JP2001088108A - パルプビーズの製造方法及び製造装置 - Google Patents

パルプビーズの製造方法及び製造装置

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JP2001088108A
JP2001088108A JP26841799A JP26841799A JP2001088108A JP 2001088108 A JP2001088108 A JP 2001088108A JP 26841799 A JP26841799 A JP 26841799A JP 26841799 A JP26841799 A JP 26841799A JP 2001088108 A JP2001088108 A JP 2001088108A
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pulp
beads
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paper
disk
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JP26841799A
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English (en)
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Tomoaki Takasaki
智明 高崎
Takehito Tomita
岳人 富田
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用後の処理に際しては、易処理性があり、機
能としては緩衝性、断熱性などに優れたパルプビーズ及
びそのビーズを集合体としたパルプ成型体を、容易に製
造できるパルプビーズの製造方法及びその製造装置を提
供する。 【解決手段】少なくとも紙を含む解繊状加工物を主原料
とし、任意の形状を有する立体成形物を、周知の圧縮成
形機、発泡スチロール成形機を用いて成形する際に使用
する粒状のパルプビーズの製造方法において、少なくと
も紙を含む解繊状加工物を用意し、バインダーにより繊
維同士の一部分を接着しつつ繊維間の空隙を保持してな
る小片加工物を作成し、前記小片加工物の表面に少なく
とも1層の機能性塗膜層を設け、前記小片加工物の面取
り成形を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも紙を含
む解繊加工物を主原料とする電化製品や食品包装の緩衝
材や、断熱材や防音材等の建材などの立体成形物を、周
知の圧縮成形機、発泡スチロール成形機を用いて複数個
のパルプビーズを結合して製造する際に用いるパルプビ
ーズの製造装置及び製造方法であり、繊維間の空隙を保
持しつつ、バインダーで該繊維同士の一部分が接着され
たシートを断裁して成る小片加工物の表面に、少なくと
も一層の発泡性中空粒子を含む機能性塗膜を設ける方法
及びその際に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への関心が大変高まって
おり、製品が廃棄されたときの易処理性、あるいはリサ
イクル性は商品設計において重要なポイントとなってい
る。発泡スチロールは、包装緩衝材や建材等に幅広く用
いられる。安価であり性能も優れているが、使用後、焼
却処理を行うと高熱の発生による炉の損傷等が指摘さ
れ、また埋立処理した場合は、分解性がなく嵩ばるため
処理場の不足を招く一因とも考えられている。
【0003】一方、古紙をリサイクルして用いた商品
は、段ボール紙、再生紙等多岐に渡っているが、その中
でも緩衝材として用いられるパルプモールドが注目を集
めている。パルプモールドは、再生パルプを原料として
製造され、形状を工夫することで緩衝力、強度を与えら
れるものであり、焼却、埋立のいずれの処理も容易であ
る。
【0004】しかし、パルプモールドは緩衝強度は十分
とはいえず、使用範囲は限定されたものであった。ま
た、緩衝材の設計と製造のために、専用の複雑な形状の
金型を作成するなどの必要があって時間を要し、新しい
形状の試作、開発が困難であった。さらに発泡スチロー
