JP2000248944A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents

筒内噴射式火花点火内燃機関

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JP2000248944A JP11054238A JP5423899A JP2000248944A JP 2000248944 A JP2000248944 A JP 2000248944A JP 11054238 A JP11054238 A JP 11054238A JP 5423899 A JP5423899 A JP 5423899A JP 2000248944 A JP2000248944 A JP 2000248944A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリット状の噴孔を有する燃料噴射弁と、ピ
ストン頂面に形成された凹状のキャビティとを具備し、
キャビティ内へ噴射された燃料を燃焼室の対向側壁によ
って点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火内燃機関
において、対向側壁の形状を特定することによって良好
な成層燃焼を実現することである。 【解決手段】 キャビティ８は、略扇状の燃料が最初に
衝突する底壁８ａと、燃料噴射弁に対向する対向側壁と
を有し、対向側壁は、縦断面において、略直線状の返し
部Ａと、返し部と底壁とを滑らかに接続する円弧部Ｂと
を有し、返し部の底壁に対する角度ＴＨ１は５０度から
８０度の間であり、円弧部の半径Ｒは５ｍｍから１５ｍ
ｍの間である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射式火花点
火内燃機関に関する。
【０００２】
【従来の技術】気筒内へ直接的に燃料を噴射することに
より、点火時点において点火プラグ近傍だけに着火性の
良好な濃度の混合気（以下、可燃混合気と称する）を形
成し、気筒内全体としては希薄な混合気の燃焼を可能に
する成層燃焼が公知である。成層燃焼を実施する際に
は、一般的に、圧縮行程後半において、燃料噴射弁から
ピストン頂面に形成された凹状の燃焼室内へ燃料が噴射
される。この燃料は、燃焼室壁面から熱を奪って徐々に
気化しながら燃焼室形状によって点火プラグ近傍へ偏向
される。こうして、点火時点において、点火プラグ近傍
に可燃混合気を形成することが意図されている。
【０００３】特開平９−１５８７３６号公報には、燃料
噴射弁の噴孔をスリット状にして燃料を比較的厚さの薄
い平らな扇状に噴射することが提案されている。こうし
て噴射された燃料は、一般的な円錐状の燃料噴霧に比較
して、広範囲の燃焼室壁面から熱を奪えるために、短時
間で可燃混合気を形成することができる。それにより、
燃料噴射終了時期を遅らせることが可能となるために、
圧縮行程後半において噴射可能な燃料量を増加すること
ができ、成層燃焼領域を高負荷側に拡大することができ
るとされている。
【０００４】扇状の燃料噴霧は、燃焼室の底壁に衝突し
た後に、この底壁上を幅方向に広がりながら進行するた
めに、確かに、底壁の広範囲から熱を奪って気化するこ
とが可能となる。しかしながら、その一方で、点火プラ
グ近傍に可燃混合気を形成するためには、幅方向に広が
った燃料各部を、燃焼室の燃料噴射弁に対向する対向側
壁によって、点火プラグ近傍へ向かわせなければならな
い。この対向側壁は、一般的に、平面視において円弧形
状を有している。それによって、燃焼室底壁を進行した
燃料が対向側壁上を進行する際には、燃料各部に、上方
向の速度成分と共に燃料噴霧の幅中心方向の速度成分が
付与され、燃料噴霧の幅中心上に位置する点火プラグ近
傍へ良好に気化した燃料各部を向かわせることにより、
点火時点において、点火プラグ近傍に燃料各部を集合さ
せて可燃混合気を形成することが意図されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、点火プラグ
は、燃料噴霧の幅中心上で燃焼室の対向側壁より内側、
すなわち、燃焼室の周囲上部に位置している。それによ
り、燃料各部を点火プラグ近傍へ向かわせるためには、
対向側壁は、燃焼室内へ傾斜する返し部を有し、この返
