JP2000248493A - 防湿紙の製造方法及び防湿紙 - Google Patents

防湿紙の製造方法及び防湿紙

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Junichi Oguma
淳一 小熊
Yasuhiro Yamazaki
泰裕 山崎
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 古紙回収プラント内の離解工程おいて、離解
性が良好な防湿紙の製造方法をを提供する。 【解決手段】 原紙を加湿した後、基紙の少なくとも片
面に、塩化ビニリデン単量体86〜94重量%、および
塩化ビニリデン単量体と共重合可能な1種以上のその他
のビニル系単量体6〜14重量%からなるモノマー混合
物を乳化重合して得られる塩化ビニリデン系共重合体ラ
テックスを塗布することを特徴とする防湿紙の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿用包装あるい
は段ボール原紙等に使用される紙・板紙に合成樹脂の被
覆処理を施こす防湿紙の製造方法、およびその防湿紙に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙の防湿加工は、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂をラ
ミネートしたり、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス
をコートすることにより行われている。しかし、ポリオ
レフィンラミネート紙は、古紙回収をして再生を行おう
とすると、古紙回収プラント内の離解工程おいて、多量
のポリエチレン屑を副生するため、再利用できなかっ
た。
【0003】一方、塩化ビニリデン系共重合体ラテック
スコート紙については、ラテックスが乾燥して塗膜を形
成するまでに、紙のパルプ繊維の間隙に形成される毛細
管への吸い込みを避けることはできない。塗布量が少な
い場合は、毛細管への吸い込みのため、紙への被覆が足
らず、ピンホールが多く存在する塗膜が形成されてしま
い、防湿性を発揮できない。それゆえ、十分な防湿性を
発現するには塗布量を多くする必要があった。しかし、
塗布量が多いと、コストが高く付くだけではなく、古紙
回収をして、再生を行おうとすると、古紙回収プラント
内の離解工程おいて、離解性が低下するという問題があ
った。
【0004】そこで、塩化ビニリデン系共重合体ラテッ
クスコート紙に対しては、十分な防湿性を発現するのに
必要なラテックスの塗布量を少なくすることが求められ
ており、このような要求を満たすため、以下のような改
良が試みられてきた。例えば、塩化ビニリデン系共重合
体ラテックスを塗布したときの、原紙への吸い込みを少
なくするため、原紙にスチレン・ブタジエン系共重合体
ラテックスを塗布、乾燥して形成される層をプライマー
として設けてから、塩化ビニリデン系共重合体ラテック
スを塗布する方法も一般には知られている。例えば、特
開平7−137206号公報では、この方法によりラテ
ックスコート紙を得ている。しかし、この方法では塩化
ビニリデン系共重合体ラテックスの塗布量は少なくでき
るが、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスから
形成される樹脂層の可とう性が過剰のため離解性が不十
分であった。
【0005】また、原紙への吸い込みが少ない塩化ビニ
リデン系共重合体ラテックスをコートした防湿紙が提案
されている。特開平11−12982号公報では、特定
の増粘度を持つ塩化ビニリデン系共重合体ラテックスを
コートした防湿紙が提案されている。この塩化ビニリデ
ン系共重合体ラテックスを使用した場合には、従来のラ
テックスに較べたら、より少ない塗布量で防湿性を発揮
できるため離解性は大幅に改善された。しかし、十分に
満足できる離解性のレベルには到達していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、防湿性を発
揮するのに必要な塩化ビニリデン系共重合体ラテックス
の塗布量が少なくてすみ、古紙回収プラント内の離解工
程おいて、離解性が良好な防湿紙の製造方法、およびそ
の防湿紙を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、原紙を加湿した
