JP2002045206A - 皮革様シート状物を用いた靴、家具及び衣服 - Google Patents

皮革様シート状物を用いた靴、家具及び衣服

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JP2002045206A
JP2002045206A JP2000233003A JP2000233003A JP2002045206A JP 2002045206 A JP2002045206 A JP 2002045206A JP 2000233003 A JP2000233003 A JP 2000233003A JP 2000233003 A JP2000233003 A JP 2000233003A JP 2002045206 A JP2002045206 A JP 2002045206A
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mass
leather
sheet
fiber layer
short fibers
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Application number
JP2000233003A
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English (en)
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Masakazu Hoshino
正和 星野
Yoshihiro Sako
佳弘 佐古
Yasuhiro Akiyoshi
康宏 秋吉
Kotaro Yoshioka
幸太郎 善岡
Yoshifumi Wada
善文 和田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な獣毛調風合い又は杢調外観を呈する皮
革様シート状物を用いた、靴、家具及び衣服を提供す
る。 【解決手段】 直径2〜7μmのアクリル短繊維50〜
80質量%と直径10〜18μmのアクリル短繊維50
〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表目繊維層と
交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体とで構成さ
れた皮革様シート状物、又はアクリル短繊維40〜80
質量%と他の短繊維60〜20質量%とからなる表面繊
維層と、該表面繊維層と交絡一体化された補強用布帛
と、弾性重合体とで構成された皮革様シート状物を用い
た、靴、家具、及び衣服。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、獣毛調風合い又は
杢調外観を有する皮革様シート状物を用いた靴、家具及
び衣服に関する。
【0002】
【従来技術】人工皮革は、風合いや外観を天然皮革に似
せた製品で、その歴史は古く19世紀中頃にまで遡るこ
とができるが、近年の人工皮革としては、編織布や、不
織布等のシート地に多孔質被覆層や、非多孔質被覆層を
形成させたものが知られており、その製造方法は数多く
提案されている。その中でも特に0.6dtex以下の
極細繊維を用いると天然皮革に類似した優れた製品が得
られるとされている。
【0003】しかしながら、従来の人工皮革が求めたも
のは高級感のあるスエード調のものが主体であり、嗜好
や要求が非常に多様化している現在のニーズには対応し
きれていないのが実情である。特に、汎用感のある風合
いを持ったものについては不十分であるし、また光沢を
抑える事が要求されるものについては、酸化チタンをブ
レンドしたダル繊維を使用することで可能にはなるが、
シートの耐久性が低下するなどの不具合が生じる場合が
あり、必ずしも要求に応えきれていないので、新規な風
合いを有する人工皮革の出現が求められている。
【0004】天然皮革と人工皮革で決定的に異なる点の
一つとして、繊度の分布がある。天然皮革においては表
面の獣毛は、当然のことながら単一の繊度ではなく繊度
の広がりを有しているが、人工皮革においては製造工程
上、特定の繊度範囲になってしまう。繊度分布を持たせ
た繊維を使用した皮革様シート状物としては、特開平2
−234979号公報や特公平7−91750号公報に
筋状空隙を形成したアクリル繊維を使用し、皮革様シー
ト状物形成時に繊維交絡と筋状空隙部分においての割繊
細分化を同時に行う技術が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、紡糸工程で毛羽が立ち易く、そのた
め紡糸機ロールへの巻き付き等のトラブル発生の原因と
なる傾向があり、また、紡糸浴で脱落した繊維屑が工程
へ悪影響を与え、経済的にも不利である等の問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解消し、新規な獣毛調風合い又は杢調外観を呈す
る皮革様シート状物を用いた、靴、家具及び衣服の提供
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、以下の構成を採用する。すなわち、(請求
