JP2000260229A - 電子部品用不織布及び電子部品用積層体 - Google Patents

電子部品用不織布及び電子部品用積層体

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JP2000260229A
JP2000260229A JP6584499A JP6584499A JP2000260229A JP 2000260229 A JP2000260229 A JP 2000260229A JP 6584499 A JP6584499 A JP 6584499A JP 6584499 A JP6584499 A JP 6584499A JP 2000260229 A JP2000260229 A JP 2000260229A
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nonwoven fabric
styrene
electronic component
syndiotactic structure
electronic
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JP6584499A
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Masahiro Nakamichi
昌宏 中道
Michiaki Yamazaki
亨明 山崎
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気特性に優れ、軽量であり、さらに強度等
の機械物性にも優れた電子部品を提供する。 【解決手段】 以下の(1)〜(3)を満たす電子部品
用不織布。 (1)誘電率が、1.2〜2.2であること。 (2)熱収縮率が、5.0(%)以下であること。 (3)エルメンドルフ引裂強度が、10g/mm以上で
あること。 上記不織布材料として、(a)シンジオタクチックスチ
レン系重合体35〜100重量%(100を含まず)
と、(b)ゴム状弾性体及び/又はシンジオタクチック
スチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂65〜0重量%
(0を含まず)とからなる樹脂組成物を用いる。また前
記不織布と金属層とを組み合わせて電子部品を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品用不織布
に関し、詳しくは、主としてシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体(以下、単に「シンジオタクチ
ックポリスチレン」又は「SPS」と呼ぶことがあ
る。)又はその樹脂組成物を用い、特定の性質を有する
ことにより、電子部品に好適に用いられる不織布及び積
層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話や種々のAV機器、パソ
コンのような電子機器が発達し、それらは我々の生活に
供され深く浸透しつつあるが、これらの電子機器には、
回路基板,ケーブル,アンテナ,アンテナ端子,同軸コ
ネクター,コネクター等、多岐にわたる数多くの電子部
品が用いられている。
【0003】これらの電子部品においては、実用上様々
な性能が要求されている。即ち、電子部品本来の性能に
かかわる要求として、電子回路における演算速度の速さ
という点から電子信号の伝達速度が速いこと、また発生
するエネルギーロスの低減という観点から電気信号の伝
達ロスが少ないこと等である。ところで、これらの電子
部品においては、回路部分は金属からできているが、、
その他の部分については、樹脂が好ましく用いられる場
合がある。とりわけ、フレキシブルプリント基板や絶縁
フィルムにおいては、樹脂フィルムが用いられている
が、電子部品の性能はかかる樹脂フィルムがもつ電気特
性に深く関係することが知られている。即ち、樹脂フィ
ルムにおける誘電率や誘電損失の大小が電気信号の伝達
速度や電気信号ロスに大きく関係し、電子部品の性能の
良否に直接影響を与えるものであり、特に高周波帯での
これらの値はできる限り小さいことが望まれていた。さ
らには、電気的特性のみならず、電子部品の製作時にお
ける耐熱性や強度等、成形材料として要求される基本的
な機械物性も十分なものであることが要求されていた。
【0004】従来、かかる用途に用いられるフィルム用
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエ
ステルやアラミド繊維が用いられてきたが、これらの樹
脂は耐熱性等についてはある程度満足できるものの、電
気特性の点で満足のいくものではなかった。また、シン
ジオタクチックポリスチレンも、優れた耐熱性や電気特
性からかかる用途に供されてはいるものの、高演算処理
等が要求される用途に用いるには未だ十分とは言えなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであって、誘電率や誘電正接等の電気特性
に優れ、軽量であり、さらに強度等の機械物性にも優れ
た電子部品用不織布及び電子部品用積層体を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、主としてシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体又は該重合体を含む樹脂組成物から
なる材料を用いた不織布が、誘電率や誘電正接等の電気
特性に優れ、軽量でありつつ、さらに強度等の機械物性
にも優れることを見出した。また、これらの樹脂材料は
耐熱性に極めて優れることから、電子部品製作時に有利
であることも見出した。本発明はかかる知見に基づいて
完成したものである。
【0007】即ち、本発明は、以下の電子部品用不織布
及び電子部品用積層体を提供するものである。 1.以下の(1)〜(3)を満たす電子部品用不織布。 (1)誘電率が、1.2〜2.2であること。 (2)熱収縮率が、5.0(%)以下であること。 (3)エルメンドルフ引裂強度が、10g/mm以上で
あること。 2.前記電子部品用不織布が、300℃、1.2kgfの
条件下で測定したメルトインデックスが25(g/10
