JP3030610B2 - 紙塗工用ラテックスの製造方法 - Google Patents

紙塗工用ラテックスの製造方法

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JP3030610B2 JP8159044A JP15904496A JP3030610B2 JP 3030610 B2 JP3030610 B2 JP 3030610B2 JP 8159044 A JP8159044 A JP 8159044A JP 15904496 A JP15904496 A JP 15904496A JP 3030610 B2 JP3030610 B2 JP 3030610B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙塗工用組成物に用い
られる優れた共重合体ラテックスの製造法方に関するも
のである。詳しくは、紙塗工用組成物の消泡性、機械的
安定性、流動性などを含めた高速塗工適性に優れ、塗工
後の塗工紙製品に優れた表面強度や表面均一性を与える
紙塗工用ラテックスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】近年、塗工紙は、その
印刷効果が高い等の理由から、非常に数多くの印刷物に
利用されている。季刊、月間紙等の定期刊行物の中に
も、全ての頁に塗工紙が使用される場合もかなり増えて
いる。特に、メールオーダービジネスにおけるダイレク
トメールや商品カタログ等においては、そのほとんどが
全ての頁に塗工紙を使用している。
【0003】塗工紙は非塗工紙に比べ、白色度、光沢
度、印刷適性など多くの優れた点を有しているが、原紙
を抄造したあとに紙塗工用組成物をブレードコーターや
ロールコーターなどを用いて塗工する工程が必要となる
ため、紙塗工用組成物の性能が最終的な塗工紙製品の品
質に大きく影響する。このため、紙塗工用組成物には優
れた消泡性、機械的安定性、流動性などを含めた高速塗
工適性が求められている。
【0004】紙塗工用組成物は一般的に、白色顔料を水
に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接
着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤に
よって構成される水性塗料である。バインダーとしては
スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表され
るような合成エマルションバインダーやデンプン、カゼ
インに代表されるような天然バインダーが使用される。
その中でもスチレンーブタジエン系共重合体ラテックス
は、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組成
物に最も適したバインダーとして広く使用されており、
スチレンーブタジエン系共重合体ラテックスの特徴が、
紙塗工用組成物の性能あるいは最終的な塗工紙製品の品
質に大きく影響すると言われている。
【0005】そのため、紙塗工用スチレン−ブタジエン
系共重合体ラテックスの品質設計や製造方法に関しては
従来から実に様々な改良技術が紹介されており、ここで
そのいくつかを例示する。
【0006】α−メチルスチレンダイマーの存在下で重
合することによって、重合中の微細凝固物を低減した
り、共重合体ラテックスの機械的安定性、高速塗工適性
や接着性を向上させる技術が特開平3−109450、
特開平3−109451、特開平3−109470に紹
介されている。
【0007】また、環内に1個の不飽和結合を持つ炭化
水素の存在下で重合することによって、重合中の微細凝
固物を低減したり、共重合体ラテックスの機械的安定
性、接着性、塗工紙の臭気を改良する技術が特開平5−
279406、特開平5−209399、特開平5−2
14166等に紹介されている。
【0008】また、ジスルフィド化合物の存在下で重合
することによって、重合中の微細凝固物を低減したり、
共重合体ラテックスの機械的安定性や接着性を改良する
技術が特開平3−8896に紹介されている。
【0009】しかし、これらの様々な改良技術は、未だ
紙塗工用共重合体ラテックスに要求される性能を十分に
満足するレベルには至っておらず、更なる改良が強く求
められていた。特に、共重合体ラテックスの製造過程で
は単量体はもちろんの事、前述の従来技術に紹介されて
いるように、連鎖移動剤などの様々な非水溶性あるいは
油溶性化合物が添加される。このため、それらの化合物
によると推定されるフィシュアイやオイルスポットと呼
ばれる魚の目状の斑点(以下、フィッシュアイと称す
る。)が塗工紙製品の表面に出たり、ピンホールと呼ば
れる微少な非塗工部分が発生するなど、塗工紙の表面均
一性が劣り、塗工紙製品の最終品質を損なうことがしば
しば有るため、それらの改良が強く求められていた。
【0010】特に、α−メチルスチレンダイマーなどに
代表されるような沸点の高い油溶性化合物は、未反応単
量体の除去を目的としたストリッピング工程などを経た
あとも共重合体ラテックスから回収除去されにくく、前
述の塗工性能には不利であった。
【0011】また、高速塗工される場合に特に必要とさ
れる紙塗工用組成物の機械的安定性や流動性も現状の技
術レベルでは不十分であり、前述の塗工欠陥と同様に更
なる改良が強く求められていた。
【0012】一方、スチレン−ブタジエン系共重合体ラ
テックスの精製方法については特公昭46−32058
や特公平3−65820において、ケイソウ土を用いて
共重合体ラテックスから微細凝固物を取り除くための精
製方法が紹介されているが、上記、特にα−メチルスチ
レンダイマーなどに代表される沸点の高い油溶性化合物
がもたらす塗工紙物性との関係については何ら記載はな
い。
【0013】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、前述の諸
事情に鑑み現状の問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、特定の組成および重合条件の共重合体ラテックスを
特定の方法で精製することによって紙塗工用組成物の諸
性能および塗工紙製品の品質を一段と改良させうること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明は、脂肪族共役ジエン系単
量体15〜75重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単
