JP2000264794A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法

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JP2000264794A
JP2000264794A JP7829199A JP7829199A JP2000264794A JP 2000264794 A JP2000264794 A JP 2000264794A JP 7829199 A JP7829199 A JP 7829199A JP 7829199 A JP7829199 A JP 7829199A JP 2000264794 A JP2000264794 A JP 2000264794A
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carbide single
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Koki Futatsuyama
幸樹 二ツ山
Kazuto Hara
一都 原
Shoichi Onda
正一 恩田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化珪素単結晶層のうねりや反りを抑制し、
炭化珪素単結晶の結晶性を良好にする。 【解決手段】 珪素基板1の上に炭化珪素単結晶層2を
形成したのち、この炭化珪素単結晶層2の上に、該炭化
珪素単結晶層2の表面と比較して表面の凹凸が大きな表
面荒れ層3を形成する。そして、表面荒れ層3の表面が
接触するように、表面荒れ層3と炭化珪素単結晶層2及
び珪素基板1を台座4に載置する。この後、珪素基板1
を除去する。このように、炭化珪素単結晶層2の表面と
比較して表面の凹凸が大きな表面荒れ層3を形成し、こ
の表面荒れ層3側を台座4に接触させるようにすると、
表面荒れ層3と台座4との間に溶融された珪素基板1の
珪素が入り込んだときに、溶融した珪素の表面張力の基
点が分散され、表面荒れ層3の全面に均一に分布する。
よって、炭化珪素単結晶層2のうねりを抑制することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体や発光ダイ
オードなどの素材に利用することができる炭化珪素単結
晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エピタキシャル成長による炭化珪
素単結晶層を黒鉛製台座に固定する方法として、例え
ば、特開平5−208897号公報に開示される方法が
ある。この公報に示される方法では、珪素基板上に炭化
珪素単結晶層をエピタキシャル成長させた後、珪素基板
側が接触するように珪素基板及び炭化珪素単結晶層を黒
鉛製台座に載置する。そして、単結晶成長のための昇温
過程で、珪素基板を黒鉛製台座と反応させることによ
り、珪素基板を構成する珪素を黒鉛製台座内に拡散させ
て黒鉛製台座と珪素基板とを融合一体化させ、残った炭
化珪素単結晶層を種結晶として、炭化珪素単結晶を結晶
成長させるようにしている。
【0003】しかしながら、上記した従来の方法による
と、炭化珪素単結晶層と黒鉛製台座との間に未反応の珪
素が部分的に残留し、炭化珪素単結晶層と黒鉛製台座と
の接合が均一になされず、炭化珪素単結晶層にうねりが
生じてしまう。このため、このようなうねりが発生した
炭化珪素単結晶層を種結晶としてバルク状の炭化珪素単
結晶を成長させると、種結晶のうねりの影響を受け、単
結晶に欠陥を発生させる。
【0004】また、高温下において珪素基板上に炭化珪
素単結晶層を形成したのち、珪素基板及び炭化珪素単結
晶層を常温に降温させる場合、珪素基板と炭化珪素単結
晶層との熱膨張係数差により、珪素基板と炭化珪素単結
晶層とに反りが発生する。このように反りが発生した炭
化珪素単結晶層を種結晶としてバルク成長を行なった場
合、結晶性が良好な高品位のバルク状炭化珪素単結晶が
得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記点に鑑み
て成され、炭化珪素単結晶層のうねりや反りを抑制し、
炭化珪素単結晶の結晶性を良好にできる炭化珪素単結晶
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1に記載の発明においては、半導体基板
(1)を用意し、該半導体基板上に炭化珪素単結晶層
(2)を形成する工程と、炭化珪素単結晶層上に、該炭
化珪素単結晶層の表面と比較して表面の凹凸が大きな表
面荒れ層(3)を形成する工程と、表面荒れ層の表面が
接触するように、表面荒れ層と炭化珪素単結晶層及び半