後、塩化ビニリデン単量体の特定量を乳化重合して得ら
れる塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスを塗布する
防湿紙の製造方法が前記課題を解決するのに好適である
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は下記のとおりである。 1)原紙を加湿した後、原紙の少なくとも加湿処理され
た片面に、塩化ビニリデン単量体86〜94重量%、お
よび塩化ビニリデン単量体と共重合可能な1種以上のそ
の他のビニル系単量体6〜14重量%からなるモノマー
混合物を乳化重合して得られる塩化ビニリデン系共重合
体ラテックスを塗布することを特徴とする防湿紙の製造
方法。
【0009】2)塩化ビニリデン系共重合体ラテックス
の塗布量が3〜20g/m2 である、上記1記載の防湿
紙の製造方法。 3)上記1、または2記載の製造方法により製造された
防湿紙。 以下、本発明につき詳述する。本発明においては、塩化
ビニリデン系共重合体ラテックスを塗布する前の原紙を
加湿する。原紙に加湿処理を施してからラテックスを塗
布することにより、十分な防湿性を発現するのに必要な
ラテックスの塗布量を少なくできる。
【0010】この理由については以下のように考えるこ
とが出来る。ラテックスを塗布する前の原紙を加湿する
ことにより、紙のパルプ繊維の間隙に形成される毛細管
へ予め水を吸い込ませておくことができ、次に、ラテッ
クスを塗布したときには毛細管には既に水が吸い込まれ
ているので、ラテックスの毛細管への吸い込み量は必然
的に小さくなる。このことにより、塗布量が少ない場合
でも紙への被覆が十分に行われ、ピンホールの無い塗膜
が形成されて防湿性を発揮する。
【0011】原紙全体を加湿する方法として例えば、恒
温恒湿槽に原紙を放置して加湿処理を行う方法が上げら
れる。この場合は温度、湿度、放置時間を変えることに
より毛細管への吸水量をコントロールできる。連続プロ
セスでは、高温高湿雰囲気に保持したチャンバー内を通
過させることにより加湿処理を行うことができる。ま
た、原紙のラテックスを塗布する面のみを加湿する方法
として例えば、水を紙に直接塗布して加湿処理する方法
が上げられる。グラビアロール、エアナイフ等により塗
布することが出来る。また、メイヤーバーによっても紙
に水を塗布することが出来る。この場合はメイヤーバー
の番手を変更して毛細管への吸水量をコントロールでき
る。更に、十分な防湿性を発現するのに必要なラテック
スの塗布量を少なくする目的で加湿処理を行う本発明と
は違うが、カレンダー処理による紙の嵩高低下を防ぐ方
法として一般的に知られている加湿カレンダー法の加湿
方法を利用することも出来る。例えば、特開平2−16
0993号公報や特開平4−361695号公報には加
熱蒸気を紙に付与して加湿する方法が示されている。
【0012】以上の方法により、原紙全体、あるいは片
面を加湿することができる。しかし、原紙全体を加湿処
理する場合には吸水効率が悪くなり、ラテックスの毛細
管への吸い込み量低減効果が小さくなる場合がある。一
方、ラテックスを塗布する面のみ加湿する場合には加湿
効率が良くなり、ラテックスの毛細管への吸い込み量低
減効果が大きい。また、加湿による原紙の強度低下も、
片面のみ加湿するほうが少なくて済む。
【0013】加湿処理を施して原紙へ吸水させる好まし
い吸水量は原紙の坪量によって変わるが、例えば、坪量
75g/m2 の未さらしクラフト紙では1〜10g/m
2 が適当である。1g/m2 未満では効果を発揮できな
い場合がある。10g/m2を越えると、紙の強度が低
下したり、紙の毛細管より溢れた余剰な水が紙表面を覆
い次のラテックスコート工程でのコートが困難になる場
合があるので好ましくない。
【0014】ここで吸水量とは、先に述べた加湿方法を
施して吸水させた後の原紙重量から標準条件(20℃、
65%RH)に保たれた部屋に原紙を2時間以上放置し
たときの原紙重量を引いて求める。すなわち、標準状態
の原紙の吸水量を0g/m2とする。原紙を加湿した後
は、速やかにラテックスをコートする必要がある。時間
が経過すると、毛細管へのラテックス吸い込みを防止す
る効果が無くなくなってしまう場合がある。
【0015】本発明においては、塩化ビニリデン単量体