項1)直径2〜7μmのアクリル短繊維50〜80質量
%と直径10〜18μmのアクリル短繊維50〜20質
量%とからなる表面繊維層と、該表面繊維層と交絡一体
化された補強用布帛と、弾性重合体とで構成された皮革
様シート状物を外張りに用いたことを特徴とする靴、
(請求項2)直径2〜7μmのアクリル短繊維50〜8
0質量%と直径10〜18μmのアクリル短繊維50〜
20質量%とからなる表面繊維層と、該表面繊維層と交
絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体とで構成され
た皮革様シート状物を外張りに用いたことを特徴とする
家具、(請求項3)直径2〜7μmのアクリル短繊維5
0〜80質量%と直径10〜18μmのアクリル短繊維
50〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表面繊維
層と交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体とで構
成された皮革様シート状物を用いて縫製されたことを特
徴とする衣服、(請求項4)アクリル短繊維40〜80
質量%と他の短繊維60〜20質量%とからなる表面繊
維層と、該表面繊維層と交絡一体化された補強用布帛
と、弾性重合体とで構成された皮革様シート状物を外張
りに用いたことを特徴とする靴、(請求項5)アクリル
短繊維40〜80質量%と他の短繊維60〜20質量%
とからなる表面繊維層と、該表面繊維層と交絡一体化さ
れた補強用布帛と、弾性重合体とで構成された皮革様シ
ート状物を外張りに用いたことを特徴とする家具、及び
(請求項6)アクリル短繊維40〜80質量%と他の短
繊維60〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表面
繊維層と交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体と
で構成された皮革様シート状物を用いて縫製されたこと
を特徴とする衣服である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に使用するアクリル短繊維
を構成しているアクリロニトリル系重合体は、通常のア
クリル繊維を製造するのに使用されるものであれば特に
限定されないが、モノマー構成としてアクリロニトリル
を50〜95質量%含有している共重合体であることが
好ましい。アクリル短繊維を構成しているアクリロニト
リル系共重合中のアクリロニトリルの含有量が50質量
%未満になると、原綿が本来のアクリル短繊維としての
特性を失い、また95質量%を越えると風合いが硬くな
る上に染色性も低下し好ましくない。
【0008】アクリロニトリル系共重合体の共重合成分
は、通常のアクリル短繊維を構成する共重合成分であれ
ば特に限定されず、例えば以下のモノマーが挙げられ
る。すなわち、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表され
るアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸
シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチエルなどに代表さ
れるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデンなどの不飽和単量体等である。さらに、染
色性改良等の目的で、p−スルホフェニルメタリルエー
テル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレ
ンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩等を共重合
しても良い。これらの共重合モノマーは1種または1種
以上が用いられ、その使用割合はアクリロニトリル系共
重合体中5〜50質量%である。
【0009】アクリロニトリル系共重合体の分子量は特
に限定されないが、分子量10万以上かつ100万以下
のものが望ましい。分子量が10万未満では紡糸性が低
下すると同時に原綿の糸質も悪化する傾向にある。反対
に、分子量100万を超えるものは紡糸原液の最適粘度
を与える共重合体濃度が低くなり、生産性が低下する傾
向にある。
【0010】本発明に使用するアクリル短繊維を製造す
る際の紡糸原液の溶剤としては、アクリロニトリル系共
重合体の溶剤であればどのようなものでも用いることが
できる。このような溶剤としては、例えばジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の有機溶剤、及び硝酸、ロダン塩水溶液、塩化亜鉛
水溶液等の無機溶剤が挙げられる。また、紡糸原液を調
製する方法についても特に限定はなく、例えば溶剤に共
重合体を投入しスラリーを調製した後に溶解する方法等
が挙げられる。
【0011】調製した紡糸原液は、湿式法、乾湿式法、
乾式法等により紡糸されアクリル繊維とされる。中でも
湿式紡糸法が好ましく用いられ、本方法では紡糸ノズル
より紡糸原液を凝固浴に吐出し凝固糸とする。凝固浴と
しては、一般に紡糸原液に用いた溶剤と水から成る混合
液を用いる。凝固糸は引き続き、洗浄、延伸、乾燥、熱
