JP3009147B2 - 中性子照射下で高温高圧水にさらされるオーステナイト鋼及びその用途 - Google Patents

中性子照射下で高温高圧水にさらされるオーステナイト鋼及びその用途

Info

Publication number
JP3009147B2
JP3009147B2 JP63141733A JP14173388A JP3009147B2 JP 3009147 B2 JP3009147 B2 JP 3009147B2 JP 63141733 A JP63141733 A JP 63141733A JP 14173388 A JP14173388 A JP 14173388A JP 3009147 B2 JP3009147 B2 JP 3009147B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
weight
austenitic steel
core
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63141733A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH024945A (ja
Inventor
清智 仲田
治郎 国谷
静 島貫
成雄 服部
静雄 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP63141733A priority Critical patent/JP3009147B2/ja
Publication of JPH024945A publication Critical patent/JPH024945A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3009147B2 publication Critical patent/JP3009147B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、沸騰水型,加圧水型原子炉,新型転換炉及
び核融合炉の炉心の部材に係り、特に中性子照射を受け
る炉心部の機器部品及び構造物の耐照射脆化性,耐スウ
エリング性に加えて高温高圧水中での耐応力腐食性を有
し、長寿命の原子炉又は核融合炉に関する。
〔従来の技術〕 炉心部を水で冷却する熱中性子炉や核融合炉に用いら
れるオーステナイトステンレス鋼では、中性子照射と高
温高圧水中での腐食の複合作用による応力腐食割れの発
生が懸念される。
高温水の環境下で生ずる応力腐食割れは、結晶粒界で
のCr炭化物の析出に伴なうCr欠乏層の生成が主要因とさ
れ、これを防止するために鋼中のC含有量を低減した
り、例えば特開昭55−110761号で示される様にNbを添加
することによるCの固定が提案されている。
中性子照射下で懸念される応力腐食割れ要因には、上
記のCr欠乏層の生成以外に、P,S,Siなどの鋼中に含まれ
る元素が中性子照射の度合に応じて粒界に非平衡な偏析
を生ずることも考えられる。この様な考えに基づくもの
には例えば、特開昭58−153760号,同62−107048号,同
62−120463号,同62−107047号などが挙げられる。
中性子照射脆化を軽減したオーステナイト鋼として、
例えば特許第1323615号ではNを0.05〜0.15%を添加す
ることが述べられている。
一方、中性子照射によるスウエリングを抑制する方法
として、Nb,Ti,Zr,Yなどの元素を添加する方法が考えら
れる。これに関するものとして、特公昭58−6780号,特
開昭61−19765号などが挙げられる。また、中性子照射
でのクリープ特性を改善する方法として、微量のBやCu
を添加することが、高速増殖炉用材料として特開昭62−
89846号,特開昭60−155652号に述べられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来、P,S,Siの含有量を通常材料より著しく低減する
ことは、高温高圧水での耐食性を向上させる効果がある
といえども、1020nvt以上で生じる材料の照射脆化やス
ウエリング(寸法変化)を著しく増大させる点について
配慮されていない。照射脆化に関しては、引張変形時の
のびが5%以下になつたり、スウエリングに関しては、
体積率で3%を越えるスウエリング量が生じた場合原子
炉炉心材料に適用するのは不適当である。本願発明者ら
はSUS316LまたはSUS304L鋼からP<0.005%,S<0.005
%,Si<0.1%とした材料において、伸びが5%以下にな
るのは1021nvt以上、スウエリングが3%以上になるの
は1022nvt以上になることを見出し、それらの値は、通
常材の場合の約1/5であることを認めた。
本発明の目的は、1020nvt以上の高中性子照射を受け
ても高温高圧水中で良好な耐応力腐食割れ性を維持し、
かつ照射脆化やスウエリングなどの照射劣化を発生しに
くいオーステナイト鋼及び原子炉炉心又は核融合炉を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、重量で、C0.02〜0.06%,Si0.1%以下,Mn10
%以下,Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,B110.02%
以下と、Nb0.8%以下,Ta0.8%以下及びTi0.6%以下の2
種以上を総量で0.1〜1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1〜0.
8%及びTi0.1〜0.6%の1種と、Zr,Hf,Y及びLaの少なく
とも1種0.05〜0.2%及び50%以上のFeを有し、全オー
ステ相からなることを特徴とする中性子照射下で高温高
圧水にさらされるオーステナイト鋼にある。
特に、本発明は重量で、C0.03〜0.05%,Si0.1%以下,
Mn1〜5%,Cr15〜22%,Ni10〜14%,Cu1〜2%,B0.005〜
0.0125%と、Nb0.2〜0.6%,Ta0.2〜0.6%及びTi0.1〜0.
4%の1種又は2種以上を総量で1.0%以下と、Zr,Hf,Y
及びLaの少なくとも1種0.05〜0.15%及び57%以上のFe
を有し、全オーステナイト相を有するものが好ましい。
更に、本発明に係るオーステナイト鋼はAl0.05%以
下,Mg及びCaを各々0.5%以下の少なくとも1種を含むこ
とができ、またMo及びWの少なくとも1種を3%以下含
むものとする。
本発明の組成によれば、300℃で、5×1022n/cm2の電
子照射後の室温の引張伸び率が1%以上、スエリング量
が3%以下及び(粒界のCr濃度/母相のCr濃度)比が0.
