JP2000169617A - 紙製発泡ビーズ成形材料 - Google Patents

紙製発泡ビーズ成形材料

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JP2000169617A
JP2000169617A JP10345251A JP34525198A JP2000169617A JP 2000169617 A JP2000169617 A JP 2000169617A JP 10345251 A JP10345251 A JP 10345251A JP 34525198 A JP34525198 A JP 34525198A JP 2000169617 A JP2000169617 A JP 2000169617A
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Kenichi Niimi
健一 新見
Tomoaki Takasaki
智明 高崎
Koji Sakairi
幸司 坂入
Takehito Tomita
岳人 富田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】緩衝材や断熱材や吸音材等の成形体を得ること
ができる部材であり、発泡ポリスチレンの代替えとして
容易に移行できるよう、複雑で肉厚な成形体を発泡ポリ
スチレン成形機を使って成形体をえることが可能な紙製
緩衝部材を成形可能な紙製発泡ビーズ成形材料。 【解決手段】密度が0.01〜0.3g/cm3 の紙の
小片に、発泡性中空粒子を含んだ樹脂がコーティングさ
れてなるコーティング層が一部あるいは全面に形成され
た材料であり、この樹脂コーティング層は加圧蒸気によ
り加温することにより発泡性中空粒子が樹脂コーティン
グ層をまといながら膨張することを特徴とする紙製発泡
ビーズ成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡ポリスチレン
の代替えとして使用できる、紙片と発泡性中空粒子を混
入した樹脂の構成からなる紙製発泡ビーズ成形用材料で
あり、発泡ポリスチレン成形機の加熱方法の1つである
加圧蒸気により、低密度な成形体を得ることができる紙
製発泡ビーズ成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、発泡ポリスチレン(以下P
S)はその優れた緩衝性、断熱性、吸音性などから、様
々な分野に使用されている。そのなかでも、例えばテレ
ビ、ビデオ、食品トレーなどの梱包材料に多量に使用さ
れている。しかしながら近年環境問題への関心が高まっ
ており、法律的にも、製品提供者側はパッケージをふく
めた製品が廃棄されたときの易処理性、或いはリサイク
ル性を考えることが義務付けられている。更に製品提供
者側は、梱包材などをふくめたパッケージ全体をできる
だけ環境に負荷のかからないものにすることが求められ
ている。
【0003】しかしながらPSは、前述のリサイクル
性、易処理性に欠けている。リサイクルにおいては回収
ルートの確立が難しい。なぜなら、密度が低いことによ
り輸送による回収量は少ないものになってしまいコスト
高になってしまうからである。また回収後のリサイクル
の可能な場所としても魚市場などPS製品が多量に集ま
るような場所にはあるが、いまだ多いとはいえないのが
現状である。そこで例えば使用後廃棄処理として焼却処
分を行うと燃焼時に高熱を発生し、焼却炉の損傷を免れ
ない。そこで埋め立て処分をおこなうと、土壌中でPS
が分解されなく残存してしまうことで埋め立て地の不足
の一因となる。
【0004】そのため、リサイクル、廃棄処分が容易で
あるようなパッケージとして、紙系の緩衝材がさまざま
に提案されている。リサイクルにおいては、パルプが主
原料であるから、石油製品由来の材料とくらべると格段
