JPS6221893B2 - - Google Patents

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JPS6221893B2
JPS6221893B2 JP53007073A JP707378A JPS6221893B2 JP S6221893 B2 JPS6221893 B2 JP S6221893B2 JP 53007073 A JP53007073 A JP 53007073A JP 707378 A JP707378 A JP 707378A JP S6221893 B2 JPS6221893 B2 JP S6221893B2
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JP
Japan
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knitted fabric
sheet
ultrafine
fibers
natural leather
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JP53007073A
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English (en)
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JPS54101983A (en
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Tooru Takemura
Atsushi Kawai
Koji Mimura
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS54101983A publication Critical patent/JPS54101983A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は天然皮革様の感触を有するシート状構
造物の製造方法に関するものである。
天然皮革様の感触、殊にスエード調の感触を有
するシート状構造物を得るには一般に0.5デニー
ル以下の繊維からシート状構造物を製造すること
が必須とされており、かような極細繊維を使用す
ることにより、初めて天然皮革に類似した独特の
ぬめり感と所謂ライテイングイフエクトを有する
シートが得られる。
しかしながら極細繊維を直接シート化すること
は極めて困難なこととされており、例えば0.5デ
ニールの短繊維をカードにかけてウエブ形成を行
なおうとすると、該短繊維のほとんどがカードの
中に沈んでしまつて出てこなくなり、実際上ウエ
ツブ形成は不可能である。
このような極細繊維の直接的なウエブ形成の困
難さを回避する為に、比較的単繊維繊度の大きい
複合繊維からなる短繊維を作り、これで常法によ
りウエブを形成した后、各複合成分毎に分割する
か又は一方の複合成分を溶解除去することによつ
て単繊維繊度の小さい短繊維からなる不織布を製
造する方法も提案されている。
しかしながら複合繊維を分割処理して細繊度繊
維を得る方法では、実際上分割数に制約があり、
高々5分割がその上限である為、細繊度繊維が得
難いという問題点がある。即ちカード機の通過性
からみてほぼ下限の繊度と推察される1.0デニー
ルの複合糸を利用した場合でも、分割処理により
得られる細繊度繊維のデニールは0.2デニールに
過ぎず、それ以下の細繊度繊維を得ることは実際
上不可能である。従つて得られる細繊度繊維から
のシートの品質の多様性は自ずと制約され、この
方法を工業化することは著しく困難である。
又多芯構造を有する鞘芯型複合繊維から常法に
よりシート形成し、該シートを鞘成分の溶解剤又
は分解剤で処理して鞘成分を除去する方法では
0.01デニール程度の極細繊維からなるシートが得
られるが、この方法では鞘成分を除去する為、シ
ート組織は極めて粗な状態となる。例えば複合糸
のカードウエツブをニードルパンチにより緻密化
して見掛密度0.40g/cm3のシートを得ても、その50
%を溶出すれば最終的に得られるシートの見掛密
度は0.20g/cm3になつてしまうのである。天然皮革
