JP2000256987A - パルプビーズ及びそのパルプ成型体 - Google Patents
パルプビーズ及びそのパルプ成型体Info
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Abstract
た、易廃棄処理性のパルプビーズ及びそのパルプ成型体
を提供する。 【解決手段】少なくとも紙を含む解繊加工物を主原料と
するパルプビーズであって、繊維間の空隙を保持しつ
つ、繊維同士の一部分がバインダーにより接着された小
片化構造物の表面、あるいは該構造物を小片化した加工
物の表面に、少なくとも一層の機能性塗膜を設ける。ま
た、前記パルプビーズを接着して集合させてパルプ成型
体とする。
Description
しても、廃棄物公害等を引き起こさないものであって、
電化製品や食品包装の緩衝材や、断熱材や防音材等の建
材などに用いることができるパルプビーズ及びそのパル
プ成型体に関する。
おり、製品が廃棄されたときの易処理性、あるいはリサ
イクル性は商品設計において重要なポイントとなってい
る。ところで、発泡スチロールは、従来、包装緩衝材や
建材等に幅広く用いた。この発泡スチロールは、安価で
あり性能も優れているが、使用後、焼却処理を行うと高
熱の発生による炉の損傷等が指摘され、また埋立処理し
た場合は、分解性がなく嵩ばるため処理場の不足を招く
一因とも考えられていた。
は、段ボール紙、再生紙等多岐にわたっているが、その
中でも緩衝材として用いられるパルプモールドが注目を
集めていた。このパルプモールドは、再生パルプを原料
として製造され、形状を工夫することで緩衝力、強度を
与えられるものであり、焼却、埋立のいずれの処理も容
易であった。
分とは言えず、使用範囲が限定されたものであった。ま
た、緩衝材としての設計と製造のためには、専用の複雑
な形状の金型を作製することなどの必要があって時間を
要し、新しい形状の試作開発に困難があった。さらに、
発泡スチロールのように、緩衝材以外の用途に応用して
用いることが難しく、成型性や加工性もなかった。
粒物を作製し、これを利用する発明がなされていた。例
えば、特公昭64−8976号公報においては、ポリビ
ニルアルコール水溶液を含有する離解または粗砕した繊
維素系素材を、リファイナーへ供給して半造粒繊維体を
形成し、これを積層して植物育苗培地とする発明がなさ
れていた。しかし、この発明による積層物は、多くの水
分を含んだ状態でリファイナーに供給して半造粒物を製
造しており、その結果、半造粒物は水と混練され、パル
プ繊維間の結合が促されるので、密度の大きい半造粒物
となってしまい、これを緩衝材等として利用することは
困難であった。
ては、パルプや異質の繊維素材を粒状に加工して基材と
し、これと接着剤との混合物を成形型内に充填し、加圧
して得る包装用緩衝材が提案されていた。しかし、この
方法においても、パルプを水中で離解する工程を経て、
脱水後、押圧するようにしてパンチボードに設けた孔を
通過させて造粒が行われているため、密度が高い造粒物
となり、緩衝材として利用する場合、その緩衝対象が制
限された。
解繊処理したものを素材として用いる方法も多く提案さ
れていた。例えば、特開平5−246465号公報にお
いては、古紙を解繊して綿状物とし、これに霧状の水分
を与えて、湿潤状態部と非・低湿潤状態部を生じさせ、
攪拌して湿潤部で非・低湿潤部を覆って粒状物とし、こ
れを糊材を介して、成形する緩衝材等再生物の製造方法
の発明がなされていた。
紙片又は繊維塊からなる種片と、解繊繊維との混合物に
水を供給して攪拌、玉を製造し、これを糊材を介して成
形した解繊繊維成型体と製造方法が発明されていた。
あたっての紙繊維等の結合は水分を介した作用のみであ
り、結合としては弱く、成型体を作製するための接着剤
の混合の過程で、粒が崩壊したり、あるいはまた、粒を
単独で、バラ緩衝材のような使用環境に提供することは
困難であるという恐れがあった。粒の結合を強くするた
め、水分を多く供給したり、攪拌時間を延長すると、粒
の密度が高くなり、緩衝性に影響する問題があった。
