JPH1112982A - 防湿紙及びその製造法 - Google Patents

防湿紙及びその製造法

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JPH1112982A
JPH1112982A JP15532197A JP15532197A JPH1112982A JP H1112982 A JPH1112982 A JP H1112982A JP 15532197 A JP15532197 A JP 15532197A JP 15532197 A JP15532197 A JP 15532197A JP H1112982 A JPH1112982 A JP H1112982A
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JP
Japan
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vinylidene chloride
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latex
viscosity
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JP15532197A
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English (en)
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Junichi Oguma
淳一 小熊
Yasuhiro Yamazaki
泰裕 山崎
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスの塗
布量が少ないため、古紙回収プラント内の離解工程おい
て、離解性が良好な防湿紙を提供する。 【解決手段】 塩化ビニリデン単量体86〜94重量
%、カルボキシル基含有ビニル系単量体0.5〜3.0
重量%、およびこれらと共重合可能な1種以上のその他
のビニル系単量体3.0〜13.5重量%からなるモノ
マー混合物を乳化重合して得られ、固形分50%時の粘
度が30mPa・s以下であり、下記の式で定義される
増粘度が25mPa・s以上である塩化ビニリデン系共
重合樹脂ラテックスが基紙にコートされてなることを特
徴とする防湿紙。 (増粘度)=(固形分60%の粘度)−(固形分50%
の粘度)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿用包装あるい
は段ボール原紙等に使用される、紙・板紙に合成樹脂の
被覆処理を施した防湿紙およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙の防湿加工は、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂をラ
ミネートしたり、塩化ビニリデン系合成樹脂ラテックス
をコートすることにより行われている。しかし、ポリオ
レフィンラミネート紙は、古紙回収をして再生を行おう
とすると、古紙回収プラント内の離解工程おいて、多量
のポリエチレン屑を副生するため、再利用できなかっ
た。
【0003】一方、塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテッ
クスコート紙については、ラテックスが乾燥して塗膜を
形成するまでに、紙のパルプ繊維の間隙に形成される毛
細管への吸い込みを避けることはできない。塗布量が少
ない場合は、毛細管への吸い込みのため、紙への被覆が
足らず、ピンホールが多く存在する塗膜が形成されてし
まい、防湿性を発揮できない。それゆえ、十分な防湿性
を発現するには塗布量を多くする必要があった。しか
し、塗布量が多いと、コストが高く付くだけではなく、
古紙回収をして、再生を行おうとすると、古紙回収プラ
ント内の離解工程おいて、離解性が低下するという問題
があった。
【0004】そこで、塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテ
ックスコート紙に対しては、十分な防湿性を発現するの
に必要なラテックスの塗布量を少なくすることが求めら
れており、このような要求を満たすため、以下のような
改良が試みられてきた。例えば、塩化ビニリデン系共重
合樹脂ラテックスを塗布したときの、紙基材への吸い込
みを少なくするため、アンカーコートとして溶剤系接着
剤層を介在させる方法は一般的に知られている。しか
し、この方法では、塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテッ
クスの塗布量は少なくできるが、2層コートのため、作
業時間が長くなったり、コストが高く付く等の問題があ
る。また、近年の環境問題から派生した溶剤規制に対し
て、溶剤系接着剤を使用しないことが求められている。
【0005】また、同様に、紙基材への吸い込みを少な
