JP2002178397A - 車両用防音材及びその製造方法 - Google Patents

車両用防音材及びその製造方法

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JP2002178397A
JP2002178397A JP2000380078A JP2000380078A JP2002178397A JP 2002178397 A JP2002178397 A JP 2002178397A JP 2000380078 A JP2000380078 A JP 2000380078A JP 2000380078 A JP2000380078 A JP 2000380078A JP 2002178397 A JP2002178397 A JP 2002178397A
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晶夫 沢田
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好一 根本
Tsunamasa Shiotani
綱正 塩谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース系解繊物、粉砕物をベースとした
セルロース系基材の組成配合、目付、厚み等を変更する
ことなく、遮音性能を高めた車両用防音材及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 セルロース系解繊物、又は粉砕物をベー
スとした吸音・遮音成分と、この吸音・遮音成分を結合
させる樹脂バインダとからなり、車体パネルの形状に合
わせて成形されるセルロース系基材20と、このセルロ
ース系基材20の表面側に高密度不織布21、あるいは
フィルム22、又は基材20の表層に表面処理剤51を
染み込ませて、紙粘土状に形成した高密度層20bを形
成することにより、遮音性能を高める。また、セルロー
ス系基材20の中間部分にリサイクル材の粉砕物等を素
材とした高密度層25を配置することにより、多重壁遮
音機能を付加して遮音性能を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ダッシュパネル
やフロアパネルに装着されるインシュレータダッシュ、
フロアカーペット等に好適な車両用防音材及びその製造
方法に係り、特に、廉価でかつ吸音性能に優れ、しかも
リサイクルに適したセルロース系基材をベースとした多
層構造体からなる車両用防音材に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、車両には、走行時における静粛性
を確保するために、各種防音材が設置されている。例え
ば、図16に示すように、エンジンルームEと車室Rと
を区画するダッシュパネル1aの室内側には、インシュ
レータダッシュ1が装着されているとともに、車室R内
のフロアパネル2aの室内面にフロアカーペット2が敷
設されている。
【0003】また、エンジンルームE内には、ダッシュ
パネル1aの室内側に取り付けられるダッシュフロント
インシュレータ3やフードパネル4aの室内側に取り付
けられるフードインシュレータ4等が設置され、エンジ
ンルームE内の音圧低下を図るとともに、ルーフパネル
5aの室内面には、ルーフトリム5が装着されている。
尚、図示はしないが、トランクルームやラゲージルーム
内にはトランクトリム、ラゲージトリム、ホイールハウ
ストリム等の防音性を有する内装材が設置されている。
【0004】このように、車室RやエンジンルームE、
あるいはトランクルーム、ラゲージルーム内には各種防
音材が設置されているが、その代表的なものとして、ダ
ッシュパネル1aの室内面に装着されるインシュレータ
ダッシュ1の構成について図17を基に説明する。この
インシュレータダッシュ1としては、吸音・遮音性能を
有する防音性基材6の表面側に遮音材7を一体化した二
層構造のものが従来から知られている。
【0005】そして、遮音材7は、高密度の再生ゴムシ
ートや再生塩ビシート等、重量の嵩むシート材料が使用
されている。一方、防音性基材6の素材としては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下、PETという)等のポ
リエステル繊維やその他の合成繊維をベースとして、低
融点の熱融着性繊維や熱可塑性樹脂パウダー等の樹脂バ
インダを添加して、ニードリング加工や熱風をかけなが
らプレス加工を行なうことにより不織布マットを作製
し、この不織布マットを加熱軟化処理後、コールドプレ
ス成形することによりダッシュパネル1aの形状に合わ
せて防音性基材6を成形している。
【0006】また、別の従来例としては、反毛(毛を原
料とする製品のぼろや屑のもつれを解きほぐして回収し
た羊毛、再生毛)を主繊維とし、これにバインダを添加
して成形性を付与したフエルトを使用することもあり、
このフエルトは、同様に加熱軟化処理後、所要形状にコ
ールドプレス成形することにより防音性基材6を成形し
ている。
【0007】更に、型内にウレタン樹脂液を注入後、発
泡成形により得られるウレタン発泡成形体を防音性基材
6として使用する場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
インシュレータダッシュ1の防音性基材6では、吸音性
を高めるためには、基材6の厚みを厚肉にするか、ある
いは目付量を多く設定するようにしているが、目付量を
増大させると製品のコストアップに繋がり、また、目付
量を一定のまま製品厚みを厚肉にした場合低密度となる
ため、ホコリが発生し易く、作業環境の悪化を招くとい
う不具合があった。また、成形性も悪化して、高展開率
部分で裂け易くなるという問題点があった。
【0009】更に、従来の不織布を使用した防音性基材
6では、吸音性を高めるために細径の繊維質や細い繊維
の融着性繊維の配合量を増やすと、これもまたコストア
ップに繋がるとともに、これらの繊維は基材を固める機
能がないため、基材の剛性が損なわれるという問題点が
指摘されている。
【0010】一方、フエルトを使用した場合、反毛は繊
