JPS6160185B2 - - Google Patents

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JPS6160185B2
JPS6160185B2 JP52096285A JP9628577A JPS6160185B2 JP S6160185 B2 JPS6160185 B2 JP S6160185B2 JP 52096285 A JP52096285 A JP 52096285A JP 9628577 A JP9628577 A JP 9628577A JP S6160185 B2 JPS6160185 B2 JP S6160185B2
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JP
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fibers
denier
leather
collagen
woven fabric
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JP52096285A
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Koji Mimura
Tooru Takemura
Atsushi Kawai
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6160185B2 publication Critical patent/JPS6160185B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、天然皮革に近い優れた性能を有する
皮革様構造物及びその製造法に関する。より詳し
くは0.6デニール以上の繊維からなる基体の不織
布又は編、織物と1.0デニール以下の極細繊維と
コラーゲン繊維とから構成され、繊維(A)からなる
不織布又は編、繊物の繊維及び/又は組織間隙に
極細繊維とコラーゲン繊維が実質的に充填されて
おり、極細繊維とコラーゲン繊維あるいはさらに
基体の繊維とが相互に交絡して一体化された構造
物であつて、しかも該構造物の少なくとも一面が
実質的に極細繊維とコラーゲン繊維によつて覆わ
れてなる皮革様構造物及びその製造法に関する。
皮革様構造物に関してはすでに数多く提案さ
〓〓〓〓〓
れ、その一部はすでに市場に商品として供されて
いる。しかるにその技術あるいは製品を詳細に検
討すると、1.0デニール以上の繊維を用いたもの
と、海島繊維、易分割繊維等を用いて1.0デニー
ル未満の繊維としたものの2つに分類される。又
別の分類に従えば編、織物を起毛したものと、不
織布にポリウレタンの如き弾性重合体を多量に含
浸したものの2つに分類される。即ち編、織物を
用いた場合は起毛により、その触感をスエード皮
革に似せたものであり、不織布を用いたものはポ
リウレタンの如き弾性重合体をポーラス構造をと
らせ、皮革様の性能を付与しようとしたものであ
り、天然皮革に類似の触感性能を有しているが、
ポリウレタンを多量に用いるために天然皮革のよ
うな優れたドレープ性が得られない。又、天然皮
革の有する優れた吸透湿性を有しておらず、天然
皮革とは程遠いもので、これがいわゆる人工皮革
の一大欠点となつている。天然皮革を電子顕微鏡
で観察するとフイブリル状のコラーゲン繊維の交
絡体となるのに対し、通常の人工皮革は、ポーラ
スなポリウレタン層の中に繊維束が存在するよう
な構造となつている。従つて天然皮革と人工皮革
のドレープ性その他の性能上の差はこの構造の差
に起因する所が大きく、又放吸湿性等はコラーゲ
ン繊維そのものの性質によるものであり、合成繊
維、ポリウレタンが主成分である人工皮革ではと
ても天然皮革のような性質は得られない。
従来よりコラーゲン繊維を利用した人工皮革の
製造も試みられており、例えば特公昭45−15821
