の厚
さとなるようにメッキを施し、熱処理による拡散接合,
溶融によって表面を合金化する。
【0064】軽水炉炉心構造物のうち、シュラウドは燃
料棒や中性子計装管,制御棒などの炉心機器を保持する
機能を果たしており、構造上取り替え施工のむずかしい
最も重量な構造物の一つである。軽水炉ではシュラウド
は304もしくは316Lステンレス鋼で製造されてい
るが、これらが長期間にわたって中性子照射量を受ける
高温高圧水中下で用いられるうちに、炉水と接する表面
から中性子照射による脆化が進行することが懸念され
る。そこで前述に示したように、シュラウドの全部また
は特に脆化の著しい一部分の表面に本発明鋼もしくはP
t,Pdの箔をはり付け、かつレーザー光を用いた局所
的に入熱する方法で表面から1mm以内の領域を溶融して
所望の合金成分に改質することで、従来から使用されて
いる取り替え施工のできない構造物の耐食性を向上する
ことができる。また中性子源パイプは中性子源パイプの
比較的容易に取り替えることのできる構造物や機器につ
いても、従来の材料の表面に本発明鋼もしくはPt,P
dの箔をはり付け、かつレーザー光を用いた局所的に入
熱する方法で表面から1mm以内の領域を溶融して所望の
合金成分に改質することにより、本発明に関わる合金で
製造したのと同様の耐食性の向上が計れる。この方法は
シュラウドや中性子源パイプの外,炉心支持板,中性子
計装管,制御棒,上部格子板,燃料集合体用チャンネル
ボックス,スプレイノズル,ベントノズル,圧力容器
蓋,圧力容器フランジ,計測用ノズル,気水分離器,シ
ュラウドヘッド,給水入口ノズル,ジェットポンプ,再
循環水出口ノズル,蒸気乾燥器,蒸気出口ノズル,給水
スパージャ,炉心スプレイノズル,下部格子板,再循環
水入口ノズル,バッフル板,制御棒案内管などの軽水炉
々心構造物,炉心機器にも適用でき、同様の耐食性の向
上が計れる。併せて、水冷却方法を用いたトカマク型核
融合炉の炉心構造物,炉心機器であるダイバータ,第1
壁,冷却パネル,真空容器などにも適用でき、同様の耐
食性の向上が計れる。また、前述の(2),(3)の施工方
法は(1)の方法と等価な耐食性向上の効果が期待でき
る。
【0065】実施例3 図7は沸騰水型軽水炉(BWR)炉心部の概略断面斜視
図である。図において、1:中性子源パイプ、2:炉心
支持板、3:中性子計装管、4:制御棒、5:炉心シュ
ラウド、6:上部格子板である。これらの構造物および
機器は軽水炉々心を構成するもので、中性子照射量が多
く、また、288℃,7MPaの高温高圧水中下で用い
られている。これらの構造物および機器を本発明に関わ
る鋼で作製することにより、中性子照射下での粒界水素
割れ感受性を低減することができ、耐照射脆性の向上が
計れる。これら構造物および機器に使用する部品等に本
発明に関わる鋼を使用することで、同様の効果が期待で
きる。さらに沸騰水型以外の加圧水型原子炉の炉心部用
構造物および炉心機器に本発明に関わる鋼を用いること
で、同様の効果が期待できる。
【0066】炉心は上述の機器により構成される他、以
下の構成を有する。7:燃料集合体、8:スプレイノズ
ル、9:ベントノズル、10:圧力容器蓋、11:圧力
容器フランジ、12:計測用ノズル、13:気水分離
器、14:シュラウドヘッド、15:給水入口ノズル、
16:ジェットポンプ、17:再循環水出口ノズル、1
8:蒸気乾燥器、19:蒸気出口ノズル、20:給水ス
パージャ、21:炉心スプレイノズル、22:下部格子
板、23:再循環水入口ノズル、24:バッフル板、2
5:制御棒案内管。
【0067】図8は中性子源パイプの一部断面斜視図
で、本実施例では表1に示すNo.9の合金を用いて製造
した。本パイプはパイプ部分は熱間にてシームレス管と
し、上部の棒の部分と下部の厚肉部分は熱間鍛造及び熱
処理とも実施例1と同じ製造工程によって得た。接合部
はいずれも電子ビーム溶接によって接合した。
【0068】図9は円形の上部格子板6の切断面の断面
図及び図10は円形の炉心支持板2の切断面の断面図で
ある。これらの構造物は同じく表1に示すNo.9の合金
を用い、実施例1に示す製造法による熱間圧延及び熱処
理によって得た板を用いて溶接によって製造したもので
ある。
【0069】図11は中性子計装管3を示す炉心部断面
拡大図である。中性子計装管は原子炉圧力容器下鏡に溶
接接続されたハウジングに溶接によって接続される。本
