JP2000264613A - 炭素材料及び非水電解質電池の製造方法 - Google Patents

炭素材料及び非水電解質電池の製造方法

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JP2000264613A
JP2000264613A JP11076043A JP7604399A JP2000264613A JP 2000264613 A JP2000264613 A JP 2000264613A JP 11076043 A JP11076043 A JP 11076043A JP 7604399 A JP7604399 A JP 7604399A JP 2000264613 A JP2000264613 A JP 2000264613A
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negative electrode
carbon material
vegetable raw
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carbonized
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JP11076043A
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Ryuichiro Maruyama
竜一郎 丸山
Shinichiro Yamada
心一郎 山田
Miho Ami
美保 網
Hisashi Kajiura
尚志 梶浦
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物性原料が焼成されてなり、無機鉱物の含
有率を低減させる。 【解決手段】 植物性原料を炭素化して炭素材料を製造
するに際し、上記植物性原料又は炭素化された上記植物
性原料に対して微生物を作用させることにより、当該植
物性原料又は炭素化された植物性原料に含有される金属
成分を溶出除去する微生物作用工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素材料の製造方
法及びその炭素材料を負極に用いた非水電解質電池の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型ビデオテープレコー
ダ、携帯電話、ラップトップコンピュータ等の携帯型電
子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。
そして、これらの電子機器の携帯型電源となる電池、特
に、再充電可能な二次電池についてエネルギー密度を向
上させるための研究開発が活発に進められている。
【0003】二次電池の中でも、リチウムイオン二次電
池は、鉛電池やニッケルカドミウム電池等、従来の非水
電解液系二次電池と比較して大きなエネルギー密度が得
られるため、優れた携帯型電源としての期待度が大きく
なっている。
【0004】このリチウムイオン二次電池において、負
極材料として炭素材料が用いられている。負極に炭素材
料を用いることにより、充放電の繰り返しによって起こ
るデンドライト状のリチウム金属の析出を防止すること
が可能となった。負極に用いられる炭素材料としては、
製造コストやサイクル特性を考慮して、コークス類、有
機高分子焼成体等が用いられている。
【0005】本発明者は、以前に、負極の炭素材料とし
て天然物由来の植物性原料焼成炭を用いることで、大き
な充放電容量と高い充放電効率とを実現できることを見
い出し、報告している(国際出願番号:PCT/JP9
6/00548号、国際公開番号:WO96/2791
1号)。
【0006】この植物性原料焼成炭は、植物性原料を焼
成して炭素化したものであり、植物性原料として廃材等
の産業廃棄物を用いることができる。産業廃棄物は世界
中で大量に排出されており、産業廃棄物を原料とする植
物性原料焼成炭は、廃棄物の再資源化、地球環境の保護
という観点から見ても今後の更なる開発が強く期待され
る材料である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように長所を多く兼ね備えた焼成炭であるが、原料と
なる産業廃棄物が、多量のアルカリ金属、アルカリ土類
金属又は重金属等の無機鉱物を含有していることが問題
点となっている。
【0008】上述したような無機鉱物を含有する産業廃
棄物を原料として製造された植物性原料焼成炭は、必然
的に、無機鉱物の含有量が高いものとなる。無機鉱物の
含有量が高い炭素材料は、電池の負極として用いた場合
に十分な容量を得ることができず、電池性能向上の妨げ
となってしまう。
【0009】また、無機鉱物の含有量が高い産業廃棄物
は、再利用する場合にも、また、廃棄処理する場合に
も、無機鉱物の除去工程にエネルギーや経費を必要とす
る他、環境に与える影響も大きいため、産業廃棄物の再
利用を図る上で妨げとなっていた。
