JP4694030B2 - 扁平形非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は長期貯蔵時の電池内部抵抗の上昇を防止する扁平形非水電解質二次電池に係わり、特に、正極と、リチウムがドープされた炭素材もしくは酸化物を含む負極を備えた扁平形非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、メモリーバックアップ電圧の低下や充電式腕時計の出現などにより、作動電圧が約1.5Vのコイン形の扁平形非水電解質二次電池が要望されており、これを満たす電池として特開2000−21445号公報には、一般式Li4/3Ti15/3O4で表わせられるチタン酸リチウムを正極作用物質に用い、負極作用物質にリチウムを含有した炭素質材料を用いた非水電解質二次電池が開示されている。
【0003】
このような非水電解質二次電池は、使用機器の制約から小型化を図る必要があり、そのためには電極面積を小さくする必要がある。しかし、電極面積の小さな電池は内部抵抗が大きく、重負荷特性が低下するという欠点がある。したがって、これらの電池の内部抵抗を低減することは非常に重要な課題である。
【0004】
この課題を解決する手段として、例えば特開平3−101068号公報に記載されている如く金属ケースと電極との集電に1μm以下に粉砕したコロイダルグラファイトを主成分とする導電性ペーストを用いて接着する方法を挙げることができる。この方法は、湿式コンデンサに対してなされたものであるが、上記の二次電池に適用することにより、正極電極と正極ケース及び負極電極と負極ケースとの間の接触抵抗を低減できるものと推察される。
【0005】
しかしながら、充電時の負極電位がリチウムを基準とした標準単極電位において、0〜1.0Vの間にある非水電解質二次電池に上記方法を適用する場合、電極ケースと電極との接触抵抗の低減を図ることは可能であるが、導電性接着剤の主成分にメジアン径の小さい炭素質が存在することにより電解液の分解反応が促進され、電池を高温に貯蔵した時に容量劣化を招くという問題が発生した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記状況に鑑みてなされたもので、その課題は炭素質を主成分とする導電性接着剤を用いて、負極ケースと負極とを固着した非水電解質二次電池において、電池内部抵抗を低減し、かつ高温貯蔵後の容量劣化を抑制し、信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、d002面の面間隔が0.342nm以下の黒鉛構造が発達したメジアン径が12μm以上30μm以下である炭素質を主成分とする導電性接着剤により負極を負極ケースに固着して電解液の分解反応を抑制し、高温貯蔵を実施しても放電容量を減少させることなく、負極と負極ケースとの接触抵抗を低減し得ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
一般的に、電池内部抵抗を低減させるには電池ケースと電極間の接触抵抗の低減を図ることが有効である。このためには電池ケースと電極との間に、金属ネットやカーボンブラック等の導電性を有する材料を介在させる手法が採られている。本発明者等が検討を重ねた結果、特に導電性接着剤を用い、電池ケースと電極を接着することが好ましいことが分かった。
【0009】
その理由は、電池ケースと電極が常に密着した状態に保たれるため、電池ケースと電極を押さえ付ける圧力の変動による影響を受けることがなく、導電性塗料を電池ケースに塗布しただけの場合や、導電性を有する金属ネットを電池ケースに溶接して用いた場合に比べ、電池内部抵抗のばらつきが減少することが分かった。また、電極を電池ケース中央に固定し、かつその後電池ケースと電極がずれるのを防止できるため、正負極の対向面積の減少を招くことなく、電池内部抵抗をさらに低く抑えることが可能であることに加えて、金属ネットを介して電池ケースと電極の集電をとる場合に比べると、電池内の容積ロスによる放電容量の減少を防ぐことも可能となることが分かった。
【0010】
ここで、導電性接着剤とは、分散媒に有機物あるいは無機物であるバインダー成分と、導電性を有する金属粉末、あるいは炭素粉末、カーボンブラック等を混合して用いるものであり、一部はコンデンサの電極固定用やリチウム一次電池の正極固定用の接着剤として市販されている。
【0011】
また、扁平形非水電解質二次電池の負極作用物質には、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料や、リチウム含有珪素酸化物、リチウム含有錫酸化物等が、サイクル特性に優れ、作動電圧が低く、高容量であるという点で好ましく、一般に用いられている。特に、放電末期においても電池作動電圧の低下が少ないという点で、天然黒鉛、人造黒鉛、膨脹黒鉛、メソフェーズピッチ焼成体、メソフェーズピッチ繊維焼成体等のd002面の面間隔が0.338nm以下の黒鉛構造が発達した炭素質材料が好んで用いられる。
【0012】