ルのように、緩衝材以外の用途に応用して用いることは
難しく、成形性、加工性がなかった。またパルプモール
ド以外には、紙製の造粒物を作製し、これを利用する発
明がなされている。
【0005】特公昭64-8976号公報において、ポリビニ
ルアルコール水溶液を含有する、離解または、粗砕した
繊維素系素材をリファイナーへ供給し、半造粒繊維体を
形成、これを積層して植物育苗培地とする発明がなされ
ている。しかしこの発明による積層物は、多くの水分を
含んだ状態でリファイナーに供給して半造粒物を製造し
ており、その結果、半造粒物は水と混練され、パルプ繊
維間の結合が促されるので、比重の大きい半造粒物とな
ってしまう。これを緩衝材等として利用することは困難
であった。
【0006】また特公平7-35173号公報においては、パ
ルプや異質の繊維素材を粒状に加工して基材とし、これ
と接着剤との混合物を成形型内に充填し、加圧して得る
包装用緩衝材が提案されている。この方法においても、
パルプを水中で離解する工程を経て、脱水後、押圧する
ようにしてパンチボードに設けた孔を通過させて造粒が
行われているため、比重が高い造粒物となり、緩衝材と
して利用する場合、その緩衝対象が制限される。
【0007】また一方、造粒に当たって、紙やパルプを
解繊処理したものを素材として用いる方法も多く提案さ
れている。例えば、特開平5-246465号公報においては、
古紙を解繊して綿状物とし、これに霧状の水分を与え
て、湿潤状態部と非・低湿潤状態部を生じさせ、攪拌し
て湿潤部で非・低湿潤部を覆って粒状物とし、これを糊
材を介して、成形する緩衝材等再生物の製造方法の発明
がなされている。
【0008】また特開平7-60847号公報では、紙片又は
繊維塊からなる種片と、解繊繊維との混合物に水を供給
して攪拌、玉を製造し、これを糊材を介して成形した解
繊繊維成形体と製造方法が発明されている。これらの方
法では、造粒にあたっての紙繊維等の結合は水分を介し
た作用のみであり、結合としては弱く、成形物を作製す
るための接着剤の混合の過程で、粒が崩壊したり、ある
いはまた、粒を単独で、バラ緩衝材のような使用環境に
提供することは困難であるという恐れがある。粒の結合
を強くするため、水分を多く供給したり、攪拌時間を延
長すると、粒の比重が高くなり、緩衝性に影響する問題
がある。
【0009】また特開平6-179469号公報において、解繊
した紙材を毛玉状に結集して形成された粒体を、接着剤
を介して接着させた緩衝材が提案されている。しかし、
この発明でも、緩衝材における構成単位であるパルプの
粒体自体の強度は弱く、粒体を単独でバラ緩衝材のよう
な用途に用いることは困難であるという問題点があっ
た。
【0010】さらに特開平6-247472号公報においては、
解繊された古紙と水と弾性接着剤とを添加し、回転力や
振動を与えて、団粒化し、接着剤を介在させて団粒を接
着した緩衝材が提案されている。
【0011】しかし、この発明による方法では、緩衝性
や断熱性の機能部材として用いるために有効である、低
比重の造粒物を得るためには、以下のような点で問題点
があった。一つには、解繊物の絡み合いが混合造粒に障
害となり、造粒の進行が遅く製造性が悪いという点であ
り、もう一つには、造粒物形成を進めるため、混合を継
続すると、バインダーやあるいは溶媒によって繊維が密
着する傾向になり、低比重化が図れなくなる恐れがある
という点である。
【0012】また、上記のような、解繊物を造粒に用
い、さらに成形する何れの方法も、成形するために、接
着剤を介在させ、圧縮充填し造粒物を接着し成形を行っ
ている。しかし接着剤のもつタック性や、粘性により、
粒体が型への投入の前に塊を形成してしまう恐れがあ
り、複雑な形状への均一な充填が困難であるという問題
点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、なされたものである。すなわち、使用後の処
理に際しては、易処理性があり、機能としては緩衝性、
断熱性などに優れたパルプビーズ及びそのビーズを集合
体としたパルプ成型体を、容易に製造できるパルプビー
ズの製造方法及びその製造装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するものであり、請求項1の発明は、少なくとも紙を
