JP3178127B2 - 自動レイアウト手法による半導体集積回路のブロック配置方法 - Google Patents

自動レイアウト手法による半導体集積回路のブロック配置方法

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JP3178127B2 JP32636192A JP32636192A JP3178127B2 JP 3178127 B2 JP3178127 B2 JP 3178127B2 JP 32636192 A JP32636192 A JP 32636192A JP 32636192 A JP32636192 A JP 32636192A JP 3178127 B2 JP3178127 B2 JP 3178127B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動レイアウト手法によ
り設計された半導体集積回路に関し、特に同一クロック
信号で複数のフリップフロップ回路を駆動する半導体集
積回路のブロック配置方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路の自動レイアウト
手法の1つとして、クロック信号の等長配線手法という
手法が知られている。これは、メタル配線の配線遅延に
よる回路の誤動作を防ぐためのものである。図3にメタ
ル配線の配線遅延により誤動作する回路の例を示す。ク
ロック信号31と,配線抵抗35及び配線容量36によ
って遅延されたクロック信号32は、図3(b)の波形
図に示すように配線抵抗35,配線容量36の影響でク
ロックの立上りと立下りのタイミングにそれぞれ時間差
が生じる(以下このタイミングのことをスキューと称
す)。そのため、フリップフロップ38に入力されるク
ロック信号は、フリップフロップ37に入力されるクロ
ック信号よりも遅れる。
【0003】図3(a)に示す回路において、シフトレ
ジスタの動作をさせようとした場合に誤動作をする。即
ち、フリップフロップ38はフリップフロップ37のク
ロック信号によって変化する以前のデータ(図3(b)
のDATA1)を読み込まなければならないが、クロッ
ク信号が遅延するため、クロック信号によって変化した
後のデータ(図3(b)のDATA2)を読み込むとい
う問題があった。
【0004】このような誤動作を防止するため、従来は
図4で示すような等長配線によるレイアウト手法を用い
ていた。
【0005】図4において、自動レイアウト手法による
半導体集積回路300において、外部クロック入力端子
111から入力バッファ302を介して半導体集積回路
の中にクロック信号を伝達する。
【0006】クロック信号のバッファ回路303〜32
3は、図4で示すようにバッファ303を中心にして左
右対象的に配置され、さらに左半分の部分に配置される
バッファは、バッファ304とバッファ305が上下方
向に対象で、且つ配線長がそれぞれ等しくなるように配
置される。
【0007】次に、バッファ304を中心に左右に対象
で、且つ配線長がそれぞれ等しくなるようにバッファ3
12とバッファ314,バッファ313とバッファ31
5を配置し、バッファ312とバッファ314,バッフ
ァ313とバッファ315はそれぞれ上下方向に対象
で、且つ配線長が等しくなるように配置される。さら
に、バッファ314の出力端にフリップフロップ326
を、バッファ312,313,315の出力端にも必要
に応じて他のフリップフロップが接続される。
【0008】また、バッファ305を中心にして左右対
象に、且つ配線長がそれぞれ等しくなるようにバッファ
308とバッファ310,バッファ309とバッファ3
11をそれぞれ配置し、バッファ308とバッファ31
0,バッファ309とバッファ311はそれぞれ上下方
向で対象で、且つ配線長が等しくなるように配置され
る。さらにバッファ308〜311の出力端に必要に応
じてフリップフロップが接続される。
【0009】バッファ303の右半分の配線も、上述の
左半分の配置と同様に行われ、これらの配置は最初に強
制的に配置、配線される。フリップフロップ324,3
25,326は前述したように、バッファ314,32
0,321の未端部からのみ接続される。
【0010】このような従来の自動レイアウト法の等長
配線手法で作られた半導体集積回路においては、半導体
集積回路内部のいづれの場所においても、入力バッファ
302から未端のバッファ308〜311,312〜3
15,316〜319,320323までの遅延時間
は同じとなる。
【0011】従って、フリップフロップ324,32
5,326のクロック入力端子においても、クロック信
号の位相差は発生せず、誤動作もなくなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の等長配線手法では、各フリップフロップに接続され
るクロック信号のスキューの発生を防ぐことはできる
が、初段の入力バッファとフリップフロップのクロック
入力端子間に複数のバッファが入るため、初段の入力バ
ッファからフリップフロップのクロック入力端子までの
遅延が非常に大きくなってしまうという問題点があっ
た。
【0013】特に、この外部クロック信号が複数の半導
体集積回路に供給されており、このクロック信号に同期