処理等の工程を経てカットされ短繊維となる。
【0012】本願の請求項1〜3に係わる発明で用いる
皮革様シート状物の表面繊維層は、直径2〜7μmの細
繊度アクリル短繊維50〜80質量%と、直径10〜1
8μmの太繊度アクリル短繊維50〜20質量%とで構
成されている必要がある。細繊度アクリル短繊維の直径
が2μm未満であると、シート状物とした場合、毛羽の
発生や耐摩耗性の低下を招き、太繊度アクリル短繊維の
直径が18μmを越えるとシート状物の繊維密度が下が
り、風合いが著しく低下する。また、細繊度アクリル短
繊維の直径が7μmを越えたり、太繊度アクリル短繊維
の直径が10μm未満であると、異繊度混合効果が低下
し、獣毛調風合いを有するシート状物が得られない。ま
た細繊度アクリル短繊維と太繊度アクリル短繊維との混
合比率が上記範囲を外れると異繊度混合効果が低下し、
獣毛調風合いを有するシート状物が得られない。尚、細
繊度アクリル短繊維は直径が2〜7μmの範囲内にあれ
ば、また、太繊度アクリル短繊維は直径が10〜18μ
mの範囲にあれば、各々の繊度が均一であっても不均一
であっても良い。
【0013】本願の請求項4〜6に係わる発明で用いる
皮革様シート状物の表面繊維層は、アクリル短繊維40
〜80質量%と他の短繊維60〜20質量%とで構成さ
れている必要がある。目的とする皮革様シート状物の発
色鮮明性と風合いの観点から、アクリル短繊維を含んで
いなければならないが、他の短繊維としては、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維、アセテート繊維、セルロー
ス系繊維、ポリオレフィン繊維等一般的な繊維でよい。
アクリル短繊維の混率が40質量%未満であるとアクリ
ル短繊維の染色鮮明性や風合いが生かせず、他の短繊維
の混率が20質量%未満であると異繊維混合効果が期待
できなくなる。尚、アクリル短繊維以外の他の短繊維は
1種に限る必要はなく複数種の短繊維の混合物でも良
い。また、アクリル短繊維と他の繊維とで繊度も異なら
せて異繊度効果も併せて発現させることも可能である。
【0014】本発明で用いる皮革様シート状物で獣毛調
風合いや杢調外観が得られる理由は次の通りである。す
なわち、繊維には種類や繊度、及び製造条件等により、
染色性や硬さが異なるという特徴がある。したがって、
それぞれの繊維の特徴を把握した上で、配合比を考えれ
ば目的とする風合いや外観が得られる。例えば、通常カ
チオン染料で染色するアクリル短繊維と、通常分散染料
で染色するポリエステル繊維とをミックスして作製した
シートをカチオン染料で染色すれば、アクリル短繊維の
みが染色されシートとしてはやや光沢の抑えられた杢調
外観のシートが得られるわけである。
【0015】本発明で用いる皮革様シート状物の補強用
布帛は、編物、織物又は不織布であるが、その素材とし
ては、ポリエステル系、アクリル系、ポリアミド系、ポ
リオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビ
ニル系、セルロース系、セルロースアセテート系、木
綿、羊毛、絹繊維等、各種の合成繊維、天然繊維が用い
られる。編織布は通常は目の粗い低目付のもので良く、
例えばラッセル編物等でも良い。不織布の場合、ポリオ
レフィンやポリエステルのスパンボンド、アクリル短繊
維をニードルパンチングした不織布等も用いることがで
きる。
【0016】本発明の皮革様シート状物は、弾性重合体
をシート状物を構成している全繊維質量に対し、1〜3
0質量%の範囲で含有している。弾性重合体としては、
ポリウレタン、合成ゴム、アクリル酸エステル重合体そ
の他が用いられる。弾性重合体は、皮革様シート状物の
強力、耐摩耗性等を向上するが、含有量が過大となる
と、ゴム的な感触を呈し好ましくないので、全繊維質量
に対し30質量%以下に止める。特に好ましい範囲は3
〜20質量%である。
【0017】次に、本発明で用いる皮革様シート状物の
製造法について説明する。まず、短繊維繊度の異なるア
クリル短繊維の混合ウエブ、または、アクリル短繊維と
他の短繊維との混合ウエブを作製する。ウエブは、短繊
維をカード機とウエッバーによりクロスウエブとしても
良いし、ランダムウエッバーでランダムウエブとしても
良い。また、繊維長10mm以下のフロック状にカット
し、通常の抄造プロセスにより抄造ウエブとしても良
い。また、フロック懸濁液を補強用布帛上に流し、後述
する高圧流体処理により補強用布帛と交絡させても良
い。
【0018】ウエブの好ましい目付範囲は、15〜15
0g/mであるが、場合によっては、少量の接着剤あ
るいはポリビニルアルコール繊維のような繊維状接着剤
を用いて抄造しても良い。
【0019】上述のウエブは補強用布帛に積層するが、
好ましくは補強用布帛がウエブに挟まれる様に積層する
のが良い。補強用布帛にウエブを積層した後、ウエブ側
より、高圧液体噴射処理を行い補強用布帛とウエブを構
成している短繊維とを交絡一体化する。
【0020】高圧液体噴射処理法は、次のごとき方法で
行う。すなわち、補強用布帛とウエブとの積層体を実質
的に表面平滑な支持部材上に、ウエブを上にして載せ、
10kg/cm以上の圧力で噴射される液体柱状流、
液体扇形流、又は液体スリット流等を作用させることに
