JPH1123757A - 燃料被覆管及びその陽極酸化処理方法並びに装置 - Google Patents

燃料被覆管及びその陽極酸化処理方法並びに装置

Info

Publication number
JPH1123757A
JPH1123757A JP9181371A JP18137197A JPH1123757A JP H1123757 A JPH1123757 A JP H1123757A JP 9181371 A JP9181371 A JP 9181371A JP 18137197 A JP18137197 A JP 18137197A JP H1123757 A JPH1123757 A JP H1123757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cladding tube
fuel cladding
oxide film
fuel
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9181371A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Kubo
利雄 久保
Kenichi Fujiwara
健一 藤原
Takayoshi Yasuda
隆芳 安田
Yoshitaka Nishino
由高 西野
Masao Endo
正男 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP9181371A priority Critical patent/JPH1123757A/ja
Publication of JPH1123757A publication Critical patent/JPH1123757A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】陽極酸化により形成する酸化膜の膜厚範囲を、
耐食性・耐摩耗性の向上及び原子力プラント内放射能レ
ベルの低減の観点から最適化した燃料被覆管及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される
燃料棒1の外皮に用いられ、電解液12中で陽極酸化を
行うことにより外周表面に酸化膜9が形成された燃料被
覆管2において、酸化膜9が、0.3μm以上0.6μm
以下の厚さを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽水炉で使用する
燃料被覆管に係わり、特に、陽極酸化処理によって表面
に酸化膜を形成した燃料被覆管及びこの燃料被覆管の陽
極酸化処理方法並びに陽極酸化処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軽水炉で使用される燃料被覆管の
製造の際においては、最終的な寸法調整のために酸洗い
が行われていた。そして、その酸洗い後の残留フッ素を
確認するために、高温蒸気中に長時間放置して酸化膜を
形成するオートクレーブ処理やKOH,NaOH等の電
解液を使用して酸化膜を形成する陽極酸化処理といった
表面処理が行われていた。その後、機械研磨の技術が向
上して高精度の加工が可能となったため、寸法調整をこ
の機械研磨によって行うようになり、これに伴って、オ
ートクレーブ処理等の表面処理は行われないようになっ
た。ところで、燃料被覆管の内外面は、核燃料の燃焼と
共に徐々に腐食や摩耗が進んでいくのは避けられない
が、上記の寸法調整を機械研磨で行う方法では燃料被覆
管表面に酸化膜を形成させないことから、酸洗い後に表
面処理を行っていた場合よりも腐食・摩耗が進むことと
なり、耐食性・耐摩耗性が低下するという不都合があ
る。特に、初装荷燃料の場合には、炉水中のCrの付着
による腐食加速の傾向が顕著である。また、このように
燃料被覆管表面に酸化膜を形成させない場合、炉水内に
あるCo等のクラッドが付着して照射により放射性を帯
びた後、再び表面から遊離する。この遊離したクラッド
は、炉水にのって原子力プラント内各部に分散するた
め、各部の放射能レベルの低減が困難になるという不都
合もある。
【0003】そこで、このような不都合を回避するため
には、機械研磨で寸法調整を行った後、従来のような表
面処理を施すことが考えられる。但しこの場合、以下の
ような点に新たに留意する必要がある。すなわち、近
年、ペレットと燃料被覆管の相互作用を軽減する観点か
ら、燃料被覆管の内面に純ジルコニウム製のジルコニウ
ムライナを設ける構造が提唱されている。したがって、
このような構造に対し、機械研磨後に表面処理を行って
酸化膜を形成する場合には、ジルコニウムライナの酸化
を防止するために、何らかの燃料被覆管内面の酸化防止
策をとる必要がある。ここで、オートクレーブ処理にお
いては、前述したように高温蒸気中に長時間放置するた
め、ジルカロイの仮端栓を燃料被覆管両端に溶接する必
要があり、製造コストの高騰を招く。これに対して、陽
極酸化処理は、一般に室温から50℃程度の温度範囲に
おいて行われるため、比較的容易に燃料被覆管内面の酸
化防止策をとることができる。
【0004】以上説明したように、機械研磨で燃料被覆
管の寸法調整を行う場合において、耐食性・耐摩耗性の
向上及び原子力プラント内放射能レベルの低減を図り、
かつ製造コストを高騰させることなくペレットと燃料被
覆管の相互作用を軽減するためには、機械研磨後に陽極
酸化によって表面処理を施せばよい。
【0005】この燃料被覆管の陽極酸化処理に関する公
知技術としては、例えば、特開平2−6783号公報及
び特開平7−333370号公報がある。特開平2−6
783号公報に開示された陽極酸化処理方法は、燃料被
覆管を陽極にかつ白金板等を陰極に接続し、ホウ酸アン
モニウム又はシュウ酸を電解液として陽極酸化を行い、
これによって耐食性・耐摩耗性を向上させるものであ
る。特開平7−333370号公報には、燃料被覆管に
酸化膜を形成するときに、腐食抑制のためには酸化膜厚
さが1μm〜2μmとするのが好適であるとしており、
また、このときの酸化処理の一例として燃料被覆管を陽
極とした陽極酸化処理方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には、耐食性・耐摩耗性の向上及び原子力プラン
ト内放射能レベルの低減を図る観点からは、以下のよう
な課題がある。特開平2−6783号公報の陽極酸化処
理方法は、局所的なノジュラー腐食や表面きずの発生を
抑制する電解液の種類を選択することに主眼が置かれて
おり、陽極酸化により形成した酸化膜の膜厚が燃料被覆
管全体の腐食量や摩耗に与える影響についての配慮がさ
れていない。またCoの分散による原子力プラント内放
射能レベルの低減についても配慮されていない。特開平
7−333370号公報の酸化処理方法は、酸化膜の膜
厚が燃料被覆管全体の腐食量に与える影響について一応
配慮されているものの、Cr付着低減の観点からおおむ
ねの下限値1μm〜2μmを定めているのみである。ま
た陽極酸化に関する開示においては、数百オングストロ
ーム程度の極薄酸化膜で足りるとしている。したがっ
て、膜厚が厚くなりすぎることによる膜強度低下や、そ
れによる耐食性・耐摩耗性低下の可能性については全く
配慮されていない。したがって、陽極酸化により形成し
た酸化膜の膜厚が耐食性・耐摩耗性に与える影響につい
ての配慮が十分ではない。またCoの分散による原子力
プラント内放射能レベルの低減については配慮されてい
ない。
【0007】本発明の目的は、陽極酸化により形成する
酸化膜の膜厚範囲を、耐食性・耐摩耗性の向上及び原子
力プラント内放射能レベルの低減の観点から最適化した
燃料被覆管及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、沸騰水型
原子炉用燃料集合体に配置される燃料棒の外皮に用いら
れ、電解液中で陽極酸化を行うことにより外周表面に酸
化膜が形成された燃料被覆管において、前記酸化膜は、
0.3μm以上0.6μm以下の厚さを備えている。陽極
酸化によって燃料被覆管に酸化膜を形成するとき、膜厚
が0.6μmを超えると膜の性質が変化して皮膜中にク
ラック・ポア等が多く見られるようになり、比較的もろ
くなる。これは、以下の理由に基づく。すなわち、酸化
膜が厚くなるにつれ皮膜膨張による応力が大きくなり、
ある大きさになると母材表面に形成された薄いバリアー
層(絶縁層)にクラックが入るため、電解液が浸透して
酸化膜の絶縁抵抗が損なわれ、再び陽極酸化が加速す
る。これにより、それ以前の比較的緻密な膜から空隙率
の高いポーラスな膜が形成されるようになる。また、電
解液の導電率を大きくして酸化膜を厚くする場合には、
導電率の増加に伴って燃料被覆管表面での電気化学反応
が激しくなり、上記応力と同様に作用して膜の性質を粗
くする。このようにして膜厚が0.6μmを超えると膜
の性質がもろくなる。またこれに加え、沸騰水型原子炉
内装荷後に酸化膜内のクラックに侵入した水が放射線分
解してラジカルが生じ、このラジカルが燃料被覆管の腐
食を加速する可能性もある。これらにより、膜厚が0.