分)以上の主としてシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体からなる樹脂材料を用いたものである上
記1に記載の電子部品用不織布。 3.前記電子部品用不織布が、(a)主としてシンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体35〜100
重量%(100を含まず)と、(b)ゴム状弾性体及び
/又は主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体以外の熱可塑性樹脂65〜0重量%(0を含
まず)とからなる樹脂組成物からなる樹脂材料を用いた
ものである上記1に記載の電子部品用不織布。 4.前記電子部品用不織布が、(a)主としてシンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体35〜100
重量%(100を含む)と、(b)ゴム状弾性体及び/
又は主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体以外の熱可塑性樹脂65〜0重量%(0を含
む)からなる樹脂材料(A)と、主としてシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体以外の熱可塑性樹
脂(B)とからなる複合繊維を用いたものであることを
特徴とする上記1に記載の電子部品用不織布。 5.上記1〜4のいずれかに記載の電子部品用不織布と
金属層からなる電子部品用積層体。 6.前記電子部品が、シート状又はフィルム状絶縁体で
ある上記1〜4のいずれかに記載の電子部品用不織布。 7.前記電子部品が、プリント配線基板電気絶縁材料,
電磁波シールド材又は電線おさえ巻きテープである上記
1〜4のいずれかに記載の電子部品用不織布。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。 I.本発明にかかる電子部品用不織布の性状 本発明にかかる電子部品用不織布においては、次の性状
を満たしていることが必要である。 (1)誘電率が、1.2〜2.2、好ましくは1.3〜2.1、
さらに好ましくは1.4〜2.0であること。
【0009】誘電率は、ASTM D 150に準拠し
て測定した値であり、2.2を超えると、電気信号の伝達
速度が低下することから電子部品に用いた場合、様々な
問題が生じるおそれがある。例えば、演算速度の低下等
である。1.2未満であると、粗な不織布となるため電気
絶縁性が不十分になるおそれがある。 (2)熱収縮率が、5.0(%)以下、好ましくは4.0
(%)以下、さらに好ましくは3.0(%)以下であるこ
と。
【0010】熱収縮率は、JIS Z 1709に準拠
して測定した値であり、5.0を超えると、電子部品とし
て使用する際のハンダ付けで変形する等の問題が生じる
おそれがある。 (3)エルメンドルフ引裂強度が、10(g/mm)以
上、好ましくは20(g/mm)以上、さらに好ましく
は30(g/mm)以上であること。
【0011】エルメンドルフ引裂強度は、JIS P
8116に準拠して測定した値であり、10(g/m
m)未満であると、電子部品に組み立てる際に破れが生
じるおそれがある。 (4)上記(1)〜(3)の特性に加えて、以下の性状
を有していることが望ましい。
【0012】次の式で表される相対結晶化度(Xc)
が35%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましく
は45%以上である。 Xc(%)=(A−B)×100/53(J/g) 式中、AはDSC(示差走査熱量計)により測定された
融解エンタルピー(J/g)を示し、Bは同じくDSC
(示差走査熱量計)により測定された低温結晶化に基づ
く発熱量(J/g)を示す。DSC(示差走査熱量計)
においては、20℃/分の昇温速度で試料を昇温するこ
とにより測定した。相対結晶化度(Xc)が35%未満
の場合、耐熱性が不十分になる場合がある。
【0013】目付が、10〜200(g/m2 )、好
ましくは30〜200(g/m2 )、さらに好ましくは
50〜200(g/m2 )であること。目付が、10
(g/m2 )未満であると、電気絶縁性が不十分になる
おそれがあり、200(g/m2 )を超えると、目的と
する誘電率が得られないおそれがある。
【0014】繊維径が、1〜30μm、好ましくは1
〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。繊
維径が、1μm未満であると、かかる不織布の製造する
こと自体が困難となり、30μmを超えると、表層の凹
凸による電気特性の安定性が阻害されやすくる。
【0015】嵩密度が、0.3〜0.95(g/c
3 )、好ましくは0.4〜0.9(g/cm 3 )、さらに
好ましくは0.5〜0.9(g/cm3 )である。嵩密度
が、0.3未満であると、目的とする誘電率未満になって
しまうおそれがあり、0.95を超えると、目的とする誘
電率以上のものになってしまうおそれがある。
【0016】なお、ここで嵩密度は、10cm×10c
mの不織布を10枚重ね、重量測定後、5kgf/cm
2 の荷重下における体積値で除することにより算出し、
求めた値である。 II.本発明にかかる電子部品用不織布に用いられる好適
な材料 本発明にかかる電子部品用不織布は、その好適な材料と
して、以下に記す主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体又は該スチレン系重合体を含む樹
脂組成物が用いられる。特に、シンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体が好ましく用いられる。 1.主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体 主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体におけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構
造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から