6以上とするものを得ることができる。
本発明は、中性子照射を受け高温高圧水にさらされる
軽水炉又は核融合炉炉心構成部品が全オーステナイト相
からなるCr−Ni系オーステナイト鋼によつて構成され、
該オーステナイト鋼は5×1022n/cm2の電子照射後の引
張伸び率が1%以上、スエリング量が3%以下及び(粒
界のCr濃度/母相のCr濃度)比が0.6以上であることが
好ましい。
上述の軽水炉炉心構成部品は上部炉心格子,中性子源
パイプ,炉心支持体,中性子計装器用管,制御棒用パイ
プ及びシース,シユラウド及び下部炉心格子の少なくと
も1つが前述のオーステナイト鋼によつて構成される。
また、核融合炉心構成部品はセラミツク層とそれを支
持する金属基体からなる炉壁であり、金属基体が前記の
オーステナイト鋼からなる。
本発明は、圧力容器と、該圧力容器内に収納された上
部炉心格子及び下部炉心格子と、該上部と下部炉心格子
との間に配置された原子燃料集合体,制御棒用パイプ及
びシース,炉心支持板,炉心シユラウド,中性子源パイ
プ及び中性子計装器用管とを有する原子炉において、前
記圧力容器及び燃料集合体を除く前記構成部品の少なく
とも1つは、重量でC0.02〜0.06%,Si0.1%以下,Mn10%
以下,Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,B110.02%以
下と、Nb0.8%以下,Ta0.8%以下及びTi0.6%以下の2種
以上を総量で0.1〜1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1〜0.8
%及びTi0.1〜0.6%の1種と、Zr,Hf,Y及びLaの少なく
とも1種0.05〜0.2%及び50%以上のFeを有し、全オー
ステナイト相からなるオーステナイト鋼によつて構成さ
れ、前記燃料集合体は原子燃料を収納する複数本の被覆
管と該複数本の被覆管を一体に保持するスペーサ及びチ
ヤンネルボツクスとを有し、前記被覆管,スペーサ及び
チャンネルボックスの少なくとも1つは重量でSn1〜3
%,Fe0.05〜0.5%及びCr0.05〜0.3%又はこれにNi0.01
〜0.2%を含み、95%以上のZrを有するZr基合金からな
り、又は前記スペーサ及びチヤンネルボツクスの少なく
とも1つが重量でNb0.5〜3%,Sn0.5〜1.5%及びMo0.1
〜1%を含み、95%以上のZrを有するZr基合金からなる
ことを特徴とする原子炉にある。また、前述の鋼は前述
の特性を有するものが好ましい。
前述の被覆管は最終熱間加工後で最初の冷間塑性加工
前にα+β相又はβ相から焼入れされたものが高耐食性
が得られることから好ましい。更に被覆管は冷間加工と
焼鈍とが複数回、好ましくは3回以上くり返される。そ
の焼鈍温度及び時間は被覆管に対して高温高圧水中での
ノジユラー腐食が生じないように析出物の形成を抑制す
べきである。好ましくは640℃以下で行うのが好まし
い。
前述のスペース及びチヤンネルボツクスは溶接によつ
て構成され、溶接後に時効処理が施される時効温度は45
0〜600℃が好ましい。
原子炉として沸騰水型又は加圧水型原子炉の両方に適
用できる。
本発明は、プラズマ粒子封入用真空容器,該真空容器
の外周に配置された磁場発生用コイル及び前記真空容器
の前記プラズマ粒子にさらされる炉壁を備えたものにお
いて、前記炉壁は分割された多数の耐熱性セラミックタ
イルと強制的に高温高圧水によつて冷却される金属基体
とが冶金的に接合された積層構造をなし、前記金属基体
は重量で、C0.02〜0.06%,Si0.1%以下,Mn10%以下,Cr9
〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,B110.02%以下と、Nb
8.0%以下,Ta0.8%以下及びTi0.6%以下の2種以上を総
量で0.1〜1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1〜0.8%及びTi
0.1〜0.6%の1種と、Zr,Hf,Y及びLaの少なくとも1種
0.05〜0.2%とを含有し、50%以上のFeを有する全オー
ステナイト相を有するオーステナイト鋼からなることを
特徴とする核融合装置にある。
前記セラミツクタイルは黒鉛又は炭化ケイ素,窒化ケ
イ素及び窒化アルミニウムの少なくとも1つを主成分と
した焼結体からなり、炭化ケイ素にはBe,BeO,BeN,Be2C
等をBe量で5重量%以下含むもの、窒化アルミニウムに
は希土類元素の酸化物を10重量%以下含むものが好まし
い。
前記セラミツクタイルは室温の熱伝導率が0.05cal/cm
・sec・℃以上及び室温の電気抵抗率が10-3Ω・cm以上
であり特に前者は0.2cal/cm・sec・℃以上が好ましい。
前記セラミツクタイルは、前記金属基体の室温におけ
る熱膨脹係数より小さい熱膨脹係数を有する炭素繊維を
含む複合金属部材からなる中間体を介して前記金属基体
に接合されているのが好ましく、特に熱膨脹係数を前述
のセラミツクスタイルに近似したものにすることが好ま
しい。金属としてはCuが好ましい。
〔作用〕
中性子照射下での耐食性を改善する目的で通常材より
P,Si,Sを低減したオーステナイト鋼の照射性について詳
細に検討した結果、この材料は照射脆化が著しく、スウ
エリングも大きく、さらに照射下での耐食性も十分でな
いことを見出した。この材料の耐照射性の悪いのは主と
して2つの要因によることを明らかにした。その1つ
は、照射脆化やスウエリングを引きおす照射欠陥集合体
の成長速度が著しく増大するためで、もう1つは、結晶
