JP3137712B2 - アクリル系繊維不織布及びその製造法 - Google Patents
アクリル系繊維不織布及びその製造法Info
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Description
原料とする不織布及びその製造法に関する。
来より知られているが、最近特殊な繊維構造を有するア
クリル系繊維からなる不織布(特開平2−200857
号公報、特開平2- 242956号公報)が注目されて
いる。特開平2−200857号公報には、繊維の横断
面に不特定な形状を有する開口を多数有しており、該開
口の各々は繊維の内部において繊維の長さ方向に沿って
ほぼ平行な60μ以上の長さを有する筋状(ストロー
状)の空〓を形成しているアクリル系繊維からなる不織
布が、特開平2−242956号公報には該繊維からな
る繊維層とポリエステル繊維、セルロース系繊維或いは
羊毛などの耐熱性繊維からなる繊維層とが一体に結合し
た積層不織布が開示されている。この不織布は、アクリ
ル系繊維の熱収縮による寸法変化を耐熱性のポリエステ
ル系合成繊維からなる基布層と重ね合せることで改善し
たものであるが、布の持つ滑らかな風合が不足してい
る。
る新規な特徴を有する不織布の要求があるとともに、従
来の不織布は柔軟な感触、風合いを有しているとはい
え、それは織物或いは編物のような布の有する感触や風
合いではなく、特殊な衣料分野を除き、一般の衣料とし
ては不適当である。
すると同時に、織物或いは編物が有する感触、風合いを
有する不織布及びその製造法を提供することを目的とす
るものである。
しており、該開口の各々は繊維の内部において繊維の長
さ方向に沿ってほぼ平行な60μm以上の長さを有する
筋状の空隙を形成しているアクリル系短繊維(繊維1)
からなり、繊維の少なくとも一部が微細繊維に分割して
いる繊維層と、繊維1以外の繊度が0.5〜3デニール
のアクリル系短繊維(繊維2)からなる繊維層とで形成
され、両繊維層の境界部で、繊維1の分割された微細繊
維及び分割してはいるが微細繊維が束状になっている繊
維、及び分割されていない繊維1が、繊維2と相互に絡
みあって一体に結合しており、繊維1から分割された微
細繊維の少なくとも一部は繊維2の層を貫通して繊維2
からなる繊維層の表面にまで達していることを特徴とす
るアクリル系繊維不織布、及び 2.繊維の横断面に不特定な形状を有する開口を多数有
しており、該開口の各々は繊維の内部において繊維の長
さ方向に沿ってほぼ平行な60μm以上の長さを有する
筋状の空隙を形成しているアクリル系短繊維(繊維1)
からなる繊維層と、繊維1以外の繊度が0.5〜3デニ
ールのアクリル系短繊維(繊維2)からなる繊維層とを
重ね合わせ、次いで、重ね合わせた繊維層に高圧水をノ
ズルにより噴射することを特徴とする請求項1に記載の
アクリル系繊維不織布の製造方法、である。
その製造法について更に詳細に説明する。 繊維1の説明 図1は本発明のアクリル系繊維不織布を形成する繊維1
(実施例1)の横断面の、図2は同繊維の縦断面の形状
の電子顕微鏡写真(4,000倍)である。
ある。図1からわかるように、繊維1はその横断面に不
特定な形状の開口を多数有している。繊維の横断面に存
在する不特定な形状の開口の多数は、繊維1を繊維の長
さ方向に容易に分割する(引き裂く)ことを可能にす
る。開口の大きさ(孔径)は後述の条件をみたしていれ
ば特に制限はない。微細な開口が多数あれば、繊維の分
割の容易さ及び微細な引き裂き繊維を得る点で好まし
い。又大きな孔径を有する開口が存在してもそのまわり
に小さな孔径の開口があれば繊維は容易に分割する。
内部において繊維の長さ方向に沿ってほぼ平行な筋状
(ストロー状)の空隙を形成している。この空隙の繊維
の長さ方向に沿っての長さ(以下、長さという)は、繊
維が容易に分割できる程度に長くなければならない。こ
の観点からこの空隙の長さは60μ以上が好ましく、こ
れより短いと繊維の長さ方向への分割が困難になる。空
