JP4154763B2 - パルプビーズ及びこれを用いたパルプ成形体 - Google Patents

パルプビーズ及びこれを用いたパルプ成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生パルプを含めた粒状パルプが樹脂フィルムで皮膜され粒状に加工されたパルプビーズ、及びそのビーズ同士を相互に結合して集合体としたパルプ成形体に係わり、特に使用後焼却処分しても廃棄物公害等をおこさないものであり、電化製品や食品包装の緩衝材、断熱材や防音材等として建材などに用いることができるパルプビーズ及びこれを用いたパルプ成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、テレビ、ビデオ装置等の家電製品、食品トレーなどの梱包材料には、その優れた緩衝能力から発泡PS(ポリスチレン樹脂)が使われている。
しかしながらこの発泡PS緩衝材は易処理性、リサイクル性に欠けている。例えば使用後の廃棄処理として焼却処分を行うと燃焼時に高熱を発生し、焼却炉の損傷を免れない。また埋め立て処分では土壌中で発泡スチロールが分解されずに残存してしまうことで埋め立て地不足の一因となることが一般的に知られている。そのため発泡PSの代替えとして紙製の緩衝材が各種提案されている。その一つとしてパルプモールド材料などがある。
パルプモールドは再生パルプを原料に製造され、形状を工夫することで、緩衝力、強度を与えられるものであり、焼却、埋め立ていずれの処理も容易である。
【0003】
とはいえパルプモールド材料による成形品は肉厚が1mm〜5mm程度と薄いため、緩衝能力および、梱包製品としての強度も十分でなく、発泡PSの代替えとして、例えば卵ケース、育苗ポットなど重量の軽い製品の梱包材に限定された使用がなされているにすぎない。
【0004】
また、パルプモールド以外の紙製緩衝材として、特開平6―179469に開示されるように、解繊した紙材を毛玉状に結集して形成された粒体を、接着剤を介して接着させた緩衝材が提案されている。しかしながら、この粒体自体のバラ緩衝材としての使用はできないほど強度は弱く、また成形体とする際にも接着剤を介在させる操作において、粒体の変形、紙粉の発生、接着剤の粘性による任意の成形型への投入が困難であるといった問題があった。
さらに粒体が毛玉であるといったことから接着剤を介して結合して、集合体とする際に多量の接着剤で粒体間を埋めてやる必要がある。またこの様にして得られた成形体は発泡PSと比較し、衝撃吸収能力も低いといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものである。
近年、環境問題への関心が高まっており、製品提供者側は、予め製品が廃棄されたときの易処理性、或いはリサイクル性を考えておかなければならない状況となってきている。商品開発は製品を梱包したパッケージ全体で、環境対策を行っていることを消費者にアピールしなくてはならない。
即ち、紙パルプを主原料とし、粒体として緩衝能力を持ち、紙粉などの発生を防ぎ、成形が容易で成形体として充分な緩衝能力をもちえる、パルプビーズ及びこれを用いたパルプ成形体の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため下記の手段で解決できる。
【0007】
本発明の第1の発明は、再生パルプを含み発泡性粒子を含む樹脂フィルムと、パルプと前記樹脂フィルムとの3層構成の積層体をポンチで同じ寸法に打ち抜いた円柱状の粒状パルプ(11)が、少なくとも1層の樹脂フィルム層(12)で被覆されていることを特徴とするパルプビーズ(1)である。
【0010】
また本発明は上記第1の発明において、前記樹脂フィルム層(12)のうち少なくとも1層が熱可塑性樹脂である上記のパルプビーズである。
【0011】