維が太いため、吸音性能の低下や製品の重量化を招くと
いう不具合があった。また、ウレタン発泡体を使用した
場合、コストダウンは期待できるものの、焼却の際、有
害な窒素酸化物が発生し、またリサイクル面でも不利で
あるという問題点があった。
【0011】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、インシュレータダッシュやフロアカーペッ
ト、フードインシュレータ等、広範囲に適用できる車両
用防音材及びその製造方法であって、コストが廉価にも
かかわらず、優れた吸音・遮音性能が期待でき、リサイ
クルにも好適な多層構造型の車両用防音材を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この出願の請求項1に記載の発明は、セルロース系
解繊物又は粉砕物をベースとした吸音・遮音成分と、該
吸音・遮音成分を結合させる樹脂バインダとを素材とし
て、車体パネルの形状に合わせて成形したセルロース系
基材と、このセルロース系基材の表面側に高密度な表皮
層が積層一体化されていることを特徴とする。
【0013】この出願の請求項2に記載の発明は、高密
度な表皮層は、高密度な不織布からなることを特徴とす
る。
【0014】この出願の請求項3に記載の発明は、セル
ロース系原反マットと不織布とを重ね合わせて熱風加熱
処理後、同時プレス成形することを特徴とする。
【0015】本発明の用途としては、インシュレータダ
ッシュ、フロアカーペット、フードインシュレータ、ダ
ッシュフロントインシュレータ、ルーフトリム、トラン
クトリム等に適用できる。
【0016】ここで、吸音・遮音成分は、多孔質による
吸音性能が得られるとともに、それ自体の剛性並びに重
量により遮音性能が期待できる等、遮音性能と吸音性能
の両者を発揮することができるという意味である。
【0017】そして、上記吸音・遮音成分として、セル
ロースからなる天然繊維、再生材、リサイクル材を使用
し、例えば、純パルプ、再生セルロース、古紙(古新
聞、古雑誌、段ボール等)を解繊、あるいは粉砕するこ
とによって得られる解繊物、あるいは粉砕物を使用す
る。
【0018】次いで、吸音・遮音成分を結合させる樹脂
バインダは、熱可塑性樹脂タイプとして、低融点PET
等の融着性繊維やPE(ポリエチレン)樹脂等の樹脂パ
ウダー、あるいは反応性接着剤(例えば、ウレタン系樹
脂接着剤)等が使用できる。また、熱硬化性樹脂タイプ
では、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が使用できる。
【0019】上記吸音・遮音成分と樹脂バインダとの配
合比は、吸音・遮音成分/樹脂バインダ=90:10〜
20:80の間に設定する。そして、用途により、ソフ
ト感や吸音性能が要求されるときは吸音・遮音成分リッ
チに配合比を調整し、また、剛性や遮音性能が要求され
るときは、樹脂バインダリッチに配合比をそれぞれ調整
する。
【0020】更に、吸音・遮音成分に高融点合成繊維を
添加しても良く、高融点合成繊維としては、PET、P
P、PE、PA(ポリアミド樹脂)等で、繊維径が0.
2〜30デニールで繊維長さは2〜80mm、好ましく
は10〜50mmのものが好ましい。
【0021】一方、高密度な表皮層としては、高密度合
成繊維不織布、バインダリッチの高密度紙質不織布、ガ
ラスや天然繊維の高密度不織布か、これに樹脂を含浸さ
せたもの、あるいはゴムシート、塩ビシート等が使用で
きる。
【0022】更に、上記セルロース系基材と、表皮層の
接着手段としては、セルロース系基材配合でのバインダ
リッチの場合、セルロース系原反マットと不織布を重ね
た状態で熱風加熱や水蒸気加熱をするだけでバインダ成
分により両者が接着される。また、熱ラミネート工法に
より両者を接着させても良い。
【0023】セルロース系基材配合でバインダリッチで
ない場合には、セルロース系原反マットと不織布とを別
途接着剤を介して接着固定する。この接着剤としては、
樹脂パウダー、パウダー状・ペレット状・チップ状・霧
状・網目状・くもの巣状ホットメルト系接着剤、液状ホ
ットメルトを糸状にしてランダム、あるいは網目状に塗
布する。合成接着剤、あるいは天然物質由来の接着剤、
また、セルロース系原反マットの表面に水で粘着性を付
与することで両者を接着させても良い。その他にフィル
ム状ホットメルト系接着剤が使用できる。
【0024】次いで、セルロース系基材と表皮層とを一
体化する方法としては、表皮層としてゴムシートなどの
非通気性材料を使用する場合、セルロース系原反マット
と表皮層とを別途加熱し、同時成形して貼り合わせる。
【0025】また、表皮層として、不織布などの通気性
材料を使用する場合には、セルロース系原反マットと表
皮層を同時加熱及び同時成形して貼り合わせるが、表皮
層の通気抵抗が高い場合、あるいは表皮層とセルロース
系原反マットの熱特性が大きく相違する場合はそれぞれ
別途に加熱する必要がある。
【0026】次いで、セルロース系原反マットと表皮層
をそれぞれ独立して成形する場合、両者を接着剤で貼り
合わせれば良く、また、セルロース系原反マットと表皮
層とをニードルパンチング加工により一体化すれば、接
着剤を使用せずとも両者を固定できる。
【0027】そして、請求項1に記載の発明によれば、
セルロース等の天然繊維、再生材、リサイクル材を主繊
維として採用し、繊維径が細いものを選択的に使用すれ
ば、吸音性能を高めることができるとともに、繊維状の
解繊物、あるいは粉砕物が吸音・遮音成分であるため、
表面積が大きく、吸音・遮音性能を高めることができ、
しかも、樹脂バインダとの絡まりが強化され、剛性や強
度もアップさせることができる。
【0028】更に、端材や使用後の製品を焼却及び再生
することも可能であり、環境対策上も好ましく、吸音・
遮音成分として、古紙など、廃品の解繊物、あるいは粉
砕物を使用すれば、コスト的にも有利である。
【0029】また、防音性を有する内装部品の基材とし
て使用する際、基材に要求される吸音・遮音性能に応じ
て、セルロース系解繊物、あるいは粉砕物をベースとし
た吸音・遮音成分と樹脂バインダとの配合比を適宜可変