【0010】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、植物性原料が焼成されてなり、
無機鉱物の含有率を低減させた炭素材料の製造方法及び
その炭素材料を用いた非水電解質電池の製造方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の炭素材料の製造
方法は、植物性原料を炭素化して炭素材料を製造するに
際し、上記植物性原料又は炭素化された上記植物性原料
に対して微生物を作用させることにより、当該植物性原
料又は炭素化された植物性原料に含有される金属成分を
溶出除去する微生物作用工程を有することを特徴とす
る。
【0012】上述したような本発明に係る炭素材料の製
造方法では、上記植物性原料又は炭素化された上記植物
性原料に対して微生物を作用させ、当該植物性原料又は
炭素化された植物性原料に含有される金属成分を溶出除
去するので、金属成分の含有率の低い炭素材料が得られ
る。
【0013】本発明の非水電解質電池の製造方法は、リ
チウムを含有する正極と、上記正極と対向して配されリ
チウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料を含有
する負極と、上記正極と上記負極との間に介在される非
水電解液とを備えた非水電解質電池の製造方法におい
て、植物性原料を炭素化して上記炭素材料を製造するに
際し、植物性原料又は炭素化された上記植物性原料に対
して微生物を作用させることにより、当該植物性原料又
は炭素化された植物性原料に含有される金属成分を溶出
除去する微生物作用工程を有することを特徴とする。
【0014】上述したような本発明に係る非水電解質電
池の製造方法では、上記植物性原料又は炭素化された上
記植物性原料に対して微生物を作用させ、当該植物性原
料又は炭素化された植物性原料に含有される金属成分を
溶出除去するので、金属成分の含有率の低い炭素材料が
得られる。その結果、本発明に係る非水電解質電池の製
造方法では、リチウムイオンのドープ・脱ドープが良好
に行われ、大容量を有する非水電解質電池が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0016】本発明の非水電解質電池の一構成例を図1
に示す。この非水電解液電池1は、負極2と、負極2を
収容する負極缶3と、正極4と、正極4を収容する正極
缶5と、正極4と負極2との間に配されたセパレータ6
と、絶縁ガスケット7とを備え、負極缶3及び正極缶5
内に非水電解液が充填されてなる。
【0017】負極2は、負極2は、負極集電体上に、負
極活物質を含有する負極活物質層が形成されてなる。負
極活物質としては、リチウムをドープ、脱ドープ可能な
炭素材料が用いられる。
【0018】ここで、本実施の形態に係る非水電解液電
池1では、炭素材料として、植物性原料を焼成、炭素化
することにより得られた植物性原料焼成炭を用いてい
る。植物性原料としては、例えば廃コーヒー豆等が挙げ
られる。この植物性原料焼成炭については、後に詳述す
る。
【0019】負極缶3は、負極2を収容するものであ
り、また、非水電解液電池1の外部負極となる。
【0020】正極4は、正極集電体上に、正極活物質を
含有する正極活物質層が形成されてなる。
【0021】正極活物質としては、TiS2、MoS2
NbSe2、V25等の金属酸化物あるいは金属硫化物
や、LixMO2(式中、Mは1種以上の遷移金属を表
し、xは電池の放電状態によって異なり、通常0.05
≦x≦1.10である。)を主体とするリチウム複合酸
化物等を使用することができる。
【0022】このリチウム複合酸化物を構成する遷移金
属としては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このよう
なリチウム複合酸化物として、具体的にはLiCO2
LiNiO2、LixNiyCo1-y2(式中、x,yは
電池の充放電状態によって異なり、通常0<x<1、
0.7<y<1.02である。)、LiMn24等を挙
げることができる。これらのリチウム複合酸化物は、高
電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物質
となる。なお、正極活物質には、上述したような化合物
の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合し
て用いてもよい。
【0023】正極活物質層に含有される結合剤として
は、この種の非水電解液電池の正極活物質層の結合剤と
して通常用いられている公知の樹脂材料等を用いること
ができる。
【0024】正極缶5は、正極4を収容するものであ
り、また、非水電解液電池1の外部正極となる。
【0025】セパレータ6は、正極4と、負極2とを離
間させるものであり、この種の非水電解液電池のセパレ
ータとして通常用いられている公知の材料を用いること
ができる。
【0026】絶縁ガスケット7は、負極缶3に組み込ま