いて、解繊した紙材を毛玉状に結集して形成された粒体
を、接着剤を介して接着させた緩衝材が提案されてい
た。しかし、この発明でも、緩衝材における構成単位で
あるパルプの粒体自体の強度は弱く、粒体を単独でバラ
緩衝材のような用途に用いることは困難であるという問
題点があった。
おいては、解繊された古紙と水と弾性接着剤とを添加
し、回転力や振動を与えて、団粒化し、接着剤を介在さ
せて団粒を接着した緩衝材が提案されていた。しかし、
この発明による方法では、緩衝性や断熱性の機能部材と
して用いるために有効である低密度の造粒物を得るため
には、以下のような点で問題点があった。
障害となり、造粒の進行が遅く製造性が悪いという点で
あり、もう一つには、造粒物形成を進めるため、混合を
継続すると、バインダーやあるいは溶媒によって繊維が
密着する傾向になり、低比重化が図れなくなる恐れがあ
るという点であった。
い、さらに成型するいずれの方法も、成型するために、
接着剤を介在させ、圧縮充填し造粒物を接着し成形を行
っていた。しかし、接着剤のもつタック性や、粘性によ
り、粒体が型への投入の前に塊を形成してしまう恐れが
あり、複雑な形状への均一な充填が困難であるという問
題点があった。
な従来の問題点に鑑み発明されたものであり、緩衝性、
断熱性などに優れた機能を有し、また、易廃棄処理性の
パルプビーズ及びそのパルプ成型体を提供しようとする
ものである。
の発明は、少なくとも紙を含む解繊加工物を主原料とす
るパルプビーズであって、繊維間の空隙を保持しつつ、
繊維同士の一部分がバインダーにより接着された小片化
構造物の表面、あるいは該構造物を小片化した加工物の
表面に、少なくとも一層の機能性塗膜が設けられてなる
パルプビーズである。
物に用いられるバインダーが、熱可塑性接着剤、熱硬化
性接着剤、ゴム系接着剤、水溶性高分子、タンパク質、
植物性結合材のいずれか単独で、もしくは2種以上を混
合して用いたことを特徴とする第1の発明に記載のパル
プビーズである。
が、粉末状であることを特徴とする第2の発明に記載の
パルプビーズである。
が、溶媒に分散もしくは溶解されたものであることを特
徴とする第2の発明に記載のパルプビーズである。
で解繊加工物の一部分を接着した小片化構造物の、ある
いは前記構造物を小片化した加工物の見かけ密度が、
0.03〜0.25の範囲にあることを特徴とする第1
乃至第4の発明のいずれかに記載のパルプビーズであ
る。
表面に設けられる機能性塗膜が、水溶性高分子であるこ
とを特徴とする第1乃至第5の発明のいずれかに記載の
パルプビーズである。
表面に設けられる機能性塗膜が、熱可塑性樹脂であるこ
とを特徴とする第1乃至第6の発明のいずれかに記載の
パルプビーズである。
表面に設けられる機能性塗膜が、熱可塑性樹脂と発泡性
中空粒子の混合物であることを特徴とする第1乃至第7
の発明のいずれかに記載のパルプビーズである。
表面に機能性塗膜が設けられたパルプビーズが、見かけ
比重0.05〜0.2の範囲であることを特徴とする第
1乃至第8の発明のいずれかに記載のパルプビーズであ
る。
第9の発明のいずれかに記載のパルプビーズを接着し、
集合体としたことを特徴とするパルプ成型体である。
発明に記載のパルプ成型体において、パルプビーズの接
着が、ビーズ表面に設けられた機能性塗膜を介してなさ
れたことを特徴とするパルプ成型体である。
発明に記載のパルプ成型体において、成型体の表面に、
樹脂層を設けたことを特徴とするパルプ成型体である。
けた樹脂層が、コーティングによって設けられた樹脂層
であることを特徴とする第12の発明に記載のパルプ成
型体である。
ングされた樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴とす
る第13の発明に記載のパルプ成型体である。
ングされた樹脂が、水溶性増粘剤からなる水溶性樹脂で
あることを特徴とする第13の発明に記載のパルプ成型
体である。
けた樹脂層が、プラスチックフィルムであることを特徴
とする第12の発明に記載のパルプ成型体である。
