JP2014017162A - フレキシブルフラットケーブル用被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波特性に優れるとともに、機械的強度や柔軟性に優れ、かつ導電体のピッチ制御も容易なフレキシブルフラットケーブル用被覆材を提供する。
【解決手段】基材シートと接着層とを少なくとも備えたフレキシブルフラットケーブル用被覆材であって、前記接着層が繊維材料からなり、前記繊維材料が、融点が80℃〜200℃の材料からなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブルフラットケーブル用被覆材に関し、より詳細には、高周波特性に優れるとともに、機械的強度や柔軟性に優れ、かつ導電体のピッチ制御も容易なフレキシブルフラットケーブル用被覆材に関する。
OA機器やゲーム機などの電子機器では、コンピューターと電子部品などの電気的な接続や種々の配線のためのフラットケーブルが使用されている。このフラットケーブルは、複数の導電体を配列させたものを、接着剤を塗布したPETフィルム等で挟持して被覆した構造を有する。
フラットケーブルは、電子機器の狭い筐体内を引き回され、電子部品の移動に伴って摺動されたり、かつ、電子部品の発熱に伴う高温の環境下で使用される。このために、フラットケーブルを被覆している被覆材は、摺動に対する柔軟性、高温に対する耐熱性、および難燃性が要求される。
また最近では、自動車や生活家電などの軽量化、薄型化が進み、回路基盤同士の配線などにはフレキシブルフラットケーブルが広く使われるようになってきており、フラットケーブルの使われ方も多様化している。例えば、高周波用のフラットケーブルは、電磁干渉とノイズを低減するために、導電体を被覆したフィルムの外側にさらにシールド層が設けられる場合がある。このような不要輻射対策(以下、EMI対策ともいう)としてシールド層が設けられたフレキシブルフレットケーブルでは、導電体とシールド層との間の静電容量が大きくなるため、伝導体とシールド層との間を、低誘電率材料で構成することが試みられている。
例えば、特開2003−31033号公報(特許文献1)には、導電体を発泡絶縁体で被覆し、その発泡絶縁体の表面にシールド層を設けた構造のフレキシブルフラットケーブルが開示されており、このような発泡絶縁体を用いることで、絶縁体の誘電率が空気(気泡)の誘電率と複合化するため絶縁体の誘電率が低くなり、高周波特性に優れるフレキシブルフラットケーブルが得られることが提案されている。
また、特開平11−288621号公報(特許文献2)には、導電体を被覆する絶縁体層として、接着剤等のバインダー成分中に微小中空球体(マイクロバルーン)を含有させたものを用いることにより、絶縁体の誘電率を低減できることが提案されている。
特開2003−31033号公報 特開平11−288621号公報
しかしながら、導電層を発泡絶縁体で挟持して被覆する際には接着剤を介在させるため、発泡絶縁体の空孔に接着剤が入り込んでしまい、絶縁体の誘電率に影響を与える場合がある。同様に、発泡絶縁体の表面にシールド層を設ける際にも接着剤を介在させるため、発泡絶縁体の空孔に接着剤が入り込んでしまい、絶縁体の誘電率に影響を与える場合がある。また、発泡材料は機械的強度や摺動に対する柔軟性に劣る場合がある。
また、フレキシブルフラットケーブルにおいて被覆材で挟持される導電体は、数百ミクロン程度の線幅を有する複数の導電線を数百ミクロンオーダーのピッチ幅で配列させたものが使用されるため、被覆材の表面に微小中空球体の凹凸があるとピッチ幅を精確に制御できず、場合によっては、導電線どうしが接触して短絡を起こしてしまうという問題がある。
本発明者らはが鋭意検討した結果、フレキシブルフラットケーブルの被覆材として、繊維材料からなる絶縁体を使用することで、上記課題を解決できることがわかった。したがって、本発明の目的は、高周波特性に優れるとともに、機械的強度や柔軟性に優れ、かつ導電体のピッチ制御も容易なフレキシブルフラットケーブル用被覆材を提供することである。
本発明によるフレキシブルフラットケーブル用被覆材は、基材シートと接着層とを少なくとも備えたフレキシブルフラットケーブル用被覆材であって、
前記接着層が繊維材料からなり、
前記繊維材料が、融点が80℃〜200℃の材料からなることを特徴とする。
また、本発明の実施態様によれば、前記繊維材料が、編布、織布及び不織布からなる群より選択されるものである。
また、本発明の実施態様によれば、前記基材シートが、編布、織布及び不織布からなる群より選択される繊維材料を複数層積層したものからなる。