含む解繊状加工物を主原料とし、任意の形状を有する立
体成形物を、周知の圧縮成形機、発泡スチロール成形機
を用いて成形する際に使用する粒状のパルプビーズの製
造方法において、少なくとも紙を含む解繊状加工物を用
意し、バインダーにより繊維同士の一部分を接着しつつ
繊維間の空隙を保持してなる小片加工物を作成し、前記
小片加工物の表面に少なくとも1層の機能性塗膜層を設
け、前記小片加工物の面取り成形を行うことを特徴とす
るパルプビーズの製造方法としたものである。
【0015】本発明の請求項2の発明は、円筒状枠体中
に、中心軸が円筒の中心軸と一致する一対の円盤をそれ
ぞれ逆方向に回動可能に上下に備え、上円盤の上面に中
心軸に向かって傾斜する傾斜面を設け、上円盤の中心部
の周辺に少なくとも1個の貫通孔を設けてあり、上円盤
の下面と下円盤の上面が離れて空間をなし、この空間部
分に相当する部分の円筒状枠体に少なくとも1カ所の取
り出し口を設け、上円盤の上方に噴霧装置が上円盤の上
方に向け噴霧するよう設けられていることを特徴とする
パルプビーズの製造装置としたものである。
【0016】本発明の請求項3の発明は、少なくとも紙
を含む解繊状加工物を主原料とし、任意の形状を有する
立体成形物を、周知の圧縮成形機、発泡スチロール成形
機を用いて成形する際に使用する粒状のパルプビーズの
製造方法において、少なくとも紙を含む解繊状加工物を
用意し、バインダーにより繊維同士の一部分を接着しつ
つ繊維間の空隙を保持してなる小片加工物を作成し、前
記小片加工物を、請求項2に記載の製造装置に円筒状枠
体上方より投入し、円盤を互いに逆向きに回動させ、噴
霧装置により機能性溶液を噴霧し、前記小片加工物の表
面に少なくとも1層の機能性塗膜層を設け、上円盤の傾
斜面に沿って貫通孔へ移動し上下円盤間の空間部分に導
き、2枚の対向した円盤により、前記小片加工物の面取
り成形を行うことを特徴とするパルプビーズの製造方法
としたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まずパルプビーズを構成する主原料としては、針葉樹、
または広葉樹を用いた晒、または未晒であるクラフトパ
ルプ、ソーダパルプ、スルファイトパルプ、砕木パル
プ、レファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ
等のバージンパルプ、あるいはこれらパルプより成る紙
の解繊加工物、古紙、古段ボール紙、古雑誌等に由来す
る再生パルプ等が使用可能であり、これらを単独に、あ
るいは2種以上併せて用いる。
【0018】これらに合成樹脂フィルムなどが混入され
ていても差し支えない。これらのパルプ等の原料を、適
当な方法で解繊処理を行う。解繊の方法は、原料を乾燥
状態で解繊状態とできる方法であれば、どの様な方法、
設備、装置を用いても差し支えない。
【0019】このようにして用意された解繊加工物の粒
状加工を容易なものとするため、解繊加工物にバインダ
ーを供給する。後述するように本発明によるパルプビー
ズは、その表面に機能性塗膜を設け、その塗膜によりビ
ーズ形状の保持を図る意図を含んでいるので、ここでの
バインダーは、いわば仮造粒・仮接着の機能を果たすも
のであればよい。すなわちこの後の工程などで解繊加工
物の小片化加工にあたって、小片化物がその加工過程で
大きく崩壊しない程度に接着できていればよい。言い換
えれば、本発明によるパルプビーズや成形体は、緩衝材
や断熱材として機能をもたせるため、パルプビーズは低
比重造粒物であることが必要である。このような低比重
造粒物を得るために、繊維間の空隙を保持することが不
可欠であるとともに、造粒加工適性を向上させるために
は、繊維同士の一部分が接着される状態であることが望
まれる。
【0020】この条件に適応するようにバインダー量や
供給方法が選択されなければならない。そして、後工程
で、解繊物とバインダーを混合したものを小片化した
際、小片化物の見かけ比重は、0.03から0.25の
範囲になることが、機能上好ましい。
【0021】バインダーの種類としては上記の状態が得
られる材料系であればよい。例えば、ポリエチレン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ナイロンな
どのポリアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、
またこれらが共重合したもの、例えば、酢酸ビニル-ポ
リエチレン共重合物、ポリエチレンーアクリル酸共重合
物等を用いた熱可塑性接着剤、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等
の熱硬化性接着剤、合成ゴム、天然ゴム等を用いたゴム
系接着剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、澱粉、寒天などの水溶性高分子、膠、ゼラチ
ン、カゼイン、グルテン等のタンパク質、小麦粉等の植
物性結合材が例示でき、これらを単独で、もしくは2種
以上を混合して用いることができる。
【0022】解繊物へのバインダー供給は、適切な溶媒
に溶解して噴霧等の方法により供給する方法、あるいは
粉末状として供給する方法などが例示でき、特定されな
い。そして、バインダーの機能が発揮できる方法、すな
わち溶媒の乾燥や、加熱、あるいは適切な水分の供給等
により、解繊物繊維の一部を接着して塊状やシート状と
する。この時、適切な圧力をかけて加工をおこなっても
よい。
【0023】このように解繊物とバインダーにより得ら
れた塊状物、あいはシートを断裁した小片加工物の表面
に、機能性塗膜層を設ける。その後小片加工物の面取り
形成を行い、パルプビーズを作成する。なお、機能性塗
膜層として例えば発泡性中空粒子を含む熱可塑性樹脂塗
膜層を設けるが、発泡性中空粒子を含む熱可塑性樹脂塗
膜層の造膜性を向上する為、場合により前記小片加工物
の表面に目止めする為、一旦被膜層を設けた後、発泡性
中空粒子を含む熱可塑性樹脂塗膜層を設けることも出来
る。
【0024】本発明のバルブビーズの製造装置である転
動式造粒機を用いたパルプビーズの製造方法について説
明する。本装置は、円筒状の枠体中に、中心軸が円筒の
中心軸と一致する一対の円盤を回動可能に上下に備えて
ある。円盤の径は円筒状の枠体の内径に略等しい。上下
の円盤はお互いに逆方向に回転させる。上円盤の上面に
中心軸に向かって傾斜する傾斜面が設けてあり、上円盤
の中心部の周辺に少なくとも1個の貫通孔を設けてられ
ている。上円盤の下面と下円盤の上面が離れて空間をな
しており、さらにこの空間部分に相当する部分の円筒状
の枠体に少なくとも1カ所の取り出し口を設けている。
なお、上円盤の上方に、噴霧装置が上円盤の上方に向け
噴霧するよう設けられている。
【0025】この装置の枠体上方に前記の解繊物とバイ
ンダーにより得られた塊状物、あるいはシートを断裁し
た小片加工物を投入する。噴霧器からは、機能性塗膜の
溶液を上円盤に向け噴霧している。回転した上円盤上で
小片加工物の表面に、噴霧器により機能性塗膜が塗布さ
れると同時に、小片加工物は円盤のテーパーに沿って中
心軸に近づき、貫通孔から上下円盤間の空間に移動す
る。円盤がお互いに逆向きに回転しているので、この空
間中で小片加工物の面取り形成を行い、パルプビーズと
する。その後枠体の取り出し口からパルプビーズを取り
出す。
【0026】なお、小片加工物に機能性塗膜を塗布する
際に、発泡性中空粒子が小片加工物の内部に入り込み場
合があり、前述のように、表面の目止めのため、塗布す
る前に小片加工物の表面に皮膜層を設けてもよい。被膜
層を設ける方法は転動式造粒機に設けた噴霧装置によっ
て行うことも出来る。前記小片化物の表面に設ける被膜
層の材質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴ
ム、水溶性高分子、澱粉、タンパク質、ロジンの何れか
のエマルジョン、溶剤に、分散、溶解させたものを用い
ることが出来る。
【0027】機能性塗膜とは、小片化物表面付近に高い
濃度で機能性の材料層を設けることで、ここでいう機能
性とは、上述のように解繊物繊維間を仮接着して得られ
た小片化物が崩壊しないように表面を接着して強度を与
えることや、あるいは、この機能性塗膜を介して接着を
行う機能を指している。
【0028】機能性塗膜材料としては、水溶性増粘剤も
しくは熱可塑性樹脂と発泡性中空粒子の混合物が挙げら
れる。水溶性増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム
塩、澱粉、寒天、マンナン等の天然多糖類、カルボキシ
メチルセルロースなどの天然多糖類の処理物、もしくは
ポリビニルアルコールなどの合成水溶性ポリマー等が例
示できる。
【0029】また熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチ
ラール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン
などのポリアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げら
れ、またこれらが共重合したもの、例えば、酢酸ビニル
-ポリエチレン共重合物、ポリエチレンーアクリル酸共重
合物等が例示でき、特に限定されない。また、これらを
単独で用いても、あるいは混合して用いてもよい。
【0030】発泡性粒子としては、マイクロカプセル内
に低沸点の溶剤が封入された熱膨張性のマイクロカプセ
ルを使用することができる。すなわち外殻のポリマーが
加熱により軟化するとともに内殻の溶剤がガス化し、体
積が数十倍に膨張するものである。
【0031】具体的には、内殻の溶剤としては、イソブ
タン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン等の有機溶剤
を、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル等からなる熱可塑性樹脂
で包み込んだ熱膨張性マイクロカプセルを好ましく使用
できる。
【0032】熱可塑性樹脂に対する発泡性粒子の混合比
率も特に限定されない。塗布後は転動造粒機より取り出
し、熱可塑性樹脂の溶融温度以下で乾燥して溶媒を蒸発
させ、塗膜とする。パルプビーズに塗膜される樹脂量
は、例えばバラの緩衝材として利用される際に要求され
る緩衝性等の条件や、あるいは結合して成形体として用
いる場合等に要求される接着強度や、膨張した発泡性粒
子によりもたらされる弾性等によって付加される緩衝性
等の状態により、適宜選択すればよく、特に限定されな
い。またコーティング後のパルプビーズの見かけ比重と
しては、0.05から0.2の範囲であることが望まし
い。この範囲外では、特に家電製品等の緩衝包装におい
て、十分な緩衝性を得ることが困難と考えられる。
【0033】本発明による製造方法で作成したパルプビ
ーズは、以上のように製造されるから、表面に機能性塗
膜が形成され、略球形の形状のパルプビーズが得られ
る。このようにして得られたパルプビーズであるので、
適当な方法により結合し、集合させた成形体を容易に作
成することが可能である。
【0034】結合に当たっての方法としては、ビーズ表
面に設けた発泡性中空粒子を含む熱可塑性樹脂塗膜層を
接着に利用する方法が挙げられる。パルプビーズにあら
かじめ設けた塗膜を利用する場合には、その塗膜の性質
に応じて接着のための操作を行えばよい。発泡性中空粒
子を含む熱可塑性樹脂塗膜層を設けたコーティング層を
有するパルプビーズを所望量、希望する形状に用意した
枠型内に投入し、発泡性中空粒子を含む熱可塑性樹脂塗
膜層の溶融温度に応じた適当な温度、適当な方法で加熱
し、樹脂を溶融、あるいは発泡性粒子を膨張させ、その
後冷却して固化させ、パルプビーズ同士を接着し、成形
体として得る。
【0035】またさらに、パルプ成形体からの、パルプ
ビーズの脱落や成形体の割れを抑制する目的で、パルプ
成形体に樹脂層を設けても良い。樹脂層を設けるに当た
っては、コーティングによってパルプ成型体の表面に樹
脂層を設ける方法と、パルプ成型体を樹脂フィルムで被
覆する方法が挙げられる。コーティングによる方法の場
合、コーティングされる樹脂としては、水溶性増粘剤か
らなる水溶性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0036】水溶性増粘剤としては、アルギン酸ナトリ
ウム塩、澱粉、寒天、マンナン等の天然多糖類、カルボ
キシメチルセルロースなどの天然多糖類の処理物、もし
くはポリビニルアルコールなどの合成水溶性ポリマー等
が例示できる。
【0037】また熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチ
ラール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン
などのポリアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げら
れ、またこれらが共重合したもの、例えば、酢酸ビニル
-ポリエチレン共重合物、ポリエチレンーアクリル酸共重
合物等が例示でき、特に限定されない。また、これらを
単独で用いても、あるいは混合して用いてもよいこれら
を、水を含めた適当な溶剤に溶解されたもの、エマルジ
ョンとしたもの等準備し、スプレーコーティング、含浸
等の方法により、塗布、乾燥する。あるいは、粉末化さ
れた樹脂をディスパージョンとし、噴霧等行っても良
い。
【0038】また、樹脂フィルムで被覆する方法も、限
定されないが、スキンパック包装等の方法が例示でき
る。すなわちスキンパック包装あれば、適当な径の有孔
台紙上にパルプ成型体をのせ、熱可塑性フィルムを被せ
て、加熱しつつ台紙側より減圧脱気し、パルプ成形体と
フィルムを密着させる。フィルムの種類としてはポリエ
チレン、ナイロン、アイオノマー等の樹脂フィルムが例
示できるが、生分解性樹脂のフィルムを用いることが、
処理性等を考慮すると一層好ましい。生分解性樹脂とし
てはポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリブチレンサク
シネート等が例示できる。
【0039】なお本発明に用いる製造装置である転動造
粒機は、前記の他に、パルプビーズの取り出し口を有す
る円筒状の枠体物と、その内側に少なくとも一個の噴霧
装置と、回転可能な円盤と、円盤に対向した回転方向或
いは回転速度が異なる回転可能な着脱式、或いは上下が
可能な円盤を有し、円盤と円盤の隙間に通じる小片加工
物の投入口を有するものであっても良い。 又、転動造
粒機装に、パルプビーズ乾燥用のブロアーを設けること
も可能である。
【0040】
【実施例】<実施例1>段ボール古紙を、ターボ工業
(株)製ターボミルを用いてした解繊加工品100重量
部を攪拌しつつポリビニルアルコール5%水溶液:20
重量部をスプレーして供給した。これを120℃で熱プ
レス加工し、厚さ約5mm、見かけ比重0.08のシー
ト状物を得た。これを直径5mmで打ち抜き、表面に澱
粉を用い被膜層を設けた後、本発明のパルプビーズ製造
装置の一実施例である図1の転動造粒機を用いて、パル
プビーズを製造した。
【0041】本実施例に用いた本発明の転動造粒機は、
図1に示すように開口可能なパルプビーズの取り出し口
2を有する円筒状枠体1と、その内側に少なくとも一個
の噴霧装置3と、回転可能な円盤4と、円盤4に対向し
た円盤5と、円盤4と円盤5の隙間に通じる貫通孔(パ
ルプビーズ投入口)6を有するものであり、円盤4と円
盤5の隙間は、円盤の中心付近と円盤の終端部共に同一
寸法であるものを用いた。先ず、円盤5に5rpmで回
転を与えつつ、円盤4を25rpmで円盤5と反対に回
転させた。このような状態にしておき、円筒上部より上
記の表面に被膜層を設けたシート状物(小片加工物)7
を投入し、噴霧装置3より熱可塑性樹脂と発泡性粒子の
混合物を噴霧量が1cm2あたり0.0065gとなる
ように噴霧し、熱可塑性樹脂と発泡性粒子を塗布した。
なお、熱可塑性樹脂:エチレン酢酸ビニル共重合物エマ
ルジョン(固形分25%溶液)100重量部に、発泡性
粒子:熱膨張性マイクロカプセル(マイクロスフィアF1
400、松本油脂(株)製、固形分70%)35重量部を
混合したものを噴霧した。その後小片加工物は、円盤5
のテーパー51に沿って貫通孔(パルプビーズ投入口)
6へ移動し上下円盤の空間部分に導き、装置より取り出
し口2より取り出し、80℃で1分間熱風トンネルで乾
燥し、発泡性粒子を含有するエチレンー酢酸ビニル共重
合物塗膜が形成されたパルプビーズを得た。パルプビー
ズの見かけ比重は約0.09であった。
【0042】内寸100mm×100mm×50mmの
アルミニウム製枠型内に、前記パルプビーズを、型体積
の1.2倍量用意し、圧縮充填し、型内に加圧蒸気を導
入し、130℃に加熱しビーズを接着、型内を真空ポン
プで吸引し水分を除去後、枠より取り出し、成形体を得
た。得られた成形物の表面に、酢酸ビニルエマルジョン
を、パルプ発泡体表面に、噴霧量が1cm2あたり0.