さらに、電解液には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチルラクトンなどの非水溶媒に、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 、LiBF4 、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2などの支持塩を溶解した非水電解質が用いられる。
【0013】
しかしながら、リチウムを含有させた天然黒鉛、人造黒鉛、膨脹黒鉛、メソフェーズピッチ焼成体、メソフェーズピッチ繊維焼成体、リチウム含有珪素酸化物、リチウム含有錫酸化物等の負極を用いた電池においては、通常の充電完了状態において、負極電位がリチウムを基準とした標準単極電位の0〜1.0Vの間に保たれているので、上述のような従来のリチウム一次電池正極固定用の導電性接着剤を用いた集電方法を、負極ケースと負極の集電に適用した場合、導電性接着剤に含まれる炭素質にもリチウムが挿入され、0〜1.0Vの電位となる。これにより、導電性接着剤に含まれる炭素質表面でリチウムが電解液と反応し、絶縁性皮膜を形成することにより、保存後に電池内部抵抗の増加が起こり、さらにリチウムが消費されるため放電容量の低下を招くという欠点がある。
【0014】
その改善策として、d002面の面間隔が0.342nm以下であり、メジアン径が12μm以上30μm以下の炭素質を用いた導電性接着剤を用いるのが良い。
【0015】
d002面の面間隔が0.342nm以下である理由は、炭素質の結晶化度が高く、炭素質表面の活性を低く抑えることができるため、電解液の分解反応によるリチウムの消費、及び炭素質表面の皮膜による電池内部抵抗の増加を抑えることができるからである。
【0016】
メジアン径が12μm以上である理由は、炭素質を主成分とする導電性接着剤により負極と負極ケースの集電を行う構造とすることで、負極と負極ケースとの間の接触抵抗を低減し、電解液の分解に起因する高温貯蔵における電池内部抵抗の増加を防止できるからである。
【0017】
メジアン径の上限値に関しては、導電性接着剤中の炭素質粒径が大きくなり過ぎると、炭素質粒子間の密着性が不十分となり、電池ケースと電極との接触抵抗を低減することが難しく、また、接着剤の密着性が低下し、電池ケースと電極が剥れる等の問題が起こる。このような理由から、メジアン径が30μm以下の炭素質を主成分とする導電性接着剤を用いることが好ましい。
【0018】
d002面の面間隔が0.342nm以下で、メジアン径が12μm以上30μm以下の炭素質を作製するには、例えば、原料となる石油ピッチ、石炭などを700℃〜1400℃で熱処理し、これを更に2000℃〜3100℃の高温処理によって、結晶構造を十分に発達させ、黒鉛化させた後、これをボールミル、遊星ミル、石臼式粉砕機、気流粉砕機、竪型撹拌ミル、衝撃式粉砕機などを用い粉砕処理を施し、更に、分級処理により粒度調整を行うことで、メジアン径を上記範囲とすれば良い。なお、上記の人造黒鉛の他に粒度調整された天然黒鉛やこれ以外の人造黒鉛を用いることもできる。次に、この黒鉛化されたメジアン径の制御された炭素質を分散媒に分散させ、バインダーを加えて導電性接着剤とする。分散媒としては、水もしくはアルコールが好ましく、バインダーとしてはセルロース系樹脂もしくはアクリル系樹脂が好ましい。
【0019】
また、この接着剤を用いた電池を作製する場合は、導電性接着剤の塗布厚を、20μm以上50μm以下に保つことが適切である。導電性接着剤の塗布厚が薄いと電池ケースと電極間の接触抵抗を低減させる効果が小さくなり、目的が達せられない。逆に、厚いと、電池ケースと電極間の接触抵抗を低減させることは可能であるが、電池内に組み込める電極活物質量が少なくなり、電池容量の低下につながる。これらを考慮して、導電性接着剤の塗布厚さは20μm以上50μm以下が適切である。
【0020】
なお、本発明電池は電極を含めた電池の構造に主点をおいたものであり、正極作用物質については特に限定されるものでなく、MnO2、V2O5、Nb2O5、LiTi2O4、Li4/3Ti5/3O4、LiFe2O4、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどの金属酸化物、あるいはフッ化黒鉛、FeS2などの無機化合物、あるいはポリアニリンやポリアセン構造体などの有機化合物などあらゆる物が適用可能である。ただし、低電圧メモリのバックアップや充電式腕時計での使用においては、作動電位が約1.5Vであり、サイクル特性に優れ、長期間に亘り使用でき、高容量で電解液や水分との反応性が低く化学的に安定であるという点でLi4/3Ti5/3O4がさらに好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の扁平形非水電解質二次電池の断面図である。
図に示すように、本実施例1の扁平形非水電解質二次電池の電池ケース9は、正極側導電性接着剤層7を設けたステンレス製の正極ケース6と、負極側導電性接着剤層8を設けた負極ケース4とを絶縁ガスケット3を介して嵌合しており、この電池ケース9内には正極板1と負極板2との間にセパレータ5を介して形成された発電要素が収納されている。
【0022】
次に、本実施例1の扁平形非水電解質二次電池の製造方法を説明する。
