JPH04263672A - 人工皮革用基材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ソフトな風合で、折れ
しわの発生しにくい人工皮革用基材に関する。

【０００２】

【従来の技術】絡合不織布にポリウレタンエラストマー
等の高分子弾性体を含浸し、湿式凝固、乾燥して人工皮
革用の基材とすることはよく知られており、得られた基
材は更に仕上げ加工して銀付人工皮革やスエード調人工
皮革とすることができる。

【０００３】従来、上記絡合不織布に用いる繊維として
は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維あるいはそ
れらの複合繊維等が使用され、更にはソフトな風合を付
与する目的から細デニール繊維、海島繊維、分割繊維な
どが用いられている。通常用いられている繊度（１〜２
デニール程度）のポリエステル系繊維からなる不織布は
人工皮革用としては硬過ぎる性状のものとなる。

【０００４】一方、同様の繊度のポリアミド系繊維を用
いた場合は、そのままでは絡合不織布となりにくいので
、従来捲縮数１０〜１５山／２５ｍｍのナイロン短繊維
をニードルパンチング等により絡合処理を施し不織布と
している。ナイロン繊維は一般にヒートセット性が悪く
、ニードルパンチング処理によりその捲縮数が減少し、
上述の捲縮数のナイロンでは通常５〜８山／２５ｍｍ程
度の捲縮数のものとなる。かかるナイロン繊維からなる
不織布は、その表層部は繊維が集合し高密度となり、逆
に内層部は低密度となるため、ボリーュム感に乏しく、
感触がソフトでなく、更に折れしわの発生しやすいとい
った問題がある。

【０００５】このため、ニードルパンチング処理を弱め
にし、捲縮数の減少を押えた不織布は、ソフト性は向上
するが絡合が不十分なため、層間剥離強度が十分でなく
、人工皮革用の基材としては実用できない。一方、高捲
縮ナイロン繊維を用いる方法も考えられるが、この場合
はニードルパンチング工程で針折れが多かったり、得ら
れた不織布の表面が荒れるといった問題点があり、従来
行なわれていなかった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、鋭意研
究した結果、特定の捲縮数のナイロン繊維を特定の捲縮
数となる様にニードルパンチング処理することで、上記
問題点が解消されることを見出し、本発明を完成したも
のであり、本発明の目的は、厚み方向に均一な密度を有
し、ソフトな風合で折れしわの発生しにくい、丸み感に
富んだ人工皮革用基材を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、不織布
に高分子弾性体が含浸凝固された人工皮革用基材におい
て、前記不織布が捲縮数２２〜３３山／２５ｍｍのナイ
ロン繊維をニードルパンチングして捲縮数１２〜１６山
／２５ｍｍに絡合処理することを特徴とする人工皮革用
基材の製造方法によって達成される。

【０００８】本発明に係る不織布を製造するには、捲縮
数２２〜３３山／２５ｍｍのナイロン繊維が用いられる
。捲縮数が２２山／２５ｍｍより小さい場合は、密度の
均一性が悪く層間剥離強度の弱い不織布となり、またこ
の不織布に樹脂を含浸し凝固させて得た基材は、風合が
ソフトでない。また捲縮数が３３山／２５ｍｍより大き
い場合は、ニードルパンチング工程で針折れがしやすく
、表面の荒れた不織布しか得られない。

【０００９】本発明に用いる不織布は、上記捲縮数のナ
イロン繊維をウェブとなし、これをニードルパンチング
処理することで得られるが、本発明においては、ニード
ルパンチング処理後の捲縮数を１２〜１６山／２５ｍｍ
としたものである。捲縮数が１２山／２５ｍｍより小さ
い場合は、得られる基材は風合がソフトでなく、折れし
わの発生しやすいものとなる。また捲縮数が１６山／２
５ｍｍより大きい場合は、不織布の層間剥離強度が十分
でない。

【００１０】本発明の人工皮革用基材は、例えば次の様
にして製造することが出来る。即ち、捲縮数２２〜３３
山／２５ｍｍのナイロン短繊維をウェブとなし、これを
ニードルパンチングして絡合不織布となす。ここで得ら
れる絡合不織布は不織布を構成するナイロン繊維の捲縮
数を１２〜１６山／２５ｍｍとする必要があり、また不
織布の見掛け密度は好ましくは０．０８ｇ／ｃｍ３　以
上、更に好ましくは０．１０ｇ／ｃｍ３　以上とするこ
とで、層間剥離強度も良好な人工皮革用に適したものが
得られる。次に得られた不織布にポリウレタンエラスト
マー等の高分子弾性体の溶液又はエマルジョンを含浸し
たのち、湿式法，乾式法等によって凝固させ、不織布内
に高分子弾性体を充填させることで得られる。その際、
高分子弾性体の溶液又はエマルジョン中に、必要に応じ
て充填剤、着色剤、難燃剤等を混合してもよい。