導体基板を台座(4)に載置する工程と、前記表面荒れ
層を台座に貼り付ける工程とを含んでいることを特徴と
している。
【0007】このように、炭化珪素単結晶層の表面と比
較して表面の凹凸が大きな表面荒れ層を形成し、この表
面荒れ層側を台座に接触させるようにすることで、貼り
つけるための材料、例えば請求項2に示すように、半導
体基板を溶融させた場合にはその溶融させた半導体基板
の一部が、表面荒れ層と台座との間に入り込んだとき
に、溶融した半導体基板の一部の表面張力の基点が分散
され、溶融された半導体基板の一部が表面荒れ層の全面
に均一に分布されるようにできる。
【0008】これにより、溶融された半導体基板の一部
が部分的に残留することによって生じる炭化珪素単結晶
層のうねりを抑制することができる。なお、請求項3に
示すように、表面荒れ層と半導体基板との間に高融点金
属を挟み、溶融させた高融点金属によって表面荒れ層と
半導体基板との貼りつけを行なうようにしてもよい。こ
の場合、高融点金属が台座、炭化珪素単結晶層と合金化
することにより、接着を強固にでき、高温でも剥がれな
いようにできる。
【0009】なお、請求項4に示すように、半導体基板
の表面に表面荒れ層を形成し、その上に炭化珪素単結晶
を形成することにより、炭化珪素単結晶層の半導体基板
側の表面を荒くしてもよい。この場合、半導体基板の表
面荒れ層の反対側の面を台座側に向けて載置することに
より、炭化珪素単結晶層の荒くされた面を台座側に向け
て載置できる。この状態で、半導体基板を溶融すること
により、炭化珪素単結晶層の荒くされた面を台座側にし
て接着することができる。この場合、台座と表面荒れ層
の間に、溶融前から半導体基板があるため、溶融した半
導体基板の一部が炭化珪素単結晶層を回り込む必要がな
いため、溶融した半導体基板の一部が、より均一に広が
り、炭化珪素単結晶層のうねりをより低減することがで
きる。
【0010】特に、請求項5に示すように、半導体基板
として口径2インチ以上のものを用いるような大口径な
ものの場合には、炭化珪素単結晶層のうねりによる影響
を受けやすいため、請求項1に示す方法が有効であると
いえる。請求項6に記載の発明においては、炭化珪素単
結晶層を形成する工程では、熱化学的堆積法によって該
炭化珪素単結晶層を形成し、表面荒れ層を形成する工程
では、熱化学的堆積法によって該表面荒れ層を形成する
ことを特徴としている。
【0011】このように、表面荒れ層を熱化学堆積法に
よって形成することで、炭化珪素単結晶層の形成と表面
荒れ層の形成を連続的に行なうことができる。例えば、
装置内の雰囲気、温度などを制御することによって、各
層を連続的に製造することができる。請求項7に記載の
発明においては、表面荒れ層を形成する工程では、炭化
珪素単結晶層の表面をエッチングすることによって表面
荒れ層を形成することを特徴としている。
【0012】このように、炭化珪素単結晶層をエッチン
グにすることによって炭化珪素単結晶層の表層部を表面
荒れ層としてもよい。なお、エッチングによって表面荒
れ層を形成する場合には、表面荒れ層の凹凸の大きさを
エッチング時間、マスク形状の制御等によって適宜調整
することができるという効果が得られる。また、請求項
8に示すように、炭化珪素単結晶層上に高融点金属(例
えば、タングステン)又はカーボンを蒸着させることに
よって表面荒れ層を形成してもよい。
【0013】請求項9に示すように、炭化珪素単結晶層
の膜厚分布を±20%となるようにすることにより、よ
り炭化珪素単結晶層のうねりを抑制することができる。
具体的には、請求項10に示すように、表面荒れ層の主
表面の表面粗度(Ra)が20nm乃至数μmであれば
よい。請求項11に記載の発明においては、第1の半導
体基板(1)を用意し、該第1の半導体基板上に第1の
炭化珪素単結晶層(2)を形成する工程と、第2の半導
体基板(11)を用意し、該第2の半導体基板上に第2
の炭化珪素単結晶層(12)を形成する工程と、第1の
炭化珪素単結晶層及び第2の炭化珪素単結晶層の間に接
着剤を介在させた状態で、第1、第2の炭化珪素単結晶
層が向かい合うように、第1の炭化珪素単結晶層及び第
1の半導体基板と第2の炭化珪素単結晶層及び第2の半
導体基板とを向かい合わせ配置させる工程と、第1の半
導体基板及び第2の半導体基板を挟む方向にプレスし
て、接着剤を介して第1、第2の炭化珪素単結晶を貼り
合わせる工程と、第1の半導体基板若しくは第2の半導
体基板を除去して、少なくとも第1、第2の炭化珪素単
結晶層のいずれか一方の表面を露出させる工程とを含ん
でいることを特徴としている。
【0014】このように、半導体基板上に炭化珪素単結
晶層を配置したものを2枚用意し、第1、第2の炭化珪