実施例では同じく表1に示すNo.9の合金を用い、シー
ムレスの中性子計装管が熱間によって製造され、実施例
1に記載の最終熱処理が施されたものである。
【0070】図12は制御棒の斜視図であり、本実施例
ではシース及びB4C チューブに表1に示すNo.9の合
金を用いた。B4C チューブは熱間によって素管を作っ
た後、ピルガーミルによって冷間圧延と焼鈍とを繰返し
て得た。またシースは冷間圧延と焼鈍を繰返し薄板とし
た後、溶接によって得た。
【0071】図13は燃料集合体7の部分断面図であ
る。燃料集合体7の主な構成は燃料棒51,ウォータロ
ッド52,チャンネルボックス54,上部タイプレート
55,下部タイプレート56,スペーサ57及びハンド
ル61からなり、結合するためのボルト及びナットが多
数使用される。これらの構成部品に本発明の合金を用い
ることができる。ハンドル,上部及び下部タイプレート
の構造材は熱間鍛造後に溶体化処理が施され、チャンネ
ルボックス及びスペーサの薄板は熱間圧延後に溶体化処
理し、冷間圧延と焼鈍をくり返し製造され、燃料棒の被
覆管及びウォータロッドの薄肉管はピルガーミルによっ
て製造される。
【0072】図14は燃料棒の部分断面図であり、被覆
管64及び端栓67ともに本発明に係る合金が用いられ
る。
【0073】以上の構成によって得られるBWR発電プ
ラントの主な仕様は表3に示す通りである。本実施例に
よれば、本発明に係る合金によって構成した各部材はい
ずれも30年無交換で使用可能となり、更に検査によっ
て40年で無交換で使用できる見通しが得られた。原子
炉温度は288℃であり、12ケ月運転で50日以内で
の定期点検がくり返し実施される。
【0074】
【表3】
【0075】実施例4 図14は改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の断面図で
ある。
【0076】原子炉圧力容器は、原子力発電所の中心機
器であるが、ABWRでは、特にインターナルポンプ2
6を取り付けるノズルの構造がBWRにはないものであ
る。このノズル部は、原子炉圧力容器内に温度および圧
力変化が生じても、インターナルポンプ26の回転機能
へ影響を与えず、また電動機部への熱の伝達が少なくな
るような、スリーブ型の最適形状としている。
【0077】炉心流量の計測については、インターナル
ポンプ26の部分運転の状態をも考慮して、実験による
検証も含めて精度の確保が図られている。また、タービ
ンに流れる蒸気流量の計測は、原子炉圧力容器の主蒸気
ノズル部に設けたベンチュリ構造によって行うが、計測
精度が十分確保される、27は支持スカート(円錐型)、
28は高圧炉心注水スパージャである。
【0078】RPV(原子炉圧力容器)は、冷却材の圧
力バウンダリを構成するとともに、炉心および圧力容器
内部構造物を内蔵し保持する機能を持つものである。
【0079】(1)圧力容器内径の増大 BWRのRPVでは、燃料集合体764体,ジェットポ
ンプおよび内部構造物を収納して内径約6.4m となっ
ていたが、ABWRでは燃料集合体が872体に増えた
こと、インターナルポンプの炉内取り扱いスペースを確
保したことから、内径が約7.1m となっている。
【0080】(2)圧力容器内高の縮小 BWRのRPVの内高は約22mであるのに対し、AB
WRでは次に示す(a)〜(b)の要因によって約21mに
なっている。
【0081】(a)高効率汽水分離器の採用によって、ス
タンドパイプ長さが短くなったこと。
【0082】(b)FMCRDの採用により、制御棒落下
速度制限器が不要になったこと。
【0083】(c)上ぶた・主フランジ構造変更による上
ぶた高さの減少。
【0084】(d)下鏡の皿型形状採用による高さの減
少。
【0085】(3)下鏡形状の変更 インターナルポンプの採用に伴い、インターナルポンプ
の圧力容器下部への据付け必要スペースを確保するこ
と、および冷却水の循環流路を考慮して下鏡形状をBW
Rの半球型から皿型にしている。また、インターナルポ
ンプノズルを一体鍛造とし、溶接線数の増大のない設計
としている。
【0086】表4に炉内構造物の項目を前述のBWRと
対比して示す。
【0087】炉内構造物は、RPV内にあって、炉心の
支持と冷却材の流路の形成、および炉心で発生した熱
水,蒸気を汽水分離する機能などの主要な役目のほか、
仮想事故下での冷却水の炉心注水路の確保など、その性
格上十分な健全性と信頼性が要求されている。