設けたプラスチックフィルムが、生分解性プラスチック
で構成されることを特徴とする第16の発明に記載のパ
ルプ成型体である。
加工物の繊維を部分的にバインダーにより結合し表面に
機能性塗膜が設けられた小片物であり、繊維の絡み合い
の間に空隙を残し、ビーズ形状を保持しているため、適
度な弾性、緩衝性、断熱性などの機能を有している。
膜を利用してビーズ同士を接着したものが、本発明のパ
ルプ成型体である。したがって、本発明のパルプ成型体
も適度な緩衝性、断熱性などの機能を有している。
型体は、紙が主原料としており廃棄物を焼却処理して
も、発泡スチロールのように高熱による炉の損傷などが
なく、また、埋立処理した場合には、分解性があり、環
境保全の上で好ましい。
まずパルプビーズを構成する主原料のパルプとしては、
針葉樹、または広葉樹を用いた晒、または未晒であるク
ラフトパルプ、ソーダパルプ、スルファイトパルプ、砕
木パルプ、レファイナー砕木パルプ、サーモメカニカル
パルプ等のバージンパルプ、あるいは、故紙、古段ボー
ル紙、古雑誌等に由来する再生パルプ等が使用可能であ
り、これらを単独に、あるいは2種以上併せて用いる。
なお、これらに合成樹脂フィルムなどが混入されていて
も差し支えない。
解繊処理を行う。解繊の方法は、原料を乾燥状態で解繊
状態とできる方法であれば、どの様な方法、設備、装置
を用いても差し支えない。このようにして用意された解
繊加工物の粒状加工を容易なものとするため、解繊加工
物にバインダーを供給する。
は、その表面に機能性塗膜を設け、その塗膜によりビー
ズ形状の保持を図る意図を含んでいるので、ここでのバ
インダーは、いわば仮造粒・仮接着の機能を果たすもの
であればよい。すなわち、この後の工程などで解繊加工
物の小片化加工にあたって、小片化物がその加工過程で
大きく崩壊しない程度に接着できていればよい。
や成型体は、緩衝材や断熱材として機能をもたせるた
め、パルプビーズは低密度造粒物であることが必要と考
えている。これを得るために、繊維間の空隙を保持する
ことが不可欠であるが、その上で、造粒加工適性を向上
させるためには、繊維同士の一部分が接着される状態で
あることが望まれる。
供給方法が選択されなければならない。そして、後工程
で、解繊物とバインダーを混合したものを小片化した
際、小片化物の見かけ密度は、0.05から0.25の
範囲になることが、機能上好ましい。
得られる材料系であればよい。例えば、ポリエチレン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ナイロンな
どのポリアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、
またこれらが共重合したもの、例えば、酢酸ビニル−ポ
リエチレン共重合物、ポリエチレン−アクリル酸共重合
物等を用いた熱可塑性接着剤、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等
の熱硬化性接着剤、合成ゴム、天然ゴム等を用いたゴム
系接着剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、澱粉、寒天などの水溶性高分子、膠、ゼラチ
ン、カゼイン、グルテン等のタンパク質、小麦粉等の植
物性結合材が例示でき、これらを単独で、もしくは2種
以上を混合して用いることができる。解繊物へのバイン
ダー供給は、適切な溶媒に溶解して噴霧等の方法により
供給する方法、あるいは粉末状として供給する方法など
が例示できるが、特定されない。
法、すなわち溶媒の乾燥や、加熱、あるいは適切な水分
の供給等により、解繊物繊維の一部を接着して塊状やシ
ート状とする。この時、適切な圧力をかけて加工をおこ
なってもよい。このように解繊物とバインダーによる得
られた一次加工物を、打ち抜きや、押し出し切断、棒状
加工後切断等の方法によって小片化物とする。あるいは
解繊物にバインダーを供給した後、粒形状となる枠型内
に充填して接着し、粒状の小片として得る。
とも一層の機能性被膜を設ける。機能性被膜とは、小片