素単結晶層が向かい合うようにした状態でプレスするこ
とにより、半導体基板と炭化珪素単結晶層との熱膨張係
数差によって発生した反りを低減することができる。な
お、請求項12に示すように、接着剤として、炭素粉末
と珪素粉末を第1、第2の炭化珪素単結晶層間に配置
し、第1、第2の炭化珪素単結晶層の貼り合わせ工程に
おいて、炭素粉末及び珪素粉末の焼結を進行させること
により、第1、第2の炭化珪素単結晶層の貼り合わせを
行なうことができる。
【0015】また、請求項13に示すように、台座の貼
り合わせ側の主表面の表面粗度(Ra)を20nm乃至
数μmとしても、上記請求項1と同様の効果を得ること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施形態について
説明する。図1に、本発明の一実施形態である炭化珪素
単結晶の製造工程を示す。以下、図1に基づいて炭化珪
素単結晶の製造方法を説明する。 〔図1(a)に示す工程〕まず、直径4インチの珪素基
板1を用意し、その上に炭化珪素単結晶層2を化学気相
エピタキシャル成長法(CVD法)により成長させる。
具体的には、プロパンなどの炭素供給用原料ガス及びシ
ラン等の珪素供給用原料ガスの化学反応による化学気相
成長を用いて、炭化珪素単結晶層2の膜厚が1〜20μ
m程度、膜厚分布(バラツキ)が±20%以内となるよ
うにしている。このような膜厚分布とすることにより、
炭化珪素単結晶層2の貼り付け後のうねりをより小さく
することができるのである。
【0017】例えば、直径4インチの(111)の結晶
面を有する珪素基板1をCVD反応管(図示せず)内に
配置し、CVD反応管内を1380℃の温度に加熱した
後、水素をキャリアガスとしてCVD反応管内にシラン
ガス及びプロパンガスを50sccmの流量で導入し、
5〜10時間にわたり蒸着反応を継続させるようにし
て、炭化珪素単結晶層2を形成することができる。
【0018】〔図1(b)に示す工程〕その後、図1
(a)に示す工程で用いたCVD装置をそのまま用いて
連続的に、CVD法により炭化珪素単結晶層2の上に、
炭化珪素単結晶層2より面粗度の大きい表面荒れ層を形
成する。このとき、表面荒れ層3の膜厚が10μm以下
となるようにしている。
【0019】例えば、図1(a)に示す工程で作成した
炭化珪素単結晶層2をCVD反応管内に配置したまま、
CVD反応管内を1300℃に降温し、水素をキャリア
ガスとしてCVD管内にシランガス及びプロパンガスを
100sccmの流量で導入し、1〜3時間にわたり蒸
着反応を継続させるようにして、表面荒れ層(貼付け補
強層)3を形成することができる。
【0020】このとき、CVD反応管内の温度を低くす
ることにより、炭化珪素単結晶層2の成長表面に付着す
る原料ガスの量を増やすことができる。その結果、成長
表面で成長核が多数発生し、結晶欠陥の多い結晶が成長
して、成長表面の表面粗度が大きくなる。また、表面荒
れ層3の形成時に原料ガスを増すことによっても原料ガ
スの表面付着量を増すことができ、表面粗度を大きくす
ることができる。
【0021】その後、CVD装置から表面荒れ層3を形
成した炭化珪素単結晶層2を取り出す。このとき得られ
た表面荒れ層3を確認したところ表面粗度が0.2μm
程度であった。 〔図1(c)、(d)に示す工程〕炭化珪素単結晶層2
及び表面荒れ層3を形成した珪素基板1を、表面荒れ層
3の表面が接触面となるように黒鉛製台座4に載置す
る。そして、珪素基板1の上に黒鉛製板5を載置する。
【0022】その後、黒鉛製台座4及び黒鉛製板5と共
に珪素基板1を熱処理装置(図示せず)内に配置したの
ち、装置内を珪素の融点(1415℃)以上に昇温し
て、珪素基板1を溶融する。そして、装置内を常温に戻
すという処理を行なう。例えば、雰囲気は真空又は不活
性ガス雰囲気として、20℃/分の速度で1500℃ま
で昇温させ、この状態を2時間程度保持した後、装置内
を常温、常圧に戻した。
【0023】このとき、珪素基板1が溶融されると共に
溶融された珪素が黒鉛板5により押出され、外部に除去
されると同時に、溶融された珪素基板の一部(以下、珪
素6いう)が表面荒れ層3と黒鉛製台座4の隙間に回り
込む。このとき、表面荒れ層3の表面の凹凸により、珪
素6が隙間に回り込んだ際に、溶融された珪素6の表面
張力の基点が分散し(表面荒れ層3に珪素6が入り込
み)、珪素6が表面荒れ層3の貼付け面全面に均一に分
布する。
【0024】なお、実験により確認したところ、表面の
凹凸が0.02μm以下の時には珪素6が表面荒れ層3
の貼付け面全面に均一に回り込まなかった。その後、装
置内を降温し、固化した珪素6を接着剤として炭化珪素
単結晶層2と黒鉛製台座4とを結合させる。その結果、