が通例0.50g/cm3以上の見掛密度を有することを勘
案すれば、複合繊維の鞘成分溶解除去処理により
得られるシートの風合が天然皮革のそれと比較し
て不充分なことは明瞭である。
従つて粗な組織を有する極細繊維シートを后処
理により緻密化する試みも行なわれているが未だ
不満足なものである。例えばニードルパンチ処理
を今一度施せば、シートの見掛密度は増大するも
のの、極細繊維はニードルにより損傷しシート表
面が毛羽立ち外観が著しく損なわれる。
又他の試みとして粗な極細繊維シートに収縮処
理を施して緻密化することも考えられるが、通
例、鞘成分ポリマーの溶出処理の際に、芯成分ポ
リマーは既に収縮しているので該極細繊維シート
の収縮率は小さく収縮処理によるシートの緻密化
はあまり期待できない。
これらの欠点を改良する為、極細繊維シートは
エラストマー樹脂との複合体として使用されるこ
とが不可欠とされているが、それは該シートの品
質の多様性を自ずと制約するものである。即ち、
エラストマー樹脂が繊維組織に入いる為得られる
シートの風合には必然的に樹脂の風合が具備さ
れ、ドレープ性も低下する。従つて該シートはド
レープ性が重視される分野ではその用途が制限さ
れる。
上述した如く、スエード調シート材料の製造方
法に関する従来技術では、得られる製品の品質の
多様性が欠如していることがその最大の問題点で
あり、それは必然的に用途範囲をせばめ経済的に
極めて不利な状況をもたらす。
本発明者等はこの問題点が極細繊維のシート形
成技術の未熟さにあると考えた。即ち従来のスエ
ード調シート材料の製造技術は、極細繊維の製造
方法にその開発の重点がおかれ、そのシート形成
方法に関しては何ら革新的技術が開発されていな
いのである。
本発明はかかる従来法の欠点を解消した皮革用
シート状構造物の製造方法に関するものであり、
その発明の要旨とするところは、編物上に載置し
た極細短繊維層に微細な高圧液体流を噴射して編
物と極細短繊維とを交絡一体化せしめる天然皮革
様のシート状物の製法において、ストレツチ処理
されてない編物を10%以上面積伸長させ、かつ編
物の面積伸長率を同一とした場合に編目の面積が
最大となる場合の80%以上となるように経緯の伸
長比を設定した状態で極細短繊維層を積層し高圧
液体流を噴射せしめることを特徴とする天然皮革
様シート状物の製法にある。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明で使用する極細短繊維は以下の如き種種
の方法で製造することができる。すなわち、 (イ) 繊維形成性重合体をろ過精度15μ以上の金属
繊維シート焼結板よりなる紡糸口金を用いて湿
式紡糸し、延伸し、切断する方法 (ロ) 繊維形成性重合体を孔径50μ以下の紡糸口金
を用いて湿式紡糸し、延伸し、さらに加圧スチ
ーム中で延伸し、切断する方法 (ハ) 繊維形成性重合体を孔径40μ以下の紡糸口金
を用いて湿式紡糸し、延伸し、切断する方法 (ニ) ポリエチレンテレフタレート未延伸糸を超延
伸後切断するか、又は超延伸後更に通常の延伸
を行なつてから切断する方法 (ホ) 特公昭43−7411号公報に記載されている如き
溶解性の異なる2種のポリマーからなる多芯複
合繊維を切断前又は切断後に鞘成分を溶解除去
する方法 (ヘ) 特公昭40−2791号公報に記載されている如き
溶解性の異なる2種のポリマーからなる混合紡
糸繊維を切断前又は切断後にいずれか一方のポ
リマー成分を溶解除去する方法 (ト) 特公昭48−28005号公報に記載されている如
き、互いに相溶性の小さい2種のポリマーから
なる易分割性複合繊維を切断前又は切断後に機
械的作用及び/又は膨潤剤の作用により分割す
る方法等である。
尚極細短繊維の繊維長の選定に際しては、抄造
工程に於ける液体への分散性、抄造性及び得られ
る製品の感触等に留意しなければならない。
即ち、繊維長は長い程液体への均一分散性が低
下する傾向が認められるが、その反面噴射流体処
理による繊維間の交絡性は向上し得られる製品の
后加工、例えば起毛処理に於ける極細短繊維の脱
落性を抑えることが可能であり、更に得られる製
品のヌメリ感、ライテイングイフエクトといつた
風合、感触に関する性能を多様化することが可能
となる。
又繊維長を短かくすれば、抄造工程に於ける極
