JP3115935B2 - ワイピングクロス - Google Patents

ワイピングクロス

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JP3115935B2
JP3115935B2 JP9782092A JP9782092A JP3115935B2 JP 3115935 B2 JP3115935 B2 JP 3115935B2 JP 9782092 A JP9782092 A JP 9782092A JP 9782092 A JP9782092 A JP 9782092A JP 3115935 B2 JP3115935 B2 JP 3115935B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリル系繊維不織布に
関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系繊維不織布は従来より知られ
ているが、最近特殊な繊維構造を有するアクリル系繊維
からなる不織布(特開平2−200857号公報)が注
目されている。特開平2−200857号公報には、繊
維の横断面に不特定な形状を有する開口を多数有してお
り、該開口の各々は繊維の内部において繊維の長さ方向
に沿ってほぼ平行な60μ以上の長さを有する筋状の空
隙(ストロー状)を形成しているアクリル系繊維からな
る不織布が記載されている。この不織布は繊維の特殊な
構造によりもたらされる特異な効果により注目されてい
る。
【0003】しかしながら、この不織布は繊維相互の絡
み合いのみにより繊維層が形成されているために、不織
布の引張強度、引裂強度及び表面耐摩耗性などの特性が
必ずしも十分ではない。特に産業用ワイピングクロスな
ど強度が要求される分野ではその改善が望まれている。
特開昭64−85356号公報には二つの非熱溶融性ア
クリル系繊維からなる繊維層の間に熱溶融性アクリル系
繊維層を有し、この熱溶融性アクリル系繊維の溶融によ
り二つの非熱溶融性アクリル系繊維を一体に結合した不
織布が記載されている。
【0004】この不織布は繊維が熱溶融性繊維の融着に
より結合されているために、充分な引裂強度、引張強度
を有しているが、ワイピングクロスとしては十分な拭き
取り性能が発現されない。更に、特開昭62ー2502
60号公報及び特開平3−14694号公報には、繊維
が三次元的に交絡した不織布において、熱融着性繊維が
溶融して繊維間を結合した不織布が記載されている。特
開昭62−250260号公報は、熱融着性繊維の比率
の増加により、吸水性能を有する主体繊維からなる不織
布の吸水性が低下するのを防止する為に、熱融着性繊維
の表面に吸水性物質を存在させる方法に関するものであ
る。特開平3−14694号公報は、構成短繊維と、そ
の短繊維の交絡状態を特定化することで優れた寸法安定
性を有する湿式不織布に関するものである。しかしなが
ら、前記不織布に於いても、拭き取り性能及び、表面摩
耗性などの強度物性の面では不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
特開平2−200857号公報に記載されている不織布
に比べ、引張強度、引裂強度及び表面摩耗が改善され、
且つ産業用ワイピングクロスとして優れた拭き取り性能
を有しているアクリル系繊維不織布を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、繊維の
横断面に不特定な形状を有する開口を多数有しており、
該開口の各々は繊維の内部において繊維の長さ方向に沿
ってほぼ平行な60μ以上の長さを有する筋状の空隙を
形成しているアクリル系繊維及び少なくとも前記繊維の
一部が分割されて形成された微細繊維の繊維集合体が、
溶融した熱溶融性繊維により一体的に結合されているア
クリル系繊維不織布からなるワイピングクロスである。
【0007】以下、本発明のアクリル系繊維不織布につ
いて更に詳細に説明する。図1は本発明のアクリル系繊
維不織布を製造するために使用する繊維1の横断面の、
図2は繊維1の縦断面の形状を示す電子顕微鏡写真(4
000倍)である。図1及び図2において、黒い部分は
空隙である。図1から分かるように、繊維1はその横断
面に不特定な形状の開口を多数有している。繊維1の横
断面に存在する不特定な形状の開口の多数は、繊維1を