に短いスパンで手に入れることが可能であり、また回収
後は既に多数存在する、紙のリサイクル工場にかけるこ
とでのリサイクルが可能である。
【0005】紙系の緩衝材としてパルプモールド成形体
や段ボール包材が一般的に使用されている。しかしなが
ら、パルプモールド成形体は肉厚が薄いものに限られ
る。そのため、緩衝能力および、梱包製品としての強度
も十分でない。そのため緩衝材を構造的に設計を行い、
薄くてもリブや凹凸などをつけ補強の工夫がほどこされ
ている。しかしそれにも限界があり、構造的に不可能な
設計があるということ。また複雑な形状になるほどに、
型代のコスト上昇を引き起こす上、成形手順上も、まず
始めに、水によるパルプ解繊、型への吸着、乾燥などの
工程を経、更に金型の金網に付着した残留パルプを洗浄
するなど、製品成形サイクルが長いため、コストが高
い。また段ボール系緩衝材は、複雑な凹凸を持った製品
をぴったりと包み込み、緩衝させるといった使用には向
いておらず、例えば携帯型音楽機器などの形状がシンプ
ルなものなどに使用が限られている。
【0006】総称して紙系緩衝材はリサイクルの面にお
いてはPSと比べると、パルプを原料として得るため、
原料を得るための期間が短いのと、リサイクルにかかる
回収コストはPSと同じだが、既に多数ある紙のリサイ
クル工場を使用できる点の2点はすぐれているが、成形
体を得るのに、特殊な製造装置が必要であったり、肉厚
で複雑な形状をもった成形体を得ることが難しいためP
Sの代替え用途としては限定されているということであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題を解決する成形体を得るための紙製発泡ビーズ成形
材料を提供することにある。すなわち、第一には紙由来
であり、緩衝材や断熱材や吸音材等の成形体を得ること
ができる部材であり、第二にはPSの代替えとして容易
に移行できるよう、複雑で肉厚な成形体をPS成形機を
使って成形体をえることが可能な紙製緩衝部材を成形可
能な紙製発泡ビーズ成形材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項1の発明においては、密度が0.0
1〜0.3g/cm3 の紙の小片に、発泡性中空粒子を
含んだ樹脂がコーティングされてなるコーティング層が
一部あるいは全面に形成された材料であり、この樹脂コ
ーティング層は加圧蒸気により加温することにより発泡
性中空粒子が樹脂コーティング層をまといながら膨張す
ることを特徴とする紙製発泡ビーズ成形材料、としたも
のである。
【0009】請求項2の発明においては、樹脂コーティ
ング層が50℃以上200℃以下の加温によって可塑性
を示す樹脂と、可塑性を示す温度以上かつ200℃以下
で発泡する発泡性中空粒子等で構成されていることを特
徴とする請求1項記載の紙製発泡ビーズ成形材料、とし
たものである、としたものである。
【0010】請求項3の発明においては、樹脂コーテイ
ング層が再湿接着性を示す水溶性有機接着剤と、50℃
以上200℃以下で発泡する発泡性中空粒子等で構成さ
れていることを特徴とする請求項1記載の紙製発泡ビー
ズ成形材料、としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明者等は肉厚な形状の製品を得ることを目的と
し、紙を紙片化し樹脂をスプレーコーティングした部材
同士を、加圧蒸気をつかった成形により成形体を試作し
たところ、加圧蒸気が一定にかからないため、部材同士
が溶融接着しないことが分かった。そこで、本発明者等
はさらに加圧することで、温度を強制的に上げてやった
り、樹脂の選定をおこなってみたが、不均一な温度分布
をもつことにより成形体のゆがみなどを引き起こし、部
材の脱離などをおこした。またそうやって得られた成形
体は密度が重く、緩衝体などに使用するにはあまりにも
