JP2000250963A - 半導体集積回路のクロック信号供給経路及びその配線配置方法 - Google Patents

半導体集積回路のクロック信号供給経路及びその配線配置方法

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JP2000250963A
JP2000250963A JP11055699A JP5569999A JP2000250963A JP 2000250963 A JP2000250963 A JP 2000250963A JP 11055699 A JP11055699 A JP 11055699A JP 5569999 A JP5569999 A JP 5569999A JP 2000250963 A JP2000250963 A JP 2000250963A
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path
clock input
input element
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Takaaki Udagawa
隆明 宇田川
Kazunari Kimura
一成 木村
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】LSI内のクロック入力素子に対するクロック
パスの設計に際してクロック伝搬遅延差を許容範囲にす
るように処理する際、設計の容易化を図る。 【解決手段】ロジックLSIのクロックパスの配線配置
設計に際して、各素子の接続情報と各素子の配置あるい
は配線配置の結果から各パスの遅延時間を求めてスラッ
クを算出する第1ステップと、算出したスラックに応じ
た各クロック入力素子毎にパスのクロック伝搬遅延差の
許容範囲を決定する第2ステップと、決定した各クロッ
ク入力素子のクロック伝搬遅延差の許容範囲の情報を用
い、各クロック入力素子のクロック伝搬遅延差を許容範
囲に収めるためのクロックバッファ素子の挿入・配置お
よびクロック配線を行う第3ステップとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路の
クロック信号供給経路の配線配置方法およびそれを適用
したクロック信号供給経路に関するもので、例えばロジ
ックLSIに使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ロジックLSIにおいて、クロ
ック供給素子からクロックバッファ素子を介してクロッ
ク入力素子にクロック信号を供給する経路は、クロック
供給素子からクロックバッファ素子までのクロック伝搬
遅延およびクロックバッファ素子から次のクロックバッ
ファ素子までのクロック伝搬遅延は、これらの素子の端
子容量や素子間の配線の容量(配線の長さに比例する容
量)を含む負荷容量が大きくなるにつれて大きくなる。
また、上記配線の距離が長くなるにつれて、配線抵抗が
大きくなり、クロック伝搬遅延が大きくなる。
【0003】従来、ロジックLSIの配線配置設計に際
して、クロック信号により制御されるクロック入力素子
(例えばフリップフロップ回路)に対するクロック信号
供給経路を設計する場合には、各クロック入力素子間を
伝搬する信号(クロック信号により制御される信号)の
経路(パス)の遅延時間に関係なく(遅延時間を考慮す
ることなく)、クロック信号がクロック供給素子から各
クロック入力素子に伝搬する時間の差(クロック伝搬遅
延差)を一律な許容範囲に収めるように設計処理してい
る。
【0004】図8は、ロジックLSIにおけるパスおよ
びクロック入力素子の基本構成を示す回路図である。
【0005】図8において、80はパス、81はパス始
点側のクロック入力素子、82はパス終点側のクロック
入力素子、S-clock はクロック供給素子(図示せず)か
ら前記パス始点側のクロック入力素子81に入力するク
ロック信号、E-clock はクロック供給素子(図示せず)
前記パス終点側のクロック入力素子82に入力するクロ
ック信号である。
【0006】図8に示すパスのクロック伝搬遅延差を許
容範囲にするように処理する具体例としては、クロック
供給素子から各クロック入力素子81、82までの間に
クロックバッファ素子を挿入する手法、さらには、挿入
したクロックバッファ素子と各クロック入力素子81、
82との間を配線する手法を採用している。
【0007】図9は、図8に示すクロック信号供給経路
を従来の配線手法により設計した場合にクロック伝搬遅
延差の許容範囲内で得られた最も差が大きい時のパスの