の量は86〜94重量%である。86重量%未満である
と結晶性が低く、本発明が目指すところの防湿性を発現
できない。また、94重量%を越えると重合直後でも共
重合体が結晶化してしまい、ラテックス粒子が固くな
り、成膜性が不良となる。好ましくは88〜93重量%
であり、更に好ましくは89〜92重量%の範囲であ
る。
【0016】本発明のその他の共重合可能なビニル系単
量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル等の
エチレン系α、β−不飽和カルボン酸のアルキルエステ
ル単量体が挙げられる。また、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等の
不飽和カルボン酸も同様に挙げられる。また、例えば、
アクリロニトリル、またはメタクリロニトリル等のニト
リル基を有する単量体も同様に挙げられる。また、エチ
レン系α、β−不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキル
エステル、アクリルアミド等のエチレン系α、β−不飽
和カルボン酸のアミド化合物、塩化ビニル、酢酸ビニル
等のビニルエステル、ビニルメチルエーテル等のビニル
エーテル、酢酸アリル等のアリルエステル、アリルメチ
ルエーテル等のアリルエーテル等が挙げられる。さら
に、スチレン系化合物も挙げられる。
【0017】本発明の共重合可能なビニル系単量体の量
は6〜14重量%である。6重量%未満では成膜性が不
良となる。また、14重量%を越えると本発明が目指す
ところの防湿性を発現できない。好ましくは7〜12重
量%の範囲である。更に好ましくは8〜12重量%の範
囲である。本発明において、塩化ビニリデン系共重合体
ラテックスの塗布量は、3〜20g/m2 が好ましい。
3g/m2 未満では、必ずしも十分な防湿性が得られな
い場合がある。また、20g/m2を越えると、古紙回
収プラント内の離解工程おいて解離性が低下する場合が
ある。
【0018】本発明において、塩化ビニリデン系共重合
体ラテックスの製造に使用する重合開始剤、界面活性剤
等の種類は特に限定されないが、これらの添加剤はラテ
ックスより生成させた塗膜中に残存して防湿性の低下を
招く恐れがあるので、その使用量は可能な限り少量であ
ることが望ましい。本発明において、加湿された原紙に
塩化ビニリデン系共重合体ラテックスを塗布する方法と
しては、エアーナイフコーター、バーコーター、ロール
コーター等の公知の方法を用いることができる。塗布し
た後の乾燥は80〜190℃の範囲で10秒〜5分間行
うのが好ましい。
【0019】原紙としては、例えば、上質紙、中質紙、
片艶クラフト紙、両更クラフト紙、未さらしクラフト
紙、クラフト伸長紙などが挙げられる。本発明の製造方
法によって、上質紙や各種塗工紙等の包装用原紙、また
は医療品包装材や食品包装材や農業用包装材等の段ボー
ル原紙に使用される原紙に塩化ビニリデン系共重合樹脂
の被覆処理を施こすとき、十分な防湿性を発揮するのに
必要な塩化ビニリデン系共重合体ラテックスの塗布量が
少なくなるため、古紙回収プラント内の離解工程おいて
離解性が良好な防湿紙を製造できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例および比較
例によって更に詳細に説明する。実施例中および比較例
中、特に断らない限り、部及び%は重量表示である。ま
た、測定法、評価法等は下記の通りである。 A)防湿性 上記で得たラテックスコート紙の透湿量をJIS−Z−
0208(カップ法)にて測定した。測定条件は40
℃、90%RHである。 B)離解性試験 紙/水=3/100の混合割合のラテックスコート紙と
水の混合物1500gを2L試験用パルパー(熊谷理機
工業株式会社製)に入れ、122rpmにて10、およ
び20分間の離解を行った。 C)離解性の判定 水を満たした2Lのガラス製試験管中にパルパー処理後
のスラリーをひとつまみ入れ、十分に振とうした後、離
解の程度を目視で、以下の基準で判定した。
【0021】 ○:数mm大の残滓がわずかに認められる △:数mm大の残滓がかなり認められる ×:1cm大以上の残滓が認められる D)離解収率 パルパー処理後のスラリーを80メッシュスクリーンフ
ィルター(フラットスクリーン:熊谷理機工業株式会社
製)で処理し、フィルター残滓の乾燥後重量より、下記