不向きであった。
【0012】そこで本発明者等はまず低密度な原紙を使
うことで、加圧蒸気のかかりかたを均一にすることがで
きないかということを考えた。紙は空隙を一般的にもっ
ているが、密度の低いものは更にその空隙率が大きいた
め蒸気の抜けがよいと考えられたからである。そこで密
度をふった紙を使い紙片化した部材を作り、成形体にし
たところの密度が0.3以下の紙を使うことにより、均
一な温度分布をもち得ることがわかった。そのようにし
て得られた成形体は部材間の空隙が大きく、低密度なも
のであって脱離などは起こらなくなったが、カメラなど
を想定した一定の荷重をかけてやったとき破壊をおこ
し、接着強度の不足が分かった。
【0013】よって本発明者等は部材間の空隙を埋めて
やることが必要と考えられたので、方法を検討したとこ
ろ、発泡性中空粒子と呼ばれる、マイクロカプセル内に
低沸点の溶剤が封入された熱膨張性のマイクロカプセル
を使用することを考えた。発泡性中空粒子とは、外郭の
ポリマーが加熱により軟化すると共に、封入された溶剤
がガス化し、体積が50倍から100倍に膨張するもの
である。この発泡性粒子を混入する層を変えた部材をつ
くり、試作検討を行った結果、成形体になったときに空
隙を埋めるためには、樹脂層に発泡性中空粒子が混入さ
れておらなくてはならず、かつ、紙片に樹脂層が多層に
設けられていたりする場合は、部材同士が接触する層、
すなわち最外層の樹脂層に混入されていなくてはならな
いことが分かった。この構成においては発泡性中空粒子
が接着層をまとったまま膨張することにより、成形体に
したとき部材同士の空隙を埋めてくれる役割を果たす。
【0014】また発泡性中空粒子が発泡する温度が、樹
脂層が接着性を示す温度より低すぎると、発泡性中空粒
子が均一に発泡せず、紙片に設けられた樹脂層が破壊さ
れる現象が起き、樹脂層をまとったまま空隙を埋める役
割をはたさないため、発泡性中空粒子が発泡する温度
は、樹脂層が可塑性を示す温度以上であることが必要で
あることがわかった。
【0015】また加圧蒸気を使用して成形体を作るた
め、部材はある程度加水されることが分かった。そのた
め、本発明者等はその部材に設けられた樹脂が再湿性を
示す樹脂、例えばデキストリンなどの切手の接着剤など
に使われている樹脂をつかうことを考え部材に被膜した
ところ、良好な成形体を得ることができた。
【0016】請求項1,2,3に使用される材料、およ
び加工法については、以下に記述する。使用する紙とし
ては密度の低い紙を使用する。ここでいう紙とは植物繊
維あるいはその他の繊維を絡み合わせこう着させて作っ
たもの、あるいは高分子を使用した合成紙を含むもので
ある。低密度な紙は、抄紙工程において、ガスを発生す
る発泡剤とよばれるものを混入し加熱発泡して得ている
場合と熱により膨張する発泡性中空粒子とよばれるもの
を混入し加熱発泡し得ている場合の、大別して二通りあ
る。名称としては嵩高紙、発泡紙などの名称を付けられ
ているが本発明においては特に限定しない。それら以外
にも、段ボール原紙などでも0.01〜0.3に含まれ
る、密度のものであるならば使用可能である。
【0017】<材料―樹脂、発泡性中空粒子>加温する
温度は飽和蒸気圧によって制御される。最高成形可能温
度は理論的には絶対圧力で225kg/cm2 金型内に
かけることで、374℃付近までもってくることは可能
であるが、圧力をかける費用や、取り出すまでの冷却時
間の効率などの費用等の問題、また安全性の面から考え
る必要がある。本発明者等はそれらの点を考慮し、20
0℃以下で可塑性を示す樹脂を選定した。もう一つには
加圧蒸気による加水により再湿接着性を示す水溶性有機
接着剤を選定した。
【0018】50℃から200℃の加温による可塑性を
示す樹脂であれば限定されないが、一例として低密度ポ
リエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレンなどに代表されるポリオ
レフィン系樹脂、またポリエステル樹脂、ポリアクリル
酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリビニルピ
ロリドン、またこれらを共重合したもの、例えばエチレ
ンープロピレン共重合物、酢酸ビニルーポリエチレン共
重合物、ポリエチレンーアクリル酸共重合物等、エチレ
エン・αオレフィン共重合体物や、またこれら樹脂の酸
によるグラフト変性物、けん化物であってもよく、エチ
レン系樹脂ワックス、エチレン・ブタジエン・ラバー樹
脂なども良好に使用できる。また生分解性樹脂などもふ
くまれる。これらの樹脂を単独あるいは混合して用いて
もよい。50℃から200℃の加温による可塑性を示す
樹脂であれば限定されない。この部材は成形時の加温に
よる部材間の接着をおこすものである。
【0019】再湿接着性を示す水溶性有機接着剤につい
ては、ゼラチンやポリビニルアルコール、澱粉や、変性
澱粉、アクリル酸共重合体、及びそれらと酢ビエマルジ
ョンとの混合体が使用できる。その際形成する方法とし
てはスプレーコーティングや含浸後に加熱し溶剤である
水をとばせばよい。この部材は成形時の加水により、部
材間の接着をおこすものである。
【0020】発泡性中空粒子としては、マイクロカプセ
ル内に低沸点の溶剤が封入された熱膨張性のマイクロカ
プセルを使用することができる。即ち、外郭のポリマー
が加熱により軟化すると共に、封入された溶剤がガス化
し、体積が50倍から100倍に膨張するものである。
封入される溶剤としては、イソブタン、ペンタン、石油
エーテル、ヘキサン等の有機溶剤を例示できる。マイク
ロカプセルを構成する外殻のポリマー等は塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル等からなる熱可塑性樹脂を例示できる。上
記の有機溶剤を熱可塑性樹脂で包み込み、溶剤を封入し
た熱膨張性マイクロカプセルを好ましく使用できる。
【0021】発泡性中空粒子を含んだコーティング層を
設けるに当たっては、熱可塑性をしめす樹脂をつかう場
合は、水を含めた適当な溶剤に溶解したもの、エマルジ
ョンとしたものをスプレーコーティング、含浸等の方法
により、塗布するか、あるいは粉末化された樹脂をディ
スパージョンとして噴霧したり、粉末のまま静電塗工に
より設けたり、押し出しにより設けることも可能であ
る。再湿性を示す水溶性接着剤などは、液状にしたの
ち、塗工や噴霧したのち、水をとばしてやればよい。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実験例を上げて実施例を説明
する。本発明における密度の測定方法は,JISP81
18に準拠し、紙の厚さと坪量から計算する。
【0023】〈実験例1〉 紙;白板紙、米坪210g/m2 、厚さ0.2mm、密
度1.05g/cm3。 上記の紙を酢ビにより酢酸ビニル接着剤で積層し、厚さ
を2mm厚にした。その積層紙を打ち抜いて乳化ポリエ
チレンを噴霧して接着層をもった密度約1.3なる紙製
部材を得た。内寸100mm*100mm*20mmの
アルミニウム製型枠内に、実験例1で作成された紙製部
材を、充填した。型内を140℃に加圧蒸気により加温
し部材表面に被覆した樹脂を溶融し部材同士を結合さ
せ、その後、型内より取り出し、室温で放冷して樹脂を
固化し枠型より取り出したが部材間の強度が弱く、部材
の脱離が多数発生し成形体として形を保持できなかっ
た。
【0024】〈実験例2〉 紙;コートボール紙、米坪270g/m2 、厚さ0.4
mm、密度0.67g/cm3 。 上記の紙を酢ビにより酢酸ビニル接着剤で積層し、厚さ
を2mm厚にした。その積層紙を打ち抜いて乳化ポリエ
チレンを噴霧して接着層をもった密度0.8なる紙製部