するか、あるいはセルロース系解繊物の繊維径又は粉砕
物の粉砕径を選択することにより、用途に適した防音材
が得られる。
【0030】更に、セルロース系基材の表面側に高密度
な表皮層を積層するという構成であるため、セルロース
系基材の配合、目付等を変更しなくて済み、高密度な表
皮層による剛性や遮音性能の向上が期待できる。
【0031】次いで、この出願の請求項4に記載の発明
は、高密度な表皮層は、フィルムからなることを特徴と
する。
【0032】この出願の請求項5に記載の発明は、セル
ロース系原反マットとフィルムとをラミネートし、同時
プレス成形する際、セルロース系原反マット側の成形型
から真空吸引することにより、原反マットとフィルムを
圧着することを特徴とする。
【0033】この出願の請求項6に記載の発明は、セル
ロース系原反マットとフィルムとをラミネートし、同時
プレス成形する際、セルロース系原反マット側の成形型
から圧空を供給してセルロース系原反マットを強制冷却
するとともに、フィルム側の成形型から真空吸引するこ
とにより、成形体の厚みを確保することを特徴とする。
【0034】ここで、フィルムとしては、20μm厚み
以上のフィルム、又はホットメルトフィルムを使用する
が、加熱中にフィルムが溶融落下するのを防止するため
に、フィルムに10g/m以上の目付の不織布をラミ
ネート処理するのが好ましい。
【0035】更に、セルロース系原反マットとフィルム
との接着性を強化させるためには、両者間にホットメル
ト層を介して接着固定すれば良く、また、ホットメルト
層に替えて、水や接着剤等で処理しても良い。
【0036】また、セルロース系原反マットとフィルム
とのラミネート工法としては、両者を同時加熱する方法
として、セルロース系原反マットとフィルムをラミネー
ト、あるいはタッカーやタグピンで仮止めして両者をラ
ミネートするか、あるいは赤外加熱炉、あるいは恒温槽
で材料を同時加熱した後、成形すると良い。
【0037】尚、セルロース系原反マットとフィルムを
別途加熱する場合には、セルロース系原反マットを熱風
加熱、フィルムを赤外加熱、あるいは恒温槽で加熱して
重ね合わせて成形冷却すれば良い。
【0038】そして、請求項4に記載の発明によれば、
セルロース系基材の表面側に非通気性のフィルムが貼着
されているため、セルロース系基材の配合や目付を変更
することなく、フィルムのもつ遮音性能を高め、かつホ
コリ成分の外部への飛散を防止することができる。
【0039】そして、請求項5に記載の発明によれば、
セルロース系原反マットとフィルムは、プレス圧に加え
て成形下型からの真空吸引力でフィルムが原反マット側
に引き付けられ、両者が強固に接着する。
【0040】そして、請求項6に記載の発明によれば、
セルロース系原反マット内に常温のエアや冷却用エアを
吹き付けることで原反マットの冷却を速めることができ
るとともに、成形上型からの真空吸引力でフィルムが成
形上型型面に追従するため、製品厚みを確保できる。
【0041】次いで、この出願の請求項7に記載の発明
は、セルロース系解繊物又は粉砕物をベースとした吸音
・遮音成分と、該吸音・遮音成分を結合させる樹脂バイ
ンダとを素材として、車体パネルの形状に合わせて成形
したセルロース系基材の表面側に高密度な表面処理層が
設けられていることを特徴とする。
【0042】更に、この出願の請求項8に記載の発明
は、セルロース系原反マットの表面側に表面処理剤を含
浸させ、含浸量を調整することにより、セルロース系基
材の遮音性能を制御することを特徴とする。
【0043】ここで、セルロース系基材表面に形成され
る高密度な表面処理層は、セルロース系原反マット時に
マット表面に水、水溶液、接着剤等の表面処理剤を噴霧
処理、あるいはリッピング処理により、湿らせてその後
乾燥させることにより、紙粘土状の高密度層が形成され
る。
【0044】また、搬送ロールと移動速度が同期しない
速度で回転しているロールでマット表面を摩擦すること
により、マット表面の処理剤がセルロース成分とよくな
じみ、高密度化を促進させることができる。
【0045】表面処理剤として、水や水溶液及び接着剤
が使用できるが、接着剤としては、合成接着剤、あるい
は天然物質由来の接着剤、及び多糖類としては以下のも
のがある。
【0046】<合成接着剤> ・種々の有機系あるいは水性接着剤 ・エマルジョン及びエマルジョン系接着剤
【0047】<天然物質由来の接着剤及び多糖類など> (海藻抽出物) 例)寒天、カラギーナン 例)アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸
化合物 (植物抽出物) 例)澱粉、アミロペクチン、ペクチン、アラビアガム 例)ローカストビーンガム、グァーガム (動物性蛋白) 例)ゼラチン、カゼイン (セルロース系) 例)カルボキシメチルセルロース 例)メチルセルロース他セルロースに化学的に修飾した
もの (その他) ・タッキファイヤー(粘着付与材樹脂) ・ロジン(松脂)化合物 ・アミロース、ペクチン酸、キシラン、アルギン酸繊
維、蛋白質系繊維
【0048】そして、請求項7に記載の発明によれば、
セルロース系基材の表層部分に含浸する樹脂や接着剤等
の表面処理剤により、バインダリッチな状態であり、単
一のセルロース系原反マットを使用して、吸音・遮音性
能の異なる2つの層からなる基材を成形できるため、特
に、低密度層と高密度層の振り分けにより、用途に応じ
た防音材を提供できる。
【0049】また、請求項8に記載の発明によれば、セ
ルロース系原反マットの表面側に含浸させる処理剤の含
浸量を調整することで、セルロース系基材における高密
度層の厚みを制御できる。
【0050】次に、この出願の請求項9に記載の発明
は、セルロース系解繊物又は粉砕物をベースとした吸音
・遮音成分と、該吸音・遮音成分を結合させる樹脂バイ
ンダとを素材として、車体パネルの形状に合わせて成形
したセルロース系基材と、該セルロース系基材内部にリ
サイクル材からなる高密度層が介挿されていることを特
徴とする。
【0051】更に、この出願の請求項10に記載の発明
は、吸音・遮音成分と樹脂バインダとを混合した混合材
料をマット状に堆積した後、リサイクル材の粉砕物を散