隙の長さは60μ以上であれば、長い程繊維の分割が容
易になり、実質的に繊維の全長にわたって連続している
ことが最も好ましい。
に分割できる程度に多数存在する必要があるが、この開
口の空隙の長さとの関係で一律には定められないが、1
00個以上存在する必要がある。これより少ない場合に
はこの空隙が60μ以上の連続孔であっても繊維の分割
が困難になる。この空隙は繊維に横断面において100
個以上存在すれば、数多く存在するほど繊維が分割容易
になり、微細な繊維の形成も容易となる。また、この空
隙は繊維の横断面に均等に分散していることが繊維の分
割を容易にする点で好ましい。
水の柱状流パンチングにより容易に微細な繊維に分割
し、不織布の一方の表面に微細な繊維からなる繊維層を
形成する。また、繊維1の分割した微細繊維は、繊維2
と染色性が異なっており、この為に不織布を染色したと
きに、その表裏で色の濃淡、色合いに変化があり、視覚
的美麗さを発現する効果がある。
限はないが、その繊度としては0.5デニール以上、1
0デニール以下が好ましい。0.5デニールより小さく
なると、不織布の感触、風合いが繊維1からなる繊維層
と顕著な相違がなくなり、10デニールをこえると硬い
感触になるので好ましくない。特に繊度としては1〜3
デニールが好ましい。
に異なった特異な感触、風合いを与えるために、また、
不織布全体として柔軟な風合いを与えるために必要な繊
維である。一方、従来のアクリル系繊維はベルベット調
の柔軟で滑らかな風合および感触を発現し、染色により
鮮やかな発色性を与えることができる。しかし、アクリ
ル系繊維特有の高モジュラス特性故に、アクリル系短繊
維を柱状流交絡によって得られる不織布は、充分な繊維
交絡ができず、強度の低い、充実感及び柔軟性の乏しい
ものであった。この繊維2は、感触、風合いが、繊維1
の分割した微細繊維と異なっている。このために繊維1
の分割した微細繊維からなる繊維層とは異なった風合
い、感触を発現する。不織布の組織の構造の説明図3
は、本発明の不織布(実施例1)を繊維1繊維層側から
見た表面の形状を示した電子顕微鏡写真(119倍)で
あり、繊維1が微細な繊維に分割されて不規則に分散
し、この分割した微細繊維が交絡している部分、繊維1
が微細な繊維に分割してはいるが個々の微細繊維は集合
して束状になっている部分などが見られる。これらの部
分は不規則に分布しており、繊維相互は交絡して一体と
なって不織布表面の繊維層を形成している。
た電子顕微鏡写真(83倍)であり、上側は繊維1の分
割した微細繊維からなる繊維層である。その下側は繊維
2からなる繊維層でり、この両繊維層の境界部分では繊
維1の分割した微細繊維、分割してはいるが微細繊維が
束状になっている繊維、あるいは未分割な繊維1及び繊
維2等々の繊維が相互に絡み合って一体化している。さ
らに、繊維1が分割した微細繊維の一部は繊維2の層を
貫通して繊維2からなる繊維層の表面にまで達している
のがわかる。
た表面の形状を示した電子顕微鏡写真(118倍)であ
り、繊維2は交絡して不織布のもう一方の繊維層を形成
しており、繊維1の分割した微細繊維の一部は繊維2の
層を貫通して繊維2からなる繊維層の表面にまで達して
いる。繊維1の分割した微細繊維と繊維2との絡み合い
による繊維相互の交絡は、不織布に実用的に充分な引張
強度、引裂強度を与えるとともに、織物或いは編物の有
する柔軟な感触、風合いを不織布に与える。この効果は
本発明の大きな特徴であり、従来の不織布にはみられな
いものである。
水の柱状流パンチングによっておこなわれる。繊維1か
らなる繊維層側から柱状流パンチング処理を行う場合に
は、繊維1が分割した微細繊維が繊維2からなる繊維層
の中に入り込み繊維相互の絡み合いが行われ、同時にこ
の分割した微細繊維相互の交絡が行われる。この場合、
繊維1と繊維2との繊維層の境界部では、分割されない
繊維1、或いは分割しているが分散していない微細繊維
の束が一部存在する。
流パンチング処理を行ってもよい。この処理により繊維