6μmよりもあまり大きくなると、耐食性・耐摩耗性の
観点からは好ましくない。一方、炉水中に含まれる成分
のうちいくつかはその性質によって種々の弊害をもたら
す。例えばCrについては、主として燃料被覆管に付着
して燃料被覆管の腐食を加速する弊害があり、これに対
しては燃料被覆管の酸化膜の厚さを厚くするほどCrが
付着しにくくなってこの弊害を抑制できることが知られ
ている。またクラッドの1つであるCoについては、主
として燃料被覆管に付着後放射化して再び遊離し、原子
力プラント各部に分散して放射能レベルを増大させる弊
害があり、これに対しては燃料被覆管の酸化膜の厚さを
厚くするほどCoが付着しやすくなりかつ付着したCoが
遊離しにくくなってこの弊害を抑制できることが知られ
ている。したがって、これらCr,Coの弊害を抑制する
観点からは酸化膜の膜厚が厚いほど好ましい。以上の両
方の観点から考えると、酸化膜の最適厚さは0.6μm
となる。但し、製造時における寸法精度、公差、製造容
易性等を考慮すれば若干の巾を持たせたほうが好まし
い。そこでその巾を0.3μmとすれば、酸化膜の最適
厚さは0.3μm〜0.6μmとなる。すなわち、酸化
膜の厚さをこの範囲とすることにより、耐食性・耐摩耗
性の向上と、原子力プラント内放射能レベルの低減とを
両立させることができる。
【0009】(2)また上記目的を達成するために、本
発明は、沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される燃料
棒の外皮に用いられる燃料被覆管を陽極として電解液中
で電圧を印加し、該燃料被覆管の外周表面に酸化膜を形
成する燃料被覆管の陽極酸化処理方法において、前記酸
化膜の厚さを、0.3μm以上0.6μm以下とする。
【0010】(3)上記(2)において、好ましくは、
前記電解液の処理中における導電率を0.5mS/cm
以上36mS/cm以下とする。
【0011】(4)上記(3)において、さらに好まし
くは、前記印加する電圧の最終到達値を300V以下と
する。
【0012】(5)上記(3)において、また好ましく
は、前記電解液の処理中における温度を5℃以上40℃
以下とする。
【0013】(6)上記(3)において、さらに好まし
くは、前記電解液として、濃度が0.1重量%〜6重量
%のものを用いる。
【0014】(7)上記(5)において、また好ましく
は、前記電解液の処理中における温度を17℃以上25
℃以下とする。
【0015】(8)上記(2)において、また好ましく
は、前記電解液として、ホウ酸アンモニウム又は水酸化
カリウムを用いる。
【0016】(9)上記(2)において、また好ましく
は、あらかじめ前記燃料被覆管の両端に接着手段で仮端
栓を接着して該燃料被覆管内部を防水しておいた後、陽
極酸化を行う。これにより、陽極酸化のときに燃料被覆
管の内側に電解液が入って内面が酸化するのを防止する
ことができる。
【0017】(10)また上記目的を達成するために、
本発明は、電解液が満たされる電解槽と、この電解槽内
に設けられ、陽極となる燃料被覆管を支持する燃料被覆
管支持機構と、陰極となる陰極部材と、前記陽極となる
燃料被覆管に電流を供給するための直流電源とを有する
燃料被覆管の陽極酸化処理装置において、前記電解槽内
の電解液を冷却する冷却手段を設ける。陽極酸化処理に
よる酸化膜の厚さを0.3μm以上0.6μm以下とする
ためには、電解液の処理中における導電率を所定の範
囲、例えば0.5mS/cm以上36mS/cm以下に
制御することが必要となる。この電解液の導電率は、濃
度と温度によって決まる。ここで、ある濃度の電解液を
電解槽に満たして陽極酸化処理を行うとき、酸化の進展
とともに電解液の温度が上昇していくため、導電率も変
動することになる。そこで、本発明においては、冷却手
段で電解液を冷却することにより、電解槽内での電解液
の自然放熱を待つことなくこの電解液の温度上昇を強制
的に抑制し、導電率の変動を抑制して所望の範囲に制御
することができる。したがって、酸化膜の厚さを容易に
0.3μm以上0.6μm以下に制御することができる。
【0018】(11)また上記目的を達成するために、
本発明は、電解液が満たされる電解槽と、この電解槽内
に設けられ、陽極となる燃料被覆管を支持する燃料被覆
管支持機構と、陰極となる陰極部材と、前記陽極となる
燃料被覆管に電流を供給するための直流電源とを有する
燃料被覆管の陽極酸化処理装置において、前記電解槽内
の電解液を攪拌する撹拌手段を設ける。陽極酸化処理に
よる酸化膜の厚さを0.3μm以上0.6μm以下とする
ためには、酸化膜を均一に形成し膜厚を均一に増加させ
ていく必要がある。ここで、陽極酸化処理を行うとき、
燃料被覆管表面には処理中に内部から放出された酸素ガ
スが気泡となって付着する場合がある。また処理前に気
泡が付着している場合もある。これらの付着気泡は陽極
酸化において絶縁体として作用するため、気泡部分は酸
化膜の形成が阻害されて膜厚が薄くなる。そこで本発明
においては、撹拌手段で電解液を撹拌することにより、
燃料被覆管表面のこれらの付着気泡を取り除くことがで
きるので、酸化膜を均一に形成することができる。した
がって、酸化膜の厚さを確実かつ容易に0.3μm以上
0.6μm以下に制御することができる。
【0019】(12)上記(11)において、好ましく
は、前記撹拌手段は、前記電解槽内における前記燃料被
覆管が支持される位置の下方に配置された筒状多孔質体
である。これにより、多孔質体から放出されるガスによ
って電解液を撹拌することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照しつつ説明する。本実施形態の燃料被覆管を備え
た燃料棒の構造を表す一部破断側面図を図1に、及び図
1中II−II断面による横断面図を図2に示す。これら図
1及び図2において、燃料棒1は、沸騰水型原子炉用燃
料集合体に配置されるものであり、燃料棒1の外皮とし
ての役割を果たすジルコニウム合金の燃料被覆管2の内
部にウランペレット3を多数個装填し、上部をプレナム
スプリング4で押さえた状態において上部端栓5と下部
端栓6とで密封溶接した構造となっている。燃料被覆管
2の外周表面には膜厚が0.3μm〜0.6μmである
酸化膜8が陽極酸化処理によって形成されており、また
燃料被覆管2の内面には、ウランペレット3と燃料被覆