よって、補強用布帛とウエブを構成している短繊維との
交絡一体化処理を行う。ここで、実質的に表面平滑な支
持部材とは、支持部材の模様が、皮革様シート状物に形
成されることなく、しかも、噴射された液体が速やかに
除かれるような物であれば、どのようなものでも用いる
ことができる。その具体例としては30〜200メッシ
ュの金網またはプラスチックネット、またはロール等を
挙げることができる。
【0021】使用する液体は、処理される繊維の溶剤以
外なら何でも良いが、通常は、水あるいは温水が適当で
ある。噴射ノズルの孔径は、柱状流の場合0.06〜
1.0mm、好ましくは0.1〜0.3mmの範囲であ
る。噴射口と積層体の間の距離は0.5〜20cm程度
の範囲が適当である。使用する液体の圧力は、10kg
/cm2以上、好ましくは15kg/cm2以上で、交絡
一体化処理は、通常数回行う。この場合、第1回処理よ
りも第2回処理以降の圧力を高めることが有効である。
【0022】ウエブと補強用布帛の積層および高圧液体
噴射による交絡一体化処理は、複数回繰り返しても良
い。すなわち、ウエブと補強用布帛の積層、高圧液体噴
射処理を行った後、先にウエブを積層した側にさらにウ
エブを積層し、高圧液体噴射処理を行っても良いし、出
来つつある皮革様シート状物を裏返し、反対側にウエブ
を積層し、高圧液体噴射処理を行っても良い。また、こ
れらの操作を繰り返しても良い。
【0023】かくして得られたシート状物は、熱処理を
行い、乾燥させた後、染色処理を行い、ポリウレタンな
どの弾性重合体を含浸し、乾燥後表面起毛処理を行う。
なお、処理剤、及び処理方法は公知の方法を採用するこ
とができる。
【0024】なお、本発明において補強用布帛として潜
在収縮性の布帛を使用することにより、補強用布帛とウ
エブを形成している繊維との交絡一体化における交絡の
強化、及びハイバルキー化を行うことが出来る。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】(実施例1)水系懸濁重合法によって得た
アクリロニトリル/酢酸ビニル=92/8(質量比)の
組成を有する分子量120,000のアクリロニトリル
系共重合体をジメチルアセトアミド(以下、DMACと
略記する)に溶解し、質量比で共重合体/DMAC=2
5/75の紡糸原液を調製し、単繊維繊度0.1dte
x(繊維直径:3.4μm)と1.2dtex(繊維直
径:11.5μm)の繊維トウを得、それぞれ3mmに
カットした後、50/50(質量比)で混合し、目付2
0g/mの抄造ウエブを作製した。なお、抄造ウエブ
作製に当たりバインダーとしてポリビニルアルコール系
繊維を20質量%使用した。
【0027】次いで、沸水収縮率32%のポリエチレン
テレフタレートフィラメントからなる目付40g/m
の編物上に、上記抄造ウエブを載置し、これを80メッ
シュの金網上に載置して、抄造ウエブ側から、孔径0.
125mmのノズルを用いて、20kg/cm2、30
kg/cm2、50kg/cm2の圧力の順に3回高圧噴
射水流処理を行った。その後このシートを反転し、上記
抄造ウエブを載置し、同様に20kg/cm2、30k
g/cm2、50kg/cm2の圧力の順に3回高圧噴射
水流処理を行った。さらに上記抄造ウエブを載置し、同
じ処理を繰り返した。次いで作製したシートを沸水中で
2分間処理したところ、該シートは30%収縮した。
【0028】次いでカチオン染料により青色(Nichilon
Blue SBN:日成化成)に染色後、ポリウレタンの含浸
量が皮革様シート状物の全質量に対し5質量%になるよ
うに水溶性ポリウレタン液で処理し、乾燥及びキュアリ
ングを行った後、サンドペーパーによってサンディング
処理を行って目的とする皮革様シート状物を得た。得ら
れた皮革様シート状物の風合いを判定したところ獣毛調
の良好な風合いが確認できた。また、得られた皮革様シ
ート状物を外張りに用いて作製した靴と家具、及び縫製
した衣服は染色鮮明性と適度な光沢感があり良好なもの
であった。
【0029】(比較例1)実施例1で得た単繊維繊度
1.2dtexのアクリル短繊維のみを使用したほかは
実施例1と同様に操作して皮革様シート状物を得た。こ
の皮革様シート状物を評価したところ、ざらつき感があ
り良好な風合いのものとはならなかった。
【0030】(実施例2)水系懸濁重合法によって得た
アクリロニトリル/アクリル酸メチル=93/7(質量
比)の組成を有する分子量130,000のアクリロニ
トリル系共重合体をDMACに溶解し、質量比で共重合
体/DMAC=25/75の紡糸原液を調製し、単繊維
繊度0.1dtex(繊維直径:3.4μm)のアクリ
ル短繊維を製造し3mmにカットしたものと、単繊維繊
度0.11dtex(繊維直径:2.6μm)のポリエ
ステルフロック(テトロン(登録商標):帝人(株)
製、カット長3mm)をアクリル短繊維/ポリエステル
フロック=70/30(質量比)で混合し目付20g/
の抄造ウエブを作製した。なお、ウエブ作製時にバ
インダーとしてポリビニルアルコール系繊維を20質量
%使用した。その後は、実施例1と同様にして皮革様シ
ート状物を作製し評価したところ、杢調外観の良好なシ
ートであることが確認された。また、得られた皮革様シ