また本発明は上記第1の発明において、前記熱可塑性樹脂フィルム層が発泡フィルムである上記のパルプビーズである。
【0012】
また本発明は上記第1の発明において、前記熱可塑性樹脂フィルム層に発泡剤を含有する上記のパルプビーズである。
【0013】
また本発明は上記第1の発明において、前記樹脂フィルム層の最外層に接着剤コーティング層(13)が設けられている上記のパルプビーズである。
【0014】
また本発明は上記第1の発明において、前記接着剤コーティング層(13)が熱可塑性樹脂である上記のパルプビーズである。
【0015】
また本発明は上記第1の発明において、前記接着剤コーティング層(13)の接着剤に発泡性粒子(131)が混入されている熱可塑性樹脂である上記のパルプビーズである。
【0016】
また本発明は上記第1の発明において、見かけ比重が0.01〜0.3である上記のパルプビーズである。
【0017】
本発明の第2の発明は、上記のパルプビーズ同士を、相互に結合して、集合体にしたことを特徴とするパルプ成形体である。
【0018】
また本発明は上記第2の発明において、パルプビーズ同士を、樹脂フィルム層を介して
、相互に結合させ、集合体とした上記のパルプ成形体である。
【0019】
また本発明は上記第2の発明において、前記樹脂フィルム層の樹脂が熱可塑性樹脂である上記のパルプ成形体である。
【0020】
また本発明は上記第2の発明において、前記樹脂フィルム層が発泡フィルムである上記のパルプ成形体である。
【0021】
また本発明は上記第2の発明において、前記熱可塑性樹脂フィルムに発泡剤を含有している上記のパルプ成形体である。
【0022】
また本発明は上記第2の発明において、パルプビーズ同士を、ビーズに設けられた接着コーティング層を介して、相互に結合させ、集合体とした上記のパルプ成形体である。
【0023】
また本発明は上記第2の発明において、前記接着コーティング層が熱可塑性樹脂である上記のパルプ成形体である。
【0024】
また本発明は上記第2の発明において、前記接着コーティング層が発泡性粒子を混入した熱可塑性樹脂である上記のパルプ成形体である。
【0025】
また本発明は上記第2の発明において、見かけ比重が0.02〜0.35の範囲である上記のパルプ成形体である。
【0026】
【作用】
以上に示したように、再生パルプを含めた粒状パルプを樹脂フィルムで被覆しビーズ状に加工することで、パルプビーズ自身の強度が保持でき、紙製緩衝材として十分な強度を有し、しかも緩衝性能の優れた緩衝材が得られる。
また、このパルプビーズ同士を、相互に結合させることにより、集合体とした成形体を緩衝材として用いた場合でも同様に十分な強度を有し、緩衝性能の優れた紙製緩衝材が得られ、肉厚にも成形できるため、パルプモールド緩衝材での強度の不足を解消できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
図1は本発明のパルプビーズの断面図的概略図を示す。
図2は本発明のパルプビーズをポンチ抜きにより形成するための積層体の概略図を示す。これをポンチ等で打ち抜いて得た円柱状物を加熱等してそれらのパルプ露出面を樹脂フィルムで覆うのである。
図3は本発明のパルプビーズをヒートカット法により形成するための円柱体の概略図を示す。これをヒートカット等してパルプ露出面を樹脂フィルムで覆うのである。
図1〜図3において、1はパルプビーズ、11は粒状パルプ、111は発泡性粒子、12は樹脂フィルム層、121は発泡性粒子、13は接着剤コーティング層、131は発泡性粒子、2は積層体のポンチ抜きにより得たパルプビーズ、3は円柱体のヒートカットにより得たパルプビーズである。
【0028】
<材料>