号公報や特公昭49−12681号公報にみられる如
く、クロムコラーゲン繊維と他の天然又は化学繊
維との混合物よりなる不織布状人工皮革が開発さ
れている。このような人工皮革は湿気の吸収、放
散性は優れているが、ドレープ性は未だ十分なも
のではなく、とくに強度及び形態安定性が不足し
ていると共に、風合の点でも改良する余地が大き
い。
又、特公昭49−17635号公報には繊維長の異な
るクロムコラーゲン繊維の混合物より作られた不
織布の両面に他の外層基材を積層重合した状態で
ニードルパンチ処理しバインダー処理した後、中
間層の中央部から重さ方向に分割し、2枚の皮革
用シートを得る方法が示されている。この方法に
よつて一見強度形態保持性の良好な人工皮革は得
られるのであるが、コラーゲン繊維を外層基材中
へニードルパンチによつて交絡させた際、コラー
ゲン繊維の独特な表面構造によつて十分な交絡効
果が得られず、形態保持性、強度を満足した人工
皮革というには不十分なものとなつている。
本発明者らは、かかる従来品の欠点を改良し、
より天然皮革に近い皮革様構造物を開発すべく鋭
意検討を進めた結果、本発明に到達した。
即ち本発明は (1) 0.6デニール以上の繊維(A)からなる不織布又
は編、織物と1.0デニール以下の極細繊維(B)と
コラーゲン繊維(C)とから構成され、繊維(A)から
なる不織布又は編、織物の繊維及び/又は組織
間隙に繊維(B)と繊維(C)が実質的に充填されてお
り、繊維(B)と繊維(C)あるいは繊維(B)、繊維(C)と
繊維(A)とが相互に交絡して一体化されている皮
革様構造物であつて、しかも該構造物の少なく
とも一面が実質的に繊維(B)と繊維(C)とによつて
覆われており、且つ該構造物の強度の大部分が
繊維(A)からなる不織布又は編、織物に依在して
いることを特徴とする皮革様構送物。
(2) 0.6デニール以上の繊維(A)からなる不織布又
は編、織物上に1.0デニール以下の極細繊維(B)
とコラーゲン繊維(C)とからなるウエブ又は仮接
着を施したウエブ状物を積層し、該積層体を実
質的に表面平滑な支持部材上に載せ、ウエブ側
から5〜100Kg/cm2Gの圧力で噴射される液体
流を作用させることにより繊維(B)、繊維(C)を繊
維(A)からなる不織布又は編、織物の繊維及び/
又は組織間隙に充填せしめ交絡一体化処理する
ことを特徴とする皮革様構造物の製造法。
(3) 0.6デニール以上の繊維(A)からなる不織布又
は編、織物上に1.0デニール以下の極細繊維(B)
からなるウエブ又は仮接着を施したウエブ状物
を積層し、実質的に表面平滑な支持部材上に載
せ、ウエブ側から5〜100Kg/cm2Gの圧力で噴
射される液体流を作用させることにより交絡一
体化処理した後、更に該処理シート状物を基体
として繊維(B)とコラーゲン繊維(C)とからなるウ
エブ又は仮接着を施したウエブ状物を積層して
交絡一体化処理する特許請求の範囲第2項記載
の皮革様構造物の製造法 にある。
本発明の皮革様構造物は、強伸度その他の物理
〓〓〓〓〓
的性能は、基体となつている繊維(A)の不織布又は
編、織物に主に依存しており、極細繊維(B)あるい
はコラーゲン繊維(C)は、その補助的な役割をはた
しているにすぎない。逆にその風合、触媒、ドレ
ープ性等は極細繊維(B)、コラーゲン繊維(C)に依存
している。しかも叩解したコラーゲン繊維(C)はフ
イブリル状繊維となつており、極細繊維(B)は叩解
処理しても解繊されるだけで普通の繊維形態を保
持しているため、シートの中心部に不織布又は
編、織物にからみついた状態でコラーゲン繊維(C)
が存在し、比較的表面部分に極細繊維(B)が存在す
るという構造になつているため両者の機能がより
効果的に発揮されることになる。言いかえれば従
来の人工皮革は、その基体はポリウレタンの如き
弾性重合体で構成されているのに対し、本発明の
皮革様構造物は不織布又は編、織物とコラーゲン
繊維(C)が、その基体の骨格をなしているという点