粒界が不安定で照射中に粒界の移動によるCr欠乏層の形
成や照射誘起マルテンサイト変態がしばしば発生するた
めである。
Nb,Ta,Tiを添加するといずれも照射欠陥集合体の核形
成を容易にするが、その成長速度を著しく抑制する。こ
れらの元素の添加によるより効果を発揮させるには単独
又は総量で0.1%以上とし、またNb及びTaは0.8%,Tiは
0.6%を越えると、特にこれらの総量が1.0%を越える多
量の添加は粗大な析出物を形成し、逆に耐照射性を害す
るので好ましくない。特に、単独ではNb及びTaは0.1〜
0.8%、好ましくは0.2〜0.6%、及びTiは0.1〜0.6%、
特に0.1〜0.4%が好ましい。
照射中の結晶粒界の安定性を増すには0.015%以上のB
11とZr,Hf,Y,Laの1種以上を0.05〜0.2%とを複合して
添加した上にさらに0.5〜2.5%、好ましくは1〜2%の
Cuを含有させることで、照射中の結晶粒界の安定性を増
し照射中の粒界の移動によるCr欠乏層の形成並びにフエ
ライト相の形成がなくなり著しく高温高圧水中耐応力腐
食割れ性が改善され応力腐食割れが防止される。B原子
は、ステンレス鋼の母相の原子径に比較して約50%も原
子径が小さく、また、Zr,Hf,Y,Laはいずれも20〜30%も
原子径が多きいため、鋼中にほとんど固溶しない。この
ため、これらの原子の元素を添加すると鋼の溶体化処理
過程において、結晶粒界に偏析し、結晶粒界の安定性を
増す。しかし、これらの元素の添加量が多すぎると逆に
鋼の溶製後の熱間鍛造や圧延時に割れが生じる等の問題
があり、B11は0.002〜0.015%とするものであり、特に
0.002〜0.01%が好ましく、また、Zr,Hf,Y,Laなどは、
有効な効果を得る最低限0.01%以上、最大0.2%であ
り、特に0.05〜0.15%が好ましい。BはB10とB11の同位
体を含むが、B10は熱中性子を吸収してHeを発生し、He
脆化発生の原因となるので、(B11/B10)比が9以上の
ものが好ましい。B10は放射性元素なので、極微量に抑
える。
Cは、他の合金元素や添加元素Cr,Mo,Ti,Nb,Hf,Zr等
と結びついて炭化物を形成し、オーステナイト鋼の強度
や耐スウエリング性向上に効果がある。ただしその含有
量は0.02%未満では効果が小さく、また逆に0.065%を
越えると熱処理中や原子炉内で使用中に粗大な炭化物を
形成し、上記の効果が小さくなるばかりか、機械的性質
や耐食性の悪化を招き好ましくない。特に、0.02〜0.05
%が好ましく、より0.03〜0.055%が良い。
Crは、高温水中での耐食性は9%未満では不十分であ
り、26%をこえるとの相が生成しやすく機械的性質が劣
化するので、9〜26%とすべきである。より15〜22%が
好ましく、特に17〜20%が好ましい。
NiとMnは、オーステナイト鋼を得るために必要なもの
であり、特にNiは最低8%が必要である。Mnは10%以下
で添加すべきである。特に、Niと2%を越えるMnとの添
加では30%を越えると強度の低下,脆化相の析出などが
見られ好ましくない。より、Mn0.5〜5%及びNi9〜15%
が好ましく、特に、Ni10〜14%が好ましい。
Moは、耐食性向上の見地から3%以下含有させても良
い。しかし、3%を越えるとδ相の生成を促進し機械的
性質を著しく損う。特に、1.0〜2.5%が好ましい。
本発明鋼を核融合炉に適用する場合、低放射化のため
にNbの一部または全部をTaに、Moの一部または全部をW
に置きかえることができる。
更に、本発明鋼には製鋼上脱酸剤としてAl0.05%以下
Mg及びCaを各々0.5%以下含むことができる。また、本
発明に示していない他の元素についても害のないもので
あれば含有させることができることは勿論である。
〔実施例〕
〔実施例1〕 重量で、Cr約18%,Ni約12%,C0.005〜0.05%,Si0.007
%,Mn約0.01%及び残部Feを基本組成とし、これにCu約
1〜3%,B0.0023〜0.020%,Zr,Hf,Y及びLaを各々0.01
〜0.3%を添加した全オーステナイト相を有するCr−Ni
系オーステナイト鋼を真空溶解炉にてインゴツトを製造
し、熱間鍛造にて板にした後、1050℃で30分加熱後水冷
する溶体化処理を施し、供試材とした。Bは実質的にB
11からなるものを用いた。各供試材について原子炉内中
性子照射と同様な欠陥を形成し得る超高圧顕微鏡内で30
0℃において、電子照射を行ない、中性子照射量換算5
×1022n/cm2(>1MeV)まで照射した後、粒界のCr濃度
変化をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により分
析した。
第1表〜第7表は第2図〜第5図に用いた試料の化学
組成(重量%)を示すものである。残部は実質的にFeで
ある。
第2図は電子照射後の各添加元素と(粒界のCr濃度/
母相のCr濃度)との関係を示す線図である。照射誘起粒
界移動及び照射誘起偏析によつて粒界でのCr濃度は、電
子照射により母相濃度より減少する。その減少量は第2
図に示した添加元素によつて変化する。すなわち、Cuは
第2図(a)に示す如く1〜2%の範囲で(粒界のCr濃
度/母相のCr濃度)比が0.6以上となり、高温高圧水中
での応力腐食割れを生じない。第2図(b)に示すよう
に、B0.0025〜0.01%で同様に約0.6付近にあり、割れに
対する効果がある。更に、同図(c)に示すように、Z
r,Hf,Y及びLaは○印のCu及びBを含まないもの、及び△
印のCu1.5%及びB0.01%を含むものに対し、いずれも0.