まず、パルプビーズ(1)を構成する主原料の再生パルプを含むパルプとしては針葉樹、または広葉樹を用いた晒または未晒であるクラフトパルプ、ソーダパルプ、スルファイドパルプ、砕木パルプ、レファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ等のバージンパルプ或いは、故紙、古段ボール紙、古雑誌等に由来する再生パルプ、紙加工などの工程で生ずる繊維状或いは綿状のパルプ所望の装置により繊維状或いは綿状に加工されたパルプ等が、単独で或いは2種以上混合して使用できる。
【0029】
粒状パルプ(11)を被覆する樹脂フィルム層(12)としては熱可塑性樹脂を使用し、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ナイロンなどのポリアミド、ポリビニルピロリドン、又はこれらの共重合したもの、例えば酢酸ビニル−ポリエチレン共重合物、ポリエチレン−アクリル酸共重合物や、また生分解性フィルムとして知られるポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリエステルアミドやポリカプロラクトンなどがあげられるが、特にこれらに限定されるものではない。上記熱可塑性樹脂が単独でパルプビーズ(1)に一層被覆されているか、あるいは何層にも被覆させることも可能である。樹脂フィルム(12)の選定は以下の要求項目で決めればよく、樹脂量を低減しようとするならば熱可塑性樹脂の発泡フィルムを用いても良いし、また発泡剤を含有したフィルムを使った場合は、一体成形を行った場合、成形温度が発泡剤が発泡する温度まで上げることにより、熱可塑性樹脂を皮膜したまま発泡することで、ビーズ間を充填し、一体成形物の強度が上がる。また生分解性プラスチックフィルムを使った場合は、土中に埋めることでの廃棄も可能になる。選定はコスト的な問題も含むので、適宜決定すればよい。
【0030】
パルプに混入使用する発泡性粒子(111)および、樹脂フィルムを発泡フィルムにする場合に使われる発泡性粒子、樹脂フィルムに含有する発泡性粒子としては、マイクロカプセル内に低沸点の溶剤が封入された熱膨張性のマイクロカプセルを使用することができる。即ち、外殻のポリマーが加熱により軟化すると共に、封入された溶剤がガス化し、体積が数十倍に膨張するものである。封入される溶剤としては、イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン等の有機溶剤を例示できる。マイクロカプセルを構成する外殻のポリマー等は塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等からなる熱可塑性樹脂を例示できる。上記の有機溶剤を熱可塑性樹脂で包み込み、溶剤を封入した熱膨張性マイクロカプセルを好ましく使用できる。
【0031】
パルプに添加する発泡性粒子(111)の量は、発泡性粒子のガス発生量や、発泡倍率等の性能に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。発泡樹脂フィルムを得るために添加する発泡性粒子の量も同様に限定されるものではない。
【0032】
接着剤コーティング層(13)を設けるための熱可塑性接着剤としては,酢酸ビニルエマルジョンや溶剤形の接着剤等が挙げられるが特に限定されるものではない。
【0033】
<加工法>
つぎに粒状パルプ(11)が樹脂フィルム層(12)で被覆された粒状体を得るための加工方法を説明するが、加工方法、手順は何種類もあり、特に限定されるものではない。
【0034】
一つはパルプを粒状に加工してからフィルムで被覆し、粒状パルプ(11)が樹脂フィルム層(12)で被覆された粒状体、即ちパルプビーズ(1)を得る方法がある。その際、パルプを粒状にする方法も限定されない。