繊維の長さ方向に容易に分割する(引き裂く)ことを可
能にする。開口の大きさ(孔径)は後述の条件をみたし
ておれば特に制限はない。
【0008】微細な開口が多数あれば、繊維1の分割の
容易さ及び微細な引き裂き繊維を得る点で好ましい。
又、大きな孔径を有する開口が存在してもそのまわりに
小さな孔径の開口があれば繊維1は容易に分割する。こ
の開口の各々は図2に示すように、繊維1内部において
繊維の長さ方向に沿ってほぼ平行な筋状の空隙(ストロ
ー状)を形成している。この繊維の長さ方向に沿っての
空隙の長さ(以下、空隙の長さという)は、繊維1が容
易に分割できる程度に長くなければならない。この観点
からこの空隙の長さは60μ以上が好ましく、これより
短いと繊維1の長さ方向への分割が困難になる。空隙の
長さは60μ以上であれば、長い程繊維1の分割が容易
になり、実質的に繊維1の全長にわたって連続している
ことが最も好ましい。
【0009】繊維1の横断面における開口数は繊維1が
容易に分割できる程度に多数存在することが好ましい。
開口数は、この開口の空隙の長さとの関係で一律には定
められないが、100個以上存在することがこのまし
い。これより少ない場合にはこの空隙が60μ以上の連
続口であっても繊維1の分割が困難になる。この空隙は
繊維1の横断面において100個以上存在すれば、数多
く存在するほど繊維1の分割が容易になり、微細な繊維
の形成も容易となる。また、この空隙は繊維1の横断面
に均等に分散していることが繊維1の分割を容易にする
点で好ましい。
【0010】本発明で用いられる、少なくともその一部
が分割された微細繊維とは、繊維1が不織布に製造され
る工程で、高圧水の柱状流パンチングにより容易に微細
な繊維に分割されたものをいう。熱溶融性繊維とは、不
織布の製造時に接着性繊維として、一般に使用されてい
る熱溶融性繊維をいう。この繊維は、例えばポリアミド
系繊維、ポリエスル系繊維、ポリオレフィン系繊維、熱
溶融性アクリル系繊維などである。
【0011】本発明の不織布は、繊維1及び少なくとも
その一部が分割された微細繊維の繊維集合体が、これら
の繊維相互の絡み合いと共に、この絡み合った繊維が、
溶融した熱溶融性繊維により一体的に結合されている構
造に特徴がある。このように、繊維1及び少なくともそ
の一部が分割された微細繊維の絡み合いのみならず、更
に熱溶融性繊維の溶融により繊維相互が結合されている
ために、不織布の引裂強度、引張強度などの特性が、従
来の特開平2−200857号公報に記載されている不
織布に比較して格段に改良されている。
【0012】また、本発明の不織布は、繊維1の特殊な
繊維構造により、汚れの拭き取り性能が優れており、改
善された不織布の強度特性と相まって、工業用ワイパー
としての高い商品価値を有している。本発明の不織布は
繊維1以外の繊維(以下、繊維2という)を含んでいて
もよい。この繊維2はポリエステル系繊維(芳香族ポリ
エステル繊維を含む)、ポリアミド系繊維(芳香族ポリ
アミド繊維を含む)、ポリビニルアルコール系繊維、ポ
リオレフィン系繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレ
ン繊維)、アクリル系繊維、セルロース系繊維(木綿、
麻、ベンベルグ、レーヨン)、ウールなどである。
【0013】これらの繊維の中でもアクリル系繊維は水
及び油の両方に親和性を有しており好ましい繊維であ
る。これらの繊維2の繊度は0.1〜10デニール、特
に3デニール以下がワイパーの拭き取り性能の点で好ま
しい。またこの繊維2は不織布の紙様化を防止すると同
時に適度な繊維間空隙を保持し、紙様化による不織布の
柔軟性、汚れの拭き取り性能を低下を防止する効果、更
に不織布の中に液体をすばやく吸収して拡散し、保液す
る等の効果がある。
【0014】繊維2の含有量は5〜70%、好ましくは
10〜20%であり、5%未満では上記の効果が発現さ
れず、また70%を超えると不織布の汚れ拭き取り性
能、吸液性、液体拡散性、保液性が低下する。熱溶融性
繊維の不織布中に占める割合は1〜30%(以下、%は
重量%を表す)が好ましく、さらに好ましくは5〜10
%である。その量が1%以下では不織布の上記特性を改
善する効果が少なく、30%を超えるとその柔軟性が失
われるので好ましくない。
【0015】不織布を構成するこれらの繊維1、繊維2
及び熱溶融性繊維は不織布中に均一に混在していること