管2の相互作用を軽減するために、純ジルコニウム製の
ジルコニウムライナ9が設けられている。なお、燃料棒
1の中の自由空間には、ヘリウムガスが封入されてい
る。
【0021】ここで、燃料被覆管2の製造方法について
図3により説明する。図3は、燃料被覆管2の製造工程
の一例を示している。すなわち、例えばジルコニウムス
ポンジに合金元素を添加して製作したブリケットをつな
ぎ合わせて消耗電極とし、この消耗電極の溶解を繰り返
して溶製したジルカロイインゴットの金属組織の調整を
行って中空ビレットを形成し、このビレットに熱処理及
び機械加工を施すことにより、ジルカロイ素管を製造す
る。
【0022】その後、上記の方法で製造したジルカロイ
素管に、例えばコールドピルガーミルによる冷間圧延→
中間真空焼き鈍しの手順を繰り返し行った後、最終焼き
鈍しが行われる。そしてさらに、管の外表面に対し、最
終的な寸法調整として砥石・極微粒等を備えた研磨機を
用いた機械的研磨を施し、滑らかに仕上げる。その後、
図4に示すように、燃料被覆管2の両端に、例えば樹脂
等で製作した仮端栓10をそれぞれ設置した後、被覆管
2の端部と仮端栓10とを接着手段例えば接着剤11で
コーティングすることにより防水を図る。これにより、
この後の陽極酸化処理において、燃料被覆管2の内側に
電解液が入りジルコニウムライナ9が酸化することを防
止するようになっている。
【0023】その後、燃料被覆管2の表面処理として、
燃料被覆管2を陽極として電解液中で電圧を印加する陽
極酸化処理を行い、燃料被覆管2の外周面に膜厚0.3
μm〜0.6μmの酸化膜を形成する。
【0024】以上のようにして酸化膜を形成した後、所
定の検査工程を経て、ジルコニウムライナ9つきの燃料
被覆管2が最終的に完成する。こうして完成した多数の
燃料被覆管2に、ウランペレット3を充填した後に上部
端栓5・下部端栓6をそれぞれ固定して多数の燃料棒1
を組み立て、これらを用いて沸騰水型原子炉用燃料集合
体を組み立てる。
【0025】本実施形態の要部は、上記した陽極酸化処
理において酸化膜の膜厚を0.3μm〜0.6μmとす
ることにより、燃料被覆管2の耐食性・耐摩耗性の向
上、及び原子力プラント内放射能レベルの低減を図るこ
とにある。以下、その原理を図5〜図12により説明す
る。
【0026】(1)酸化膜膜厚の最適化 (1−A)酸化膜の性質に基づく制限 まず、本願発明者等は、燃料被覆管2の耐食性・耐摩耗
性の向上を図るための酸化膜9の膜厚の範囲を模索する
ために、印加電圧と酸化膜9の膜厚との関係を検討し、
図5に示す実験結果を得た。この実験は、電解槽中に電
解液としてホウ酸アンモニウムを満たし、陽極を燃料被
覆管2として電流を供給し、燃料被覆管2の外周面に付
着する酸化膜9の膜厚を測定したものである。なおこの
とき、ホウ酸アンモニウムの濃度は1重量%であり、そ
の温度は室温とし、その結果、導電率は4.5mS/c
mに固定された。また供給電流に関しては、最大電流密
度は0.01A/cm2に固定したが、最終的な到達電
圧(詳細は後述する図8参照)については種々変化さ
せ、各到達電圧における酸化膜9の膜厚を測定した。測
定結果は、横軸に到達電圧をとり、縦軸に酸化膜9の膜
厚をとって示している。図5に示されるように、酸化膜
9の膜厚は右上がりの直線的な挙動となり、到達電圧が
大きいほど膜厚が厚くなっている。そして、膜厚が0.
6μm(到達電圧170V)を超えると、急激に膜厚が
増大している。一般に、陽極酸化により形成される酸化
膜9の膜厚は、酸化膜9自体の電気抵抗率が一定な場合
には印加電圧に比例して増加する。したがって、上記の
ような膜厚の急激な増大は、膜厚0.6μmを境に酸化
膜9の性質が変化し電気抵抗率が変動したからであると
思われる。すなわち、酸化膜9が厚くなるにつれ皮膜膨
張による応力が大きくなり、母材(ジルコニウム合金)
表面に形成された薄いバリアー層(絶縁層)にクラック
が入り、電解液が浸透して酸化膜9の絶縁抵抗が損なわ
れ再び陽極酸化が加速する。このような現象が、膜厚
0.6μmを境に著しく発生するようになると推測され
る。本願発明者等は、膜厚が0.6μmを超えると酸化
膜9の性質が変化し、それ以前の比較的緻密な膜から、
クラック・ポア等が多く見られる空隙率の高いポーラス
な膜となっていることをSEM金相観察写真(図5中に
その模式図を併せて示す)により確認した。したがっ
て、膜厚が0.6μmを超えると酸化膜9の性質が比較
的もろくなると考えられる。またこれに加え、沸騰水型
原子炉内装荷後に酸化膜9内のクラックに侵入した水が
放射線分解してラジカルが生じ、このラジカルが燃料被
覆管2の腐食を加速する可能性もある。これらにより、
膜厚が0.6μmより大きくなると、耐食性・耐摩耗性
の観点からは好ましくないことがわかった。
【0027】(1−B)炉水中のCr,Coに基づく制限 炉水中に含まれる成分のうちいくつかはその性質によっ
て種々の弊害をもたらすことが知られている。例えばC
rについては、主として燃料被覆管2に付着してその腐
食を加速する弊害があり、特に初装荷燃料において顕著
な課題である。そして、これに対しては燃料被覆管2の
酸化膜9の膜厚を厚くするほどCrが付着しにくくなっ
てこの弊害を抑制できることが知られている。またクラ
ッドの1つであるCoについては、主として燃料被覆管
2に付着後放射化して再び遊離し、原子力プラント各部
に分散して放射能レベルを増大させる弊害があり、これ
に対しては燃料被覆管2の酸化膜9の膜厚を厚くするほ
どCoが付着しやすくなりかつ付着したCoが遊離しにく
くなってこの弊害を抑制できることが知られている。し
たがって、これらCr,Coの弊害を抑制する観点からは
酸化膜の膜厚が厚いほど好ましい。 (1−C)最適膜厚 したがって上記(1−A)(1−B)の両方の観点から
考えると、酸化膜9の最適膜厚は0.6μmとなる。但
し、製造時における寸法精度、公差、製造容易性等を考
慮すれば若干の巾を持たせたほうが好ましい。本願発明
者等は、その巾を0.3μm程度設ければ十分であると
判断した。これによって、酸化膜9の最適膜厚は0.3
μm〜0.6μmとなる。すなわち、酸化膜9の膜厚を
この範囲とすることにより、耐食性・耐摩耗性の向上
と、原子力プラント内放射能レベルの低減とを両立させ
ることができることがわかった。