布し、その後、上記混合材料を散布し、連続的、あるい
は段階的に堆積させて複数層の原反マットを作製し、加
熱軟化処理後、プレス成形することを特徴とする。
【0052】また、この出願の請求項11に記載の発明
は、内部にリサイクル材からなる高密度層を介挿してな
るセルロース系基材の表面側に高密度な表皮層、あるい
は高密度な表面処理層が設けられていることを特徴とす
る。
【0053】ここで、リサイクル材としては、内装材製
造工程で生じる端材などの産業廃棄物、使用後の内装
材、バンパー等の樹脂製外装材、また、自動車関係の廃
材に限定されることなく、合成樹脂成形品等の一般廃棄
物を使用しても良い。
【0054】そして、リサイクル材を定形、あるいは不
定形に粉砕して使用するが、粉砕サイズは1〜20mm
平均の範囲が良いが、粉末状となっても良い。
【0055】更に、リサイクル材からなる高密度層がセ
ルロース系基材の内部に強固に接着させるためにリサイ
クル材に樹脂パウダー、ホットメルトや粘着剤を添加し
ても良い。
【0056】そして、セルロース系基材内部にリサイク
ル材からなる高密度層を介挿する方法としては、セルロ
ース系原反マット2枚でリサイクル材の高密度層をサン
ドイッチ状に多層状態にした後、加熱軟化処理後、プレ
ス成形して、多層積層成形体を成形しても良く、また、
セルロース系原反マット作製時に、マット堆積時にリサ
イクル材の層を介挿して、1枚の複層マットとした後、
加熱軟化処理を行ない、コールドプレス成形しても良
く、更に、セルロース系原反マット上の一面にリサイク
ル材を散布し、その後、セルロース系原反マットを更に
もう1枚重ね合わせて、三層構造のものを加熱軟化処理
後、コールドプレス成形して、多層積層体を成形しても
良い。
【0057】また、リサイクル層の位置としては、セル
ロース系基材の中間でも良いが、いずれかの側、車体側
か表面側に偏らせて介挿しても良い。
【0058】そして、請求項9に記載の発明によれば、
セルロース系基材中にリサイクル材からなる高密度層が
介挿されているため、このリサイクル材からなる高密度
層により遮音機能が高まるため、セルロース系原反マッ
トの配合や目付を変更することなく、良好な遮音機能が
得られるため、優れた防音性能が得られる。
【0059】更に、請求項10に記載の発明によれば、
吸音・遮音成分と樹脂バインダとの混合材料、及びリサ
イクル材の粉砕物の各材料を散布により堆積して複数層
の原反マットを作製するというものであるから、セルロ
ース系基材及び高密度層の厚みや介挿位置を適宜調整で
き、適切な吸音・遮音性能が得られる。
【0060】そして、請求項11に記載の発明によれ
ば、車体パネルと高密度層と、セルロース系基材表面の
高密度層の三者による三重壁遮音機能が得られ、セルロ
ース系基材中の配合や目付量を変えることなく、良好な
遮音機能が得られる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用防音材
並びにその製造方法の実施形態について、添付図面を参
照しながら詳細に説明する。
【0062】図1乃至図5は本発明の第1実施形態を示
すもので、図1は本発明に係る車両用防音材を適用した
自動車用インシュレータダッシュの構成を示す断面図、
図2は同自動車用インシュレータダッシュの製造方法を
示す工程チャート図、図3は同自動車用インシュレータ
ダッシュの製造方法の工程説明図、図4,図5は同自動
車用インシュレータダッシュにおける不織布と原反マッ
トとの貼合わせ工程の変形例を示す各チャート図であ
る。
【0063】次いで、図6乃至図10は本発明の第2実
施形態を示すもので、図6は本発明に係る車両用防音材
を適用した自動車用インシュレータダッシュの構成を示
す断面図、図7はセルロース系原反マットとフィルムと
のラミネート状態を示す説明図、図8,図9は原反マッ
トとフィルムとのラミネート工程の変形例を示す各チャ
ート図、図10は図6に示すインシュレータダッシュの
成形工程を示す説明図、図11は同成形工程における真
空・圧空作用を示すタイムチャート図である。
【0064】次に、図12,図13は本発明の第3実施
形態を示すもので、図12は自動車用インシュレータダ
ッシュの構成を示す断面図、図13は同インシュレータ
ダッシュの成形工程を示す工程説明図である。最後に図
14,図15は本発明に係る車両用防音材の第4実施形
態を示すもので、図14は自動車用インシュレータダッ
シュに適用した構成を示す断面図、図15は同インシュ
レータダッシュの製造方法の概要図である。
【0065】まず、図1乃至図5に基づいて、本発明の
第1実施形態について説明する。
【0066】図1において、自動車用インシュレータダ
ッシュ10は、エンジンルームEと車室Rとを区画する
ダッシュパネル11の室内面側に装着されており、セル
ロース系基材20の表面側に高密度の不織布21が積層
一体化された二層構造体から構成されている。
【0067】上記セルロース系基材20は、樹脂バイン
ダで結合させた吸音・遮音成分をベースとして構成され
ている。上記吸音・遮音成分としては、セルロース系成
分であり、具体的には、純パルプ、再生セルロース、古
紙(古新聞、古雑誌、段ボール等)や、木材など植物、
また、化学的に修飾・加工したセルロース類、製紙工業
等で発生する天然素材由来の産業廃棄物(ヘドロ状であ
ったり湿っていたりしても良い)を必要に応じ乾燥させ
たものなどを使用し、これらを解繊、あるいは粉砕する
ことによって繊維状又は粉末状となっている。
【0068】一方、樹脂バインダとしては、低融点PE
Tからなる熱融着性繊維、ポリエチレン樹脂等の樹脂パ
ウダーや反応性接着剤(例えばウレタン系接着剤)が使
用でき、この実施形態においては、古紙を解繊処理した
粉砕物に低融点PETを素材とした熱融着性繊維を樹脂
バインダとして使用している。
【0069】そして、吸音・遮音成分と樹脂バインダと
の配合比は、吸音・遮音成分/樹脂バインダ=90:1
0〜20:80の範囲内に設定すれば良いが、この配合
比の設定については、例えば吸音性能やソフト感が要求
される用途には、吸音・遮音成分リッチな配合とし、剛
性や遮音性能が要求される用途には、樹脂バインダリッ
チな配合比を適宜選択することにより、セルロース系基
