JP2000257208A - 建築用パネル部材及び建築構造 - Google Patents

建築用パネル部材及び建築構造

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JP2000257208A
JP2000257208A JP11183614A JP18361499A JP2000257208A JP 2000257208 A JP2000257208 A JP 2000257208A JP 11183614 A JP11183614 A JP 11183614A JP 18361499 A JP18361499 A JP 18361499A JP 2000257208 A JP2000257208 A JP 2000257208A
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Japan
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building
panel member
shaped
band
panel
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JP11183614A
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Inventor
Hirotaka Miyazaki
寛孝 宮崎
Katsunori Onishi
克則 大西
Hiroshi Onishi
洋 大西
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋根部、バルコニー床部等に共通に利用で
き、構造が簡単で強度の大きな建築用パネル部材を提供
し、柔軟な設計と作業効率の向上とを図る。 【解決手段】 所定幅の鋼板による帯状上面部と、該帯
状上面部の幅方向両側縁から下方に形成された一対の帯
状側面部と、該一対の帯状側面部の下方部から内側に形
成された一対の帯状下面部とからなるパネル要素を有す
る建築用パネル部材であって、該パネル要素の前記帯状
側面部を他のパネル要素の帯状側面部と接合させること
により該接合断面部がI形鋼状を為す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築物の建設、特に
屋根やバルコニーの床などに用いられる建築用パネル部
材及びその建築用パネル部材を用いた建築構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に建築物の陸屋根及びバルコニーの
構成は、それぞれの用途に合わせて設計された専用部材
を用いて組み立てられている。
【0003】例えば、陸屋根構造については特公昭58
−20352号公報及び特公昭62−24587号公報
等に記載されている。
【0004】上記陸屋根構造では図22に示すように、
屋根部が折版1、係止部2、脚部3から構成されてい
る。このうち折版1には左右に弧状に張出した膨出部4
と内方に弧状にくびれた窪み部5、5とを有する山部が
形成されている。また、前記係止部2は両端がそれぞれ
鈍角を為す第一曲折部6と先端の第二曲折部7との2カ
所で内方に曲折されており、この第二曲折部7と窪み部
5、5とが折版1の内側で嵌着される。係止部2の折版
1と反対側には脚部3が取り付けられており、この脚部
3が建築物の構造部材、例えば大梁8に取り付けられ
る。
【0005】この折版1は窪み部5、5間に係止部2を
係止させることにより、図23に示すようにボルト等を
使用することなく脚部3の延設方向に沿って取り付けら
れる。一方、脚部3の延設方向と略直交する図23中左
右方向では、折版1が複数並設されており、その隣接す
る側縁部間を接合することにより一方の軒先から反対側
の軒先まで連結される。折版1の排水路1a、1aは、
大梁8よりも上方に位置され、軒先から雨水の排水を行
なう。
【0006】この折版1は、取り付けの際のボルト穴の
位置決めやボルトの締め付け等の手間が不要となるた
め、効率よく作業を進めることができると共に、ボルト
孔による雨漏れや腐食を防止することが可能となる。
【0007】また、バルコニー床の構造は図24に示す
ように、4本の床大梁9〜12を四角形状に結合してバ
ルコニー床フレーム13を作り、相対する2本の床大梁
9、11の間に複数の床小梁14を並列的に掛け渡して
その上に図25に示すように床下地材15を乗せる構造
となっている。この床小梁14は、図26に示すような
I状断面形状のものも使用されている。
【0008】バルコニー床フレーム13、床小梁14等
で構成されるバルコニー部16は、図27に示すように
分割されたこれらの複数のバルコニーユニット16a〜
16dにより構成されており、図28に示すように下階
の建物ユニット17の屋根大梁に坦持させる構造となっ
ている。各バルコニーユニットは軒先方向に向けて床面
が勾配を有するように載置されるため、雨水をバルコニ
ー部16のオーバーハング方向先端に設置される排水溝
から縦樋(図示省略)を経て排出されることにより、バ
ルコニー床面の水はけ性を確保することができる。
【0009】なお、この種のバルコニー床構造及びバル
コニーユニット構造においては、特開平05−1488
89号公報及び特開平05−321346号公報等に記
載されているものが知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の陸屋根
構造では、屋根の大きさや形状により折版1、係止部2
等が大型化するため、取り付け作業が困難となる場合が
あった。また、排水用の傾斜を折版1に設ける場合に、
屋根形状や建物ユニットのつなぎ方に制約が生じること
があった。
【0011】例えば、排水路1a、1aは、大梁8より
も上方に位置されるため、この端縁を隠すために別途設
けられる鼻隠し等の装飾部材が大型化するおそれがあ