また、本発明の実施態様によれば、前記繊維材料が、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂をさらに含んでなる。
また、本発明の実施態様によれば、前記繊維材料が、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂からなる繊維と、融点が80℃〜200℃の熱可塑性樹脂からなる繊維とを含んでなる。
また、本発明の実施態様によれば、前記繊維材料が、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂を芯とし、融点が200℃未満の熱可塑性樹脂を鞘とする芯鞘複合繊維からなる。
また、本発明の実施態様によれば、前記基材シートの一方の面上に接着層を備えてなる。
また、本発明の実施態様によれば、前記繊維材料が、目付20〜30g/mを有する不織布である。
また、本発明の実施態様によれば、前記繊維材料が難燃剤を含んでなる。
さらに、本発明の別の実施態様によるフラットケーブルは、複数の導電体を同一平面内で配列した導電体列を、一対の被覆材で挟持したフラットケーブルであって、前記被覆材が上記のフレキシブルフラットケーブル用被覆材であることを特徴とするものである。
本発明によれば、レキシブルフラットケーブルの被覆材として、繊維材料からなる絶縁体を使用することで、高周波特性に優れるとともに、機械的強度や柔軟性に優れ、かつ導電体のピッチ制御も容易なフレキシブルフラットケーブル用被覆材を実現することができる。
本発明の一実施形態によるFFC用被覆材の断面図。 本発明の別の実施形態によるFFC用被覆材の断面図。 本発明の一実施形態によるFFCの平面図。 図4のA−A断面図。
<フレキシブルフラットケーブル用被覆材>
本発明によるフレキシブルフラットケーブル用被覆材は、基材シートと接着層とを少なくとも備えたものであり、接着層として、融点が80℃〜200℃の材料からなる繊維材料を使用するものである。以下、図面を参照しながら、本発明によるフレキシブルフラットケーブル(以下、FFCと略記する場合もある。)用被覆材を詳細に説明する。
図1は、本発明によるFFC用被覆材の一実施形態の層構成を示す模式的断面図である。本発明によるFFC用被覆材10は、図1に示すように、基材シート11と接着層12とを備えている。基材シート11は、後記するように、被覆材10によって導電体列を挟持してFFCとしたときに、FFCの機械的強度や屈曲性等の物性を維持するために設けられるものである。また、接着層12は、後記するように、導電体列を一対の被覆材10で挟持して導電体列を固定するとともに、被覆材10どうしを貼り合わせるものである。本発明においては、図2に示すように、基材シート11と接着層12との密着性を改善するために、アンカーコート層13が設けられていてもよい。以下、本発明によるFFC用被覆材を構成する各層について説明する。
本発明によるFFC用被覆材を構成する基材シートは、機械的強度に優れ、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、屈曲性、絶縁性等に富むようなフィルム状の材料であれば、特に制限なく用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド系フィルム、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系フィルム、フッ素系フィルム、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、ポリエステルエーテル、全芳香族ポリアミド、ポリアラミド、ポリプロピレンフィルム、ポリカ−ボネートフィルムなどが適用できる。通常はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンテレフタレートを好適に使用できる。
フィルム状基材は、未延伸フィルムまたは延伸フィルムのいずれでも使用できるが、フラットケーブル用被覆材の強度を向上させる目的で延伸フィルムが好ましく用いられる。このような延伸フィルムとしては、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが、特に二軸延伸フィルムが好適である。
基材フィルムの厚さは、通常は5μm〜200μm程度であり、10μm〜100μmが好適である。厚さが5μm未満であると機械的強度が不足し、また、後記するプライマー層やヒートシール層などを形成する適性が減ずる。一方、厚さが200μm以上では可撓性が不足し、摺動性が悪化する。本発明においては、基材フィルムの厚みを上記の範囲とすることにより、FFC用被覆材に、必要とされる強度を付与することができるとともに、良好な可撓性を付与することができる。