し部と燃焼室の底壁とが円弧部によって滑らかに接続さ
れている。この返し部の燃焼室底壁に対する角度と、円
弧部の半径とは、燃料各部を確実に点火プラグへ向かわ
せるための重要な諸元であり、任意に選択しただけで
は、点火プラグ近傍に可燃混合気を形成することができ
なくなり、良好な成層燃焼が実現不可能となる。
【０００６】従って、本発明の目的は、スリット状の噴
孔を有する燃料噴射弁と、ピストン頂面に形成された凹
状のキャビティとを具備し、キャビティ内へ噴射された
燃料を燃焼室の対向側壁によって点火プラグ近傍に導く
筒内噴射式火花点火内燃機関において、対向側壁の形状
を特定することによって良好な成層燃焼を実現すること
である。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項１に
記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、ピストン頂面に
形成されたキャビティと、前記キャビティ内に臨む点火
プラグと、前記キャビティ内へ燃料を比較的厚さの薄い
略扇状に噴射することを可能とする燃料噴射弁とを具備
し、前記キャビティは、前記略扇状の燃料が最初に衝突
する底壁と、前記燃料噴射弁に対向する対向側壁とを有
し、前記対向側壁は、縦断面において、略直線状の返し
部と、前記返し部と前記底壁とを滑らかに接続する円弧
部とを有し、前記返し部の前記底壁に対する角度は５０
度から８０度の間であり、前記円弧部の半径は５ｍｍか
ら１５ｍｍの間であることを特徴とする。
【０００８】また、本発明による請求項２に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記返し部の長さＬと、
前記円弧部の半径Ｒとは、６０／Ｒ＜Ｌ＜１５／Ｒの関
係を有することを特徴とする。
【０００９】また、本発明による請求項３に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１又は２に記載の筒
内噴射式火花点火内燃機関において、前記返し部の先端
頂角は７０度以下であることを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】図１は本発明による筒内噴射式火
花点火内燃機関の実施形態を示す概略縦断面図であり、
図２は図１におけるピストンの平面図である。こられの
図において、１は吸気ポート、２は排気ポートである。
吸気ポート１は吸気弁３を介して、排気ポート２は排気
弁４を介して、それぞれ気筒内へ通じている。５はピス
トンであり、６は気筒略中心上部に配置された点火プラ
グである。燃料噴射弁７は、気筒上部の吸気ポート２側
に配置され、燃料を比較的厚さの薄い平らな扇状に噴射
するものである。
【００１１】燃料噴射弁７は、例えば、高い機関出力が
必要な均一燃焼領域において、吸気行程で必要燃料量を
噴射し、点火時点で気筒内に均一混合気を形成するよう
になっている。一方、成層燃焼領域においては、圧縮行
程後半に必要燃料量を噴射するようになっている。ピス
トン５の頂面には凹状のキャビティ８が形成され、この
キャビティ８は、底壁８ａと、圧縮行程後半で燃料噴射
弁に対向する対向側壁８ｂとを有し、気筒略中心上部に
位置する点火プラグ６がキャビティ８の周囲部に臨むよ
うに、吸気ポート２側に延在している。図２に示すよう
に、対向側壁８ｂの高さ中央部は、平面視において円弧
形状を有し、この円弧半径ｒは約４０ｍｍである。ま
た、平面視において、燃料噴射弁の噴孔中心と、円弧半
径ｒの中心Ｃ１と、点火プラグ６の中心Ｃ２とは、略一
直線上に位置しており、中心Ｃ１と中心Ｃ２との間の平
面視における距離は約２５ｍｍである。
【００１２】こうして、圧縮行程後半で噴射された燃料
は、全て、図１に示すように、ピストン５の頂面に形成
されたキャビティ８内へ進入し、キャビティ８の底壁８
ａに衝突した後に、底壁８ａに沿って、キャビティ８の
対向側壁８ｂの方向に進行し、この対向側壁８ｂの平面
視における円弧形状によって、上方向と共に燃料幅中心
方向の速度成分が付与され、点火プラグ６近傍へ偏向さ
れるようになっている。
【００１３】燃料噴射弁７から噴射される燃料が比較的
厚さの薄い平らな扇状であるために、図２に示すよう
に、キャビティ８の底壁８ａ上を進行する際には、幅方
向に広がって底壁８ａの広範囲から熱吸収するために、