形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に
反対方向に位置する立体構造を有するものであり、その
タクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C
-NMR) により定量される。13C−NMR法により測定
されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位
の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場
合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示す
ことができるが、本発明にいう主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミ
ダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若し
くはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%
以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレ
ン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(アリールスチレ
ン)、ポリ( ハロゲン化スチレン) 、ポリ( ハロゲン化
アルキルスチレン) 、ポリ(アルコキシスチレン)、ポ
リ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体
およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする
共重合体を指称する。なお、ここでポリ(アルキルスチ
レン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチ
ルスチレン)、ポリ(イソピルスチレン)、ポリ(ター
シャリーブチルスチレン)等であり、ポリ(アリールス
チレン)としては、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ
(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などが
あり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(ク
ロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フル
オロスチレン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化ア
ルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレ
ン)など、またポリ(アルコキシスチレン)としては、
ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)
などがある。
【0017】なお、これらのうち好ましいスチレン系重
合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレ
ン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシ
ャリープチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレ
ン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。
【0018】このような主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素
溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水と
トリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、
スチレン系単量体( 上記スチレン系重合体に対応する単
量体) を重合することにより製造することができる(特
開昭62―187708号公報) 。また、ポリ(ハロゲ
ン化アルキルスチレン)については特開平1−4691
2号公報、これらの水素化重合体は特開平1−1785
05号公報記載の方法などにより得ることができる。
【0019】尚、これらのシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体の中でも、本発明においては、耐
熱性及び機械的強度の点から、特にタクティシティがラ
セミペンタッドで70%以上、メルトインデックス(M
I、測定条件:300℃、1.2kgf、10分)が25
(g/10分)以上のものが好ましい。 2.シンジオタクチックポリスチレンを含む樹脂組成物 本発明にかかる電子部品用不織布材料としては、上記シ
ンジオタクチックポリスチレンだけではなく、シンジオ
タクチックポリスチレンを含む樹脂組成物も好適に用い
ることができる。この樹脂組成物においては、樹脂成分
として(a)シンジオタクチックポリスチレンが含まれ
ていることが必要であるが、強度等の機械物性の向上を
図る意味から、さらに(b)ゴム状弾性体及び/又は主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体以外の熱可塑性樹脂を含んでいることが望ましい。さ
らには、本発明の目的を阻害しない範囲で各種の添加
剤、例えば、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、核
剤、帯電防止剤、プロセスオイル、可塑剤、離型剤、相
溶化剤,難燃剤、難燃助剤、顔料,無機充填材等を配合
することができる。
【0020】また、上記各成分の混練については、シ
ンジオタクチックポリスチレン製造工程のいずれかの段
階においてブレンドし溶融混練する方法や、組成物を
構成する各成分をブレンドし溶融混練する方法など様々
な方法で行なえばよい。 (1)ゴム状弾性体 ゴム状弾性体の具体例としては、例えば、天然ゴム、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネ
オプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アク
リルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロ
ヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加
スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEPS)、またはエチレンプロピレンゴ
ム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオ
レフィン系ゴム、あるいはブタジエン−アクリロニトリ
ル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタ
クリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MBS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレー
ト−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルア
クリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−ア
クリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AAB
S)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SB
R)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−シ
ロキサンをはじめとするシロキサン含有コアシェルゴム
等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを
変性したゴム等が挙げられる。
【0021】これらのゴム状弾性体の中でも、本発明に
おいては、耐熱性及び誘電特性の点から水素添加スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEB
S)が好ましい。 (2)シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性
樹脂 シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性樹脂と
しては、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチッ
クポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレ
ン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレ
ン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、4−メチル
ペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体に
代表されるポリオレフィン系樹脂、アタクチックポリス
チレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、A
BS、AS、スチレンーメタクリル酸共重合体、スチレ
ンーメタクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレ
ンーメタクリル酸・グリシジルエステル共重合体、スチ
レンーアクリル酸共重合体、スチレンーアクリル酸・ア
ルキルエステル共重合体、スチレンーマレイン酸共重合
体、スチレンーフマル酸共重合体に代表されるはじめと
するポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートをは
じめとするポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリア
ミド6,6をはじめとするポリアミド系樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド,ポリ−4
−フッ化エチレン(PTFE)等のフッ素化ポリエチレ
ン系樹脂等公知のものから任意に選択して用いることが
できる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン又はポリフェニレンエーテルが好ましい。
なお、これらの熱可塑性樹脂は一種のみを単独で、また
は、二種以上を組み合わせて用いることができる。 (4)各種添加剤 本発明の目的を阻害しない限り、以下に例示する各種の
添加剤を配合することができる。
【0022】アンチブロッキング剤(AB剤) アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子
又は有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA
族、IIA族、IVA族、VIA族、VII A族、VIII族、IB
族、IIB族、III B族、IVB族元素の酸化物、水酸化
物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸
塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪
酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、そ
れらを中心とする複合化合物及び天然鉱物粒子が挙げら
れる。
【0023】具体的には、弗化リチウム、ホウ砂(硼酸
ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグネ
シウム、燐酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグネ
シア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、弗化マ