材20の使用範囲を大幅に広げることができる。
【0070】上記インシュレータダッシュ10の遮音材
12裏面に積層されるセルロース系基材20としては、
吸音・遮音成分/樹脂バインダ=80:20でセルロー
ス系基材20の面密度並びに平均厚みはそれぞれ1,0
00g/m、20mmに設定されている。
【0071】従って、このセルロース系基材20は、セ
ルロース等の天然素材、再生材、リサイクル材をベース
として採用する構成であるため、繊維径や粉砕物が細径
のものを使用すれば、吸音性能を高めることができ、ま
た、端材や使用後の製品を焼却可能、再生可能とでき、
特に、古紙など廃品の解繊品、あるいは粉砕品を使用す
れば、コスト的にも非常に有利である。
【0072】また、シュレッダー等で得られる紐状とは
異なり、表面積が大きいため、吸音・遮音性能が高く、
樹脂バインダとの絡まりが強まるため、製品の強度を高
めることもできる。
【0073】更に、吸音・遮音成分の吸音性能を特に高
めるために、高融点繊維を添加することも可能であり、
その場合、高融点繊維としては、高融点PET、PP、
PE、PA(ポリアミド樹脂)などの合成繊維から適宜
選択でき、繊維径が0.2〜30デニール、繊維長さが
2〜80mm(好ましくは10〜64mm)の高融点合
成繊維を添加すれば、吸音性能を高めることができる。
【0074】一方、セルロース系基材20の表面に積層
される不織布21は、PET、PP、PE、PA(ポリ
アミド樹脂)等、高密度合成繊維不織布、バインダリッ
チの高密度紙質不織布、ガラスや天然繊維の不織布か、
これに樹脂を含浸させたもの等が使用できる。
【0075】そして、この不織布21は、遮音性及び剛
性を強化させるために、高密度であることが必要であ
り、面密度としては、50〜300g/mが適してい
る。
【0076】従って、図1に示す自動車用インシュレー
タダッシュ10は、高密度な不織布21により遮音性、
剛性が強化されているため、セルロース系基材20の目
付や厚みをそれ程多く設定する必要がないため、コスト
アップを回避できるとともに、この不織布21により、
セルロース系基材20からホコリ成分が車室内に飛散す
ることがなく、車室内の環境衛生上も好ましい。
【0077】次に、上記自動車用インシュレータダッシ
ュ10の製造方法について、図2乃至図5に基づいて詳
細に説明する。
【0078】まず、図2のチャート図に示すように、吸
音・遮音成分と樹脂バインダとを混合した混合材料を圧
縮しながら加熱する工程を経てマット状に形成し、所定
寸法毎に裁断して、セルロース系原反マットMを作製
し、このセルロース系原反マットM中の樹脂バインダの
配合比が多い場合には、セルロース系原反マットMと不
織布21を重ね合わせて加熱軟化処理後、同時プレス成
形すれば良い。
【0079】すなわち、この工程を図3を基に具体的に
説明すると、混合器30内に吸音・遮音成分と樹脂バイ
ンダとが投入され、混合操作した後、ベルトコンベア3
1上に混合材料32が散布され、加熱炉33内でプーリ
ー34aにより循環駆動されるベルト34により混合材
料32にプレス圧をかけながら熱風が吹き付けられて、
樹脂バインダが溶融して、吸音・遮音成分同士を結合さ
せる。そして、所定厚みのマットが作製され、カット刃
35により所定寸法づつ裁断されて、セルロース系原反
マットMが作製される。
【0080】そして、不織布21とセルロース系原反マ
ットMとを重ね合わせて熱風加熱炉36内にセットし
て、熱風を吹き付ければ、このときの樹脂バインダの融
着作用により、セルロース系原反マットMに不織布21
が接着し、コールドプレス成形用金型37,38の型締
めにより、図1に示す形状のインシュレータダッシュ1
0が成形される。尚、このとき、熱風加熱炉36内で熱
風の排出側に不織布21を配置すれば、熱風加熱炉36
内にホコリ成分が飛び散ることがない。
【0081】従って、従来の成形設備を使用して、不織
布21の通気性を利用し一体成形が可能であり、特に、
セルロース系原反マットM中の樹脂バインダのバインダ
作用を利用すれば、不織布21を別途加熱する必要がな
く、図1に示すインシュレータダッシュ10を簡単に成
形できる。
【0082】尚、図2,図3に示すように、熱風加熱に
よりバインダ成分で両者を接着する以外に熱ラミネート
工法で両者を一体化して、同時プレス成形しても良い。
【0083】また、セルロース系原反マットM中の樹脂
バインダの配合比が少ない場合には、なんらかの接着手
段をとれば良い。この接着手段としては、例えば、樹脂
パウダー、パウダー状・ペレット状・チップ状・霧状・
網目状・くもの巣状ホットメルト系接着剤を散布、ある
いはセットして両者を接着させるか、液状ホットメルト
を糸状にしてランダム、あるいは網目状に接着面となる
面に塗布しても良い。また、合成接着剤、あるいは天然
物質由来の接着剤で両者を接着しても良い。
【0084】更に、セルロース系原反マットM中のセル
ロース成分が親水基を有し、粘着性が生じる性質を利用
して、マットM表層部分に水等を噴霧するか、あるいは
フィルム状ホットメルトにより両者を接着しても良い。
【0085】また、参考までに、通気性を有する不織布
21以外に非通気性のゴムシート等の表皮を使用する場
合には、図4に示すように、セルロース系原反マットM
と表皮とを別々に加熱し、同時成形すれば良く、図5に
示すように、セルロース系原反マットMと表皮を別々に
成形し、上述したホットメルトや接着剤で貼り合わせて
も良い。
【0086】次いで、図6乃至図10に基づいて、本発
明に係る車両用防音材並びにその製造方法の第2実施形
態について説明する。
【0087】この第2実施形態においても、自動車用イ
ンシュレータダッシュ10に適用したもので、図6に示
すように、ダッシュパネル11の室内側に装着される自
動車用インシュレータダッシュ10は、セルロース系基
材20とセルロース系基材20の表面側にフィルム22
が一体化された二層構造体から構成されている。
【0088】上記セルロース系基材20の構成及びその
作用については、第1実施形態と同一であるので、ここ
では省略する。そして、このセルロース系基材20の表
面側に一体化されるフィルム22は、20μm以上のフ