細短繊維の液体中での分散性は向上し抄造性も比
較的良好となるのであるがその反面液体噴射によ
る繊維間の交絡性が低下して得られる製品からの
極細短繊維の脱落性が大きくなり且つ得られる製
品の風合、感触の多様化がその毛足が短いことに
基因して制約をうけることになるのである。
極細短繊維の繊維長は、上に述べた製造の容易
さ、及び製品の性能を勘案して大体1〜10mmの範
囲に選定されるが具体的には単繊維デニールによ
り適切な繊維長の範囲も変化する。例えば0.5デ
ニールの極細短繊維の好適繊維長範囲は2〜10
mm、0.2デニールの極細短繊維では2〜5mm、
0.05デニールの極細短繊維では1〜3mm、0.05デ
ニール未満の極細短繊維では1〜2mmである。
このようにして得られる極細短繊維は液体に分
散させるが使用される液体としては水が一般的で
ある。もちろん繊維ポリマーの溶媒でなければ、
いかなる液体を使用してもよい。水を使用した場
合、水中の繊維濃度は通例0.001%〜0.05%が適
当であり、これ以上の濃度では水中に分散する繊
維がからみ合い、均一な抄造が困難であり、得ら
れるウエブの地合が低劣なものとなる。
かようにして得られる極細短繊維の分散液は次
の工程でウエブ状に抄造され更に次の工程で編物
と積層されるが、前述した如くこの抄紙工程と積
層工程の2つの操作を単一の操作で行なうことも
できる。即ち極細短繊維の分散液を抄造する際、
抄造に用いる金網と分散液の間に編物を介在させ
て抄造すれば、直接的に極細繊維ウエブと基布と
の積層体が得られるのである。
比較的見掛密度が大きく、目付も大きい編物を
用いれば、極細短繊維ウエブと編物との積層体を
後述する噴射液体で処理したとき極細短繊維は編
物を貫通することなく該編物の片面の構成繊維と
のみ交絡し合うので得られるシートは片面にのみ
極細短繊維層を有するシートとなる。
一方、比較的見掛密度が小さく目付も小さい編
物を用いれば、該編物と極細短繊維ウエブとの積
層体に液体噴射処理を施こすと極細短繊維の一部
は、噴射液体の作用により、編物を貫通して編物
の反対側の面にまで達するので得られるシートは
その両面に極細短繊維層を有するシートとなるの
である。
又潜在的な収縮性を有する編物を用いれば、極
細短繊維と編物の交絡一体化された複合シートを
編物が収縮するような条件下に、例えば熱あるい
は膨潤剤で処理することにより、複合シートは収
縮し、緻密化するので、極細短繊維は編物中に高
密度に分布し、天然皮革に認められるぬめり感、
あるいはライテイングイフエクトといつた効果が
一層高度に発現されることになるのである。
尚一般に高度の収縮をさせた場合とか、基布に
編物とか、不織布を用いた場合には、得られる複
合シートは形態安定性が不足する場合があり、例
えば衣料として用いる場合にヒザ抜けとかヒジ抜
けの原因となり、又永久的なシワの原因ともな
る。基布に編物を用いる場合、その伸縮性によつ
てドレープ性に優れた非常に風合のよいシートが
出来るが、その変形性を押えるために編物の目付
を高めるとか、タツク編のように伸度を下げる編
物とすることも一応の手段として考えられるが、
極細繊維を編物と充分に交絡一体化させるために
は、目付をむやみに高くすることは出来ない。又
特殊な編物は高価になるし、又シートの適度の伸
縮性とか、ドレープ性を殺すことになる場合が多
く、基布の設定が困難である。
又極細繊維と基布とを高圧液体流により交絡一
体化させる場合、基布が固定されていない場合、
もしくは固定されていても、伸張固定されていな
い場合には噴射流体処理時に生じる収縮によつて
得られるシートは編物の変形性とさらに収縮によ
つて変形性が拡大されるために、基布である編物
の編目をうめることによつても変形性を実用的に
充分に止めることが出来ず、ドレープ性に優れた
スエード調のシート状物が得られるものの、形態
安定性はやや不充分である。しかるに噴射液体処
理によつて収縮しないように、さらに基布を伸張
した状態で噴射液体処理を行なうと、適度な伸縮
性とドレープ性に優れたスエード調の新規なシー
ト状物が得られることが判明したのである。
基布の伸張は面積伸張率で10%以上に伸張され
るが、伸張は面積伸張率を同一とした場合に編目
の面積が実質的に最大になるように伸張されるの
が好ましい。経緯どちらか一方に片寄つた伸張で