グネシウム、チタン酸マグネシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、弗化カルシウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭
酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸バリ
ウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタニ
ア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等のIVA族元素化
合物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリ
ブデン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸マン
ガン等のVII A族元素化合物、塩化コバルト、酢酸コバ
ルト等のVIII族元素化合物、沃化第一銅等のIB族元素
化合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物、酸
化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、弗
化アルミニム、アルミナシリケート(珪酸アルミナ、カ
オリン、カオリナイト)等のIII B族元素化合物、酸化
珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーボン、グラフ
ァイト、ガラス等のIVB族元素化合物、カーナル石、カ
イナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱
等の天然鉱物の粒子が挙げられる。
【0024】有機粒子としては、テフロン、メラミン系
樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、アクリル
系レジン及びおよびそれらの架橋体が挙げられる。 酸化防止剤 酸化防止剤としてはリン系、フェノール系、イオウ系等
公知のものから任意に選択して用いることができる。な
お、これらの酸化防止剤は一種のみを単独で、または、
二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】核剤 核剤としてはアルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエ
ート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホス
フェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タ
ルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意に
選択して用いることができる。なお、これらの核剤は一
種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用い
ることができる 可塑剤 可塑剤としてはポリエチレングリコール、ポリアミドオ
リゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エ
ステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワック
ス、シリコーンオイル等公知のものから任意に選択して
用いることができる。なお、これらの可塑剤は一種のみ
を単独で、または、二種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0026】離型剤 離型剤としてはポリエチレンワックス、シリコーンオイ
ル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等公知のも
のから任意に選択して用いることができる。なお、これ
らの離型剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0027】プロセスオイル 本発明においては、さらにプロセスオイルを配合しても
よい。プロセスオイルは油種により、パラフィン系オイ
ル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルに大別される
が、中でもパラフィン系オイルが好ましい。プロセスオ
イルの粘度としては、40℃での動粘度が15〜600
csが好ましく、15〜500csが更に好ましい。
【0028】なおこれらのプロセスオイルは一種のみを
単独または、二種以上を組み合わせて用いることができ
る。 相溶化剤 本発明でいう相溶化剤は、シンジオタクチックポリスチ
レンと熱可塑性樹脂及び/又はゴム状弾性体との間の親
和性を向上させ効果的に相溶化し、また、シンジオタク
チックポリスチレンと無機充填材との親和性を向上させ
るために配合する。具体的には、シンジオタクチックポ
リスチレンとの相溶性又は親和性を有し、かつ極性基を
有する重合体が挙げられる。
【0029】ここでシンジオタクチックポリスチレンと
の相溶性又は親和性を有する重合体とは、シンジオタク
チックポリスチレンとの相溶性又は親和性を示す連鎖を
ポリマ−鎖中に含有するものをいう。これらの相溶性又
は親和性を示す重合体としては、例えば、シンジオタク
チックポリスチレン、アタクチックポリスチレン、アイ
ソタクチックポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリ
フェニレンエ−テル、ポリビニルメチルエ−テル等を主
鎖、ブロックまたはグラフト鎖として有するもの等が挙
げられる。
【0030】また、ここでいう極性基とは、無機充填剤
との接着性を向上させるものであればよく、具体的に
は、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル
基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボ
ン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スル
ホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩
基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基
等が挙げられる。
【0031】この相溶化剤は溶媒、他樹脂の存在下、ま
たは非存在下、上記のシンジオタクチックポリスチレン
と相溶性又は親和性を有する重合体と後述する変性剤を
反応させることにより得ることができる。変性剤として
は、例えば、エチレン性二重結合と極性基を同一分子内
に含む化合物が使用できる。具体的には、無水マレイン
酸、マレイン酸、マレイン酸エステル、マレイミド及び
そのN置換体、マレイン酸塩をはじめとするマレイン酸
誘導体、フマル酸、フマル酸エステル、フマル酸塩をは
じめとするフマル酸誘導体、無水イタコン酸、イタコン
酸、イタコン酸エステル、イタコン酸塩をはじめとする
イタコン酸誘導体、アクリル酸、アクリル酸エステル、
アクリル酸アミド、アクリル酸塩をはじめとするアクリ
ル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、メ
タクリル酸アミド、メタクリル酸塩、グリシジルメタク
リレ−トをはじめとするメタクリル酸誘導体等が挙げら
れる。その中でも特に好ましくは無水マレイン酸、フマ
ル酸、グリシジルメタクリレ−トが用いられる。
【0032】変性には公知の方法が用いられるが、ロ−
ルミル、バンバリ−ミキサ−、押出機等を用いて150
℃〜350℃の温度で溶融混練し、反応させる方法、ま
た、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒中で加熱反
応させる方法などを挙げることができる。さらにこれら
の反応を容易に進めるため、反応系にベンゾイルパ−オ
キサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、ジクミルパ
−オキサイド、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリ
ル、2,3−ジフェニル−2,3−ジメチルブタン等の
ラジカル発生剤を存在させることは有効である。このう
ち特に2,3−ジフェニル−2,3−ジメチルブタンが
好ましく用いられる。
【0033】また、好ましい変性方法としては、ラジカ
ル発生剤の存在下に溶融混練する方法である。また、変
性の際、他樹脂を添加してもよい。相溶化剤の具体例と
しては、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SM
A)、スチレン−グリシジルメタクリレ−ト共重合体、
末端カルボン酸変性ポリスチレン、末端エポキシ変性ポ
リスチレン、末端オキサゾリン変性ポリスチレン、末端
アミン変性ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン、ス
チレン系アイオノマ−、スチレン−メチルメタクリレ−
ト−グラフトポリマ−、(スチレン−グリシジルメタク
リレ−ト)−メチルメタクリレ−ト−グラフト共重合
体、酸変性アクリル−スチレン−グラフトポリマ−、
(スチレン−グリシジルメタクリレ−ト)−スチレン−
グラフトポリマ−、ポリブチレンテレフタレ−ト−ポリ
スチレン−グラフトポリマ−、無水マレイン酸変性P
S、フマル酸変性PS、グリシジルメタクリレ−ト変性
PS、アミン変性PS等の変性スチレン系ポリマ−、
(スチレン−無水マレイン酸)−ポリフェニレンエ−テ
ル−グラフトポリマ−、無水マレイン酸変性ポリフェニ
レンエ−テル、グリシジルメタクリレ−ト変性ポリフェ
ニレンエ−テル、アミン変性ポリフェニレンエ−テル等
の変性ポリフェニレンエ−テル系ポリマ−等が挙げられ
る。
【0034】このうち特に、変性PS、変性ポリフェニ
レンエ−テルが好ましく用いられる。また、上記重合体
は2種以上を併用して用いることも可能である。相溶化
剤中の極性基含有率としては、好ましくは相溶化剤10
0wt%中の0.01〜20wt%、さらに好ましくは
0.05〜10wt%の範囲である。0.01wt%未満で
は無機充填材との接着効果を発揮させるために相溶化剤
を多量に添加する必要があり、組成物の力学物性、耐熱
性、成形性を低下させるおそれがあるため好ましくな
い。また、20wt%を超えるとシンジオタクチックポ
リスチレンとの相溶性が低下するおそれがあるため好ま
しくない。
【0035】相溶化剤の配合量としては、シンジオタク
チックポリスチレン樹脂と熱可塑性樹脂及び/又はゴム
状弾性体100重量部に対して、0.1〜10重量部、好
ましくは0.5〜8重量部、さらに好ましくは1〜5重量
部である。0.1重量部未満では無機充填材との接着効果
が小さく、樹脂と無機充填材との接着不足を生じ、10
重量部を超えて配合しても接着性の向上は望めず経済的
に不利になる。
【0036】無機充填材 無機充填材としては、粒状、粉状充填材が好ましく、例
えば、タルク、カ−ボンブラック、グラファイト、二酸
化チタン、シリカ、マイカ、炭酸カルシウウム、硫酸カ
ルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸バリウム、オキシサルフェ−ト、酸化ス
ズ、アルミナ、カオリン、炭化ケイ素、金属粉末、ガラ
スパウダ−、ガラスフレ−ク、ガラスビ−ズ等が挙げら
れる。
【0037】また、これらの充填材としては表面処理し
たものを用いてもよい。表面処理に用いられるカップリ
ング剤は、充填材と樹脂との接着性を良好にするために
用いられるものであり、いわゆるシラン系カップリング
剤、チタン系カップリング剤等、従来公知のものの中か
ら任意のものを選択して用いることができる。なお、こ
れらの無機充填材については一種のみを単独で、また
は、二種以上を組み合わせて用いることができる。 (4)各成分の配合割合 各成分の配合割合については、(a)シンジオタクチッ
クポリスチレンが35〜100重量%(100を含ま
ず)、好ましくは50〜85重量%、さらには70〜8
5重量%であり、(b)ゴム状弾性体及び/又は主とし
てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体以
外の熱可塑性樹脂が65〜0重量%(0を含まず)、好
ましくは50〜15重量%、さらには30〜15重量%