ィルム又はホットメルトフィルムを使用する。
【0089】従って、図6に示すインシュレータダッシ
ュ10においても、セルロース系基材20の表面側に遮
音性に富むフィルム22が一体化されているため、セル
ロース系基材20における配合や目付量を変更すること
なく、コストアップを回避して、良好な遮音性能、吸音
性能が期待できる。
【0090】また、高密度な不織布21同様、フィルム
22により成形工程中に加熱炉36内にホコリ成分が飛
散したり、車室内に飛散することがなく、作業環境や車
室内の環境衛生を良好に保つことができる。
【0091】次いで、図7に示すように、セルロース系
基材20の表面側に一体貼着するフィルム22は、加熱
軟化時、フィルム22が解け落ちてしまわないように表
面側に不織布23を一体化するのが好ましく、この不織
布23は、10g/m以上の面密度が必要である。
【0092】また、セルロース系基材20とフィルム2
2との接着性を強固にするためには、フィルム22のセ
ルロース系原反マットM対向側にホットメルト24をラ
ミネートするのが良く、このホットメルト24は、基材
20側に設けても良い。尚、セルロース系原反マットM
の表面側を接着剤や水溶液などで処理して、フィルム2
2との接着力を高めるようにしても良い。
【0093】次に、セルロース系基材20とフィルム2
2との一体化工程は、図8に示すように、セルロース系
原反マットMとフィルム22とをラミネート、あるいは
仮止めした後、加熱し、プレス加工により図6に示すセ
ルロース系基材20とフィルム22とを一体化しても良
く、この場合、セルロース系原反マットMとフィルム2
2とはラミネート、あるいはタッカーやタグピンで仮止
めすれば良く、加熱工程は、赤外加熱炉、あるいは恒温
槽で同時加熱が可能である。
【0094】同様に、図9に示すように、セルロース系
原反マットMを熱風加熱する一方、フィルム22を赤外
加熱炉、あるいは恒温槽で加熱し、両者を合わせて成
形、冷却して、図6に示すインシュレータダッシュ10
を成形することもできる。
【0095】また、非通気性のフィルム22を使用する
ことに着目し、図10に示すように、真空・圧空機構を
付設した成形用上下型(上型40、下型41とする)を
使用して成形サイクルを短縮化することもできる。
【0096】すなわち、上下型40,41には、それぞ
れ真空・圧空兼用孔40a,41aが開設されており、
セルロース系基材20とフィルム22との接着性を高め
るために、下型41の真空・圧空兼用孔41aから真空
吸引して、フィルム22をセルロース系基材20側に付
勢力を作用させる。また、製品の厚みを充分確保するた
めには、上型40の真空・圧空兼用孔40aを通して真
空吸引し、上下型40,41のクリアランスに相当する
厚みを確保して、製品板厚を忠実に確保することができ
る。
【0097】また、成形(冷却)時間を短縮するため
に、冷却水で上下型40,41を常に低温に保っておく
か、下型41の真空・圧空兼用孔41aを通じて冷却用
エア(室温、あるいは低温)をセルロース系基材20内
部に吹き込んで、セルロース系基材20を急冷して、成
形サイクルを高めるようにしても良い。
【0098】この上下型40,41による真空吸引機構
及び圧空機構のタイムチャートを図11に示すように、
上下型40,41の型締め後、まず、下型41に真空吸
引力を作用させ、セルロース系基材20とフィルム22
との接着力を高めた後、下型41の真空・圧空兼用孔4
1aから冷却用エアを基材20中に供給して、冷却サイ
クルを短縮化させるとともに、成形上型40の真空・圧
空兼用孔40aから真空吸引して、製品板厚の確保を同
時に行なう。更に製品の脱型性を高めるために成形上型
40の真空・圧空兼用孔40aから圧空を作用させて脱
型性を高めるようにしても良い。
【0099】次に、図12,図13は、本発明の第3実
施形態を示すもので、図12に示すように、この実施形
態における自動車用インシュレータダッシュ10におけ
るセルロース系基材20は、吸音性能に優れる低密度層
20aと遮音性能に優れる高密度層20bとの二層構造
に形成されていることが特徴である。
【0100】そして、セルロース系基材20の材料構成
は上述した実施形態と同一であり、特に、セルロース系
基材20の特徴部分は低密度層20aに生かされている
が、この高密度層20bについては以下のような手順で
形成されている。
【0101】すなわち、図13に示すように、セルロー
ス系原反マットMの一面に噴霧器50により水、水溶
液、接着剤等の表面処理剤51を噴霧、あるいは塗布
し、搬送ロール52により上記表面処理剤51を原反マ
ットMの表層部分になじませ、その後、乾燥工程で乾燥
させて紙粘土状の高密度層20bを形成する。
【0102】尚、搬送ロール52は、次期乾燥工程に原
反マットMを移動させるが、原反マットMの移動速度と
同期しない速度で回転するか、逆回転する搬送ロール5
2aと原反マットM表面との摩擦力を高めて表面処理剤
51をよくなじませ、高密度化を促進させるようにして
も良い。
【0103】上記表面処理剤51の接着剤としては、以
下のものが挙げられる。
【0104】<合成接着剤> ・種々の有機系あるいは水性接着剤 ・エマルジョン及びエマルジョン系接着剤
【0105】<天然物質由来の接着剤及び多糖類など> (海藻抽出物) 例)寒天、カラギーナン 例)アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸
化合物 (植物抽出物) 例)澱粉、アミロペクチン、ペクチン、アラビアガム 例)ローカストビーンガム、グァーガム (動物性蛋白) 例)ゼラチン、カゼイン (セルロース系) 例)カルボキシメチルセルロース 例)メチルセルロース他セルロースに化学的に修飾した
もの (その他) ・タッキファイヤー(粘着付与材樹脂) ・ロジン(松脂)化合物 ・アミロース、ペクチン酸、キシラン、アルギン酸繊
維、蛋白質系繊維
【0106】従って、この第3実施形態におけるインシ
ュレータダッシュ10においては、セルロース系基材2
0は、低密度層20aと高密度層20bとから構成され
ており、素材となるセルロース系原反マットMの目付量