ート状物を外張りに用いて作製した靴と家具、及び縫製
した衣服は染色鮮明性と適度な光沢感があり良好なもの
であった。
【0031】(実施例3)実施例1と同様にして作製し
た単繊維繊度2.0dtex(繊維直径:14.8μ
m)のアクリル繊維トウを3mmにカットした後、単繊
維繊度0.11dtex(繊維直径:2.6μm)のポ
リエステルフロック(テトロン(登録商標):帝人
(株)製、カット長3mm)と、アクリル短繊維/ポリ
エステルフロック=60/40(質量比)で混合し目付
18g/mの抄造ウエブを作製した。なお、抄造ウエ
ブ作製時にバインダーとしてポリビニルアルコール系繊
維を20質量%使用した。その後は実施例1と同様に操
作して皮革様シート状物を作製し、評価したところ、獣
毛調風合いと杢調外観のバランスの取れたものであるこ
とが確認できた。また、得られた皮革様シート状物を外
張りに用いて作製した靴と家具、及び縫製した衣服は染
色鮮明性と適度な光沢感があり良好なものであった。
【0032】(比較例2)実施例3においてアクリル短
繊維とポリエステル繊維の混率を、アクリル短繊維/ポ
リエステルフロック=30/70としたほかは実施例3
と同様にして皮革様シート状物を作製し、評価したとこ
ろ、発色鮮明性に欠け外観が不十分であった。
【0033】
【発明の効果】本発明で用いる皮革様シート状物の表面
繊維層は、アクリル短繊維を必須成分とした異繊度混ま
たは異繊維混の表面繊維層であるから、発色鮮明性に優
れている上に、獣毛調風合い又は杢調外観を呈するもの
であり、これらを靴、家具及び衣服に用いることによ
り、従来にない商品の差別化が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 善岡 幸太郎 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 和田 善文 大阪府大阪市北区天満橋一丁目8番30号 三菱レイヨン株式会社大阪支店内 Fターム(参考) 4F050 AA01 AA06 BC01 BC03 BC06 BC07 BC43 HA05 HA20 HA67 HA71 4F055 AA05 AA27 EA06 EA12 EA23 EA36 FA07 GA36

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径2〜7μmのアクリル短繊維50〜
    80質量%と直径10〜18μmのアクリル短繊維50
    〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表目繊維層と
    交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体とで構成さ
    れた皮革様シート状物を外張りに用いたことを特徴とす
    る靴。
  2. 【請求項2】 直径2〜7μmのアクリル短繊維50〜
    80質量%と直径10〜18μmのアクリル短繊維50
    〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表面繊維層と
    交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体とで構成さ
    れた皮革様シート状物を外張りに用いたことを特徴とす
    る家具。
  3. 【請求項3】 直径2〜7μmのアクリル短繊維50〜
    80質量%と直径10〜18μmのアクリル短繊維50
    〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表面繊維層と
    交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体とで構成さ
    れた皮革様シート状物を用いて縫製されたことを特徴と
    する衣服。
  4. 【請求項4】 アクリル短繊維40〜80質量%と他の
    短繊維60〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表
    面繊維層と交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体
    とで構成された皮革様シート状物を外張りに用いたこと
    を特徴とする靴。
  5. 【請求項5】 アクリル短繊維40〜80質量%と他の
    短繊維60〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表
    面繊維層と交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体
    とで構成された皮革様シート状物を外張りに用いたこと
    を特徴とする家具。
  6. 【請求項6】 アクリル短繊維40〜80質量%と他の
    短繊維60〜20質量%とからなる表面繊維層と、該表
    面繊維層と交絡一体化された補強用布帛と、弾性重合体
    とで構成された皮革様シート状物を用いて縫製されたこ
    とを特徴とする衣服。
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