で大きく異なつている。
よく知られているように天然皮革は、コラーゲ
ン繊維の交絡体がその基体となつているという点
において、本発明の皮革様構造物は従来の人工皮
革とは比較にならない程天然皮革の構造、性能に
酷似しており、しかも人工皮革の有する優れた物
理性能をも兼ねそなえている。例えばそのドレー
プ性は従来の人工皮革に比し著しく優れており、
吸放湿性も優れており、又その触感は表面を起毛
すると極細繊維とコラーゲン繊維のミツクスした
ものであり、さらには密度で代表されるシートの
しまりもよく、重量感があり、非常に天然皮革に
近い。
本発明の皮革用構造物を構成する繊維(A)、極細
繊維(B)、コラーゲン繊維(C)は、それぞれ機能分担
があるので、次のような構成比率にすることが好
ましい。不織布、編、織物を形成する繊維(A)は30
〜67重量%、極細繊維(B)は30〜67重量%、コラー
ゲン繊維(C)は3〜40重量%、その他弾性重合体あ
るいはその他仕上げ処理剤0〜10重量%からなつ
ている。先に説明したようにポリウレタンの如き
弾性重合体は特に用いる必要はないが、仕上げ処
理剤の一つとして、又シートの物理性能をより向
上させる目的で極く少量用いてもよい。
本発明でいう0.6デニール以上の繊維(A)からな
る不織布、編、織物としては、公知の繊維からな
る通常の不織布、編、織物であれば何でもよく、
特に制限はないが、均一な組織なものが好まし
い。又極細繊維(B)、コラーゲン繊維(C)との一体化
をより強固にするために、潜在的収縮性を有する
繊維(A)からなる不織布、編、織物が特に好まし
い。即ち、潜在的高収縮性を有する繊維(A)からな
る不織布又は編、織物と極細繊維(B)、コラーゲン
繊維(C)とを交絡一体化処理した後、不織布又は
編、織物を収縮させ、一体化をより強固なものと
すると同時に、シート性状を向上させるのが最も
好ましい。繊維(A)の有する潜在的収縮率としては
5〜60%が適当であり、例えば60〜100℃の熱水
中で処理することにより、容易に5〜60%収縮す
るようなものが製造の容易さの点で好ましい。
尚、繊維(A)からなる不織布、編、織物は、1種も
しくは2種以上の繊維からなる不織布、編、織物
のいずれでもよく、従つて潜在的収縮性は不織布
又は編、織物全体として有していればよい。又フ
イラメント編、織物でもステープルからなるもの
でもよい。繊維(A)の具体例としては、公知のポリ
エステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフ
イン系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ
ビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊
維、セルロース系繊維、アセテート繊維あるいは
羊毛、木綿等の天然繊維等をあげることができ
る。さらに例えば、潜在的収縮性と潜在的自発伸
長性を同時に有するポリエステル繊維も本発明に
用いることができる。
次に、本発明の他の構成要素である極細繊維(B)
としては1.0デニール以下、好ましくは0.5デニー
ル以下の繊維が好ましい。コラーゲン繊維(C)単独
では0.6デニール以上の繊維(A)からなる不織布、
編織物の繊維及び/又は組織間隙への交絡を液体
流等の交絡処理手段によつては十分に行うことが
できないのであるが、本発明で用いる1.0デニー
ル以下、とくに0.5デニール以下の極細繊維(B)を
特定量コラーゲン繊維(C)と併用することによつ
て、コラーゲン繊維(C)と繊維(A)からなる不織布、
編、繊維との交絡を十分なものとすることができ
るのである。更に極細繊維(B)も、繊維(A)からなる
不織布、編、織物の繊維及び/又は組織間隙間に
交絡されているため、コラーゲン繊維(C)の基布か
らの抜け落ち防止効果が高められていると共に人
工皮革としての気密構造が高められているのであ
る。かかる1.0デニール以下、特に0.5デニール以
