JP2010000491A - 撥水性を有する油吸着材 - Google Patents

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Abstract

【課題】一度利用された紙類いわゆる古紙を再資源化し、工場や厨房の不要な油や、海上の油漏れ事故などにおける油を吸着・回収する目的の、撥水性能を有する油吸着材を提供する。
【解決の手段】原料となる古紙を剪断破砕機で一次破砕後、該古紙に常温では固形状の廃脂肪類を適量加えて混合し、自由粉砕機で破砕して繊維状の油吸着材とした。特に古紙が廃カーボン紙であり廃脂肪類がパーム油残渣、廃バター、廃ラードである場合に、該廃脂肪類の適正な量の添加により撥水性を有する油吸着材が得られる。
【効果】
古紙、特に廃カーボン紙を原料として、吸水量が1.5g/g以下の撥水性を有する繊維状の油吸着材が得られ、この繊維状吸着材を用いて撥水性を有する袋状吸着材あるいはマット状吸着材が成形できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、使用済みの紙類を再資源化し、工場や厨房の不要な油や水面上に流出した油などを回収除去するための油吸着材に利用する技術に関する。
従来から、工場や厨房の不要な油や、海上の油漏れ事故などにおける油を吸着・回収するため、各種の油吸着材の開発が行われてきた。この油吸着材の素材を天然繊維とし、原料として古紙再生パルプを利用することが考えられている。
例として、天然繊維に熱融着性の合成樹脂を含有させて繊維相互間を融着させ成形してマット状にするもので、天然繊維として古紙再生パルプを利用する例(例えば、特許文献1参照)、不織布などの多孔性シートの袋に綿状パルプと合成樹脂の多孔性粒状体等の油吸着促進剤の混合物を充填して油吸着材とするもので、綿状パルプとして古紙を利用する例(例えば、特許文献2参照)がある。
また、水分を吸着せず油分のみを選択的に吸着させる目的をもった例として、天然繊維に撥水剤を含浸させた例(例えば、特許文献3参照)や、撥水性処理を施した綿状紙パルプを含有させた例(例えば、特許文献4参照)がある。
特開昭58−199041号公報 特開平6−233934号公報 特開平7−232061号公報 特開平5−202354号公報
特許文献1は、天然繊維に熱融着性の合成樹脂を含有させて繊維相互間を融着させ成形してマット状にするものである。熱融着性の特に望ましい合成樹脂の一つとしてポリプロピレン等の合成パルプをあげており、天然繊維として段ボール、新聞紙、雑誌などの古紙より再生した古紙再生パルプをあげている。本特許文献は、古紙の中のカーボン紙についての対応、及び使用する繊維の撥水性について考慮されていない。
特許文献2は、多孔性シートの袋に綿状パルプと油吸着促進剤の混合物を充填したものである。多孔性シートの一つとして不織布をあげ、また、綿状パルプは種々の紙を乾式で破砕又は粉砕して綿状とし、原料としての古紙の一つとして感圧複写紙を取り上げていることが特筆される。本特許文献は、油吸着促進剤として、綿状パルプより更に優れた油吸着能を持つ合成樹脂の多孔性粒状体等の併用を考えていて、使用する繊維の撥水性については考慮されていない。
使用する素材の繊維に撥水性を考慮したものが、特許文献3、特許文献4である。
特許文献3は、天然繊維に撥水剤を含浸させたもので、この撥水剤は、脂肪酸重合樹脂または脂肪酸縮合樹脂に、酸化ワックス、乳化剤、保護コロイド物質を添加して形成するとしている。この撥水剤の撥水性は、天然繊維の表面に皮膜を形成して水の進入を防止するものではなく、1本1本の繊維に撥水剤の成分が吸着され、繊維自体の界面張力を増大して水の進入を防止し、選択的に油分のみ吸着するとしている。
特許文献4は、油脂類、セルロースエステル、ビニル樹脂、シリコン樹脂などで覆われた防水加工または撥水加工された紙を綿状に海綿化処理した紙パルプを含有する綿状紙パルプからなる油吸着材料としている。実施例にシリコン樹脂をスプレーした撥水処理及びビニルコートした撥水加工の記載がある。防水加工または撥水加工に用いる材料に油脂類との記載があるが、具体的な油脂の種類や処理方法についての記載はない。
以上、本発明と関連する特許文献を示したが、いずれも本特許の発明の本質に類似するものではない。
本発明は、印刷物などとして一度利用された紙類いわゆる古紙を再資源化し、工場や厨房の不要な油や、海上の油漏れ事故などにおける油を吸着・回収する目的の、油吸着材を提供するものである。