2が繊維1からなる繊維層の中に入り込み、より強固な
繊維相互の絡み合いが行われる。この例では、繊維1と
繊維2からなる繊維層の2層を積層した構造の不織布で
あるが、繊維2からなる繊維層を挟んで繊維1からなる
繊維層を積層した3層構造の不織布でも良い。
して繊維1が分割してなる微細繊維によって覆われてお
り、他の一方の表面は主として繊維2によって覆われて
いる。しかし、繊維1の分割した微細繊維からなる繊維
層中に繊維2が入り込んでこれら繊維が相互に交絡し、
一方繊維2からなる繊維層中には繊維1の分割した微細
繊維が入り込んでこれらの繊維が相互に交絡している。
不織布を構成する繊維1及び繊維2の特徴とこれらの繊
維の混合交絡の構造とが相互に作用しあって、不織布の
主として繊維2からなる表面はベルベット調の柔軟で滑
らかな風合い、感触を発現する。
ことができたものであり、従来の不織布にはなかった特
徴である。また、繊維1が分割した微細繊維と繊維2と
は染色性が相違しており、表裏異色に染色することが出
来、色彩の異なる意匠性のある不織布が得られるもので
ある。
重合体かなる繊維であり、この重合体はアクリロニトリ
ル(以下ANと略記する)を60重量%(以下%は特記
しない限り重量%を表す)以上を含む重合体である。A
Nが60%より少ないとアクリル系繊維が本来有してい
る柔軟で、羊毛様の感触が失われるために好ましくな
い。この重合体は2種類以上のアクリル系重合体の混合
物であってもよい。
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ロダン塩濃厚水溶液、、塩化亜鉛濃厚水溶液、硝酸
水溶液に溶解して紡糸原液を調整する。重合体濃度は溶
剤によって最適濃度は異なるが概ね10〜30%が好ま
しい。
を添加することによって繊維の長さ方向に連続した空隙
を有する繊維が得られる。このポリアルキレングリコー
ルはエチレンオキシド20〜80%とプロピレンオキシ
ド80〜20%とのランダム型或いはブロック型共重合
体であり、その数平均分子量は5,000〜50,00
0、好ましくは10,000〜20,000である。
が5,000より小さい場合は繊維の長さ方向に連続し
た空隙が得られず、極微細なほぼ球形状の空洞を有する
微多孔質の繊維となる。一方、その数平均分子量が5
0,000を越えると、巨大な筋状の空洞部を有する繊
維となり、しかも繊維の断面において多くとも高々十数
個の空洞部を有する繊維となる。この繊維は柱状流パン
チングのような外力によって微細な繊維に分割できな
い。数平均分子量が10,000〜20,000のポリ
アルキレングリコールは繊維の長さ方向に沿って微細
で、その横断面において断面形状が不特定で細長い空隙
を有する繊維が得られる。
紡糸原液はその後少なくとも4時間熟成する。この熟成
はポリアルキレングリコールを添加した紡糸原液を激し
く撹拌したり、振動したりすること無く、例えば静置し
ておく、或いは穏やかに送液することである。ポリアル
キレングリコールの添加量は、アクリル系重合体に対し
て5〜20%、好ましくは10〜15%である。その添
加量が5%より少ないと繊維の横断面における空隙が少
なくなり、20%を越えると空隙が多くなりすぎ、繊維
の製造工程で繊維が分割したり、安定な紡糸ができなく
なる等の問題を生じる。その添加量が10〜15%の時
に繊維の横断面における空隙の数、紡糸の安定性等にお
いて最もバランスがとれている。
原液は、紡糸口金を通してその凝固液体中に押し出し、
水洗、延伸、乾燥等の工程を経た後、必要に応じて熱処
理を行う。紡糸原液に添加したポリアルキレングリコー
ルは凝固、延伸、水洗などの工程で凝固糸状体から溶出
する。 不織布の製造法 繊維1及び繊維2の長繊維、或いは短繊維を、従来不織
布の製造に使用されているウエッブフォーミング装置に
より繊維層に形成する。
ド、ランダムカードを使ってもよく、乱気流を用いたエ
アレイ方式、水分散を用いた抄造方式などでもよい。次
に、繊維1の繊維層および繊維2の繊維層を積層し、積