01〜0.2%において応力腐食割れを防止する効果があ
り、特にCu及びBを含むものは前述の照射において(粒
界のCr濃度/母相のCr濃度)比が0.6以上であり、軽水
炉における高温高圧水中での応力腐食割れを生じないも
のである。
粒界腐食を発生しない条件は、 (粒界のCr濃度)/(母相のCr濃度)>0.6 であるが、上記の添加元素の濃度範囲では、いづれもこ
の条件を十分満足しているとは云えない。しかし、Cuと
Bを添加した上にZr,Hf,Y,Laの1種を0.01〜0.2%の範
囲内で含有した供試材では、(粒界Cr濃度)/(母相Cr
濃度)をほぼ0.8以上となり、粒界腐食を発生しないこ
とがわかる。
第3図〜第5図は前述と同様に、重量でC0.007〜0.07
%,Si約0.05%,Mn約0.5%,Cr約18%,Ni約12%及び残部F
eを基本組成とし、これにNb0及び0.4%、及びTi0.1〜0.
8%添加したもので、前述と同様の照射後のスウエリン
グ量を測定し、各添加元素との関係を示したものであ
る。
第3図はスウエリング量とTi量及びC量との関係を示
す線図である。図に示す如く、C量が0.01%を越える含
有量ではスウエリングはTiの0.1%添加によつて顕著に
抑制されるが、逆にC量が0.07%ではTiのスウエリング
抑制効果は見られない。特に、Ti量は0.6%を越えると
スウエリング抑制効果が低くなることが分る。
第4図はスウエリング量とC量との関係を示す線図で
ある。図からC量が0.02〜0.06%で最もスウエリング抑
制に対するTi及びNb添加の効果が大きいことが分る。
第5図はスウエリング量とNb量との関係を示す線図で
ある。Nbの効果はTiの効果より若干低い。
尚、スウエリング量の設計上の許容量は3%以下であ
るので、前述の照射量でそれ以下に抑制されるものであ
れば特に顕著な効果を有すると言える。
以上の結果に基づいて、Cu,B,Nb,Ti,Zr,Hf,Y,Laを含
むSUS304系オーステナイト鋼に相当する鋼種に種々の添
加元素を添加して溶製の後1050℃×30分の溶体化処理し
た供試材を、300℃で、軽水炉炉心の約60年以上の中性
子照射量である4×1022n/cm2(>1MeV)を材料試験炉
により照射した。第8表にはその供試材の組成(重量
%)を示す。残部は実質的にFeである。Bは実質的にB
11からなるものを用いた。
第9表は、照射終了後、高温水中応力腐食割れ性試験
による応力腐食割れ発生の有無、300℃大気中での定歪
型引張試験による照射脆化試験、及び寸法変化から算出
したスウエリング量を示す。
試料の大きさは板厚0.3mm,長さ15.5mm,GL5.5mm,GL部
分の幅2.8mm,平行部からつかみ部における半径1mmであ
る。
高温水中応力腐食割れ試験は歪速度3×10-7mm/秒,
温度288℃,圧力85気圧,溶存酸素量32ppm、の高温純水
中にて低歪速度引張試験を行つたものである。
引張試験はインストロン型引張試験機にて歪速度1×
10-3/秒,温度288℃,大気中にて行つたものである。
スウエリング量は室温での試料の比重測定によつて求
めたものである。
表に示すように本発明材であるNo.3〜10は、原子炉運
転上必要条件とされる、高温水中応力腐食割れ発生がな
く、均一のび率が1%以上、スウエリング量が3%以下
を満足しており、本実施例によれば、本発明材が中性子
照射下での耐応力腐食割れ性,耐照射脆化性及び耐スウ
エリング性を兼ね備えたオーステナイト鋼であることが
明らかである。
第6図は各試料の照射脆化後の引張伸び率とスウエリ
ング量との関係を示す図である。図に示す如く、本発明
材は引張伸び率が1.0%以上、スウエリング量が3%以
下である。比較例のCuを含有しないNo.11では伸び率が
0.6%と低く、Tiを含有しないNo.12はスウエリング量が
5%と多いことが分かる。特に、本発明において、No.
7,No.8のMo,Ti及びNbを含むものが伸び率が2.0%以上と
高く、スウエリング量が1%以下であり、優れている。
また、MoとTi又はNbとZrを含むものは伸び率及び耐スウ
エリング性ともに優れている。
〔実施例2〕 第1図はBWR型原子炉炉心部の概略断面図である。図
において、1は中性子源パイプ、2は炉心支持体、3は
中性子計装管、4は制御棒、5はシユラウド、6は上部
格子板、7は下部炉心格子板である。これらの機器部品
は中性子照射量が多く、また炉内は283℃,atgの高温高
圧水に浸されているので、本発明によるオーステナイト
鋼で作製される。それにより、1023nvtの中性子照射量
まで応力腐食割れが生ぜず、伸び率が1%以上あり、ス
ウエリング量が3%以下の耐スウエリング性を継持でき
る。第1図に示す機器部品の他に、これらの機器部品間
に介在する部品に使用することができる。この他のBWR
圧力容器の内部は、ベントノズル8、上鏡スプレイノズ
ル9,原子炉圧力容器蓋10,スタツド11,ナツト12,蒸気乾
燥器13,圧力容器フランジ14,計測用ノズル15,蒸気出口
ノズル16,気水分離器17,計測用ノズル18,スタンドパイ
プ19,シユラウドヘツド20,給水入口ノズル21,気水分離
器止めボルト22,給水スパージヤー23,炉心スプレイ用ノ
ズル24,炉心スプレイスパージヤ25,燃料集合体26,ジエ
ツトポンプノズルアツセンブリ27,ジエツトポンプ28,再
循環水出口ノズル29,ポイズンカーテン30,燃料支持台3
1,再循環水入口ノズル32,バツフル板33,制御棒案内管34
等の主要部品が備えられている。
前述の中性子源パイプ1,中性子計装器用管3及び制御
棒4用パイプは前述の第8表に示す合金のインゴツトを
鍛造し、溶体化処理した後にいずれも熱間押出しによつ
て素管とした後、前述と同様の溶体化処理を施し、冷間
加工及び焼鈍をくり返して所定の寸法のパイプに製造さ
れる。焼鈍によつて析出物が実質的に形成されないよう
に行われ、実質的に全オーステナイト組織からなるよう
に製造される。制御棒にはB4C粉末が一般に用いられパ
イプに挿入される。Hf棒を使用する場合にはパイプは不