【0023】
[負極の作製]
メソフェーズピッチを原料とするピッチ炭素繊維を細かく粉砕し、アルゴン雰囲気下において、2800℃の温度で熱処理をすることにより、d002面の面間隔が0.338nmのメソフェーズピッチ炭素繊維粉末を得た。このメソフェーズピッチ炭素繊維粉末95質量部にスチレン・ブタジエンゴム(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)をそれぞれ2.5質量部加え混合し、乾燥後に所定量を厚さ0.5mm、直径3.9mmのタブレット状に加圧成形し、負極板2とした。次に、天然黒鉛をボールミルにより粉砕処理し、更に分級処理による粒度調整を行い、メジアン径が12μmであり、d002面の面間隔が0.335nmの天然黒鉛粉末を得た。これを分散媒である水に分散させ、バインダであるカルボキシメチルセルロースを加えて導電性接着剤とした。この導電性接着剤によりガスケット3が予め着設された負極ケース4中央部に負極板2を接着し、その後、80℃の温度下で12時間減圧乾燥をした。なお、負極側導電性接着剤層8の膜厚は30μmとした。
【0024】
[正極の作製]
酸化チタンと水酸化リチウムをモル比で5:4の割合で混合し、空気中800で12時間焼成することにより超格子構造を有するスピネル型Li4/3Ti5/3O4を合成した。
【0025】
次に、このLi4/3Ti5/3O494質量部にカーボンブラックと黒鉛粉末を各3質量部、ポリテトラフルオロエチレンを5質量部加え、混合後、所定量を厚さ0.5mm、直径3.9mmのタブレット状に加圧成形し、正極板1とした。次に、天然黒鉛をボールミルにより粉砕処理し、更に分級処理による粒度調整を行い、メジアン径が12μmである炭素質とした。これを分散媒である水に分散させ、バインダであるカルボキシメチルセルロースを加えて導電性接着剤とした。この導電性接着剤を用いて正極ケース6中央部に正極板1を接着した。なお、正極側導電性接着剤層7の膜厚は30μmとした。その後、80℃の温度下で12時間減圧乾燥をした。
【0026】
さらに、負極ケース4中央部に接着された負極板2に、電気化学的にリチウムをドープし、その上面に、ポリプロピレン不織布からなるセパレータ5を挿入し、このセパレータ5にエチレンカーボネートとγ−ブチルラクトンを1:1の割合で混合した溶媒にLiBF4を1mol/lの濃度で溶解した電解液を含浸させ、その後、正極板1が接着された正極ケース6を嵌合後、正極ケース6の開口部に加締め加工を施し、直径φ6.8mm、高さh1.4mmの実施例1の非水電解質二次電池を製作した。
【0027】
(実施例2)
メジアン径が20μmであり、d002面の面間隔が0.335nmの天然黒鉛を主成分とする導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着した以外は、実施例1と同様に実施例2の非水電解質二次電池を作製した。
【0028】
(実施例3)
メジアン径が30μmであり、d002面の面間隔が0.335nmの天然黒鉛を主成分とする導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着し、負極側導電性接着剤層8の膜厚は40μmである以外は、実施例1と同様に実施例3の非水電解質二次電池を作製した。
【0029】
(実施例4)
コークスをアルゴン雰囲気下で2800℃で熱処理し、ボールミルによる粉砕処理を行い、更に分級処理により粒度調整を行なうことで、メジアン径が20μmであり、d002面の面間隔が0.336nmの人造黒鉛粉末を得た。この人造黒鉛粉末を主成分とした導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着した以外は、実施例1と同様に実施例4の非水電解質二次電池を作製した。
【0030】
(実施例5)
熱処理温度を2000℃とし、d002面の面間隔が0.342nmである人造黒鉛粉末を導電性接着剤の主成分に用いた以外は、実施例4と同様に実施例5の非水電解質二次電池を作製した。
【0031】
(比較例1)
メジアン径が1μmであり、d002面の面間隔が0.335nmの天然黒鉛粉末を主成分とする導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着した以外は、実施例1と同様に比較例1の非水電解質二次電池を作製した。
【0032】
(比較例2)
メジアン径が4μmであり、d002面の面間隔が0.335nmの天然黒鉛粉末を主成分とする導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着した以外は、実施例1と同様に比較例2の非水電解質二次電池を作製した。
【0033】
(比較例3)
メジアン径が7.5μmであり、d002面の面間隔が0.335nmの天然黒鉛粉末を主成分とする導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着した以外は、実施例1と同様に比較例3の非水電解質二次電池を作製した。
【0034】
(比較例4)