遅延を説明するために示すタイミング図である。
【0008】図9において、S-clock はパス始点側のク
ロック入力素子81に入力されるクロック信号、E-cloc
k はパス終点側のクロック素子82に入力されるクロッ
ク信号、start はパス始点側のクロック入力素子81の
出力信号、end はパス終点側のクロック素子82の入力
信号である。また、S-clock 中の破線90はパス終点側
のクロック入力素子82に入力するクロック信号E-cloc
k に対してクロック伝搬遅延差が発生しない場合のパス
始点側のクロック入力素子81に入力するクロック信号
の波形であるが、実際はS-clock の実線で示すような遅
延が起こる。
【0009】そして、上記したような従来のクロック信
号供給経路の配線手法には、以下に述べるような問題が
生じる。
【0010】(1)パス始点側のクロック入力素子に入
力するクロック信号がパス終点側のクロック入力素子に
入力するクロック信号と比較して、従来技術で規定され
ているクロック伝搬遅延差の許容範囲以上遅れることを
許さない。
【0011】この場合、パスの遅延時間とパスが回路と
して守らなければならない最大遅延時間の差(スラッ
ク)を考慮すると、さらにスラック分のクロック伝搬遅
延差が発生するような遅れであったとしても、回路は正
常に動作する。
【0012】このように従来のクロック伝搬遅延差の許
容範囲に収める処理は、スラックがクロック伝搬遅延差
の許容範囲に反映されないので、正常に動作するクロッ
ク伝搬遅延差の許容範囲よりも小さい範囲に収めようと
するので、設計の難度が増加する。
【0013】(2)各パスにおいて、回路として守らな
ければならない最大遅延時間を変更できないので、タイ
ミング違反に対する配慮を行うことができない。
【0014】(3)クロック伝搬遅延差の許容範囲に収
めるためにクロック供給素子から各クロック入力素子ま
での間にクロックバッファ素子を挿入する処理は、上記
したように正常に動作するクロック伝搬遅延差の許容範
囲よりも小さい範囲に収めようとするので、駆動力が必
要以上に大きいクロックバッファ素子を使用することに
なり、LSIのチップ面積、消費電力の増加を招く。
【0015】(4)クロック伝搬遅延差の許容範囲に収
めるために挿入したクロックバッファ素子と各クロック
入力素子とを配線する処理は、クロック伝搬遅延差の許
容範囲が大きいクロック入力素子に接続するクロック配
線処理が先に行われる可能性がある。これにより、クロ
ック伝搬遅延差の許容範囲が小さいクロック入力素子に
接続するクロック配線処理は既に配置されたクロック配
線を迂回することになり、クロック入力素子のクロック
伝搬遅延差が許容範囲に収まらなくなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来のロジックLSI
のクロック信号供給経路の配線配置方法は、設計の難度
が増加し、タイミング違反に対する配慮を行うことがで
きず、チップ面積、消費電力の増加を招き、挿入したク
ロックバッファ素子とクロック入力素子との配線処理に
際してクロック入力素子のクロック伝搬遅延差が許容範
囲に収まらなくなるなどの問題があった。
【0017】本発明は上記の問題点を解決すべくなされ
たもので、半導体集積回路内のクロック入力素子に対す
るクロック信号供給経路の設計に際して、クロック供給
素子から各クロック入力素子に伝搬する時間の差(クロ
ック伝搬遅延差)を許容範囲にするように処理する際、
設計の容易化を図り、タイミング違反に対する配慮が可
能になり、チップ面積、消費電力の増加を抑制し得る半
導体集積回路のクロック信号供給経路の配線配置方法を
提供することを目的とする。
【0018】また、本発明は、半導体集積回路内のクロ
ック信号の1周期の時間よりも大きいクロック伝搬時間
を有するパスに対しても、タイミング違反を解消し得る
半導体集積回路のクロック信号供給経路を提供すること
を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の半導
体集積回路のクロック信号供給経路の配線配置方法は、
半導体集積回路のクロック信号供給経路の配線配置設計
に際して、半導体集積回路内のクロック供給素子から複
数のクロック入力素子までの間にクロックバッファ素子
を挿入・配置し、前記クロックバッファ素子と各クロッ
ク入力素子とを配線接続し、前記クロック供給素子から
各クロック入力素子にクロック信号が伝搬する時間の差
を許容範囲に収める方法において、前記半導体集積回路
の各クロック入力素子の接続情報と各クロック入力素子
の配置あるいは配線配置の結果から各パスの遅延時間を