層した繊維層をネット或いはローラー上に支持し、繊維
1からなる繊維層側から高圧水を噴射する。この処理に
より、繊維1は分割して微細な繊維となって不規則に分
散し、この微細繊維が相互に交絡した部分、この微細な
繊維が集合して束状になっている部分、さらにはこれら
の繊維が繊維2と相互に交絡した部分などを形成し、全
体として全繊維が一体的に結合した不織布を形成する。
繊維2の繊維層側から行うこともできる。この場合、繊
維相互の交絡がより強固に行われ、不織布の引張強度、
引裂強度などの物性が改善される。この柱状流パンチン
グ処理は、繊維2の繊維層側から行ない、次いで繊維1
の繊維層側から行ってもよい。
絡状況或いは繊維1の分割状況に応じて1回またはそれ
以上行う。この処理が多くなるほど繊維1の分割及び繊
維相互の交絡が進行する。高圧水は10kg/cm2 以
上の圧力が必要であり、これより低くなると繊維1の分
割が困難になると同時に繊維相互の交絡が少なくなる。
織布の表面形態、繊維1の分割状態により適宜選択す
る。このノズルの口径は小さく、水圧が低いほど繊維1
の分割は繊維1の層の表層部で起こり、水圧が高いほど
その内部まで繊維1の分割及び繊維相互の交洛も進行す
る。この処理の条件を適宜調整することにより不織布の
風合い、感触等を調整することができる。
たときには不織布の風合い、感触は紙様になり易く、そ
れを緩く行えば柔軟な風合いの不織布となる。高圧水柱
状流パンチング処理を行った後不織布を乾燥する。この
乾燥機はピンテンター乾燥機、ドラム乾燥機などの乾燥
機で行われる。繊維1及び繊維2の繊維層の目付量は、
それぞれ5g/m2 以上、好ましくは20g/m2 以上
である。目付量が5g/m2 より少ないと均一な不織布
の製造は困難である。
いは編物の感触、風合いを有しており、しかも主として
繊維2からなる表面は高級なビロード調の風合い、感触
を有している。また、不織布の表裏での異なった染色性
により優れた意匠性を発現する。この特徴は、繊維1及
び繊維2との組み合わせにより発現されるもので、従来
の不織布が有していた紙様の感触、風合いとは全く異な
るものであり、本発明により始めて不織布に、織物、編
物の持つ風合い、感触を与えることができた。
殊な衣料以外には衣料としては不適当であったが、本発
明の不織布は一般に衣料に十分適用することができる。
さらに本発明の特徴として、上記不織布に弾性重合体を
含浸する事により高級な天然皮革様の感触、風合いを有
する皮革様の布を得ることができる。弾性重合体の不織
布への含浸は、従来公知の方法を適用することができ
る。この一般的な方法はアクリル系繊維の非溶剤で且つ
弾性重合体の溶剤を上記不織布に含浸し、その後弾性重
合体溶液、好ましくはポリウレタン溶液を含浸、次いで
この不織布を水等の凝固液体中に浸漬して弾性重合体を
凝固する方法である。
性重合体に溶剤として作用する溶剤は、トルエン、キシ
レン、ベンゼン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン等である。弾性重合体として
はポリウレタンが好ましい。
る。
%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体、
ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリ
エチレンオキシドのブロック型ポリエーテル(数平均分
子量10,0000、ポリエチレンオキシドとポリエチ
レンオキシドの割合は70:30)をジメチルホルムア
ミドに溶解して、アクリル系重合体23%、ブロック型
ポリエーテル2.3%を含有する紡糸原液を調製した。
金を通して温度35℃、ジメチルホルムアミド75%の
凝固浴中に押し出し、水洗後、沸騰水中で12倍延伸
し、80℃の熱風中で乾燥し1.5デニールの繊維(繊
維1)を製造した。この繊維の横断面及び縦断面の形状
を示す電子顕微鏡写真(4,000倍)を図1及び図2
に示す。
量35g/m2 の繊維層を製造した。これとは別に1.