0065gとなるように噴霧した後、乾燥させ、パルプ
成形体を得た。
【0043】<実施例2>段ボール古紙を、ターボ工業
(株)製ターボミルを用いてした解繊加工品100重量
部を攪拌しつつポリビニルアルコール5%水溶液:20
重量部をスプレーして供給した。これを120℃で熱プ
レス加工し、厚さ約5mm、見かけ比重0.08のシー
ト状物を得た。これを直径5mmで打ち抜き、表面に澱
粉を用い被膜層を設けた後、本発明のパルプビーズ製造
装置の一実施例である図2の転動造粒機を用いて、パル
プビーズを製造した。
【0044】本実施例に用いた本発明の転動造粒機は、
図2に示すように開口可能なパルプビーズの取り出し口
2を有する円筒状枠体1と、その内側に少なくとも一個
の噴霧装置3と、回転可能な円盤4と、円盤4に対向し
た円盤5と、円盤4と円盤5の隙間に通じる貫通孔(パ
ルプビーズ投入口)6を有するものであり、円盤4と円
盤5の隙間は、円盤の中心付近より円盤の終端部が狭い
寸法のものを用いた。本実施例では、円盤5の下面に、
終端部から中心部に向け、1°のテーパーを設けた。先
ず、円盤5に5rpmで回転を与えつつ、円盤4を25
rpmで円盤5と反対に回転させた。このような状態に
しておき、円筒上部よりシート状物を直径5mmで打ち
抜き表面に被膜層を設けた小片加工物7を投入し、噴霧
装置3より熱可塑性樹脂と発泡性粒子の混合物を噴霧量
が1cm2あたり0.0065gとなるように噴霧し、
熱可塑性樹脂と発泡性粒子を塗布した。なお、熱可塑性
樹脂:エチレン酢酸ビニル共重合物エマルジョン(固形
分25%溶液)100重量部に、発泡性粒子:熱膨張性
マイクロカプセル(マイクロスフィアF1400、松本油脂
(株)製、固形分70%)35重量部を混合したものを
噴霧した。その後小片加工物は、円盤5のテーパー51
に沿って貫通孔(パルプビーズ投入口)6へ移動し上下
円盤の空間部分に導き、装置より取り出し、80℃で1
分間熱風トンネルで乾燥し、発泡性粒子を含有するエチ
レンー酢酸ビニル共重合物塗膜が形成されたパルプビー
ズを得た。パルプビーズの見かけ比重は約0.10であ
った。
【0045】内寸100mm×100mm×50mmの
アルミニウム製枠型内に、前記パルプビーズを、型体積
の1.2倍量用意し、圧縮充填し、型内に加圧蒸気を導
入し、130℃に加熱しビーズを接着、型内を真空ポン
プで吸引し水分を除去後、枠より取り出し、成形体を得
た。得られた成形物の表面に、酢酸ビニルエマルジョン
を、パルプ発泡体表面に、噴霧量が1cm2あたり0.