量体1〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の
単量体15〜84重量%からなる単量体をα−メチルス
チレンダイマーの存在下で乳化重合して得られた共重合
体ラテックスをケイソウ土を用いて精製することを特徴
とする紙塗工用組成物の消泡性、機械的安定性、流動性
に優れ、塗工紙製品に優れた表面強度や表面均一性を与
える極めて優れた紙塗工用ラテックスの製造方法を提供
するものである。
【0015】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
における脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−
ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3
−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換およ
び側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1
種または2種以上使用することができる。特に1,3−
ブタジエンの使用が好ましい。
【0016】エチレン系不飽和カルボン酸単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボ
ン酸(無水物)を挙げられ、これらを1種または2種以
上使用することができる。
【0017】上記脂肪族共役ジエン系単量体およびエチ
レン系不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量
体としては、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン
酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含
有する不飽和単量体、シアン化ビニル単量体、不飽和カ
ルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
【0018】アルケニル芳香族単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、
ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、
これらを1種または2種以上使用することができる。特
にスチレンの使用が好ましい。
【0019】不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチル
フマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエー
ト、ジエチルマルエート、ジメチルイタコネート、モノ
メチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらを1種また
は2種以上使用することができる。特にメチルメタクリ
レートの使用が好ましい。
【0020】ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単
量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β
−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、
ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタ
クリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、
ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロ
キシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)
マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートな
どが挙げられ、これらを1種または2種以上使用するこ
とができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートの
使用が好ましい。
【0021】シアン化ビニル単量体としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニ
トリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、
これらを1種または2種以上使用することができる。特
にアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの使用が
好ましい。
【0022】不飽和カルボン酸アミド単量体としては、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、これらを
1種または2種以上使用することができる。特にアクリ
ルアミドまたはメタクリルアミドの使用が好ましい。
【0023】上記の単量体組成は、脂肪族共役ジエン系
単量体15〜75重量%、エチレン系不飽和カルボン酸
単量体1〜10重量%およびこれらと共重合可能な他の
単量体15〜84重量%である。
【0024】脂肪族共役ジエン系単量体が15重量%未
満では印刷時に必要とされるドライピック強度などの接
着性が、また75重量%を超えると印刷時に必要とされ
るウェットピック強度などの湿潤接着性が劣り、好まし
くない。さらに好ましくは20〜60重量%である。
【0025】エチレン系不飽和カルボン酸単量体が1重
量%未満では共重合体ラテックス自身および紙塗工用組
成物の機械的安定性が劣り、また10重量%を超えると
ラテックスの粘度が高くなり、共重合体ラテックス自身
の取り扱い上の問題を生じる可能性があるため、好まし
くない。さらに好ましくは1〜6重量%である。
【0026】共重合可能な他の単量体が15重量%未満
では前述の湿潤接着性が、また84重量%を超えるとド
ライピック強度などの接着性が劣り、好ましくない。さ
らに好ましくは34〜79重量%である。
【0027】本発明で使用されるα−メチルスチレンダ
イマーには、異性体として2,4−ジフェニル−4−メ
チル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル
−2−ペンテンおよび1,1,3−トリメチル−3−フ
ェニルインダンがあるが、本発明にて使用されるα−メ
チルスチレンダイマーとしては、2,4−ジフェニル−
4−メチル−1−ペンテンの含有量が60重量%以上、
特に80重量%以上であることが好ましい。
【0028】またα−メチルスチレンダイマーの使用量
については何ら制限はなく、共重合体ラテックスに求め
られる性能に応じて適宜調整することができるが、通
常、単量体100重量部に対して0.05〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0029】また、本発明においてはα−メチルスチレ
ンダイマーと共に他の連鎖移動剤を使用することも可能
である。他の連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカ
プタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキル
メルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、
ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサン
トゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラム
ジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テ
トラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合
物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリル
アルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロ
モメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、
α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアク
リロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等の
ビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニル
エタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコ
ール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコ
レート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用
することができる。これら他の連鎖移動剤は、通常、単
量体100重量部に対して0〜10重量部にて使用され
る。
【0030】本発明における各種成分の添加方法につい
ては特に制限するものではなく、一括添加方法、分割添
加方法、連続添加方法の何れでも採用することができ
る。更に、乳化重合において、常用の乳化剤、重合開始
剤、炭化水素系溶剤、電解質、重合促進剤、キレート剤
等を使用することができる。
【0031】また本発明においては、一段重合、二段重
合、多段階重合、シード重合、パワーフィード重合法等
何れを採用してもよい。
【0032】乳化剤としては高級アルコールの硫酸エス
テル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフ
ェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂
肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステ
ル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレング
リコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエー
テル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤
が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することが
できる。
【0033】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開
始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の
油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶
性重合開始剤の使用が好ましい。
【0034】また、重合に際して、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプ
タン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテ
ン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテ
ン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキ
セン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用して
も良い。
【0035】次に、本発明において、共重合体ラテック
スをケイソウ土を用いて精製する方法について具体的に
説明する。
【0036】ケイソウ土の使用量としては、共重合体ラ
テックス100重量部(固形分)に対して、0.2〜5
重量部用いることが好ましい。
【0037】ケイソウ土による精製においては、該ケイ
ソウ土の3〜50重量%を水に分散させ、ケイソウ土の
プレコートを作製し、残りのケイソウ土を共重合体ラテ
ックスと混合後、ろ過する方法や、プレコートを作製せ
ず、該ケイソウ土全量を共重合体ラテックスと混合し、
ろ過する方法、或いは、該ケイソウ土全量にてプレコー
トを作製し、共重合体ラテックスにはケイソウ土を添加
せず、ろ過する方法等が挙げられる。
【0038】ろ過に際しては、金網、濾紙等が使用さ
れ、また、セルロース質や炭素質などをケイソウ土と併
用することができる。
【0039】また、本発明にて製造された共重合体ラテ