れ一体化されている。この絶縁ガスケット7は、負極缶
3及び正極缶5内に充填された非水電解液の漏出を防止
するためのものである。
【0027】非水電解液は、非プロトン性非水溶媒に電
解質塩を溶解させた溶液が用いられる。非水電解液に用
いられる非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエ
タン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクト
ン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジプ
ロピルカーボネート、ジエチルエーテル、スルホラン、
メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリ
ル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル
等を使用することができる。また、上述したような非水
溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を
混合して用いてもよい。
【0028】また、電解質塩としては、リチウム、ナト
リウム、アルミニウム等の軽金属塩を使用することがで
き、当該非水電解液を使用する電池の種類に応じて適宜
選択することができる。例えば、非水リチウム二次電池
を構成する場合、電解質としては、LiClO4、Li
AsF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3
SO22等のリチウム塩を使用することができる。
【0029】上述したように、この非水電解液電池1で
は、負極活物質として、植物性原料を焼成、炭素化する
ことにより得られた炭素材料を用いている。つぎに、植
物性原料として廃コーヒー豆を用い、この廃コーヒー豆
を焼成、炭化することにより炭素材料を得る方法につい
て説明する。なお、本実施の形態において用いる廃コー
ヒー豆とは、焙煎され、水又は湯等でコーヒー液が浸出
された後のコーヒー豆のことを言う。この廃コーヒー豆
は、通常、挽かれて粉状となされている。
【0030】まず、廃コーヒー豆に対して予備炭素化処
理を施す。予備炭素化処理を施すには、真空下、又は、
窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下、又は、廃コー
ヒー豆の自己発生ガス雰囲気下において、当該廃コーヒ
ー豆を300℃〜800℃、好ましくは400℃〜70
0℃で加熱する。この予備炭素化処理には、種々の炉を
用いることができる。
【0031】次に、予備炭素化された廃コーヒー豆に対
して微生物を用いたリーチング処理を施して、当該廃コ
ーヒー豆中に含有される無機鉱物を溶出除去する。この
リーチング処理により、上記廃コーヒー豆中の無機鉱物
の含有量が低減される。
【0032】リーチング処理に用いられる微生物として
は、例えばBacillus subtilisや、Rhizopus arrhizus、
Thiothrix Strain等のバクテリアが挙げられる。これら
のバクテリアは、細胞壁中の酵素が金属を捕獲する性質
を持ち、廃コーヒー豆中に含まれる無機鉱物を溶出させ
る機能を有する。
【0033】従って、上述したような微生物を用いて廃
コーヒー豆中に過剰に含有される無機鉱物を溶出させ、
当該微生物によって溶出された無機鉱物を除去すること
で、廃コーヒー豆の無機鉱物の含有量を減少させること
ができる。そして、廃コーヒー豆の無機鉱物の含有量を
減少させることにより、リチウムイオンのドープ・脱ド
ープが良好に行われ、負極材料としてより高性能な炭素
材料を得ることが可能となる。
【0034】なお、このリーチング処理により除去され
る無機鉱物としては、例えばK、Ca、Mg等が挙げら
れる。
【0035】また、このリーチング処理により、廃コー
ヒー豆中の無機鉱物の含有量は0.1重量%以上、5.
0重量%以下の範囲とされることが好ましい。廃コーヒ
ー豆中の無機鉱物の含有量を0.1重量%以上、5.0
重量%以下の範囲とすることで、当該廃コーヒー豆から
得られる炭素材料を負極材料として用いた場合に、リチ
ウムイオンのドープ・脱ドープが良好に行われ、より大
容量を有する優れた電池を構成することができる。
【0036】次に、リーチング処理が施された廃コーヒ
ー豆を焼成することにより当該廃コーヒー豆を炭素化し
て炭素材料を得る。廃コーヒー豆の焼成は、真空下又は
不活性ガス雰囲気下で、1℃/分以上の昇温速度で70
0℃〜3000℃の到達温度まで昇温し、その温度で0
時間〜10時間保持することにより行う。この焼成によ
り、廃コーヒー豆が炭素化されて炭素材料が得られる。
廃コーヒー豆を焼成するには、種々の焼成炉を用いるこ
とができる。
【0037】なお、上述した廃コーヒー豆の焼成工程に
おいて、好ましい昇温速度は3℃/分以上であり、より
好ましい昇温速度は5℃/分以上である。また、好まし