5デニールの市販のアクリル系繊維(繊維2)を同様に
して目付量35g/m2 の繊維層を製造し、この二つの
繊維層を積層して100メッシュの金網上に置き、繊維
1の層の側から直径0.1mm、ピッチ0.8mmの1
列ノズルから60kg/cm2 の水圧で水を噴射し、4
m/分の速度で移動しながら処理した。次に同様の条件
で繊維2の層の側から高圧水を噴射して処理した。上記
の繊維1及び繊維2からなる繊維の積層物にこの操作を
10回繰り返した後80℃の熱風中で乾燥した。
繊維層側から見た表面の形状を示した電子顕微鏡写真
(119倍)であり、繊維1が微細な繊維に分割されて
不規則に分散し、この分割した微細繊維が交絡している
部分、繊維1が微細な繊維に分割してはいるが個々の微
細繊維は集合して束状になっている部分などが見られ
る。これらの部分は不規則に分布しており、繊維相互は
交絡して一体となって不織布表面の繊維層を形成してい
る。
子顕微鏡写真(83倍)であり、上側は繊維1の分割し
た微細繊維からなる繊維層である。その下側は繊維2か
らなる繊維層でり、この両繊維層の境界部分では繊維1
の分割した微細繊維、分割してはいるが微細繊維が束状
になっている繊維、あるいは分割されていない繊維1及
び繊維2等々の繊維が相互に絡み合って一体化してい
る。さらに、繊維1が分割した微細繊維の一部は、繊維
2の層を貫通して繊維2からなる繊維層の表面にまで達
している。
表面の形状を示した電子顕微鏡写真(118倍)であ
り、繊維2が交絡して不織布のもう一方の繊維層を形成
しており、繊維1の分割した微細繊維の一部が繊維2の
層を貫通して繊維2からなる繊維層の表面にまで達して
いる。得られた不織布は、織物の感触、風合いを有して
いた。特に、繊維2からなる繊維層側表面は高級なベル
ベット調の風合いを有しており、従来の不織布に見られ
る紙様の感触は全く無かった。
た微細繊維の層は淡色に、一方繊維2からなる層は濃色
に染色され、表裏で異なった色調を有する意匠性の高い
不織布が得られた。
%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体、
エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重
合型ポリエーテル(数平均分子量10,0000、エチ
レンオキシドとエチレンオキシドの割合は75:25)
を67%硝酸水溶液に溶解して、アクリル系重合体16
%、ランダム共重合型ポリエーテル2.4%を含有する
紡糸原液を調製した。
冷却した37%の硝酸水溶液中に紡糸口金を通して押し
出し、水洗後、沸騰水中で9.5倍延伸し、70℃の熱
風中で乾燥し1.5デニールの繊維(繊維1)を製造し
た。この繊維を切断した後、カードを用いて目付量40
g/m2 の繊維層を製造した。これとは別に1.5デニ
ールの市販のアクリル系繊維(繊維2)を同様の方法で
目付量45g/m2 の繊維層を製造した。この二つの繊
維層を積層して100メッシュの金網上に置き、繊維1
の層の側から直径0.1mm、ピッチ0.8mmの1列
ノズルから60kg/cm2 の水圧で水を噴射し、4m
/分の速度で移動しながら処理した。次に同様の条件で
繊維2の層の側から高圧水を噴射して処理した。
層物にこの操作を10回繰り返した後80℃の熱風中で
乾燥した。得られた不織布は、実施例1で得られた不織
布と同様の感触、風合いを有しており、紙様の感触は全
く無かった。繊維2の繊維層側表面は、高級なベルベッ
ト調の風合いを有していた。また、染色した不織布は、
実施例1同様に意匠性の高い表裏で異なった色調の不織
布であった。
ードを用いて目付量40g/m2 の繊維層を製造した。
これとは別に0.6デニールの市販のアクリル系繊維
(繊維2)を同様にして目付量30g/m2 の繊維層を
製造した。この二つの繊維層を積層して100メッシュ