が望ましい。次に繊維1の製造法について述べる。本発
明に用いる繊維1はアクリロニトリル(以下ANと略記
する)を60%以上を含むアクリル系重合体からなる繊
維である。この重合体は2種類以上のアクリル系重合体
の混合物であってもよい。
【0016】このアクリル系重合体はその溶剤、例えば
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ロダン塩濃厚水溶液、、塩化亜鉛濃厚
水溶液、硝酸水溶液に溶解し、紡糸原液を調整する。紡
糸原液中の重合体濃度は溶剤によって最適濃度は異なる
が概ね10〜30%が好ましい。この紡糸原液にポリア
ルキレングリコールを添加する。このポリアルキレング
リコールはエチレンオキシド20〜80%とプロピレン
オキシド80〜20%とのランダム型或いはブロック型
共重合体であり、その数平均分子量は5000〜500
00、好ましくは10000〜20000である。
【0017】ポリアルキレングリコールの数平均分子量
が5000より小さい場合は繊維の長さ方向に連続した
空隙が得られず、極微細なほぼ球形状の空洞を有する微
多孔質の繊維となる。一方、その数平均分子量が500
00を越えると、巨大な筋状の空洞部を有する繊維とな
り、しかも繊維の断面において多くとも高十数個の空洞
部を有する繊維となる。この繊維は柱状流パンチングの
ような外力によって微細な繊維に分割できない。数平均
分子量が10000〜20000のポリアルキレングリ
コールでは繊維の長さ方向に沿って微細で、その横断面
において断面形状が不特定で細長い空隙を有する繊維1
が得られる。
【0018】このポリアルキレングリコールを添加した
紡糸原液はその後少なくとも4時間熟成する。この熟成
はポリアルキレングリコールを添加した紡糸原液を激し
く撹拌したり、振動したりすることなく、例えば静置し
ておく、或いは穏やかに送液することである。ポリアル
キレングリコールの添加量は、アクリル系重合体に対し
て5〜20%、好ましくは10〜15%である。その添
加量が5%より少ないと繊維1の横断面における空隙が
少なくなり、20%を越えると空隙が多くなりすぎ、繊
維1の製造工程で繊維1が分割したり、安定な紡糸がで
きなくなる等の問題を生じる。その添加量が10〜15
%の時に繊維1の横断面における空隙の数、紡糸の安定
性等において最もバランスがとれている。
【0019】ポリアルキレングリコールを添加した紡糸
原液は、紡糸口金を通してその凝固液体中に押し出し、
水洗、延伸、乾燥等の工程を経た後、必要に応じて熱処
理を行う。紡糸原液に添加したポリアルキレングリコー
ルは凝固、延伸、水洗などの工程で凝固糸状体から溶出
する。熱溶融性繊維は、従来より不織布の製造ににおい
て、繊維の接着に使用されている公知の繊維である。
【0020】繊維2は繊度が0.1〜10デニールのア
クリル系繊維であることが好ましく、従来公知の繊維で
ある。次に、本発明のアクリル系繊維不織布の製造法に
ついて述べる。繊維1、熱溶融性繊維及び必要に応じて
繊維2を加え、従来不織布の製造に使用されているウエ
ッブフォーミング装置により混合して繊維層に形成す
る。これらの繊維が短繊維の場合は通常の梳毛、紡毛カ
ード、ランダムカードを使ってもよく、乱気流を用いた
エアレイ方式、水分散を用いた抄造方式などでもよい。
【0021】次に、この繊維層はネット或いはローラー
上に支持されてこの繊維層に高圧水の柱状流が噴射(以
下、柱状流パンチング、という)され、繊維1が分割さ
れつつ繊維相互の交絡を行われる。この柱状流パンチン
グにより、繊維1及び少なくともその一部が分割された
微細繊維相互さらに熱溶融性繊維更に繊維2、又は、少
なくともその一部が分割された繊維1と分割された微細
繊維及び熱溶融性繊維さらに繊維2とが交絡し、全体と
して全繊維が一体的に結合した不織布が形成される。
【0022】この柱状流パンチングに先だってニードル
パンチングを行ってもよい。次に、熱溶融性繊維の溶融
温度以上で繊維1の変性温度以下の温度でこの不織布を
熱処理する。この温度は熱溶融性繊維の溶融温度により
異なるが、150℃以下、好ましくは100℃以下であ
る。150℃を越えると繊維1の着色、収縮などが生じ
好ましくない。
【0023】この柱状流パンチングは繊維層の片側のみ
でもよいが、その両側から行うのが繊維の強固な交絡が
行われる点で好ましい。柱状流パンチングは繊維の交絡
状況或いは繊維1の分割状況に応じて数回ないし数十回