の式により離解収率(%)を得た。 (離解収率)=〔(フィルター残滓乾燥重量)/(仕込
紙重量)〕×100
【0022】
【実施例1】原紙に塗布する塩化ビニリデン系共重合体
ラテックスを下記の方法により製造した。ガラスライニ
ングを施した耐圧反応器中に水100部、アルキルスル
ホン酸ソーダ(バイエル社メロソラートH、以下同じ)
0.20部、過硫酸ナトリウム0.1部を仕込み、脱気
を行った後、内容物の温度を55℃に保った。
【0023】別の容器に塩化ビニリデン(VDC)91
部、メタクリル酸メチル(MMA)4部、メタクリロニ
トリル(MAN)4部、およびアクリル酸(AA)1部
を計量混合してモノマー混合物を作成した。該モノマー
混合物の内10部を上記耐圧反応器中に一括添加し、内
圧が降下するまで重合した。続いて、単量体混合物の残
り90部を12時間にわたって連続的に定量圧入した。
並行して、アルキルスルホン酸ソーダ1.0部も10時
間にわたって連続的に定量圧入した。この間、内容物を
55℃に保ち、内圧が十分に降下するまで反応を進行さ
せた。重合収率は99.9%であった。重合収率はほぼ
100%なので、共重合体の組成は仕込比にほぼ等し
い。
【0024】かくして得られたラテックスにアルキルス
ルホン酸ソーダの15%水溶液を加えて、20℃におけ
る気液表面張力が42mN/mとなるよう調整した。こ
の後、水蒸気ストリッピングによって未反応モノマーを
除去した。次に、目標防湿性10g/m2・24Hrと
なるようにラテックスコート紙を以下の方法で作成し
た。まず、始めに原紙に加湿処理を施した。坪量75g
/m 2の未さらしクラフト紙にメイヤーバーで水を塗布
し、8g/m2吸水させた。その後、速やかに塩化ビニ
リデン系共重合体ラテックスをメイヤーバーで12g/
2塗布し、熱風循環乾燥機中120℃で1分間乾燥
後、40℃、1日の条件でエージング処理を施し、ラテ
ックスコート紙を作成した。
【0025】塩化ビニリデン系共重合体ラテックスの組
成、およびラテックスコート紙の性能等を表1、2に示
す。
【0026】
【実施例2】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)86.2部、メタクリル酸メチル(MMA)6.4
部、メタクリロニトリル(MAN)6.4部、およびア
クリル酸(AA)1部を計量混合して作成したものとし
た以外は、実施例1と同様にした。重合収率は99.9
%であった。そして、目標防湿性10g/m2・24H
rとなるようにラテックスコート紙を作成した。ラテッ
クスの塗布量は20g/m2とした。ラテックスの組
成、およびラテックスコート紙の性能などを実施例1と
同様に表1、2に示す。
【0027】
【実施例3】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)93.8部、メタクリル酸メチル(MMA)2.6
部、メタクリロニトリル(MAN)2.6部、およびア
クリル酸(AA)1部を計量混合して作成したものとし
た以外は、実施例1と同様にした。重合収率は99.9
%であった。そして、目標防湿性10g/m2・24H
rとなるようにラテックスコート紙を作成した。ラテッ
クスの塗布量は10g/m2とした。ラテックスの組
成、およびラテックスコート紙の性能などを実施例1と
同様に表1、2に示す。
【0028】
【実施例4】坪量120g/m2の未さらしクラフト紙
を使用した以外は、実施例1と同様にした。そして、目
標防湿性10g/m2・24Hrとなるようにラテック
スコート紙を作成した。ラテックスの塗布量は4g/m
2とした。ラテックスの組成、およびラテックスコート
紙の性能などを実施例1と同様に表1、2に示す。
【0029】
【実施例5】坪量75g/m2の未さらしクラフト紙を
40℃、90%RHに保たれた恒温恒湿槽の中に2時間
放置して、1.3g/m2吸水させた以外は、実施例1
と同様にした。ラテックスの組成、およびラテックスコ
ート紙の性能などを実施例1と同様に表1、2に示す。
【0030】
【比較例1】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)83部、メタクリル酸メチル(MMA)8部、メタ
クリロニトリル(MAN)8部、およびアクリル酸(A
A)1部を計量混合して作成したものとした以外は、実