化物表面付近に高い濃度で機能性の材料層を設けること
で、ここでいう機能性とは、上述のように解繊物繊維間
を仮接着して得られた小片化物が崩壊しないように表面
を接着して強度を与えることや、あるいは、この被膜を
介して接着を行う機能を指している。
熱可塑性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂と発泡性中空粒子
の混合物が挙げられる。
ウム塩、澱粉、寒天、マンナン等の天然多糖類、カルボ
キシメチルセルロースなどの天然多糖類の処理物、もし
くはポリビニルアルコールなどの合成水溶性ポリマー等
が例示できる。
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチ
ラール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン
などのポリアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げら
れ、またこれらが共重合したもの、例えば、酢酸ビニル
−ポリエチレン共重合物、ポリエチレン−アクリル酸共
重合物等が例示でき、特に限定されない。また、これら
を単独で用いても、あるいは混合して用いてもよい。
して用いてもよく、発泡性粒子としては、マイクロカプ
セル内に低沸点の溶剤が封入された熱膨張性のマイクロ
カプセルを使用することができる。すなわち外殻のポリ
マーが加熱により軟化するとともに内殻の溶剤がガス化
し、体積が数十倍に膨張するものである。
タン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン等の有機溶剤
を、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル等からなる熱可塑性樹脂
で包み込んだ熱膨張性マイクロカプセルを好ましく使用
できる。熱可塑性樹脂に対する発泡性粒子の混合比率も
特に限定されない。
これらの樹脂が水を含めた適当な溶媒に溶解されたも
の、エマルジョンとしたもの等、あるいはさらに発泡性
粒子を混合したものを準備し、スプレーコーティング、
含浸等の方法により、塗布する。
ジョンとし、噴霧、あるいはさらにここに発泡性粒子を
混合して用意し、噴霧等により塗工してもよい。塗布後
は適当な温度で乾燥して溶媒を蒸発させ、塗膜とする。
ばバラの緩衝材として利用される際に要求される緩衝性
等の条件や、あるいは結合して成型体として用いる場合
等に要求される接着強度や、膨張した発泡性粒子により
もたらされる弾性等によって付加される緩衝性等の状態
により、適宜選択すればよく、特に限定されない。
け比重としては、0.05から0.2の範囲であること
が望ましい。この範囲外では、特に家電製品等の緩衝包
装において、十分な緩衝性を得ることが困難と考えられ
る。
当な方法により結合し、集合させた成型体として利用す
ることも可能である。
面に設けた塗膜最外層を接着に利用する方法が挙げられ
る。パルプビーズにあらかじめ設けた塗膜を利用する場
合には、その塗膜の性質に応じて接着のための操作を行
えばよい。例えば、水溶性高分子の塗膜であれば、適当
な型内に充填し、適量の水分を与えて被膜を軟化させた
後、乾燥させ水溶性高分子を固化させて成型体とする。
脂や発泡性粒子を混合した熱可塑性樹脂である場合は、
希望する形状に用意した枠型内に投入し、樹脂の溶融温
度に応じた適当な温度、適当な方法で加熱し、樹脂を溶
融、あるいは発泡性粒子を膨張させ、その後冷却して固
化させ、パルプビーズ同士を接着し、成型体として得
る。
ーズの脱落や成型体の割れを抑制する目的で、パルプ成
型体に樹脂層を設けてもよい。樹脂層を設けるに当たっ
ては、コーティングによってパルプ成型体の表面に樹脂
層を設ける方法と、パルプ成型体を樹脂フィルムで被覆
する方法が挙げられる。
ングされる樹脂としては、水溶性増粘剤からなる水溶性
樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。