は基布の編目の形状が細長くなり、極細繊維の基
布への貫通性が悪くなり、基布と極細繊維の一体
化の効果が低下する。そこで実際には編目の面積
が最大になる場合の少くとも8割以上になるよう
に伸張することが必要で、経緯の伸張比率は編地
の種類、噴射液体処理工程への供給の方法、その
他編物の状態によつて変更される。
本発明は編物の伸縮性のバランスを補正するの
にも大きな効果をもたらす、編物のうち特にトリ
コツトの場合には経方向に比し緯方向の変形性が
非常に大きく、出来上つた複合シートも経緯の変
形性の差が大きく、方向性の大きいもので好まし
くないが、この場合には緯方向に大きく伸張し、
経方向にはほとんど伸張しないかむしろ縮めるよ
うにすることによつて経緯の変形性にバランスを
取らせることが出来る。
本発明に於ける極細短繊維ウエブと基布との一
体化は液体噴射処理によつて行なう。
液体噴射処理はネツトあるいはロール等の支持
部材にのせた積層体に直接流体を噴射する。この
場合用いる支持部材としては実質的に表面平滑で
支持部材の模様が積層体に形成されることなく、
しかも噴射された液体が速やかに除かれるような
ものであればどのようなものでも用いることがで
きる。
又ネツト上処理の場合にはサクシヨンを使用す
ると除水をより有効に行なうことができる。
支持部材の凹凸が大きい場合には、液体噴射処
理により積層体に模様が形成されるので、その用
途範囲が著しく限定され、汎用性のある編物が得
られないので、本発明においては好ましくない。
又噴射された流体は速かに積層体中から除かれ
る必要があり、もし、流体が積層体中に部分的に
停滞するならば液体噴射による交絡一体化効果は
流体の停滞部で小さくなるとともに、顕著な斑が
生じる。液体が積層体中に大部分停滞し、積層体
が液体中に浸漬された状態になればもはや液体噴
射による交絡一体化効果は認められず、更に極細
短繊維が積層体より剥離、流出する。従つて噴射
された液体は積層体中から速かに除かなければな
らない。
液体噴射処理に使用する液体は処理繊維の溶媒
以外ならいずれの液体をも使用することができる
が、水又は温水が取扱いの容易さから好適であ
る。又液体に少量の添加剤を入れ、液体噴射の効
果を上げることもできる。これは旧来からトムズ
効果として知られているものであり、液体に少量
の添加剤を入れることにより液体のノズル内流動
における乱流摩擦損失が大巾に低下する現象を利
用したものである。液体に水を使用した場合、添
加剤としてはポリエチレンオキサイド、ポリアク
リルアミド等が数十〜数百ppmの添加量で用い
られる。
噴射液体の形状は細い柱状流が好ましく、噴射
ノズルの孔径は通常0.06〜1.0mm望ましくは0.1〜
0.3mmである。
使用する液体の圧力は通常5〜50Kg/cm2である
がウエブの処理速度に応じて異なり処理速度が大
きくなるにしたがつて好適圧力は高くなり、100
Kg/cm2―Gあるいはそれ以上が適当な場合もあ
る。
噴射孔とウエブの間の距離は1〜15cm程度が適
当であり距離が大きくなると、噴射液体へ空気が
混入し噴射液体による交絡一体化効果が減少す
る。
本発明は以上の説明から明らかなように、抄造
により得られる極細短繊維ウエブと編物との積層
体及びそれに引き続く液体噴射処理を基本的な構
成とするが、上記工程を繰り返すこともできる。
即ち、上記の工程で一旦得られる複合シート状構
造物を更に極細短繊維ウエブと積層させ、液体噴
射処理を再度行なえばシート中に極細短繊維の占
める割合がより大きい複合シート状構造物が得ら
れる。
この場合も少くとも最初の工程では基布が伸張
された状態で噴射流体処理が行なわれるが、基布
と極細短繊維の一体化を効果的に行なおうとする
場合には、後の工程での伸張率を高くするのが好
ましい方法と云える。このようにすることによつ
て、噴射流体圧力を低目に出来るとか、処理回数
を減ずることが可能となる。
かくして得られる一体化された複合シート状構
造物は直接乾燥されるか、あるいはシート材料に
収縮性シートを使用した場合は前述した如き収縮
処理を施した後乾燥される。そして必要に応じて
ヒートセツト後極細短繊維側が起毛処理される。
本発明では天然皮革様のシート材料が繊維のみ
から製造され、樹脂との複合化は本質的に不要で
ある。