り、外観品質の向上のために製造コストの上昇を招いて
しまうといった問題があった。
【0012】従来のバルコニー床の構造では、バルコニ
ー部16のオーバーハング部分の重量等を確実に支持す
るために補強用構成部材を用いており、また、複数のバ
ルコニーユニット16a〜16dを接合してバルコニー
部16を構成していたため、部材点数が増えて結合部等
に部材の無駄を生じる場合があった。また、排水用勾配
を設ける必要があるため各バルコニーユニット16a〜
16dの大きさや接合方法に制約を生じることもあっ
た。
【0013】それらに加えて、近年の環境問題等に対す
る配慮から、リサイクル時の資源分別の簡素化等を考慮
した建築部材を使用することが求められており、建築部
材のコスト低減の要求と相まって建築部材の共通化・簡
略化を図る必要も生じている。
【0014】本発明は上記の事情に鑑みて為されたもの
であり、屋根部、バルコニー床部等に共通に利用でき、
構造が簡単で強度の大きな建築用パネル部材を提供する
と共に、その建築用パネル部材を陸屋根及びバルコニー
床の構造等に用いることにより、部材の共通化や柔軟な
設計と作業効率の向上とを図ることを目的とするもので
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の建築用パネル部材は、所定幅の鋼
板による帯状上面部と、該帯状上面部の幅方向両側縁を
下方に向かって略直角に屈曲して互いに対向するように
形成された一対の帯状側面部と、該一対の帯状側面部の
下方部から内側に向かって略直角に屈曲することにより
形成された一対の帯状下面部とからなるパネル要素を有
する建築用パネル部材であって、該パネル要素の前記帯
状側面部を他のパネル要素の帯状側面部と接合させるこ
とにより該接合断面部がI形鋼状を為すことを特徴とす
る。
【0016】本発明に用いられる鋼板としては、鋼板の
他、亜鉛めっき鋼板などのめっき鋼板、ステンレス鋼
板、制振鋼板、これらの積層鋼板などがあげられる。
【0017】このような請求項1に記載の建築用パネル
部材は、パネル要素を相互に接合させるだけで容易に形
成できるうえ、この接合において所定間隔で形成される
略I形鋼状の接合断面部により建築用部材として充分な
強度を得ることができるため、単純な構造で充分な品質
性能を確保することができる。また、パネル要素の構造
が簡単で汎用性に富むため量産性に優れ、コストの削減
を図ることが可能となると共に、製造工場での品質管理
・部材管理が容易になる。しかも、面材と梁材を兼ねる
パネル要素からなるので、リサイクル等の資源分別にも
優れる。
【0018】請求項2に記載される、請求項1に記載の
建築用パネル部材では、前記建築用パネル要素は、樹脂
被覆金属板であることを特徴とする。
【0019】このように、建築用パネル要素が樹脂被覆
金属板であると、その樹脂被覆層により防錆性と防水性
が向上し、ポリ塩化ビニルシートなどの防水シートの施
工面積を減少できるため、材料費、施工費が削減でき
る。また、建築用パネル部材の熱伝導が低減できるの
で、断熱性能が向上され、また、熱橋の影響が受けにく
くなる。さらに、樹脂被覆の表面に意匠を施すことが可
能となる。
【0020】請求項3に記載される、請求項1に記載の
建築用パネル部材では、前記建築用パネル要素は、金属
板の表面に樹脂製の化粧シートを施した化粧鋼板であ
り、該建築用パネル要素間に跨って樹脂シートが被覆さ
れていることを特徴とする。
【0021】このように、建築用パネル要素が金属板の
表面に樹脂製の化粧シートを施した化粧鋼板であると、
該パネル要素の接合部は溶着、融着などの簡単な工法に
よりパネル要素間の接合箇所を密閉被覆することがで
き、パネル要素の各接合部から雨水が浸入することなく
防水性が優れる。これにより、この建築用パネル部材
は、外壁などの防水性の必要な部位に用いると、防水施
工が簡単で、コストの削減を図ることが可能となると共
に、製造工場での防水品質管理が容易である。
【0022】請求項4に記載の建築用パネル部材は、請
求項1、2又は3記載の建築用パネル部材において、前
記各パネル要素の長手方向の端部の前記一対の帯状側面
部に取り付け金具部が設けられ、この取り付け金具部
が、建築物の構造体に取り付けられるようになされてい
ることを特徴とする。
【0023】このように、建築用パネル部材の各パネル
要素の長手方向の端部の前記一対の帯状側面部に取り付
け金具部を設け、この取り付け金具部を、建築物の構造
体に取り付けるようにしているから、帯状上面部に取り
付け金具部を設ける場合に比べて、取り付け金具部の支
持が縦方向になり支持強度が大きいものになり、建築物
の構造体への取り付けが強固にできる。
【0024】請求項5に記載される建築構造は、前記各
パネル要部の前記各帯状上面部を高さ方向で略面一とな
るように構成された請求項1に記載の建築用パネル部材
を用いることを特徴とする。
【0025】このように、各パネル要素の各帯状上面部
が高さ方向で略面一に構成される建築用パネル部材を用
いた建築構造では、建築用パネル部材を上面側が全面に
渡り平坦性を有しかつ充分な強度を有する平面板と見な
すことが可能となり、この建築用パネル部材を建物の建
築構造の基本平面部材として用いることにより、あらゆ
る建築物に幅広く使用することが可能となる。
【0026】また、この建築用パネル部材を建物の外壁
等に使用する場合には、表面に平坦性を有するため、排
水性能の良好な建築構造部材として使用することが可能
となる。
【0027】請求項6に記載される、請求項1に記載の
建築用パネル部材を用いた建築構造では、前記建築用パ
ネル部材を建築物屋根部に配置し、前記各帯状上面部に
よって構成される上面側を屋根下地面として用いること
を特徴とする。
【0028】このような建築用パネル部材を用いた屋根
としての建築構造では、建築用パネル部材上面部が平坦
性を有するように構成できるため、該建築用パネル部材
を建築物屋根部に配置するだけで該上面が雨滴の排水面