また、基材シートと接着層とを強度に接着させて、FFCの電子機器への使用時の摺動に耐えて、層間の剥離などを抑制して、絶縁性、耐久性を向上させるため、基材シートの表面に、必要に応じて、例えばコロナ処理、プラズマー処理、オゾン処理、その他の前処理を施しておいてもよい。また、基材シートと接着層との間に中間層を設けることもできる。
基材フィルム11と後記する接着層12との接着性を改善するために設けられる中間層13は、基材フィルム11と接着層12とを強固に接着させて、電子機器への使用時の摺動に耐えて、層間の剥離などを抑制して、絶縁性、耐久性を向上させるためのものである。中間層13は、アンカーコート剤を基材フィルム11上に塗布して被膜を形成することにより設けることができる。このようなアンカーコート剤としては、例えば、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、カルボジイミド基等の官能基を有する多官能性化合物(硬化剤)と、ポリエステル系樹脂と、ポリウレタン系樹脂とを含むものを好適に使用することができる。ポリエステル系樹脂としては、ガラス転移点が20℃〜120℃、好ましくは30℃〜100℃のポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。
ガラス転移点が20℃〜120℃、好ましくは30℃〜100℃のポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸などの芳香族飽和ジカルボン酸の一種または複数と、飽和2価アルコールの一種または複数とを縮重合して生成される熱可塑性のポリエステル系樹脂が好適に使用できる。また、ポリウレタン系樹脂としては、例えば、多官能イソシアネートと、ヒドロキシール基含有化合物との、反応で生成するポリウレタン系樹脂が好適に使用できる。
アンカーコート剤に含まれる多官能性化合物(硬化剤)としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、および/またはカルボジイミド基を有する化合物が好ましく用いられ、例えば、2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネート等の多官能イソシアネート、これらのイソシアナートのポリオール変性物、カルボジイミド変性物、これらのイソシアネートをアルコール、フェノール、ラクタム、アミン等でマスクしたブロック型イソシアネートなどが挙げられる。
また、ポリエチレンイミン系化合物、有機チタン系化合物、イソシアネート系化合物、ウレタン系化合物、ポリブタジエン系化合物などを主成分とするアンカーコート剤を併用して用いてもよい。
アンカーコート剤に含まれるポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂との配合比は質量基準で、ポリエステル系樹脂/ポリウレタン系樹脂の比が、0.7/0.3〜0.3/0.7程度が好ましい。また、上記した多官能性化合物(硬化剤)の添加量は、ポリエステル系およびポリウレタン系樹脂の反応基に対して、1〜10倍の反応基に相当する量が好ましい。フィルム状基材上に塗布するアンカーコート剤としては、上記した各成分が固形分として2〜60質量%含まれるように、有機溶剤で希釈したものが使用される。
中間層は、上記したアンカーコート剤の希釈液をフィルム状基材の表面に塗布して被膜を形成し、乾燥させて希釈剤を除去することにより形成することができる。アンカーコート剤の希釈液を塗布する方法としては、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコート、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマーコート、フローコート、スプレーコートなどの方法を採用できる。希釈剤の除去は、30℃〜70℃の温度でエージングすることにより行う。アンカーコート層12の厚さは、通常は0.05μm〜10μm程度、好ましくは0.1μm〜5μm程度である。
本発明によるFFC用被覆材を構成する接着層は、融点が80℃〜200℃の材料からなる繊維材料からなるものである。繊維材料とは、短繊維または長繊維からなる編布、織布または不織布を意味する。短繊維または長繊維を融点が80℃〜200℃の材料で構成することにより、後記するように、導電体列を一対の被覆材で挟持して接着する場合に、例えばヒートシール等の手段により繊維材料の一部が溶融して被覆材どうしを接着することができるとともに、繊維間の空隙を維持できるため、被覆材の誘電率を低減することができる。さらに、微小中空球体を含有させた被覆材と比較して、被覆材表面が平滑であるため導電体のピッチ制御も精確に行うことができる。