や厚み等を変更することなく、低密度層20aで良好な
吸音性能、高密度層20bで良好な遮音性能が得られ、
かつ高密度層20bによりホコリ成分が外部に飛散する
のを防止できるため、環境上も好ましい。また、処理剤
51の含浸量を適宜調整することにより、吸音性能と遮
音性能のバランスを適切に調整することができる。
【0107】次に、図14,図15は、本発明の第4実
施形態を示すもので、図14に示すように、ダッシュパ
ネル11の室内面側に装着される自動車用インシュレー
タダッシュ10は、第1実施形態の構成、すなわちセル
ロース系基材20の表面側に高密度の不織布21が一体
化された二層積層体に加えて、セルロース系基材20の
内部に中間層としてリサイクル材を素材とした高密度層
25が設けられている。
【0108】この高密度層25の素材となるリサイクル
材としては、内装材製造工程で生じる端材等の産業廃棄
物、使用後の内装材、外装材等の粉砕物、また、自動車
関係の廃材に限らず合成樹脂成形品などの一般廃棄物を
使用しても良い。但し、布地のような低密度品は性能向
上の効果がないため適していない。
【0109】また、リサイクル材を定形、あるいは不定
形に粉砕して使用し、粉砕サイズは1〜20mmの範囲
が適しているが、粉砕設備の能力上、粉末状のリサイク
ル材が混入しても問題ない。
【0110】更に、セルロース系基材20とリサイクル
材の粉砕物からなる高密度層25との接着性を強化する
ために、リサイクル材に樹脂パウダー、ホットメルト
(パウダー状・ペレット状・チップ状)や上述した表面
処理剤51を添加しても良い。
【0111】次いで、セルロース系基材20の中間部に
高密度層25を介挿する方法として、図15(a)に示
すように、2枚のセルロース系原反マットMの間にリサ
イクル材を素材とした高密度層25を挟み込んで加熱軟
化処理後、コールドプレス成形しても良い。この高密度
層25は容器60からリサイクル材の粉砕物61を散布
して形成される。
【0112】また、図15(b)に示すように、原反マ
ットMの製造工程でベルトコンベア31上に混合器30
から吸音・遮音成分と樹脂バインダとを混合した混合材
料32を堆積した後、容器60からリサイクル材を粉砕
した粉砕物61を散布し、その後、その上側から混合器
30を通じて混合材料32を散布して、これらを連続
的、あるいは段階的に堆積させて、1枚の複層マットと
しても良い。
【0113】更に、プレス直前に成形機内にセルロース
系原反マットMをセットし、リサイクル材を散布し、更
にもう1枚のセルロース系原反マットMを重ねてプレス
成形しても良い。尚、高密度層25はセルロース系基材
20の中間位置でも、また、いずれかの側に偏らせて設
けても良い。
【0114】そして、このようにセルロース系基材20
内部に高密度層25を配置すれば、例えば、ダッシュパ
ネル11と高密度層25及び高密度の不織布21の三者
による三重壁遮音機能が得られ、セルロース系基材20
の配合や目付を変化させることなく良好な遮音機能が得
られる。
【0115】そして、高密度層25の目付量等を適宜変
更することにより、遮音性能を可変でき、このこともき
め細かな吸音・遮音性能を選択できることになる。
【0116】また、不織布21を廃止した構成でも良
く、不織布21に替えてフィルム22や、あるいは表面
に高密度層20bを形成した構成を採用しても良い。
【0117】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る車両用
防音材は、セルロース系解繊物、あるいは粉砕物をベー
スとした吸音・遮音成分と、この吸音・遮音成分を結合
させる樹脂バインダとをベースとしたセルロース系基材
を使用することにより、安価で高性能、かつ環境対策に
も好適であるという作用効果に加えて、このセルロース
系基材の表面側に高密度な不織布、あるいはフィルムを
積層一体化するか、あるいはセルロース系基材の表面側
に高密度な表面処理層を形成することにより、セルロー
ス系基材のグレードをアップさせることなく、また、目
付や板厚を増大させることなく、廉価で良好な吸音性能
を維持した状態で遮音性能を高めることができるという
効果を有する。
【0118】更に、セルロース系基材に通気性を有する
高密度不織布を一体化する際、セルロース系原反マット
の樹脂バインダの接着性を利用すれば、同時加熱、同時
プレスが可能となり、廉価に成形でき、かつセルロース
系基材の表面にフィルムを積層する際、真空吸引力及び
圧空力を併用すれば、強固な接着力をもち、かつ製品板
厚を忠実に再現できる成形性の良好な車両用防音材が製
造できる等の作用効果を有する。
【0119】そして、セルロース系基材の表面側に表面
処理剤を含浸させて高密度層を形成するという方法によ
れば、処理剤を適宜選択し、かつ含浸量を調整すること
により、必要とする遮音性能をコントロールすることが
でき、きめ細かな防音対策に有利であるという効果を有
する。
【0120】また、セルロース系基材内に高密度層を設
定すれば、多重壁遮音機能が得られ、遮音機能を飛躍的
に向上させた車両用防音材を提供することができるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用防音材の第1実施形態を適
用した自動車用インシュレータダッシュの構成を示す断
面図である。
【図2】図1に示す自動車用インシュレータダッシュの
製造方法の一実施形態を示すチャート図である。
【図3】図2に示すチャート図の工程説明図である。
【図4】図2に示すチャート図におけるラミネート工程
の変形例を示すチャート図である。
【図5】図2に示すチャート図におけるラミネート工程
の変形例を示すチャート図である。
【図6】本発明に係る車両用防音材の第2実施形態を適
用した自動車用インシュレータダッシュの構成を示す断
面図である。
【図7】図6に示す自動車用インシュレータダッシュに
使用するフィルムの構成を示す説明図である。
【図8】図6に示す自動車用インシュレータダッシュに
おける原反マットとフィルムとの一体成形の変形例を示
すチャート図である。
【図9】図6に示す自動車用インシュレータダッシュに
おける原反マットとフィルムとの一体成形の変形例を示