くするため、紙基材にスチレン・ブタジエン系ラテック
スを塗布、乾燥して形成される層をプライマーとして設
けてから、塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスを塗
布する方法も一般には知られている。例えば、特開平8
−239536号公報では、この方法によりラテックス
コート紙を得ている。しかし、この方法も、塩化ビニリ
デン系共重合樹脂ラテックスの塗布量は少なくできる
が、2層コートのため、作業時間が長くなったり、コス
トが高く付く等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、防湿性を発
揮するのに必要な塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテック
スの塗布量が少なくてすみ、古紙回収プラント内の離解
工程おいて、離解性が良好な防湿紙及びその製造法を提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のカルボキシ
ル基含有ビニル単量体量と固形分50%の粘度と増粘度
を有する塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスをコー
トした防湿紙が前記課題を解決するのに好適であること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は下記のとおりである。 1)塩化ビニリデン単量体86〜94重量%、カルボキ
シル基含ビニル系単量体0.5〜3.0重量%、および
これらと共重合可能な1種以上のその他のビニル系単量
体3.0〜13.5重量%からなるモノマー混合物を乳
化重合して得られ、固形分50%時の粘度が30mPa
・s以下であり、下記の式で定義される増粘度が25m
Pa・s以上である塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテッ
クスが基紙にコートされてなることを特徴とする防湿
紙。 (増粘度)=(固形分60%の粘度)−(固形分50%
の粘度) 2)上記1記載の防湿紙を用いた包装用または段ボール
用原紙。
【0009】3)塩化ビニリデン単量体86〜94重量
%、カルボキシル基含ビニル系単量体0.5〜3.0重
量%、およびこれらと共重合可能な1種以上のその他の
ビニル系単量体3.0〜13.5重量%からなるモノマ
ー混合物を乳化重合して得られ、固形分50%時の粘度
が30mPa・s以下であり、下記の式で定義される増
粘度が25mPa・s以上である塩化ビニリデン系共重
合樹脂ラテックスを基紙にコートすることを特徴とする
防湿紙の製造法。 (増粘度)=(固形分60%の粘度)−(固形分50%
の粘度) 4)塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスのpHを4
以上に調整して基紙にコートする上記3記載の防湿紙の
製造法。
【0010】5)塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテック
スの粒子径が120nm以下である上記3または4記載
の防湿紙の製造法。 6)塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスの25℃に
おける電気抵抗率が2000〜5000Ω・mである上
記3、4または5記載の防湿紙の製造法。 以下、本発明につき詳述する。
【0011】本発明に用いられる塩化ビニリデン系共重
合樹脂ラテックスにおいては、塩化ビニリデン単量体の
量は86〜94重量%が適当である。86重量%未満で
あると結晶性が低く、本発明が目指すところの防湿性を
発現できない。また、94重量%を越えると重合直後で
も共重合体が結晶化してしまい、ラテックス粒子が固く
なり、成膜性が不良となる。好ましくは88〜93重量
%であり、更に好ましくは89〜92重量%の範囲であ
る。
【0012】本発明に用いられる塩化ビニリデン系共重
合樹脂ラテックスには、カルボキシル基含有ビニル系単
量体が用いられる。カルボキシル基含有ビニル系単量体
を使用することにより、紙のパルプ繊維の間隙に形成さ
れる毛細管への吸い込みが少なくなり、充分な紙への被
覆を達成できる。カルボキシル基含有ビニル系単量体と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸が挙
げられる。そのなかでも好ましいのは、アクリル酸、ま
たはメタクリル酸である。特に好ましいのはアクリル酸
である。
【0013】カルボキシル基含有ビニル系単量体の量は
0.5〜3.0重量%である。0.5重量%未満では、
乾燥時の粘度増加が不十分で、紙のパルプ繊維の間隙に
形成される毛細管への吸い込みが大きくなり、充分な紙
への被覆が達成できない。一方、3.0重量%を越える
場合には、塗膜中の親水性物質量が増大して、本発明が
目指すところの防湿性を発揮できない。好ましくは0.
5〜1.5重量%であり、更に好ましくは0.8〜1.