図1(d)に示すように、黒鉛製台座4に密着された炭
化珪素単結晶層2が得られる。この炭化珪素単結晶層2
は接着材としての役割を果たす珪素6が貼付け面全面に
均一に分布しているため、表面が平坦となっており、黒
鉛製台座4に対して密着性よく固定されている。
【0025】具体的に、このとき得られた炭化珪素単結
晶層2の表面の起伏を測定した(測定幅5mm)とこ
ろ、起伏の垂直方向の高さ(振幅)が5μm、起伏頂点
の間隔(波長)が2.5mmとなっていた。この測定結
果からも、炭化珪素単結晶層2の表面の起伏が少ないこ
とが判る。このような製法で得られた炭化珪素単結晶層
2を種結晶としてバルク成長を行なうと、貼り付けた炭
化珪素単結晶層2の表面の起伏が減少しているため、良
好なバルク結晶成長を行なうことができる。実験的に、
バルク結晶成長を行なったところ、そのバルクの結晶性
がX線ロッキングカーブ半値幅で100秒程度と高品位
な結晶であった。 (第2実施形態)本発明の第2実施形態について図2に
示す炭化珪素単結晶の製造工程に基づいて説明する。
【0026】〔図2(a)、(b)に示す工程〕まず、
直径4インチの珪素基板1を用意し、その上に炭化珪素
単結晶層2を化学気相エピタキシャル成長法(CVD
法)により成長させる。具体的には、プロパンなどの炭
素供給用原料ガス及びシラン等の珪素供給用原料ガスの
化学反応による化学気相成長を用いて、炭化珪素単結晶
層2の膜厚が1〜20μm程度となるようにしている。
【0027】例えば、直径4インチの(111)の結晶
面を有する珪素基板1をCVD反応管(図示せず)内に
配置し、CVD反応管内を1380℃の温度に加熱した
後、水素をキャリアガスとしてCVD反応管内にシラン
ガス及びプロパンガスを50sccmの流量で導入し、
5〜10時間にわたり蒸着反応を継続させるようにし
て、炭化珪素単結晶層2を形成することができる。
【0028】この後、CVD反応管から炭化珪素単結晶
層2が形成された珪素基板1を取り出し、常温まで降温
させる。このとき、炭化珪素単結晶層2と珪素基板1と
の熱膨張係数差により、内部応力が生じ、図2(b)に
示すように炭化珪素単結晶層2と珪素基板1に反りが発
生する。
【0029】〔図2(c)に示す工程〕次に、直径4イ
ンチの珪素基板11を用意し、図2(a)に示す工程と
同じ工程を施して、図2(b)に示されるような珪素基
板11上に炭化珪素結晶層12が形成されたものをもう
1つ形成する。そして、一方の炭化珪素単結晶層2の上
に接着剤13を塗布し、炭化珪素単結晶層12と炭化珪
素単結晶層2とが向かい合うように、炭化珪素単結晶層
12及び珪素基板11と炭化珪素単結晶2及び珪素基板
1とを向かい合わせて配置させる。
【0030】このとき、接着剤13として、粒径が数μ
m程度の炭素粉末と珪素粉末をアルコールなどで湿式混
合し、ペースト状にしたものを用いた。その後、熱処理
装置内に向かい合わせた珪素基板1及び珪素基板11を
入れ、装置内を所定の温度、圧力まで昇温、昇圧する。
このときの温度は炭素粉末と珪素粉末が化合する温度
(900℃)以上としている。
【0031】例えば、装置内を1350℃とし、20℃
/分の速度で1350℃まで昇温させたのち、2〜3分
で1MPa程度まで昇圧させて2枚の珪素基板1、11
をプレスする。この状態を1時間程度保持したのち、装
置内を常温、常圧に戻す。これにより、炭素粉末と珪素
粉末が反応し、炭化珪素が生成されると同時に、生成さ
れた炭化珪素の焼結が進行し、炭化珪素単結晶層12が
炭化珪素単結晶層2に強固に貼り付けられる。
【0032】また、反対向きに反っている2枚の炭化珪
素単結晶層2、12を向かい合わせ、圧力を加えること
により、それぞれの炭化珪素単結晶層2、12の反りを
戻すことができる。このように、逆向きの応力を有する
炭化珪素単結晶層2、12が貼り合わされているため、
常温に戻した後も反ることはない。 〔図2(d)に示す工程〕次に、70%硝酸と、49%
フッ酸を4:1の混合比で混合したフッ硝酸処理を2時
間行い、珪素基板1、11を除去する。これにより、反
りが少なく表面形状が平坦となっている炭化珪素単結晶
層2、12を形成することができる。
【0033】このとき、炭化珪素単結晶層2と珪素基板
1及び、炭化珪素単結晶層12と珪素基板11における
熱膨張係数差に基づく応力が除去されており、珪素基板
1、11除去以前から炭化珪素単結晶層2、12の反り
がなくなっているため、珪素基板1、11を除去したこ
とによって炭化珪素単結晶層2、12が割れることはな
い。
【0034】このようにして得られた炭化珪素単結晶層
2、12を種結晶としてバルク成長を行なうことによ
り、結晶性の良好な高品位のバルク状炭化珪素単結晶を