ウム塩、澱粉、寒天、マンナン等の天然多糖類、カルボ
キシメチルセルロースなどの天然多糖類の処理物、もし
くはポリビニルアルコールなどの合成水溶性ポリマー等
が例示できる。
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブ
チラール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ナイロ
ンなどのポリアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げら
れ、またこれらが共重合したもの、例えば、酢酸ビニル
−ポリエチレン共重合物、ポリエチレン−アクリル酸共
重合物等が例示でき、特に限定されない。また、これら
を単独で用いても、あるいは混合して用いてもよいこれ
らを、水を含めた適当な溶剤に溶解されたもの、エマル
ジョンとしたもの等準備し、スプレーコーティング、含
浸等の方法により、塗布、乾燥する。あるいは、粉末化
された樹脂をディスパージョンとし、噴霧等行ってもよ
い。
定されないが、スキンパック包装等の方法が例示でき
る。すなわち、スキンパック包装あれば、適当な径の有
孔台紙上にパルプ成型体をのせ、熱可塑性フィルムを被
せて、加熱しつつ台紙側より減圧脱気し、パルプ成型体
とフィルムを密着させる。フィルムの種類としては、ポ
リエチレン、ナイロン、アイオノマー等の樹脂フィルム
が例示できるが、生分解性樹脂のフィルムを用いること
が、処理性等を考慮すると一層好ましい。生分解性樹脂
としてはポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリブチレン
サクシネート等が例示できる。
解繊加工物にバインダーを供給し、繊維を部分的に結合
しつつ、繊維の絡み合いの間の空隙を残した弾性のある
構造物を小片化、さらに機能性塗膜を設けることで、適
度な弾性、緩衝性、あるいは断熱性などの機能を持つ新
規なパルプビーズとなる。なお、表面に設けられた機能
性塗膜は、ビーズとしての構造を保持する機能と同時に
ビーズ間を接着し成型体とする機能も保持するものであ
る。
外にも、表面の機能性塗膜を利用してビーズ同士を接着
し容易に成型体とすることも可能であり、その成型体
も、緩衝性や断熱性利用分野に幅広く利用することがで
き、また、多様な形状へも対応できる。
廃棄処理性であることはいうまでもない。さらに、パル
プ成型体に対しては、表面に、樹脂層を設けることによ
り、成型体としての強度が加えられ、またビーズの脱落
が低減され、より利用性を優れたものとすることもでき
る。
ここに用いられた材料に限定されるものではない。
工業 (株) 製ターボミル使用)100重量部を攪拌しつ
つPVA5%水溶液:20重量部をスプレーして供給し
た。これを、直径5mmの棒状にまとめ、さらに5mm
の長さにカットして、見かけ密度約0.07の粒状とし
た。このパルプ粒の表面に、ポリビニルアルコール5%
水溶液を噴霧した。噴霧量は、乾燥後のパルプビーズの
見かけ密度が約0.08となるように調整した。そして
乾燥し、ポリビニルアルコールの塗膜層が形成されたパ
ルプビーズを得た。
繊加工品100重量部を攪拌しつつ、合成ゴムエマルジ
ョン(固形分10%)を10重量部スプレーして供給
し、その後実施例1と同様の操作を行い、見かけ密度
0.09のパルプビーズを得た。
繊加工品100重量部に、粉末ポリエチレン10重量部
を混合し、これを120℃で熱プレス加工し、厚さ約5
mm、見かけ密度0.08のシート状物を得た。これを
直径5mmで打ち抜き、その表面に、熱可塑性樹脂:エ
チレン−酢酸ビニル共重合物エマルジョン(固形分25
%溶液)を噴霧した。噴霧量は、乾燥後のパルプビーズ
の見かけ比重が約0.09となるように調製した。そし
て乾燥し、エチレン−酢酸ビニル共重合塗膜が形成され
たパルプビーズを得た。
表面に、熱可塑性樹脂:エチレン酢酸ビニル共重合物エ
マルジョン(固形分25%溶液)100重量部に、発泡
性粒子:熱膨張性マイクロカプセル(マイクロスフィア
F1400、松本油脂 (株) 製、固形分70%)35重