噴射直後の液状燃料は、幅方向の燃料各部毎に早期に気
化し、点火プラグ６近傍に集合させられることによって
着火性の良好な濃度を有する可燃混合気となる。このよ
うに、比較的厚さの薄い平らな扇状に燃料を噴射するこ
とで、噴射された燃料を早期に気化させることができる
ために、燃料噴射終了を遅らせて比較的多量の燃料噴射
が可能となり、燃料各部を点火時点において点火プラグ
６近傍に集合させることができれば、確実な着火性が確
保され、低燃料消費率の成層燃焼領域を高負荷側に拡大
することができる。
【００１４】言い換えれば、扇状の燃料噴霧を使用して
燃料を良好に気化させても、幅方向の燃料各部を点火時
点において点火プラグ６近傍に集合させない限り、良好
な成層燃焼を実現することができない。図３は、平面視
において円弧形状を有するキャビティ８の対向側壁８ｂ
における円弧中心Ｃ１を通る垂線からの放射状拡大縦断
面を示している。前述したように、点火プラグ６は、キ
ャビティ８内を臨むように位置しているために、キャビ
ティ８の対向側壁８ｂは、図３に示すように、キャビテ
ィ８の内側に傾斜する略直線状の返し部Ａを有してお
り、また、燃料がキャビティ８の底壁８ａから対向側壁
８ｂ上へ移動する際に、燃料の有する貫徹力が大幅に低
下しないように、返し部Ａと底壁８ａとは、円弧部Ｂに
よって滑らかに接続されている。燃料各部を点火時点に
おいて点火プラグ６近傍に確実に集合させるには、キャ
ビティ８の対向側壁８ａの形状を適当に選択しなければ
ならない。
【００１５】特に、返し部Ａの底壁８ａに対する角度Ｔ
Ｈ１の設定は重要であり、もし、この角度ＴＨ１が大き
過ぎると、気化した燃料各部を、点火プラグ６近傍に集
合させ難く、点火プラグ６近傍の混合気の濃度が希薄と
なって、失火が発生し易くなる。また、対向側壁８ｂに
おける返し部Ａと円弧部Ｂとは滑らかに接続され、丁
度、縦断面において、図３に示すように、返し部Ａは円
弧部Ｂの接線を形成するようになっている。それによ
り、角度ＴＨ１が小さ過ぎると、円弧部Ｂの夾角が１８
０度に近づくために、燃料各部は、円弧部Ｂ上を通過す
る際に縦旋回成分が付与されて縦旋回し、返し部Ａに沿
って進行しなくなる。こうして、やはり、気化した燃料
各部は点火プラグ６近傍に集合せず、失火は発生する。
【００１６】図４は、キャビティ８の対向側壁８ｂにお
ける返し部Ａの底壁８ａに対する角度ＴＨ１と、トルク
変動との関係を示す実験結果である。本実験において、
円弧部の半径Ｒは１０ｍｍに、返し部Ａの先端頂角ＴＨ
２は４５度に、返し部Ａの長さＬは４ｍｍにそれぞれ固
定され、角度ＴＨ１だけを変化させてトルク変動が測定
されている。トルク変動とは、各気筒間の発生トルクの
差である。すなわち、燃焼が不安定となるほど、大きな
値となる。図４に示すように、トルク変動は、角度ＴＨ
１が５０度を越えて小さくなると異常に大きくなり、角
度ＴＨ１が８０を越えて大きくなっても異常に大きくな
る。こうして、キャビティ８の対向側壁８ｂにおける返
し部Ａの底壁８ａに対する角度ＴＨ１は、５０度から８
０度の間としなければならず、それにより、トルク変動
を許容値未満とすることができる。
【００１７】また、図５は、キャビティ８の対向側壁８
ｂにおける返し部Ａの長さＬ及び円弧部Ｂの半径Ｒとト
ルク変動との関係を示す実験結果である。本実験におい
て、返し部Ａの底壁８ａに対する角度ＴＨ１は６５度
に、返し部Ａの先端頂角ＴＨ２は４５度にそれぞれ固定
されている。
【００１８】図５に示すように、円弧部Ｂの半径Ｒが５
ｍｍを下回ると、返し部Ａの長さＬに係わらずトルク変
動が異常に大きくなる。これは、円弧部Ｂの半径Ｒが小
さ過ぎることによって、キャビティ８の底壁８ａから対
向側壁８ｂ上へ移動する際に燃料が余りにも急激に偏向
させられ、燃料各部の貫徹力が大幅に低下し、燃料各部
が点火時点において点火プラグ６近傍に到達していない
ためである。
【００１９】また、円弧部Ｂの半径Ｒが１５ｍｍを上回
ると、返し部Ａの長さＬに係わらずトルク変動が異常に
大きくなる。これは、円弧部Ｂの半径Ｒが大き過ぎるこ
とによって、キャビティ８の底壁８ａから対向側壁８ｂ
へ移動する際に、燃料が余りにも緩やかに偏向させら
れ、燃料各部の貫徹力がほとんど低下せず、燃料各部が
点火時点において既に点火プラグ６を通過しているため
である。
【００２０】こうして、良好な成層燃焼を実現するため