即ち本発明による皮革様シート材料は極細短繊
維と編物とを交絡一体化処理して得られるので、
シートの感触は極細短繊維により天然皮革様とな
る。
従来の衣料用途の人工皮革は極細短繊維とエラ
ストマー樹脂との複合体である為、その風合は樹
脂のそれが加味され殊にドレープ性の点で性能が
不足するという欠点が認められているが、本発明
では、ドレープ性に優れた編物と極細短繊維を複
合化することにより、極めてドレープ性に優れる
天然皮革様シートを製造することが可能である。
尚交絡一体化を行なうためにエラストマー樹脂に
よる加工も行なわれるが、この場合の樹脂量は10
重量%以下で充分である。
更に、本発明によるシート材料ではその厚みを
任意に規制しうる。即ち従来の衣料用人工皮革の
シート厚みが0.5mm以上であり、それ以下のシー
トを製造することは実際上困難であつたが、本発
明では、使用する編物の厚みを規制することによ
り、製品のシート厚みを任意に規制することが可
能であり0.5mm未満の皮革様シート材料を提供す
ることも容易である。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明す
る。
実施例 1 アクリロニトリル93重量%、酢酸ビニル7重量
%を含み、25℃ジメチルホルムアミド中で測定し
た極限粘度が1.7のアクリロニトリル系共重合体
をジメチルアセトアミドに溶解して重合体濃度16
重量%の原液を調製し、孔径40μ、孔数50000の
金属製紡糸口金を用いてジメチルアセトアミド30
重量%の40℃水溶液中に引取速度8m/minで湿
式紡糸した。引続いて沸水中で5倍延伸し、更に
2Kg/cm2の加圧スチーム中3倍延伸したところ、
単繊維繊度が0.1デニール、総繊度が5000デニー
ルの極細繊維トウが得られた。
このトウをアニーリング処理して20%収縮後
1.1倍沸水中で延伸してトウを整えた後長さ3m/
mに切断し、極細繊維に対して20重量%のポリビ
ニルアルコールからなるバインダー繊維を加えて
水中に分散抄造して極細繊維からなる坪量40g/
m2の紙を製造した。
一方30℃のオルソクロロフエノール中での固有
粘度が0.64のポリエチレンテレフタレートを通常
の方法で溶融紡糸し、沸水収縮率35%、75デニー
ル/36フイラメントの高収縮性のマルチフイラメ
ントを得た。
この繊維から150cm/540loopの編地を作り、該
編地を80メツシユの金網からなるピンテンター付
のネツトコンベアー上に自由な状態から縦方向に
5%、巾方向に10%の伸張を与えて供給した。続
いて該編地の上に極細繊維紙を積層し、引続き噴
射水流処理を行つた。水流噴射処理は極細繊維紙
の側から孔径0.15m/m、孔間距離1mmの液体流噴
射ノズルを用いて15Kg/cm2―Gの圧力で水流を噴
射した。続いて連続的に30Kg/cm2―Gの圧力によ
る水流で2回処理した。噴射ノズルとウエブとの
距離は5cmとした。処理装置のネツトコンベアー
は毎分4mの速度で移動せしめた。次に該シート
を裏返えして巾を固定した状態でネツトコンベア
ー上に供給し、極細繊維紙を積層し、1回目と同
様の水流噴射処理を行つた。続いて沸水中に導び
いて収縮させ、ヤンキードライヤーで乾燥した。
続いて張力下に150℃で熱処理して目付200g/m2
の複合シート状構造物が得られた。これに常法に
より針布起毛をほどこしたところ表面が極細繊維
で覆われ、ぬめり感の強い、ドレープ性は一般の
ジヤージー並のきわめて優れた天然皮革様の外観
及び風合を有するシートであつた。又このシート
の300g/cm定荷重法による伸張率はタテ5.1%、ヨ
コ14.2%、残留歪率はタテ0.8%、ヨコ1.8%であ
つた。
比較例 1 実施例1において水流噴射処理を編地に伸張を
与えないで固定した状態で行つた以外は同じ条件
でシート化処理して得られたシートは外観及び風
合に関してはそれほど差は認められなかつたが、
シートの変形性については300g/cm定荷重法によ
る伸張率はタテ9.2%、ヨコ20.3%、残留歪率は
タテ1.2%、ヨコ3.5%で実施例1に比してかなり
劣るものであつた。
実施例 2 沸水収縮率20%、60デニール/36フイラメント
のポリエステルフイラメント糸を用いて140cm/
540loopの編地を作り、自由な状態から縦方向に