〓〓〓〓〓
下の繊維は、本発明者らが先に特開昭51−119826
号あるいは特願昭52−351778号で提案した0.5デ
ニール以下の繊維を直接湿式紡糸する方法により
得られた極細繊維を用いればよい。もちろん、こ
れ以外の方法で得られる極細繊維を本発明に使用
することは何らさしつかえない。例えば溶融紡糸
により得られる1.0デニール以下の繊維、1.0デニ
ール以下の天然繊維、あるいは特開昭51−32822
号で提案した易分割繊維、特公昭44−18369号公
報、特公昭40−2791号公報で提案されている海島
繊維、ブレンド繊維等も本発明に使用できる。但
し易分割繊維、海島繊維、ブレンド繊維等の場合
は分割処理あるいは一成分溶出処理により極細化
した後、シート化に供するのが好ましいが、極細
化処理前にシート化し、シートになつた後、上記
の極細化するといつた方法をとつてもさしつかえ
ない。要はシート状態でその構成繊維が1.0デニ
ール以下に極細化されていることが本発明の意図
する所である。
極細繊維(B)の具体例としては、ポリアクロニト
リル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系
繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリイミド系繊
維、セルロース系繊維、アセテート繊維等のセル
ロース誘導体繊維あるいは羊毛、木綿、羽毛等の
天然繊維を挙げることができ、これら極細繊維(B)
は1種もしくは2種以上用いても何らさしつかえ
ない。
次に本発明のもう一つの構成成分であるコラー
ゲン繊維(C)について説明する。天然皮革はよく知
られているようにコラーゲン繊維の交絡体である
が、本発明ではこの天然のコラーゲン繊維を用い
る。例えば天然皮革のなめし工程で生ずるなめし
屑等を用いればよい。即ちクロムコラーゴン繊
維、タンニンコラーゲン繊維等を叩解して本発明
の皮革様構造物の製造に供すればよい。
以上説明したように、本発明の主構成成分は上
記の繊維(A)、(B)、(C)であるが、先にも説明したよ
うに、弾性重合体その他仕上げ処理剤を少量任意
成分として用いてもよい。弾性重合体としてはポ
リウレタン、アクリルゴム、ニトリルゴム、ブタ
ジエンゴム、クロロプレンゴムあるいはそれらの
誘導体といつた公知の弾性重合体をそのまま利用
できる。仕上げ処理剤としては公知の柔軟仕上げ
処理剤等が用いられる。本発明においては、これ
らの弾性重合体、仕上げ処理剤はあくまで付加的
なものであり、従来の人工皮革のように弾性重合
体を特に用いなくても十分満足し得るシート性能
が得られる。
次に、本発明の皮革様構造物の製造法について
説明する。まず、基体となる繊維(A)からなる不織
布又は編、織物はいずれも公知の技術、装置を用
いて製造される。これら不織布、編、織物は、そ
の繊維間隙及び/又は組織間隙に極細繊維(B)、コ
ラーゲン繊維(C)を充填させて交絡一体化するので
あるから、できるだけ均一な組織で、且つ比較的
粗な組織のものが好ましい。密な組織のものを用
いると、その間隙に極細繊維(B)、コラーゲン繊維
(C)等が十分に充填されず、交絡一体化処理が困難
だからである。逆にあまり粗な組織のものを用い
ると、交絡一体化処理時に極細繊維(B)、コラーゲ
ン繊維(C)が間隙より脱落してしまうので好ましく
ない。
又、極細繊維(B)とコラーゲン繊維(C)とからなる
ウエブあるいはウエブ状物としては目付15〜80
g/m2、好ましくは20〜60g/m2の範囲のものを
用いる。極細繊維(B)、コラーゲン繊維(C)は、通常
のカードウエブとすることは困難である。従つて
ウエブの形成は、まず極細繊維の短繊維及びコラ
ーゲン繊維を別々にあるいは一緒に水中で公知の
方法に従い分繊、叩解し、これを公知の方法で湿
式抄造するか乾造した後、空気流を用いて乾燥ウ
エブとする。このウエブは直接前記基体上に抄造
して形成してもよいしあるいは抄造したウエブに
