JP2000248471A - 不織布シート - Google Patents

不織布シート

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JP2000248471A
JP2000248471A JP4883899A JP4883899A JP2000248471A JP 2000248471 A JP2000248471 A JP 2000248471A JP 4883899 A JP4883899 A JP 4883899A JP 4883899 A JP4883899 A JP 4883899A JP 2000248471 A JP2000248471 A JP 2000248471A
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fiber
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JP4883899A
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Masakazu Hoshino
正和 星野
Seizo Oishi
清三 大石
Yasuhiro Akiyoshi
康宏 秋吉
Yoshifumi Wada
善文 和田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊度の異なる繊維の使用、または、異なる種
類の繊維を使用することにより、獣毛調あるいは杢調様
風合いを与える合成皮革用不織布シートを提供する。 【解決手段】 短繊維、補強材及び弾性重合体からなる
不織布シートであって、短繊維がアクリロニトリル50
〜95重量%と少なくとも1種の他のモノマーからなる
アクリロニトリル系共重合ポリマーからなり、少なくと
も2種の異なる繊維直径を有するアクリル繊維A及びB
が使用され、該アクリル繊維A及びBの繊維直径が、そ
れぞれAが0.1μm以上7μm未満、Bが10μm以
上18μm未満であり、その混率が、A/B=40/6
0〜80/20である不織布シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、数種類の繊維を用
いることにより、目的に応じて獣毛風合いや杢調風合い
等が得られる合成皮革として有用な不織布シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】合成皮革は、風合いを天然皮革に似せた
製品で、その歴史は古く19世紀中頃にまで遡ることが
できるが、近年の合成皮革としては、編織布や、不織布
等のシート地に多孔質被覆層や、非多孔質被覆層を形成
させたものが知られており、その製造方法は数多く提案
されている。その中でも特に0.6dtex以下の極細
繊維を用いると天然皮革に類似した優れた製品が得られ
るとされている。
【0003】しかしながら、従来の合成皮革が求めたも
のは高級感のあるスエード調のものが主体であり、嗜好
や要求が非常に多様化している現在のニーズには対応し
きれていないものがある。特に、汎用感のあるワイルド
な風合いを持ったものについては不十分であり、新規な
風合いを有する合成皮革の出現が求められている。
【0004】天然皮革と合成皮革で決定的に異なる点の
一つとして、繊度の分布がある。天然皮革においては表
面の獣毛は、当然のことながら単一の繊度ではなく繊度
の広がりを有しているが、合成皮革においては製造工程
上、特定の繊度範囲になってしまう。繊度分布を持たし
た繊維を使用した不織布シートとしては、特開平2−2
34979号公報や、特公平7−91750号公報に筋
状空隙を形成したアクリル系繊維を使用し、不織布シー
ト形成時に繊維交絡と筋状空隙部分においての割繊細分
化を同時に行う技術が開示されている。しかしながら、
この方法では、繊維形成のための紡糸工程で毛羽立ち易
く、そのため紡糸機のロールへの巻き付等のトラブル発
生の原因となる傾向があり、紡糸浴における繊維屑等の
脱落物が工程へ悪影響を与え、経済的にも不利である等
の問題がある。
【0005】本発明者らはこれらの状況に鑑み、鋭意検
討を続けた結果、少なくとも2種の繊度の異なるアクリ
ル繊維を用いるか、または、アクリル繊維と少なくとも
1種のアクリル繊維以外の繊維を混合して用いることに
より、新規な風合いを与える合成皮革に利用可能な不織
布シートを発明するに至った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繊度
の異なる繊維の使用、または、異なる種類の繊維を使用
することにより、獣毛調あるいは杢調様風合いを与える
合成皮革用不織布シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、短繊維、補強