一度利用された紙類の再資源化に関して、印刷物などとして使用された紙類としては、新聞紙、本、雑誌、広告紙、帳票紙、印刷用塗被紙(コート紙)、包装紙など種々のものがあり、また、印刷物ではないが段ボール箱などの使用済みの紙資源がある。こうしたものは古紙と称されるが、紙資源の有効利用や環境保護のため再資源化して利用することが望まれる。
しかしながら、なかでも感圧複写紙いわゆるカーボン紙は、カーボンを練り込んだワックスが塗布されているために、紙類としての再利用が難しいのが現状である。
そこで、発明者等は、各種の一般古紙はもとより、特に紙類として再利用が難しいカーボン紙の再資源化とその活用として、工場や厨房の不要な油や、海上の油漏れ事故などにおける油を吸着・回収する油吸着材への活用を検討してきたところである。従来技術としての前記特許文献においてはカーボン紙への具体的な対応が示されておらず、また、撥水性に係る有効な方法はまだ示されていない。
本発明は、廃棄物の再利用化を推進することで資源の消費を抑制する技術を提供することを前提とし、各種の一般古紙はもとより、このカーボン紙を材料の主体とした安価な油吸着材の実現と、そのための撥水性の付与が課題である。
上記の課題を解決するための手段は次のとおりである。
請求項1に記載の、古紙を剪断破砕機で一次破砕後、該古紙100重量部に対し常温で固形状である融点が35℃以上の廃脂肪類を少なくとも6.2重量%以上混合し、自由粉砕機で繊維状に破砕して生成した吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有することを特徴とする油吸着材とする。
請求項2に記載の、前記廃脂肪類がパーム油残渣又は廃ラード又は廃バターであることを特徴とする請求項1に記載の油吸着材とする。
請求項3に記載の、前記古紙が廃カーボン紙であり前記廃脂肪類がパーム油残渣又は廃ラードであって、該廃カーボン紙100重量部に対し該パーム油残渣又は廃ラードを少なくとも3.2重量%以上混合した請求項1に記載の油吸着材とする。
請求項4に記載の、前記古紙が廃カーボン紙であり前記廃脂肪類が廃バターであって、該廃カーボン紙100重量部に対し該廃バターを少なくとも3.9重量%以上混合した請求項1に記載の油吸着材とする。
請求項5に記載の、不織布から成る1個又は連成した複数個の袋に前記のいずれかの吸着材を充填して袋状の成形体と成し、該成形体が、かさ密度0.01〜0.1g/ccとなることを特徴とする油吸着材とする。
請求項6に記載の、前記のいずれかの油吸着材100重量部に対し、熱融着性を有するプラスチックの粉末又は繊維を少なくとも5重量%以上混合したものを、不織布シート2枚の内側に挟み、該不織布シート表面を、型表面温度110〜140℃の型で、5〜10分間、加熱成形してなることを特徴とするマット状の油吸着材とする。
なお、混合する熱融着性プラスチックの種類は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン系などの粉末又は繊維である。
請求項1において、古紙を剪断破砕機で破砕した後、更に自由粉砕機で破砕することにより、古紙は引き裂かれて部分的には繊維状となりかつ繊維表面が毛羽立てて綿状になり表面積が増加する。このとき、自由粉砕機での破砕の前に古紙100重量部に対して融点が35℃以上の廃脂肪類を、具体的には請求項2に記載のパーム油残渣又は廃ラード又は廃バターを少なくとも6.2重量%以上混合し、その後、自由粉砕機で破砕すると、この廃脂肪類が前記の繊維に均等に攪拌され、吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する繊維状の素材を製造することができる。
請求項3において、前記古紙がカーボン紙であり、廃脂肪類がパーム油残渣又は廃ラードであって少なくとも3.2重量%以上混合し、その後、自由粉砕機で破砕すると、この廃脂肪類が前記の繊維に均等に攪拌され、吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する繊維状の素材を製造することができる。
請求項4において、前記古紙がカーボン紙であり、廃脂肪類が廃バターであって少なくとも3.9重量%以上混合し、その後、自由粉砕機で破砕すると、この廃脂肪類が前記の繊維に均等に攪拌され、吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する繊維状の素材を製造することができる。