【0028】(1−D)耐食性向上効果の確認 本願発明者等は、上記(1−C)による酸化膜9の膜厚
最適化の効果を確認するために、特に耐食性の向上に関
して腐食試験を行った。すなわち、まず、燃料被覆管2
を2つ形成し、一方については表面処理を全く行わず、
他方には、濃度0.5重量%かつ室温(=導電率2.2
mS/cm)のホウ酸アンモニウムを電解液として用い
電圧155Vかつ最大電流密度0.01A/cm2で陽
極酸化処理を行って膜厚約0.4μmの酸化膜9を形成
し、これら2つを530℃の高温蒸気中に放置し、その
腐食量(腐食酸化によって増えた重量)の時間経過を実
測した。この試験結果を図6に示す。図6において、表
面未処理の燃料被覆管、陽極酸化処理した燃料被覆管と
もに日数の経過とともに腐食量が増加しているが、後者
のほうが前者よりも腐食量が少なく、その差は日数の増
加とともに大きくなっている。これにより、陽極酸化処
理した燃料被覆管は、表面未処理の燃料被覆管よりも確
かに耐食性が向上していることを確認した。
【0029】(2)電解液の導電率及び到達電圧の好適
範囲 (2−A)導電率の好適範囲 上記(1−C)により、燃料被覆管2の耐食性・耐摩耗
性の向上と、原子力プラント内放射能レベルの低減とを
図るためには、酸化膜9の膜厚を0.3μm〜0.6μ
mとすればよいことがわかった。ここで、本願発明者等
は、この膜厚を実現するために好適な電解液の導電率の
範囲を模索するために、導電率を変えた場合の印加電圧
と酸化膜膜厚との関係を検討し、図7に示す実験結果を
得た。この実験は、上記(1−A)同様、電解液として
室温のホウ酸アンモニウムを用いて陽極酸化を行い、陽
極である燃料被覆管2の外周面に付着する酸化膜9の膜
厚を測定したものである。このとき、ホウ酸アンモニウ
ムの導電率は7mS/cm、18mS/cm、及び36
mS/cmの3種類とし、また供給電流は最大電流密度
を0.01A/cm2に固定し、到達電圧を変化させた
ときの酸化膜9の膜厚を測定した。測定結果は、横軸に
到達電圧をとり、縦軸に酸化膜9の膜厚をとって示して
いる。
【0030】図7に示されるように、導電率がいずれの
場合も、到達電圧の増加とともに酸化膜9の膜厚が厚く
なる右上がりの挙動となっている。そして、導電率が3
6mS/cmの場合には、到達電圧が約10Vのとき酸
化膜9の膜厚は0.6μmであり、これより到達電圧が
大きくなると酸化膜9の膜厚は0.6μmよりも大きく
なる。したがって、到達電圧を約10Vとした場合のみ
膜厚の最適範囲(0.3μm〜0.6μm)内に入るこ
とがわかる。なお、この到達温度の値は、工業的に成立
する処理時間を考慮した場合における処理電圧としての
下限にほぼ等しい。また、導電率が18mS/cmの場
合には、到達電圧が約90Vのときに酸化膜9の膜厚が
0.3μm、約107Vのときに約0.6μmとなり、
到達電圧約90V〜約107Vの範囲で膜厚が最適範囲
となることがわかる。同様に、導電率が7mS/cmの
場合は、到達電圧約150V〜167Vの範囲で膜厚が
最適範囲となることがわかる。
【0031】この3つの直線の挙動から、処理中におけ
る電解液の導電率が36mS/cm以下であれば、ある
適当な範囲の到達電圧とすることによって最適な膜厚範
囲(0.3μm〜0.6μm)を実現できることがわか
り、またその到達電圧は、導電率が低いほど高くなるこ
とがわかる。そして、導電率が例えば理論純水に近い
0.056mS/cmの場合であっても、一般的な直流
電源の容量が300V程度あり、電圧をそれに応じて高
くすることで最適な膜厚範囲を実現できることになる。
また、電解液の導電率の増加に伴って燃料被覆管2表面
での電気化学反応(いわゆる電圧破壊・アルカリ溶解
等)が激しくなることが知られており、これが上記(1
−A)で説明した応力と同様に作用して膜の性質を粗く
することが推測されるが、これは逆に言うと、導電率が
低くなるほど燃料被覆管2表面での電気化学反応が低下
し、入力電気量に相応した緻密な酸化膜が形成され、よ
り好ましいこととなる。しかしながらこのとき、導電率
が過度に小さくなると、微量の不純物が混入しただけで
導電率が変動するため、電解液の工業的管理上、好まし
くないと思われる。したがって、本願発明者等は、この
ような電解液の不純物に対する安定性を考慮し、電解液
の導電率の下限は0.5mS/cmが適当であると判断
した。すなわち、電解液としてホウ酸アンモニウムを用
いる場合、酸化膜9の膜厚を0.3μm〜0.6μmと
するために好適な導電率の範囲は、0.5mS/cm〜
36mS/cmであることがわかった。
【0032】なお、本願発明者等は、ホウ酸アンモニウ
ムと同様に代表的な電解液である水酸化カリウムについ
てもほぼ同様の実験を行って同様の検討を行い、上記と
同様の結果を得た。したがって、この場合も、好適な導
電率の範囲は、0.5mS/cm〜36mS/cmであ
ることがわかった。
【0033】(2−B)到達電圧の影響 上記(2−A)により、膜厚0.3μm〜0.6μmを
実現するために好適な電解液の導電率の範囲は0.5m
S/cm〜36mS/cmであることがわかったが、図
7で説明したように、この範囲内の各導電率の値に対応
して好適な到達電圧の範囲が存在し、これを適宜選択す
ることによって膜厚0.3μm〜0.6μmが実現され
る。本願発明者等は、この到達電圧が酸化膜9の形成に
及ぼす影響について検討するために実験を行い、図8に
示す結果を得た。この実験は、電解液としてホウ酸アン
モニウムを用い、陽極である燃料被覆管2の外周面に酸
化膜を付着させるときの電圧及び電流の時間変化を測定
したものである。このとき、ホウ酸アンモニウムの温度
を20℃に維持するとともに濃度を0.7重量%に固定
し、この結果導電率は3.1mS/cmに固定された。
また供給電流の最大電流密度は0.01A/cm2に固
定し、到達電圧を150Vとした場合(図8(a)、酸
化膜9の膜厚0.43μm)、160Vとした場合(図
8(b)、酸化膜9の膜厚0.45μm)、170Vと
した場合(図8(c)、酸化膜9の膜厚0.8μm)の
3つについて、結果を比較した。
【0034】これら図8(a)〜(c)に示されるよう
に、いずれの場合も、時間が経過して酸化膜9が形成さ
れていくにつれて電流一定の状態で電圧のみが上昇して
ゆき、その後電圧が到達電圧に達するとほぼ同時に電流