例えば、再生パルプを含むパルプに対して、水を加え、懸濁、混練した状態から粒状にする方法、乾燥した繊維状のパルプから粒状にする方法、更に上記パルプに適当な結合材を加えて、混練した状態から造粒する方法等が挙げられる。その粒状のパルプを、あらかじめ適当な大きさに断裁しておいた樹脂フィルムに積層して、フィルムを畳み込み熱プレスなどで相対したフィルムを熱融着することで、パルプが樹脂フィルム層(12)で被覆された粒状体すなわちパルプビーズ(1)を得ることができる。
【0035】
もう一つには樹脂フィルム/パルプ/樹脂フィルムの積層体を作り、ポンチなどで打ち抜きフィルム同士の接合面に、樹脂の性質に応じて適当な温度で熱をかけシールすることによっても、パルプが樹脂シートで被覆された粒状体を得ることができる(図2参照)。
【0036】
もう一つには筒状に加工された樹脂フィルムにパルプをつめて棒状にし、適当な大きさにヒートカットをしシールを行うことで、パルプが樹脂フィルムで被覆された粒状体を得ることができる(図3参照)。
【0037】
粒状パルプ(11)に発泡性粒子(111)が混入されている場合、パルプビーズ(1)を発泡剤の発泡温度まで加熱してやることで、有機系、無機系のガス発泡剤の場合はビーズの内圧増加により緩衝能力が上がる。
また発泡性中空粒子の場合は中空粒子がパルプ繊維の中で膨張し、核になるのでこれもまた緩衝能力、強度が上がる。これはパルプビーズ単体でも、パルプビーズを成形体にした場合でも同様な効果が望める。
【0038】
これらの方法によって得られるパルプビーズ(1)はパルプ含有量、樹脂シートの厚さ、樹脂フィルムの密度などの物性、層構成、パルプビーズの大きさ、発泡性粒子の種類、発泡性粒子の添加量などの選択が自由であることから様々な緩衝特性を持たせることが可能である。
【0039】
この様にして得られた樹脂フィルムで被覆されたパルプビーズ(1)の見かけ比重としては0.01〜0.2の範囲が望ましい。この範囲外では特に家電製品等などの緩衝包装において、充分な緩衝性を得ることが困難と考えられる。この様にして得られたパルプビーズは単体でもバラ緩衝材として使用可能であるが、パルプビーズ同士を相互に結合させて集合させた成形体を緩衝材として利用することも可能である。
【0040】
パルプビーズ(1)同士を相互に結合して集合体にする方法としては、パルプビーズの最外層熱可塑性樹脂(12)を接着に利用する方法、最外層に接着剤を噴霧し、接着剤コーティング層(13)を設け、該パルプビーズ同士を相互に結合させる方法等が考えられる。
【0041】
パルプビーズ(1)外層の熱可塑性樹脂フィルム(12)を接着に利用する場合には、その外層の樹脂の性質に応じて接着のための操作を行えばよい。
例えば所定の型にパルプビーズを充填し、所定の加熱方法で樹脂の溶融温度に応じた温度で樹脂を溶融し、その後冷却して固化させ、パルプビーズ同士を相互に接着することにより成形体とする。
発泡シートを使う場合には、更に比重が軽く、樹脂量が少ない成形体を得ることができる。
発泡性粒子(121)を含有した樹脂フィルム層(12)シートを使う場合には、パルプビーズ間の接着が強くなるため成形体の強度が向上する。
熱可塑性樹脂のうち、生分解性プラスチックフィルムを使った場合には、埋め立てによる廃棄も可能である。
【0042】
また樹脂フィルム層(12)に接着剤のコーティング層(13)を設けた粒子を使う場合も同様に、所定の加熱方法で接着剤に応じた温度で接着剤を溶融させ、パルプビーズ(1)同士を相互に接着し、冷却固化させ成形体を得る。
発泡性粒子(131)が混入されている場合は各ビーズの接着材のコーティング層が発泡しビーズ同士の接着面積が広がり、強度の向上した成形体を得ることができる。
【0043】
成形体の要求される強度に応じ、使用するパルプビーズのパルプ含有量、樹脂シートの厚さ、樹脂フィルムの密度などの物性、層構成、パルプビーズの大きさ、発泡性粒子の種類、発泡性粒子の添加量、および型内へのパルプビーズ投入量は、変更可能であるが、成形体の見かけ比重としては緩衝性の観点から0.02〜0.25の範囲であることが望ましい。