融点が80℃〜200℃未満の繊維材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、低融点ポリエステル、低融点ポリアミドなどの熱可塑性樹脂を繊維化したものを挙げることができる。
繊維材料は、機械的強度や空隙率(低誘電性)の観点から、不織布であることが好ましい。不織布は、上記したような繊維を単独で、または他の繊維と混合して、カード法、エアレイド法等の既知の加工法でウエブを形成し、不織繊維集合体とするか、あるいは、それをスルーエアー型熱処理機等で繊維の交点を熱融着するか、ウォータージェット法等で繊維を機械的に交絡することにより形成することができる。また、メルトブロー法、スパンボンド法、スパンレース法、カード法、エアレイド法、または、抄造法等の他の加工法によって形成することもできる。
上記した融点が80℃〜200℃未満の繊維材料は、被覆材を重ね併せて両者を接着する際に、ヒートシール等の手段により繊維材料の一部を溶融させて両者を接着することができるが、この場合、繊維の溶融により、繊維中に含まれる空隙(繊維と繊維との隙間)が減少する場合がある。そのため、本発明においては、繊維材料中に、融点が200℃以上の繊維を含むことが好ましい。
融点が200℃以上の繊維としては、融点が200℃以上の繊維が含まれることにより、熱接着の際に、繊維中に含まれる空隙が潰れてしまうことを低減できるため、より低誘電率の被覆材を実現することができる。上記したような融点が200℃以上の材料としては、特に制限されるものではないが、耐薬品性、耐溶剤性及び絶縁性等の観点からは、ガラス繊維やカーボン繊維の他、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、アクリル、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、ポリエステルエーテル、芳香族系ポリエステル、全芳香族ポリアミド、ポリアラミド、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られる合成繊維が挙げられる。
繊維材料が、融点が80℃〜200℃未満の繊維材料と融点が200℃以上の繊維材料とを含む場合、2種類の繊維を混合したものから繊維ウエブを形成してもよく、また、不織布を構成する繊維自体が、低融点成分(融点が80℃〜200℃)と高融点成分(融点が200℃以上)とからなり、低融点成分が繊維の表面の少なくとも一部に露出している複合繊維からなる熱接着性繊維を用いてもよい。このような複合繊維としては、例えば、芯鞘型、サイドバイサイド型、断面が2成分以上の樹脂で分割された海島型の複合繊維などがある。複合繊維は熱融着した後も高融点成分の骨格が残るため、基材シートの機械的強度等を維持し易い。また、複合繊維の場合、これらの樹脂の中から同じ種類の樹脂成分を選んで構成することも可能であり、異なる樹脂成分を選んで構成することも可能である。
低融点成分(融点が200℃未満)の樹脂のみを熱融着させる方法としては、繊維ウエブを直接加熱する方法、加熱ロールの間を通過させる方法、または繊維ウエブに加熱空気または加熱蒸気を噴射する方法などを適用することができる。
低誘電率の低減と機械的強度の観点からは、繊維ウエブの見掛け密度は20〜30g/cmであることが好ましい。20g/cm未満であると、繊維間の空隙率が高く誘電率の低いFFC用被覆材とすることができるが、機械的強度が不十分となる場合がある。一方、30g/cmを超えると低誘電率の被覆材とできないばかりか、屈曲性が低減する。なお、繊維ウエブの見掛け密度は、ニードルパンチや水流絡合の工程により適宜調製することができる。上記のような繊維ウエブを用いることにより、目付が20〜30g/m程度であるような不織布を形成することができる。
また、繊維ウエブの厚さは5〜1000μmであることが好ましく、20〜500μmがより好ましく、50〜250μmが特に好ましい。5μm未満であると、使用する繊維材料にもよるが、一般的に機械的強度が不十分となる場合があり、一方、1000μmを超えると屈曲性が不足してフレキシブルフラットケーブルの摺動性が悪化する場合がある。
接着層を構成する繊維材料は、単層であってもよく、また複数層が積層されたものであってもよい。また、繊維材料には、上記した基材シートや中間層との接着性を考慮して、繊維材料に、バインダー樹脂を含浸させたものを用いてもよい。このようなバインダー樹脂としては、上記したような融点が80℃〜200℃程度の樹脂を好適に使用できる。