が下降し、最終的に酸化膜9の形成が終了すると電流が
下げ止まって再び一定値となり飽和状態になる。但し、
図8(a)〜(c)を比較すると、図8(a)と図8
(b)とでは、到達電圧が高い図8(b)のほうが飽和
するまでの時間が短くなっている。これは、図8(b)
のほうが最終的な酸化膜9の膜厚が厚く、すなわち酸化
膜9の形成速度が速いことから酸化膜9の形成が早く終
了することによる。しかしながら、図8(b)と図8
(c)とを比較すると、到達電圧が高い図8(c)のほ
うが電圧曲線の立ち上がりが緩やかになり、飽和するま
での時間が長く(図8(b)の約2.5倍)なっている
ことがわかる。これは、先に(1−A)で説明した酸化
膜9の性質の違いに主として由来する。すなわちこの場
合、酸化膜9が厚くなりすぎて皮膜膨張に基づく応力で
クラック・ポア等が形成され、これにより電解液が酸化
膜9に浸透して絶縁抵抗が損なわれていると推測され
る。また、印加電圧が高いことによって一旦形成された
皮膜の溶解も発生する可能性があり、これによっても酸
化膜9の絶縁抵抗が損なわれうる。このとき、電圧を
V、電流をI、抵抗RとしてV=I・Rが成立している
が、電流Iは前述したように定電圧に到達するまでは電
源容量限界で一定であるため、酸化膜9の絶縁抵抗が損
なわれ小さくなると、電圧Vも小さくなる。したがっ
て、再び陽極酸化によって酸化膜9が形成され絶縁抵抗
Rが上昇するまで電圧Vも上昇しないので、定電圧に到
達するのに時間がかかるようになる。この間、酸化膜9
はクラック等の入った酸化膜9の上にさらに重ねて形成
されていくことから、全体としての膜厚はますます厚く
なる。
【0035】したがって、図8(a)〜(c)における
導電率3.1mS/cmの条件では、図8(b)の到達
電圧160Vと図8(c)の到達電圧170Vとの間
に、図5の酸化膜膜厚0.6μmに対応する境界電圧が
存在し、この境界電圧より小さい場合には比較的緻密な
酸化膜が形成され、境界電圧より大きい場合には比較的
ポーラスな酸化膜が形成されると考えられる。すなわ
ち、緻密な酸化膜9の形成のためには、少なくとも到達
電圧が170Vよりも小さくなるように印加電圧を設定
する必要がある。
【0036】(2−C)導電率と到達電圧との選択 すなわち、上記(2−A)及び(2−B)において説明
したように、膜厚0.3μm〜0.6μmを実現するた
めには、電解液の導電率を0.5mS/cm〜36mS
/cmの範囲とするとともに、各導電率の値に対応して
比較的緻密な酸化膜9が形成されるような好適な到達電
圧を得られるように、印加電圧を設定すればよい。但
し、既述したように、一般的な直流電源の容量が300
V程度であることから、到達電圧は300V以下とする
ことが好ましい。
【0037】(3)電解液温度・濃度の好適範囲 (3−A)導電率の好適範囲に対応した温度・濃度の好
適範囲 上記(2−A)で説明したように、電解液の導電率の好
適範囲は0.5mS/cm〜36mS/cmである。こ
こで、導電率は、電解液の温度と濃度によって決定され
る。すなわち温度固定のもとでは導電率は濃度に比例
し、濃度固定のもとでは導電率は温度に比例する。一般
に、陽極酸化における電解液としては、酸類・アルカリ
類・塩類など種々のものが用いられ、例えば、ホウ酸ア
ンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、シュ
ウ酸、クロム酸などが用いられることが多い。これらの
うち特に、ホウ酸アンモニウムは、耐食性・耐磨耗性に
優れた酸化膜を作製できる電解液として知られている。
このホウ酸アンモニウムにおける濃度と導電率の関係、
及び温度と導電率の関係の一例を図9及び図10に示
す。図9は、ホウ酸アンモニウムの温度を20℃に固定
した場合における、濃度による導電率の値の変化を示し
たものである(なお電解液作成直後のデータである)。
図示のように、濃度の増加とともに導電率は直線的に増
加し、濃度0重量%で導電率0mS/cm、濃度0.1
重量%で導電率約0.5mS/cm、濃度0.5重量%
で導電率約2.3mS/cm、濃度1重量%で導電率約
4.7mS/cmとなる。図10は、ホウ酸アンモニウ
ムの導電率を0.1重量%、0.5重量%、及び6重量
%の3つに固定した場合における、温度による導電率の
値の変化を示したものである。図示のように、各曲線と
もに温度の増加とともに導電率が増加していくが、その
増加の度合いは濃度が大きいほど高い。そして、濃度
0.1重量%の場合には温度5℃での導電率が0.5m
S/cm、温度40℃での導電率が約0.85mS/c
mとなる。また濃度0.5重量%の場合には温度5℃で
の導電率が1.7mS/cm、温度40℃での導電率が
約3mS/cmとなり、濃度6重量%の場合には導電率
がそれぞれ約19.7mS/cm及び約36mS/cm
となる。
【0038】ところで、電解液の温度については、工業
的管理の容易さを考えると、電解液の処理中の温度を通
年の室温変動にほぼ近い5℃〜40℃程度の範囲にする
ことが好ましい。これを温度の好適範囲とすれば、導電
率範囲を0.5〜36mS/cmとするような濃度の好
適範囲は一意的に定まることになる。すなわち、図10
によれば、濃度0.1重量%の場合の温度5℃での導電
率が0.5mS/cmであり、濃度6重量%の場合の温
度40℃での導電率が36mS/cmである。したがっ
て、導電率範囲を0.5〜36mS/cmとするために
好適なホウ酸アンモニウムの濃度範囲は、0.1重量%
〜6重量%となる。
【0039】(3−B)膜厚の最適範囲に直接対応した
濃度の好適範囲 上記(2−A)では、酸化膜9の膜厚を0.3μm〜
0.6μmとするのに好適な導電率範囲が0.5〜36
mS/cmであることがわかり、さらに上記(3−A)
では、その導電率範囲を実現するのに好適なホウ酸アン
モニウムの濃度範囲が0.1重量%〜6重量%であるこ
とがわかった。しかしながら、この濃度範囲のうち具体
的にどの濃度が酸化膜9の膜厚下限0.3μm及び上限
0.6μmに対応するのかは、印加電圧(あるいは到達
電圧)や最大電流密度等、他の条件の値によって変動す
る。そこで、本願発明者等は、他の条件をほぼ固定した
場合における、ホウ酸アンモニウムの濃度と酸化膜9の
膜厚との関係を検討した。その一例を図11に示す。な
お、ホウ酸アンモニウムの温度は室温とし、濃度は0.