い到達温度は800℃〜2000℃であり、さらに好ま
しい昇温速度はは900℃〜1500℃である。また、
好ましい保持時間は0時間〜7時間であり、より好まし
い保持時間は0時間〜5時間である。
【0038】上述したような方法により得られる炭素材
料は、無機鉱物の含有量が非常に低いものとなる。そし
て、この炭素材料を負極材料として用いることで、リチ
ウムイオンのドープ・脱ドープが良好に行われ、高いエ
ネルギー密度を有し、しかも大きな放電容量を有する優
れた非水電解液電池を実現することができる。
【0039】また、この炭素材料は、前駆体となる植物
性原料として廃材等の産業廃棄物を用いることができ、
廃棄物の再資源化、地球環境の保護という観点からも非
常に優れた材料である。さらに、上述したような微生物
を用いたリーチングでは、エネルギーや経費がかから
ず、また、環境に与える影響も少ないため、産業廃棄物
の有効利用を図ることができる。
【0040】なお、上述した方法では、廃コーヒー豆に
対するリーチング処理を、予備炭素化工程と焼成工程と
の間に行う場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、予備炭素化工程の前にリー
チング処理を行ってもよいし、或いは、焼成工程の後に
リーチング処理を行ってもよい。
【0041】また、予備炭素化工程とリーチング処理と
の間に、廃コーヒー豆中の不燃性物質を除去する脱灰処
理を必要により行ってもよい。また、予備炭素化工程を
省略することも可能である。
【0042】そして、以上のようにして得られた炭素材
料は、電池材料として特に適したものとなる。この炭素
材料を負極活物質として用いた非水電解液電池1は、例
えば次のようにして製造される。
【0043】負極2は、粉砕した炭素材料と結着剤とを
溶媒中に分散させてスラリーの負極合剤を調製する。次
に、得られた負極合剤を集電体上に均一に塗布、乾燥し
て負極活物質層を形成することにより作製される。上記
負極合剤の結着剤としては、公知の結着剤を用いること
ができるほか、上記負極合剤に公知の添加剤等を添加す
ることができる。
【0044】ここで、上述した本発明の方法により得ら
れた炭素材料には、その表面に吸着水が存在している。
そのため、この炭素材料をそのまま非水電解液電池の負
極活物質として用いることはできず、炭素材料の表面の
吸着水を除去しなければならない。炭素材料の表面の吸
着水の除去は、炭素材料を不活性ガス雰囲気中で例えば
600℃程度にまで加熱、保持することにより行うこと
ができる。
【0045】正極4は、正極活物質と結着剤とを含有す
る正極合剤を、集電体となる金属箔上に均一に塗布、乾
燥して正極活物質層を形成することにより作製される。
上記正極合剤の結着剤としては、公知の結着剤を用いる
ことができるほか、上記正極合剤に公知の添加剤等を添
加することができる。また、リチウムイオン電池を構成
する場合、リチウム金属箔を正極4として用いることも
できる。
【0046】非水電解液は、電解質塩を非水溶媒中に溶
解することにより調製される。
【0047】そして、負極2を負極缶3に収容し、正極
4を正極缶5に収容し、負極2と正極4との間に、ポリ
プロピレン製多孔質膜等からなるセパレータ6を配す
る。負極缶3及び正極缶5内に非水電解液を注入し、絶
縁ガスケット7を介して負極缶3と正極缶5とをかしめ
て固定することにより、非水電解液電池1が完成する。
【0048】なお、上述した実施の形態では、植物性原
料として廃コーヒー豆を用いた場合を例に挙げて説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、木、竹
又は植物性有機樹脂等、種々の植物性原料を用いること
ができる。
【0049】また、本発明を適用して製造された炭素材
料は、例えばリチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドー
プが可能であり、電池材料として特に適したものとなる
が、本発明により製造された炭素材料はこれに限定され
るものではなく、炭素材料として種々の用途に用いるこ
とができる。
【0050】上述したような本実施の形態に係る非水電
解液電池1は、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等、
その形状については特に限定されることはなく、また、
薄型、大型等の種々の大きさにすることができる。
【0051】なお、上述した実施の形態では、非水電解
質電池として、非水電解液を用いた非水電解液電池1を
例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、非水電解質として、固体電解質や、膨潤溶媒
を含有するゲル状の固体電解質を用いた場合にも適用可
能である。また、本発明は、一次電池についても二次電
池についても適用可能である。
【0052】
【実施例】本発明の効果を確認すべく、コーヒー豆を原
料として炭素材料を作製し、その炭素材料を用いて電池