【0088】
【表4】
【0089】ABWRについて前述のBWRに対して異
なる点を述べたが、本実施例のABWRにおける他の構
成部品は前述のBWRと同様に製造した。
【0090】以上の構成によって得られるABWR発電
プラントの主な仕様は表5に示す通りである。本実施例
によれば、本発明に係る合金によって構成した各部材は
いずれも大容量化に対応でき、各部材はいずれも30年
無交換で使用可能の見通しが得られた。原子炉の温度は
288℃であり、12ケ月運転で40日以内での定期点
検がくり返し実施され、40年での無交換運転も可能で
あると考えられる。
【0091】
【表5】
【0092】実施例5 実施例4のABWRのさらに大容量化を図った例であ
り、基本構造はほぼ同じである。容量の主な仕様は、炉
熱出力4500MW,電気出力1600MW,炉圧力7.3MPa,
温度288℃である。本実施例に示すようにより高圧化
に伴って水素吸収による脆化が問題になるが、前述と同
様に圧力容器内の各部材を実施例1と同様の合金を用い
ることによって脆化の心配がなく長期にわたって安全に
運転が可能である。
【0093】実施例6 図15は、本発明鋼を用いたトーラス型核融合装置の概
要を縦断面図にて示したものである。図において、ペー
ス31上にプラズマ33の加熱及び制御を行うポロイダ
ル磁場コイル34とダイバータコイル35、及びプラズ
マ33を閉じ込めるトロイダル磁場コイル36の内側に
中空ドーナッ型の真空容器37内に、例えばヘリウムの
ような冷却剤を供給して熱交換するブランケット38の
内側に、燃料として重水素若しくは三重水素を入れてプ
ラズマ33を生成するとともに、上記真空容器37の下
部37aに遮蔽筒体39に嵌装し、この遮蔽筒体39の
内側に上記ダイバータコイル35に接続され、冷却管ヘ
ッダー40に支持された各ダイバータ板41にプラズマ
33より引出されたプラズマの一部33a(He等の不
純物)を当て、さらに上記遮蔽筒体39の開口部39a
に排気管42を介して排気ポンプ43を設け、上記排気
管42の上位の上記真空容器7に中性粒子入射装置44
を設置したものである。
【0094】核融合装置は水冷構造を有する真空容器3
7内に重水素等を入れておき、他方、上記ポロイダル磁
場コイル34,ダイバータコイル35及びトロイダル磁
場コイル36に電流を供給し、上記真空容器37内の重
水素等をプラズマ33に置換すると共に、真空容器37
内に中性粒子入射装置44で中性粒子を照明してプラズ
マ33を2次加熱し、このプラズマ33に生じた熱エネ
ルギーをブランケット38内に流れる冷却剤と熱交換
し、この熱交換した冷却剤を装置外に取出して、これに
より、例えばタービンを駆動し得るものである。また一
方、真空容器37内のプラズマ3のスパッタリングによ
り生じる不純物は、プラズマ発生効率を低減させるばか
りでなく、真空容器37の表面を高熱による損傷する原
因となるので、この損傷の原因となる不純物を除去する
ためにダイバータ板41が設けられており、ダイバータ
板41に不純物を当てて除去するものである。ブランケ
ット38の内側には第1壁46が設けられ、水冷却され
る金属ベース47にセラミックタイル48がメタル接合
されたものとなっている。
【0095】図16はダイバータ板41の概要を示すも
のである。図において、ダイバータ板41はプラズマか
ら大きな熱負荷と、ダイバータ板41に発生するうず電
流が大きな電磁力となって作用する。ダイバータ板41
は、長尺の板が複数トーラス方向に並び、冷却管ヘッダ
ー40とサブヘッダー40a及びダイバータ板41の下
面に取付けた支持架台45により支持されている。ま
た、ダイバータ板41は複数枚を1ブロックとし、トー
ラス方向に複数個のブロックにより構成されている。各
ブロックは水冷却される金属ベース47にセラミックタ
イル48が結合した構造を有する。セラミックスタイル
48は0.2cal/cm・sec・℃ 以上の高熱伝導性を有す
るものが好ましく、特にSiCにBe又はBe化合物を
0.2 〜2重量%以下含む焼結体、AlN又はこれに前
述のBe化合物と同様に含む焼結体を用いるのが好まし
い。
【0096】本実施例において、ダイバータ41,真空
容器37及び第1壁46はいずれも多量の中性子、およ
びプラズマから漏洩する種々の粒子線の照射を受け、ま
た冷却のために水と接する構造になっており、高温水と
接触することになる。これらの構造物の金属ベースに表