6%、巾方向に13%伸張を与えて実施例1に準じ
た方法で目付190g/m2の複合シートを調製した。
得られたシートは表面が極細繊維で覆われ、編地
と極細繊維が一体化したぬめり感の強いドレープ
性は一般ジヤージー並のきわめて優れた天然皮革
様の外観及び風合を有するシートであつた。又こ
のシートの300g/cm定荷重法による伸張率はタテ
5.2%、ヨコ15.1%、残留歪率はタテ0.7%、ヨコ
1.7%であつた。
又荷重7g/cm2で測定した厚さから求めた見か
け比重は0.321g/cm3であつた。
比較例 2 沸水収縮率20%、60デニール/36フイラメント
のポリエステルフイラメント糸を用いて165cm/
540loopの編地を作り自由な状態で固定して、伸
張を与えない状態で実施例1に準じた方法で目付
193g/m2の複合シートを調製した。得られたシー
トはドレープ性、風合ともに優れたものであるが
充実感にやや欠けるものであつた。
このシートの300g/cm定荷重法による伸張率は
タテ10.8%、ヨコ22.3%、残留歪率はタテ2.1%、
ヨコ5.1%であつた。又荷重7g/cm2で測定した厚
さから求めた見かけ比重は0.195g/cm3であつた。
実施例 3 沸水収縮率30%、40デニール/24フイラメント
のポリエステルフイラメント糸を用いて170cm/
480コースのトリコツト編地を作り、自由な状態
から巾方向のみ18%伸張を与えて実施例1に準じ
た方法で目付190g/m2の複合シートを調製した。
同じトリコツト編地に伸張を与えないで得た複合
シートと300g/cm静荷重下における変形性を比較
した。
伸張の有無 タテ ヨコ 有 13.3% 18.1% 無 7.1% 30.3% 実施例 4 沸水収縮率30%、40デニール/24フイラメント
のポリエステルフイラメント糸を用いて170cm/
480コースのトリコツト編地を作り、自由な状態
から巾方向のみ10%伸張を与えて実施例1に準じ
て一枚目の極細繊維紙を水流噴射処理して複合化
した後さらに巾方向に5%伸張した状態で二枚目
の極細繊維紙を一枚目に積層した同じ側に積層し
て15Kg/cm2―G→34Kg/cm2―G→34Kg/cm2―Gで水流
噴射処理を行つた。続いて沸水中で収縮処理を行
い乾燥後、張力下に150℃で熱処理して複合シー
トを得た。得られたシートは一面が毛足密度の高
い極細繊維で覆われたぬめり感の強いドレープ性
に優れたスエード調の外観及び風合を有するシー
トであつた。
一方2枚目の極細繊維紙を複合化処理するにあ
たり、巾方向の伸張を行なわないで同様な処理を
行つたものは水流噴射圧力を15Kg/cm2―G→45Kg/
cm2―G→45Kg/cm2―Gと高めたにもかかわらず巾方
向に伸張を行つて処理したものに比し毛足密度に
おいて劣るものであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 編物上に載置した極細短繊維層に微細な高圧
    液体流を噴射して編物と極細短繊維層とを交絡一
    体化せしめる天然皮革様のシート状物の製法にお
    いて、ストレツチ処理されてない編物を10%以上
    面積伸長させ、かつ編物の面積伸長率を同一とし
    た場合に編目の面積が最大となる場合の80%以上
    となるように経緯の伸長比を設定した状態で極細
    短繊維層を積層し高圧液体流を噴射せしめること
    を特徴とする天然皮革様シート状物の製法。 2 極細短繊維層を構成する極細短繊維層が高圧
    液体流噴射処理又は処理後において、実質的に
    個々の単繊維に細分化されている特許請求の範囲
    第1項記載の天然皮革様シート状物の製法。 3 編物上への極細短繊維層の積層と高圧液体流
    による交絡一体化とを繰返し多段階で行い、且つ
    少なくとも第1段目の交絡一体化を、編物を伸張
    した状態で行う特許請求の範囲第1項記載の天然
    皮革様シート状物の製法。 4 第2段目以降の交絡一体化の中の少なくとも
    1回は第1段目の交絡一体化における編物の伸長
    率以上に編物を伸長した状態で行う特許請求の範
    囲第3項記載の天然皮革様シート状物の製法。
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