となり雨仕舞がほとんど完了する。そのため、建築物が
柱と梁又はパネルからなる略箱型の建物ユニットを上下
左右に隣接させてなるユニット建物においては、工場で
ユニット建物を構成する建物ユニット毎にその建物ユニ
ットに適した形状、大きさの屋根部を建築用パネル部材
を用いて製造し、建築の際にはその屋根部を建物ユニッ
トに応じて設置して雨仕舞をほぼ完了させることによ
り、建築作業の迅速化・簡略化を図ることが可能とな
る。これに加えて、建物ユニット毎に屋根部を製造する
ことができるため、建築物の形状或いは建物ユニットの
組み合わせ及び結合構造に制約されずに、あらゆる屋根
部形状や建物ユニットの組み合わせに対応した屋根部の
製造が可能となり、ひいては、設計の自由度が増大す
る。
【0029】また、建築用パネル部材の前記帯状上面部
を建物ユニットの上部フレーム上面と略同一高さになる
ように配置することにより、上方への突出量を減少させ
ることができるため、従来の折版を用いた屋根に比べて
外観品質を向上させることができる。
【0030】請求項7に記載される、請求項1に記載の
建築用パネル部材を用いた建築構造では、前記建築用パ
ネル部材を建築物床部に配置し、前記各帯状上面によっ
て構成される上面側を床部上面として用いることを特徴
とする。
【0031】このような建築用パネル部材を用いた建築
物の床としての建築構造では、パネル要素を基本とする
少品種の部材で床部が構成されるため、部材品数の減少
を図ることが可能となり、建設構造の簡略化が図れる。
特にバルコニー床部等は部材数が多くなり易く、また建
築構造が複雑であるため、この建築用パネル部材を用い
ることにより部材品数の減少・構造の簡略化を図ること
が可能となり、効率よく簡易にバルコニー床を建築する
ことができる。これに加えて、この建築用パネル部材は
前述のように平面性に優れるため、床上面の防水性が必
要とされるバルコニー床の使用には好適となる。
【0032】また使用部材数が少ないため、耐熱性・不
燃性の高い素材を用いることにより、床部全体の不燃性
を高めることが容易となるため不燃性について規定する
法規制を容易に満たすことができる。
【0033】請求項8に記載される、請求項1に記載の
建築用パネル部材を用いた建築構造では、前記建築用パ
ネル部材をバルコニー手摺壁部に配置し、前記各帯状上
面によって構成される上面側を外壁面として用いること
を特徴とする。
【0034】このような建築用パネル部材を用いたバル
コニー手摺壁部としての建築構造では、建築用パネル部
材上面部が平坦性を有するように構成できるため、該建
築用パネル部材を建築物バルコニー部に配置するだけで
該バルコニー手摺壁部が形成される。これに加えて、こ
のような建築用パネル部材を用いた建築物のバルコニー
手摺壁部構造では、パネル要素を基本とする少品種の部
材でバルコニー手摺壁部が構成されるため、部材品数の
減少を図ることが可能となり、効率よく簡易にバルコニ
ー手摺壁部を施工することができる。
【0035】請求項9に記載される、請求項5〜8のい
ずれか1項に記載の建築構造では、前記建築用パネル要
素は、樹脂被覆金属板であることを特徴とする。
【0036】建築用パネル要素が樹脂被覆金属板である
ので、防錆性、防水性が向上し、防水シートの施工面積
を減少できるため、材料費、施工費が削減できる。ま
た、パネル自体の熱伝導が低減できるので、断熱性能が
向上され、また、熱橋の影響が受けにくくなる。さら
に、樹脂被覆の表面に意匠を施すことが可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明に係る建築用パネル部材1
8は、図1に示すように複数のパネル要素としてのスチ
ールフレーム19によって主に構成されている。このス
チールフレーム19には図2に示すように、長尺形状を
呈すると共に所定幅を有する帯状上面部19aが設けら
れている。この帯状上面部19aからは、幅方向両側縁
部19b、19bを下方に向けて略直角に屈曲されて内
側側面を互いに対向させる一対の帯状側面部19c、1
9cが一体に形成されている。
【0038】またスチールフレーム19には、一対の帯
状下面部19e、19eが帯状側面部19c、19cの
下方部19d、19dから、内側に向かって略直角に屈
曲されることによりさらに延設されて一体に形成され
る。
【0039】図3(A)に示すように、帯状側面部19
cには、各鋲着孔20が所定間隔をおいて複数形成され
ており、また、図3(B)に示すように帯状下面部19
eには、建築用パネル部材と建物ユニット等とを下方か
らリベット等で固定するための各係止孔21が所定間隔
をおいて複数形成されている。
【0040】帯状上面部19aの長尺方向両端には庇部
22が設けられており、その下方には、スチールフレー
ム19の長尺方向両端部断面を覆う取り付け金具部23
が設けられている。
【0041】この取り付け金具部23には図3(C)に
示すように、建築用パネル部材18を建物ユニットのユ
ニット大梁等に固定する際に使用される鋲着等のための
取付孔24が設けられている。
【0042】建築用パネル部材18は、これらのスチー
ルフレーム19を複数個並列させて、各スチールフレー
ム19の隣接する帯状側面部19cを図4に示すように
互いにリベット25、25で鋲着させることにより形成
されている。ここでは各スチールフレーム19の各帯状
上面部19aが高さ方向で略面一となるように結合され
ている。
【0043】この建築用パネル部材18の各スチールフ
レーム19間には、図5に示すように、それらの接合部
に、シーリング材などの止水材40を施してもよい。止
水材40を施すことにより、防水性を高めることができ
る。
【0044】(変形例1)建築用パネル部材18を構成
するスチールフレーム19の材質は限定されなく、この
スチールフレーム19は、樹脂シートが積層されたり、
樹脂コーティングなどにより樹脂層が積層された、いわ
ゆる化粧鋼板であってもよい。この変形例1において