材を得た。内寸100mm*100mm*20mmのア
ルミニウム製型枠内に、実験例2で作成された紙製部材
を、充填した。型内を140℃に加圧蒸気により加温し
部材表面に被覆した樹脂を溶融し部材同士を結合させ、
その後、型内より取り出し、室温で放冷して樹脂を固化
し枠型より取り出したが部材間の強度が弱く、部材の脱
離が多数発生し成形体として形を保持できなかった。
【0025】〈実験例3〉 紙;嵩高紙、厚さ2mm、密度0.5g/cm3 この紙を打ち抜いて乳化ポリエチレンを噴霧して接着層
をもった密度が約0.55なる紙製部材を得た。内寸1
00mm*100mm*20mmのアルミニウム製型枠
内に、実験例3で作成された紙製部材を、充填した。型
内を140℃に加圧蒸気により加温し部材表面に被覆し
た樹脂を溶融し部材同士を結合させ、その後、型内より
取り出し、室温で放冷して樹脂を固化し枠型より取り出
し、成形体を得た。成形体は中心部に加圧の不均一によ
る部材の脱離がみられた。弾力性がなく固いため落下試
験において、カメラレンズ製品が故障し緩衝用成形体と
しては使用できなかった。また一回で成形体は破損し
た。
【0026】〈実験例4〉 紙;嵩高紙、厚さ2mm、密度0.25g/cm3 この紙を打ち抜いて乳化ポリエチレンを噴霧して接着層
をもった密度が約0.3なる紙製部材を得た。内寸10
0mm*100mm*20mmのアルミニウム製型枠内
に、実験例4で作成された紙製部材を、充填した。型内
を140℃に加圧蒸気により加温し部材表面に被覆した
樹脂を溶融し部材同士を結合させ、その後、型内より取
り出し、室温で放冷して樹脂を固化し枠型より取り出
し、成形体を得た。部材間の接着強度が弱く、カメラレ
ンズを包んだ落下試験でカメラに故障は見られなかった
が、落下一回で成形体は破損し緩衝材のように輸送など
で常に振動がかかるようなものには使用できないことが
想定された。
【0027】〈実験例5〉 紙;嵩高紙、厚さ2mm、密度0.25g/cm3 発泡性中空粒子(商品名エクスパンセル054、永和化
成) この紙を打ち抜いて上記の140℃で発泡する、発泡性
中空粒子を混入した乳化ポリエチレンを噴霧して密度が
約0.3なる紙製部材を得た。内寸100mm*100
mm*20mmのアルミニウム製型枠内に、実験例5作
成された紙製部材を、充填した。型内を140℃に加圧
蒸気により加温し部材表面に被覆した樹脂を溶融し部材
同士を結合させ、その後、型内より取り出し、室温で放
冷して樹脂を固化し枠型より取り出し、成形体を得た。
空隙を樹脂をまとった発泡性中空粒子が埋めてくれたた
め部材間の接着強度があがり、カメラを包んだ落下試験
でカメラに故障は見られず。かつ成形体は外層表面に変
形を生じたが、脱離はおこさず、緩衝材として使用が可
能であることが判明した。
【0028】〈実験例6〉 紙;嵩高紙、厚さ2mm、密度0.2g/cm3 樹脂フィルム;ポリブチレンサクシネート(商品名ビオ
ノーレ、50μm、昭和高分子社製) 発泡性中空粒子(商品名エクスパンセル092―12
0、永和化成) 上記2mm厚の紙を、酢酸ビニル接着剤で積層し、厚さ
を4mm厚にし、190℃で発泡する発泡性中空粒子を
5wt%になるよう表層に混入する。その積層紙にポリ
ブチレンサクシネートを180℃で押し出しコーティン
グした。こうして得た、構造体を直径約4mmに打ち抜
きをおこなう。紙と樹脂の中間に発泡性中空粒子が存在
する、見かけ密度が約0.25なる紙製発泡ビーズ成形材
料を作成した。内寸100mm*100mm*20mm
のアルミニウム製型枠内に、実験例6で作成された紙製
発泡ビーズを、充填した。型内を190℃に加熱しビー
ズ表面に被覆した樹脂を溶融し発泡性中空粒子により膨
張させたが、ビーズ間同士の空隙をうめるほどの膨張は
おきず、その後、型内より取り出し、室温で放冷して樹
脂を固化し枠型より取り出して得た紙製発泡ビーズ成形
体は部材の脱離がみられた。