要で、これらはいずれもプラス形状のシースに入れられ
る。
炉心支持体2,シユウラウド5,上部格子板6,下部炉心格
子板7はいずれも所定の厚さに熱間加工が施された後に
溶体化処理され、表面研削して仕上げた後に溶接によつ
て組立てられる。溶接はTIG等によつて行われ、溶接の
ままで使用される。溶接に際してフイラーを用いるとき
は母材と同一の組成を有する共金材を用いるのが好まし
い。
本発明において、前述のオーステナイト鋼によつて構
成される部品だけを耐応力腐食割れ性及び耐スウエリン
グ性に優れたものを使用しただけでは炉心全体として使
用寿命を目標のものにすることはできない。特に、原子
炉の燃焼度が高まる方向にあるので、高耐食燃料集合体
26との組合せが重要である。この燃料重合体は燃料被覆
管、スペーサ及びキヤンネルボツクスを備え、これらは
いずれもジルコニウム基合金が用いられている。これら
の材料としてジルカロイ2,4が主に用いられ、α+β相
又はβ相からの急冷による焼入れ材を適用するのが好ま
しい。その処理によつて耐食性が向上される。ジルカロ
イ2は重量でSn1〜3%,Fe0.05〜0.5%及びCr0.05〜0.3
%を含み、ジルカロイ4はこれにNi0.01〜0.2%を含
み、残部が実質的にZrからなるものが好ましい。被覆管
においては、冷間加工と焼鈍をくり返し所定の形状にさ
れるが、最終熱間加工後に前述の焼入れを施すことが好
ましい。この焼入れを施した後に少なくとも3回の冷間
加工と焼鈍が施される。また、スペーサ及びチヤンネル
ボツクスは最終段階で溶接が施されるが、最終製品形状
で前述の焼入れが施した後、焼鈍が施される。これらの
部材は溶接されるので、熱影響部が形成され、耐食性が
若干劣ることからNb0.5〜3%,Sn0.5〜1.5%、Mo0.1〜
1%を含むZr基合金が特に好ましい。そしてこの材料の
場合、溶接後に時効して用いられる。溶接後の平衡相が
面積率で85%以上有するものが好ましい。このZr基合金
の場合にも最終形状でα+β相又はβ相で5分以内の短
時間加熱後急冷、特に水冷する焼入れが施され、その後
400〜600℃で焼鈍して用いるのが好ましい。
従つて、本発明の炉心においては特に上述の部材に第
8表に示すNo.3又は4に示す合金を用い、被覆管として
ジルカロイ合金のα+β又はβ焼入れを施したもの、更
にスペーサ及びチヤンネルボツクスに前述のNb入りのZr
合金を用いたものの組合せが良い。オーステナイト合金
としてC0.02〜0.04%,Si0.1%以下、Mn1〜3%,Cr17〜2
0%,Ni10〜15%,Mo〜3%,Cu1〜2%,B110.002〜0.03
%,Nb0.2〜0.6%又はTi0.1〜0.3%,Zr0.05〜0.2%及び
残部実質的にFeからなり、全オーステナイト組織からな
るものが好ましい。
〔実施例3〕 本実施例は沸騰水型原子炉への適用を述べたものであ
るが、加圧水型原子炉に対しても同様に本発明に係るオ
ーステナイト鋼を適用することができる。即ち、上部炉
心格子板,炉心シユラウド,中性子源パイプ,中性子計
装管,制御棒,燃料支持台,下部炉心格子板に対して本
発明のオーステナイト鋼が適用される。いずれも、全オ
ーステナイト組織を有し、前述と同様に燃料集合体との
組合せが良い。特に、被覆管として前述と同様に焼入し
たジルコニウム基合金が好ましく、スペーサ及びチヤン
ネルボツクスは溶接によつて製造されるので、前述のNb
入りのジルコニウム基合金が好ましい。炉心部は上下炉
心格子板の間にあり、この部分で最も中性子照射を受け
るので、この部分にある部品を本発明に係るオーステナ
イト鋼によつて構成する。
〔実施例4〕 第7図は本発明に係るオーステナイト鋼を炉壁に適用
した一例を示すトーラス型核融合装置の概略を示す断面
図である。真空容器41は図示していないが中心線50を基
準にして円環状(トーラス)になつており、その周囲に
プラズマ42を真空容器41の空間に閉し込め、ドーナツ状
の磁場を作るためのトロイダル磁場コイル48が真空容器
41に添つて所定間隙で配置されている。この磁場コイル
48は液体Heによつて冷却される超電導コイルによつて構
成される。更にトロイダル磁場コイル48の周囲にはプラ
ズマ42の位置制御を行うためのポロイダルコイル49が複
数個配置される。
真空容器41内は真空排気するために図示していない
が、排気装置が接続される。更に真空容器41内にはプラ
ズマ42側に本発明の炉壁43が設けられ、炉壁43の外側に
増殖ブラケツト46及び遮へい体47が設けられている。炉
壁43は増殖ブラケツト46に沿つて設けられている。炉壁
43は冷媒によつて強制的に冷却する構造の金属基体45に
タイル状のセラミツクス体44が接合されている。
第8図は前述の炉壁43の一部分の一実施例を示す斜視
図である。炉壁43は内部に冷媒が通る流路が設けられた
冷却構造に有する金属基体45にタイル状のセラミツクス
体44が接合層51によつて接合された構造を有する。セラ
ミツクタイル44は互いに間隙52,52′が設けられる。こ
の炉壁43は、ブロツク状に形成され、このものを組合せ
て第7図に示す構造で円環状の真空容器に沿つて一体の
ものになる。第8図の各ブロツクは金属基体部分で溶
接、又は他の部材にボルト等の手段によつて接合され、
第7図の全体構造にされる。第8図のブロツクには25ケ
のタイル状のセラミツクス体44が接合されているが、こ
の数は種々変えられる。間隙52を設けることによつて加
熱冷却による熱応力を低くできる。
金属基体45には、セラミツクスタイル44との間に溝を
縦に一方向に所定の間隙で設けることができる。この溝
は、ろう材によつて金属基体45にタイル状のセラミツク
体44を接合する場合、金属基体45の平面形状と同じ大き
さの1枚のろう材を用いた場合、或はセラミツクタイル
の大きさに合せたろう材を用いた場合でも、余分なろう
を溝に流れ込むようにすることができる。その結果、セ
ラミツクス間の間隙にろうが流れ込むのを防ぐことがで
きる。更に、使用中の加熱によるタイル状のセラミツク
ス体の膨脹を妨げることがないので、熱応力を低くでき