1のNo.9に関わる鋼で作製することにより、中性子照
射下での粒界水素割れ感受性を低減することができ、耐
照射脆性の向上が計れる。
【0097】これらの構造物はいずれも実施例1に示す
熱間圧延した後、冷間圧延と焼鈍を繰返した後、同様に
1050℃,30分の溶体化処理を行い、全オーステナ
イト相からなるものである。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、1023n/m2 以上の
高速中性子の照射を受け、かつ高温水または高温高圧水
に接する環境で使用する構造物または機器の粒界水素脆
化に起因する照射脆性を改善することができ、原子炉構
造物および機器、さらに核融合炉真空容器およびその中
の構造物および機器に本発明に関わる鋼を使用すること
により、高い信頼性が得られるとともに使用条件のアッ
プが計られる効果を有する。
【0099】本発明によれば、原子炉及び核融合炉にお
いて長期の運転ができ、大容量原子力発電プラントが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Pd量と粒界破面率との関係を示す線図。
【図2】Pd量と粒界破面率との関係を示す線図。
【図3】Pt量と粒界破面率との関係を示す線図。
【図4】Pt量と粒界破面率との関係を示す線図。
【図5】粒界Cr濃度を示す線図。
【図6】Mn量とPd又はPt量との関係を示す線図。
【図7】BWR原子炉の部分断面斜視図。
【図8】中性子源ホルダの部分断面図。
【図9】上部格子板の正面図。
【図10】炉心支持板の正面図。
【図11】中性子計装管の断面図。
【図12】制御棒の部分断面斜視図。
【図13】燃料集合体の断面図。
【図14】燃料棒の部分断面図。
【図15】ABWR原子炉の断面図。
【図16】核融合炉の断面図。
【図17】ダイバータの斜視図。
【符号の説明】
1…中性子源パイプ、2…炉心支持板、3…中性子計装
管、4…制御棒、5…炉心シュラウド、6…上部格子
板、7…燃料集合体、13…気水分離器、16…ジェッ
トポンプ、18…蒸気乾燥器、26…インターナルポン
プ、64…燃料被覆管。
フロントページの続き (72)発明者 池田 伸三 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 菅野 正義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平5−179407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 G21B 1/00 G21C 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水と接触し、中性子照射下で使用される部
    材の少なくとも表面が、重量でC:0.02%以下,S
    i:1%以下,P:0.02%以下,N:0.02 %以
    下,Mn:0.5〜15%,Cr:9〜26%,Ni:
    8〜20%,Mo:0.5〜3%と、Pt:0.1〜15
    %及びPd:0.1〜15%の少なくとも一種類とを含
    み、残部が50%以上のFeからなり、全オーステナイ
    ト組織を有し、母相の平均原子体積に対するCrの原子
    体積の比が0.900〜1.030であるオーステナイト
    鋼で構成されていることを特徴とする耐中性子照射脆性
    に優れた構造部材。
  2. 【請求項2】重量で、C:0.02%以下,Si:1%
    以下,P:0.02%以下,N:0.02%以下,Mn:
    0.5〜15%,Cr:9〜26%,Ni:8〜20
    %,Mo:0.5〜3%と、Pt:0.1〜15%及びP
    d:0.1 〜15%の少なくとも一種類とを含み、残部
    が50%以上のFeからなり、全オーステナイト組織を
    有し、母相の平均原子体積に対するCrの原子体積の比
    が0.900〜1.030であることを特徴とする耐中性子照
    射脆性に優れたオーステナイト鋼。
  3. 【請求項3】重量で、C:0.02%以下,Si:1%
    以下,P:0.02%以下,N:0.02%以下,Mn:
    0.5〜15%,Cr:9〜26%,Ni:8〜20
    %,Mo:0.5〜3%と、Pt:0.1〜15%及びP
    d:0.1〜15%の少なくとも一種類と、Nb,T