である。(b)成分が、65重量%より多いと、電子部
品に必要な耐熱性が不足するおそれがある。 III.本発明にかかる電子部品の内容 本発明において、電子部品とは、広く電気関係に用いら
れる部品一般をさすが、特に材料のもつ絶縁性や誘電率
等の電気特性に着目し、その優れた性能を利用して回路
部分と一体となって構成される部品をさす。具体的に
は、プリント基板やトランスやモーター,ケーブル等の
絶縁部分に用いられる絶縁フィルム等が挙げられる。 IV.本発明にかかる電子部品用不織布の製造方法 本発明にかかる電子部品用不織布の製造方法については
特に制限なく、各々の電子部品の目的、用途に応じて適
宜選択すればよいが、ステープル法、メルトブロー法、
スパンボンド法が好適に用いられる。
【0038】本発明にかかる電子部品用不織布の製造に
用いられる繊維としては、前記SPSやその組成物のみ
からなる繊維だけでなく、前記SPSやその組成物から
なるSPS系樹脂材料(A)とSPS以外の熱可塑性樹
脂(B)とからなる複合繊維であってもよい。複合繊維
とは、例えば、図1にその断面図で示すようなものであ
り、その製造方法については特に問わないが、好ましく
は、上記(A)及び(B)を複合紡糸させることにより
得ることができる。図1(a)〜(e)に示されるよう
な複合繊維においては、相1及び相2はSPS系樹脂材
料であってもよく、他の成分であってもよい。また、相
1及び相2だけでなく、必要に応じて、他の成分からな
る別の相が存在していてもよい。
【0039】例えば、図1(a),(b)及び(c)は
繊維表面については、SPS系樹脂材料(A)が100
%占めているものの模式図であるが、図1(a)はSP
S系樹脂材料(A)とSPS以外の熱可塑性樹脂成分
(B)が同心円状に配置した芯鞘状の複合繊維である。
図1(b)は、SPS以外の熱可塑性樹脂成分(B)が
複数存在する場合の複合繊維である。図1(c)は、S
PS系樹脂材料(A)とSPS以外の熱可塑性樹脂成分
(B)が同心円状に配置されているのではなく、偏心し
た場合の複合繊維である。図1(d)及び図1(e)
は、SPS以外の熱可塑性樹脂成分(B)が繊維表面の
一部を占めているものの模式図である。このように複合
繊維においては、SPS系樹脂材料(A)が100%繊
維表面を占めているものである必要はなく、SPS以外
の熱可塑性樹脂成分(B)の相を1相以上有していても
よい。このような複合繊維断面におけるSPS系樹脂材
料(A)とSPS以外の熱可塑性樹脂成分(B)との面
積比については、特に制限はないが、(A):(B)=
99:1〜10:90程度が好ましい。
【0040】繊維ウエブ(不織布の結合前の状態のも
の)の形成方法としては、特に制限ないが、例えば、カ
ード法やエアレイ法などの乾式法、湿式法、或いは紡糸
と同時に繊維ウエブとする、いわゆるスパンボンド法や
メルトブロー法等が挙げられる。カード法により繊維ウ
エブを形成する場合、一方向に配向した繊維と、この繊
維に交差した繊維とを含んでいると、縦方向と横方向の
強度差が小さくなり好ましい。このような繊維ウエブに
ついては、水流やニードル等の機械的外力を加えること
により、繊維シートを得ることができる。特に、機械的
外力としては繊維ウエブ全体に作用させることができる
ことから水流によるものが好ましい。機械的外力として
の水流は、例えば、ノズル径は0.05〜0.3mm、より
好ましくは0.10〜0.18mmであり、ピッチは0.2〜
3mm、好ましくは0.4〜1.2mmで、一列に配列した
ノズルプレートや、ノズルを格子状や千鳥状などの二列
に配列したノズルプレートを使用して、水圧10〜30
0kg/cm2 で繊維ウエブの両面又は片面から処理す
る方法がとられる。
【0041】また、開孔がなく、表面が均一な繊維シー
トを得る場合、水流処理する際の支持体として50メッ
シュ以上の細かいネットや、1個あたりの孔面積が0.0
6mm2 以下の多孔板を使用するのが好ましい。逆に、
開孔した繊維シートを得たい場合には、50メッシュ未
満の粗いネットや、1個あたりの孔面積が0.06mm 2
を超える多孔板を使用するのが好ましい。
【0042】このようにして得られる繊維シートは、機
械的外力の強度により、既に絡合した繊維シートにもな
り、未だ絡合していない繊維シートにもなる。絡合した
繊維シートであっても、繊維シートを構成する熱融着性
繊維による融着やバインダーによってさらに結合させる
こともできる。また、未だ絡合していない繊維シートは
さらに機械的外力を加えたり、繊維シートを構成する熱
融着性繊維による融着やバインダーによって結合させる
こともできる。
【0043】本発明における繊維シートは、複合繊維の
一成分としてSPSを用いていることから、スルホン化
して電池用セパレータとしての親水性を付与するなど容
易に化学修飾したり、エレクトレット化して、各種の用
途に適合させることができる。 IV.本発明にかかる電子部品用積層体 上記電子部品用不織布に金属層とを積層させることによ
り、電子部品用積層体を得ることができる。
【0044】ここで、金属層の厚みは、金属の種類及び
用いられる用途に応じて適宜選択すればよい。具体的に
は、プリント基板等の用途に用いる場合には、金属とし
て銅を用い、態様としては銅箔や銅メッキが好ましく行
なわれる。この場合、箔やメッキの厚みは5〜30μm
であり、不織布の厚みは25〜300μmの範囲が好適
に選ばれる。また、コンデンサー等の用途に用いる場合
には、金属としてアルミニウムを用い、態様としてはア
ルミ箔やアルミ蒸着が好ましく行なわれる。この場合、
箔や蒸着の厚みは20μm以下であり、不織布の厚みは
10〜50μmの範囲が好適に選ばれる。さらに、この
コンデンサーの用途においては、不織布はそのまま用い
てもよく、また不織布に絶縁油を含浸させて用いること
も好適に行なわれる。またケーブルに用いる場合は、金
属導線の外層に用いることができる。
【0045】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 〔実施例1〕SPS(シンジオタクチックポリスチレ
ン、出光石油化学製「ザレック」(Tm=270℃、M
I=50(300℃、1.2kgf)))を用いて、メル
トブロー法により繊維を作製し、スパンレース法により