る。また、タイル状のセラミツクス体同志が流れ出たろ
う材によつて接合されることがない。
金属基体45は水冷構造を有し、セラミツクスタイル44
を通して約300℃程度の高温高圧に加熱される。また、
炉心においては前述のBWR炉心よりも更に大きな中性子
照射に受けるので、前述の本発明に係るオーステナイト
鋼によつて構成される。特に、第8表のNo.3及び4の系
列の組成を有するものが全体の材料バランスから最も好
ましい。この基体はインゴツトを熱間加工によつて所定
の板厚にされた後、前述と同様の溶体化処理が施され、
全オーステナイト相にされ用いられる。
セラミツクスタイル44にはSiC,Si3N4,AlNを主成分と
する焼結体、又は黒鉛が用いられる。これらのタイルを
金属基体45に接合するには金属基体45との熱膨脹係数の
差による割れを防ぐために熱膨脹差をなくす構造の中間
材を介して接合する。この中間材はCuマトリツクスに炭
素繊維を約40体積%を含む複合材からなり、前述のセラ
ミツクスタイルの室温の熱膨脹係数に近似した材料が用
いられる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、原子炉及び核融合炉炉心部の中性子
照射を受ける機器部品材料の高温水中腐食,照射脆化,
スウエリングを著しく抑制できるので、炉心の信頼性が
向上し、機器部品の寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用すべき部材の例を示すために沸騰
水型原子炉炉内構造を表す概略断面図、第2図(a)〜
(c)は300℃で5×1022n/cm2(>1MeV)相当の電子線
照射を行つたあとの粒界Cr濃度と母相Cr濃度の比を種々
の添加元素の場合について示した線図、第3図は300℃
で5×1022n/cm2(>1MeV)相当の照射を行つたあとの
スウエリング量とTi量との関係を示す線図、第4図は同
じくC量との関係を示す線図、第5図は同じくNb量との
関係を示す線図、第6図は伸び率とスウエリング量との
関係を示す線図、第7図は核融合装置の炉心部を示す断
面図及び第8図は核融合炉炉壁構造を示す斜視図であ
る。 1……中性子源パイプ、2……炉心支持体、3……中性
子計装管、4……制御棒、5……シユラウド、6……上
部炉心格子、7……下部炉心格子、43……炉壁、44……
セラミツクスタイル、45……金属基体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G21C 13/08 GDL G21C 3/30 GDLV (72)発明者 島貫 静 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 服部 成雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 松下 静雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−155652(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量で、C0.02〜0.065%,Si0.1%以下,Mn1
    0%以下,Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,B110.002
    〜0.015%と、Nb0.8%以下,Ta0.8%以下及びTi0.6%以
    下の2種以上を総量で0.1〜1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta
    0.1〜0.8%及びTi0.1〜0.6%の1種と、Zr,Hf,Y及びLa
    の少なくとも1種0.05〜0.2%及び50%以上のFeを有
    し、全オーステ相からなることを特徴とする中性子照射
    下で高温高圧水にさらされるオーステナイト鋼。
  2. 【請求項2】重量で、C0.02〜0.05%,Si0.1%以下,Mn0.
    5〜5%,Cr15〜22%,Ni9〜15%,Cu1〜2%,B110.002〜
    0.01%と、Nb0.2〜0.6%,Ta0.2〜0.6%及びTi0.1〜0.4
    %の1種又は2種以上を総量で1.0%以下と、Zr,Hf,Y及
    びLaの少なくとも1種0.05〜0.15%及び57%以上のFeを
    有し、全オーステナイト相からなることを特徴とする中
    性子照射下で高温高圧水にさらされるオーステナイト
    鋼。
  3. 【請求項3】重量で、C0.02〜0.065%,Si0.1%以下,Mn1
    0%以下,Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,Mo及びW
    の1種以上3%以下,B110.002〜0.015%と、Nb0.8%以
    下,Ta0.8%以下及びTi0.6%以下の2種以上を総量で0.1
    〜1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1〜0.8%及びTi0.1〜0.6
    %の1種と、Zr,Hf,Y及びLaの少なくとも1種0.05〜0.2
    %及び50%以上のFeを有し、全オーステ相からなること
    を特徴とする中性子照射下で高温高圧水にさらされるオ
    ーステナイト鋼。
  4. 【請求項4】中性子照射を受け高温高圧水にさらされる
    軽水炉又は核融合炉炉心構成部品が全オーステナイト相
    からなるCr−Ni系オーステナイト鋼によって構成され、
    該オーステナイト鋼は重量で、C0.02〜0.065%,Si0.1%
    以下,Mn10%以下,Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2,5%,B
    110.002〜0.015%と、Nb0.8%以下,Ta0.8%以下及びTi
    0.6%以下の2種以上を総量で0.1〜1.0%又はNb0.1〜0.