仮接着を施して紙様のウエブ状物に形成してもよ
い。この場合、仮接着の方法は、任意の方法でよ
いが、後の一体化処理時に容易にその仮接着を解
除し得るようなものが好ましく、例えば湿式抄造
時に後の一体化処理時の水で除去しうる水溶性化
合物、澱粉のり等を少量用いて抄造する方法等が
用いられる。尚、前記の易分割繊維、海島繊維を
極細化前に使用する時はカードウエブも、もちろ
ん利用できる。
かくして得られた繊維(A)からなる基体と、極細
繊維(B)、コラーゲン繊維(C)からなるウエブ又はウ
エブ状物を積層し、交絡一体化処理を行なう。交
絡一体化処理は、この積層体を実質的に表面平滑
な支持部材に載せ、ウエブ積層面側から5〜100
Kg/cm2Gの圧力で噴射される液体柱状流、液体扇
〓〓〓〓〓
形流、液体スリツト流等の液体流を作用させるこ
とによつて行なわれる。ここで用いられる支持部
材は実質的に表面平滑で、支持部材の模様がシー
トに形成されることなくしかも噴射された液体が
速やかに除かれるようなものであれば何でも用い
ることができる。その具体例としては40メツシユ
以上の細かいプラスチツクネツト、金属ネツト、
直径5cm以上のロール等を挙げることができる。
使用する液体は処理される繊維の溶剤以外ならい
ずれの液体も使用できるが、水又は温水が取扱い
の容易さの点で好ましく使用される。又、柱状流
を用いる場合は液体中に少量の添加剤を入れ、ト
ムズ効果によつて液体噴射の安定性向上を計るこ
ともできる。液体が水の場合、添加剤としてはポ
リエチレンオキシド、ポリアクリルアミド等が用
いられる。噴射ノズルの孔径は、柱状流の場合は
0.06〜1.0mm、好ましくは0.1〜0.3mmであり、扇形
流の場合は0.1〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.5mm
で、又噴射ノズルとシート間の距離は1〜20cm程
度が適当である。一般に極細繊維(B)、コラーゲン
繊維(C)を基布の繊維及び/又は組織間隙に充填
し、さらに貫通させるためにはできるだけ細い細
線流で処理することが好ましく、この観点からは
できるだけ細い高圧柱状流が最も好ましい。この
交絡一体化処理においては従来のニードルパンチ
ング技術を併用してもよい。さらに不織布を基体
とする場合は、この高圧液流処理によつて不織布
を形成し、この上に極細繊維(B)、コラーゲン繊維
(C)からなるウエブを積層して交絡一体化処理を行
なつてもよい。
尚、一般に交絡一体化処理は2回あるいはそれ
以上行なわれる。1回の処理では極細繊維(B)、コ
ラーゲン繊維(C)からなるウエブの目付が大きくな
ると、その交絡一体化が円滑に行なわれ難くな
り、得られるシートの品質が低下するので好まし
くない。交絡一体化処理を2回以上行なう場合、
1回目の交絡一体化処理時のウエブ積層面と同じ
面に再度ウエブを積層して2回目の交絡一体化処
理を行なう方法と1回目の交絡一体化処理時のウ
エブ積層面と反対の面にウエブを積層して2回目
の交絡一体化処理を行なう方法の基本的には2つ
の方法がとられる。得られるシート性状その他か
ら交互に数回くりかえしても一方面から2回、他
方面から1回というように、その組合せは自由に
選ぶことができる。又、1回目は極細繊維(B)のみ
からなるウエブを積層して交絡一体化処理を行な
い、2回目は極細繊維(B)、コラーゲン繊維(C)から
なるウエブを用いて交絡一体化処理を行なつても
よい。
かくして、交絡一体化されたシートは、染色、
起毛、仕上げ処理に供されて本発明の皮革様構造
物が得られるが、基体を構成する繊維(A)に潜在的
収縮性を有する繊維を用いた場合は交絡一体化処
理後、収縮処理が行なわれる。収縮条件は用いた
繊維(A)によつて異なるが、一般に温水、熱水、熱
有機溶剤、乾熱、蒸熱、湿熱、乾湿熱が用いられ
る。操作性、装置その他の点では温水、熱水、乾
熱が最も好ましいので、そのような条件に適合し
た繊維(A)を選ぶことが望ましい。収縮率は一般に