2重量%の範囲である。
【0014】本発明に用いられる塩化ビニリデン系共重
合樹脂ラテックスにおいては、その他の共重合可能なビ
ニル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メ
チル等のエチレン系α、β−不飽和カルボン酸のアルキ
ルエステル単量体が挙げられる。また、例えば、アクリ
ロニトリル、またはメタクリロニトリル等のニトリル基
を有する単量体も同様に挙げられる。また、エチレン系
α、β−不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステ
ル、アクリルアミド等のエチレン系α、β−不飽和カル
ボン酸のアミド化合物、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビ
ニルエステル、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテ
ル、酢酸アリル等のアリルエステル、アリルメチルエー
テル等のアリルエーテル等が挙げられる。さらに、スチ
レン系化合物も挙げられる。
【0015】共重合可能なビニル系単量体の量は3.0
〜13.5重量%である。3.0重量%未満では成膜性
が不良となる。また、13.5重量%を越えると本発明
が目指すところの防湿性を発現できない。より好ましく
は5.8〜11.2重量%の範囲である。本発明に用い
られる塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスにおいて
は、固形分50%の粘度は30mPa・s以下である。
30mPa・sを越えると紙基材にコートするときの作
業性が低下する。
【0016】本発明に用いられる塩化ビニリデン系共重
合樹脂ラテックスにおいては、増粘度は25mPa・s
以上である。増粘度が25mPa・s未満では、乾燥時
の粘度増加が足りず、紙のパルプ繊維の間隙に形成され
る毛細管への吸い込みが大きくなり、充分な紙への被覆
が達成できない。好ましくは50mPa・s以上であ
り、更に好ましくは60mPa・s以上である。
【0017】増粘度とは、固形分50%の粘度と固形分
60%の粘度を用いて下記の式で定義される。 (増粘度)=(固形分60%の粘度)−(固形分50%
の粘度) 本発明に用いられる塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテッ
クスにおいては、pHが4以上のものが好ましい。pH
をが4以上にすると、紙のパルプ繊維の間隙に形成され
る毛細管への吸い込みが更に少なくなる。特に好ましい
pHは7以上である。
【0018】pHは、通常の乳化重合等により得られた
ラテックスにアルカリを添加することにより調整する。
添加するアルカリとしては、水酸化ナトリウム水溶液、
水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液等が挙げられ
る。得られる塗膜の防湿性を考慮すると好ましいのは、
アンモニア水溶液である。本発明に用いられる塩化ビニ
リデン系共重合樹脂ラテックスにおいては、粒子径は1
20nm以下であることが好ましい。120nmを越え
ると、乾燥時の粘度増加が不足し、紙のパルプ繊維の間
隙に形成される毛細管への吸い込みが大きいため、充分
な紙への被覆を達成できない場合がある。より好ましく
は110nm以下であり、更に好ましくは100nm以
下である。
【0019】本発明に用いられる塩化ビニリデン系共重
合樹脂ラテックスにおいては、25℃における電気抵抗
率が2000〜5000Ω・mであることが好ましい。
25℃における電気抵抗率を2000〜5000Ω・m
に調整することにより、紙のパルプ繊維の間隙に形成さ
れる毛細管への吸い込みが少なくなり、充分な紙への被
覆を達成できる。電気抵抗率が2000Ω・m未満で
は、紙のパルプ繊維の間隙に形成される毛細管への吸い
込みが大きいため、充分な紙への被覆を達成できない場
合がある。また、5000Ω・mを越えるとラテックス
の安定性が低下する傾向がある。
【0020】より好ましい25℃における電気抵抗率は
2000〜4000Ω・mの範囲であり、更に好ましく
は2000〜3000Ω・mの範囲である。25℃にお
ける電気抵抗率(Ω・m)とは、JIS−K−0101
の12に基づいて、固形分30%に蒸留水で調整したラ
テックスの25℃における電気伝導率(S/m)を測定
し、その逆数をとったものである。
【0021】25℃における電気抵抗率は、通常の乳化
重合等により得られたラテックスに透析処理を施すこと
により調整する。透析処理に使用する透析膜の種類とし
ては、再生セルロース、ポリアクリロニトリル、または
ポリスルホン等からなるものが挙げられる。これらの膜
からなる透析チューブにラテックスを入れ、イオン交換
水中に静置し、イオン交換水をゆっくり攪拌して透析処
理を行う。
【0022】本発明において、塩化ビニリデン系共重合
樹脂ラテックスに使用する重合開始剤、界面活性剤等の
種類は特に限定されないが、これらの添加剤は前述の透