量部を混合したものを噴霧した。噴霧量は、乾燥後のパ
ルプビーズの見かけ比重が約0.09となるように調製
した。そして乾燥し、発泡性粒子を含有するエチレン−
酢酸ビニル共重合物塗膜が形成されたパルプビーズを得
た。
×50mmのアルミニウム製枠型内に、実施例1で作製
されたパルプビーズを、型体積の1.2倍量用意し、圧
縮充填した。型内に加圧蒸気を導入し、投入ビーズ重量
の約半分の水分を与え、ポリビニルアルコールを再湿さ
せた。その後120℃に加熱し、水分を除去、ビーズを
接着して枠より取り出し、パルプ成型体として得た。見
かけ密度は約0.1であった。
に、実施例2で作製されたパルプビーズを、型体積の
1.2倍量用意し、圧縮充填した。そして実施例1と同
様の操作により、成型体を作製した。見かけ密度は約
0.1であった。
に、実施例2で作製されたパルプビーズを、型体積の
1.2倍量用意し、圧縮充填した。型を130℃のオー
ブンに入れて加熱してビーズ表面のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合物塗膜を溶融した。その後、オーブンより取り
出して室温で放冷して樹脂を固化させ、枠型より取り出
してパルプ発泡体を得た。見かけ比重は約0.095で
あった。
に、実施例3で作製されたパルプビーズを、型体積の
1.1倍量用意し、圧縮充填した。型を130℃のオー
ブンに入れて加熱してコーティングされた樹脂を溶融
し、発泡粒子を膨張させた。その後、オーブンより取り
出して室温で放冷して樹脂を固化させ、枠型より取り出
してパルプ発泡体を得た。見かけ比重は約0.9であっ
た。
表面に、酢酸ビニルエマルジョンを、パルプ発泡体表面
に、噴霧量が1cm2 あたり0.0065gとなるよう
に噴霧した後、乾燥させ、パルプ成型体として得た。
体に、ポリビニルアルコール5%水溶液を、パルプ発泡
体表面に、噴霧量が1cm2 あたり0.05gとなるよ
うに噴霧した後、乾燥させ、パルプ成型体として得た。
体に、予めTダイ溶融押し出し法により、100μの厚
さで作製したポリ乳酸を主成分とするシートを既知の方
法により、スキン包装した。すなわち、直径約0.15
mmの細孔を1cm2 あたり3個あけた厚紙に、ヒート
シール剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(昭和高
分子 AD901)をプレコーティングして予備乾燥し
た。この上に前述のパルプ成型体をのせ、120℃で予
備加熱し軟化させたポリ乳酸フィルムをかぶせ、真空脱
気し密着させ、パルプ成型体として得た。
繊加工品100重量部に、同量のPVA5%水溶液を加
え、混合した後、5mm径の小孔より押し出し、5mm
の長さにカットし、造粒物とした。乾燥後のビーズの見
かけ密度は0.3であった。
00重量部に、接着剤としてカルボキシメチルセルロー
ス5%水溶液100重量部を混合し、実施例5で用意さ
れた型に、型体積の1.5倍量を投入し圧縮充填した。
これをオーブンで乾燥し、接着剤を固化させビーズを接
着して成型体として得た。見かけ密度は約0.45であ
った。
得られたビーズ及び成型体の圧縮試験(JIS023
5)を行った。その結果を表1に示す。
は、ビーズ及び成型体において、比較例に比較して、小
さい応力で同じ歪み量が得られ、すなわち衝撃吸収の能
力が良好であった。
明によれば、紙を主体とする解繊加工物にバインダーを
供給し、繊維を部分的に結合しつつ、繊維の絡み合いの
間の空隙を残した弾性のある構造物を小片化、さらに機
能性塗膜を設けたパルプビーズであり、適度な弾性、緩
衝性、あるいは断熱性などの機能を持つビーズが、容易
に得られる。
により、ビーズとしての構造を保持する機能と同時にビ
ーズ間を接着し成型体とする機能も保持したものとな
る。ビーズとして、緩衝用途などに利用することがで
き、さらには、表面の機能性塗膜を利用してビーズ同士
を接着して集合し、容易に成型体とすることも可能であ
り、その成型体も、緩衝性や断熱性利用分野に幅広く利
用することができ、また、多様な形状へも対応できる。