材及び弾性重合体からなる不織布シートであって、短繊
維がアクリロニトリル50〜95重量%と少なくとも1
種の他のモノマーからなるアクリロニトリル系共重合ポ
リマーから構成され、少なくとも2種の異なる繊維直径
を有するアクリル繊維A及びBが使用され、該アクリル
繊維A及びBの繊維直径が、それぞれAが0.1μm以
上7μm未満、Bが10μm以上18μm未満であり、
その混率が、A/B=40/60〜80/20であるこ
とを特徴とする不織布シートにある。
【0008】また本発明は、短繊維、補強材及び弾性重
合体からなる不織布シートであって、短繊維がアクリロ
ニトリル50〜95重量%と少なくとも1種の他のモノ
マーからなるアクリロニトリル系共重合ポリマーから構
成されるアクリル繊維C、及び少なくとも1種のアクリ
ル繊維以外の繊維Dが使用され、その混率が重量比でC
/D=40/60〜80/20であることを特徴とする
不織布シートにある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、上記問題点を解決する目的で、新規な風
合いを得るための合成皮革の表面状態について鋭意検討
した結果、短繊維と補強材と弾性重合体の組み合わせで
なる不織布シートにおいて、複数の種類の短繊維を使用
することにより目的が達せられるとの考えに至った。
【0010】ここに云う複数の種類の短繊維としては、
アクリル繊維やポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ア
セテート繊維、セルロース系繊維、ポリオレフィン繊維
等一般的な繊維でよいが、目的とする不織布シートの発
色鮮明性と風合いの観点から、アクリル繊維を含んでい
ることが必要であることを見極めた。
【0011】本発明に使用するアクリル繊維を構成して
いるアクリロニトリル系共重合ポリマーは、通常のアク
リル繊維を製造するのに使用されるものであれば特に限
定されないが、モノマー構成としてアクリロニトリルを
50〜95重量%含有していることが好ましい。アクリ
ル繊維を構成しているアクリロニトリル系共重合ポリマ
ー中のアクリロニトリルの含有量が50重量%未満で
は、原綿が本来のアクリル繊維としての特性を失い、本
発明の目的を達成することが困難である。また、95重
量%を超えると繊維の風合いが硬くなる上に、染色性も
低下し好ましくない。
【0012】アクリロニトリル系共重合ポリマーの共重
合成分は、通常のアクリル繊維を構成する共重合モノマ
ーであれば特に限定されないが、例えば以下のモノマー
が挙げられる。すなわち、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等に
代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロ
キシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等に
代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルア
ミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等の不飽和単量体等である。さら
に、染色性改良等の目的で、p−スルホフェニルメタリ
ルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、
スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩等を共
重合してもよい。これらの共重合モノマーは1種または
1種以上が用いられ、その使用割合はアクリロニトリル
系共重合ポリマー中8〜50重量%である。
【0013】本発明で使用するアクリル繊維を構成する
アクリロニトリル系共重合ポリマーの分子量は特に限定
されないが、分子量10万以上100万以下のものが望
ましい。分子量が10万未満では紡糸性が低下すると同
時に原綿の糸質も悪化する傾向にある。反対に、分子量
100万を超えるものは紡糸原液の最適粘度を与えるポ
リマー濃度が低くなり、生産性が低下する傾向にある。
【0014】本発明に使用するアクリル繊維を製造する
際の紡糸原液の溶剤としては、アクリロニトリル系共重
合ポリマーの溶剤であればどのようなものでも用いるこ
とができる。このような溶剤としては、例えばジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシド等の有機溶剤、及び硝酸、ロダン塩水溶液、塩化
亜鉛水溶液等の無機溶剤が挙げられる。また、紡糸原液
を調整する方法についても特に限定はないが、例えば溶
剤にポリマーを投入しスラリーを調製した後に溶解する
方法等が挙げられる。
【0015】調整した紡糸原液は、湿式法、乾湿式法、