ックスが使用される紙塗工用組成物の顔料としては、例
えば、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チ
タン、重質あるいは軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あ
るいはポリスチレンラテックスのような有機顔料が挙げ
られ、これらは単独または混合して使用される。
【0040】また、必要に応じて澱粉、酸化澱粉、エス
テル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天
然バインダー、あるいはポリビニルアルコールなどの水
溶性合成バインダーなどを使用しても差し支えない。さ
らに、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテック
スなどの合成ラテックス等を本発明の共重合体ラテック
スと併用してもよいが、本発明の効果を高く発揮させる
ためには、これらの使用割合は全共重合体ラテックスの
(固形分)50重量%未満に抑えることが望ましい。
【0041】本発明の共重合体ラテックスを用いて紙塗
工用組成物を調整する際に、さらにその他の助剤、例え
ば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナト
リウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡剤
(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、
シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジ
シアンジアミド、尿素など)、防腐剤、離型剤(ステア
リン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍
光染料、カラー保水性向上剤(カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸ナトリウムなど)を必要に応じて添加
しても良い。
【0042】さらに、紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗布
する方法には、公知の技術、例えばエアナイフコータ
ー、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター
などのいずれの塗工機を使用しても差し支えない。ま
た、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどによ
り仕上げる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割
合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によ
るものである。また実施例における諸物性の評価は次の
方法に拠った。
【0044】紙塗工用組成物の流動性の評価 二重円筒型のハーキュレスハイシェアー粘度計(熊谷理
機工業社製)を使用した。内筒ボブFを用いて、高いせ
ん断速度を与える4000rpmにおける各紙塗工用組
成物の見掛け粘度(cps)を測定した。数値の低い方
が見掛け粘度は低く、流動性が良い。
【0045】紙塗工用組成物の機械的安定性の評価 紙塗工用組成物の固形分濃度を30重量%に調整し、ロ
ール式機械的安定性試験機(パダースタビリティーテス
ター)を用いて金属ロールとゴムロールの間で機械的せ
ん断を与え、ゴムロール上に凝固物が発生するまでの時
間を測定し、下記の4段階で評価した。 ◎・・・45分以上 (非常に良い) ○・・・30分以上45分未満 ( 良い ) △・・・20分以上30分未満 ( 少し悪い ) ×・・・20分未満 (非常に悪い)
【0046】紙塗工用組成物の消泡性の評価 紙塗工用組成物の固形分濃度を30重量%に調整し、1
500(ml)のメスシリンダーに300(ml)入れ
る。メスシリンダーの底部に、先端部分に200メッシ
ュのステンレス金網にて覆ったガラス管を挿入し、その
先端部分より800(ml)の空気を強制的に送り込ん
で紙塗工用組成物を発泡させる。空気を送り込んだ直後
の発泡体積a(ml)を測定すると同時にストップウォ
ッチをスタートさせ、2分後の体積b(ml)を測定し
た。いずれの紙塗工用組成物もaの値は950〜100
0になったので、各紙塗工用組成物の消泡性をbの値に
より次の4段階で評価した。 ◎・・・500未満 (非常に良い) ○・・・500以上600未満 ( 良い ) △・・・600以上750未満 ( 少し悪い ) ×・・・750以上 (非常に悪い)
【0047】紙塗工用組成物のフィッシュアイの評価 紙塗工用組成物の固形分濃度を30重量%に調整し、2
0cm×20cmのガラス板に#3ワイヤーロッドを用
いて紙塗工用組成物を均一に塗り広げ、ガラス板上に発
生したフィッシュアイの個数を数えた。各紙塗工用組成
物についてこの操作を5回繰り返し、フィッシュアイの
総個数により次の4段階で評価した。 ◎・・・ 5個未満 (非常に良い) ○・・・ 5個以上10個未満 ( 良い ) △・・・10個以上30個未満 ( 少し悪い ) ×・・・30個以上 (非常に悪い)
【0048】塗工紙のドライピック強度の評価 RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキ
ングの程度を肉眼で判定し、5級(最も良い)から1級
(最も悪い)まで相対的に評価した。
【0049】塗工紙のウェットピック強度の評価 RI印刷機を用いてモルトンロールにより各塗工紙試料
に同時に湿し水を付与し、その直後に、インキロールに
より各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程
度を肉眼で判定し、5級(最も良い)から1級(最も悪
い)まで相対的に評価した。
【0050】塗工紙のフィッシュアイの評価 塗工紙試料を18cm×30cmの長方形に裁断し、塗
工紙表面に存在するフィッシュアイを各塗工紙試料5枚
分について数えた。その総個数により次の4段階で評価
した。 ◎・・・ 5個未満 (非常に良い) ○・・・ 5個以上10個未満 ( 良い ) △・・・10個以上30個未満 ( 少し悪い ) ×・・・30個以上 (非常に悪い)
【0051】塗工紙のピンホールの評価 電子顕微鏡を用い、塗工紙試料の2mm×2mmの視野