交絡一体化されたシートの辺収縮として5〜60
%、好ましくは15〜50%程度が望ましい。かかる
観点から繊維(A)として温水又は熱水中で収縮性を
示す高収縮ポリエステル繊維が最も好ましく用い
られる。極細繊維として極細化されていない易分
割繊維、海島繊維を用いた場合は、この収縮処理
と同時に、あるいは別に公知の方法に従つて極細
化処理が行なわれる。
以上の収縮処理が行なわれた後、繊維(A)が潜在
的自発伸長性を有する繊維である場合は自発伸長
処理を行ない、又必要に応じて熱セツトを行な
う。次いで必要に応じて弾性重合体処理、起毛処
理、染色仕上げ処理を行なう。これらは全て公知
の技術が応用できる。尚、コラーゲン繊維はカチ
オン染料、アニオン染料で非常に鮮明に染色され
ているので、この染色性も本発明による皮革様構
造物の大きな特徴の一つである。
以上説明したように、本発明の皮革様構造物
は、従来の人工皮革にはない優れた性能を有し、
天然皮革に近い性状を有し、しかも従来の人工皮
革の利点を併せもつているので画期的なものであ
り、本発明の工業的意義は極めて大きいものであ
る。
以下実施例により、本発明をさらに詳細に説明
する。尚、実施例中の部及び%は全て重量基準で
ある。
実施例 1 沸水収縮率45%のポリエステルフイラメント
80d/36fを用い、度目150cm/540ループのシング
〓〓〓〓〓
ルジヤージイを調製した。
一方、アクリロニトリル92%、アクリル酸メチ
ル8%からなる共重合体をジメチルアセトアミド
に溶解し、ポリマー濃度16%の紡糸原液を調製
し、これを0.04mmの孔径の紡糸口金を用いて40
℃、50%ジメチルアセトアミド水溶液中に紡出
し、延伸、乾燥、緩和処理を行なつて0.15デニー
ルの繊維を得た。これを3mmにカツトし、公知の
方法で水中で分繊、叩解した。一方、天然皮革の
タンニンなめし屑であるタンニンコラーゲン繊維
を同様に水中で叩解した。アクリル極細繊維/タ
ンニンコラーゲン繊維=3/1の割合で混合し、
長網式抄紙を用いて40g/m2の仮接着した紙を調
製した。
得られた紙を前記ポリエステル編地の上に積層
し、これを90メツシユの抄織プラスチツクネツト
上に載置して、紙の側から孔径0.15mmの液体噴射
ノズルを用いて15Kg/cm2G、30Kg/cm2G、50Kg/
cm2Gの順で順次加圧した圧力で連続的に高圧水に
よる柱状流処理を行なつた。得られたシートを裏
がえしその上に前記紙をもう一枚積層し再び90メ
ツシユネツト上にのせ、同様の柱状流による交絡
一体化処理を行なつた。かくして、得られたシー
トを沸とう水中に浸漬して収縮処理を行なつたと
ころ、辺収縮はヨコ30%、タテ25%であつた。
次いで、このシートをカチオン染料で染色した
ところ、非常に鮮明に染色された。これを公知の
方法で両画共にバフイング処理により起毛し天然
スエード皮革に極似した皮革様構造物を得た。得
られた皮革様構造物の物理的性能は下記の如くで
あり、その解感とドレープ性は従来の人工皮革に
は認められない優れたものであつた。又、かすか
に天然皮革様の匂いがし、且つその放吸湿性も非
常に優れていた。
目付250g/m2、厚さ0.4mm、カンチレバー屈曲
長2.1cm、強度190Kg/cm/g/cm2
又、その構成比(重量比)はポリエステル繊
維/アクリル極細繊維/コラーゲン繊維=6/
6/2であつた。
実施例 2 実施例1で得られたアクリル極細繊維100%か
らなる目付30g/m2のポリアクリルアミド5%
(対繊維)を用いて仮接着をほどこした紙を湿式
抄紙して得た。
一方実施例1で用いた高収縮ポリエステル繊維
から度目160cm/480コースのトリコツト編地を調
製した。まず、このトリコツト編地と仮接着した
上記のアクリル極細繊維紙とを積層し、80メツシ
ユのステンレスネツト上にのせ、孔径0.15mmの液
体噴射ノズルを用いて15Kg/cm2G、30Kg/cm2G、
30Kg/cm2Gの順の圧力で順次柱状流による交絡一
体化処理を行なつた。引き続き実施例1で使用し