行う。この柱状流パンチングが多くなるほど繊維1の分
割及び繊維相互の交絡が進行する。
【0024】高圧水は10kg/cm2 以上の圧力が必
要であり、これより低くなると繊維1の分割が困難にな
ると同時に繊維相互の交絡が少なくなる。高圧水を噴射
するノズルは目標とする不織布の表面形態、繊維1の分
割状態により適宜選択する。このノズルの口径は小さ
く、水圧が低いほど繊維1の分割は繊維1の層の表層部
で起こり、ノズル口径がある程度大きく且つ水圧が高い
ほどその内部まで繊維1の分割及び繊維相互の交絡も進
行する。
【0025】繊維1の分割及び分割された繊維の交絡が
過度に行われたときには不織布は紙様になり易く、それ
が緩く行われれば柔軟な風合いとなる。柱状流パンチン
グを行った後、不織布を乾燥する。この乾燥機はピンテ
ンター乾燥機、ドラム乾燥機などの乾燥機でる。不織布
の目付け量はそれぞれ5g/m2 以上が好ましく、さら
に好ましくは20g/m2 以上であり、これより少ない
とワイピングクロスとして均一な不織布の製造は困難で
ある。
【0026】本発明の不織布は、上記不織布に弾性重合
体を含浸することにより高級な天然皮革様のワイピング
クロスにすることが出来る。弾性重合体の不織布への含
浸は、従来公知の方法を適用することができる。この一
般的な方法はアクリル系繊維の非溶剤で且つ弾性重合体
の溶剤を上記不織布に含浸し、その後弾性重合体溶液、
好ましくはポリウレタン溶液を含浸、次いでこの不織布
を水等の凝固液体中に浸漬して弾性重合体を凝固する方
法である。
【0027】アクリル系繊維に対して非溶剤であり、弾
性重合体に溶剤として作用する溶剤は、トルエン、キシ
レン、ベンゼン、酢酸エチル、アセトン、メチルエトル
ケトン、シクロヘキサノンなどである。弾性重合体はポ
リウレタンが好ましい。このように、本発明の不織布の
有する、すばやく液体を吸収しその中に拡散し、そして
吸収した液体をその中に保持する性能は、本発明の不織
布がワイパー分野のみならず、医療分野、衛生材料分野
においても優れた適性を有していることをあらわしてい
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、不織布の引張強度、引裂強度及び表面耐摩耗
性の評価は、JIS L−1096並びにマーチンデー
ル摩試験に準じて評価した。
【0029】
【実施例1】AN95.0%、アクリル酸メチル4.5
%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体、
ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリ
エチレンオキシドのブロック型ポリエーテル(数平均分
子量100000、ポリエチレンオキシドとポリエチレ
ンオキシドの割合は70:30)をジメチルホルムアミ
ドに溶解して、アクリル系重合体23%、ブロック型ポ
リエーテル2.3%を含有する紡糸原液を調製した。
【0030】この紡糸原液を6時間静置した後、紡糸口
金を通して温度35℃、ジメチルホルムアミド75%の
凝固浴中に押し出し、水洗後、沸騰水中で12倍延伸
し、80℃の熱風中で乾燥し、常圧蒸気中を通した後、
機械的にクリンプわ付与し、1.5デニールの繊維(繊
維1)を製造した。この繊維1の横断面及び縦断面の形
状を示す電子顕微鏡写真(4000倍)を図1及び図2
に示す。
【0031】この繊維1をカットした短繊維と、不織布
を製造するために一般に使用されている熱接着用熱溶融
性ポリエステル繊維とを80:20の重量比でカードを
用いて混合し、目付量50g/m2 の繊維層を製造し
た。この繊維層を100メッシュの金網上に置き、直径
0.1mm、ピッチ0.8mmの1列ノズルから60k
g/cm2 の水圧で水を噴射し、4m/分の速度で移動
しながら柱状流パンチングした。次に同様の条件でこの
繊維層の裏側から柱状流パンチングした。この操作を5
回繰り返し繊維集合体とした後、80℃の熱風中で乾燥
した。次いで表面温度100℃の2本の熱ローラーに挟
んで熱溶融性繊維の溶融により繊維相互を固着して不織
布とした。
【0032】得られた不織布を、物性測定し、自動車洗
浄用ワイピングクロスとして使用したところ、引張強
度、引裂強度及び表面耐摩耗性ともに実用的に充分なも
のであった。また、洗浄水をすばやく吸収し、しかも保
液性に優れており、ワイピング特性も従来のセーム皮よ