は、図6に示すように、ポリ塩化ビニルシート192が
被覆された塩ビ鋼板製のスチールフレーム191がパネ
ル要素として用いられている。
【0045】このスチールフレーム191は、所定幅H
(例えば、305mm)と所定長さL(例えば、305
mmの整数倍)を有する帯状上面部191aと、その帯
状上面部191aの幅H方向両側縁191b、191b
から略直角に屈曲されて垂下された所定高さB(例え
ば、138mm)を有する一対の帯状側面部191c、
191cと、その帯状側面部191c、191cの下方
部191d、191dから、内側に向かって略直角に屈
曲されて形成された所定幅C(例えば40mm)を有す
る帯状下面部191c、191cとから大略構成されて
いる。
【0046】この帯状側面部191cには、リベットな
どの接合部材により接合するための穴(鋲着孔等)20
1が所定間隔(例えばピッチp=305mm)を開けて
所定位置に形成されている。各スチールフレーム191
…を、図7に示すように、帯状上面部191aが面一と
なるように幅方向に配置し、リベット25などの接合部
材によりこの鋲着孔201を介して接合することにより
表面側181aが略平坦な建築用パネル部材181が形
成される。スチールフレーム191の接合枚数を調整す
ることにより、この建築用パネル部材181は、バルコ
ニーユニットなどを含む建物ユニットの桁方向、妻方
向、高さ方向などの所定の規格に合致される。
【0047】また、このスチールフレーム191の帯状
下面部191eには、係止孔を備えていることが好まし
い。この例では、例えば、ピッチp=305mmを開け
て係止孔211が形成され、この係止孔211により、
建築用バネル部材181の裏面側に位置する各種部材と
ボルトなどにより固定することができる。
【0048】これらのスチールフレーム191は、図3
に示すスチールフレーム19と同様のその他の部材を備
えていてもよい。例えば、建物ユニット等のユニット大
梁等に帯状上面部191aの長尺方向両端を固定するに
は、係止孔を備えた取り付け金具部23(不図示)を帯
状側面部191c、191cの内側に溶接などにより固
定すればよい。この取り付け金具23は、帯状上面部1
91aから例えば55mm程度延設させた庇部22(不
図示)を設けることにより、その固定位置が表面181
a側から視認できないように構成することもできる。ま
た、この庇部22は、屈曲させて係止端を形成すること
により、他の部材と引っかけるように取り付ける(掛
着)させることができる。
【0049】以上のようにして形成された建築用パネル
部材181は、互いのスチールフレーム191、191
間の接合部は、防水性に優れるが、まだ水が浸透するお
それがあるので、図7に示すように、その接合部に沿っ
て樹脂シート、テープ41などを貼り付けることにより
更に防水性を高めてもよい。この例では、厚み1〜3m
m程度であり、幅40〜80mm程度のポリ塩化ビニル
シートなどの樹脂シート41が接合部に沿って貼り付け
られて防水性が高められている。このとき、パネル要素
として塩ビ鋼板製のスチールフレーム191を用いた場
合には、ポリ塩化ビニルシートの密閉被覆を溶着や融着
により行うことができ、被覆部の耐久性を増大させるこ
とができる。
【0050】このようにして得られた建築用パネル部材
181は、外表面側181aがポリ塩化ビニルシートに
よる化粧が施されている。
【0051】(変形例2)スチールフレーム191の帯
状上面部191aは必ずしも平坦である必要はない。例
えば、図8に示す変形例2に従うスチールフレーム29
1では、帯状上面部291aは、断面の幅w29が20
〜40mm程度で、高さh29が1mm〜3mm程度で
長手方向に延びる凹凸を有している。この凹凸は、スチ
ールフレーム291を互いに接合した状態でその接合部
に跨って長手方向に延びる凹所281bを形成する。こ
の凹所281bの高さ及び幅に相当する厚み(1mm〜
3mm)及び幅(40mm〜80mm)のポリ塩化ビニ
ルシート41を貼り合わせることにより、外表面281
aが平坦であり、かつ、その接合部の防水性の向上され
た建築用パネル部材281が形成される。
【0052】以下これらの建築用パネル部材18(18
1,281)を用いた応用例について、陸屋根構造、バ
ルコニー床構造、バルコニー手摺壁構造について説明す
る。
【0053】[陸屋根構造への応用]図9は建築用パネ
ル部材18を陸屋根構造に使用した屋根の断面を示した
ものであり、図10はその構造を簡略図化したものであ
る。
【0054】陸屋根は、柱と梁とから略箱型に形成され
る建物ユニットのユニット大梁26、26の上面に架設
される連結板27に建築用パネル部材18の庇部22を
掛着させて、建築用パネル部材18をユニット大梁26
間に掛け渡し、そのユニット大梁26と建築用パネル部
材18とを取り付け金具部23に設けられた取付孔24
を介して水平方向から鋲着し、その上面を防水シート2
8で覆う構造となっている。
【0055】[バルコニー床構造への応用]図11は建
築用パネル部材18をバルコニー床構造に使用したバル
コニーのオーバーハング方向に対する断面を示したもの
であり、図12はバルコニーのオーバーハング方向に対
して垂直な断面を示したものである。
【0056】バルコニー床は、図13に示すように床大
梁29〜32を四角形状に結合することによりバルコニ
ー床フレーム33を作り、このバルコニー床フレーム3
3と他のバルコニー床フレーム33とに架設される連結
板34に建築用パネル部材18の庇部22を掛着させ、
図14に示すようにバルコニー床フレーム33と建築パ
ネル部材18の取り付け金具部23とを鋲着させた上
に、防水シート35及び床仕上げタイル36を設置する
構造となっている。このバルコニー床は分割された複数
のユニットにより構成され、各ユニットの床面は軒先側
に向けて非常に緩やかな勾配を有している。
【0057】建築用パネル部材18として、変形例1