求めて最大遅延時間の差を算出する第1ステップと、前
記第1ステップで算出した前記最大遅延時間の差に応じ
た各クロック入力素子毎にパスの前記クロック信号が伝
搬する時間の差の許容範囲を決定する第2ステップと、
前記第2ステップで決定した各クロック入力素子のクロ
ック信号が伝搬する時間の差の許容範囲の情報を用い、
各クロック入力素子のクロック信号が伝搬する時間の差
を許容範囲に収めるためのクロックバッファ素子の挿入
・配置およびクロック入力素子とクロックバッファ素子
との間のクロック配線を行う第3ステップとを具備する
ことを特徴とする。
【0020】また、本発明に係る第2の半導体集積回路
のクロック信号供給経路の配線配置方法は、前記第1の
半導体集積回路のクロック信号供給経路の配線配置方法
において、前記第2ステップで決定したクロック信号が
伝搬する時間の差の許容範囲が小さいパスに接続される
クロック入力素子に対して、前記クロック供給素子との
接続の間に前記クロックバッファ素子の挿入・配置を行
う処理および前記クロックバッファ素子との配線を行う
処理を優先して行うことを特徴とする。
【0021】また、本発明に係る第3の半導体集積回路
のクロック信号供給経路の配線配置方法は、前記第1の
半導体集積回路のクロック信号供給経路の配線配置方法
において、前記第2ステップで決定したクロック信号が
伝搬する時間の差の許容範囲が小さいパスに接続される
クロック入力素子は、そのパスの始点側のクロック入力
素子および終点側のクロック入力素子を同じクロックバ
ッファ素子に接続するクロック入力素子のグループとす
ることを特徴とする。
【0022】また、本発明に係る第4の半導体集積回路
のクロック信号供給経路の配線配置方法は、前記第1の
半導体集積回路のクロック信号供給経路の配線配置方法
において、前記第2ステップで決定したクロック信号が
伝搬する時間の差の許容範囲が大きいパスに接続される
クロック入力素子に接続するクロックバッファ素子は、
前記クロック伝搬遅延差の許容範囲が小さいパスに接続
されるクロック入力素子に接続するクロックバッファ素
子よりも駆動力の小さいクロックバッファ素子を使用す
ることを特徴とする。
【0023】また、本発明に係る第5の半導体集積回路
のクロック信号供給経路の配線配置方法は、前記第1の
半導体集積回路のクロック信号供給経路の配線配置方法
において、前記第1ステップで求めた最大遅延時間の差
がタイミング違反を起こすパスに対して、前記第2ステ
ップで決定したクロック伝播時間の許容範囲において故
意にクロック信号が伝搬する時間の差を設けることによ
り前記タイミング違反を解消することを特徴とするま
た、本発明に係る第6の半導体集積回路のクロック信号
供給経路の配線配置方法は、前記第1の半導体集積回路
のクロック信号供給経路の配線配置方法において、前記
第1ステップで求めたパスのクロック伝搬遅延時間がホ
ールド違反を生じる時に、違反を起こす関係にあるクロ
ック入力素子を同じクロックバッファ素子に接続するク
ロック入力素子のグループとし、これらのクロック入力
素子が接続されるパスの終点側のクロック入力素子より
も始点側のクロック入力素子のクロック伝搬時間を遅ら
せてホールド違反を解消することを特徴とする。
【0024】また、本発明に係る半導体集積回路のクロ
ック信号供給経路は、半導体集積回路内のクロック信号
の1周期の時間よりも大きいクロック伝搬時間を有する
パスと、前記パスの始点側のクロック入力素子および終
点側のクロック入力素子と、前記パスの始点側のクロッ
ク入力素子および終点側のクロック入力素子にそれぞれ
接続配線を介して接続されてたクロックバッファ素子と
を具備し、前記パスのクロック信号が伝搬する時間の差
の許容範囲を、前記クロック信号の1周期の時間と前記
クロックバッファ素子から前記各クロック入力素子に対
するクロック信号が伝搬する時間の差とを加えた時間に
設定することによりタイミング違反を解消したことを特
徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明に係る半導体集積回路のク
ロック信号供給経路の配線配置方法を説明するために示
すフローチャートである。
【0027】図1のフローチャートは、次のステップS
1〜S4を有する。
【0028】S1)半導体集積回路の各クロック入力素
子の接続情報と各クロック入力素子の配置あるいは配線
配置結果から各パスの遅延時間を求めてスラックを算出
する。
【0029】S2)前記スラックに応じた各クロック入
力素子毎にパスの伝搬遅延差の許容範囲を決定する。
【0030】S3)決定した各クロック入力素子のクロ