    8%,Ta0.1〜0.8%及びTi0.1〜0.6%の1種と、Zr,Hf,Y
    及びLaの少なくとも1種0.05〜0.2%及び50%以上のFe
    を有し、全オーステナイト相からなることを特徴とする
    炉心構成部品。
  5. 【請求項5】中性子照射を受け高温高圧水にさらされる
    軽水炉又は核融合炉炉心構成部品が全オーステナイト相
    からなるCr−Ni系オーステナイト鋼によって構成され、
    該オーステナイト鋼は重量で、C0.02〜0.065%,Si0.1%
    以下,Mn10%以下,Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2,5%,M
    o及びWの1種以上3%以下,B110.002〜0.015%と、Nb
    0.8%以下,Ta0.8%以下及びTi0.6%以下の2種以上を総
    量で0.1〜1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1〜0.8%及びTi
    0.1〜0.6%の1種と、Zr,Hf,Y及びLaの少なくとも1種
    0.05〜0.2%及び50%以上のFeを有することを特徴とす
    る炉心構成部品。
  6. 【請求項6】圧力容器と、該圧力容器内に収納された上
    部炉心格子及び下部炉心格子と、該上部と下部炉心格子
    との間に配置された原子燃料集合体,制御棒用パイプ及
    びシース,炉心支持体,炉心シュラウド,中性子源パイ
    プ及び中性子計装器用管とを有する原子炉において、前
    記圧力容器及び燃料集合体を除く前記構成部品の少なく
    とも1つは、重量でC0.02〜0.065%,Si0.01%以下,Mn10
    %以下,Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,B110.002〜
    0.015%と、Nb0.8%以下,Ta0.8%以下及びTi0.6%以下
    の2種以上を総量で0.1〜1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1
    〜0.8%及びTi0.1〜0.6%の1種と、Zr,Hf,Y及びLaの少
    なくとも1種0.05〜0.2%及び50%以上のFeを有し、全
    オーステナイト相からなるオーステナイト鋼によって構
    成され、前記燃料集合体は原子燃料を収納する複数本の
    被覆管と該複数本の被覆管を一体に保持するスペーサ及
    びチャンネルボックスとを有し、前記被覆管,スペーサ
    及びチャンネルボックスの少なくとも1つは重量でSn1
    〜3%,Fe0.05〜0.5%及びCr0.05〜0.3%又はこれにNi
    0.01〜0.2%を含み、95%以上のZrを有するZr基合金か
    らなり、又は前記スペーサ及びチャンネルボックスの少
    なくとも1つが重量でNb0.5〜3%,Sn0.5〜1.5%及びMo
    0.1〜1%を含み、95%以上のZrを有するZr基合金から
    なることを特徴とする原子炉。
  7. 【請求項7】圧力容器と、該圧力容器内に収納された上
    部炉心格子及び下部炉心格子と、該上部と下部炉心格子
    との間に配置された原子燃料集合体,制御棒用パイプ及
    びシース,炉心支持体,炉心シュラウド,中性子源パイ
    プ及び中性子計装器用管とを有する原子炉において、前
    記圧力容器及び燃料集合体を除く前記構成部品の少なく
    とも1つは、重量でC0.02〜0.065%,Si0.1%以下,Mn10
    %以下,Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,Mo及びWが
    1種以上3%以下,B110.002〜0.015%と、Nb0.8%以下,
    Ta0.8%以下及びTi0.6%以下の2種以上を総量で0.1〜
    1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1〜0.8%及びTi0.1〜0.6%
    の1種と、Zr,Hf,Y及びLaの少なくとも1種0.05〜0.2%
    及び50%以上のFeを有し、全オーステナイト相からなる
    オーステナイト鋼によって構成され、前記燃料集合体は
    原子燃料を収納する複数本の被覆管と該複数本の被覆管
    を一体に保持するスペーサ及びチャンネルボックスとを
    有し、前記被覆管,スペーサ及びチャンネルボックスの
    少なくとも1つは重量でSn1〜3%,Fe0.05〜0.5%及びC
    r0.05〜0.3%又はこれにNi0.01〜0.2%を含み、95%以
    上のZrを有するZr基合金からなり、又は前記スペーサ及
    びチャンネルボックスの少なくとも1つが重量でNb0.5
    〜3%,Sn0.5〜1.5%及びMo0.1〜1%を含み、95%以上
    のZrを有するZr基合金からなることを特徴とする原子
    炉。
  8. 【請求項8】プラズマ粒子封入用真空容器,該真空容器
    の外周に配置された磁場発生用コイル及び前記真空容器
    の前記プラズマ粒子にさらされる炉壁を備えたものにお
    いて、前記炉壁は分割された多数の耐熱性セラミックタ
    イルと強制的に高温高圧水によって冷却される金属基体
    とが冶金的に接合された積層構造をなし、前記金属基板
    は重量で、C0.02〜0.065%,Si0.1%以下,Mn10%以下,Cr
    9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,B110.002〜0.015%
    と、Nb0.8%以下,Ta0.8%以下及びTi0.6%以下の2種以
    上を総量で0.1〜1.0%又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1〜0.8%
    及びTi0.1〜0.6%の1種と、Zr,Hf,Y及びLaの少なくと
    も1種0.05〜0.2%とを含有し、50%以上のFeを有する
    全オーステナイト相を有するオーステナイト鋼からなる
    ことを特徴とする核融合装置。
  9. 【請求項9】プラズマ粒子封入用真空容器,該真空容器
    の外周に配置された磁場発生用コイル及び前記真空容器
    の前記プラズマ粒子にさらされる炉壁を備えたものにお
    いて、前記炉壁は分割された多数の耐熱性セラミックタ
    イルと強制的に高温高圧水によって冷却される金属基体
    とが冶金的に接合された積層構造をなし、前記金属基板
    体は重量で、C0.02〜0.065%,Si0.1%以下,Mn10%以下,
    Cr9〜26%,Ni8〜20%,Cu0.5〜2.5%,Mo及びWの1種以
    上3%以下,B110.002〜0.015%と、Nb0.8%以下,Ta0.8
    %以下及びTi0.6%以下の2種以上を総量で0.1〜1.0%
    又はNb0.1〜0.8%,Ta0.1〜0.8%及びTi0.1〜0.6%の1
    種と、Zr,Hf,Y及びLaの少なくとも1種0.05〜0.2%及び
    50%以上のFeを有することを特徴とする核融合装置。