析処理を施した後でもラテックスより生成させた塗膜中
に残存して、防湿性の低下を招く恐れがあるので、その
使用量は可能な限り少量であることが望ましい。本発明
において、基紙に塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテック
スを塗布する方法としては、エアーナイフコーター、バ
ーコーター、ロールコーター等の公知の方法を用いるこ
とができる。塗布した後の乾燥は80〜190℃の範囲
で20秒〜5分間行うのが好ましい。
【0023】基紙としては、例えば、上質紙、中質紙、
片艶クラフト紙、両更クラフト紙、未さらしクラフト
紙、クラフト伸長紙などが挙げられる。本発明の防湿紙
において、塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスの塗
布量は、5〜25g/m2 が好ましい。5g/m2 未満
では必ずしも十分な防湿性が得られない場合がある。ま
た、25g/m2を越えると古紙回収プラント内の離解
工程おいて、解離性が低下する。
【0024】本発明の防湿紙は、上質紙や各種塗工紙等
の包装用紙、または、医療品包装材、食品包装材、農業
用包装材等の段ボール原紙に使用され、防湿性を発揮す
るのに必要な塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスの
塗布量が少ないため、古紙回収プラント内の離解工程お
いて、離解性が良好である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例および比較
例によって更に詳細に説明する。実施例中および比較例
中、特に断らない限り、部及び%は重量表示である。ま
た、測定法、評価法等は下記の通りである。 A)固形分50%の粘度、固形分60%の粘度 ロータリーエバポレーターを用いて固形分調整したラテ
ックスの粘度をJIS−K−6828にて測定した。
【0026】B)pH JIS−K−6828にて測定した。 C)粒子径 JIS−K−6828の分光光度計を使用した濁度法で
測定した。 D)25℃電気抵抗率 ラテックスを蒸留水で固形分30%に調整して、JIS
−K−0101の12に基づいて25℃における電気伝
導率(S/m)を測定し、その逆数をとる。
【0027】E)ラテックスコート紙の作成 坪量75g/m2の未さらしクラフト紙に塩化ビニリデ
ン系共重合樹脂ラテックスをメイヤーバー(塗布量によ
って番手を変更)で塗布し、熱風循環乾燥機中100℃
で1分間乾燥後、40℃、1日の条件でエージング処理
を施し、ラテックスコート紙を得た。
【0028】F)防湿性 上記で得たラテックスコート紙の透湿量をJIS−Z−
0208(カップ法)にて測定した。測定条件は40
℃、90%RHである。 G)離解性試験 紙/水=3/100の混合割合のラテックスコート紙と
水の混合物1500gを2L試験用パルパー(熊谷理機
工業株式会社製)に入れ、122rpmにて10、およ
び20分間の離解を行った。
【0029】H)離解性の判定 水を満たした2Lのガラス製試験管中にパルパー処理後
のスラリーをひとつまみ入れ、十分に振とうした後、離
解の程度を目視で、以下の基準で判定した。 ○:数mm大の残滓がわずかに認められる △:数mm大の残滓がかなり認められる ×:1cm大以上の残滓が認められる I)離解収率 パルパー処理後のスラリーを80メッシュスクリーンフ
ィルター(フラットスクリーン:熊谷理機工業株式会社
製)で処理し、フィルター残滓の乾燥後重量より、下記
の式により離解収率(%)を得た。 (離解収率)=〔(フィルター残滓乾燥重量)/(仕込
紙重量)〕×100
【0030】
【実施例1】塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスを
下記の方法により製造した。ガラスライニングを施した
耐圧反応器中に水100部、アルキルスルホン酸ソーダ
(バイエル社メロソラートH、以下同じ)0.20部、
過硫酸ナトリウム0.1部を仕込み、脱気を行った後、
内容物の温度を55℃に保った。
【0031】別の容器に塩化ビニリデン(VDC)91
部、メタクリル酸メチル(MMA)4部、メタクリロニ
トリル(MAN)4部、およびアクリル酸(AA)1部
を計量混合してモノマー混合物を作成した。該モノマー
混合物の内10部を上記耐圧反応器中に一括添加し、内
圧が降下するまで重合した。続いて、単量体混合物の残
り90部を12時間にわたって連続的に定量圧入した。
並行して、アルキルスルホン酸ソーダ1.0部も10時
間にわたって連続的に定量圧入した。この間、内容物を
55℃に保ち、内圧が十分に降下するまで反応を進行さ
せた。重合収率は99.9%であった。重合収率はほぼ
100%なので、共重合体の組成は仕込比にほぼ等し
い。
【0032】かくして得られたラテックスにアルキルス
ルホン酸ソーダの15%水溶液を加えて、20℃におけ
る気液表面張力が42mN/mとなるよう調整した。こ
の後、水蒸気ストリッピングによって未反応モノマーを
除去した。次に、膜材質がセルロースからなる分画分子