    i,Zr,Ta,HfおよびVの少なくとも一種類1.0
    以下とを含み、残部が50%以上のFeからなり、全
    オーステナイト組織を有し、母相の平均原子体積に対す
    るCrの原子体積の比が0.900〜1.030であるこ
    とを特徴とする耐中性子照射脆性に優れたオーステナイ
    ト鋼。
  4. 【請求項4】原子炉圧力容器内に中性子源パイプ,炉心
    支持板,中性子計装管,制御棒挿入パイプ,シュラウ
    ド,上部格子板,燃料集合体用被覆管及びチャンネルボ
    ックスの構成部品を備えた原子炉において、前記構成部
    品の少なくとも一つが、重量でC:0.02%以下,S
    i:1%以下,P:0.02%以下,N:0.01 %以
    下,Mn:0.5〜15%,Cr:9〜26%,Ni:
    8〜20%,Mo:0.5〜3%と、Pt:0.1〜15
    %及びPd:0.1 〜15%の少なくとも一種類と、N
    b,Ti,Zr,Ta,HfおよびVの一種又は二種以
    上の合計量1.0%以下(0%を含む)、および残部が
    50%以上のFeからなり、全オーステナイト組織を有
    し、母相の平均原子体積に対するCrの原子体積の比が
    0.900 〜1.030であるオーステナイト鋼からな
    ることを特徴とする原子炉。
  5. 【請求項5】中性子源パイプ,炉心支持板,中性子計装
    管,制御棒挿入パイプ,シュラウド,上部格子板,燃料
    集合体用被覆管及びチャンネルボックスの構成部品を備
    えた原子炉において、前記構成部品の少なくとも一つ
    が、重量でC:0.02 %以下,Si:1%以下,P:
    0.02%以下,N:0.01%以下,Mn:0.5 〜1
    5%,Cr:9〜26%,Ni:8〜20%,Mo:
    0.5〜3%と、Pt:0.1〜15%及びPd:0.1
    〜15%の少なくとも一種類と、Nb,Ti,Zr,T
    a,HfおよびVの一種又は二種以上の合計量1.0%
    以下(0%を含む)、および残部が50%以上のFe
    らなり、全オーステナイト組織を有し、母相の平均原子
    体積に対するCrの原子体積の比が0.900〜1.03
    0であるオーステナイト鋼からなる表面層を有すること
    を特徴とする原子炉。
  6. 【請求項6】水冷構造を有する真空容器内にプラズマ側
    にセラミックスタイルが設けられ水冷構造を有するダイ
    バータ、およびプラズマ側にセラミックスタイルが設け
    られ水冷構造を有する第一壁の構成部品を備えた核融合
    炉において、前記構成部品の少なくとも一つが、重量で
    C:0.02%以下,Si:1%以下,P:0.02%以
    下,N:0.01%以下,Mn:0.5〜15%,Cr:
    9〜26%,Ni:8〜20%,Mo:0.5〜3%、
    Pt:0.1 〜15%またはPd:0.1〜15%の少
    なくとも一種類、Nb,Ti,Zr,Ta,Hfおよび
    Vの少なくとも一種1.0%以下(0%を含む)及び
    部が50%以上のFeからなり、全オーステナイト組織
    を有し、母相の平均原子体積に対するCrの原子体積の
    比が0.900〜1.030であるオーステナイト鋼からなる
    ことを特徴とする核融合装置。
  7. 【請求項7】水冷構造を有する真空容器,セラミックス
    タイルが設けられ水冷構造を有するダイバータ、および
    プラズマ側にセラミックスタイルが設けられ水冷構造を
    有する第一壁の少なくとも一つが、重量でC:0.02
    %以下,Si:1%以下,P:0.02%以下,N:0.
    01%以下,Mn:0.5 〜15%,Cr:9〜26
    %,Ni:8〜20%,Mo:0.5〜3%、Pt:0.
    1〜15%またはPd:0.1 〜15%の少なくとも一
    種類、Nb,Ti,Zr,Ta,HfおよびVの一種又
    は二種以上の合計量1.0%以下(0%を含む)及び
    部が50%以上のFeからなり、全オーステナイト組織
    を有し、母相の平均原子体積に対するCrの原子体積の
    比が0.900〜1.030であるオーステナイト鋼から
    なる表面層を有することを特徴とする核融合装置。
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