成長させることができる。 (他の実施形態)上記実施形態では、基材として黒鉛製
台座4を用いた例を示したが、多結晶炭化珪素板のよう
な半導体基板を用いても良い。
【0035】また、図1(a)に示した工程では、表面
荒れ層3を形成する方法として、反応管内温度、原料ガ
ス流量を変化させたが、炭化珪素単結晶層2の表面をエ
ッチングする方法によって行なっても良い。また、炭化
珪素単結晶層2の表面に炭化珪素と異なる高融点材料を
蒸着することによっても表面荒れ層3を形成することが
できる。
【0036】図1(c)に示す工程では、珪素を接着剤
として用い、装置内を溶融温度以上に昇温させたが、カ
ーボン系の樹脂材料を接着剤として用い、常温で接着す
るようにしてもよい。また、上記第1実施形態では、炭
化珪素単結晶層2の上に表面荒れ層3を形成したが、珪
素基板1のうち炭化珪素単結晶層2が形成された表面の
反対側の表面に表面荒れ層を形成するようにしてもよ
い。この場合、溶融された珪素が炭化珪素単結晶層2を
回り込む必要がないため、表面荒れ層3と炭化珪素単結
晶層2との接合がより強度になるようにできる。基板表
面の面粗度を大きくした珪素基板上に炭化珪素単結晶層
をエピタキシャル成長し、図1(c)に示す工程で、黒
鉛製台座4に珪素基板を接するように載置することによ
り、炭化珪素単結晶の成長裏面側を表面荒れ層とするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる炭化珪素単結晶
の製造工程を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる炭化珪素単結晶
の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1、11…珪素基板、2、12…炭化珪素単結晶層、3
…表面荒れ層、4…黒鉛製台座、5…黒鉛製板、6…珪
素、13…接着剤。
フロントページの続き (72)発明者 恩田 正一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4G077 AA02 AA03 BE08 DB04 DB07 DB12 DB21 ED06 FE10 FJ03 HA12 5F041 AA40 CA22 CA33 CA65 CA73 CA77

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台座(4)上に配置された炭化珪素単結
    晶層(2)を種結晶として、該種結晶上に炭化珪素単結
    晶を結晶成長させる炭化珪素単結晶の製造方法におい
    て、 半導体基板(1)を用意し、該半導体基板上に炭化珪素
    単結晶層を形成する工程と、 前記炭化珪素単結晶層上に、該炭化珪素単結晶層よりも
    結晶表面の凹凸が大きな表面荒れ層(3)を形成する工
    程と、 前記表面荒れ層の表面が接触するように、前記表面荒れ
    層と前記炭化珪素単結晶層及び前記半導体基板を前記台
    座に載置する工程と、 前記表面荒れ層を前記台座に貼り付ける工程とを含んで
    いることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記表面荒れ層を貼り付ける工程では、
    前記半導体基板を溶融し、前記半導体基板の一部を前記
    表面荒れ層と前記台座との間に入り込ませることによ
    り、前記炭化珪素単結晶層を前記台座に貼り付けること
    を特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記表面荒れ層を貼り付ける工程では、
    前記表面荒れ層と前記台座との間に高融点金属を挟み、
    溶融温度以上に昇温することにより、前記炭化珪素単結
    晶層を前記台座に貼り付けることを特徴とする請求項1
    に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 台座(4)上に配置された炭化珪素単結
    晶層(2)を種結晶として、該種結晶上に炭化珪素単結
    晶を結晶成長させる炭化珪素単結晶の製造方法におい
    て、 半導体基板(1)を用意し、該半導体基板の一方の面に
    表面粗度(Ra)が20nm乃至数μmの表面荒れ層
    (3)を形成する工程と、 前記表面荒れ層の主表面上に、炭化珪素単結晶層を形成
    することにより、該炭化珪素単結晶層の前記表面荒れ層
    側の表面を凹凸形状とする工程と、 前記半導体基板のうち、前記表面荒れ層の反対側の表面
    が接触するように、前記半導体基板と前記炭化珪素単結
    晶層とを前記台座に載置する工程と、 前記半導体基板を溶融することにより、前記炭化珪素単