請求項5において、不織布から成る1個又は連成した複数個の袋に請求項1〜請求項4のいずれかの油吸着材を充填して袋状の成形体とし、この成形体は、かさ密度0.01〜0.1g/ccとなる油吸着材とすることができる。前記の油吸着材を用いることで撥水性能を有する袋状の油吸着材を得ることができ、吸水を抑えて効率良く油を吸収することができる。また不織布にくるまれた袋状の成形体であるので油級着後の処理が容易である。
請求項6において、請求項1〜請求項4のいずれかの油吸着材を使用し、不織布シートに挟んで熱融着性を有するプラスチックで熱圧着してマット状に成形する。前記の油吸着材を用いることで撥水性能を有するマット状の油吸着材を得ることができ、吸水を抑えて効率良く油を吸収することができる。またマット状に熱圧着しているので、油吸着後繊維がバラバラに分離することなく後の処理が容易である。
ここでは廃脂肪の具体例として、パーム油残渣、廃ラード、廃バターをあげたが、融点が35℃以上であれば他の脂肪類においても同様の効果がある。また、繊維の原料として古紙の中でも再利用化が難しい廃カーボン紙をとりあげたが、類する条件のもとであれば他の古紙、中でも廃カーボン紙と同様に再利用化が難しい廃ノーカーボン紙などにも可能性がある。
本発明は、古紙を剪断破砕機、具体的には二軸剪断破砕機やシュレッダーなどで一次破砕後、該古紙100重量部に対し融点が35℃以上の廃脂肪類を少なくとも6.2重量%以上、好ましくは6.2〜10重量%を混合し、自由粉砕機、具体的にはピンミルなどの粉砕機で綿状の繊維状に破砕して生成した、目標の吸水量が1.5g/g以下の撥水性能を有する油吸着材とする。
前記廃脂肪類は具体例として、パーム油を生成した後の残渣であるパーム油残渣、又は、ラードを生成又は使用した後の残渣である廃ラード、又は、バターを生成又は使用した後の残渣である廃バター等とする。
前記古紙が廃カーボン紙であり廃脂肪類がパーム油残渣又は廃ラードであるとき、廃カーボン紙100重量部に対し該パーム油残渣又は廃ラードを少なくとも3.2重量%以上、好ましくは3.2〜5重量%混合し、自由粉砕機、具体的にはピンミルなどの粉砕機で綿状の繊維状に破砕して生成した吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する油吸着材とする。
前記古紙が廃カーボン紙であり廃脂肪類が廃バターであるとき、廃カーボン紙100重量部に対し該廃バターを少なくとも3.9重量%以上、好ましくは3.9〜5重量%混合し、自由粉砕機、具体的にはピンミルなどの粉砕機で綿状の繊維状に破砕して生成した吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する油吸着材とする。
実際に前記目的で使用する上で、袋状の油吸着材として、通油性を有する不織布から成る1個又は連成した複数個の袋に前記の撥水処理した油吸着材を充填して袋状の成形体とし、かさ密度0.01〜0.1g/ccとなる油吸着材とする。なお、かさ密度を0.01〜0.1g/ccとする理由は、自由粉砕機で繊維状に破砕した後の古紙のかさ密度が油吸着材として利用する上での最良の形態であることによる。
また、前記の撥水処理した油吸着材100重量部に対し、プラスチック好ましくはポリプロピレン又はポリエチレン又はポリスチレン系の粉末又は繊維を少なくとも5重量%以上、好ましくは10〜20重量%混合したものを、通油性を有する不織布シート、具体的にはプラスチック好ましくはポリプロピレン又はポリエチレン又はポリスチレン系のシート2枚の内側に挟み、この不織布シート表面を、型表面温度110〜140℃、好ましくは略120℃の型で、5〜10分間加熱成形してなることを特徴とするマット状の油吸着材とする。この型は平板状の製品形状に対応した型枠であっても良いし、帯状製品を連続して成形する型であっても良い。
前記古紙への廃脂肪類の添加比率は、古紙100重量部に対し融点が35℃以上の廃脂肪類を一定量以上混合することとしているが、廃脂肪類の量が多くなると撥水性は向上するが吸油性が低下するので上限があり、実用上、古紙100重量部に対し廃脂肪類の上限は10重量%程度である。
なお、常温で液状の廃油、及び、固形状の廃油をそれぞれ撥水剤として添加し吸水実験した結果、固形状の廃油が有効な撥水性能を示したことにより、常温で固形状の廃油を撥水剤として用いることとし、パーム油残渣、廃ラード、廃バターの融点測定を元に、融点が35℃以上の廃脂肪類とした。