2重量%から1.75重量%まで変化させた。この結
果、導電率は0.9mS/cmから7.9mS/cmま
で変化した。また、供給電流の最大電流密度は0.01
A/cm2、到達電圧は140Vに固定した。
【0040】図11において、ホウ酸アンモニウム濃度
の増加とともに酸化膜9の膜厚は直線的に増加する。そ
して、濃度約0.2重量%のときに酸化膜9の膜厚は
0.3μmとなり、濃度約1.75重量%のときに膜厚
は0.6μmとなることがわかる。したがって、上記し
たような固定条件のもとでは、酸化膜9の最適膜厚0.
3μm〜0.6μmに対応する最適濃度範囲は、約0.
2重量%〜約1.75重量%となることがわかった。
【0041】(3−C)膜厚の最適範囲に直接対応した
温度の好適範囲 また、上記(3−B)同様の観点から、本願発明者等
は、他の条件をほぼ固定した場合における、ホウ酸アン
モニウムの温度と酸化膜9の膜厚との関係を検討した。
その一例を図12に示す。なお、ホウ酸アンモニウムの
濃度は0.5重量%に固定し、温度は10℃から30℃
まで変化させた。この結果、導電率は2.0mS/cm
から2.6mS/cmまで変化した。また、供給電流の
最大電流密度は0.01A/cm2、到達電圧は150
〜155Vにほぼ固定した。
【0042】図12において、ホウ酸アンモニウム温度
の上昇とともに酸化膜9の膜厚は直線的に増加する。そ
して、温度約17℃のときに酸化膜9の膜厚は0.3μ
mとなり、温度約25℃のときに膜厚は0.6μmとな
ることがわかる。したがって、上記したような固定条件
のもとでは、酸化膜9の最適膜厚0.3μm〜0.6μ
mに対応する最適温度範囲は、約17℃〜約25℃とな
ることがわかった。
【0043】次に、以上説明した(1)〜(3)の原理
に基づき、燃料被覆管2に対して0.3μm〜0.6μ
mの膜厚の酸化膜9を形成する具体的な陽極酸化処理方
法について説明する。まず、この0.3μm〜0.6μ
mの膜厚の酸化膜9を形成するときに用いる陽極酸化処
理装置を図13により説明する。図13は、この陽極酸
化処理装置の全体構造を表す平面図及び断面図であり、
陽極酸化処理装置は、電解液12が満たされる電解槽1
3と、この電解槽13内に設けられ、陽極となる燃料被
覆管2を支持する燃料被覆管支持機構14,14と、陰
極となる陰極部材としてのワイヤ15と、燃料被覆管2
に電流を供給するための直流電源16と、電解液12を
冷却する冷却手段としての電解液冷却機18と、電解液
12を攪拌する撹拌手段としての筒状多孔質体19とを
備えている。
【0044】電解槽13の底部には、電解液循環配管2
0が接続されており、電解液12を導出するようになっ
ている。上記電解液冷却機18は、この電解液循環配管
20に設けられており、電解槽13底部から導かれた電
解液12を直接冷却する。冷却された電解液12は、電
解液循環配管20のさらに下流側に設けられたポンプ2
1で加圧された後、電解槽13端部において上方から電
解槽13内に供給されるようになっている。直流電源1
6は、通常のこの種のものと同等に、20Aかつ300
V程度の容量となっている。その正極は燃料被覆管2
に、負極はワイヤ15に接続されるようになっている。
ワイヤ15は、燃料被覆管2の両側にそれぞれ6mm程
度の一定の間隔があくような位置に張られている。筒状
多孔質体19は、電解槽13内において燃料被覆管支持
機構14,14で燃料被覆管2が支持される位置の下方
に配置されており、放出するガスによって電解槽13内
の電解液12を撹拌するようになっている。
【0045】上記構成の陽極酸化処理装置は、酸化膜9
の厚さを0.3μm以上0.6μm以下に制御する上で、
以下のような作用がある。すなわちまず、電解液冷却機
18で電解液12を冷却することにより、電解槽内13
での電解液12の自然放熱を待つことなくこの電解液1
2の温度上昇を強制的に抑制し、導電率の変動を抑制し
て所望の範囲に制御することができる。したがって、酸
化膜9の厚さを容易に0.3μm以上0.6μm以下に制
御することができる。さらに、冷却手段のない自然放熱
の場合には、前回の陽極酸化処理で電解液1の温度が上
昇すると、次に陽極酸化処理を始める前に、処理を中断
して電解液12の温度が自然放熱で下がるのを待つ必要
があるが、電解液冷却機18を設けることによりその必
要がなくなり、連続して陽極酸化処理を行うことができ
るので、燃料被覆管2の表面処理工程の短縮に有効であ
る。また、陽極酸化処理を行うとき、処理中に内部から
放出された酸素ガスが、燃料被覆管2表面に気泡となっ
て付着する場合がある。また処理前に気泡が付着してい
る場合もある。これらの付着気泡は陽極酸化において絶
縁体として作用するため、気泡部分は酸化膜9の形成が
阻害されて膜厚が薄くなり、例えば燃料被覆管2表面に
直径約1mm程度の点状の色むらとなって現れる。そこ
で本実施形態においては、筒状多孔質体19の作用で電
解液12を撹拌することにより、燃料被覆管2表面のこ
れらの付着気泡を取り除くことができるので、酸化膜9
を均一に形成していくことができる。したがって、酸化
膜9の厚さを確実かつ容易に0.3μm以上0.6μm以
下に制御することができる。
【0046】上記構成の陽極酸化処理装置を用いて、本
実施形態の燃料被覆管2に対して陽極酸化を行い、0.