【0044】
【実施例】
以下に本発明を実施例をもって説明するが、ここに用いられた材料に限定されるものではない。
【0045】
<実施例1>
・パルプ:段ボール解繊加工品 … … … 100重量部
(解繊機;ターボ工業(株)製ターボミル使用)
・水溶性樹脂:カルボキシルメチルセルロース(関東化学(株)製)5%水溶液… … … 300重量部
・樹脂フィルム:メタロセンポリエチレン(商品名;ユメリット4540FUBE社製) … … … 厚さ50μm
上記パルプと水溶性樹脂をミキサーで混練し、その後直径約4mmの棒状にまとめ、更に4mmの長さにカットし、見かけ比重が0.07なる粒状にカットした後、100℃で乾燥させ、縦横6mmの大きさに断裁しておいたメタロセンポリエチレンシートでくるみ熱をかけてシールすることで体積0.033cm3 、重量0.003g程で見かけ比重0.09なるビーズを得た。
【0046】
<実施例2>
・パルプ:ミルク紙解繊加工品
(解繊機;ターボ工業(製)ターボミル使用)
・樹脂フィルム:ポリブチレンサクシネート(商品名;ビオノーレ 昭和高分子社製) … … … 厚さ50μm
・接着剤:乳化ポリエチレン (商品名;ザイクセンL 住友精化(株)製)
上記生分解性フィルムの上にミルク紙解繊加工品をのせ、更にその上から生分解性フィルムをのせ三層の積層体を作成し、上下よりポンチなどで打ち抜き接合面に130℃の熱を加えシールし、さらに接着剤によるコーティング層を設けるため、上記乳化ポリエチレン(固形分25%)を噴霧して、直径5mm、体積0.065cm3 、重量0.009g程で見かけ比重0.138なるパルプビーズを作成した。
【0047】
<実施例3>
・パルプ:ミルク紙解繊加工品
(解繊機;ターボ工業(製)ターボミル使用)
・樹脂フィルム:低密度ポリエチレン(商品名;ノバテックLD−LH100N日本ポリケム社製)
・発泡性粒子:発泡性中空粒子(商品名;エクスパンセル642WU 永和化成(製))
上記PEフィルムは押し出し温度200℃で押し出し、30℃のクーリングロールで巻き取る直前に膨張温度が90℃〜120℃の発泡性中空粒子であるエクスパンセル642WUを1wt%になるよう混入する。発泡剤の発泡は温度と時間によるので、発泡しないようクーリングロールで巻き取る直前もしくは巻き取る途中に混入することが必要になる。この押し出しで50μmのフィルムを得た。この発泡剤が含有されたフィルムを直径4mmの筒状体にしてやり、ミルク紙解繊物を筒状態に充填し、ホットカッターにより長さ5mmに断裁して、見かけ比重0.133になるパルプビーズを作成した。
【0048】
<実施例4>
・パルプ:ミルク紙解繊加工品
(解繊機;ターボ工業(製)ターボミル使用)
・樹脂フィルム:低密度ポリエチレン(商品名;ノバテックLD−LH100N日本ポリケム社製) … … … 厚さ50μm
・発泡剤:無機系発泡剤(商品名;MB3073 三協化成(製))
上記PEフィルムの上に無機系発泡材を混入したミルク紙解繊加工品をのせ、更にその上から上記PEフィルムをのせ三層の積層体を作成し、上下よりポンチなどで打ち抜き接合面に熱を加えシールすることで、直径5mm、体積0.065cm3 、重量0.0097g程で見かけ比重0.149になる発泡剤入りパルプビーズを作成した。発泡はビーズ作成と同時に発泡させることも可能であるし、また成形体に加工する際に発泡させることもできる。
【0049】
<実施例5>
・パルプ:ミルク紙解繊加工品
(解繊機;ターボ工業(製)ターボミル使用)
・樹脂フィルム:低密度PE(商品名;ノバテックLD−LH100N日本ポリケム社製) … … … 厚さ50μm
・有機系発泡剤:アゾジカルボンサンアミド(ADCA)商品名;MB1023)