して、フリップフロップのデータを複数の半導体集積回
路間で転送する場合等においては、前述した遅延時間が
長いと、タイミング的に誤動作がおこり易くなるという
欠点を有している。
【0014】本発明の目的は、上述した従来の欠点を除
去することにより、外部クロック端子から内部のフリッ
プフロップのクロック端子までの遅延時間を最小限に保
持しつつ、フリップフロップのクロック端子に印加され
るクロック信号のスキューの発生を防止する半導体集積
回路のブロック配置方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体集積回
路のマスク・パターン・レイアウトに用いる、基本ファ
ンクションブロック群と、外部クロック信号を遅延する
複数の遅延素子が縦続接続されそれぞれの縦続接続の接
続点からクロックのスキューが互いに異なる内部用クロ
ック信号を生成する遅延手段および前記内部用クロック
信号を分配するバッファ手段を備えるクロック発生回路
と、を予め用意し、前記半導体集積回路の回路接続情報
を基に前記基本ファンクションブロック群の配置を行う
処理と、前記マスク・パターン・レイアウト内の予め定
める所定位置に前記クロック発生回路を配置する処理
と、それぞれ配置された前記クロック発生回路と前記基
本ファンクションブロック群のうちのフリップフロップ
群との距離を計算しその距離に応じた配線長の配線で、
前記クロック発生回路内の前記バッファ手段と前記フリ
ップフロップ群のクロック端子とを接続するための回路
接続情報の変更を行う処理とを順次実行した後に、変更
された前記回路接続情報に基づき自動レイアウトツール
を用いて前記マスク・パターン・レイアウトの自動配置
配線を行うことを特徴とする。また、前記バッファ手段
と前記フリップフロップ群のクロック端子とを接続する
前記配線は、前記フリップフロップのクロック端子側に
おいてスキューを発生させないために予めクロック発生
回路内部でスキューが調節された前記内部用クロック信
号伝送用の配線とする。
【0016】また、前記クロック発生回路を前記半導体
集積回路の中心部に配置することができる。
【0017】
【実施例】本発明の第1の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0018】図1は本発明の第1の実施例のレイアウト
ブロックの配置を示す図である。
【0019】図1によれば、自動配線による半導体集積
回路100の外部クロック端子111が、クロック発生
回路104の入力端に接続され、発振回路104入力端
からインバータ105を介して遅延回路109とインバ
ータ106に接続される。
【0020】また、遅延回路109の出力端は、遅延回
路110とインバータ107に接続され、遅延回路11
0の出力端は、インバータ108に接続される。更に、
インバータ108の出力端は、配線長aでフリップフロ
ップ102に、インバータ107の出力端は、配線長b
でフリップフロップ103に、インバータ106の出力
端は、配線長cでフリップフロップ101にそれぞれ接
続されて構成する。ここで、配線長の関係はa<b<c
である。
【0021】次に、本発明の自動レイアウト手法による
半導体集積回路のブロック配置方法について、そのクロ
ック信号線とブロック配置の設計手順について説明す
る。
【0022】まず、回路図から作成した、各機能ブロッ
ク間の接続データである回路接続情報を基に、基本ファ
ンクションブロックの配置を行う。この基本ファンクシ
ョンブロックとは、フリップフロップの他にNANDゲ
ート,NORゲート,インバータ等の基本的な論理素子
単位のブロックのことであり、これらの基本ファンクシ
ョンブロックを用いてレイアウトを行うものである。
【0023】次に、クロック発生回路104の配置を行
う。このクロック発生回路104は、複数のクロック出
力端子をもち、各クロック出力端子の信号はクロック発
生回路104の入力信号に対してスキューが少しづつ異
なる。
【0024】例えば、インバータ107の出力は、クロ
ック信号に対して遅延回路109の遅延時間だけ位相が
遅れており、また、インバータ108の出力信号は遅延
回路109,110の遅延時間だけスキューが異なる。
【0025】次に、配置されたフリップフロップ101
〜103とクロック発生回路104との距離を計算し、
その距離に応じて、クロック発生回路104とフリップ
フロップ101〜103のクロック端子との回路接続情
報の変更を行う。
【0026】すなわち、距離が短い場所に位置している
フリップフロップ102に対しては、クロック発生回路
104のスキュー遅れの大きなクロック出力端子を接続
する(配線a)。
【0027】また、距離の長い場所に位置しているフリ
ップフロップ101,103に対しては、スキュー遅れ
の少ないクロック出力端子を接続する(配線b,c)。
【0028】このような回路接続情報を基に、自動レイ
アウトツールを用いて自動配線を行う。
【0029】以上説明したような手法で設計された半導
体集積回路100においては、クロック発生回路内部で
クロック信号のスキューを調節している。そのため、フ
リップフロップ101〜103のクロック端子側でみる
と、入力されたクロック信号にはスキューが発生しな
い。
【0030】また、外部クロック入力端子111から、
フリップフロップ101〜103のクロック端子までの