メジアン径が50μmであり、d002面の面間隔が0.335nmの天然黒鉛粉末を主成分とする導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着し、負極側導電性接着剤層8の膜厚は50μmである以外は、実施例1と同様に比較例4の非水電解質二次電池を作製した。
【0035】
(比較例5)
熱処理温度を1200℃であり、d002面の面間隔が0.347nmであるコークス焼成体を導電性接着剤の主成分に用いた以外は、実施例4と同様に比較例5の非水電解質二次電池を作製した。
【0036】
(比較例6)
一次粒子径が0.04μmであり、d002面の面間隔が0.348nmのアセチレンブラックを主成分とする導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着した以外は、実施例1と同様に比較例6の非水電解質二次電池を作製した。
【0037】
(比較例7)
一次粒子径が0.04μmであり、d002面の面間隔が0.360nmのケッチェンブラックを主成分とする導電性接着剤により負極板2を負極ケース4に接着した以外は、実施例1と同様に比較例7の非水電解質二次電池を作製した。
【0038】
以上の通り作製した本実施例及び比較例の電池を50μAの定電流で1.0Vまで放電した初期放電容量を表1に示す。また、これらの電池を60℃で40日間保存した場合の保存前後の電池内部抵抗(1kHz)と、初期容量に対する保存後の放電容量維持率を同じく表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
この表1から明らかなように、粒径が12μm以下の炭素質を主成分とする導電性接着剤を用いて負極ケース4と負極板2の集電を行った比較例1〜3の電池では、内部抵抗が低く、初期放電容量も大きいが、接着剤中の炭素質表面でリチウムと電解液の反応が進行することで、反応生成物が炭素質表面に堆積し、また、リチウムが消費されることにより、保存後の内部抵抗の増加、及び放電容量の劣化を招いている。また、粒径が50μm以上の炭素質を導電性接着剤の主成分として用いた比較例4の電池では、負極側導電性接着剤層8の膜厚を接着剤の主成分として用いた炭素質の粒子径と同等に抑えるため、導電性接着剤中の炭素質が粗になり、負極ケース4と負極板2との集電が十分に行われず電池内部抵抗の増加を引き起こした。この電池内部抵抗の増大により比較例4の電池では、初期放電容量が著しく減少している。比較例5〜7の電池の場合、負極側導電性接着剤層8中の炭素質の結晶化度が低く、炭素質表面に不純物が残っているため、電解液の分解反応により、リチウムが消費され、初期放電容量が著しく減少している。また、この反応は保存後に更に顕著になっており、保存後の内部抵抗の増大、放電容量の低下が著しい。一方、実施例1〜5の電池の場合、負極側導電性接着剤層8中の炭素質粒径の範囲が適切であり、また、炭素質の結晶化度が高く、表面活性が低く抑えられているため、保存前後を問わず、電池の内部抵抗は低く抑えられ、また、放電容量も大きい。
【0041】
なお、本発明の実施例は、非水電解質に非水溶媒に支持塩を溶解した扁平形非水溶媒二次電池を用いて説明したが、非水電解質に高分子に少なくともECとGBLとLiBF4を固溶または含浸させたポリマー電解質を用いたポリマー二次電池についても当然適用可能である。また、電池形状についてはコイン形非水電解質二次電池を基に説明したが、電池形状は正円形である必要はなく小判形などの特殊形状を有する扁平形非水電解質二次電池においても適用可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によると、負極ケースと負極板をd002面の面間隔が0.342nm以下の黒鉛構造が発達した、メジアン径が12μm以上30μm以下である炭素質を主成分とする導電性接着剤を用い接着することにより、電池の内部抵抗を低減し、かつ高温貯蔵後の容量劣化を抑制できるので、保存前後の放電容量の大きな非水電解質二次電池が得られ、その工業的価値は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電池の断面図。
【符号の説明】
1…正極板、2…負極板、3…絶縁ガスケット、4…負極ケース、5…セパレータ、6…正極ケース、7…正極側導電性接着剤層、8…負極側導電性接着剤層、9…電池ケース。
Claims (1)
- 負極活物質がリチウムを吸蔵放出する炭素材もしくは酸化物である負極と、正極と、セパレータを含む発電要素と、非水電解質を内包し、さらに負極ケースと正極ケースが絶縁ガスケットを介して嵌合され、かつ前記正極ケースまたは前記負極ケースが加締め加工により加締められた封口構造を有する扁平形非水電解質二次電池において、充電状態の負極の電位がリチウムの標準単極電位を基準として、0〜1.0Vの間にあり、かつその内部にd002面の面間隔が0.342nm以下の黒鉛構造が発達したメジアン径が12μm以上30μm以下である炭素質を主成分とする導電性接着剤により、前記負極を前記負極ケースに接着したことを特徴とする扁平形非水電解質二次電池。
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