には、キャビティ８の対向側壁８ｂにおいて、少なくと
も、返し部Ａの底壁８ａに対する角度ＴＨ１を５０度か
ら８０度の間に設定し、かつ、円弧部Ｂの半径Ｒを５ｍ
ｍから１５ｍｍの間に設定しなければならない。
【００２１】また、キャビティ８の容積を余り大きくし
過ぎると、圧縮比が低下して成層燃焼が不安定となる。
キャビティ８の底壁８ａは、扇状の燃料噴霧が幅方向に
十分に広がることを可能とするように、所定面積が必要
である。それにより、円弧部Ｂの半径Ｒを１５ｍｍ近傍
に設定した場合に、返し部Ａの長さＬを大きくすると、
キャビティ８が深くなって容積が大きくなり過ぎ、圧縮
比の低下によってトルク変動が大きくなる。一方、円弧
部Ｂの半径Ｒを５ｍｍ近傍に設定した場合には、返し部
Ａの長さＬをある程度大きくしてもキャビティ８の容積
が大きくなり過ぎることはなく、トルク変動を許容値内
に維持することができる。
【００２２】図５には、６０／Ｒ＝Ｌ及び１５／Ｒ＝Ｌ
の曲線が示されており、円弧部Ｂの半径Ｒと返し部Ａの
長さＬとの間の関係が６０／Ｒ＜Ｌとなれば、トルク変
動が許容値を越える可能性が高く、円弧部Ｂの半径Ｒと
返し部Ａの長さＬとの間の関係が１５／Ｒ＞Ｌとなれ
ば、トルク変動が許容値を越える可能性が高いことが理
解される。こうして、返し部Ａの底壁８ａに対する角度
ＴＨ１を５０度から８０度の間に設定し、かつ、円弧部
Ｂの半径Ｒを５ｍｍから１５ｍｍの間に設定することに
加えて、円弧部Ｂの半径Ｒと返し部Ａの長さＬとの間
に、６０／Ｒ＞Ｌ＞１５／Ｒの関係を満足させれば、ト
ルク変動を確実に許容値内にすることができる。
【００２３】図６は、キャビティ８の対向側壁８ｂにお
ける返し部Ａの先端頂角ＴＨ２と、トルク変動との関係
を示す実験結果である。本実験において、円弧部の半径
Ｒは１０ｍｍに、返し部Ａの底壁８ａに対する角度ＴＨ
１は６５度に、返し部Ａの長さＬは４ｍｍにそれぞれ固
定され、先端頂角ＴＨ２だけを変化させてトルク変動が
測定されている。図６に示すように、トルク変動は、先
端頂角ＴＨ２が７０度を越えて大きくなると、トルク変
動が許容値を越えることとなる。
【００２４】これは、返し部Ａの先端頂角ＴＨ２が大き
いと、返し部Ａに沿って進行する燃料各部が、返し部Ａ
の先端を過ぎてもさらに返し部Ａに沿って進行しようと
して、返し部Ａの先端から良好に剥離せず、点火プラグ
６の近傍へ向かわなくなるためである。この現象は、返
し部Ａの先端頂角ＴＨ２が１８０度近くの鈍角となった
場合を想像すれば、容易に理解される。従って、返し部
Ａの底壁８ａに対する角度ＴＨ１を５０度から８０度の
間に設定し、かつ、円弧部Ｂの半径Ｒを５ｍｍから１５
ｍｍの間に設定することに加えて、円弧部Ｂの半径Ｒと
返し部Ａの長さＬとの間に、６０／Ｒ＞Ｌ＞１５／Ｒの
関係を満足させ、さらに、返し部Ａの先端頂角ＴＨ２を
７０度以下にすることで、トルク変動をさらに確実に許
容値内にすることができる。尚、図３に示すとおり、返
し部の最先端部には、実際には微小な面取りがなされて
おり、角部を鈍角としてこの最先端部がヒートスポット
となることを防止している。しかしながら、この面取り
の大きさは極めて微小であるために、この面取り部を無
視することができ、図３に示すＴＨ２を返し部Ａの先端
頂角とみなすことができる。
【００２５】本実施形態において、キャビティの対向側
壁における放射状縦断面形状は一様としたが、これは、
本発明を限定するものではなく、対向側壁の放射状縦断
面毎で、それぞれの返し部Ａ及び円弧部Ｂが前述の数値
範囲内となっていれば、トルク変動を許容値内とするこ
とができる。
【００２６】
【発明の効果】このように、本発明による請求項１に記
載の筒内噴射式火花点火内燃機関によれば、ピストン頂
面に形成されたキャビティと、キャビティ内に臨む点火
プラグと、キャビティ内へ燃料を比較的厚さの薄い略扇
状に噴射することを可能とする燃料噴射弁とを具備し、
キャビティは、略扇状の燃料が最初に衝突する底壁と、
燃料噴射弁に対向する対向側壁とを有し、対向側壁は、
縦断面において、略直線状の返し部と、返し部と底壁と
を滑らかに接続する円弧部とを有し、返し部の底壁に対
する角度は５０度から８０度の間であるために、この角
度が大き過ぎたり小さ過ぎたりすることはなく、また、
円弧部の半径は５ｍｍから１５ｍｍの間であるために、