信号遅延も最小限に抑制できる。
【0031】次に、本発明の第2の実施例について図面
を参照して説明する。
【0032】図2は第2の実施例のレイアウト自動配線
ブロックの配置を示す図である。
【0033】第2の実施例が図1に示した第1の実施例
と異なるところは、クロック発振回路202を半導体集
積回路200の中央部に配置している点である。
【0034】図2によれば、クロック発振回路202の
出力端にフリップフロップ203が配線長dで、フリッ
プフロップ204が配線長eで、フリップフロップ20
5が配線長f+gで、フリップフロップ206が配線長
f+hでそれぞれ接続されている。ここで配線長の関係
はd<e<(f+g)<(f+h)である。
【0035】そのため、クロック発生回路202が半導
体集積回路200の未端部に配置された場合の、配線長
の最大値が図1に示した第1の実施例の場合よりも小さ
くなる。すなわち、c>(f+h)の関係にある。
【0036】その結果、これらのフリップフロップ間を
接続するメタル配線による遅延時間を補正するために、
クロック発生回路202に内蔵している遅延回路の個数
を減らすことができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、半
導体集積回路の自動レイアウト配線において、外部から
入力したクロックを内部に配置するフリップフロップの
クロック端子に分配するためのクロック発生回路を有
し、クロック発生回路に近接して配置されたフリップフ
ロップには、クロック発生回路のスキュー遅れの大きな
クロック出力信号を接続し、クロック発生回路から配置
が長く配置されたフリップフロップにはクロック発生回
路のスキュー遅れの小さいクロック出力信号b,cを接
続することにより、外部から入力されるクロック信号と
フリップフロップのクロック端子間に接続されるバッフ
ァの個数を減らすことができる。
【0038】従って、外部クロック端子からフリップフ
ロップ端子までの遅延を最小限に保ちつつ、クロック発
生回路から各フリップフロップとの配線長に起因するク
ロック信号のスキューの発生を防止することができると
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の自動レイアウトのブロ
ック配置を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例の自動レイアウトのブロ
ック配置を示す図である。
【図3】従来例のメタル配線の遅延による誤動作を説明
するための、(a)回路図の一例,(b)動作波形図で
ある。
【図4】従来例の自動レイアウトのブロック配置を示す
図である。
【符号の説明】
100,200,300 半導体集積回路 111 外部クロック端子 101,102,103,203,204,205,2
06 フリップフロップ 104,202 クロック発振回路 105〜108 インバータ 109,110 遅延回路 a,b,c,d,e,f,g,h 配線長

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体集積回路のマスク・パターン・レ
    イアウトに用いる、基本ファンクションブロック群と、
    外部クロック信号を遅延する複数の遅延素子が縦続接続
    されそれぞれの縦続接続の接続点からクロックのスキュ
    ーが互いに異なる内部用クロック信号を生成する遅延手
    段および前記内部用クロック信号を分配するバッファ手
    段を備えるクロック発生回路と、を予め用意し、前記半
    導体集積回路の回路接続情報を基に前記基本ファンクシ
    ョンブロック群の配置を行う処理と、前記マスク・パタ
    ーン・レイアウト内の予め定める所定位置に前記クロッ
    ク発生回路を配置する処理と、それぞれ配置された前記
    クロック発生回路と前記基本ファンクションブロック群
    のうちのフリップフロップ群との距離を計算しその距離
    に応じた配線長の配線で、前記クロック発生回路内の前
    記バッファ手段と前記フリップフロップ群のクロック端
    子とを接続するための回路接続情報の変更を行う処理と
    を順次実行した後に、変更された前記回路接続情報に基
    づき自動レイアウトツールを用いて前記マスク・パター
    ン・レイアウトの自動配置配線を行うことを特徴とする
    自動レイアウト手法による半導体集積回路のブロック配
    置方法。
  2. 【請求項2】 前記バッファ手段と前記フリップフロッ
    プ群のクロック端子とを接続する前記配線は、前記フリ
    ップフロップのクロック端子側においてスキューを発生
    させないために予めクロック発生回路内部でスキューが
    調節された前記内部用クロック信号伝送用の配線とする
    請求項1記載の自動レイアウト手法による半導体集積回
    路のブロック配置方法。
  3. 【請求項3】 前記クロック発生回路を前記半導体集積
    回路の中心部に配置したことを特徴とする請求項1に記
    載の自動レイアウト手法による自動レイアウト手法によ
    る半導体集積回路のブロック配置方法。
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