上記した繊維材料には難燃化剤が含まれていてもよい。複合繊維を用いる場合には、低融点成分(融点が200℃未満)又は高融点成分(融点が200℃以上)の何れか、あるいはその両方に難燃化剤を含有させることができる。難燃化剤としては、従来公知のものを使用することができ、特に制限されることなく使用することができ、ハロゲン化物、燐系化合物およびアンチモン化合物等を使用することができるが、環境負荷の観点からは、非ハロゲン系の難燃化剤の使用が好ましい。非ハロゲン系難燃剤としては、例えば水和金属化合物、水和シリケート化合物、リン系化合物、窒素系化合物、硼素系化合物、アンチモン系化合物等を適用することができる。水和金属化合物には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム等があり、リン系化合物には赤リン、メタリン酸アルミニウム、リン酸メラミン、リン酸マグネシウム、縮合リン酸アミドがあり、窒素系化合物にはリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウムがあり、硼素系化合物にはホウ酸亜鉛があり、アンチモン系化合物には酸化アンチモンがあり、その他各種金属酸化物には水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムがあり、その他各種金属硝酸塩、各種金属錯体等が挙げられる。また、Nメチロールジメチルホスホノプロピオンアミド、ポリリン酸カルバメート、グアニジン誘導体リン酸塩、環状ホスホン酸エステル、リン酸メラミンなどのリン系難燃剤を使用してもよい。
上記した難燃化剤は、繊維を構成する樹脂に直接添加したもの(難燃化繊維)を用いてもよく、また、難燃化剤を適当なバインダーに分散ないし溶解させた溶液を繊維ウエブに含浸、または塗布した後、乾燥および熱硬化させて付着させる方法がある。また、これら難燃化剤は、繊維材料(接着層)のみならず、上記した中間層に含有させてもよい。
<フレキシブルフラットケーブル>
本発明によるフレキシブルフラットケーブル1は、図3に示すように、複数の導電体20を同一平面内で配列した導電体列21を、上記したFFC用被覆材10で挟持して両面から被覆したものである。図4は、図4のA−A断面図であり、導電体列21は両面より被覆してなるFFC用被覆材10によって埋め込まれるような状態で接着されて、導電体21列がFFC中に固定されている。
上記のような構造を有するFFCは、一対のFFC用被覆材10を準備し、一方の被覆材上に、複数の導電体を同一平面内で配列した導電体列を仮固定し、前記導電体列が仮固定された面に、他方の被覆材を重ね合わせて積層体を形成し、前記積層体を加熱することにより製造される。この加熱により基材シートまたは接着層が熱融着し、導電体列が基材シートまたは接着層中に埋め込まれて一体化したフラットケーブルが製造される。
FCCを熱融着する際には、加熱とともに加圧してもよい。また、加熱温度は、100〜300℃程度、好ましくは150〜250℃である。加熱時間は1〜240分間、好ましくは10〜60分間である。加熱工程は、被覆材どうしを重ね合わせて積層体としたものを一旦巻き取ってロール状とした後に、ロール状の形態で加熱してもよく、また、長尺状の積層体を所望の長さに切断して枚葉状の形態として加熱してもよい。
FFC用被覆材の接着層上に剥離紙を設けている場合は、予め、または導電体列を仮固定する前に、フラットケーブル被覆材から剥離紙を剥離し除去すればよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
ウレタン系インキ(セイカダイン2710A、大日精化社製)3.25質量部と、ポリエステルポリオール系インキ(セイカダイン2710B、大日精化社製)16.75質量部と、希釈溶剤(MEK:トルエン=7:3)10質量部とを混合したものを中間層形成塗工液として準備し、この中間層形成塗工液を、基材シートであるPETフィルム(エンブレットPTM、厚み25μm、ユニチカ製)の一方の面に、乾燥後の膜厚が2〜3μm程度となるように塗布して中間層を形成した。
次いで、中間層上に、厚み120μmで目付が20g/cmであるポリアミド系繊維からなる不織布(ダイナックLNS1225、呉羽テック社製)を貼り合わせてラミネートすることにより被覆材を得た。
実施例2
実施例1において、ポリアミド系繊維からなる不織布に代えて、厚み225μmで目付が30g/cmであるポリアミド繊維とポリオレフィン繊維との混合不織布(ダイナックB1030、呉羽テック社製)を用いた以外は実施例1と同様にして被覆材を得た。
実施例3