ック伝搬遅延差の許容範囲の情報を用い、各クロック入
力素子のクロック伝搬遅延差を許容範囲に収めるための
クロックバッファ素子の挿入および配置を行う。
【0031】S4)クロック入力素子・クロックバッフ
ァ素子間のクロック配線を行う。
【0032】<第1実施例>図2は、本発明の第1実施
例に係るロジックLSIのクロック信号供給経路の配線
配置方法が適用されたパスおよびクロック信号供給経路
の基本構成を示す回路図である。
【0033】図2において、511は第1のパス、31
1は第1のパスの始点側のクロック入力素子、313は
第1のパスの終点側のクロック入力素子、111はクロ
ック供給素子(図示せず)と前記始点側のクロック入力
素子311および終点側のクロック入力素子313とに
間に挿入された第1のクロックバッファ素子である。
【0034】512は第2のパス、312は第2のパス
の始点側のクロック入力素子、314は第2のパスの終
点側のクロック入力素子、112はクロック供給素子
(図示せず)と前記始点側のクロック入力素子312お
よび終点側のクロック入力素子314とに間に挿入され
た第2のクロックバッファ素子である。
【0035】第1実施例では、図1のステップS3にお
いて、クロック伝搬遅延差の許容範囲が小さい方の第1
のパス511に接続されるクロック入力素子311、3
13に対して、クロック供給素子との接続の間にクロッ
クバッファ素子111を挿入・配置する処理、図1のス
テップS4において、クロックバッファ素子111との
配線を行う処理を優先して行うことを特徴とする。
【0036】即ち、図2において、クロック信号の1周
期の時間が10ns、第1のパス511の伝搬時間Path
=9ns、第2のパス512の伝搬時間Path=7ns、
パス伝搬遅延差の許容範囲は、第1のパス511で1n
s、第2のパス512で3nsであると仮定する。
【0037】配線処理は、まず、クロック伝搬遅延差の
許容範囲が小さい方の第1のパスの始点側のクロック入
力素子311および終点側のクロック入力素子313を
第1のクロックバッファ素子111とを接続配線411
により接続する。
【0038】この場合、各素子を図2に示すように配置
するものとすれば、各素子間を接続するための配線は、
縦方向、横方向の2方向のみの配線格子上で行い、各配
線方向で配線層が異なる。よって、同一方向の配線は重
ねることができないが、異なる方向の配線は交差させて
もよい。
【0039】横方向の配線を第1の配線トラック61
1、第2の配線トラック612上で行う必要がある場
合、クロック伝搬遅延差の許容範囲が小さい方の第1の
パスのクロック入力素子311、313に対する接続配
線411をクロック伝搬遅延差の許容範囲が大きい方の
第2のパスのクロック入力素子312、314に対する
接続配線412より先に第1の配線トラック611を使
用して配線処理する。
【0040】この結果、第1のクロックバッファ素子1
11から第1のパスの始点側のクロック入力素子311
へのクロック伝搬時間Time=4nsとなり、第1のパス
の終点側のクロック入力素子313へのクロック伝搬時
間Time=3nsとなる。
【0041】一方、第2のクロックバッファ素子112
から第2のパス512の始点側のクロック入力素子31
2および終点側のクロック入力素子314に対する接続
配線412は、第1の配線トラック611を使用すると
先に行った接続配線と重なる場合には各クロック入力素
子312、314から遠くのクロック伝搬遅延差が大き
くなる第2の配線トラック612を使用する。本例で
は、クロック入力素子312に対しては第2の配線トラ
ック612を使用し、クロック入力素子314に対して
は第1の配線トラック611を使用して配線する。
【0042】この結果、第2のクロックバッファ素子1
12から第2のパスの始点側のクロック入力素子312
へのクロック伝搬時間Time=5nsとなり、第2のパス
の終点側のクロック入力素子314へのクロック伝搬時
間Time=3nsとなる。
【0043】よって、第1のパス511のクロック伝搬
遅延差は1nsとなり、クロック伝搬遅延差の許容範囲
である1nsに収まり、また、第2のパス512のクロ
ック伝搬遅延差は2nsとなるが、クロック伝搬遅延差
の許容範囲である3nsに収まる。
【0044】このようにクロック伝搬遅延差の許容範囲
が小さい方のパスのクロック入力素子とクロックバッフ
ァ素子との配線処理を優先することにより、クロック伝
搬遅延差を許容範囲にするように処理する設計の容易化
を図ることができる。
【0045】<第2実施例>図3は、本発明の第2実施
例に係るロジックLSIのクロック信号供給経路の配線