    結晶層を前記台座に貼り付ける工程とを含んでいること
    を特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板として口径2インチ以上
    のものを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記炭化珪素単結晶層を形成する工程で
    は、熱化学的堆積法によって該炭化珪素単結晶層を形成
    し、 前記表面荒れ層を形成する工程では、熱化学的堆積法に
    よって該表面荒れ層を形成することを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記表面荒れ層を形成する工程では、表
    面をエッチングすることによって前記表面荒れ層を形成
    することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに
    記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記表面荒れ層を形成する工程では、高
    融点金属又はカーボンの蒸着によって該表面荒れ層を形
    成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つ
    に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記炭化珪素単結晶層を形成する工程で
    は、前記炭化珪素単結晶層の膜厚分布を±20%となる
    ようにすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記表面荒れ層の表面粗度(Ra)が
    20nm乃至数μmとなるようにすることを特徴とする
    請求項1乃至9のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 炭化珪素単結晶層を種結晶として、該
    種結晶上に炭化珪素単結晶を結晶成長させる炭化珪素単
    結晶の製造方法において、 第1の半導体基板(1)を用意し、該第1の半導体基板
    上に第1の炭化珪素単結晶層(2)を形成する工程と、 第2の半導体基板(11)を用意し、該第2の半導体基
    板上に第2の炭化珪素単結晶層(12)を形成する工程
    と、 前記第1の炭化珪素単結晶層及び前記第2の炭化珪素単
    結晶層の間に接着剤を介在させた状態で、前記第1、第
    2の炭化珪素単結晶層が向かい合うように、前記第1の
    炭化珪素単結晶層及び前記第1の半導体基板と前記第2
    の炭化珪素単結晶層及び前記第2の半導体基板とを向か
    い合わせ配置させる工程と、 前記第1の半導体基板及び前記第2の半導体基板を挟む
    方向にプレスして、前記接着剤を介して前記第1、第2
    の炭化珪素単結晶を貼り合わせる工程と、 前記第1の半導体基板若しくは第2の半導体基板を除去
    して、少なくとも前記第1、第2の炭化珪素単結晶層の
    いずれか一方の表面を露出させる工程とを含んでいるこ
    とを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記向かい合わせ配置工程では、前記
    接着剤として、炭素粉末と珪素粉末を前記第1、第2の
    炭化珪素単結晶層間に配置し、前記第1、第2の炭化珪
    素単結晶層の貼り合わせ工程において、前記炭素粉末及
    び前記珪素粉末の焼結を進行させることにより、前記第
    1、第2の炭化珪素単結晶層の貼り合わせを行なうこと
    を特徴とする請求項11に記載の炭化珪素単結晶の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 台座(4)上に配置された炭化珪素単
    結晶層(2)を種結晶として、該種結晶上に炭化珪素単
    結晶を結晶成長させる炭化珪素単結晶の製造方法におい
    て、 前記台座の貼り合わせ側の主表面の表面粗度(Ra)を
    20nm乃至数μmとする工程と、 半導体基板を用意し、該半導体基板上に炭化珪素単結晶
    層を形成する工程と、 前記半導体基板と前記炭化珪素単結晶層を、前記台座に
    載置する工程と、前記炭化珪素単結晶層を前記台座に貼
    り付ける工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素
    単結晶の製造方法。
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