実施例1において、ポリアミド系繊維からなる不織布に代えて、厚み65μmで目付が20g/cmであるポリエステル系芯鞘複合繊維からなる不織布(TES3−20、ユニチカ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして被覆材を得た。
実施例4
実施例3において、低融点ポリアミド樹脂(マクロメルト6240、ヘンケルジャパン社製)を乾燥後の塗布量が5g/mとなるように不織布に塗布・含浸させたものを用いた以外は実施例3と同様にして被覆材を得た。
比較例1
接着層用塗工液として、ポリエステル系インキ(DS−NH−155N、大日精化社製)100質量部と硬化剤(DTC DS−YU1/2、大日精化社製)0.6質量部とを混合したものを準備し、この接着層用塗工液を、実施例1と同様にして形成した中間層上に、乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布し、乾燥させることにより被覆材を得た。
比較例2
接着層用塗工液として、低融点ポリアミド樹脂(マクロメルト6240、ヘンケルジャパン社製)30質量部を、希釈溶剤(トルエン:IPA=1:1)100質量部に80℃下で攪拌して溶解させたものを準備し、この接着層用塗工液を、実施例1と同様にして形成した中間層上に、乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布し、乾燥させることにより被覆材を得た。
<誘電特性の評価>
上記のようにして得られた実施例1〜5および比較例1〜2の被覆材について、ASTM標準D150−98に準拠した測定方法により、2kHzでの誘電率を測定した。結果は、下記の表1に示される通りであった。
<機械的強度の評価>
実施例1〜4および比較例1〜2の被覆材について、2枚の被覆材を、接着層が対向するようにして重ね併せ、ヒートシーラーで150℃で3秒間押圧することにより、両者を接着した。
接着後、50Nのロードセルを用いた引張試験機(テンシロン)にて、50mm/分の条件にて、90度剥離試験による剥離強度を測定した。結果は、下記の表1に示される通りであった。
Figure 2014017162
1 フレキシブルフラットケーブル
10 フレキシブルフラットケーブル用被覆材
11 基材シート
12 接着層
13 中間層
20 導電体
21 導電体列

Claims (9)

  1. 基材シートと接着層とを少なくとも備えたフレキシブルフラットケーブル用被覆材であって、
    前記接着層が繊維材料からなり、
    前記繊維材料が、融点が80℃〜200℃の材料からなることを特徴とする、フレキシブルフラットケーブル用被覆材。
  2. 前記繊維材料が、編布、織布及び不織布からなる群より選択されるものである、請求項1に記載のフレキシブルフラットケーブル用被覆材。
  3. 前記基材シートが、編布、織布及び不織布からなる群より選択される繊維材料を複数層積層したものからなる、請求項1または2に記載のフレキシブルフラットケーブル用被覆材。
  4. 前記繊維材料が、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフレキシブルフラットケーブル用被覆材。
  5. 前記繊維材料が、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂からなる繊維と、融点が80℃〜200℃の熱可塑性樹脂からなる繊維とを含んでなる、請求項4に記載のフレキシブルフラットケーブル用被覆材。
  6. 前記繊維材料が、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂を芯とし、融点が80℃〜200℃の熱可塑性樹脂を鞘とする芯鞘複合繊維からなる、請求項4に記載のフレキシブルフラットケーブル用被覆材。
  7. 前記繊維材料が、目付20〜30g/mを有する不織布である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフレキシブルフラットケーブル用被覆材。
  8. 前記繊維材料が難燃剤を含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフレキシブルフラットケーブル用被覆材。
  9. 複数の導電体を同一平面内で配列した導電体列を、一対の被覆材で挟持したフラットケーブルであって、
    前記被覆材が請求項1〜8のいずれか一項に記載のフレキシブルフラットケーブル用被覆材であることを特徴とする、フラットケーブル。
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