施例1と同様にした。重合収率は99.9%であった。
そして、目標防湿性10g/m2・24Hrとなるよう
にラテックスコート紙を作成した。ラテックスの塗布量
は40g/m2とした。ラテックスの組成、およびラテ
ックスコート紙の性能などを実施例1と同様に表1、2
に示す。
【0031】表1、2に示されるとおり、塩化ビニリデ
ン単量体が86重量%未満だと、目標の防湿性を得るた
めにはラテックスの塗布量が多くなり、再生時の離解性
が低下する。
【0032】
【比較例2】原紙に加湿処理を施さなかった以外は実施
例2と同様にした。そして、目標防湿性10g/m2
24Hrとなるようにラテックスコート紙を作成した。
ラテックスの塗布量は34g/m2とした。ラテックス
の組成、およびラテックスコート紙の性能などを実施例
1と同様に表1、2に示す。
【0033】表1、2に示されるとおり、原紙に加湿処
理を施さないと、目標の防湿性を得るためにはラテック
スの塗布量が多くなり、再生時の離解性が低下する。
【0034】
【比較例3】原紙に加湿処理を施す代わりに、スチレン
・ブタジエン系共重合体ラテックスを塗布、乾燥して形
成される層をプライマーとして設けた。スチレン・ブタ
ジエン系共重合体ラテックスとして大日本インキ化学工
業社製のラックスターDS405を選択した。メイヤー
バーによって塗布して熱風循環乾燥機中100℃で1分
間乾燥させた。次に、目標防湿性10g/m2・24H
rとなるように塩化ビニリデン系共重合体ラテックスの
塗布量を3g/m2とした以外は実施例1と同様にし
た。ラテックスの組成、およびラテックスコート紙の性
能などを実施例1と同様に表1、2に示す。
【0035】表1、2に示されるとおり、スチレン・ブ
タジエン系共重合体ラテックスから形成される樹脂層の
可とう性が過剰のため離解性が不十分である。
【0036】
【比較例4】坪量75g/m2の未さらしクラフト紙に
20μmの厚さのポリエチレンをラミネート加工した紙
に対して離解性試験を行った。ポリエチレンラミネート
加工紙は、離解スラリー中に原形をとどめたままのポリ
エチレンフィルムが浮遊して、表1、2に示されるとお
り、離解性は全く無い。
【0037】以上、表1、2に示されるとおり、いずれ
の比較例においても、目標とする防湿性の発揮と離解性
の兼備が出来ていない。これに対して、本発明において
は実施例に見られるとおり、十分な防湿性を発揮してお
り、かつ、塩化ビニリデン系共重合体ラテックスの塗布
量が少ないため、離解性を確保しており、本発明の効果
が顕著であることがわかる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の防湿紙の製造方法は、十分な防
湿性を発現するのに必要な塩化ビニリデン系共重合ラテ
ックスの塗布量が少ないため、古紙回収プラント内の離
解工程おいて、離解性が良好である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK16B AK16C AK16J BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C CC00B CC00C DG10A EH462 EJ422 EJ862 GB15 JA20B JA20C JD04 JL00 JL16 JM01B JM01C YY00B YY00C 4L055 AG67 AG71 AG74 AJ02 BE01 BE08 EA14 EA32 FA30 GA47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙を加湿した後、原紙の少なくとも加
    湿処理された片面に、塩化ビニリデン単量体86〜94
    重量%、および塩化ビニリデン単量体と共重合可能な1
    種以上のその他のビニル系単量体6〜14重量%からな
    るモノマー混合物を乳化重合して得られる塩化ビニリデ
    ン系共重合体ラテックスを塗布することを特徴とする防
    湿紙の製造方法
  2. 【請求項2】 塩化ビニリデン系共重合体ラテックスの
    塗布量が3〜20g/m2 である請求項1記載の防湿紙
    の製造方法
  3. 【請求項3】 請求項1、または2記載の製造方法によ
    り製造された防湿紙
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