(または変形例2)により形成された建築用パネル部材
181(または281)を同様にしても用いることがで
きる。この場合には、建築用パネル部材181(または
281)の防水性が良好であるので、防水シート35を
省略することができる。また、表面181a、281a
に化粧を施したものを用いれば、床仕上げタイル36を
省略してもよい。
【0058】[バルコニー手摺壁構造への応用]図15
に示すように、建築用パネル部材18(181,28
1)は、バルコニー手摺壁に応用することができる。こ
の図において、建物ユニットの床大梁(不図示)に隣接
された床大梁29,30と手摺側の床大梁31,32と
から方形のバルコニー床フレーム33が形成されてい
る。このバルコニー床フレーム33の三隅から、三本の
手摺柱51(51a〜51c)が立設され、手摺柱51
a、51bは、図示を略す隣接される建物ユニットに固
定されている。
【0059】各手摺柱51の上端間に形鋼製の上ライナ
ー52(52a、52b)が架設されている。また、床
大梁31,32にそれぞれ形鋼製の下ライナー53(5
3a,53b)が覆うように固定されて、これにより、
上下ライナーの外側面が重力方向に面一とされている。
また、この外側面に所定間隔を開けてパネル取付孔54
が設けられている。なお、この図15においては、上下
のライナー52,53は、符号52b,53bにより取
付前が示され、符号52a、53aにより取付後が示さ
れている。
【0060】一方、この例で示される建築用パネル部材
18は、各帯状下面部19eの両端の所定位置に係止孔
21が形成されている。図16に示すように、この係止
孔21とパネル取付孔54とをビス55などにより固定
することにより、建築用パネル部材18が上下ライナー
52,53にビス固定されて、建築用パネル部材18は
手摺パネルとして機能されることになる。
【0061】この建築用パネル部材18の上端は、図1
7に示すように、化粧手摺りカバー56などにより覆う
ことにより手摺りとして利用できる。また、この建築用
パネル部材18の下端には、バルコニーの排水構造など
が設けられて、適宜化粧が施される。
【0062】なお、上下ライナー52,53などへの係
止は、建築用パネル部材18の両端に適宜の係止部材を
設けることにより、係止させてもよい。
【0063】建物からの張り出しが80cm程度の張り
出しバルコニーを設ける場合は、図18に示すように、
その張り出しバルコニーの床構造は、張り出しバルコニ
ー床フレーム33と、2個のスチールフレーム19、1
9からなる建築用パネル部材18との簡単なものにな
る。これらにより、図19に示すように、張り出し(キ
ャンチ)バルコニーが形成できる。
【0064】(変形例3)図20は変形例のスチールフ
レーム391を示している。このスチールフレーム39
1も、スチールフレーム19、191、291と同様の
形状と大きさであるが、帯状上面部391aと長手方向
の端部の構造が異なっている。
【0065】スチールフレーム391の帯状上面部39
1aには、補強のための×字状の凸部391b、391
b…が形成されている。凸部391bの高さは約1mm
になっており、滑り止めの効果も有している。また、凸
部391bに代えて凹部としてもよい。凹部とすると帯
状上面部391aに突起がなく、下地として優れる。帯
状側面部391cには鋲着孔20が形成されている。
【0066】スチールフレーム391の長手方向の端部
には、取り付け金具部23a、23aが設けられてい
る。取り付け金具部23aは逆L形状の鋼板からなり、
帯状側面部391c、391cの端部に設けられた取付
片391f、391fにリベット391g、391gで
固定されている。取り付け金具部23aの上面部には取
付孔24が設けられている。取り付け金具部23aの上
面部は、帯状上面部391aの端部の庇部22よりも突
出している。取り付け金具部23bも同様にして取付片
391fに取り付けられている。取り付け金具部23b
の形状は、上記取り付け金具部23aの上面部から更に
逆L形状の水切り受片231が延設された形状になって
いる。
【0067】スチールフレーム391…からなる建築用
パネル部材381は、図21に示すように、大梁26に
その取り付け金具部23a、23bを載置し、リベット
24gで固定されている。バルコニー床フレーム33に
固定する場合も同様である。取り付け金具部23bのよ
うに水切り受片231が設けられていると、外壁下の水
切り171を下方から受けて、簡単に水切りを行なうこ
とができる。これらの建築用パネル部材381から取り
付け金具部23bの上には防水シート28が敷設されて
おり、図示しない排水口から雨水を排水するようになっ
ている。
【0068】この実施形態に係る建築用パネル部材18
(181,281,381を含む、以下同様)は、各ス
チールフレーム19(191,291,391を含む、
以下同様)を相互に鋲着させるだけで容易に形成できる
うえ、この鋲着において隣り合う帯状側面部19c、1
9cがスチールフレーム19の幅方向に所定間隔ごとに
2面1組となってI形鋼状の接合断面部を形成するた
め、建築用部材としての充分な強度を備えることが可能
となり、単純な構造で充分な品質性能を確保することが
できる。
【0069】また、スチールフレーム19の構造が簡単
でかつ汎用性に富むため量産性に優れ、コストの削減を
図ることが可能となると共に、製造工場での品質管理・
部材管理が容易になり、リサイクル等の資源分別にも優
れるという効果を奏する。
【0070】ここでは、建築用パネル部材18は各スチ
ールフレーム19の帯状上面部19aが高さ方向で略面
一となるように構成されているため、建築用パネル部材
18の上面側が全面に渡り平坦性を有しかつ充分な強度
を有する平面板と見なすことが可能となり、また、この
建築用パネル部材18は、鋲着するスチールフレーム1
9の数に応じて多様な形状、大きさに対応することが可
能である。
【0071】そのため、この建築用パネル部材18を建