交絡させ、乾燥し、SPSのウエブを得た。装置の概要
を図2に示す。この時、40mmの単軸押出機、ギアポ
ンプ、メルトブローダイの温度は320℃であり、一個
の口金(口金径0.3mm)当たりの吐出量は0.4g/分
であり、高温空気の温度は380℃、流速は300m/
秒であった。吹き飛ばされた繊維は捕集ドラム上に集め
られ、綿状となった。その綿を送りロールを通して、高
圧のウォータージェット(水圧30kg/cm2 )で交
絡させ、乾燥機(150℃)を通して乾燥させた。得ら
れたウエブを熱ロール(130℃)を通して熱圧着させ
て不織布とした。
【0046】得られた不織布の性状は以下のとおりであ
った。 (1)誘電率: 1.7 (2)熱収縮率: 3.9(%) (3)エルメンドルフ引裂強度: 80g/mm (4)相対結晶化度: 62(%) (5)目付: 25(g/m2 ) (6)繊維径: 11(μm) (7)嵩密度: 0.6(g/cm3 ) 〔実施例2〕SPS(シンジオタクチックポリスチレ
ン、出光石油化学製「ザレック」(Tm=270℃、M
I=100(300℃、1.2kgf)))を用い、高温
空気の流速を330m/秒とした以外は、実施例1と同
様にして不織布を得た。
【0047】得られた不織布の性状は以下のとおりであ
った。 (1)誘電率: 1.4 (2)熱収縮率: 3.0(%) (3)エルメンドルフ引裂強度: 50g/mm (4)相対結晶化度: 68(%) (5)目付: 25(g/m2 ) (6)繊維径: 7(μm) (7)嵩密度: 0.52(g/cm3
【図面の簡単な説明】
【図1】 複合繊維におけるその断面の模式図
【図2】 不織布製造装置の概略図
【符号の説明】
1: SPS系樹脂材料(A) 2: SPS以外の熱可塑性樹脂成分(B) 3: 押出機 4: ギアポンプ 5: ポリマー 6: 高温空気 7: ダイ 8: 冷風 9: 繊維 10: 捕集ドラム 11: ロール 12: ジェット水流 13: 乾燥機
【発明の効果】本発明によれば、誘電率や誘電正接等の
電気特性に優れ、軽量であり、さらに強度等の機械物性
にも優れた電子部品用不織布及び電子部品用積層体を得
ることができた。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AK01A AK12A AL05A AN00A BA02 DG15A DG20A GB43 JA03A JA06A JA11A JB16A JD08 JG04 JG05A JK01 JK03A JK07A JL03 YY00A 4J002 AC01X AC03X AC04X AC06X AC08X AC09X BB03X BB12X BB15X BB17X BC02X BC03W BC03X BC06X BC07X BC08W BC11W BC12W BD15X BG04X BN14X BN15X BN16X BN17X BP01X CF06X CF07X CG00X CH04X CH07X CK02X CL01X CL03X CL05X CN01X CN02X CP03X FD010 FD070 FD160 GF00 GK01 4L047 AA26 AB10 BA04 CB01 CB10 CC16 5G305 AA20 AB10 AB15 AB24 BA12 BA23 BA25 CA02 CA45 CA47

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1)〜(3)を満たす電子部品
    用不織布。 (1)誘電率が、1.2〜2.2であること。 (2)熱収縮率が、5.0(%)以下であること。 (3)エルメンドルフ引裂強度が、10g/mm以上で
    あること。
  2. 【請求項2】 前記電子部品用不織布が、300℃、
    1.2kgfの条件下で測定したメルトインデックスが2
    5(g/10分)以上の主としてシンジオタクチック構
    造を有するスチレン系重合体からなる樹脂材料を用いた
    ものである請求項1に記載の電子部品用不織布。
  3. 【請求項3】 前記電子部品用不織布が、(a)主とし
    てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体3
    5〜100重量%(100を含まず)と、(b)ゴム状
    弾性体及び/又は主としてシンジオタクチック構造を有
    するスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂65〜0重量
    %(0を含まず)とからなる樹脂組成物からなる樹脂材
    料を用いたものである請求項1に記載の電子部品用不織
    布。
  4. 【請求項4】 前記電子部品用不織布が、(a)主とし
    てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体3
    5〜100重量%(100を含む)と、(b)ゴム状弾
    性体及び/又は主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂65〜0重量%
    (0を含む)からなる樹脂材料(A)と、主としてシン
    ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体以外の熱
    可塑性樹脂(B)とからなる複合繊維を用いたものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用不織
    布。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子部
    品用不織布と金属層からなる電子部品用積層体。
  6. 【請求項6】 前記電子部品が、シート状又はフィルム
    状絶縁体である請求項1〜4のいずれかに記載の電子部
    品用不織布。
  7. 【請求項7】 前記電子部品が、プリント配線基板電気
    絶縁材料,電磁波シールド材又は電線おさえ巻きテープ
    である請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品用不織
    布。
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