乾式法等により紡糸されアクリル繊維とされる。中でも
湿式紡糸法が好ましく用いられ、本方法では紡糸ノズル
より紡糸原液を凝固浴に吐出し凝固糸とする。凝固浴と
しては、一般に紡糸原液に用いた溶剤と水から成る混合
液を用いる。凝固糸は引き続き、洗浄、延伸、乾燥、熱
処理等の工程を経てカットされ原綿となる。
【0016】本発明の不織布シートを構成する他の材料
としての補強材は、編物、織物及び不織布であるが、そ
の素材としては、ポリエステル系、アクリル系、ポリア
ミド系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、
ポリ塩化ビニル系、セルロース系、セルロースアセテー
ト系、木綿、羊毛、絹繊維等、各種の合成繊維、天然繊
維が用いられる。編織布は通常は目の粗い低目付のもの
でよく、例えばラッセル編物等でもよい。不織布の場
合、ポリオレフィンのスパンボンド、アクリル短繊維を
ニードルパンチングした不織布等も用いることができ
る。
【0017】本発明の不織布シートは、ポリウレタンの
ような弾性重合体をシートを形成している全繊維重量に
対し、1〜30重量%の範囲で含有している。弾性重合
体としては、ポリウレタン、合成ゴム、アクリル酸エス
テル重合体その他が用いられる。弾性重合体は、不織布
シートの強力、耐摩耗性等を向上するが、含有量が過大
となると、ゴム的な感触を呈し好ましくないので、全繊
維重量に対し30重量%以下に止める。特に好ましくは
3〜20%の範囲がよい。
【0018】次に、本発明の不織布シートの製造法につ
いて説明する。まず、数種類のアクリル繊維の混合シー
ト、または、アクリル繊維と他の繊維との混合シートを
作製する。シート化には、短繊維をカード機とウエッバ
ーによりクロスウエブとしてもよいし、ランダムウエッ
バーでランダムウエブとしてもよい。また、繊維長10
mm以下のフロック状にカットし、通常の抄紙プロセス
により抄紙シートとしてもよい。また、フロック懸濁液
を補強材上に流し、後述する高圧流体処理により補強材
と交絡させても良い。
【0019】繊維シートの好ましい目付範囲は、15g
〜150g/m2 であるが、場合によっては、少量の接
着剤あるいはポリビニルアルコール繊維のような繊維状
接着剤を用いて抄造してもよい。
【0020】繊維シートの構成は、アクリル繊維のみを
用いる場合、少なくてもその中の2種のアクリル繊維A
及びアクリル繊維Bの繊維直径が、アクリル繊維Aは
0.1μm以上7μm未満、アクリル繊維Bは10μm
以上18μm未満であり、その混率がA/B=40/6
0〜80/20である必要がある。アクリル繊維Aの繊
維直径が0.1μmを下回ると不織布シートにした場
合、毛羽の発生や耐摩耗性の低下を招き、アクリル繊維
Bの繊維直径が18μm以上になると不織布シート中の
繊維密度が下がり、風合いが著しく低下する。また、ア
クリル繊維Aの繊維直径が7μm以上であったり、アク
リル繊維Bの繊維直径が10μmを下回る場合、異繊度
混合効果が低下し得られる不織布シートに目的とする風
合いが達成されない。
【0021】なお、アクリル繊維Aは直径が0.1μm
以上7μm未満の範囲にあれば複数の混合繊維であって
もよいし、また、アクリル繊維Bは直径が10μm以上
18μm未満の範囲にあれば複数の混合繊維であっても
よい。
【0022】本発明において、アクリル繊維とアクリル
繊維以外の繊維を用いる場合、それぞれアクリル繊維C
と他の繊維Dとすると、その混率は重量比で、アクリル
繊維C/他の繊維D=50/50〜80/20である必
要がある。アクリル繊維Cの混率が50を下回るとアク
リル繊維の染色鮮明性や風合いが生かせず、他の繊維D
の混率が20を下回ると異繊維効果が期待できなくな
る。アクリル繊維以外の他の繊維Dは、1種に限る必要
はなく複数種の繊維の混合物でもよい。
【0023】また、本発明においては異繊維効果を有す
る不織布シートを得ようとする場合、異繊度効果も合わ
せて得ることが可能である。アクリル繊維以外の繊維D
としては、一般的に使用されているものであれば限定は
なく、たとえば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、
ポリオレフィン系繊維、セルロース系繊維、アセテート
繊維等が使用できる。
【0024】本発明の不織布シートを製造する際は、上
述の繊維シートを補強材に積層するが、好ましくは補強
材が該繊維のシートに挟まれる様にするのがよい。補強
材に繊維シートを積層した後、繊維シート側より、高圧
液体噴射処理を行い補強材と繊維シートを形成している
繊維とを交絡一体化する。
【0025】高圧液体噴射処理法は、次のごとき方法で
行う。補強材と繊維のシートの積層体を実質的に表面平
滑な支持部材上に、繊維シートを上にして載せ、10k
g/cm2 以上の圧力で噴射される液体柱状流、液体扇