を作製し、その電池の評価を行った。
【0053】〈実施例〉まず、廃コーヒー豆を原料とし
て炭素材料を作製した。
【0054】まず、コーヒー豆を粉砕分級することによ
り、直径50μm以下のコーヒー豆粉体とした。得られ
たコーヒー豆粉体を常圧の窒素ガス雰囲気中で、1時間
かけて室温から500℃まで昇温し、500℃で3時間
保持することにより予備炭素化して炭素前駆体とした。
【0055】次に、得られた炭素前駆体を3gと、バク
テリアとしてBacillus subtilisを乾燥重量で1.0g
とを、500mlの純水中で混合し、その混合液を20
℃〜30℃の温度範囲に保ち1時間放置して、炭素前駆
体に上記バクテリアを作用させた。放置後、桐山漏斗を
用いて炭素前駆体と微生物とを分離し、バクテリア処理
炭素前駆体を得た。
【0056】次に、得られたバクテリア処理炭素前駆体
をアルミナ製の坩堝に堆積し、この坩堝を、直径75m
mの横型管状炉中に入れた。そして、窒素ガスを5リッ
トル/分で流しながら、5℃/分の昇温速度で1200
℃まで昇温し、1200℃で1時間保持することにより
バクテリア処理炭素前駆体を炭素化し、炭素材料を得
た。
【0057】次に、上述のようにして得られた炭素材料
を負極材料として用いて電池を作製した。
【0058】まず、上記炭素材料を乳鉢で粉砕して炭素
粉末とし、メッシュ篩により分級して径が38μm以下
の炭素粉末を集めた。この炭素粉末を、アルゴン雰囲気
中で30℃/分の昇温速度で600℃にまで加熱し、6
00℃で1時間保持した。これにより、炭素材料の表面
に付着した水分等を除去した。
【0059】次に、この水分を除去した炭素粉末を室温
まで冷却した後速やかに、この炭素粉末を90重量部
と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを10重量部
と、溶媒としてジメチルホルムアミドとを均一に混合し
て負極合剤を調製した。
【0060】次に、この負極合剤を集電体となるニッケ
ルメッシュ(ニッケル繊維径20μm)上に塗布し、乾
燥して負極活物質層を形成した。
【0061】そして、負極活物質層が形成されたニッケ
ルメッシュを、直径15.5mmの円板状に打ち抜くこ
とによりペレット状の負極とした。なお、この負極1個
には、37mgの負極合剤が担持されている。
【0062】また、リチウム金属箔を負極と略同形に打
ち抜くことにより正極とした。
【0063】また、プロピレンカーボネートとジメトキ
シエタンとの等容量混合溶媒に、LiClO4を1mo
l/lの濃度で溶解させることにより非水電解液を調製
した。
【0064】以上のようにして得られた正極を正極缶に
収容し、負極を負極缶に収容し、正極と負極との間に、
ポリプロピレン製多孔質膜からなるセパレータを配し
た。正極缶及び負極缶内に非水電解液を注入し、正極缶
と負極缶とをかしめて固定することにより、直径が20
mm、厚さが2.5mmのコイン型テストセルを作製し
た。
【0065】〈比較例〉コーヒー豆が予備炭素化されて
なる炭素前駆体に対して微生物を作用させなかったこと
以外は、実施例と同様にして炭素材料を作製し、この炭
素材料を負極材料として用いてテストセルを作製した。
【0066】そして、以上のようにして作製されたテス
トセルについて、負極容量を測定した。
【0067】まず、テストセルに対し、1mA(電流密
度0.53mA/cm2)の定電流で以下のように充放
電を行った。
【0068】放電容量測定試験は、1時間の通電(充
電)と2時間の休止とを繰り返し、各休止時の休止時間
の−0.5乗に対して電圧をプロットし(図示せず)、
無限時間に外挿することにより充電容量を求め、この充
電容量から平衡電位を見積もった。なお、充電は、平衡
電位がリチウムに対し3mVとなった時点で終了させ
た。
【0069】また、放電は、1時間の通電(放電)と、
2時間の休止とを繰り返し、通電状態でテストセル電圧
が1.5Vを下回った時点で放電を終了させた。放電容
量を負極内の炭素重量で除し、負極の放電容量とした。
【0070】ここで、以上のようにして見積もられた充
放電容量は、平衡電位を基準としているので、材料固有
の特性をより反映したものとなる。
【0071】以上のようにして、実施例及び比較例のテ
ストセルについて負極の放電容量を求めたところ、炭素
材料を作製するプロセスで炭素前駆体にバクテリアを作
用させた実施例のテストセルにおける負極の放電容量は
480mAh/gであった。一方、炭素前駆体にバクテ
リアを作用させなかった比較例のテストセルにおける負
極の放電容量は430mAh/gであった。
【0072】従って、コーヒー豆が予備炭素化されてな
る炭素前駆体に対してバクテリアを作用させることによ
り、大きな容量を有し、電池材料として優れた炭素材料
を得ることができることがわかった。
【0073】
【発明の効果】本発明では、微生物を用いて植物性原料
中に過剰に含有される金属成分を溶出、除去すること
で、金属成分の含有量の少ない炭素材料を低コストで実
現することができる。