物の建築構造の基本平面部材として用いることにより、
あらゆる建築ユニットに幅広く使用することができるよ
うになり、部材の共通化を図ることが可能となる。
【0072】特に、この建築用パネル部材18を建物の
外壁等に使用する場合には、表面に平坦性を有するため
排水性能の良好な建築部材として使用することができ
る。
【0073】このような建築用パネル部材18を屋根構
造に用いた場合には、帯状上面部19aによって構成さ
れる上面部に平坦性を有するように構成できるため、建
築用パネル部材18を建築物屋根部に配置するだけで上
面が雨滴の排水面となり雨仕舞がほぼ完了する。そのた
め、ユニット建物を構成する建物ユニット毎に工場でそ
の建物ユニットに適した形状、大きさの屋根部を建築用
パネル部材18を用いて製造し、建築の際にはその建築
用パネル部材18を用いて雨仕舞をほぼ完了させること
により、建築作業の迅速化・簡略化を図ることが可能と
なる。これに加えて、建物ユニット毎に屋根部を製造す
ることができるため、建築物の形状或いは建物ユニット
の組み合わせ及び結合構造に制約されずに、あらゆる屋
根部形状や建物ユニットの組み合わせに対応した屋根部
の製造が可能となり、ひいては、設計の自由度が増大す
るという効果を奏する。
【0074】また、建築用パネル部材18の帯状上面部
を建物ユニットの上部フレーム上面と略同一高さになる
ように配置することにより、上方への突出量を減少させ
ることができるため、従来の折版を用いた屋根に比べて
鼻隠し等の装飾部材の小型化が可能となり、外観品質を
向上させることができるという効果を有する。
【0075】一方、建築用パネル部材を建築構造として
建築物の床構造に用いると、スチールフレーム19を基
本とする少品種の部材で床を構成することができるた
め、部材数の減少を図ることが可能となり建設構造の簡
略化が図ることができる。特にバルコニー床部等は構造
上補強部材を使用することが多いため部材数が多くな
り、また複数のバルコニーユニット部の結合により構成
されることから建築構造が複雑と成りやすいため、この
建築用パネル部材を用いることにより効率よくかつ簡易
にバルコニー床を建築することが可能となる。また、建
築用パネル部材18は前述のように平面性に優れ、水は
け性も高いことから、床上面の防水性が必要とされるバ
ルコニー床構造には好適となる。
【0076】この建築用パネル部材18の使用により使
用部材数を減少させることが可能であるため、耐熱性・
不燃性の高い素材、例えば金属を素材として用いること
により床部全体の不燃性を高めることが容易となり、不
燃性について規定する法規制を満たすことが容易とな
る。
【0077】また、建築用パネル要素をポリ塩化ビニル
金属積層板にすると、ポリ塩化ビニルシートなどの防水
シートの施工面積を減少できるため、材料費、施工費が
削減できたる。また、建築用パネル部材の熱伝導性を低
減できるので、断熱性能が向上され、また、熱橋の影響
を受けにくくなる。さらに、ポリ塩化ビニルからなる表
面層に意匠を施すことが可能となる。
【0078】また、建築用パネル要素が金属板の表面に
樹脂製の化粧シートを施した化粧鋼板であると、パネル
要素の接合部は溶着、融着などの簡単な工法によりパネ
ル要素間の接合箇所を密閉被覆することができ、パネル
要素の各接合部から雨水が浸入することなく防水性が優
れる。これにより、この建築用パネル部材は、バルコニ
ー床や外壁などの防水性の必要な部位に用いると、防水
施工が簡単で、コストの削減を図ることが可能となると
共に、製造工場や建築現場での防水品質管理が容易とな
る。
【0079】また、建築用パネル部材18の各スチール
フレーム19の長手方向の端部の前記一対の帯状側面部
19cに取り付け金具部23を設け、この取り付け金具
部23を、建築物の構造体に取り付けるようにしている
から、帯状上面部19aに取り付け金具部を設ける場合
に比べて、取り付け金具の支持強度が大きいものにな
り、建築物の構造体への取り付けが強固にできる。
【0080】以上、この発明の実施の形態を図面により
詳述してきたが、具体的な構造はこの実施例の形態に限
らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲での設計の変更
等があってもこの発明に含まれる。
【0081】前記実施の形態では、パネル要素としてス
チール鋼板を折曲形成したスチールフレーム19を用い
ているが、特にこれに限らず、例えば押し出し鍛造され
たフレーム部材等であっても、隣接される他のパネル部
材との結合断面部がI形鋼状を有すものであるならば、
形状、数量、結合方法等が、前記実施の形態に限定され
るものではない。またパネル要素の接合も鋲着だけでな
く、ボルトナット、かしめ、スポット溶接、などその他
の接合方法でもよい。また、取り付け金具部はパネル要
素の幅方向の帯状側面部にも設けてもよい。
【0082】また、パネル要素の規格は、それぞれの用
途に応じて別途に設定されていてもよいが、寸法規格を
統一することにより、部材を再利用する際の利便性の向
上が図ることができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
記載の係る建築用パネル部材は、パネル要素を相互に接
合させるだけで容易に形成できるうえ、この接合におい
て所定間隔で形成される略I形鋼状の接合断面部により
建築用部材として充分な強度を得ることができるため、
単純な構造で充分な品質性能を確保することができる。
【0084】また、パネル要素の構造が簡単で汎用性に
富むため量産性に優れ、コストの削減を図ることが可能
となると共に、製造工場での品質管理・部材管理が容易
になり、リサイクル等の資源分別にも優れるという効果
を奏する。
【0085】請求項2に記載される請求項1に記載の建
築用パネル部材では、建築用パネル要素が樹脂被覆金属
板であるので、ポリ塩化ビニルシートなどの防水シート
の施工面積を減少できるため、材料費、施工費が削減で