配置方法が適用されたパスおよびクロック入力素子の基
本構成を示す回路図である。
【0046】第2実施例では、図1のステップS3にお
いて、クロック伝搬遅延差の許容範囲が小さいパスのク
ロック入力素子は、パスの始点側のクロック入力素子お
よび終点側のクロック入力素子を同じクロックバッファ
素子に接続するクロック入力素子のグループとすること
を特徴とする。
【0047】即ち、図3に示すように、クロック供給素
子100およびクロック入力素子321〜326、その
他の素子の位置を考慮し、クロック供給素子100およ
びクロック入力素子321〜326との間にクロックバ
ッファ素子121〜124を挿入し、接続配線421〜
425を形成するように処理する。
【0048】このように挿入したクロックバッファ素子
121〜124より供給すべきクロック入力素子321
〜326のグループを決定する際、クロック伝搬遅延差
の許容範囲が小さいパス521の始点側のクロック入力
素子321および終点側のクロック入力素子322を同
じクロックバッファ素子124に接続するグループと
し、このクロックバッファ素子124に直接に接続す
る。そして、クロックバッファ素子124とクロック入
力素子321、322との間で接続配線425を行うよ
うに処理する。
【0049】このようにクロック伝搬遅延差の許容範囲
が小さいパスのクロック入力素子321、322に対す
る配線処理を、これらに直接に接続するクロックバッフ
ァ素子124の間の接続配線425により検討できるの
で、検討範囲が小さく、クロック伝搬遅延差を小さくす
ることができる。
【0050】<第3実施例>図4は、本発明の第3実施
例に係るロジックLSIのクロック信号供給経路の配線
配置方法が適用されたパスおよびクロック入力素子の基
本構成を示す回路図である。
【0051】第3実施例では、図1のステップS3にお
いて、通常は、パス531の始点側のクロック入力素子
331および終点側のクロック入力素子332と通常の
駆動力を有するクロックバッファ素子131−Aを接続
配線431により接続するが、前記パス531のクロッ
ク伝搬遅延差の許容範囲が大きい場合には、前記クロッ
クバッファ素子131−Aに代えて駆動力の小さいクロ
ックバッファ素子131を使用し、消費電力およびチッ
プ面積を縮小することを特徴とする。
【0052】即ち、図4において、パス531の伝搬時
間Path=5ns、クロック信号の1周期の時間が10n
sの時、パス伝搬遅延差の許容範囲が5nsの時、通常
の駆動力を有するクロックバッファ素子131−Aを使
用する場合には、クロックバッファ素子131からパス
始点側のクロック入力素子331へのクロック伝搬時間
Time=6ns、パス終点側のクロック入力素子332へ
のクロック伝搬時間Time=4nsに設定する。この時の
クロック伝搬遅延差は2nsとなり、クロック伝搬遅延
差の許容範囲である5nsに収まっている。
【0053】これに対して、駆動力の低いクロックバッ
ファ素子131を使用する場合には、クロックバッファ
素子131からパス始点側のクロック入力素子331へ
のクロック伝搬時間Time=8ns、クロックバッファ素
子131からパス終点側のクロック入力素子332への
クロック伝搬時間Time=5nsとなる。つまり、クロッ
ク伝搬遅延は大きくなり、クロック伝搬遅延差は3ns
と広がるが、このクロック伝搬遅延差においてもクロッ
ク伝搬遅延差の許容範囲は5nsと大きいので、その許
容範囲に収まる。
【0054】このようにクロック伝搬遅延差の許容範囲
が大きい場合に駆動能力の低いクロックバッファ素子1
31を使用することにより、消費電力およびチップ面積
を縮小することができる。
【0055】<第4実施例>図5は、本発明の第4実施
例に係るロジックLSIのクロック信号供給経路の配線
配置方法が適用されたパスおよびクロック入力素子の基
本構成を示す回路図である。
【0056】第4実施例では、図1のステップS3にお
いて、スラックがタイミング違反を起こすパスに対し
て、決定されたクロック伝搬時間の許容範囲において故
意にクロックに遅延差を設け、タイミング違反を解消す
ることを特徴とする。
【0057】即ち、図5に示すように、パス541の始
点側のクロック入力素子341および終点側のクロック
入力素子342を接続配線441によりクロックバッフ
ァ素子141と接続する。このパス541の伝搬時間Pa
th=12ns、クロック信号の1周期の時間が10ns
の時、クロック伝搬遅延差の許容範囲は、パス伝搬時間
がクロック信号の1周期の時間より大きいので、負の値
(−2ns)となる。つまり、クロック伝搬遅延差を0