【００１１】

【実施例】以下、実施例により本発明を詳述する。なお
その前に、本明細書における種々の特性の評価法を記述
する。

【００１２】＜ソフト性＞ＪＩＳ．Ｌ−１０９６．６．
２０．１曲げ反ぱつ性Ａ法（ガーレ法）に準じて測定し
た。

【００１３】＜折れしわ性＞直径８ｍｍの円柱状ガラス
棒に試料基材を１８０°捲きつけ、折り返した形とし、
室温（約２０℃）で１０秒間保持した後、元の形にもど
し、発生したしわの様子を観察し、下記の基準で評価し
た。 ○：しわの発生が見られない。 △：小じわの発生が見られる。 ×：大じわの発生が見られる。

【００１４】＜基材密度の均一性＞得られた基材を厚み
方向に、上層部，中層部，下層部に３等分し、それぞれ
の見掛け密度を測定した。密度差の少ないもの程、均一
性が高い。

【００１５】＜針折れ性＞１ｍ幅の不織布６００ｍを作
成した時の、折れた針の本数。

【００１６】＜捲縮数＞ＪＩＳ．Ｌ−１０７４．５．１
１．１の方法によって測定した。

【００１７】実施例１〜２、比較例１〜３表１，表２に
示す如き１２〜３５山／２５ｍｍの捲縮数のナイロン短
繊維（繊度１．５デニール、長さ３８ｍｍ）をそれぞれ
使用し、開繊後カーディングして薄いシート状としたも
のをクロスラッパー方式にて８０枚積層しウェブとなし
、これをニードルパンチングして１ｍ幅、目付３５０ｇ
／ｍ２　の不織布を作成した。ニードルパンチングは、
３つの工程で行った。第１工程はパンチ数２０ポイント
／ｃｍ２　，針深８ｍｍで上方よりニードリングし、第
２工程はパンチ数３００ポイント／ｃｍ２　，針深５ｍ
ｍで上方および下方よりニードリングし、第３工程は第
２工程と同様の条件でニードリングした。

【００１８】得られた不織布の性状及びナイロン繊維の
捲縮数は表１，表２の通りであった。尚、捲縮数３５山
／２５ｍｍの高捲縮ナイロン繊維を用いて不織布とした
もの（比較例３）は、捲縮数が１７山／２５ｍｍのナイ
ロン繊維からなる不織布であって、風合いの硬いものと
なり、ニードリング時に針折れが多く、表面が著しく荒
れたため、人工皮革用の基材として使用できなかった。

【００１９】次に得られた不織布を濃度１０重量％のポ
リビニルアルコール水溶液に浸漬し、絞り圧０．５ｋｇ
／ｃｍ２　で絞液した後乾燥し、続いてジメチルホルム
アミドを溶媒とする濃度２０％のポリウレタン溶液を含
浸し、この含浸シートをジメチルホルムアミドの水希釈
液（濃度１２重量％）に浸漬してポリウレタンを湿式凝
固させ、次いで水洗により溶媒等を完全に除去したのち
乾燥して、人工皮革用基材を製造した。

【００２０】得られた基材の性状，特性等は表３〜表４
に示す通りであった。

【００２１】比較例４ 上述の方法において、捲縮数１２山／２５ｍｍのナイロ
ン繊維を用い、ニードルパンチングの第２工程の針深を
５ｍｍではなく３ｍｍとする他は、上述と同様にして不
織布を作成し、引き続き人工皮革用基材を得た。

【００２２】結果は、表１〜４に示す通りであった。得
られた不織布は層間剥離強度が小さく、基材としては強
度の弱いものであった。

【００２３】

【表１】

【００２４】

【表２】

【００２５】

【表３】

【００２６】

【表４】

【００２６】

【発明の効果】本発明の人工皮革用基材は、厚み方向に
均一な密度を有し、表面平滑性に優れ、ソフトな風合で
折れしわが発生しにくい、丸み感に富んだものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　不織布に高分子弾性体が含浸凝固され
   た人工皮革用基材において、前記不織布が捲縮数２２〜
   ３３山／２５ｍｍのナイロン繊維をニードルパンチング
   して捲縮数１２〜１６山／２５ｍｍに絡合処理すること
   を特徴とする人工皮革用基材の製造方法。