の金網上に置き、繊維1の層の側から直径0.1mm、
ピッチ0.8mmの1列ノズルから60kg/cm2 の
水圧で水を噴射し、4m/分の速度で移動しながら処理
した。次に同様の条件で繊維2の層の側から高圧水を噴
射して処理した。上記の繊維1及び繊維2からなる繊維
の積層物にこの操作を5回繰り返した後80℃の熱風中
で乾燥した。
もに実施例1の不織布と同様であった。また、この不織
布を染色したところ微細に分割した繊維の層は淡色に、
一方繊維2からなる層は濃色に染色され、表裏で異なっ
た色調を有する意匠性の高い不織布であった。
ケトンを含浸し、これにポリウレタン30%含有ジメチ
ルホルムアミド溶液を含浸し、その後水中で凝固した。
ジメチルホルムアミドを十分洗浄した後80℃の熱風で
乾燥し、ポリウレタンを10%含有する不織布を製造し
た。この不織布の表面をエメリーペーパーで研磨し、立
毛を有するスエード調の人工皮革を製造した。
表面感触を有していた。
感触、風合いを有している新規な不織布である。この感
触、風合いは、従来の不織布の有する紙様の感触、風合
いとは全く異なるものであり、一般の衣料用の布として
の用途は勿論のこと不織布の新規な用途を切り開くもの
である。
性を有しており、染色した際に意匠性の高い不織布を与
える。
1の横断面である。
000倍)である。
みた表面の形状を示した電子顕微鏡写真(119倍)で
ある。
(83倍)である。
示した電子顕微鏡写真(118倍)である。
Claims (2)
- 【請求項1】 繊維の横断面に不特定な形状を有する開
口を多数有しており、該開口の各々は繊維の内部におい
て繊維の長さ方向に沿ってほぼ平行な60μm以上の長
さを有する筋状の空隙を形成しているアクリル系短繊維
(繊維1)からなり、繊維の少なくとも一部が微細繊維
に分割している繊維層と、繊維1以外の繊度が0.5〜
3デニールのアクリル系短繊維(繊維2)からなる繊維
層とで形成され、両繊維層の境界部で、繊維1の分割さ
れた微細繊維及び分割してはいるが微細繊維が束状にな
っている繊維、及び分割されていない繊維1が、繊維2
と相互に絡みあって一体に結合しており、繊維1から分
割された微細繊維の少なくとも一部は繊維2の層を貫通
して繊維2からなる繊維層の表面にまで達していること
を特徴とするアクリル系繊維不織布。 - 【請求項2】 繊維の横断面に不特定な形状を有する開
口を多数有しており、該開口の各々は繊維の内部におい
て繊維の長さ方向に沿ってほぼ平行な60μm以上の長
さを有する筋状の空隙を形成しているアクリル系短繊維
(繊維1)からなる繊維層と、繊維1以外の繊度が0.
5〜3デニールのアクリル系短繊維(繊維2)からなる
繊維層とを重ね合わせ、次いで、重ね合わせた繊維層に
高圧水をノズルにより噴射することを特徴とする請求項
1に記載のアクリル系繊維不織布の製造方法。
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---|---|---|---|
JP3799992A JP3137712B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | アクリル系繊維不織布及びその製造法 |
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JP3799992A JP3137712B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | アクリル系繊維不織布及びその製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH05239752A JPH05239752A (ja) | 1993-09-17 |
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