nsとしても、クロック信号の1周期の時間が10ns
では、パス541の伝搬時間が2ns遅れるので、動作
しないことを示している。
【0058】ここで、敢えて、パス終点側のクロック入
力素子342に対するクロック伝搬時間を遅らせてクロ
ックバッファ素子141からパス始点側のクロック入力
素子341への伝搬時間Time=5ns、クロックバッフ
ァ素子141からパス終点側のクロック入力素子342
へのクロック伝搬時間Time=8nsに設定する。
【0059】この時、パス541の伝搬時間は、クロッ
ク信号の1周期の時間(10ns)にクロック伝搬時間
差(3ns)を加えた時間(13ns)内に到達すれば
よく、クロック信号の1周期の時間が10nsでも問題
なく動作する。
【0060】このようにクロック伝搬時間の許容範囲に
おいて故意にクロックに遅延差を設けることにより、タ
イミング違反を解消することができる。
【0061】<第5実施例>図6は、本発明の第5実施
例に係るロジックLSIのクロック信号供給経路の配線
配置方法が適用されたパスおよびクロック入力素子の基
本構成を示す回路図である。
【0062】第5実施例では、図1のステップS4にお
いて、パス551の伝搬遅延時間が非常に小さくてホー
ルド違反を生じる時に、違反を起こす関係にあるクロッ
ク入力素子351、352を同じクロックバッファ素子
151に接続するグループとし、このパス551の終点
側のクロック入力素子352より始点側のクロック入力
素子351のクロック伝搬時間を遅らせてホールド違反
を解消することを特徴とする。
【0063】即ち、図6に示すように、パス551の始
点側のクロック入力素子351および終点側のクロック
入力素子352を接続配線451によりクロックバッフ
ァ素子151と接続する。このパス551の伝搬時間Pa
th=2ns、クロック信号の1周期の時間が10nsの
時、規定されているクロックエッジからの信号値を保持
しなければならない時間(以下、ホールド時間)が3n
sであった場合、パス551の伝搬時間が速いので、ホ
ールド時間内に信号値を変更してしまう。
【0064】ここで、敢えて、パス始点側のクロック入
力素子351に対するクロック伝搬時間を遅らせ、クロ
ックバッファ素子151からパス始点側のクロック入力
素子351への伝搬時間Time=6ns、クロックバッフ
ァ素子151からパス終点側のクロック入力素子352
へのクロック伝搬時間Time=5nsとする。
【0065】この時、パスの始点側のクロックが終点側
のクロックよりも1ns遅れるので、パスの終点側で考
えると、パス551の伝搬時間Pathは実質3nsと考え
られる。これにより、ホールド時間内においては信号値
は変わらずに保持される。
【0066】このようにクロック伝搬時間の許容範囲に
おいて故意にクロックに遅延差を設けることにより、タ
イミング違反を解消することができる。
【0067】図7は、本発明の配線配置方法を適用して
スラックを反映させた伝搬遅延差の許容範囲内で得られ
た最も差が大きい時のパスの遅延を説明するために示す
タイミング図である。
【0068】図7において、S-clock はパス始点のクロ
ック信号、E-clock はパス終点のクロック信号、start
はパス始点の信号、end はパス終点の信号、70はパス
終点側のクロック入力素子に入力するクロック信号E-cl
ock に対してクロック伝搬遅延差が発生しない場合のパ
ス始点側のクロック入力素子に入力するクロック信号の
波形を示す。
【0069】図7を従来技術の説明で示した図9と対比
すれば、図7では、パス始点側のクロック入力素子に入
力するクロック信号S-clock がパス終点側のクロック入
力素子に入力するクロック信号E-clock と比較して、従
来技術で規定されているクロック伝播遅延差の許容範囲
以上遅れることが許容されていることが分かる。
【0070】
【発明の効果】上述したように本発明の半導体集積回路
のクロック信号供給経路の配線配置方法によれば、半導
体集積回路内のクロック入力素子に対するクロック信号
供給経路の設計に際して、クロック供給素子から各クロ
ック入力素子に伝搬する時間の差(クロック伝搬遅延
差)を許容範囲にするように処理する際、設計の容易化
を図り、タイミング違反に対する配慮が可能になり、チ
ップ面積、消費電力の増加を抑制することが可能にな
る。
【0071】また、本発明の半導体集積回路のクロック
信号供給経路によれば、半導体集積回路内のクロック信
号の1周期の時間よりも大きいクロック伝搬時間を有す
るパスに対しても、タイミング違反を解消することがで
きる。
【0072】即ち、本発明の半導体集積回路のクロック