0065gとなるように噴霧した後、乾燥させ、パルプ
成形体を得た。
【0046】なお、本実施例では、上下の円盤間の空間
部分の間の距離が、中心部分より終端部分の距離が狭い
ものを用いた。これは、小片加工物の面取り処理をよく
するためである。本実施例では、上円盤の下面に1°の
傾斜面を設けたが、これが15°を越えるとバルブビー
ズが出しにくくなるので、デーパーは15°以下、好ま
しくは5°以下のものが好適に採用できる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、紙を主体とする解繊加
工物にバインダーを供給し、繊維を部分的に結合しつ
つ、繊維の絡み合いの間の空隙を残した弾性のあるシー
トを断裁して成る小片加工物の表面に、容易に機能性塗
膜を設けることが出来、さらに本発明によって得られた
パルプビーズは、周知の発泡スチロール成形機等によっ
て成形体を得る際にパルプビーズ同士を接着する為に必
要な、機能性塗膜を表面に有する為、機能性塗膜の効果
を十分に発揮してビーズ同士を接着して集合体とし、容
易に成形物とすることが可能であり、その成形物も、緩
衝性や断熱性、強度も利用分野に幅広く利用することが
でき、使用後も易処理性がありまた、多様な成形物形状
へも対応できるパルプビーズの製造方法及び製造装置と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の1実施例を断面で表した説
明図である。
【図2】本発明の製造装置の他の実施例を断面で表した
説明図である。
【符号の簡単な説明】
1・・・・枠体 2・・・・取り出し口 3・・・・噴霧装置 4・・・・円盤 5・・・・円盤 6・・・・貫通孔 7・・・・小片加工物 51・・・・テーパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B260 AA02 AA09 AA20 BA04 BA19 CB02 CC02 CD02 CD11 CD16 EA05 EB02 EB06 EB09 EB11 EB13 EB19 EB21 EC18 4F070 AA02 AC75 AC80 AC82 AD05 AE12 AE22 DA55 DB04 DC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも紙を含む解繊状加工物を主原料
    とし、任意の形状を有する立体成形物を、周知の圧縮成
    形機、発泡スチロール成形機を用いて成形する際に使用
    する粒状のパルプビーズの製造方法において、少なくと
    も紙を含む解繊状加工物を用意し、バインダーにより繊
    維同士の一部分を接着しつつ繊維間の空隙を保持してな
    る小片加工物を作成し、前記小片加工物の表面に少なく
    とも1層の機能性塗膜層を設け、前記小片加工物の面取
    り成形を行うことを特徴とするパルプビーズの製造方
    法。
  2. 【請求項2】円筒状枠体中に、中心軸が円筒の中心軸と
    一致する一対の円盤をそれぞれ逆方向に回動可能に上下
    に備え、上円盤の上面に中心軸に向かって傾斜する傾斜
    面を設け、上円盤の中心部の周辺に少なくとも1個の貫
    通孔を設けてあり、上円盤の下面と下円盤の上面が離れ
    て空間をなし、この空間部分に相当する部分の円筒状枠
    体に少なくとも1カ所の取り出し口を設け、上円盤の上
    方に噴霧装置が上円盤の上方に向け噴霧するよう設けら
    れていることを特徴とするパルプビーズの製造装置。
  3. 【請求項3】少なくとも紙を含む解繊状加工物を主原料
    とし、任意の形状を有する立体成形物を、周知の圧縮成
    形機、発泡スチロール成形機を用いて成形する際に使用
    する粒状のパルプビーズの製造方法において、少なくと
    も紙を含む解繊状加工物を用意し、バインダーにより繊
    維同士の一部分を接着しつつ繊維間の空隙を保持してな
    る小片加工物を作成し、前記小片加工物を、請求項2に
    記載の製造装置に円筒状枠体上方より投入し、円盤を互
    いに逆向きに回動させ、噴霧装置により機能性溶液を噴
    霧し、前記小片加工物の表面に少なくとも1層の機能性
    塗膜層を設け、上円盤の傾斜面に沿って貫通孔へ移動し
    上下円盤の空間部分に導き、2枚の対向した円盤によ
    り、前記小片加工物の面取り成形を行うことを特徴とす
    るパルプビーズの製造方法。
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