量1万の透析膜を用いて、12時間透析処理を施し、2
5℃における電気抵抗率を3000Ω・mにした。その
後、コート直前に、ラテックスを5%アンモニア水溶液
でpH4に調整し、前記E)の方法に従いラテックスコ
ート紙を作成した。
【0033】塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスの
組成、粒子径、電気抵抗率、pH等、およびラテックス
コート紙の性能等を表1〜3に示す。
【0034】
【実施例2】ラテックスのpH調整をしなかった以外
は、実施例1と同様にした。得られたラテックスの物
性、およびラテックスコート紙の性能などを実施例1と
同様に表1〜3に示す。
【0035】
【実施例3】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)86.2部、メタクリル酸メチル(MMA)6.4
部、メタクリロニトリル(MAN)6.4部、およびア
クリル酸(AA)1部を計量混合して作成したものとし
た以外は、実施例1と同様にした。重合収率は99.9
%であった。得られたラテックスの物性、およびラテッ
クスコート紙の性能などを実施例1と同様に表1〜3に
示す。
【0036】
【実施例4】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)93.8部、メタクリル酸メチル(MMA)2.6
部、メタクリロニトリル(MAN)2.6部、およびア
クリル酸(AA)1部を計量混合して作成したものとし
た以外は、実施例1と同様にした。重合収率は99.9
%であった。得られたラテックスの物性、およびラテッ
クスコート紙の性能などを実施例1と同様に表1〜3に
示す。
【0037】
【実施例5】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)91部、メタクリル酸メチル(MMA)4.19
部、メタクリロニトリル(MAN)4.19部、および
アクリル酸(AA)0.62部を計量混合して作成した
ものとした以外は、実施例1と同様にした。重合収率は
99.9%であった。得られたラテックスの物性、およ
びラテックスコート紙の性能などを実施例1と同様に表
1〜3に示す。
【0038】
【実施例6】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)91部、メタクリル酸メチル(MMA)3.1部、
メタクリロニトリル(MAN)3.1部、およびアクリ
ル酸(AA)2.8部を計量混合して作成したものとし
た以外は、実施例1と同様にした。重合収率は99.9
%であった。得られたラテックスの物性、およびラテッ
クスコート紙の性能などを実施例1と同様に表1〜3に
示す。
【0039】
【実施例7】仕込むアルキルスルホン酸ソーダを0.1
8部とした以外は、実施例1と同様にした。重合収率は
99.9%であった。得られたラテックスの物性、およ
びラテックスコート紙の性能などを実施例1と同様に表
1〜3に示す。
【0040】
【実施例8】仕込むアルキルスルホン酸ソーダを0.2
2部とした以外は、実施例1と同様にした。重合収率は
99.9%であった。得られたラテックスの物性、およ
びラテックスコート紙の性能などを実施例1と同様に表
1〜3に示す。
【0041】
【実施例9】透析処理を8時間にした以外は、実施例1
と同様にした。得られたラテックスの物性、およびラテ
ックスコート紙の性能などを実施例1と同様に表1〜3
に示す。
【0042】
【実施例10】透析処理を20時間にした以外は、実施
例1と同様にした。得られたラテックスの物性、および
ラテックスコート紙の性能などを実施例1と同様に表1
〜3に示す。
【0043】
【実施例11】ラテックスを5%アンモニア水溶液でp
H7に調整した以外は、実施例1と同様にした。得られ
たラテックスの物性、およびラテックスコート紙の性能
などを実施例1と同様に表1〜3に示す。
【0044】
【比較例1】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)83部、メタクリル酸メチル(MMA)8部、メタ
クリロニトリル(MAN)8部、およびアクリル酸(A
A)1部を計量混合して作成したものとした以外は、実
施例1と同様にした。重合収率は99.9%であった。
得られたラテックスの物性、およびラテックスコート紙
の性能などを実施例1と同様に表1〜3に示す。
【0045】表1〜3に示されるとおり、塩化ビニリデ
ン単量体が86重量%より低いと結晶性が低く、目標防
湿必要塗布量が多くなり、再生時の離解性が悪化する。
【0046】
【比較例2】モノマー混合物を、塩化ビニリデン(VD
C)91部、メタクリル酸メチル(MMA)4.4部、
メタクリロニトリル(MAN)4.4部、およびアクリ
ル酸(AA)0.2部を計量混合して作成したものとし
た以外は、実施例1と同様にした。重合収率は99.9
%であった。得られたラテックスの物性、およびラテッ
クスコート紙の性能などを実施例1と同様に表1〜3に
示す。