信号供給経路の配線配置方法によれば、半導体集積回路
内のクロック入力素子に対するクロック信号供給経路の
設計に際して、スラックに応じた各クロック入力素子毎
にパスの伝搬遅延差の許容範囲を決定することにより、
設計の容易化を図ることができる。
【0073】また、パスの遅延時間に応じてクロック入
力素子に対するクロックの伝搬時間差を処理することに
より、スラックが小さく、クロック伝搬遅延が厳しく要
求されるクロック入力素子に対しては、先に処理し、許
容範囲に収まるように処理でき、実チップとしての伝搬
遅延差の問題を解消ことができる。
【0074】また、クロック伝搬遅延差の許容範囲が小
さいパスのクロック入力素子は、パスの始点側のクロッ
ク入力素子および終点側のクロック入力素子を同じクロ
ックバッファ素子に接続するクロック入力素子のグルー
プとすることにより、配線接続の検討範囲が小さく、ク
ロック伝搬遅延差を小さくことができる。
【0075】また、スラックが大きく、クロック伝搬遅
延差が大きくても正常に動作するクロック入力素子に対
しては、クロックバッファ素子の駆動力を従来技術より
も抑えることができ、チップ面積、消費電力を縮小する
ことができる。
【0076】また、スラックがタイミング違反を起こす
パスに対して、決定されたクロック伝搬時間の許容範囲
において故意にクロックに遅延差を設けることにより、
タイミング違反を解消することができる。
【0077】また、ホールド違反を起こすクロック入力
素子同士に対しては、パスの始点側のクロック入力素子
のクロック伝搬時間を終点側のクロック入力素子の伝搬
時間より遅らせ、伝搬時間差を故意に設け、ホールド違
反の解消を図ることができる。
【0078】また、本発明の半導体集積回路のクロック
信号供給経路によれば、半導体集積回路内のクロック信
号の1周期の時間よりも大きいクロック伝搬時間を有す
るパスに対しても、タイミング違反を解消することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体集積回路のクロック信号供給経
路の配線配置方法を説明するために示すフローチャー
ト。
【図2】本発明の第1実施例に係るロジックLSIのク
ロック信号供給経路の配線配置方法が適用されたクロッ
ク信号供給経路を示す回路図。
【図3】本発明の第2実施例に係るロジックLSIのク
ロック信号供給経路の配線配置方法が適用されたクロッ
ク信号供給経路を示す回路図。
【図4】本発明の第3実施例に係るロジックLSIのク
ロック信号供給経路の配線配置方法が適用されたクロッ
ク信号供給経路を示す回路図。
【図5】本発明の第4実施例に係るロジックLSIのク
ロック信号供給経路の配線配置方法が適用されたクロッ
ク信号供給経路を示す回路図。
【図6】本発明の第5実施例に係るロジックLSIのク
ロック信号供給経路の配線配置方法が適用されたクロッ
ク信号供給経路を示す回路図。
【図7】本発明の配線配置方法によりスラックを反映さ
せた伝搬遅延差の許容範囲内で得られた最も差が大きい
時のパスの遅延を説明するために示すタイミング図。
【図8】従来のロジックLSIのクロック信号供給経路
の配線配置方法が適用されたクロック信号供給経路を示
す回路図。
【図9】従来の配線配置方法が適用されたクロック信号
供給経路において伝搬遅延差の許容範囲内で得られた最
も差が大きい時のパスの遅延を説明するために示すタイ
ミング図。
【符号の説明】
111、112…クロックバッファ素子、 311〜314…クロック入力素子、 411、412…接続配線、 511、512…パス、 611、612…配線トラック。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体集積回路のクロック信号供給経路
    の配線配置設計に際して、半導体集積回路内のクロック
    供給素子から複数のクロック入力素子までの間にクロッ
    クバッファ素子を挿入・配置し、前記クロックバッファ
    素子と各クロック入力素子とを配線接続し、前記クロッ
    ク供給素子から各クロック入力素子にクロック信号が伝
    搬する時間の差を許容範囲に収める方法において、 前記半導体集積回路の各クロック入力素子の接続情報と
    各クロック入力素子の配置あるいは配線配置の結果から
    各パスの遅延時間を求めて最大遅延時間の差を算出する
    第1ステップと、 前記第1ステップで算出した前記最大遅延時間の差に応
    じた各クロック入力素子毎にパスの前記クロック信号が
    伝搬する時間の差の許容範囲を決定する第2ステップ
    と、 前記第2ステップで決定した各クロック入力素子のクロ