りも優れていた。
【0033】
【実施例2】AN90.0%、アクリル酸メチル9.5
%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体、
エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重
合型ポリエーテル(数平均分子量100000、エチレ
ンオキシドとエチレンオキシドの割合は75:25)を
67%硝酸水溶液に溶解して、アクリル系重合体16
%、ランダム共重合型ポリエーテル2.4%を含有する
紡糸原液を調製した。この紡糸原液を4時間静置した
後、0℃に冷却した37%の硝酸水溶液中に紡糸口金を
通して押し出し、水洗後、沸騰水中で9.5倍延伸し、
70℃の熱風中で乾燥し、常圧蒸気中を通した後、機械
的にクリンプを付与し、1.5デニールの繊維(繊維
1)を製造した。
【0034】この繊維1をカツトした短繊維と、実施例
1で使用したものと同様の熱接着用熱溶融性ポリエステ
ル繊維及び市販の2デニールのアクリル系繊維(繊維
2)とを60:20:20の重量比でカードを用いて混
合し、目付量60g/m2 の繊維層を製造した。上記の
繊維層を100メッシュの金網上に置き、直径0.1m
m、ピッチ0.8mmの1列ノズルから60kg/cm
2 の水圧で水を噴射し、4m/分の速度で移動しながら
柱状流パンチングした。次に同様の条件でこの繊維層の
裏側から柱状流パンチングした。この操作を5回繰り返
し、繊維集合体とし、80℃の熱風中で乾燥した。 次
いで実施例1と同様に表面温度100℃の2本の加熱ロ
ーラーに挟んで熱溶融性繊維の溶融により繊維相互を固
着して不織布を製造した。
【0035】得られた不織布を、物性測定し、印刷イン
キの拭き取り用ワイピングクロスとして使用したとろ、
引張強度、引裂強度及び表面耐摩耗性とも実用的にも充
分な耐久性を有しており、インキの吸収、保持性も従来
品のポリエステル不織布より優れていた。
【0036】
【実施例3】実施例1で得られた不織布にメチルエチル
ケトンを含浸し、これにポリウレタン25%含有ジメチ
ルホルムアミド溶液を含浸し、その後水中で凝固した。
ジメチルホルムアミドを十分洗浄した後80℃の熱風で
乾燥し、ポリウレタンを10%含有する不織布を製造し
た。この不織布の表面をエメリーペーパーで研磨し、毛
を有する不織布を製造した。
【0037】この不織布は柔軟で、滑らかな表面感触を
有しており、セーム皮調の不織布であった。この不織布
は自動車のワイピングクロスとして最適な拭き取り性能
を有していた。
【0038】
【発明の効果】本発明の不織布は、従来の特開平2−2
00857号公報に記載されている不織布に比べ、引裂
強度、引裂強度及び表面耐摩耗性が改善され、表面から
の毛羽脱落が非常に少ないことから、ワイピングクロス
として水と油の両方の汚れを拭取ることのできる優れた
拭き取り性能、優れた吸液速度と拡散性、液体保持性を
有している。
【0039】特に不織布の強度特性及び表面耐摩耗性が
改善された結果、ワイピングクロスとしての優れた汚れ
の拭き取り性能と相俟っており産業分野での使用に極め
て優れた適性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、アクリル系繊維不織布に用いる繊維
1の縦断面の形状の電子顕微鏡写真(4000倍)
【図2】本発明の、アクリル系繊維不織布に用いる繊維
1の横断面の形状の電子顕微鏡写真(4000倍)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 13/16 - 13/19 D04H 1/00 - 18/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維の横断面に不特定な形状を有する開
    口を多数有しており、該開口の各々は繊維の内部におい
    て繊維の長さ方向に沿ってほぼ平行な60μ以上の長さ
    を有する筋状の空隙を形成しているアクリル系繊維及
    少なくとも前記繊維の一部が分割されて形成された微細
    繊維の繊維集合体が、溶融した熱溶融性繊維により一体
    的に結合されているアクリル系繊維不織布からなるワイ
    ピングクロス。
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