この半径が大き過ぎたり小さ過ぎたりすることはなく、
略扇状に噴射された燃料の幅方向各部を、確実に点火プ
ラグ近傍へ向かわせ、点火時点において点火プラグ近傍
に集合させることが可能となり、良好な成層燃焼を実現
することができる。
【００２７】また、本発明による請求項２に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関によれば、請求項１に記載の筒
内噴射式火花点火内燃機関において、返し部の長さＬ
と、円弧部の半径Ｒとは、６０／Ｒ＜Ｌ＜１５／Ｒの関
係を有するようになっているために、キャビティの容積
が大きくなり過ぎて、圧縮比が低下することによる成層
燃焼の悪化が防止され、良好な成層燃焼をさらに確実に
実現することができる。
【００２８】また、本発明による請求項３に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関によれば、請求項１又は２に記
載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、返し部の先
端頂角は７０度以下であるために、返し部の先端頂角が
大き過ぎて、返し部に沿って進行する燃料が、返し部の
先端を過ぎてもさらに返し部に沿って進行しようとし
て、返し部の先端から良好に剥離せず、点火プラグ近傍
へ向かわなくなることが防止され、良好な成層燃焼をさ
らに確実に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の実
施形態を示す概略縦断面図である。
【図２】図１のピストンの平面図である。
【図３】ピストン頂面に形成されたキャビティにおける
対向側壁の放射状拡大縦断面図である。
【図４】対向側壁における返し部の底壁に対する角度
と、トルク変動との関係を示す実験結果である。
【図５】対向側壁における返し部の長さ及び円弧部の半
径と、トルク変動との関係を示す実験結果である。
【図６】対向側壁における返し部の先端頂角と、トルク
変動との関係を示す実験結果である。
【符号の説明】
５…ピストン ６…点火プラグ ７…燃料噴射弁 ８…キャビティ ８ａ…底壁 ８ｂ…対向側壁 Ａ…返し部 Ｂ…円弧部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ０２Ｍ 61/18 ３６０ Ｆ０２Ｍ 61/18 ３６０Ｊ (72)発明者 佐々木 康一 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 飯坂 重光 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 Ｆターム(参考） 3G023 AA01 AA18 AB03 AC05 AD02 AD09 AD14 AG01 3G066 AA02 AA05 AB02 AD12 BA01 CC21 CC34 CC48 CD04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ピストン頂面に形成されたキャビティ
    と、前記キャビティ内に臨む点火プラグと、前記キャビ
    ティ内へ燃料を比較的厚さの薄い略扇状に噴射すること
    を可能とする燃料噴射弁とを具備し、前記キャビティ
    は、前記略扇状の燃料が最初に衝突する底壁と、前記燃
    料噴射弁に対向する対向側壁とを有し、前記対向側壁
    は、縦断面において、略直線状の返し部と、前記返し部
    と前記底壁とを滑らかに接続する円弧部とを有し、前記
    返し部の前記底壁に対する角度は５０度から８０度の間
    であり、前記円弧部の半径は５ｍｍから１５ｍｍの間で
    あることを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
  2. 【請求項２】 前記返し部の長さＬと、前記円弧部の半
    径Ｒとは、６０／Ｒ＜Ｌ＜１５／Ｒの関係を有すること
    を特徴とする請求項１に記載の筒内噴射式火花点火内燃
    機関。
  3. 【請求項３】 前記返し部の先端頂角は７０度以下であ
    ることを特徴とする請求項１又は２に記載の筒内噴射式
    火花点火内燃機関。
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