について表面反射電子像を撮影した。各塗工紙試料につ
いて15視野分の撮影を行い、得られた15枚の電子顕
微鏡写真に写されたピンホールを数え、その個数によっ
て次の4段階で評価した。 ◎・・・ 5個未満 (非常に良い) ○・・・ 5個以上10個未満 ( 良い ) △・・・10個以上30個未満 ( 少し悪い ) ×・・・30個以上 (非常に悪い)
【0052】共重合体ラテックスの作製 耐圧性の重合反応器に、重合水150部、乳化剤として
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部、炭酸
ナトリウム0.2部、過硫酸カリウム1部を仕込み、十
分攪拌した後、表1に示す各単量体および他の化合物を
加えて70℃にて重合を開始し、重合転化率が95%を
越えた時点で重合を終了した。 次いで、これら共重合
体ラテックスを苛性ソーダ水溶液でpHを7に調整して
消泡剤を700ppm添加した後、水蒸気蒸留により未
反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、精製前の
共重合体ラテックスA〜Fを得た。また、次に示したP
法〜S法に従って精製し、精製後の共重合体ラテックス
a〜iを得た。それらの内容を表2および表3に示し
た。
【0053】
【表1】
【0054】共重合体ラテックスの精製方法(P法) ケイソウ土(昭和化学工業株式会社製)を共重合体ラテ
ックス(固形分)100重量部に対して0.3重量部に
相当する量だけ水に分散し、これを300メッシュのス
テンレス金網をセットした濾過機(東京理化器株式会社
製アイラフィルターEF−20−3)に送液し、しばら
くの間循環させてケイソウ土のプレコート層を作製し
た。次に、共重合体ラテックス(固形分)100重量部
に対して0.7重量部のケイソウ土を添加して分散さ
せ、2Kg/cm2の圧力で送液し共重合体ラテックス
を精製した。
【0055】共重合体ラテックスの精製方法(Q法) 共重合体ラテックス(固形分)100重量部に対して
1.2重量部のケイソウ土(昭和化学工業株式会社製)
を添加して分散させ、ケイソウ土のプレコート層を作製
せず、東洋濾紙No.24をセットした濾過機(東京理
化器株式会社製アイラフィルターEF−20−3)に
2.5Kg/cm2の圧力で送液し、しばらくの間循環
させてから共重合体ラテックスを精製した。
【0056】共重合体ラテックスの精製方法(R法) ケイソウ土(昭和化学工業株式会社製)を共重合体ラテ
ックス(固形分)100重量部に対して1.5重量部に
相当する量だけ水に分散し、これを300メッシュのス
テンレス金網をセットした濾過機(東京理化器株式会社
製アイラフィルターEF−20−3)に送液し、しばら
くの間循環させてケイソウ土のプレコート層を作製し
た。次に、ケイソウ土を添加しない共重合体ラテックス
を2Kg/cm2の圧力で送液し精製した。
【0057】共重合体ラテックスの精製方法(S法) ケイソウ土のプレコート層を作製せず、300メッシュ
のステンレス金網をセットした濾過機(東京理化器株式
会社製アイラフィルターEF−20−3)にケイソウ土
を添加していない共重合体ラテックスを2Kg/cm2
の圧力で送液し精製した。
【0058】紙塗工用組成物の作製と評価 下記に示した配合処方に従って、精製した共重合体ラテ
ックスa〜iおよび未精製の共重合体ラテックスB、D
を用いて、表2および表3に示す紙塗工用組成物1〜1
1を作製した。各紙塗工用組成物の評価結果を表2に示
した。 (紙塗工用組成物の配合処方) カオリンクレー 55部 重質炭酸カルシウム 30部 沈降性炭酸カルシウム 15部 酸化デンプン 5部 共重合体ラテックス 10部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 固形分濃度 63%
【0059】塗工紙の作製と評価 市販の熱風塗工乾燥機MLC−100S型を用いて、塗
工原紙(坪量53g/m2)に、得られた紙塗工用組成
物を塗工し、塗工紙を作製した。なお、各塗工紙は、全
て次に示す同一条件下で作製した。 塗工条件:前記の熱風塗工乾燥機にて、上記組成物の塗
工量が片面10g/m2となるようにワイヤーバーを用
いて塗工した。塗工速度は46m/min.に設定し
た。 乾燥条件:塗工から約0.5秒後に、150℃の乾燥炉
内で、温度210℃、風速33m/秒の熱風により3秒
間乾燥した。 得られた各塗工紙を、相対湿度65%、温度20℃の条
件下で一昼夜調湿した後、線圧70kg/cm、温度5
5℃、通紙速度7m/分、表裏2回ずつ合計4回の通紙
条件でスーパーカレンダー処理し、表3に示す塗工紙イ
〜ルを得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、
その結果を表3に示した。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られた紙塗
工用共重合体ラテックスは、高速塗工性能に必要な優れ
た流動性、機械的安定性、消泡性を紙塗工用組成物に与
えるだけでなく、塗工後の塗工紙製品に優れた表面強度
と表面均一性を与え、塗工紙の製造における高い生産性
と従来より優れた塗工紙製品を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 236/04 C08F 236/04 D21H 19/56 D21H 1/28 A (56)参考文献 特開 平3−109470(JP,A) 特開 平3−109451(JP,A) 特開 平3−109450(JP,A) 特公 平3−65820(JP,B2) 特公 昭46−32058(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 6/16 C08F 2/22 C08F 2/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン系単量体15〜75重
    量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体1〜10重量
    %、およびこれらと共重合可能な他の単量体15〜84
    重量%からなる単量体をα−メチルスチレンダイマーの
    存在下で乳化重合して得られた共重合体ラテックスをケ
    イソウ土を用いて精製することを特徴とする紙塗工用ラ
    テックスの製造方法。
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