きる。また、建築用パネル部材の熱伝導が低減できるの
で、断熱性能が向上され、また、熱橋の影響が受けにく
くなる。さらに、樹脂被覆の表面に意匠を施すことが可
能となるという効果を奏する。
【0086】請求項3に記載される請求項1に記載の建
築用パネル部材では、建築用パネル要素が金属板の表面
に樹脂製の化粧シートを施した化粧鋼板であので、該パ
ネル要素の接合部は溶着、融着などの簡単な工法により
パネル要素間の接合箇所を密閉被覆することができ、パ
ネル要素の各接合部から雨水が浸入することなく防水性
が優れる。これにより、この建築用パネル部材は、外壁
などの防水性の必要な部位に用いると、防水施工が簡単
で、コストの削減を図ることが可能となると共に、製造
工場での防水品質管理が容易であるという効果を奏す
る。
【0087】請求項4に記載の建築用パネル部材では、
請求項1、2又は3記載の建築用パネル部材において、
前記各パネル要素の長手方向の端部の前記一対の帯状側
面部に取り付け金具部が設けられ、この取り付け金具部
が、建築物の構造体に取り付けられるようになされてい
るので、取り付け金具の支持強度が大きいものになり、
建築物の構造体への取り付けが強固にできる。
【0088】請求項5に記載される建築構造は、各パネ
ル要素の各帯状上面部が高さ方向で略面一に構成される
建築用パネル部材を用いるため、建築用パネル部材を上
面側が全面に渡り平坦性を有しかつ充分な強度を有する
平面板と見なすことが可能となり、この建築用パネル部
材を建物の建築構造の基本平面部材として用いることに
より、あらゆる建築物に幅広く使用することが可能とな
る。
【0089】また、この建築用パネル部材を建物の屋
根、外壁等に使用する場合には、表面に平坦性を有する
ため、排水性能の良好な建築部材として使用することが
可能となる。
【0090】請求項6に記載される請求項1に記載の建
築用パネル部材を用いた建築構造では、建築用パネル部
材上面部が平坦性を有するように構成できるため、該建
築用パネル部材を建築物屋根部に配置するだけで該上面
が雨滴の排水面となり雨仕舞がほぼ完了する。そのた
め、建築物が柱と梁又はパネルからなる略箱型の建物ユ
ニットを上下左右に隣接させてなるユニット建物におい
ては、工場でユニット建物を構成する建物ユニット毎に
その建物ユニットに適した形状、大きさの屋根部を建築
用パネル部材を用いて製造し、建築の際にはその屋根部
を建物ユニットに応じて設置して雨仕舞を完了させるこ
とにより、建築作業の迅速化・簡略化を図ることが可能
となる。これに加えて、建物ユニット毎に屋根部を製造
することができるため、建築物の形状或いは建物ユニッ
トの組み合わせ及び結合構造に制約されずに、あらゆる
屋根部形状や建物ユニットの組み合わせに対応した屋根
部の製造が可能となり、ひいては、設計の自由度が増大
するという効果を奏する。
【0091】また、建築用パネル部材の前記帯状上面部
を建物ユニットの上部フレーム上面と略同一高さになる
ように配置することにより、上方への突出量を減少させ
ることができるため、従来の折版を用いた屋根に比べて
外観品質を向上させることができるという効果を有す
る。
【0092】請求項7に記載される請求項1に記載の建
築用パネル部材を用いた建築構造では、パネル要素を基
本とする少品種の部材で床部が構成されるため、部材品
数の減少を図ることが可能となり、建設構造の簡略化が
図れる。特にバルコニー床部等は部材数が多くなり易
く、また建築構造が複雑であるため、この建築用パネル
部材を用いることにより部材品数の減少・構造の簡略化
を図ることが可能となり、効率よく簡易にバルコニー床
を建築することができる。これに加えて、この建築用パ
ネル部材は前述のように平面性に優れるため、床上面の
防水性が必要とされるバルコニー床の使用には好適とな
る。
【0093】また使用部材数が少ないため、耐熱性・不
燃性の高い素材を用いることにより、床部全体の不燃性
を高めることが容易となるため不燃性について規定する
法規制を容易に満たすことができる。
【0094】請求項8に記載される請求項1に記載の建
築用パネル部材を用いた建築構造では、建築用パネル部
材上面部が平坦性を有するように構成できるため、該建
築用パネル部材を建築物バルコニー手摺壁部に配置する
だけで該バルコニー手摺壁部が形成される。これに加え
て、このような建築用パネル部材を用いた建築物のバル
コニー手摺壁部としての建築構造では、パネル要素を基
本とする少品種の部材でバルコニー手摺壁部が構成され
るため、部材品数の減少を図ることが可能となり、効率
よく簡易にバルコニー手摺壁部を施工することができ
る。
【0095】請求項9に記載される請求項5〜8のいず
れか1項に記載の建築用パネル部材を用いた建築構造で
は、建築用パネル要素が樹脂被覆金属板であるので、防
水シートの施工面積を減少できるため、材料費、施工費
が削減できる。また、パネル自体の熱伝導が低減できる
ので、断熱性能が向上され、また、熱橋の影響が受けに
くくなる。さらに、樹脂被覆の表面に意匠を施すことが
可能である、という実用上、有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築用パネル部材を示した斜視図
である。
【図2】本発明に係るスチールフレームを示した斜視図
である。
【図3】(A)は本発明に係るスチールフレームの側面
図である。(B)は本発明に係るスチールフレームの底
面図である。(C)は本発明に係るスチールフレームの
断面図である。
【図4】本発明に係るスチールフレームの隣接帯状側面
部を互いに鋲着させることにより形成される建築用パネ
ル部材の断面を示した図である。
【図5】本発明に係る接合部に止水材を施した建築用パ
ネル部材の断面を示した図である。
【図6】本発明の変形例1に係るスチールフレームを説
明する斜視図である。
【図7】図6のスチールフレームを接合した建築用パネ
ル部材の断面を示した図である。
【図8】図8(a)は、本発明の変形例2に係るスチー