本発明における油吸着材の製造工程の流れを図1で説明する。なお、( )書き数字は図1の工程の数字と合わせてある。
(1)廃カーボン紙などの古紙を供給 →(2)剪断破砕機で一次破砕 →(3)一次破砕された古紙 →(4)廃脂肪類を準備 →(5)一次破砕された古紙と廃脂肪類を計量して混合 →(6)自由粉砕機で破砕 →(7)油吸着材ができる
ここで、袋状油吸着材は、(8)不織布に一定量を袋詰めして袋状油吸着材が完成する。
また、マット状の油吸着材は、(9)プラスチック粉末を準備 →(10)油吸着材とプラスチック粉末を計量して混合 →(11)一定量を型枠に詰めて加熱成形 →(12)マット状油吸着材ができる。
本発明の実施例を図2〜図9を用いて説明する。
吸水試験は、100mm×100mmのポリエステル製不織布に、供試繊維を4.0g入れ、水の上に5.0分間放置した後、これを取り上げ5.0分間水切り後、不織布から繊維を取り出し、この繊維の重量増を吸水水分量として測定、元の繊維重量に対する比を吸水量(g/g)とした。
油吸着試験は、100mm×100mmのポリエステル製不織布に、供試繊維を4.0g入れ、試験用の油の上に5.0分間放置した後、これを取り上げ5.0分間油切り後、不織布から繊維を取り出し、この繊維の重量増を油の吸着量として測定、元の繊維重量に対する比を油吸着量(g/g)とした。
図2は、廃カーボン紙にパーム油残渣を添加した場合の吸水試験の結果である。廃カーボン紙100重量部に対しパーム油残渣の添加量(重量%)を変化させて吸水した重量を測定し、油吸着材の単位重量あたりの吸水重量である吸水量(g/g)でまとめたものである。パーム油残渣の添加量を増加するに従い吸水量が減少するのが認められる。吸水量の目標値を1.5g/g以下としたとき、パーム油残渣の添加量は略3.2重量%以上である。このことから、廃カーボン紙100重量部に対しパーム油残渣の添加量を3.2重量%以上添加することにより吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する。
図3は、一般古紙の一例として雑紙にパーム油残渣を添加した場合の吸水試験の結果である。雑紙100重量部に対しパーム油残渣の添加量(重量%)を変化させて吸水重量を測定した。この結果、廃カーボン紙100重量部に対しパーム油残渣の添加量を6.2重量%以上添加することにより吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する。
図2と図3におけるパーム油残渣を添加した場合の吸水試験の結果、雑紙に比較して廃カーボン紙の方が吸水量が少なく撥水性に優れていることが示される。
図4は、廃カーボン紙に廃ラードを添加した場合の吸水試験の結果である。廃カーボン紙100重量部に対し廃ラードの添加量(重量%)を変化させて吸水重量を測定した。この結果、廃カーボン紙100重量部に対し廃ラードの添加量を3.2重量%以上添加することにより吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する。
図5は、廃カーボン紙に廃バターを添加した場合の吸水試験の結果である。廃カーボン紙100重量部に対し廃バターの添加量(重量%)を変化させて吸水重量を測定した。この結果、廃カーボン紙100重量部に対し廃バターの添加量を3.9重量%以上添加することにより吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有する。
図6は、廃カーボン紙にパーム油残渣を添加した場合の油吸着試験で、A重油を対象とした場合の結果である。廃カーボン紙100重量部に対しパーム油残渣の添加量(重量%)を変化させて吸着油重量を測定し、その結果を油吸着材の単位重量あたりの吸着油重量である油吸着量(g/g)でまとめたものである。パーム油残渣の添加量0〜6%で油吸着量は11〜12g/gであり、油吸着材としの性能は満足できる。なお、パーム油残渣の添加量が更に増加すると、これに吸着する外部からの油吸着量は当然減少する。
図7は、一般古紙の一例として雑紙にパーム油残渣を添加した場合の油吸着試験で、A重油を対象とした場合の結果である。雑紙100重量部に対しパーム油残渣の添加量(重量%)を変化させて吸着油重量を測定した。パーム油残渣の添加量0〜6%で油吸着量は11〜13g/gである。前記同様、パーム油残渣の添加量が更に増加すると、これに吸着する外部からの油吸着量は当然減少する。