【0029】〈実験例7〉 紙;嵩高紙、厚さ2mm、密度0.15g/cm3 発泡性中空粒子(商品名エクスパンセル054 永和化
成) この紙を上記の140℃で発泡する発泡性中空粒子を混
入した乳化ポリエチレンを噴霧して、表層に3wt%に
なるように発泡性中空粒子をばらまいた構造体にした
後、打ち抜きをおこない密度が約0.2なる紙製発泡ビ
ーズ緩衝材を得た。内寸100mm*100mm*20
mmのアルミニウム製型枠内に、実験例7で作成された
紙製部材を、充填した。型内を140℃に加圧蒸気によ
り加温し部材表面に被覆した樹脂を溶融し部材同士を結
合させたが、発泡はおきたが、樹脂をまとってないため
部材間の接着強度はあがらず、部材の脱離がみられた。
【0030】
【表1】
【0031】以上の結果により本発明を説明すると、第
1に密度が0.01〜0.3cm3の紙の小片を使うこ
とが、均一な加圧条件を得るために必要で、第2に発泡
性中空粒子を含んだ樹脂が押し出しなどにより部分的な
コーティングがおこなわれているか、または噴霧などに
よって全面にコーティングされているものが使用可能で
あるが、発泡性中空マイクロカプセルは接着層となる部
分に混入されていなくてはならないことがわかった。こ
の発明の紙製発泡ビーズ成形材料は加圧蒸気により、緩
衝材として成形体を得ることが可能であった。
【0032】〈実験例8〉 紙;嵩高紙、厚さ2mm、密度0.05g/cm3 発泡性中空粒子(商品名エクスパンセル820、永和化
成) この紙を打ち抜き、上記の60℃で発泡する発泡性中空
粒子を3wt%になるように混入した乳化ポリエチレン
を噴霧して密度が約0.07なる紙製発泡ビーズ緩衝材
を得た。内寸100mm*100mm*20mmのアル
ミニウム製型枠内に、実験例8で作成された紙製部材
を、充填した。型内を140℃に加圧蒸気により加温し
部材表面に被覆した樹脂を溶融し部材同士を結合させた
が、発泡温度が樹脂とくらべて低いため発泡はおきた
が、熱により粘性のおちた樹脂の箇所に存在する発泡性
中空粒子から膨張してしまうため、樹脂層が破泡してし
まう現象が起き部材間の接着強度はあがらず、部材の脱
離がみられた。
【0033】
【表2】
【0034】このことにより本発明を説明すると、樹脂
層に混入された発泡性中空粒子の発泡を均一におこなう
ためには、樹脂層の熱可塑性を示す温度以上で発泡する
発泡性中空粒子を使用することが必要であることがわか
った。本発明者等は実験を行う課程において、加圧蒸気
をつかって成形体をえる工程に蒸気による加湿が存在す
ることがわかった。そのため、この水をつかった接着成
形が可能であるかどうかを実験した。
【0035】〈実験例9〉 紙;嵩高紙、厚さ2mm、密度0.05g/cm3 発泡性中空粒子(商品名エクスパンセル820 永和化
成) この紙の表面に上記の60℃で発泡する発泡性中空粒子
を3wt%になるように混入されたデキストリンを塗布
して密度が約0.07なる紙製発泡ビーズ緩衝材を得
た。内寸100mm*100mm*20mmのアルミニ
ウム製型枠内に、実験例9で作成された紙製発泡ビーズ
緩衝材を、充填した。型内を60℃に加圧蒸気により加
温した。部材表面に塗布されたデキストリンが加圧蒸気
をかけた際にともなう加水により、接着性を復元し、さ
らに発泡がおき空隙を埋める効果がみられた。カメラを
包んだ落下試験でカメラに故障は見られず。かつ成形体
は外層表面に変形を生じたが、脱離はおこさず、緩衝材
として使用が可能であることが判明した。
【0036】
【表3】
【0037】このことにより本発明を説明すると樹脂に
は、再湿接着性を示す樹脂が使用可能なことがわかっ
た。実験例5と9に代表される本発明の紙製発泡ビーズ
成形材料は、小片の大きさ、形状、紙製発泡ビーズのコ
ーティング層の厚さ、コーティング剤の物性、層構成、
発泡性中空粒子の種類、添加量などで様々な緩衝特性を