3μm以上0.6μm以下の酸化膜9を形成する。その
酸化処理の具体例を順番に説明する。
【0047】第1の処理例 まず、両端に仮端栓10をしさらに接着剤11で防水処
理を行なった(図4参照)燃料被覆管2を、上記構成の
陽極酸化処理装置の燃料被覆管支持機構14,14に取
り付け、電解液12として濃度0.5重量%のホウ酸ア
ンモニウムを満たした。その後、直流電源16から燃料
被覆管2に155Vの定電圧電流を供給し、電流値が2
0Aから4Aに低下した時点で直流電源16をOFFに
した。またこの間、電解液冷却機18によって電解液1
2の温度を20℃に維持した。なお、この電解液12の
濃度(0.5重量%)は筒状多孔質体19の攪拌効果に
より実質上昇することを考慮に入れて決定したものであ
る。この陽極酸化処理の結果、燃料被覆管2の外周面に
0.40〜0.47μmの酸化膜9を形成することができ
た。
【0048】第2の処理例 上記同様、燃料被覆管2を燃料被覆管支持機構14,
14に取り付け、電解液12として濃度0.5重量%の
ホウ酸アンモニウムを満たし、直流電源16から燃料被
覆管2に150Vの定電圧電流を供給した。そして、電
流値が20Aから4Aに低下した時点で直流電源16を
OFFにし、この間電解液冷却機18によって電解液1
2の温度を15℃に維持した。この陽極酸化処理の結
果、燃料被覆管2の外周面に0.41μmの酸化膜9を
形成することができた。
【0049】第3の処理例 上記同様、燃料被覆管2を取り付けた後に濃度0.
5重量%のホウ酸アンモニウムを満たし、155Vの定
電圧電流を供給し電流値が20Aから4Aに低下した時
点で直流電源16をOFFにした。この間電解液12の
温度を25℃に維持した。この陽極酸化処理の結果、燃
料被覆管2の外周面に0.51μm〜0.6μmの酸化
膜9を形成することができた。
【0050】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、燃料被覆管2の外周表面に膜厚0.3μm〜0.6
μmである酸化膜9が形成されている。したがって、上
記(1−C)で述べたように、耐食性・耐摩耗性の向上
及び原子力プラント内放射能レベルの低減を図ることが
できる。
【0051】なお、上記実施形態においては、陽極酸化
処理装置において、電解液を冷却する手段として電解液
12を直接冷却する電解液冷却機18を用いたが、これ
に限られず、他の冷却手段を設けてもよい。この変形例
を図14に示す。図13と共通する部分には同一の符号
を付し、説明を省略する。図14において示す陽極酸化
処理装置が図13と異なる点は、電解槽13内の電解液
12を直接冷却するのではなく、冷却水を介して間接的
に冷却することである。すなわち、電解槽13内下部に
冷却水循環配管22が貫通して設けられており、この冷
却水循環配管22に、冷却水を冷却する冷水機23と、
ポンプ24とが設けられ、冷水機23で所定温度に冷却
した冷却水をポンプ24を介し常時冷却水循環配管22
内に循環させている。これにより、電解液12は、電解
槽13内に配置された冷却水循環配管22の壁面を介し
て冷却水によって冷却される。なお、この構成において
は、冷却水循環配管22、冷水機23、及びポンプ24
が電解槽内の電解液を冷却する冷却手段を構成すること
になる。この場合も、図13と同様の機能を果たし、同
等の作用を奏する。
【0052】また、上記実施形態及び変形例において
は、陽極酸化処理装置において、ワイヤ15を陰極とし
て用いたが、これに限られず、例えば燃料被覆管2の長
手方向と平行に一定の間隔をおいて配置した板等でもよ
い。この場合も同様の効果を得る。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、耐食性・耐摩耗性の向
上と、原子力プラント内放射能レベルの低減とを両立さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による燃料被覆管を備えた
燃料棒の構造を表す一部破断側面図である。
【図2】図1中II−II断面による横断面図である。
【図3】燃料被覆管の製造工程の一例を示した図であ
る。
【図4】燃料被覆管の両端に仮端栓を設置する手順を表
す図である。
【図5】印加電圧と酸化膜膜厚との関係に関する検討結
果を示した図である。
【図6】酸化膜の耐食性の向上に関し行った腐食試験の
結果を表す図である。
【図7】導電率を変えた場合の印加電圧と酸化膜膜厚と
の関係に関する検討結果を示した図である。
【図8】燃料被覆管の外周面に酸化膜を付着させるとき
の電圧及び電流の時間変化を測定した結果を示す図であ
る。
【図9】ホウ酸アンモニウムにおける濃度と導電率の関
係の一例を示す図である。
【図10】ホウ酸アンモニウムにおける温度と導電率の
関係の一例を示す図である。
【図11】他の条件を固定した場合における、ホウ酸ア
ンモニウムの濃度と酸化膜の膜厚との関係を示す図であ
る。
【図12】他の条件を固定した場合における、ホウ酸ア
ンモニウムの温度と酸化膜の膜厚との関係を示す図であ
る。
【図13】陽極酸化処理装置の全体構造を表す平面図及
び断面図である。
【図14】変形例による陽極酸化処理装置の全体構造を
表す平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1 燃料棒 2 燃料被覆管 9 酸化膜 10 仮端栓 11 接着剤(接着手段) 12 電解液 13 電解槽 14 燃料被覆管支持機構 15 ワイヤ(陰極部材) 16 直流電源 18 電解液冷却機(冷却手段) 19 筒状多孔質体(撹拌手段) 22 冷却水循環配管(冷却手段) 23 冷水機(冷却手段) 24 ポンプ(冷却手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 健一 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 安田 隆芳 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 西野 由高 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 遠藤 正男 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される
    燃料棒の外皮に用いられ、電解液中で陽極酸化を行うこ
    とにより外周表面に酸化膜が形成された燃料被覆管にお
    いて、 前記酸化膜は、0.3μm以上0.6μm以下の厚さを備
    えていることを特徴とする燃料被覆管。
  2. 【請求項2】沸騰水型原子炉用燃料集合体に配置される
    燃料棒の外皮に用いられる燃料被覆管を陽極として電解
    液中で電圧を印加し、該燃料被覆管の外周表面に酸化膜
    を形成する燃料被覆管の陽極酸化処理方法において、 前記酸化膜の厚さを、0.3μm以上0.6μm以下とす
    ることを特徴とする燃料被覆管の陽極酸化処理方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の燃料被覆管の陽極酸化処理
    方法において、前記電解液の処理中における導電率を
    0.5mS/cm以上36mS/cm以下とすることを
    特徴とする燃料被覆管の陽極酸化処理方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の燃料被覆管の陽極酸化処理
    方法において、前記印加する電圧の最終到達値を300
    V以下とすることを特徴とする燃料被覆管の陽極酸化処
    理方法。
  5. 【請求項5】請求項3記載の燃料被覆管の陽極酸化処理
    方法において、前記電解液の処理中における温度を5℃
    以上40℃以下とすることを特徴とする燃料被覆管の陽
    極酸化処理方法。
  6. 【請求項6】請求項3記載の燃料被覆管の陽極酸化処理
    方法において、前記電解液として、濃度が0.1重量%
    〜6重量%のものを用いることを特徴とする燃料被覆管
    の陽極酸化処理方法。
  7. 【請求項7】請求項5記載の燃料被覆管の陽極酸化処理
    方法において、前記電解液の処理中における温度を17
    ℃以上25℃以下とすることを特徴とする燃料被覆管の
    陽極酸化処理方法。
  8. 【請求項8】請求項2記載の燃料被覆管の陽極酸化処理
    方法において、前記電解液として、ホウ酸アンモニウム
    又は水酸化カリウムを用いることを特徴とする燃料被覆
    管の陽極酸化処理方法。
  9. 【請求項9】請求項2記載の燃料被覆管の陽極酸化処理
    方法において、あらかじめ前記燃料被覆管の両端に接着
    手段で仮端栓を接着して該燃料被覆管内部を防水してお
    いた後、陽極酸化を行うことを特徴とする燃料被覆管の
    陽極酸化処理方法。
  10. 【請求項10】電解液が満たされる電解槽と、この電解
    槽内に設けられ、陽極となる燃料被覆管を支持する燃料
    被覆管支持機構と、陰極となる陰極部材と、前記陽極と
    なる燃料被覆管に電流を供給するための直流電源とを有
    する燃料被覆管の陽極酸化処理装置において、 前記電解槽内の電解液を冷却する冷却手段を設けたこと
    を特徴とする燃料被覆管の陽極酸化処理装置。
  11. 【請求項11】電解液が満たされる電解槽と、この電解
    槽内に設けられ、陽極となる燃料被覆管を支持する燃料