JP63141733A 1988-06-10 1988-06-10 中性子照射下で高温高圧水にさらされるオーステナイト鋼及びその用途 Expired - Lifetime JP3009147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63141733A JP3009147B2 (ja) 1988-06-10 1988-06-10 中性子照射下で高温高圧水にさらされるオーステナイト鋼及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63141733A JP3009147B2 (ja) 1988-06-10 1988-06-10 中性子照射下で高温高圧水にさらされるオーステナイト鋼及びその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH024945A JPH024945A (ja) 1990-01-09
JP3009147B2 true JP3009147B2 (ja) 2000-02-14

Family

ID=15298945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63141733A Expired - Lifetime JP3009147B2 (ja) 1988-06-10 1988-06-10 中性子照射下で高温高圧水にさらされるオーステナイト鋼及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3009147B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5147602A (en) * 1991-05-20 1992-09-15 General Electric Company Corrosion resistant high chromium stainless steel alloy
JP5296186B2 (ja) 2011-12-27 2013-09-25 株式会社神戸製鋼所 耐スケール剥離性に優れた耐熱オーステナイト系ステンレス鋼およびステンレス鋼管
JP6473601B2 (ja) * 2014-11-12 2019-02-20 イビデン株式会社 炉心構造材
CN111304553A (zh) * 2019-12-09 2020-06-19 无锡市法兰锻造有限公司 一种快中子反应堆核电站用f304l不锈钢法兰及其制造方法
CN112458380A (zh) * 2020-11-26 2021-03-09 东莞市灿煜金属制品有限公司 一种超平低磁不锈钢bf2的制造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58120766A (ja) * 1982-01-08 1983-07-18 Japan Atom Energy Res Inst 高温強度の優れたオ−ステナイトステンレス鋼
JPS6029454A (ja) * 1983-07-28 1985-02-14 Tohoku Tokushuko Kk 熱間塑性加工容易なオ−ステナイト系快削ステンレス鋼
JPH079054B2 (ja) * 1983-08-29 1995-02-01 株式会社東芝 ジルコニウム合金製原子炉心部材
JPS60155652A (ja) * 1984-01-25 1985-08-15 Hitachi Ltd 耐熱鋼
JPS62218546A (ja) * 1986-03-19 1987-09-25 Hitachi Ltd 高温強度と耐スエリング性に優れたオ−ステナイト鋼
JPH0762225B2 (ja) * 1986-08-29 1995-07-05 株式会社日立製作所 高耐食ジルコニウム合金製品の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH024945A (ja) 1990-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3218779B2 (ja) 耐中性子照射脆化に優れた構造部材及びそれに用いるオーステナイト鋼とその用途
US6482528B2 (en) Nickel-base alloy product and method of producing the same
EP1730318A2 (en) Zirconium alloys with improved corrosion resistance and method for fabricating zirconium alloys with improved corrosion resistance
JPH0151948B2 (ja)
US5116569A (en) Austenitic steel excellent in resistance to neutron irradiation embrittlement and members made of the steel
EP0651396B1 (en) Process for improving corrosion resistance of zirconium or zirconium alloy barrier cladding
JPH0843568A (ja) ノジュラ腐食に耐える被覆及び被覆を製造する方法
US5316597A (en) A nuclear reactor comprising a reactor vessel and structural members made of an austenitic stainless steel having superior resistance to irradiation-induced segregation
US5190721A (en) Zirconium-bismuth-niobium alloy for nuclear fuel cladding barrier
JP3009147B2 (ja) 中性子照射下で高温高圧水にさらされるオーステナイト鋼及びその用途
US5278881A (en) Fe-Cr-Mn Alloy
US5805656A (en) Fuel channel and fabrication method therefor
US8116422B2 (en) LWR flow channel with reduced susceptibility to deformation and control blade interference under exposure to neutron radiation and corrosion fields
US4933136A (en) Water reactor fuel cladding
US9284629B2 (en) Zirconium alloys with improved corrosion/creep resistance due to final heat treatments
JPH08165545A (ja) 中性子照射下で使用される構造部材
KR19990072604A (ko) 복합부재및이를이용한연료집합체
Besch et al. Corrosion behavior of duplex and reference cladding in NPP Grohnde
Jeong et al. Corrosion of zirconium based fuel cladding alloys in supercritical water
JPH089755B2 (ja) 耐粒界腐食性Fe―Cr―Mn系合金及びその用途
JP6208049B2 (ja) 高耐食高強度オーステナイト系ステンレス鋼
JP2600057B2 (ja) 高耐食原子燃料用被覆管、スペーサ及びチャンネルボックスとその燃料集合体並びにその製造法
JPH11295460A (ja) 複合部材及びそれを用いた燃料集合体
JPS62107047A (ja) オ−ステナイト系鉄基合金
CN114574747A (zh) 核反应堆用低活化抗辐照及耐腐蚀高熵合金及其制备方法