もった成形体の設計が可能である。
【0038】この紙製発泡ビーズ成形材料をつかって成
形体を得るためには、接着のための操作をおこなえばよ
い。温度は樹脂の熱可塑性を示す温度以上で発泡性中空
粒子が膨張する温度までかけてやり、さらに発泡性中空
粒子が膨張するに必要な時間加熱をかけてやればよい。
もしくは加水により再湿接着性をだしてやり、発泡性中
空粒子が発泡する温度まで加温と時間をかけてやれば良
い。コーティング層が発泡性中空粒子によって膨張する
ことで、PS成形機のような加圧加熱蒸気を使って発泡
ビーズを成形する機械をつかって成形ができる。以上に
示したように、前記した構成を有した紙由来の成形用部
材であり、これを利用してつくられた成形体は、1つ目
には燃焼などによる廃棄にも燃焼カロリーが小さく、紙
のリサイクルラインにのせることができ、2つ目には複
雑な成形体にPS成形機を使用して成形可能であること
が利点である紙製発泡ビーズ成形材料を得ることができ
た。
【0039】
【本発明の効果】本発明は以上の如き構成であり、本発
明の紙製発泡ビーズ成形材料は、低密度の紙片を発泡性
中空粒子を含んだ接着剤をコーティングしているため、
加圧蒸気の加温もしくは加水により接着層が発泡性中空
粒子によって膨張し互いに結合する材料である。これを
利用してつくられた成形体は、1つ目には燃焼などによ
る廃棄にも燃焼カロリーが小さく、紙のリサイクルライ
ンにのせることができ、2つ目には複雑で肉厚な成形体
にPS成形機を使用して成形可能であることを利点とす
る紙製発泡ビーズ成形材料であり、そのため緩衝材、建
材などの断熱材、吸音材などに利用されているPSの代
替えとして速やかに使用できる部材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 岳人 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA18A AA19A AA20A AA37A AA41A AA48A AA49A AA65A AA71A AD01 AD05 BA75 CA29 CB62 CB73 CC04Y 4F212 AA01 AA04 AB02 AB26 AB28 AD06 AD34 AG03 AG20 AH33 AH58 UA01 UB01 UB11 UF01 UF05 UF21 UG05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度が0.01〜0.3g/cm3 の紙の
    小片に、発泡性中空粒子を含んだ樹脂がコーティングさ
    れてなるコーティング層が一部あるいは全面に形成され
    た材料であり、この樹脂コーティング層は加圧蒸気によ
    り加温することにより発泡性中空粒子が樹脂コーティン
    グ層をまといながら膨張することを特徴とする紙製発泡
    ビーズ成形材料。
  2. 【請求項2】樹脂コーティング層が50℃以上200℃
    以下の加温によって可塑性を示す樹脂と、可塑性を示す
    温度以上かつ200℃以下で発泡する発泡性中空粒子等
    で構成されていることを特徴とする請求1項記載の紙製
    発泡ビーズ成形材料。
  3. 【請求項3】樹脂コーテイング層が再湿接着性を示す水
    溶性有機接着剤と、50℃以上200℃以下で発泡する
    発泡性中空粒子等で構成されていることを特徴とする請
    求項1記載の紙製発泡ビーズ成形材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011074335A (ja) * 2009-10-02 2011-04-14 Asahipen Corp 凍結防止用粉粒体及び凍結防止施工方法
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