    ック信号が伝搬する時間の差の許容範囲の情報を用い、
    各クロック入力素子のクロック信号が伝搬する時間の差
    を許容範囲に収めるためのクロックバッファ素子の挿入
    ・配置およびクロック入力素子とクロックバッファ素子
    との間のクロック配線を行う第3ステップとを具備する
    ことを特徴とする半導体集積回路のクロック信号供給経
    路の配線配置方法。
  2. 【請求項2】 前記第2ステップで決定したクロック信
    号が伝搬する時間の差の許容範囲が小さいパスに接続さ
    れるクロック入力素子に対して、前記クロック供給素子
    との接続の間に前記クロックバッファ素子の挿入・配置
    を行う処理および前記クロックバッファ素子との配線を
    行う処理を優先して行うことを特徴とする請求項1記載
    の半導体集積回路のクロック信号供給経路の配線配置方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第2ステップで決定したクロック信
    号が伝搬する時間の差の許容範囲が小さいパスに接続さ
    れるクロック入力素子は、そのパスの始点側のクロック
    入力素子および終点側のクロック入力素子を同じクロッ
    クバッファ素子に接続するクロック入力素子のグループ
    とすることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路
    のクロック信号供給経路の配線配置方法。
  4. 【請求項4】 前記第2ステップで決定したクロック信
    号が伝搬する時間の差の許容範囲が大きいパスに接続さ
    れるクロック入力素子に接続するクロックバッファ素子
    は、前記クロック伝搬遅延差の許容範囲が小さいパスに
    接続されるクロック入力素子に接続するクロックバッフ
    ァ素子よりも駆動力の小さいクロックバッファ素子を使
    用することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路
    のクロック信号供給経路の配線配置方法。
  5. 【請求項5】 前記第1ステップで求めた前記最大遅延
    時間の差がタイミング違反を起こすパスに対して、前記
    第2ステップで決定したクロック伝播時間の許容範囲に
    おいて故意にクロック信号が伝搬する時間の差を設ける
    ことにより前記タイミング違反を解消することを特徴と
    する請求項1記載の半導体集積回路のクロック信号供給
    経路の配線配置方法。
  6. 【請求項6】 前記第1ステップで求めたパスのクロッ
    ク伝搬遅延時間がホールド違反を生じる時に、違反を起
    こす関係にあるクロック入力素子を同じクロックバッフ
    ァ素子に接続するクロック入力素子のグループとし、こ
    れらのクロック入力素子が接続されるパスの終点側のク
    ロック入力素子よりも始点側のクロック入力素子のクロ
    ック伝搬時間を遅らせてホールド違反を解消することを
    特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のクロック信
    号供給経路の配線配置方法。
  7. 【請求項7】 半導体集積回路内のクロック信号の1周
    期の時間よりも大きいクロック伝搬時間を有するパス
    と、 前記パスの始点側のクロック入力素子および終点側のク
    ロック入力素子と、 前記パスの始点側のクロック入力素子および終点側のク
    ロック入力素子にそれぞれ接続配線を介して接続されて
    たクロックバッファ素子とを具備し、 前記パスのクロック信号が伝搬する時間の差の許容範囲
    を、前記クロック信号の1周期の時間と前記クロックバ
    ッファ素子から前記各クロック入力素子に対するクロッ
    ク信号が伝搬する時間の差とを加えた時間に設定するこ
    とによりタイミング違反を解消したことを特徴とする半
    導体集積回路のクロック信号供給経路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7444607B2 (en) 2004-11-26 2008-10-28 Fujitsu Limited Method for correcting timing error when designing semiconductor integrated circuit

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