たアクリル極細繊維/コラーゲン繊維=3/1の
混抄紙を同じ側にもう一枚のせ、15Kg/cm2G、50
Kg/cm2G、50Kg/cm2Gの順の圧力で柱状流処理を
行なつた。得られたシートを引き続き沸とう水中
で辺収縮率29%に収縮させ、160℃で乾熱セツト
した。次いでカチオン染料で染色し、柱状流が直
接あたつた側をバフイング処理した。柱状流が直
接あたつた反対側には、アクリル極細繊維が貫通
しており、非常に柔軟な触感を有していた。
得られた皮革様構造物の物理的性能は下記の如
くである。
目付240g/m2、厚さ0.43mm、カンチレバー屈
曲長2.1cm、強度180Kg/cm/g/cm2、ポリエステ
ル繊維/アクリル極細繊維/コラーゲン繊維=
6/6/1。
実施例 3 アクリロニトリル94%、酢酸ビニル6%からな
る共重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、19
%の紡糸原液を調製した。これを0.03mmの孔径の
紡糸口金を用いて30℃、40%ジメチルアセトアミ
ド水溶液中に紡出し、延伸、乾燥、緩和処理を行
なつて0.09デニールの極細繊維を得た。この繊維
を2mmにカツトしクロムコラーゲン繊維と共に
(アクリル極細繊維/コラーゲン繊維=3/2)
水中で叩解した。
次に、潜在的収縮性を有するポリエステル繊維
(沸水収縮率35%)ステープルから公知の方法に
従い目付50g/m2の平織物を調製した。次いで、
丸網抄紙機を用いて上記アクリル極細繊維とコラ
ーゲン繊維からなる叩解スラリーをこの平織物上
に抄きあげ60メツシユプラスチツクネツト上で極
細繊維側から柱状流による処理を15Kg/cm2G、20
Kg/cm2G、30Kg/cm2G、50Kg/cm2Gの順で行な
い、さらに20cmの径の金属ロール上で50Kg/cm2
で柱状流による処理を行なつた。得られたシート
を沸とう水中で収縮させ、さらに170℃で乾燥、
〓〓〓〓〓
熱セツトを行なつた。常法に従つて染色し、さら
にシリコーン系油剤(全繊維量に対し3%)で処
理したところ、非常にトレープ性があり、且つ柔
軟な触感を有するスエード調皮革様物が得られ
た。その物理的性能は下記の如くである。
目付200g/m2、厚さ0.4mm、カンチレバー屈曲
長2.0cm、強度200Kg/cm/g/cm2、ポリエステル
繊維/アクリル極細繊維/コラーゲン繊維=5/
3/2。
実施例 4 実施例2で得られた皮革様物の柱状流による処
理をした側に、ポリウレタンエマルジヨン液を塗
布し(全繊維に対し3%)、140℃で乾燥したとこ
ろ、腰があり、しかも天然皮革様のドレープを有
するシートが得られた。その物理的性能は次の如
くである。
目付247g/m2、厚さ0.4mm、カンチレバー屈曲
長2.7cm、強度195Kg/cm/g/cm2
実施例 5 セルロース濃度7%、アルカリ濃度4%からな
る塩点8のビスコースを、過精度5μのポリフ
イルターリジユメツシユシート(ポール・トリニ
テイ・マイクロ社製)をノズルに用いて硫酸100
g/、芒硝350g/、硫酸亜塩12g/、40
℃の紡糸浴中に紡出し、次いで硫酸5g/、60
℃の延伸浴中で1.5倍に延伸して常法により脱
硫、水洗を行なつて0.08デニールの繊維(カツト
長3mm)を得た。これを常法により水中で叩解処
理した。一方、クロムコラーゲン繊維も、常法に
より水中で叩解処理した。
又別に、潜在的収縮性を有する(1.5Kg/cm2
の飽和水蒸気中20%収縮)2.0デニールのアクリ
ル繊維からなるカードウエブを調製し、軽くニー
ドルパンチ処理して、50g/m2のウエブを調製し
た。このウエブ上に、先に調製したセルロース極
細繊維/コラーゲン繊維=3/1からなる湿式抄
造したウエブをのせ、80メツシユの金網上で30
Kg/cm2G、50Kg/cm2Gの順の圧力で扇形流による
処理を行なつた。さらに同様の処理をもう一度く
り返し、1.5Kg/cm2Gの飽和水蒸気でシートを収