ルフレームを接合した建築用パネル部材の断面を示した
図であり、図8(b)は、その部分拡大図である。
【図9】本発明に係る建築用パネル部材を陸屋根構造に
使用した屋根の断面図である。
【図10】本発明に係る建築用パネル部材を屋根の組立
構造に使用した陸屋根の分解断面図である。
【図11】本発明に係る建築用パネル部材をバルコニー
床構造として使用したバルコニーのオーバーハング方向
に対する断面図である。
【図12】本発明に係る建築用パネル部材をバルコニー
床構造として使用したバルコニーのオーバーハング方向
と直角な断面を示した図である。
【図13】本発明に係る建築用パネル部材をバルコニー
床構造に使用したバルコニー床を示した分解斜視図であ
る。
【図14】本発明に係る建築用パネル部材をバルコニー
床構造に使用したバルコニー床を示した分解断面図であ
る。
【図15】本発明に係る建築用パネル部材をバルコニー
手摺構造に使用したバルコニー手摺りを示した分解断面
図である。
【図16】図15の建築用パネル部材の固定の状態を説
明する部分拡大図である。
【図17】図15のバルコニー手摺構造の要部を説明す
る図である。
【図18】張り出しバルコニーの組立構造を説明する斜
視図である。
【図19】張り出しバルコニーを説明する断面図であ
る。
【図20】スチールフレーム(パネル要素)の変形例を
説明する斜視図である。
【図21】壁下部付近のバルコニーを説明する断面図で
ある。
【図22】ボルトレス折版を用いた陸屋根構造の断面を
拡大した図である。
【図23】ボルトレス折版を用いた陸屋根の全体構造を
示した断面図である
【図24】従来のバルコニー床の組立構造を示した斜視
図である。
【図25】四角形状の断面を有する床小梁と床下地材か
らなるバルコニー床の断面を示した図である。
【図26】I形鋼状断面を有する床小梁と床下地材から
なるバルコニー床の断面を示した図である。
【図27】建物ユニットに載置された複数のバルコニー
ユニットを示した斜視図である。
【図28】建物ユニットに載置された複数のバルコニー
ユニットを示した分解斜視図である。
【符号の説明】
17 建物ユニット 18(181,281,381) 建築用パネル部材 19(191,291,391) スチールフレーム
(パネル要素) 22 庇部 23(23a,23b) 取り付け金具部 26 ユニット大梁 28 防水シート 27、34 連結板 33 バルコニー床フレーム

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定幅の鋼板による帯状上面部と、該帯
    状上面部の幅方向両側縁を下方に向かって略直角に屈曲
    して互いに対向するように形成された一対の帯状側面部
    と、該一対の帯状側面部の下方部から内側に向かって略
    直角に屈曲することにより形成された一対の帯状下面部
    とからなるパネル要素を有する建築用パネル部材であっ
    て、該パネル要素の前記帯状側面部を他のパネル要素の
    帯状側面部と接合させることにより該接合断面部がI形
    鋼状を為すことを特徴とする建築用パネル部材。
  2. 【請求項2】 前記建築用パネル要素は、樹脂被覆金属
    板であることを特徴とする請求項1に記載の建築用パネ
    ル部材。
  3. 【請求項3】 前記建築用パネル要素は、金属板の表面
    に樹脂製の化粧シートを施した化粧鋼板であり、該建築
    用パネル要素間に跨って樹脂シートが被覆されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の建築用パネル部材。
  4. 【請求項4】 前記各パネル要素の長手方向の端部の前
    記一対の帯状側面部に取り付け金具部が設けられ、この
    取り付け金具部が、建築物の構造体に取り付けられるよ
    うになされている請求項1、2又は3に記載の建築用パ
    ネル部材。
  5. 【請求項5】 前記各パネル要素の前記各帯状上面部を
    高さ方向で略面一となるように構成することを特徴とす
    る請求項1に記載の建築用パネル部材を用いた建築構
    造。
  6. 【請求項6】 前記建築用パネル部材を建築物屋根部に
    配置し、前記各帯状上面部によって構成される上面側を
    屋根下地面として用いることを特徴とする請求項1に記
    載の建築用パネル部材を用いた建築構造。
  7. 【請求項7】 前記建築用パネル部材を建築物床部に配
    置し、前記各帯状上面によって構成される上面側を床部
    上面として用いることを特徴とする請求項1に記載の建
    築用パネル部材を用いた建築構造。
  8. 【請求項8】 前記建築用パネル部材をバルコニー手摺
    壁部に配置し、前記各帯状上面によって構成される上面
    側を外壁面として用いることを特徴とする請求項1に記
    載の建築用パネル部材を用いた建築構造。
  9. 【請求項9】 前記建築用パネル要素は、樹脂被覆金属
    板であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項
    に記載の建築構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101206791B1 (ko) * 2010-12-29 2012-11-30 재단법인 포항산업과학연구원 벽체용 패널부재 및 이를 구비하는 벽체용 패널부재 조립구조체

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101206791B1 (ko) * 2010-12-29 2012-11-30 재단법인 포항산업과학연구원 벽체용 패널부재 및 이를 구비하는 벽체용 패널부재 조립구조체

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