【0047】表1〜3に示されるとおり、カルボキシル
基含有ビニル系単量体を使用しないと、紙のパルプ繊維
の間隙に形成される毛細管への吸い込みが多いため、目
標防湿必要塗布量が多くなり、再生時の離解性が悪化す
る。
【0048】
【比較例3】仕込むアルキルスルホン酸ソーダを0.0
8部とした以外は、実施例1と同様にした。重合収率は
99.9%であった。得られたラテックスの物性、およ
びラテックスコート紙の性能などを実施例1と同様に表
1〜3に示す。表1〜3に示されるとおり、粒子径が1
20nmを越えると、紙のパルプ繊維の間隙に形成され
る毛細管への吸い込みが多いため、目標防湿必要塗布量
が多くなり、再生時の離解性が悪化する。
【0049】
【比較例4】透析処理を実施しなかった以外は、実施例
1と同様にした。得られたラテックスの物性、およびラ
テックスコート紙の性能などを実施例1と同様に表1〜
3に示す。表1〜3に示されるとおり、電気抵抗率が2
000Ω・m未満では、紙のパルプ繊維の間隙に形成さ
れる毛細管への吸い込みが多いため、目標防湿必要塗布
量が多くなり、再生時の離解性が悪化する。
【0050】
【比較例5】坪量75g/m2の未さらしクラフト紙に
20μmの厚さのポリエチレンをラミネート加工した紙
に対して離解性試験を行った。ポリエチレンラミネート
加工紙は、離解スラリー中に原形をとどめたままのポリ
エチレンフィルムが浮遊して、表1〜3に示されるとお
り、離解性は全く無い。
【0051】以上、表1〜3に示されるとおり、いずれ
の比較例においても、離解性は不十分である。これに対
して本発明においては、実施例に見られるとおり、塩化
ビニリデン系共重合樹脂ラテックスの目標防湿必要塗布
量が少ないため、離解性を確保しており、本発明の効果
が顕著であることがわかる。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明の防湿紙は、十分な防湿性を発現
するのに必要な塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックス
の塗布量が少ないため、古紙回収プラント内の離解工程
おいて、離解性が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 3/075 C08J 3/03 C08L 27/08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニリデン単量体86〜94重量
    %、カルボキシル基含ビニル系単量体0.5〜3.0重
    量%、およびこれらと共重合可能な1種以上のその他の
    ビニル系単量体3.0〜13.5重量%からなるモノマ
    ー混合物を乳化重合して得られ、固形分50%時の粘度
    が30mPa・s以下であり、下記の式で定義される増
    粘度が25mPa・s以上である塩化ビニリデン系共重
    合樹脂ラテックスが基紙にコートされてなることを特徴
    とする防湿紙。 (増粘度)=(固形分60%の粘度)−(固形分50%
    の粘度)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防湿紙を用いた包装用ま
    たは段ボール用原紙。
  3. 【請求項3】 塩化ビニリデン単量体86〜94重量
    %、カルボキシル基含ビニル系単量体0.5〜3.0重
    量%、およびこれらと共重合可能な1種以上のその他の
    ビニル系単量体3.0〜13.5重量%からなるモノマ
    ー混合物を乳化重合して得られ、固形分50%時の粘度
    が30mPa・s以下であり、下記の式で定義される増
    粘度が25mPa・s以上である塩化ビニリデン系共重
    合樹脂ラテックスを基紙にコートすることを特徴とする
    防湿紙の製造法。 (増粘度)=(固形分60%の粘度)−(固形分50%
    の粘度)
  4. 【請求項4】 塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックス
    のpHを4以上に調整して基紙にコートする請求項3記
    載の防湿紙の製造法。
  5. 【請求項5】 塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックス
    の粒子径が120nm以下である請求項3または4記載
    の防湿紙の製造法。
  6. 【請求項6】 塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックス
    の25℃における電気抵抗率が2000〜5000Ω・
    mである請求項3、4または5記載の防湿紙の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022059472A1 (ja) * 2020-09-18 2022-03-24 旭化成株式会社 ガス及び水蒸気バリア性積層体
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