上記樹脂フィルム(LH100N)に有機系発泡剤(MB1023)を5wt%混練し、押出成形により50μmの厚さの発泡PEフィルムを作成した。得られた発泡PEシートを使い発泡PE/解繊古紙/発泡PEの三層構造体を作成し、上下よりポンチなどで打ち抜き、接合面に熱を加えシールすることでパルプビーズを得た。
これは直径5mm、体積0.065cm3 、重量0.007g程で見かけ比重は0.107なるパルプビーズであった。
【0050】
<実施例6>
・有機系接着剤:乳化ポリエチレン(商品名;ザイクセンL 住友化成(株)製)
・発泡性中空粒子:熱膨張マイクロカプセル(商品名;マイクロスフィア F1400 松本油脂(株)製)
実施例5で得られたパルプビーズ表面に上記材料を混合したものを噴霧した、発泡性中空粒子入りの接着剤コーティング層を設けたパルプビーズを得た。
これは直径5mm、体積0.065cm3 、重量0.008g程で見かけ比重は0.123なるパルプビーズであった。
実施例1〜6で作成されたパルプビーズについては紙粉等の発生は全く認められなかった。
【0051】
<実施例7>
内寸(100mm*100mm*20mm)のアルミニウム製型枠内に、実施例1で作成されたパルプビーズを、型体積の1.2倍用意し、圧縮充填した。
型内を130℃の温度に加熱し、ビーズ表面に被覆した樹脂を溶融しその後、型内より取り出し、室温で放冷して樹脂を固化し枠型より取り出しパルプ発泡成形体を得た。このパルプ成形体の見かけ比重は0.15であった。
【0052】
<実施例8>
実施例7で用意した型枠内に、実施例2で作成されたパルプビーズを、型体積の1.1倍用意し、圧縮充填した。
型内を130℃の温度に加熱し、ビーズ表面に被覆した樹脂を溶融しその後、型内より取り出し、室温で放冷して樹脂を固化し枠型より取り出しパルプ発泡成形体を得た。このパルプ成形体の見かけ比重は0.19であった。
【0053】
<実施例9>
実施例7で用意した型枠内に、実施例3で作成されたパルプビーズを、型体積の1.2倍用意し、圧縮充填した。
型内を130℃の温度に加熱し、ビーズ表面に被覆した樹脂を溶融し含有された発泡性中空粒子を発泡させる。発泡性中空粒子は皮膜樹脂をまといながらビーズ間の空隙を埋め、ビーズ同士を接着させる。その後、型内より取り出し、室温で放冷して樹脂を固化し枠型より取り出しパルプ発泡成形体を得た。このパルプ成形体の見かけ比重は0.21であった。
【0054】
<実施例10>
実施例7で用意した型枠内に、実施例4で作成されたパルプビーズを、型体積の1.1倍用意し、圧縮充填した。
型内を130℃の温度に加熱し、ビーズ表面に被覆した樹脂を溶融しその後、型内より取り出し、室温で放冷して樹脂を固化し枠型より取り出しパルプ発泡成形体を得た。このパルプ成形体の見かけ比重は0.20であった。
【0055】
<実施例11>
実施例7で用意した型枠内に、実施例5で作成されたパルプビーズを、型体積の1.1倍用意し、圧縮充填した。
型内を130℃の温度に加熱し、ビーズ表面に被覆した樹脂を溶融しその後、型内より取り出し、室温で放冷して樹脂を固化し枠型より取り出しパルプ発泡成形体を得た。このパルプ成形体の見かけ比重は0.17であった。
【0056】
<実施例12>
実施例7で用意した型枠内に、実施例6で作成されたパルプビーズを、型体積の1.1倍用意し、圧縮充填した。
型内を130℃の温度に加熱し、ビーズ表面に被覆した樹脂を溶融しその後、型内より取り出し、室温で放冷して樹脂を固化し枠型より取り出しパルプ発泡成形体を得た。このパルプ成形体の見かけ比重は0.18であった。
【0057】
【発明の効果】
本発明は以上のものであり、本発明によって得られるパルプビーズではその内部にパルプ繊維の絡み合いの間に空隙があり、これにより適度な弾性、緩衝性が与えられる構造となっている。樹脂フィルム層がビーズ形状を保ち、取り扱いが容易であると同時に、自身の強度を保持しているため、緩衝性能のすぐれた紙製緩衝材が得られる。