【0074】そして、本発明により得られた炭素材料を
電池材料として用いることで、リチウムイオンのドープ
・脱ドープが良好に行われ、大容量を有する優れた非水
電解質電池を実現することができる。
【0075】さらに、本発明では、植物性原料として産
業廃棄物を用いることができるので、本発明により得ら
れた炭素材料及び非水電解質電池は、資源の再利用、環
境保全の点からも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質電池の一構成例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 非水電解質電池、 2 負極、 3 負極缶、 4
正極、 5 正極缶、 6 セパレータ、 7 絶縁
ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/58 H01M 4/58 5H029 10/40 10/40 Z (72)発明者 網 美保 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 梶浦 尚志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4B029 AA27 BB01 4B065 AA01X AC20 CA60 4G046 BA04 BB01 BC00 CA00 CB09 CC10 5H003 AA01 AA08 BA00 BA01 BA02 BB01 BC01 5H014 AA01 AA06 BB00 BB01 BB03 EE08 5H029 AJ03 AJ14 AK02 AK03 AL06 AL08 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ03 BJ16 CJ00 CJ02 CJ12 CJ28 DJ16 EJ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物性原料を炭素化して炭素材料を製造
    するに際し、 上記植物性原料又は炭素化された上記植物性原料に対し
    て微生物を作用させることにより、当該植物性原料又は
    炭素化された植物性原料に含有される金属成分を溶出除
    去する微生物作用工程を有することを特徴とする炭素材
    料の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記植物性原料として、コーヒー豆を用
    いることを特徴とする請求項1記載の炭素材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記金属成分は、アルカリ金属、アルカ
    リ土類金属又は重金属であることを特徴とする請求項1
    記載の炭素材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 リチウムを含有する正極と、 上記正極と対向して配され、リチウムイオンをドープ・
    脱ドープ可能な炭素材料を含有する負極と、 上記正極と上記負極との間に介在される非水電解液とを
    備えた非水電解質電池の製造方法において、植物性原料
    を炭素化して上記炭素材料を製造するに際し、 植物性原料又は炭素化された上記植物性原料に対して微
    生物を作用させることにより、当該植物性原料又は炭素
    化された植物性原料に含有される金属成分を溶出除去す
    る微生物作用工程を有することを特徴とする非水電解質
    電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記植物性原料として、コーヒー豆を用
    いることを特徴とする請求項4記載の非水電解質電池の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 上記金属成分は、アルカリ金属、アルカ
    リ土類金属又は重金属であることを特徴とする請求項4
    記載の非水電解質電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005075686A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 King Car Food Industrial Co Ltd コーヒー豆のかすで活性カーボンを製造する方法
CN113036104A (zh) * 2021-03-04 2021-06-25 浙江大学 一种硫-根霉菌丝球碳/金属氧化物复合材料及其制备方法和应用

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CN113036104B (zh) * 2021-03-04 2022-02-18 浙江大学 一种硫-根霉菌丝球碳/金属氧化物复合材料及其制备方法和应用

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