    被覆管支持機構と、陰極となる陰極部材と、前記陽極と
    なる燃料被覆管に電流を供給するための直流電源とを有
    する燃料被覆管の陽極酸化処理装置において、 前記電解槽内の電解液を攪拌する撹拌手段を設けたこと
    を特徴とする燃料被覆管の陽極酸化処理装置。
  12. 【請求項12】請求項11記載の燃料被覆管の陽極酸化
    処理装置において、前記撹拌手段は、前記電解槽内にお
    ける前記燃料被覆管が支持される位置の下方に配置され
    た筒状多孔質体であることを特徴とする燃料被覆管の陽
    極酸化処理装置。
JP9181371A 1997-07-07 1997-07-07 燃料被覆管及びその陽極酸化処理方法並びに装置 Pending JPH1123757A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9181371A JPH1123757A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 燃料被覆管及びその陽極酸化処理方法並びに装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9181371A JPH1123757A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 燃料被覆管及びその陽極酸化処理方法並びに装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1123757A true JPH1123757A (ja) 1999-01-29

Family

ID=16099566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9181371A Pending JPH1123757A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 燃料被覆管及びその陽極酸化処理方法並びに装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1123757A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001033574A1 (fr) * 1999-11-02 2001-05-10 Tomoji Takamasa Methode pour ameliorer la mouillabilite, et element expose a un milieu de rayonnement
JP2007533996A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 アレバ エヌピー インコーポレイティド Bwr及びpwrのクラッドフレークの現場分析の方法及び道具
US20120045030A1 (en) * 2009-05-04 2012-02-23 Postech Academy-Industry Foundation Method for forming roughness on surface of nuclear fuel rod cladding including zirconium
KR101487991B1 (ko) * 2013-03-29 2015-02-02 한국과학기술원 양극산화법을 이용한 금속산화물 코팅 방법, 이로부터 제조되는 경사합금재료 및 지르칼로이 핵연료 피복관
CN112417725A (zh) * 2020-11-20 2021-02-26 苏州凌威新能源科技有限公司 负极片孔隙率的设计方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001033574A1 (fr) * 1999-11-02 2001-05-10 Tomoji Takamasa Methode pour ameliorer la mouillabilite, et element expose a un milieu de rayonnement
JP2007533996A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 アレバ エヌピー インコーポレイティド Bwr及びpwrのクラッドフレークの現場分析の方法及び道具
US20120045030A1 (en) * 2009-05-04 2012-02-23 Postech Academy-Industry Foundation Method for forming roughness on surface of nuclear fuel rod cladding including zirconium
CN102414758A (zh) * 2009-05-04 2012-04-11 浦项工科大学校产学协力团 在含锆核燃料棒覆层表面上形成微细凹凸结构的方法
JP2012524256A (ja) * 2009-05-04 2012-10-11 ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション ジルコニウムを含む核燃料棒のクラッディング表面の微細凹凸形成方法
EP2428963A4 (en) * 2009-05-04 2016-03-30 Postech Acad Ind Found METHOD FOR FORMING FINE PROTUBERANCES ON THE SURFACE OF A ZIRCONIUM-CONTAINING NUCLEAR FUEL BAR SHEATH
KR101487991B1 (ko) * 2013-03-29 2015-02-02 한국과학기술원 양극산화법을 이용한 금속산화물 코팅 방법, 이로부터 제조되는 경사합금재료 및 지르칼로이 핵연료 피복관
CN112417725A (zh) * 2020-11-20 2021-02-26 苏州凌威新能源科技有限公司 负极片孔隙率的设计方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4993605B2 (ja) 銅電鋳によって製作した銅/ニオブ複合管材とその製造方法及び複合管材から製造された超伝導加速空洞
Cowling et al. The anodic behaviour of cobalt in alkaline solutions
JP3313624B2 (ja) 沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法
CN112813477A (zh) 一种移动工件式热电化学氧化的方法及设备
JPH1123757A (ja) 燃料被覆管及びその陽極酸化処理方法並びに装置
TW470970B (en) A hafnium alloy having high corrosion resistance, neutron absorber for reactor control rods made of same, reactor controlrod, reactor and nuclear power
US11414773B2 (en) Method of manufacturing surface nanotube array on selective laser melted stainless steel
US20090026069A1 (en) Hydrogenation electrolysis apparatus
CN113151875A (zh) 一种电磁热耦合的热电化学氧化的设备
CN115369297B (zh) 镁锂合金构件及其制造方法、光学装置、成像装置
US5516401A (en) Process for electrochemical machining
JPH07138687A (ja) 平版印刷版用アルミニウム合金基材
Lisboa et al. Manufacturing of annular targets made of LEU foil coated with electrodeposited nickel
WO1993000683A1 (en) Apparatus for producing heat from deuterated film-coated palladium
JPH11142562A (ja) 燃料集合体
KR20220053720A (ko) 박막 제조용 회전 음극드럼 및 그 제조방법
JPH10260280A (ja) 原子炉用ジルコニウム基合金及び燃料被覆管並びに燃料集合体
JP7485876B2 (ja) 燃料被覆管の製造方法
JP2011006747A (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔
CN117638091B (zh) 一种用于锂电池的多孔铜箔及其制备方法和应用
KR101406550B1 (ko) 전기주조용 모판, 그 제조방법 및 이를 이용한 금속지지체 제조방법
JPH06299206A (ja) 軽水又は重水溶液で常温核融合を起こさせる金属材料の製造方法
EP0532920B1 (en) Zirconium and zirconium alloy passivation process
WO1992022907A1 (en) Methods for forming films on cathodes
JPS6230900A (ja) パイプ内面の電解研摩法