すチャート図である。
【図10】図6に示す自動車用インシュレータダッシュ
の成形工程を示す説明図である。
【図11】図10に示す成形工程における成形上下型の
タイムチャート図である。
【図12】本発明に係る車両用防音材の第3実施形態を
適用した自動車用インシュレータダッシュの構成を示す
断面図である。
【図13】図12に示す自動車用インシュレータダッシ
ュの製造方法の概要を示す説明図である。
【図14】本発明に係る車両用防音材の第4実施形態を
適用した自動車用インシュレータダッシュの構成を示す
断面図である。
【図15】図14に示す自動車用インシュレータダッシ
ュにおける原反マットと高密度層とのラミネート工程を
示す説明図である。
【図16】車両用防音材の設置箇所を示す説明図であ
る。
【図17】従来の自動車用インシュレータダッシュの構
成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 自動車用インシュレータダッシュ 11 ダッシュパネル 20 セルロース系基材 20a 低密度層 20b 高密度層 21 不織布 22 フィルム 23 不織布 24 ホットメルト 25 高密度層(リサイクル粉砕品) 30 混合器 31 ベルトコンベア 32 混合材料 33 熱風加熱炉 34 ベルト 35 カット刃 36 熱風加熱炉 37,38 コールドプレス成形用金型 40,41 成形用上下型 40a,41a 真空・圧空兼用孔 50 噴霧器 51 表面処理剤 52 搬送ロール 60 容器 61 粉砕物(リサイクル材) M セルロース系原反マット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 31:58 31:58 (72)発明者 塩谷 綱正 神奈川県高座郡寒川町宮山3316番地 河西 工業株式会社内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BA02 BA03 BB12 BB17 BC01 BD04 BD12 BE04 BE06 BE31 4F100 AJ04A AJ05A AK01A AT00B BA02 BA10A BA10B DG02A DG10A DG15B EC052 EJ202 EJ212 EJ242 EJ422 GB31 JH01 4F208 AA01 AA04 AA24 AA37 AH25 AH26 MA01 MA02 MA03 MA05 MB01 MG04 MH06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系解繊物又は粉砕物をベース
    とした吸音・遮音成分と、該吸音・遮音成分を結合させ
    る樹脂バインダとを素材として、車体パネルの形状に合
    わせて成形したセルロース系基材と、このセルロース系
    基材の表面側に高密度な表皮層が積層一体化されている
    ことを特徴とする車両用防音材。
  2. 【請求項2】 高密度な表皮層は、高密度な不織布から
    なることを特徴とする請求項1に記載の車両用防音材。
  3. 【請求項3】 セルロース系原反マットと不織布とを重
    ね合わせて熱風加熱処理後、同時プレス成形することを
    特徴とする請求項2に記載の車両用防音材の製造方法。
  4. 【請求項4】 高密度な表皮層は、フィルムからなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車両用防音材。
  5. 【請求項5】 セルロース系原反マットとフィルムとを
    ラミネートし、同時プレス成形する際、セルロース系原
    反マット側の成形型から真空吸引することにより、原反
    マットとフィルムを圧着することを特徴とする請求項4
    に記載の車両用防音材の製造方法。
  6. 【請求項6】 セルロース系原反マットとフィルムとを
    ラミネートし、同時プレス成形する際、セルロース系原
    反マット側の成形型から圧空を供給してセルロース系原
    反マットを強制冷却するとともに、フィルム側の成形型
    から真空吸引することにより、成形体の厚みを確保する
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用防音材の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 セルロース系解繊物又は粉砕物をベース
    とした吸音・遮音成分と、該吸音・遮音成分を結合させ
    る樹脂バインダとを素材として、車体パネルの形状に合
    わせて成形したセルロース系基材の表面側に高密度な表
    面処理層が設けられていることを特徴とする車両用防音
    材。
  8. 【請求項8】 セルロース系原反マットの表面側に表面
    処理剤を含浸させ、含浸量を調整することにより、セル
    ロース系基材の遮音性能を制御することを特徴とする請
    求項7に記載の車両用防音材の製造方法。
  9. 【請求項9】 セルロース系解繊物又は粉砕物をベース
    とした吸音・遮音成分と、該吸音・遮音成分を結合させ
    る樹脂バインダとを素材として、車体パネルの形状に合
    わせて成形したセルロース系基材と、該セルロース系基
    材内部にリサイクル材からなる高密度層が介挿されてい
    ることを特徴とする車両用防音材。
  10. 【請求項10】 吸音・遮音成分と樹脂バインダとを混
    合した混合材料をマット状に堆積した後、リサイクル材
    の粉砕物を散布し、その後、上記混合材料を散布し、連
    続的、あるいは段階的に堆積させて複数層の原反マット
    を作製し、加熱軟化処理後、プレス成形することを特徴
    とする請求項9に記載の車両用防音材の製造方法。
  11. 【請求項11】 内部にリサイクル材からなる高密度層
    を介挿してなるセルロース系基材の表面側に高密度な表
    皮層、あるいは高密度な表面処理層が設けられているこ
    とを特徴とする車両用防音材。
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