縮せしめ、引き続き乾燥した。これにポリウレタ
ンエマルジヨンを含浸(全繊維量に対し3%)
し、乾燥したところ、天然皮革様のシートが得ら
れた。この物理的性能は次の如くである。
目付230Kg/m2、厚さ0.8mm、カンチレバー屈曲
長2.7cm、強度210Kg/cm/g/cm2、アクリル繊
維/セルロース極細繊維/コラーゲン繊維=5/
6/2。
実施例 6 特願昭50−9103号公報記載の方法でポリエステ
ルとナイロン6からなる8等分割可能な断面を有
する1.0デニールの複合繊維を得た。
この繊維を公知の方法でウエブ形成し、ニード
ルパンチングした後、1規定苛性ソーダ水溶液を
用いて80℃で処理することにより分割極細化し
た。このウエブ上にコラーゲン(叩解)繊維を抄
紙し、これを実施例1で用いたポリエステル繊維
編地上にのせ、100メツシユのステンレスネツト
上で15Kg/cm2G、30Kg/cm2G、60Kg/cm2Gの順の
圧力で柱状流による処理を行なつた。さらにシー
トをうらがえして同様の柱状流処理を行ない、沸
とう水中でシートを収縮させ、乾燥、熱セツト
(150℃)した。得られたシートの両面を起毛処理
したところ、天然スエードと極似の皮革様物が得
られた。この皮革様物の物理的性能は次の如くで
あつた。
目付220g/m2、厚さ0.6mm、カンチレバー屈曲
長2.3cm、強度180Kg/cm/g/cm2、ポリエステル
繊維/ポリエステル極細繊維/ナイロン極細繊
維/コラーゲン繊維=6/2/2/1。
〓〓〓〓〓

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 0.6デニール以上の繊維(A)からなる不織布又
    は編、織物と1.0デニール以下の極細繊維(B)とコ
    ラーゲン繊維(C)とからなり、かつ繊維(A)は30〜67
    重量%、極細繊維(B)は30〜67重量%、コラーゲン
    繊維(C)は3〜40重量%の比率で構成され、繊維(A)
    からなる不織布又は編、織物の繊維及び/又は組
    織間隙に繊維(B)と繊維(C)が実質的に充填されてお
    り、繊維(B)と繊維(C)あるいは繊維(B)、繊維(C)と繊
    維(A)とが相互に交絡して一体化されている皮革様
    構造物であつて、しかも該構造物の少なくとも一
    面が実質的に繊維(B)と繊維(C)とによつて覆われて
    おり、且つ該構造物の強度の大部分が繊維(A)から
    なる不織布又は編、織物に依存していることを特
    徴とする皮革様構造物。 2 0.6デニール以上の繊維(A)からなる不織布又
    は編、織物上に1.0デニール以下の極細繊維(B)と
    コラーゲン繊維(C)とからなるウエブ又は仮接着を
    施したウエブ状物を積層し、該積層体を実質的に
    表面平滑な支持部材上にのせ、ウエブ側から5〜
    100Kg/cm2Gの圧力で噴射させる液体流を作用さ
    せることにより繊維(B)、繊維(C)を繊維(A)からなる
    不織布又は編、織物の繊維及び/又は組織間隙に
    充填せしめ交絡一体化処理することを特徴とする
    皮革様構造物の製造法。 3 0.6デニール以上の繊維(A)からなる不織布又
    は編、織物上に1.0デニール以下の極細繊維(B)か
    らなるウエブ又は仮接着を施したウエブ状物を積
    層し、実質的に表面平滑な支持部材上にのせ、ウ
    エブ側から5〜100Kg/cm2Gの圧力で噴射される
    液体流を作用させることにより交絡一体化処理し
    た後、更に該処理シート状物を基体として1.0デ
    ニール以下の極細繊維(B)とコラーゲン繊維(C)とか
    らなるウエブ又は仮接着を施したウエブ状物を積
    層して交絡一体化処理する特許請求の範囲第2項
    記載の皮革様構造物の製造法。
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