形流、液体スリット流等を作用させることによって、補
強材と繊維シートを形成している繊維との交絡一体化処
理を行う。ここで、実質的に表面平滑な支持部材とは、
支持部材の模様が得られる不織布シートに形成されるこ
となく、しかも、噴射された液体が速やかに除かれるよ
うな物であれば、どのようなものでも用いることができ
る。その具体例としては30〜200メッシュの金網ま
たはプラスチックネット、またはロール等を挙げること
ができる。
【0026】使用する液体は、処理される繊維の溶剤以
外なら何でもよいが、通常は、水あるいは温水が適当で
ある。噴射ノズルの孔径は、柱状流の場合0.06〜
1.0mm、好ましくは0.1〜0.3mmの範囲であ
る。噴射口と積層体の間の距離は0.5〜20cm程度
の範囲が適当である。使用する液体の圧力は、10kg
/cm2 以上、好ましくは15kg/cm2 以上で、交
絡一体化処理は、通常数回行う。この場合、第1回処理
よりも第2回処理以降の圧力を高めることが有効であ
る。
【0027】繊維シートと補強材の積層及び高圧液体噴
射による交絡一体化処理は、複数回繰り返してもよい。
すなわち、繊維シートと補強材の積層、高圧液体噴射処
理を行った後、先に繊維シートを積層した側にさらに繊
維シートを積層し、高圧液体噴射処理を行ってもよい
し、出来つつある不織布シートを裏返し、反対側に繊維
シートを積層し、高圧液体噴射処理を行ってもよい。ま
た、これらの操作を繰り返してもよい。
【0028】かくして得られる不織布シートは、次いで
熱処理により補強材シートを収縮させ、繊維を補強材シ
ートに強固に固定する。さらに熱処理を行い不織布シー
トを乾燥させた後、染色処理を行い、ポリウレタン等の
弾性重合体を含浸し、乾燥後表面起毛処理を行う。な
お、処理剤、及び処理方法は公知の方法を応用すること
ができる。
【0029】なお、本発明において補強材として潜在収
縮性の素材を使用することにより、補強材と繊維シート
を形成している繊維との交絡一体化における交絡の強
化、ハイバルキー化を行うことが出来る。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】「実施例1](アクリル繊維異繊度混の
例) 水系懸濁重合法によって得たアクリロニトリル/酢酸ビ
ニル=92/8(重量比)の組成を有する分子量12
0,000のアクリロニトリル系共重合ポリマーを、ジ
メチルアセトアミド(以下、DMACと略記する。)に
溶解し重量比でポリマー/DMAC=25/75の紡糸
原液を調製し、単繊維繊度0.1dtex(繊維直径:
3.4μm)と1.2dtex(繊維直径:11.5μ
m)の繊維トウを得、それぞれ3mmにカットした後、
50/50(重量比)で混合し、目付20g/m2 のシ
ートを作製した。なお、シート作製に当たりバインダー
としてポリビニルアルコール系繊維を20重量%使用し
た。
【0032】沸水収縮率32%のポリエチレンテレフタ
レートシートフィラメントからなる目付40g/m2
編物上に、上記異繊度混繊維シートを載置し、これを8
0メッシュの金網上に載置して、繊維層側から、孔径
0.125mmのノズルを用いて、20kg/cm2
30kg/cm2 、50kg/cm2 の圧力の順に3回
高圧噴射水流処理を行った。その後このシートを反転
し、上記異繊度混繊維シートを載置し、同様に20kg
/cm2 、30kg/cm2 、50kg/cm2 の圧力
の順に3回高圧噴射水流処理を行った。さらに上記異繊
度混繊維シートを載置し、同じ処理を繰り返した。
【0033】次いで、作製したシートを沸水中で2分間
処理したところ、該シートは30%収縮した。次いで乾
燥後カチオン染料(Nichilon Blue SB
N:日成化成(株)製)を用いて青色に染色後、ポリウ
レタンの含浸量が不織布シートの全重量に対し5重量%
になるようにポリエステル系難燃タイプの水溶性ポリウ
レタン液で処理を行い、乾燥、キュアリングを行った
後、サンドペーパーでサンディング処理を行って不織布
シートを得た。このシートの風合いを判定したところ、
獣毛調の良好な風合いを有することが確認できた。
【0034】[比較例1]実施例1で得た単繊維繊度
1.2dtexのアクリル繊維のみを使用したほかは実
施例1と同様に操作して不織布シートを得た。この不織
布シートを評価したところ、ざらつき感があり良好な風
合いのものとはならなかった。
【0035】[実施例2](異繊維混の例その1) 水系懸濁重合法によって得たアクリロニトリル/アクリ
ル酸メチル=93/7(重量比)の組成を有する分子量
130,000のアクリロニトリル系共重合ポリマーを
DMACに溶解し、重量比でポリマー/DMAC=25
/75の紡糸原液を調製し、単繊維繊度0.1dtex
(繊維直径:3.4μm)のアクリル繊維を製造し3m