図6,図7の油吸着試験結果から、パーム油残渣を添加した場合の廃カーボン紙と雑紙との比較では油吸着量の顕著な差はない。しかし、図2、図3の吸水試験結果のように、パーム油残渣添加量が零あるいは少量だと吸水量は大きく、水を吸った後では油吸着量は少量となる。また、吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有するパーム油残渣添加量は、雑紙に比較して廃カーボン紙の方が少なくてすむ。これらから、油吸着材として廃カーボン紙の方が雑紙より有効である。その理由としては、廃カーボン紙にはカーボンを練り込んだワックスが予め塗布されており、この効果により撥水性能を有するためと考えられる。
図8は、袋状油吸着材1を示す。2枚の不織布シート11の間に撥水処理された繊維状の油吸着材12を挿入した状態になるように、四方の熱溶着部13a、13b、13c、13dおよび全体を等分割した、図の例では三分割する2カ所の熱溶着部14a、14bで袋状に熱溶着される。この例では、横寸法L1は250〜900mm、縦寸法L2は250〜900mmである。なお、袋状に成形するための袋の分割数や寸法はこの例にこだわるものではない。
図9は、マット状油吸着材2を示す。2枚の不織布シート21の間に予め熱融着性のプラスチックの粉末又は繊維を混ぜた油吸着材22を挟んで、上下の不織布シート21を加熱してマット状に成形する。この例では、横寸法L1は250〜900mm、縦寸法L2は250〜900mm、厚さ10〜15mmである。なお、マット状に成形するための寸法はこの例にこだわるものではない。
本発明は、古紙の利用と廃油の利用が可能で、廃棄物の再利用化を推進するものであり、特に再利用が難しかったカーボン紙の再資源化に道を拓くものである。本発明による油吸着材の性能は良好であり、製造方法も簡便で安価であることから、実用技術として産業に貢献できる。
油吸着材の製造工程の説明図 廃カーボン紙にパーム油残渣を添加した場合の吸水試験結果のグラフ 雑紙にパーム油残渣を添加した場合の吸水試験結果のグラフ 廃カーボン紙に廃ラードを添加した場合の吸水試験結果のグラフ 廃カーボン紙に廃バターを添加した場合の吸水試験結果のグラフ 廃カーボン紙にパーム油残渣を添加した場合の油吸着試験結果のグラフ 雑紙にパーム油残渣を添加した場合の油吸着試験結果のグラフ 袋状油吸着材 マット状油吸着材
符号の説明
1 袋状油吸着材
2 マット状油吸着材
11 不織布シート
12 撥水処理された繊維状の油吸着材
13 四方の熱溶着部
14 等分割の熱溶着部
21 不織布シート
22 熱融着性のプラスチックの粉末又は繊維を混ぜた油吸着材

Claims (6)

  1. 古紙を剪断破砕機で一次破砕後、該古紙100重量部に対し融点が35℃以上の廃脂肪類を少なくとも6.2重量%以上混合し、自由粉砕機で繊維状に破砕して生成した吸水量1.5g/g以下の撥水性能を有することを特徴とする油吸着材。
  2. 前記廃脂肪類がパーム油残渣又は廃ラード又は廃バターであることを特徴とする請求項1に記載の油吸着材。
  3. 前記古紙が廃カーボン紙であり前記廃脂肪類がパーム油残渣又は廃ラードであって、該廃カーボン紙100重量部に対し該パーム油残渣又は廃ラードを少なくとも3.2重量%以上混合した請求項1に記載の油吸着材。
  4. 前記古紙が廃カーボン紙であり前記廃脂肪類が廃バターであって、該廃カーボン紙100重量部に対し該廃バターを少なくとも3.9重量%以上混合した請求項1に記載の油吸着材。
  5. 不織布から成る1個又は連成した複数個の袋に前記請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかの吸着材を充填して袋状の成形体と成し、該成形体が、かさ密度0.01〜0.1g/ccとなることを特徴とする油吸着材。
  6. 前記請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかの油吸着材100重量部に対し、熱融着性を有するプラスチックの粉末又は繊維を少なくとも5重量%以上混合したものを、不織布シート2枚の内側に挟み、該不織布シート表面を、型表面温度110〜140℃の型で、5〜10分間、加熱成形してなることを特徴とするマット状の油吸着材。
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