易廃棄処理性であることはいうまでもない。 さらに、
パルプ成型体に対しては、表面に、樹脂層を設けること
により、成型体としての強度が加えられ、またビーズの
脱落が低減され、より利用性を優れたものとすることも
できる。
Claims (17)
- 【請求項1】少なくとも紙を含む解繊加工物を主原料と
するパルプビーズであって、繊維間の空隙を保持しつ
つ、繊維同士の一部分がバインダーにより接着された小
片化構造物の表面、あるいは該構造物を小片化した加工
物の表面に、少なくとも一層の機能性塗膜が設けられて
なるパルプビーズ。 - 【請求項2】小片化構造物に用いられるバインダーが、
熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、ゴム系接着剤、水溶
性高分子、タンパク質、植物性結合材のいずれか単独
で、もしくは2種以上を混合して用いたことを特徴とす
る請求項1記載のパルプビーズ。 - 【請求項3】バインダーが、粉末状であることを特徴と
する請求項2記載のパルプビーズ。 - 【請求項4】バインダーが、溶媒に分散もしくは溶解さ
れたものであることを特徴とする請求項2記載のパルプ
ビーズ。 - 【請求項5】バインダーで解繊加工物の一部分を接着し
た小片化構造物の、あるいは前記構造物を小片化した加
工物の見かけ密度が、0.03〜0.25の範囲にある
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパ
ルプビーズ。 - 【請求項6】小片化物の表面に設けられる機能性塗膜
が、水溶性高分子であることを特徴とする請求項1乃至
5のいずれかに記載のパルプビーズ。 - 【請求項7】小片化物の表面に設けられる機能性塗膜
が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至
6のいずれかに記載のパルプビーズ。 - 【請求項8】小片化物の表面に設けられる機能性塗膜
が、熱可塑性樹脂と発泡性中空粒子の混合物であること
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のパルプ
ビーズ。 - 【請求項9】小片化物の表面に機能性塗膜が設けられた
パルプビーズが、見かけ比重0.05〜0.2の範囲で
あることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載
のパルプビーズ。 - 【請求項10】請求項1乃至9のいずれかに記載のパル
プビーズを接着し、集合体としたことを特徴とするパル
プ成型体。 - 【請求項11】請求項10記載のパルプ成型体におい
て、パルプビーズの接着が、ビーズ表面に設けられた機
能性塗膜を介してなされたことを特徴とするパルプ成型
体。 - 【請求項12】請求項10記載のパルプ成型体におい
て、成型体の表面に、樹脂層を設けたことを特徴とする
パルプ成型体。 - 【請求項13】表面に設けた樹脂層が、コーティングに
よって設けられた樹脂層であることを特徴とする請求項
12記載のパルプ成型体。 - 【請求項14】コーティングされた樹脂が、熱可塑性樹
脂であることを特徴とする請求項13記載のパルプ成型
体。 - 【請求項15】コーティングされた樹脂が、水溶性増粘
剤からなる水溶性樹脂であることを特徴とする請求項1
3記載のパルプ成型体。 - 【請求項16】表面に設けた樹脂層が、プラスチックフ
ィルムであることを特徴とする請求項12記載のパルプ
成型体。 - 【請求項17】表面に設けたプラスチックフィルムが、
生分解性プラスチックで構成されることを特徴とする請
求項16記載のパルプ成型体。
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- 1999-03-09 JP JP6149799A patent/JP4277347B2/ja not_active Expired - Fee Related
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