mにカットしたものと、単繊維繊度0.11dtex
(繊維直径:2.6μm)のポリエステルフロック(テ
トロン(登録商標):帝人(株)製:カット長3mm)
をアクリル繊維/ポリエステルフロック=70/30
(重量比)で混合し目付20g/m2 のシートを作製し
た。なお、バインダーとしてポリビニルアルコール系繊
維を20重量%使用した。その後は、実施例1と同様に
して不織布シートを作製し、評価したところ、杢調風合
いの良好なシートであることが確認された。
【0036】[実施例3](異繊維混の例その2) 実施例1と同様にして作製した単繊維繊度2.0dte
x(繊維直径:14.8μm)のアクリル繊維トウを3
mmにカットした後、単繊維繊度0.11dtex(繊
維直径:2.6μm)のポリエステルフロック(テトロ
ン(登録商標):帝人(株)製:カット長3mm)と、
アクリル繊維/ポリエステルフロック=60/40(重
量比)で混合し目付18g/m2 のシートを作製した。
なお、シートを作製時バインダーとしてポリビニルアル
コール系繊維を20重量%使用した。その後は実施例1
と同様に操作して不織布シートを作製し、評価したとこ
ろ、獣毛調と杢調のバランスの取れた良好な風合いであ
るものであることが確認できた。
【0037】[比較例2]実施例3においてアクリル繊
維とポリエステル繊維の混率を、アクリル繊維/ポリエ
ステルフロック=30/70としたほかは実施例3と同
様にして不織布シートを作製し、評価した。発色鮮明性
に欠け風合いは不十分であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の、異繊度混、異繊維混不織布シ
ートは、アクリル繊維をベースとしているので発色鮮明
性に優れている上に、適切な繊度の組み合わせや、適切
な繊維種の組み合わせによって獣毛調、杢調様等様々な
風合いニーズに対応でき、人工皮革における用途の広が
りに大きく貢献するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋吉 康宏 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 和田 善文 大阪府大阪市北区天満橋一丁目8番30号 三菱レイヨン株式会社内 Fターム(参考) 4F055 AA01 BA02 BA06 EA02 EA04 EA05 EA06 EA07 EA24 EA28 EA30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短繊維、補強材及び弾性重合体からなる
    不織布シートであって、短繊維がアクリロニトリル50
    〜95重量%と少なくとも1種の他のモノマーからなる
    アクリロニトリル系共重合ポリマーから構成され、少な
    くとも2種の異なる繊維直径を有するアクリル繊維A及
    びBが使用され、該アクリル繊維A及びBの繊維直径
    が、それぞれAが0.1μm以上7μm未満、Bが10
    μm以上18μm未満であり、その混率が、A/B=4
    0/60〜80/20であることを特徴とする不織布シ
    ート。
  2. 【請求項2】 短繊維、補強材及び弾性重合体からなる
    不織布シートであって、短繊維がアクリロニトリル50
    〜95重量%と少なくとも1種の他のモノマーからなる
    アクリロニトリル系共重合ポリマーから構成されるアク
    リル繊維C、及び少なくとも1種のアクリル繊維以外の
    繊維Dが使用され、その混率が重量比でC/D=40/
    60〜80/20であることを特徴とする不織布シー
    ト。
  3. 【請求項3】 アクリル繊維以外の繊維Dが、ポリエス
    テル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン系繊維、セ
    ルロース系繊維、アセテート繊維から選ばれることを特
    徴とする請求項2記載の不織布シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003027380A (ja) * 2001-07-13 2003-01-29 Mitsubishi Rayon Co Ltd 発色性に優れた黒色着色不織布
CN116761914A (zh) * 2021-01-22 2023-09-15 东丽株式会社 湿式无纺织物片

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JP2003027380A (ja) * 2001-07-13 2003-01-29 Mitsubishi Rayon Co Ltd 発色性に優れた黒色着色不織布
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