またパルプ繊維に発泡性粒子を混入することで、緩衝能力、強度が向上した紙製緩衝材が得られる。
また樹脂フィルムに発泡させた樹脂フィルムを使うことにより、樹脂量を低減させたパルプビーズが得られる。
また、この樹脂フィルム層は1層とは限らず、2層以上の構成も可能である。
また、このパルプビーズ同士を、相互に結合して集合体とした成形体を緩衝材として用いた場合でも、樹脂シート層の樹脂を接着のために利用することができ、成形型への投入や多様な複雑な形状の成形への展開が容易なものとなる。
ビーズ同士の接着には接着剤を噴霧し、その接着剤を使用することも可能である。その際ビーズ同士の接着面積を増やすために発泡性粒子を使用することで、パルプ成形体の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプビーズの断面図的概略図を示す。
【図2】本発明のパルプビーズをポンチ抜きにより形成するための積層体、およびこれから得たパルプビーズの概略図を示す。
【図3】本発明のパルプビーズをヒートカット法により形成するための円柱体、およびこれから得たパルプビーズの概略図を示す。
【符号の説明】
1…パルプビーズ
11…粒状パルプ
111…発泡性粒子
12…樹脂フィルム層
121…発泡性粒子
13…接着剤コーティング層
131…発泡性粒子
2…積層体のポンチ抜きにより得たパルプビーズ
3…円柱体のヒートカットにより得たパルプビーズ

Claims (17)

  1. 再生パルプを含み発泡性粒子を含む樹脂フィルムと、パルプと前記樹脂フィルムとの3層構成の積層体をポンチで同じ寸法に打ち抜いた円柱状の粒状パルプが、少なくとも1層の樹脂フィルム層で被覆されていることを特徴とするパルプビーズ。
  2. 前記樹脂フィルム層のうち少なくとも1層が熱可塑性樹脂である請求項1載のパルプビーズ。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルム層が発泡フィルムである請求項記載のパルプビーズ。
  4. 前記熱可塑性樹脂フィルム層に発泡剤を含有する請求項記載のパルプビーズ。
  5. 前記樹脂フィルム層の最外層に接着剤コーティング層が設けられている請求項1乃至の何れかに記載のパルプビーズ。
  6. 前記接着剤コーティング層が熱可塑性樹脂である請求項記載のパルプビーズ。
  7. 前記接着剤コーティング層の接着剤に発泡性粒子が混入されている熱可塑性樹脂である請求項記載のパルプビーズ。
  8. 見かけ比重が0.01〜0.3である請求項1乃至の何れかに記載のパルプビーズ。
  9. 請求項1乃至の何れかに記載のパルプビーズ同士を、相互に結合して、集合体にしたことを特徴とするパルプ成形体。
  10. パルプビーズ同士を、樹脂フィルム層を介して、相互に結合させ、集合体とした請求項記載のパルプ成形体。
  11. 前記樹脂フィルム層の樹脂が熱可塑性樹脂である請求項10記載のパルプ成形体。
  12. 前記樹脂フィルム層が発泡フィルムである請求項11記載のパルプ成形体。
  13. 前記熱可塑性樹脂フィルムに発泡剤を含有している請求項11記載のパルプ成形体。
  14. パルプビーズ同士を、ビーズに設けられた接着コーティング層を介して、相互に結合させ、集合体とした請求項記載のパルプ成形体。
  15. 前記接着コーティング層が熱可塑性樹脂である請求項14記載のパルプ成形体。
  16. 前記接着コーティング層が発泡性粒子を混入した熱可塑性樹脂である請求項15記載のパルプ成形体。
  17. 見かけ比重が0.02〜0.35の範囲である請求項乃至16の何れかに記載のパルプ成形体。
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